転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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龍亞の大勝負!〜遊海の秘密を守れ!〜

Side龍亞

 

 

 

 

「…こうしてデュエルモンスターズは誕生し世界に広がりました…以上です!」

 

「龍可さんよくできました!次は…」

 

「zzz…」

 

「コホン…龍亞君!」

 

「ふぇ!?は、はい!ね、寝てません!!」

 

「…思いきり居眠りしてましたよ…!次は気をつけてね!」

 

「は…はい…」

 

 

キーンコーンカーンコーン…

 

 

「それでは今日の授業はここまで!みんなまた明日ね!」

 

 

「「「は〜い!ありがとうございました!!」」」

 

 

………

 

 

 

 

「ふわぁ〜…」

 

「もう龍亞ったら!せっかく退学が無しになったのに…居眠りしてたら追い出されちゃうよ!」

 

「そう言ったって眠いのはしょうがないじゃん…次は気をつけるよ…」

 

「まったくもう…」

 

 

おれは龍亞!シグナーの妹・龍可の双子のお兄ちゃんだ、この前遊星とカイバーマンのおかげでハイトマン教頭の退学騒動が解決しておれ達は平和な学生生活を過ごしていた…って、おれ…誰に話してるんだろう?

 

 

 

「あっ…龍亞、今日は先に帰ってて!」

 

「ん?龍可、どうしたんだよ?珍しいじゃん」

 

「うん!パティや他の女の子達と文房具を買いにいくの!」

 

「へぇ〜、そっか…わかった!気をつけてね!」

 

「うん!また後でね!」

そう言うと龍可は女子のグループに走っていった…龍可も変わったな〜、半年前までは病気がちで大変だったのに…きっと遊星や遊海に会えたおかげだな、お兄ちゃんとして嬉しいや!

 

 

「よし、おれも帰ろ!」

今日はボブも天兵も都合が悪いらしいし…遊星のガレージにでも行ってみよう!

 

 

 

 

「おっ…龍亞じゃねぇか!珍しいな一人か?」

 

「あ!クロウ!バイク便の仕事中?」

ガレージに向かう途中、バイク便の服を着たクロウと会った、WRGPの為にお金を貯めてるんだよな…

 

「おう!黒ガラスのバイク便、絶賛仕事中さ!遊星のところに行くのか?」

 

「うん!遊星いるよね?」

 

「ああ、今日はデッキホルダーの改造をするって言ってたぞ?この前は大変だったからなぁ…」

 

「あはは…カードが散らばってたもんね、でも遊星ならすぐに直してくれるよ!」

 

「ああ、違いねぇ!…おっと!そろそろ時間だな!じゃあ気をつけて行けよ!最近物騒だからな!」

 

「うん!ありがとうクロウ!」

 

ブルル…バシューン!

 

クロウはDホイールに乗って走っていった、最近は物騒…か、遊星が出会ったっていうシンクロキラーの「機皇帝」…そして、遊海が出会ったゲイザー…あの時は怪我を治してくれたのに…どうして遊海を襲ったんだろう…?

 

 

 

 

 

Sideout

 

 

少し前…

 

 

 

「遊海!」

 

「遊海さん!大丈夫!?」

 

 

「龍亞君、龍可ちゃん…来てくれてありがとう、遊海さんは眠っているわ…少し静かにね?」

 

遊星から連絡をもらったおれと龍可は入院している牛尾のおっちゃんと遊海のお見舞いに来ていた、牛尾のおっちゃんはゴーストに…遊海は前に出会ったゲイザーっていう人に襲われたらしい。

 

 

 

「でも…遊海さんがどうして…!遊海さんはとても強いわ!そんな遊海さんがこんな怪我をするなんて…!」

 

「うん…遊海…苦しそう…」

龍可につられてベッドで寝ている遊海を見る…呼吸を楽にするマスクを付けながら寝ている遊海は少し苦しそうな顔で眠っていた…。

 

 

「大丈夫よ!2人共!遊海さんは強い人だから少し休めば良くなるわ!また目が覚めたら会いに来てあげて…」

 

「「うん…」」

 

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

遊海はしばらくして目を覚ました…今は家で休んでいるらしい、いつもそうだ…おれは遊海や遊星達に守られてばっかりだった、ディヴァインの時も…ダークシグナーの時も…確かにおれはシグナーじゃない、でも少しでもみんなの力になりたいんだ…!

 

 

 

 

 

 

「お〜い!遊星いる〜?」

 

「む…龍亞か、一人で来るなんて珍しいな」

ガレージに着いたおれは遊星に声をかける、遊星はDホイールのオイルで真っ黒だった。

 

「うん、みんな都合が合わなくてさ!…少し作業を見ててもいい?」

 

「あぁ、ゆっくりしていけ」

 

おれは近くのイスに座り遊星の作業を見る、遊星はすごい集中力でテストマシンのカスタマイズをしていた。

 

 

「この配線を繋いで……よし、カードホルダーの修理完了だ…龍亞、ジュース飲みにいくか?」

 

「うん!」

 

 

 

「ごゆっくりどうぞ〜!」

 

おれと遊星はガレージの近くにあるカフェに来ていた、空は晴れていて風が気持ちいい…。

 

「ふぅ…偶にはこうして外でコーヒーを飲むのもいいものだ…ガレージに籠もってばかりいると体にも悪いしな…」

遊星はそう言ってコーヒーを飲む…そうだ、聞いてみよう。

 

 

「ねぇ…遊星、教えてほしい事があるんだ」

 

「ん?どうした改まって…?」

 

「強くなるには…どうすればいい?」

 

「強くなるには…か、龍亞…どうして強くなりたいんだ?」

 

「おれ…遊星や龍可みたいなシグナーじゃないけど、みんなの役に立ちたいんだ…!それに龍可を守るヒーローになる為に…もっと強くならなきゃいけないんだ!」

 

「龍亞…お前は充分に強いぞ、ダークシグナーであるディマクに立ち向かって勝ったじゃないか?」

 

「それじゃダメなんだ…!あの時は遊海が闇のダメージを肩代わりしてくれた!龍可に助けてもらった!…それじゃあダメなんだ…!」

 

龍亞は拳を握り締める…龍亞はずっと見てきたのだ、ボロボロの体を削りながらシティを守り続けた遊海、サテライトとシティを一つにするために戦い続けた遊星、そして絶対王者としてシティに君臨したジャック…龍亞はその強さに憧れた、自分もみんなと共に戦いたい…妹を守れる強い男になりたいと…そう思ったのだ。

 

 

「龍亞…お前はまだ幼い、そこまで気負う必要はないんだぞ?」

 

「でも…」

 

「今はダメでもお前には未来がある、お前はしっかり成長している、今はアカデミアでしっかり学んで力を付ける時なんだ…わかったか?」

遊星は龍亞に諭すように伝える、龍亞兄妹はまだ小学生…可能性を秘めた雛鳥なのだ。

 

「うん!おれ勉強もデュエルも頑張る!」

 

「ああ、その意気だ…デュエルの事だったらオレも教えられる、今度教えてやろう」

 

「本当!?ありがとう遊星!」

さっきまでの悩みは何処へやら…笑顔をみせる龍亞なのであった。

 

 

 

Sideout

 

 

Side遊星

 

 

 

「遊星!今日はありがとう!また来るね〜!」

 

「ああ、気をつけて帰るんだぞ!」

 

「は〜い!」

ジュースを飲み終わった龍亞は家へと走っていった…。

 

 

「龍亞も自分なりに色々考えてるんだな…オレも考えなければ…」

遊星は歩きながら考える…シンクロモンスターを奪いとる恐ろしいモンスター「機皇帝」について…。

 

「『機皇帝』はシンクロモンスターを吸収し攻撃力を増す恐ろしいモンスター、オレのデッキはシンクロモンスターが主戦力…次に戦う時に勝つには…どうすればいい…?」

 

 

「遊星!ちょっといいか!」

 

「むっ…ジャック?どうしたんだ?」

考えに耽る遊星にジャックが声をかける、両手には買い物袋を持っている。

 

「さっき妙な噂を小耳に挟んだのだが…」

 

「妙な噂?」

 

「変な口調の外人が遊海の家を探しているらしい…!」

 

「遊海さんの家を…?それはおかしい…遊海さんはまだ表向きには行方不明の筈だ…それを探しているって事はまさか…!」

遊海は世間的には行方不明扱いとなっている…彼が生きている事を知っているのはシグナー達と狭霧&牛尾、あとは関係の深い友人達だけである…つまり。

 

「遊海が狙われている可能性があるという事か…!?」

 

「この前の事もある…急いで遊海さんに連絡しよう!」

遊星達はガレージへと急いだ…。

 

 

 

 

Sideout

 

 

 

Side龍亞

 

 

「よーし!家に帰ったら早速デッキの調整だ!絶対に強くなってやるぞ〜!」

遊星との会話で目標を新たにした龍亞は帰り道を急いでいた…しかし

 

『Oh!?』

「イテ!?」

 

道を曲がった先で人とぶつかってしまう…完全に前方不注意である。

 

『オー、スイマセンボーイ!怪我はありませんか?』

 

「イテテ…こっちこそごめんなさい!…ヒッ…!」

龍亞はぶつかった相手を見上げる、相手は中折れ帽をかぶり、肩まで届く銀髪を持った紳士だった…しかし龍亞は髪に隠れていた顔の左半分を見てしまう、その左眼には大きな傷が付いていた…。

 

 

「おじさん…目、大丈夫…?」

 

『おっと…見えてしまいましたか、ノープログレムデース!昔クレイジーな事をして怪我をしたのデース、気にしないでくだサーイ!』

 

「そ、そうなんだ…ごめんなさい…これからは前に気をつけます…」

 

『いえ、私の方こそソーリーデース!人を探すのに夢中になって前を見ていませんデシタから…』

 

「誰か人を探してるの?おれの知ってる人だったら案内するよ!」

 

『オー!サンキューですボーイ!色々な人に聞いたのですが誰も知らないらしいのデース、ベリー有名なはずなのですが…』

そう言って紳士は頭を掻く…

 

「有名な人…?遊星やジャックの事?」

龍亞は思いついた有名な人の名前を上げる

 

『違いマース…彼の名前はMrユウミ シラナミといい

マース!』

 

「ユウミ シラナミ…?白波 遊海…!おじさんあの人は行方不明なんだよ?この街にいるわけないよ!」

龍亞は咄嗟に嘘をつく、それは以前遊海に「まだ自分が復活した事は秘密にしておいてほしい」と言われたからである。

 

『ノンノン!彼がこの町にいる事はわかっていマース!私は彼に用があって来たのデース!…ボーイは何か知っていますね?教えてくだサーイ!』

 

「そ、それは…(もしかしてこの人、遊海を狙ってる奴らの仲間なんじゃ!?…時間を稼ぐんだ!おれは守られてばかりじゃない!遊海を助けるんだ!!)」

龍亞の脳裏ではボロボロの遊海が思い浮かんでいた…そして…

 

「うん…知ってるよ、でもタダでは教えられない!」

 

『ムム?ではどうすればいいデスか?』

 

「おれとデュエルしてよおじさん…貴方もデュエリストでしょ?…勝ったら教えてあげるよ…!」

龍亞は紳士の鞄からはみ出すデュエルディスクが見えていた…遊海を守る為に龍亞はデュエルに挑む…!

 

『オー!デュエルですか!流石デュエルの聖地デスね〜、いいでしょう!レッツデュエルデース!』

紳士は旧式のデュエルディスクを装着する。

 

「(見てて遊海…!遊海の秘密はおれが守る!)」

 

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

龍亞LP4000

銀髪の紳士4000

 

 

「おれのターン!ドロー!」

「『D・モバホン』を召喚!」

ガラケー型のロボットが現れる ATK100

 

『オー!「ディフォーマー」使いですか!なかなか良いドローデース!』

紳士は召喚されたモバホンを見て嬉しそうな顔をする…。

 

「『モバホン』の攻撃表示の効果発動!ダイヤルオーン!」

モバホンのダイヤルがランダムに点滅し止まる…数字は1!

 

「げげっ!?そんなぁ!…デッキを1枚めくってレベル4以下の『D』なら特殊召喚できる!…よし!『D・ステープラン』を特殊召喚!」

ホッチキス型のロボットが現れる ATK1400

 

「『ステープラン』が攻撃表示の時、相手はこのモンスター以外のモンスターを攻撃できない!カードを2枚伏せてターンエンド!」

龍亞LP4000

モバホン ステープラン 伏せ2 手札2

 

 

 

 

『なかなか上手なプレイですね〜!流石デュエルアカデミアの学生デース!次は私からいきマース!』

 

 

 

『私のターン!ドロ〜!』

『それではボーイを私の大好きな世界にご案内しマース!私はデッキの上から3枚のカードを裏向きで除外して…楽しい漫画の世界!フィールド魔法「トゥーン・キングダム」を発動しマース!』

紳士のフィールドに1冊の本が現れる、さらにその中からポン!と漫画のお城が現れる

 

「なっ…なんだぁ!?」

 

『ボーイ、私はカートゥーン…漫画が大好きなのデース!この「トゥーンキングダム」は「トゥーン・ワールド」として扱いマース!そして手札から「トゥーン・マーメイド」を自身の効果で特殊召喚しマース!』

貝殻に乗り弓を持ったデフォルメされたマーメイドが現れる ATK1400

 

『さらに「トゥーン・ヂェミナイエルフ」を召喚デース!』

デフォルメされた姉妹のエルフが現れる ATK1900

 

『トゥーンモンスターは召喚されたターン攻撃ができまセーン!私はカードを2枚伏せてターンエンドデース!』

紳士LP4000

マーメイド エルフ 伏せ2 手札1

 

 

 

「なんだか気持ち悪いモンスターだな〜…」 

 

『オゥ!?ボーイ!モンスター達に謝ってくだサーイ!みんな泣いていマース!』

 

「へっ…?」

あまり見慣れないモンスターに思わず気持ち悪いといってしまった龍亞だが…それを聞いたトゥーンモンスター達はメソメソ泣いていた…

 

「わわっ!?ごめんなさーい!!」

 

 

 

 

 

「なんだか調子が狂うなぁ…でも負けられない!ドロー!」

「まずは『モバホン』の効果!ダイヤルオーン!」

再びダイヤルが点滅する…数字は3!

 

めくったカード

スコープン

集中防護壁

ラジオン

 

「いいぞ!『D・スコープン』を召喚!」

顕微鏡型のロボットが現れる ATK800

 

「さらに『スコープン』の効果!手札からレベル4の『D・ラジカッセン』を特殊召喚!」

赤いラジカセ型のロボットが現れる ATK1200

 

「そしておれはレベル4の『ラジカッセン』にレベル3の『スコープン』をチューニング!」

 

3+4=7

 

「世界の平和を守るため!勇気と力をドッキング!シンクロ召喚!愛と正義の使者!『パワーツール・ドラゴン』!」

右腕がショベル、左腕がドライバー、尻尾がスコップになった機械竜が現れる ATK2300

 

『オー…「パワーツールドラゴン」…!懐かしいカードデース!そうですか…君が持ち主だったのですねボーイ…』

 

「『パワーツール』の効果を発動!デッキからランダムに装備魔法を手札に加える!パワーサーチ!…来た!装備魔法『ダブルツールD&C』を『パワーツール』に装備!これで自分のターン『パワーツール』の攻撃力は1000アップしてバトルする時、相手の効果は無効になる!」

パワーツールの右腕が鋭いドリルに、左腕がノコギリに変化する ATK2300→3300

 

「バトル!『パワーツール』で『トゥーンヂェミナイエルフ』を攻撃!クラフティ・ブレイク!!」

鋭いドリルの一撃がエルフに襲い掛かるが…

 

《アハハ!》

《キャハハ!》スカッ

 

「えっ!なんで!?」

エルフの姉妹は組み体操のように手を繋ぎハートマークの穴を作る、そしてパワーツールの攻撃はその穴を通過した!

 

紳士LP4000→2600

 

 

『「トゥーン・キングダム」の効果デース!自分のトゥーンモンスターが攻撃される時に自分のデッキトップのカードを除外してバトルによる破壊から守りマース!トゥーンモンスターは漫画の世界で生きる無敵の生命体なのデース!』

 

「そんなぁ、なんでもアリかよ!ターンエンド!」

パワーツールATK3300→2300

 

龍亞LP4000

パワーツール(D&C)モバホン ステープラン 伏せ2 手札2

 

 

 

『私のターン!ドロ〜!』

『それでは君のモンスターもカートゥーンの世界にご案内しマース!トラップカードオープン!「コミック・ハンド」発動デース!「パワーツールドラゴン」のコントロールをいただきマース!』

トゥーン・キングダムからマジックハンドが伸びてパワーツールを城の中に引き込む!

 

「『パワーツール』!?」

 

ドッタンバッタン…カンカン!…ポン!

パワーツールを取り込んだ城から音が響きパワーツールが吐き出される…そこにはデフォルメされたパワーツールドラゴンが存在していた。

 

 

「嘘!?『パワーツール』がアニメのキャラクターみたいになっちゃった!?」

 

『「コミックハンド」でコントロールを得たモンスターはトゥーンモンスターとなりマース!さしずめ「パワーツール・トゥーン・ドラゴン」と言ったところでしょうか?』

 

《wwww!》

 

「くそ〜!よくもパワーツールを!(伏せカードは『リミッター解除』と『パワーアップ・コネクター』…攻撃してきたら返り討ちだ!)」

 

『それではバトルデース!「パワーツール」でボーイにダイレクトアタックデース!』

 

「えっ!?ダイレクトアタック??おれのフィールドにモンスターがいるのに!?」

 

『トゥーンモンスターは漫画の世界の住人!普通のモンスターは彼らに触る事ができないのデース!行きなさい私のトゥーン達!』

 

『『『ワアアアア!!』』』

 

「う、うわぁぁぁ!?」

トゥーンモンスター達が龍亞に飛びかかりアニメチックに砂埃がたった…。

 

龍亞LP4000→1700→0

 

紳士WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『私の勝ちデース!ボーイ、良いデュエルでした!ナイスファイトデース!』

紳士は倒れた龍亞に手を差し伸べる

 

「負けちゃった…遊海を守らなくちゃいけないのに…おれ…!うぇ〜ん!!!」

 

『ホワッ!?ボーイ!?なぜ泣いているのデスか!??どこか痛いのですか!?』

突如泣き出した龍亞に困惑する紳士…そこに…

 

 

「龍亞ー!!!

 

 

ズッドォン!!

 

龍亞の名を呼ぶ声と共に何者かが着地する

 

「遊…メタルナイト!!どうして…!」

 

「遊星達から連絡を貰ってパトロールしてたんだ!何があった!」

現れたのは遊海…遊星から自分を狙う何者かの事を聞いてパトロールしていたのだ…。

 

「この人が…遊海の居場所が知りたいって…だから…秘密を守ろうって…!」

鼻水をすすりながら龍亞は紳士を指さす

 

「なんだって!?おま……………何やってるんですか()()?」ピシュン

 

『オー!!ミスター白波!お久しぶりデース!元気そうで何よりデース!』ガシッ

 

「へっ…?グスッ…遊海…知り合いなの…?」

変身を解除した遊海と握手を交わす紳士を見て龍亞が問いかける。

 

「知り合いもなにも…お前、この人が誰かもわからないでデュエルしてたのか?…この人はペガサス・J・クロフォード、インダストリアル・イリュージョン社の名誉会長で『デュエルモンスターズ』の生みの親だぞ?アカデミアで習わなかったのか?」

 

『オゥ!自己紹介がまだでしたネ!ソーリー!龍亞ボーイ!』

 

「え、ええぇぇぇ!??!!」

シティの街角に龍亞の叫びが響き渡った…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

『アッハッハッハ!そうですか!だからこのボーイはユーの事を守ろうとしたのですネ?ソーリー!ミスター白波!』

 

「まったくもう…俺に会いたいなら携帯に連絡くださいよ…」

 

『ユーのテレフォンナンバーに繋がらなかったのデース!』 

 

「あっ…ダークシグナー事件で壊れて番号変えたんだった!」

 

 

ペガサス会長曰く、WRGPの下見にネオドミノシティに来て、プライベートタイムで俺に会おうとして人に聞いて回っていたらしい…また何故海馬社長に聞かなかったかと言うと…

 

『ミスター海馬は過労で療養中デース!』との事だった…あとでお見舞いに行こう…

 

 

「龍亞…ごめんな、不安だっただろう?でも良かったな!世界で1つだけの『トゥーン』デッキと戦えて!」

 

「遊海…おれ…やっぱり弱いよ、お兄ちゃん失格だよ…」

 

「龍亞…」

龍亞は落ちこんで座り込んでいる…

 

 

『ノンノン!龍亞ボーイ、スタンドアップ!ユーは強かったデース!ユーは自分なりにミスター白波を守ろうとしました!例え負けようとユーは役目を果たしたのデース!』

 

「ペガサスさん…」

 

『フーム…そうだ!ユーは装備魔法を使うデッキでしたネ!迷惑をかけたので私の作った新しい装備魔法をユーに進呈しましょう!受け取ってくだサーイ!』

そう言ってペガサスは1枚のカードを龍亞に手渡す

 

「『月鏡の盾』…?いいの?」

 

『そのカードは昔、私のデザインしたカードの効果をアレンジしたものデース!ユーなら使いこなせると信じていマース!』

 

「…でも、おれ…アカデミアの成績も悪いし…」

 

『何を言っているのデスか?学校の成績なんてアテになりまセーン!かの初代決闘王も流浪のヒーロー使いも学校の成績はそこまで良くなかったのデース!』

 

「えっ…そうなの…!?」

 

「そうだぞ龍亞、遊戯はいつも赤点ギリギリだったし…十代も…アイツよくアカデミア卒業できたな…ってぐらいだからな!…龍亞、大事なのは『心』だ!自分の目指す夢があれば成績なんてほとんど関係ない、思い続ければその願いはきっと叶うさ!」

 

「遊海…ペガサスさん…うん!おれ頑張る!頑張るぞ〜!!」

 

「うんうん、その調子だ!一緒に頑張ろうな龍亞!」

 

『元気が出てきたようでよかったデース!』

元気を取り戻した龍亞を見て自然と笑顔になる遊海とペガサスなのだった…。

 

 

 

 

 

 

「遊海!ペガサスさん!さよなら〜!」

 

「あぁ!今度こそちゃんと帰れよ〜!」

 

『グッバイ!龍亞ボーイ!グッドラック!』

遊海とペガサスは龍亞を見送る…既に日は黄昏色に染まっていた…。

 

 

 

『さて…そろそろ私もホテルに戻りマショウか』

 

「送りましょうか?ペガサス会長?」

 

『ノープログレム!大丈夫デース、間もなく迎えが来マース!』

 

「そうですか、それじゃあ俺もパトロールに戻ります!」シャキン

 

『…ミスター白波』

 

「どうしました?会長?」

 

鎧を纏いパトロールに行こうとする遊海をペガサスが呼び止める…その顔は老けてはいたが真剣な眼差しで遊海を見つめていた…。

 

 

『気をつけてください…先日、我が社にハッキングが仕掛けられました…何者かがあなたの事を探っていマース』

 

「何者か…?それは…『イリアステル』ですか?」

 

『わかりまセーン…ですがハッキングされたのは我が社に保管されていた「バトルシティ」関係の映像でした…恐らくKCのデータベースにはアクセスできなかったのでしょう…充分に注意してくだサーイ…!』

 

「忠告ありがとうございます、大丈夫です…俺にはたくさんの頼れる仲間達がいますから…!では!」

遊海はそのままジャンプして街へと消えていった…。

 

 

『ミスター白波…ユーの未来に神の加護がある事を祈っていマース』




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