転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんばんは!S,Kです!今日はいつもより早く投稿させてもらいます!なんでかって?それは…

私の誕生日だからです!まためでたく年をとる事ができました!

そして、この《決闘の観測者》も無事に1周年を迎える事ができました!これも皆様ハーメルンの読者の方々のおかげです、本当にありがとうございます!
グダグダな拙作ですが…これからもよろしくお願いします!


それではクラッシュタウン編後半、最新話をどうぞ!


燃え上がれ!決闘者魂!〜最高の満足を求めて〜

死の町・クラッシュタウンから鬼柳を助けに来た遊星…しかし彼らの目の前に「冥界の王」を名乗る謎の決闘者が現れたのだった。

 

 

「鬼柳!相手は冥界の王だ…!オレ達2人で奴を倒すんだ!」

遊星が鬼柳の隣に並び立つ

 

『…遊星、お前は手を出さないでくれ…奴は俺が倒す!』

 

「鬼柳!?なぜ…!」

鬼柳は遊星を制して前に出る

 

『…これは俺のケジメの問題だ、俺は奴に操られ…たくさんの人々を傷つけた…だから、オレに償いをさせてくれ…!』

 

【覚悟は決まったようだな…ならば始めるぞ、我の完全なる復活を懸けたデュエルを…!】

冥界の王の言葉と共に鬼柳と冥界の王の周りが紫色の炎に包まれる…!

 

 

『冥界の王…一つ答えろ、お前を倒せば消えた奴らは戻って来るんだろうな?』

 

【ああ、我を倒せば消えた奴らは復活し我は冥界へと再び封印されるだろう…倒せればの話だがな!!】

 

『くっ…、倒してやるさ…!デュエルだ!冥界の王!!』

冥界の王から恐ろしい殺気が鬼柳に放たれる…しかし、鬼柳はその殺気を真正面から受け止めた!

 

 

 

 

 

【『デュエル!!』】

 

鬼柳LP4000

冥界の王(?)LP4000

 

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!!』

『「インフェルニティ・デーモン」を召喚!』

額に緑色の宝玉を付けた悪魔が現れる ATK1800

 

『カードを2枚伏せてターンエンドだ!』

鬼柳LP4000

デーモン 伏せ2 手札3

 

 

 

 

【我のターン…ドロー!】

【魔法カード『増援』を発動!デッキから戦士族モンスター『ダーク・グレファー』を手札に加える…そして手札の『インフェルニティ・ジェネラル』を墓地に送り自身を特殊召喚する!】

 

『待て…!「インフェルニティ」だと!?』

闇へと堕ちた戦士が現れる ATK1700

 

【我はさらに『ダークグレファー』の効果発動!手札の『インフェルニティ・リベンジャー』を墓地に送り、デッキの『インフェルニティ・ネクロマンサー』を墓地に送る…さらに永続魔法『インフェルニティガン』を発動、効果により手札の『インフェルニティデーモン』を墓地に送る…カードを1枚セット】

 

「あれは…ハンドレスコンボ!?」

 

『「インフェルニティ」デッキを使いこなしてやがる…!』 

遊星と鬼柳は冥界の王の展開を見ているしかない…

 

【驚いたか?鬼柳京介…しかし驚くのは早い!墓地の『ジェネラル』の効果発動!手札が0の時、自身を除外し墓地の『ネクロマンサー』と『リベンジャー』を効果を無効にして特殊召喚!】

骸骨のシャーマンと小さなガンマンが現れる DEF2000  DEF0

 

【我はレベル4の『グレファー』とレベル3の『ネクロマンサー』にレベル1の『リベンジャー』をチューニング!】

 

4+3+1=8

 

【地獄と天国の間…灼熱の煉獄よりその姿を現せ…!シンクロ召喚!『煉獄龍 オーガ・ドラグーン』!】

体に赤い宝玉を埋め込み、巨大な鉤爪を持った龍が現れる ATK3000

 

『攻撃力3000のドラゴン…!』

 

【バトルだ…『オーガドラグーン』で『インフェルニティデーモン』を攻撃!煉獄の混沌却火(カオス・バースト)!】

煉獄の炎がデーモンを焼き尽くし鬼柳に襲いかかる!

 

『ぐぁ…!』

鬼柳LP4000→2800

 

『まだだ!リバースカードオープン!「インフェルニティ・リフレクター」!自分のインフェルニティモンスターが破壊された時!手札を全て墓地に送り効果を発動できる!【無駄だ、「オーガドラグーン」の効果発動!我の手札が0の時、1ターンに1度!相手の発動した魔法・罠の発動を無効にし破壊する!】なんだと!?』

 

《グオォォォ!!!》

オーガドラグーンが咆哮するとリフレクターのカードが砕け散った!

 

墓地送り

リベンジャー

ミラージュ

ビースト

 

 

【我はターンエンド】

冥界の王LP4000

オーガドラグーン インフェルニティガン 伏せ1 手札0

 

 

 

「鬼柳!大丈夫か!」

 

『ああ…少しヤケドしたが問題ねぇよ…!まさか冥界の王が俺と同じデッキを使ってくるなんてな…!』

 

【……】

鬼柳は冥界の王を睨みつける

 

『だがな…俺は負けられねぇ、この町の奴らの為に負けられねぇんだ!!』

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『来い!「インフェルニティネクロマンサー」を召喚!』

紫のローブを纏った骸骨が現れる DEF2000

 

『「ネクロマンサー」の効果発動!墓地から蘇れ!「インフェルニティ・ミラージュ」!』

半透明の悪魔が現れる ATK0

 

『「ミラージュ」の効果発動!自身をリリースする事で墓地のインフェルニティモンスター2体を特殊召喚する!現われろ!「リベンジャー」!「デーモン」!』

再び山羊顔の悪魔とガンマンが現れる DEF0 ATK1800

 

『手札が0の時に特殊召喚された「デーモン」の効果発動!デッキから「インフェルニティブレイク」を手札に加える!そして俺はレベル4の「デーモン」とレベル3の「ネクロマンサー」にレベル1の「リベンジャー」をチューニング!!』

 

4+3+1=8

 

『死者と生者、ゼロにて交わりし時…永劫の檻より魔の竜は解き放たれる!シンクロ召喚!現われろ!「インフェルニティ・デス・ドラゴン」!』

鬼柳の新たな切り札である黒き竜が現れる! ATK3000

 

「来たか!鬼柳の新たなエースモンスター!」

 

【ほう…】

 

『カードを一枚伏せて「デスドラゴン」の効果発動!相手モンスターを破壊し、攻撃力の半分のダメージを与える!デス・ファイア・ブラスト!』

魔竜の炎が煉獄の龍を焼き尽くした!

 

【やるではないか…!】

冥界の王LP4000→2500

 

『俺はこれでターンエンドだ!』

鬼柳LP2800

デスドラゴン 伏せ2 手札0

 

 

「よし!鬼柳と冥界の王のライフが逆転した!」

 

『ああ…だが奴はまだ諦めてないみたいだな…!』

 

【クク…フハハハ…!やるではないか鬼柳】

冥界の王は笑う…そのローブからは赤い眼光が覗いている

 

【だが…お前は忘れている、我が『冥界の王』である事を!!】

 

 

 

【我のターン!ドロー!!】

【我はカードを伏せ、永続魔法『インフェルニティガン』の効果を発動!このカードを墓地に送り現われろ!『リベンジャー』!『ネクロマンサー』!】

2体の悪魔が現れる DEF0 DEF2000

 

「またシンクロ召喚するつもりか!」

 

【いや…まだだ!魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップから10枚を裏側で除外し2枚ドローする!】

冥界の王が手を闇で包みカードをドローする!

 

【我はフィールド魔法『オレイカルコスの結界』を発動!さらなる闇よ!我に力を与えよ!!】

周囲の炎が消え去り地面に六芒星が刻まれる!

 

『っ…!まさか!!やらせねぇ!リバース罠「インフェルニティブレイク」を発動!墓地の「インフェルニティリフレクター」を除外して「オレイカルコスの結界」を破壊する!』

雷撃がフィールドに降り注ぐが…

 

【無駄だ…「オレイカルコスの結界」は1ターンに1度まで効果では破壊されない!】

 

「『なんだと!?』」

 

【用意は整った…2体の生け贄を捧げ、冥界より復活せよ!「地縛神Ccapac Apu」!!】

大地が鳴動し、夜空が暗雲に包まれる…そしてナスカに封印されたはずの巨人が顕現する! ATK3000→3500

 

「そんな…!地縛神だと!?」

 

『「Ccapac Apu」…!?ダークシグナーだった…俺の…罪の象徴……!』

遊星の痣が痛いぐらいに輝く…そして鬼柳は自分の罪を目の当たりにし後ずさる…

 

【我は冥界の王…この程度は造作もな…っぐ…!おのれ…やはり完全ではない分、負担がかかるか…!】

冥界の王は右腕を抑える…

 

【バトルだ…!『Ccapac Apu』で『インフェルニティデスドラゴン』を攻撃!叩き潰せ!】

巨大な手が鬼柳を潰す為に迫る…!

 

「まずい!『Ccapac Apu』には破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える効果が…!避けろ!避けるんだ鬼柳!!」

 

『っ─!リバース罠「インフェルニティ・フォース」を発動!「デスドラゴン」を破壊し、墓地の「ネクロマンサー」を守備表示で特殊召…ぐわああああ!!』

 

「鬼柳─!!」

咄嗟にインフェルニティフォースを発動し攻撃力0のネクロマンサーを召喚したが…ネクロマンサーが破壊された風圧で鬼柳は吹き飛ばされる!

 

【今の攻撃を躱すとはな…我はこれでターンエンドだ】

冥界の王LP2500

Ccapac Apu オレイカルコスの結界 手札0

 

 

 

『うぐっ…!まさか…もう一度コイツを見る事になるなんてな…!』

 

【ほう…まだ立ち上がるか】

鬼柳はなんとか立ち上がる…しかしその瞳は動揺していた…

 

【このモンスターは貴様の罪の象徴だ…罪無き人々を復讐の道具として利用した…貴様はこのモンスターに勝つ事はできない】

 

『俺…は…』

 

【鬼柳京介…辛いだろう?苦しいだろう?…ならばサレンダーするがいい、そうすれば貴様はその苦しみから開放される…】

 

「鬼柳!!そいつの言葉に耳を貸すな!お前は一人じゃない!一人で背負いきれないならオレが一緒に背負ってやる!諦めるな!鬼柳!!」

 

『遊星…』

 

 

「「その通りだ!鬼柳!!諦めるな!!」」

 

『えっ…!』

 

「なっ…!ジャック!クロウ!?どうしてここに!」

 

遊星達の背後からDホイールに乗って2人の男が現れる、それはシティにいるはずのジャックとクロウだった。

 

 

「遊海から鬼柳のピンチだって聞いて追いかけてきたんだ!っていうかなんで地縛神がいるんだよ!?」

 

「相手が誰であろうと関係ない!!鬼柳!お前はそんな事で『満足』する男ではない筈だ!それでも俺達のリーダーだった男か!!」

 

『クロウ…ジャック…ああ、そうだった…俺達は「満足」する為にチーム・サティスファクションを作ったんだったな…例え何度挫けたって俺達は立ち上がって来たんだ!』

 

チャキ バサッ! ギュ!

 

鬼柳は懐に入っていたナイフで長く伸びた髪を切り落とす…その顔には以前の無気力さは微塵もなく…光を取り戻した瞳で冥界の王を…地縛神を睨みつける!

 

【フン…仲間からの応援で力を取り戻したか、だが手札もゼロ、フィールドのカードもゼロで何ができる!】

 

『いや!「ネクロマンサー」が戦闘で破壊された事で墓地の「リベンジャー」が特殊召喚されている!そして…俺は次のドローに全てを賭ける!!』

DEF0 ☆1→3

 

【チィ…小癪な!】

 

 

 

『いくぜ…俺の…いや、俺達の…ターン!!』

遊星達の想いを乗せたカードが…ドローされる!

 

『来たぜ…逆転のカード!!』

 

【なんだと…?】

 

『俺は永続魔法「インフェルニティガン」を発動!そして効果で現われろ!「ネクロマンサー」!「ビースト」!!』

呪術師と黒い犬が現れる DEF2000 ATK1600

 

『いくぜ!俺はレベル3の「ネクロマンサー」とレベル3の「ビースト」にレベル3になっている「リベンジャー」をチューニング!!』

 

3+3+3=9

 

『破壊神より放たれし聖なる槍よ…今こそ魔の都を貫け! シンクロ召喚!「氷結界の龍 トリシューラ」!!』

鬼柳を中心に荒野に吹雪が吹きつける…そしてある世界を壊滅させた伝説の龍が現れる ATK2700

 

「そのカードは!サテライトのチーム・トリニティの戦利品…チームサティスファクションの絆のカード!」

 

『ああ、あの事件のあとにある人がセキュリティから取り返してくれたんだ!「トリシューラ」の効果発動!相手フィールドの「Ccapac Apu」と墓地の「デーモン」を除外する!アイス・エイジ!』

最強の氷龍の力が地縛神を凍てつかせ、粉々に破壊する!

 

『バトルだ!「トリシューラ」でダイレクトアタック!零凍のブリザードブラスト!!』

トリシューラの3本の首から絶対零度の光線が放たれ冥界の王を貫いた!

 

【ぐっ…おのれ…おのれぇぇ!ただの人間にこの我が…ぐおぁぁぁ…!!

 

『これで満足だぜ!…じゃあな、過去の俺』

 

冥界の王 LP0

 

鬼柳 WIN!

 

 

 

 

 

「鬼柳!やったな!」

 

「流石オレ達のリーダーだぜ!」

 

「お前なら大丈夫だと信じていたぞ!」

デュエルが終わり遊星達が鬼柳に駆け寄る

 

『お前達…ありがとな、お前達のお陰で奴との決着をつける事ができた…やっぱりお前達は最高だぜ!』

 

「ヘッ!当たり前だろ!オレ達はチームサティスファクションなんだからな!」

クラッシュタウンに朝日が昇る…まるでこの町の門出を祝福するように…。

 

──────────────────────

 

 

しばらくして牛尾率いるセキュリティが到着しロットンとバーバラを連行していった、バーバラは以前住んでいた町での結婚詐欺、ロットンは修行先で度々暴行や強盗をした為に指名手配されていたらしい。

 

マルコムとラモン達クラッシュタウンを支配していたギャングファミリーはお咎め無しとなった…冥界の王にデュエルで負けたあとに世にも恐ろしい目にあったらしく、その様子を見た牛尾が町の復興を手伝う事を条件に見逃したのだ…そして鬼柳は…。

 

 

 

 

数日後

 

 

「やはり…この町に残るのか鬼柳?」

 

『ああ、この町が俺の新しい夢になるんだ…それにニコとウェストにデュエルを教えてやんなきゃな!』

 

鉱山に囚われていた人々は無事に開放された…その中にはニコとウェストの父親もおり感動の再開を果たした、そしてウェストは鬼柳や遊星の活躍を見て鬼柳へと弟子入りしたのだ。

 

『それに…伝説のデュエリストにこの町を任されたんだ、投げ出す訳にはいかねぇよ!』

そう言って鬼柳は自分の胸を指し示す、そこには金色の星型バッジが付けられていた。

 

「ああ、まさか海馬社長にこんなところで出会えるとは…」

 

 

 

 

 

 

 

少し前…

 

『フン…ここがダイン鉱山の町、クラッシュタウンか…本当に日本なのかここは?』

 

『アンタ…まさか海馬コーポレーションの…!』

地縛神の召喚により少なくない被害を受けたクラッシュタウン…そこに数人の黒服を引き連れて1人の男が現れる…いわずもがな海馬瀬人その人である。

 

 

「ネオドミノシティの実権を握る伝説の決闘者…!どうしてこんなところに…!」

 

『お前は…不動遊星か、ダークシグナーの事件では友が世話になったな、今日はセキュリティからこの町で起きたトラブルを知って視察に来たのだ…この町の責任者は誰だ?』

 

「それは…」

クラッシュタウンは奇しくも冥界の王によりその平和を取り戻した…しかし、マルコムもラモンも精神的ショックを受けていてしばらくは使いものにならないだろう。

 

 

『…俺だ』

 

『なに?』

 

「「「鬼柳!?」」」

鬼柳が一歩前に出る

 

『俺がこの町の責任者だ…暫定的にだけどな、俺は鬼柳京介だ』

 

『フン…旧サテライトのデュエルギャング、チーム・サティスファクションの元リーダーか…いいだろう、この町の代表として決定事項を伝える』

 

『決定事項?』

海馬の言葉に鬼柳は首を傾げる

 

『この町とラモン・マルコム両ファミリーの所有するダイン鉱山…その全てを海馬コーポレーションが買い取る!…そして、新生するこの町の初代町長に鬼柳京介…貴様を指名する!』

 

『「なっ!?」』

 

「「なんだって〜!?」」

 

 

 

 

海馬社長曰く、この町とダイン鉱山をしっかりと整備し旧サテライトで仕事を探す労働者の働き場所を確保する為にこの一帯を全て買い取る事にしたらしい。

なお、労働条件は週休2日制のホワイトそのものになるそうだ。

 

sideout

 

 

 

 

「鬼柳が町長か〜チームサティスファクションの再結成も悪くねぇと思ったんだけどな〜!」

 

「冗談じゃない!…あんなハチャメチャな日々はもうゴメンだ!…だが久々にこの4人が揃って楽しかったがな!」

クロウの呟きにジャックがダメ出しする…ジャックにとっては黒歴史のようだ。

 

『フッ…そういえばお前達、チームでWRGPに出るんだろ?必ず応援に行く!絶対に優勝しろよ!』

 

「ああ、オレ達は絶対に優勝してみせる!」

 

『ああ!楽しみにしてるぜ!遊星!ジャック!クロウ!』

 

そうして遊星達はネオドミノシティへと帰っていった…例え遠く離れようとも彼らの友情は繋がっているのだ。

 

 

『…さぁて、この町を復活させてみんなが笑顔になる…そんな町になるまでは…満足できねぇぜ!』

 

その後、この町は笑顔の人々が暮らす町として後世まで語り継がれる町となる…その名は

 

『サティスファクションタウン』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そういえばさ、メタルナイト…遊海は何処に行ったんだ?」

 

「ん?確か鉱山を制圧してすぐにシティに戻ったらしいが…」

 

「…しかし、冥界の王がいたのに…何故帰ってしまったんだ…?」

 

 

 

──────────────────────

side遊海@自宅

 

 

 

「う〜ん…う〜ん…」

 

ピピピ…ピピピ…

 

「39.5分…熱が下がりませんねぇ…大丈夫ですか?遊海さん…」

 

『大丈夫な訳ないだろ翠…この馬鹿、シグナーなのに「オレイカルコスの結界(地球の闇の結晶)」を使った上に「地縛神(冥界の王の下僕)」まで使ってるんだぞ?この程度で済んでるだけでもありがたい方だ!』

 

「う〜ん…」

 

遊海は自宅で熱を出して寝込んでいた…実はクラッシュタウンに現れた冥界の王…その正体は遊海である。

遊星がクラッシュタウンに向かった後、メタルナイト宛にニコから助けを求める手紙が届いた(海馬社長の手回しにより専用の私書箱がある)

その手紙を読んだ遊海は急いでクラッシュタウンへと向かったのだ。

 

 

『まったく…(オレ)を開放したと思ったら「鉱山で暴れて遊星達を助けて来い!」って無茶ぶりにも程があるぞ遊海!…まぁ久々に暴れられたから良いけどよ!』

 

「ありがとな…ユウスケ…う〜ん…」

 

『ったく…お人好しにも程があるぞ遊海……そろそろ時間だな…翠、コイツ頼んだぞ!』ポン!

鉱山で遊星達を助け出したメタルナイト…それは『コピーナイト』で分身し実体化したユウスケである、遊海はユウスケを鉱山に向かわせると自身は変装し諸悪の根源であるマルコムファミリーを壊滅させ、罰ゲームを叩き込んだのである。

 

 

「遊海さん…何もここまでしなくても…」

 

「鬼柳を本当に助けるには…これぐらい…しなきゃ…ダメだと思って…う〜ん」

そして遊海は鬼柳の前に壁として立ちはだかり、あえて同じインフェルニティデッキを使い、鬼柳のトラウマとなっている地縛神を召喚しトラウマを乗り越えさせる事で鬼柳を救おうとしたのである。

…結果的に作戦は上手くいったものの、シグナーでありながら地縛神を使った事で赤き竜の逆鱗に触れてしまったのか…こうしてお仕置き(神罰)を受けているのである。

 

 

「赤き竜〜…もう地縛神は使わないから許しイタタタ!熱い!アツいって!!」

遊海の炎の痣が文字通り炎のように熱くなる…しばらくはこのままだろう…。

 

「ウィンダ!ウェン!もっと氷持ってきて!!」  

 

《了解!》

 

《わかった〜!》

 

「う〜ん…う〜ん…」

 

ピピピ…ピピピ…

 

「42度!?遊海さん!しっかりしてください〜!?」

 

「う〜ん…」

 

 

 

 

 

 

 

その後、遊海は1週間程高熱に魘され続けたのであった…。


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