転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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幕間 陽はまた昇る〜意地と意固地のぶつかりあい〜

「ふぅ…ようやく着いたぜ、流石にアメリカから直接来るのは無理があったか…ふわぁ…」

 

ネオドミノシティの空港にサングラスをかけ、黒いYシャツを着た青年が降り立つ、見た目だけ見ればどこにでもいる商社マンに見えるが…彼には少し常人と違うところがあった、それは…

 

 

 

《アニキ〜!オイラおなか減ったよ〜!》

 

《オレも〜!ハンバーガー屋さんに行こうよ〜》

 

《え〜!牛丼がいい〜!》

 

「え〜い!!黙ってろ貴様ら!オレは時差ボケで眠いんだ!!」

青年の周りには黒・黄・緑色の妖精?が浮いていた…それだけではなくガヤガヤと騒がしい…しかしその声は主人である青年以外に聞こえる事はまずない…なぜなら彼らはデュエルモンスターズの精霊だからである。

 

 

「だが…腹ごしらえも大事だな、行くぞお前ら!」

 

《やった〜!アニキ太っ腹〜!》

青年達は騒がしく空港をあとにした。

 

 

 

 

 

Side???

 

 

ここはシティの海浜公園…そこで1台のDホイールを囲み3人の若者達が黄昏れていた…。

 

「はぁ〜どうしよう太郎…」

 

『まさか都会の宿の値段がこんなに高いなんて…』

緑色のジャージの青年・吉蔵が赤いジャージの青年・太郎に話しかける、彼らはチーム太陽…WRGP予選に出場する為にネオドミノシティを訪れたライティングチームである。

 

「やっぱり、俺達には無理だったんだ…」

 

『諦めるな甚兵衛!まだサテライトの方は見てない!向こうなら可能性はまだあるさ!!』

太郎が青ジャージの青年・甚兵衛を励ましながら立ち上がる。

 

 

チーム太陽の3人は本来であればDホイーラーではなく、とある地方の農家の跡取りだった…しかし、彼らは太郎を中心として自分達の可能性を試す為にWRGPへと出場しようとしている…のだが、その前途は既に多難どころか一寸先は闇状態である。

 

まずは彼らのDホイール、彼らの少ない小遣いをかき集めて手に入れた1台だけのDホイールである…しかも相当な中古品…壊れたらその時点でアウトである。

 

そして一番の問題、それは…宿の確保である。

WRGPの予選開始が迫り各ホテルは既に満員、泊まれたとしても長期滞在は不可能…しかも料金も馬鹿にならない、彼らは壁にぶち当たっていた…。

 

『よし…とにかく行こう!きっとなんとかなるさ!』

 

「「おー…」」

太郎達は宿を見つける為に歩き出した…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side サングラスの青年

 

 

「ふ〜…やっぱり米は落ち着くな〜久しぶりに帰って来られてよかったぜ」

 

《アタシもお腹パンパンよ〜》

腹ごしらえを終えたサングラスの青年はシティの海辺を歩いていた…本当ならばすぐにでもホテルに向かうところなのだが…久しぶりにこの街を歩きたくなったのだ。

 

 

 

「あれからもう18年経つのか…この街もよくここまで復興できたな…」

 

《そうね〜…あの時は酷かったわ〜…》

青年は海に架かるネオ・ダイダロスブリッジ、そしてその先のサテライトを見て昔の事を思い出していた…。

 

 

 

 

〜18年前・海馬ランドスタジアム〜

 

 

「遊海先生どうしたんだろ?顔色を変えてスタジアムの外に飛び出して行っちゃったけど…?」

 

「丸藤先輩…オレの恐竜さんの勘が危険を感じてるドン…!なんだかヤバいザウルス!!」

 

《万丈目のアニキ!なんだかヤバいわ〜!!》

 

「なんだと!?」

オレ達は十代と遊海先生の戦いを見届け、表彰式となった…しかしその直後、『決闘王』となった遊海先生は海馬社長に何かを伝え、外へと飛び出してしまった…会場は騒然となっている…。

 

 

『狼狽えるな!!観客達よ!!』

 

「っ!?海馬社長…!」

マイクを握りしめた海馬社長が声を張り上げる!

 

『よく聞け!まもなく大きな災害が起きる!!各自頭を守って伏せろ!このスタジアムは震度7相当に耐えられる構造だ!!決して動くな!!』

 

 

「「「なんだって!?」」」

 

会場はパニックとなる…そして…

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

 

 

 

 

バシューン…!!

 

観客達の視界は光に塗り潰された…

 

 

 

………

 

 

 

「っ…いったい…何が、どうなって……なっ…!?」

気がついたオレが最初に見たのはスタジアムの天井から見えた空だった…本来であれば屋根があったはずだが、屋根は完全に消し飛んでいた…。

 

 

「みんな…無事か…!」

 

「十代…!お前!」

そして次に目に入ったのはネオスや他のE・HERO達を召喚し観客やオレ達を守っていた十代だった、他にもブラック・マジシャンや翠さんの精霊達が観客や海馬社長達を守っている…。

 

「十代!いったい何があったんだ!?どうしてこんな…!」

 

「わからねぇ…!万丈目…遊海先生が心配だ…頼む…!!」

 

「わかった!!待ってろ!!」

十代の頼みを聞いたオレはごった返す人混みを抜けてスタジアムの外へと飛び出した…。

 

 

 

ザザーン…ザザーン

 

「そんな…」

外に出たオレが見たのはスタジアム近くまで広がった海…先程まで広がっていた遊園地の姿は跡形も無く消え去っていた…そして、海面には巨大な要塞…遊海先生の相棒であるアヤカがスパークしながら墜落していた…。

 

 

《アヤカの姉さん!いったい何があったの〜!?》

 

《?…こ、ど…eK助、々とひ、aが、ーた、sマ…発…くば、と…ンめ、ーモ》

 

「…ダメだ、完全にバグってやがる…っ…これは…」

アヤカは衝撃により正気を失っている…そして、近くの地面には2本の溝がコンクリートを砕いて残されている…

 

「そんな、遊海先生、嘘だろ…、嘘だと言ってくれよぉぉぉ─!!」

2本の延長線の先…スタジアムの上部の壁には巨大な穴がぽっかりと口を空けている…その縁には赤いジャケットの一部が引っかかっていた…。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

「無敵の先生が致命傷を負って…町は引き裂かれて…よくここまでになったもんだぜ…」

 

青年がサングラスを外す…その正体は「流浪の決闘者」遊城十代の好敵手にしてプロデュエリスト「黒雷(ブラックサンダー)」こと万丈目準である。

現在はプロリーグを離れ万丈目グループ・デュエルモンスターズ部門の責任者となり世界中を飛び回っていたが…日本でWRGPが開催される事になり万丈目グループから代表として大会を観戦しにきたのだ。

 

「さて…腹ごなしも済んだしホテルに行くとするか!いくぞお前達!」

 

《待ってくれ万丈目のアニキ!あそこに怪しい奴らがいるぞ!》

 

「怪しい奴ら?」

黒色の妖精…おジャマブラックの指差す方向を見ると1台のDホイールを囲んだ若者達が頭を抱えていた…。

 

「1台のDホイールを囲んだ若者達…もしかして噂のDホイール窃盗団か!?あのDホイールが盗品なら問題だな…話を聞きにいくぞ!」 

 

《あ!待ってよアニキ〜!》

万丈目はズンズンと若者達に近づいていった…。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Sideチーム太陽

 

 

「なんだよ〜!サテライトのホテルも全滅じゃないか〜!?」

 

『おかしいな…事前の情報ではサテライトは治安が悪くて、宿も空いてるはずなのに…』

 

チーム太陽の3人は想定外の事態に頭を抱えていた…実は遊海が活躍したせいもありサテライトの治安は急速に回復…生活レベルも以前の童実野町レベルまで回復してきていた…ホテルが空いていないのはその弊害である。

 

「これから野宿かぁ…」

 

「『「はぁ〜…」』」

3人組は大きなため息を漏らす…そこに…

 

 

「おい!そこのお前ら!そのDホイールはお前らのか?」

黒いシャツを着た青年がチーム太陽へと声を掛けてきたのだった…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

「お前ら!そのDホイールはお前達のか!」

万丈目は頭を抱えている若者に声をかける

 

「あん?なんだよオッサン!これは俺達の小遣いで手に入れたDホイールだ!文句あるか!?」

甚兵衛が万丈目に絡む…

 

『やめるんだジン!…すいません、アナタは…?』

ジンを制止した太郎は万丈目へと話しかける。

 

「お前達の持ち物だったのか…すまなかったな、オレは通りかかった者だ1台のバイクを3人で囲んでいるお前達が噂のDホイール窃盗団かと思ってな…」

 

『ああ…そういう事か、紛らわしい事をしてすいません…俺達はチーム太陽!WRGPに出る為にこの街にでてきたんです!』

 

「チーム太陽…?ああ!確か名簿に乗ってたな!」

チーム太陽の名前を聞いて万丈目は事前に入手していた参加チーム名簿を思い出した。

 

「名簿…?もしかしてアンタWRGPの関係者か?」

ジンが万丈目に問いかける

 

「ああ、オレの会社がスポンサーの1社なんだ…それで?お前達は何をしてたんだ?こんな場所でライティングの練習ではないだろう?」

 

『はい…恥ずかしい話なんですが…』

太郎は現在の状況を万丈目へと伝えた…。

 

 

 

《アニキ〜、せっかくの大会なのに泊まる場所が無いなんてかわいそうよ〜》

 

《助けてあげようぜ〜》

イエローとグリーンが万丈目に伝える…

 

「(ああ、そうだな…オレもスポンサーの端くれだ、宿くらいは大丈夫だろう)話はわかった!いいだろう、お前達に宿を手配してやる!」

 

「『本当ですか!?やった〜!』」

万丈目の提案を聞いた太郎と吉蔵は感激の声をあげる…だが…

 

「待てよ太郎!そんな奴の話に乗るな!詐欺師かも知んねぇぞ!?」

 

「なんだと!?人が好意で言ってやってるのに!!」

ただ1人、甚兵衛だけはその提案に反対する…甚兵衛には過去の出来事でトラウマがあり、人を信頼する事ができないのである…。

 

 

『ジン!今はそんな事言ってる場合じゃないだろ!?俺達が予選に出場できるかがかかってるんだぞ!?まさかずっと野宿で過ごすつもりか?』

甚兵衛の態度に温厚な太郎も呆れをあらわにする…

 

「ああ!胡散臭い奴に頼るんならその方がマシだ!」

 

「言わせておけば…!お前達のためを思って言ってるんだぞ!!」

生来プライドが高い万丈目も甚兵衛に怒りはじめる…2人の間には火花が散っていた…。

 

 

「もう…こうなったら…!やめろよジン!そんなに揉めるならデュエルで決着着けようよ!!」

 

「『なんだって?』」

2人の口喧嘩に嫌気が差した吉蔵が2人に提案する…

 

「だからさ…デュエルしてボク達が勝ったらお兄さんの援助を断る、お兄さんが勝ったらボク達は泊まらせてもらう…それでいいんじゃないかな?」

 

「いいだろう…そのデュエルに乗ってやる!」

万丈目はカバンからデュエルディスクを取り出しセットする

 

「ならオレが…!」

 

『待てよジン!…俺がやる!』

 

「太郎!?なんでだよ!」

甚兵衛のデュエルディスクを太郎が取り上げる…

 

『これは個人じゃなくチーム全体の問題だ!なら俺がデュエルするのが筋だろ?』

 

「…チッ、わかったよ」

甚兵衛は太郎の説得を受けて身を引いた…。

 

 

『お兄さん、こんな事になってすいません…ですが本気でいきますよ!』

 

「望むところだ!オレも久しぶりのデュエルだ…手加減はしないぞ!!」

太郎と万丈目は対峙する…そしてデュエルが始まった!

 

 

 

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

太郎LP4000

万丈目LP4000

 

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『頼むぞ!「キーメイス」を守備表示で召喚!』

可愛らしい青の妖精が現れる DEF300

 

「『キーメイス』だと…?なかなか珍しいカードを使うな?」

万丈目はいきなり現れた通常モンスターを見て驚く…

 

「ああ、これが俺達の戦い方なんだ!カードを三枚伏せてターンエンド!」

 

太郎LP4000

キーメイス(1) 伏せ3 手札2

 

 

 

 

『(あいつらを見てると…なんだかアカデミア時代の事を思い出すな…)』

万丈目は通常モンスターを召喚した太郎の姿を見て昔の事を思い出していた…万丈目はデュエルアカデミアの買収をかけて『元々の攻撃力500以下のモンスターだけのデッキ』でデュエルした事があった…。

 

「(こういう相手はとにかく時間を稼いで何かを仕掛けてくる…早めに決着をつけるぜ…!)」

 

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!…おい」

カードをドローした万丈目は顔をしかめる…

 

《アニキ〜、久しぶりのデュエルだから使ってよ〜》

《オレ達の出番だ〜!》

《いえ〜い!》

 

「誰が使うか!!魔法カード『おジャマ改造』を発動!エクストラデッキの『XYZ-ドラゴン・キャノン』を公開し、手札の『おジャマブラック』・『おジャマグリーン』・『おジャマイエロー』を除外する事でデッキから現れろ!『X-ヘッド・キャノン』『Y-ドラゴン・ヘッド』『Z-メタル・キャタピラー』!」

 

『『『え〜!?そんな殺生な〜!?』』』

おジャマ達の叫びを無視し万丈目は青色の砲台、赤色のドラゴン型戦闘機、黄色のキャタピラ戦車を呼び出す!

 

ATK1800  1500  1500

 

 

「さらに『X』『Y』『Z』の3体をフィールドから除外する事でこのモンスターはエクストラデッキから特殊召喚できる!合体召喚!『XYZ-ドラゴン・キャノン』!!」

二門の砲台を持つ巨大な戦車が現れる ATK2800

 

『な…!?1ターン目から高攻撃力のモンスターを呼び出すだって!?』

 

「なんて手際だ…並みのデュエリストじゃないぞ…!?」

 

「あれ…?あの人、何処かで見たような…?」

チーム太陽の面々はいきなりの大型モンスターに驚くしかない…。

 

 

「まだだ!さらにオレは『V-ウィング・タイガー』を召喚!」

虎の顔を持つ戦闘機が現れる ATK1600

 

『今だ!リバース罠オープン!『隠れ兵』!手札の闇属性モンスター「手をつなぐ魔人」を特殊召喚!』

大きな両手を持つ悪魔が現れる DEF1600 

 

『「手をつなぐ魔人」の守備力は自分フィールドの守備表示モンスターの守備力の合計分アップし、他のモンスターを攻撃対象にできなくなる!』

キーメイスと魔人が手を繋ぎ、守りが強化される! DEF1600→1900

 

「それでも守備力は1900だ!バトル!『ドラゴン・キャノン』で『手をつなぐ魔人』を攻撃!X・Y・Zハイパー・キャノン!!」

3本の破壊光線が魔人に迫る!

 

『リバース罠オープン!「和睦の使者」!このターン、俺のモンスターは戦闘では破壊されない!』

2体のモンスターがバリアで守られる!

 

「やるな…オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」

万丈目LP4000

ドラゴン・キャノン ウィングタイガー 伏せ1 手札0

 

 

 

 

『危ねぇ〜…いきなりやられるところだった…!』

 

「フン、よく防いだな!さぁ、どうする?」

 

『オレは自分のデュエルをするだけです!』

 

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『魔法カード「魔の試着部屋」を発動!ライフを800払ってデッキを4枚めくる!そしてその中のレベル3以下の通常モンスターを特殊召喚する!』

 

「ほう…面白いカードを使うじゃないか!」

 

太郎LP4000→3200

 

めくったカード

岩石の巨兵

粘着テープの家

はにわ

ワイト

 

『よし!頼むぞモンスター達!』

岩の巨人とはにわ、そして骸骨が現れる DEF2000  500  200

 

『そして「手をつなぐ魔人」の守備力もアップする!』

召喚されたモンスター達が結束し、守りがさらに強固になる DEF1900→4600

 

「守備力4600だと…!?」

 

『俺はこれでターンエンド!』

太郎LP3200

キーメイス(2)魔人 巨兵 はにわ ワイト 伏せ1 手札2

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「どんな鉄壁な守りでも打ち砕いてやる!『ドラゴン・キャノン』の効果発動!手札の『ゲットライド!』を墓地に送り『手をつなぐ魔人』を破壊する!X・Y・Zハイパー・デストラクション!!ファイア!!」

2門砲台からミサイルが発射される!

 

『させない!リバース罠オープン!永続罠「スクラム・フォース」!このカードは自分フィールドに守備表示モンスターが2体以上いる時に発動できるトラップカード!守備表示モンスターは効果の対象にならず効果では破壊されなくなる!』

モンスター達を包むようにバリアが現れる!

 

「くっ…!オレはターンエンド!」

万丈目LP4000

ドラゴンキャノン ウィングタイガー 伏せ1 手札0

 

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『ターンエンド!』

太郎LP3200

キーメイス(3)魔人 巨兵 はにわ ワイト スクラムフォース 手札3

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「(くそ…打開できるカードが来ない…!)ターンエンド!」

万丈目LP4000

ドラゴンキャノン ウィングタイガー 伏せ1 手札1

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『カードを伏せてターンエンド!』

太郎LP3200

キーメイス(4)魔人 巨兵 はにわ ワイト スクラムフォース 伏せ1 手札3

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「よし!『W-ウィング・カタパルト』を召喚!」

青色の翼型の機械が現れる ATK1300

 

「オレは『タイガーウィング』と『ウィングカタパルト』を除外し合体召喚!『VW-タイガー・カタパルト』!」

青い翼と虎の戦闘機が合体し大型爆撃機に合体する ATK2000

 

『また合体した…!』

 

「まだだ!オレは『タイガーカタパルト』と『ドラゴンキャノン』を除外し合体召喚!現れろ!『VWXYZ(ヴィトゥズィ)-ドラゴン・カタパルト・キャノン』!」

5体の機械が合体し最強の戦闘ロボットが現れる! ATK3000

 

 

『攻撃力3000…!だけど「手をつなぐ魔人」の守備力には届かない!』

 

「それはどうかな?」

 

『なに…!』

万丈目は不敵に笑う

 

「『ドラゴンカタパルトキャノン』の効果発動!1ターンに一度、相手フィールドのカード1枚を除外する!邪魔な『スクラム・フォース』を除外!」

 

『しまった!!(「スクラムフォース」の破壊耐性は除外されたら意味が無い!!)』

スクラムフォースが斬り裂かれ消え去る!

 

「そして『ドラゴンカタパルトキャノン』で『手をつなぐ魔人』を攻撃!その瞬間、効果発動!相手モンスターの表示形式を変更する!いくら高い守備力を持っていても発揮できなければ意味はない!!」

 

魔人が手を離し攻撃態勢をとる DEF4600→ATK1000

 

「いけ!!VWXYZ-アルティメット・デストラクション!!」

ロボットの連続射撃が発射される!

 

『くっ…!リバース罠「はさみ撃ち」発動!俺のフィールドの「はにわ」と「ワイト」を破壊し、「ドラゴンカタパルトキャノン」を破壊する!!』

はにわとワイトがオーラを纏いロボットに特攻を仕掛ける!

 

「無駄だ!永続罠『おジャマパーティー』を発動!自分の『アームドドラゴン』か光属性の融合モンスターが戦闘・効果で破壊される時!手札の『おジャマッスル』を除外し身代わりにできる!貫け!『ドラゴンカタパルトキャノン』!!」

 

《は〜い!!》

《おジャマしてま…あいたぁ!?》

《せっかく出てきたのに〜!?》

 

ワイトとはにわの目の前にブラック・グリーン・イエローが現れ壁となって特攻を防いだ!

 

『そんな…!うわぁ!!』

太郎LP3200→1200

 

「よし!オレはこれでターンエンド!」

万丈目LP4000

ドラゴンカタパルトキャノン おジャマパーティー 手札0

 

 

 

 

『まさかあの布陣が破られるなんて…!あの人はいったい何者なんだ…!?』

 

「『おジャマ』…『アームドドラゴン』…『XYZ』…あ、ああ〜っ!!思い出したぁ!?」

 

「なっ!?どうしたんだよヨシ!?」

考えこんでいた吉蔵が声をあげる!

 

「太郎!そ、その人プロデュエリストだ!!『黒雷(ブラックサンダー)』の万丈目準さんだー!!」

 

『「な、なんだって〜!?」』

チーム太陽の2人も驚きの声をあげる!

 

「ん?まだ名乗ってなかったか…その通り!オレは万丈目ブラックサンダーだ!…まぁプロ活動は休業中だけどな?」

万丈目は今更に名前を教えていない事に気づいて名乗りをあげる

 

『プロが相手か…それは勝てるはずがなかったな…』

 

「フン、怖気づいたか?」

 

『いいえ…万丈目プロ!胸をお借りします!!』

太郎は劣勢ながらも万丈目をまっすぐ見つめる!

 

「フッ…かかってこい!(あの目…あの馬鹿(十代)を思い出すな…)」

ふと、万丈目はかつてライバルの姿を太郎に見たような気がした…。

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『よし…!魔法カード「悪魔への貢物」発動!「ドラゴンカタパルトキャノン」を墓地に送って「音速ダック」を特殊召喚!』

ドラゴンカタパルトキャノンが悪魔に捧げられバケツを被ったアヒルが現れる ATK1700

 

「くっ、『おジャマパーティー』の穴を突かれたか…!やるな!」

 

『ありがとうございます!バトル!「音速ダック」でダイレクトアタック!』

 

音速のアヒルが体当たりする!

 

「くっ…!」

万丈目LP4000→2300

 

『よし…!ターンエンド!』

太郎LP1200

キーメイス(5) 巨兵 ダック 手札2

 

 

 

 

『よし…万丈目プロのフィールドには罠カードが一枚だけ…これなら勝てる…!』

 

「フッ…やるじゃないか!だがまだわからないぞ?」

 

『えっ…?』

 

「『このドローで世界がガラリと変わるかもしれない…そう思うとワクワクしないか?』…オレの友の言葉だ!さぁ、決着を着けるぞ!!」

 

 

 

 

「オレのターン…ドロー!」

「オレは墓地の魔法カード『おジャマ改造』の効果を発動!除外されている『ブラック』『イエロー』『グリーン』をデッキに戻し…1ドロー!」

 

「さらに永続罠『おジャマパーティー』のもう一つの効果を発動!デッキから『おジャマジック』を手札に加え…そのまま墓地に送る!そして墓地に送られた『おジャマジック』の効果発動!デッキからおジャマ3兄弟を手札に加える!さらに『おジャマイエロー』を召喚!」

赤いブリーフを履いた黄色の妖精が現れる ATK0

 

 

『なっ…!連続して墓地から魔法の効果を…!?しかも攻撃力0!?』

 

《やった〜!万丈目のアニキ!アタシ信じてたよ〜!!》

イエローが歓喜の声をあげる…しかし…

 

 

 

 

 

「何を勘違いしてる?」

 

《へっ!?》

 

 

「確かにお前はオレのエースだが…今はただの踏み台だ!速攻魔法『おジャマッチング』発動!手札の『おジャマグリーン』を墓地に送りデッキから『アームドドラゴンLv5』と『おジャマ・レッド』を手札に加え、さらにこの効果で手札に加えたモンスター1体を召喚できる!『イエロー』をリリース!現れろ!『アームドドラゴンLv5』!!」

 

《そんな〜!?アニキのイケズぅぅ〜!!》

イエローが泣きながら粒子となり、赤と黒の重厚なドラゴンが現れる ATK2400

 

 

『ここで上級モンスター…!でもまだ耐えられる!!』

 

「まだだ!魔法カード『レベルアップ!』を発動!『Lv5』を墓地に送り…現れろ!『アームドドラゴンLv7』!!」

アームドドラゴンが成長し、重厚さが増しスタイリッシュな姿に進化する! ATK2800

 

 

「そして…これがオレの奥の手だ!オレは『Lv7』と墓地の『ドラゴンカタパルトキャノン』を除外する!!」

 

「『「なんだって!?」』」

太郎達は驚きの声をあげる

 

『せっかく召喚したドラゴンを!?』

 

「勘違いするな!見せてやる…オレの切り札!重厚なるドラゴンよ!その身にさらなる鎧を纏い進化せよ!!究極合体!『アームド・ドラゴン・カタパルトキャノン』!!」

アームドドラゴンの身体にドラゴンカタパルトキャノンが合体した最強の機龍が現れる ATK3500

 

『攻撃力3500…!』

 

「『アームドドラゴン』の効果発動!エクストラデッキの『おジャマキング』を除外し、相手のフィールド・墓地のカードを全て除外する!デストロイ・バニッシャー!」

 

《グォォォン!!!》

アームドドラゴンが咆哮する…それだけで太郎のフィールドは跡形もなく消し飛んだ…

 

『これが…プロの世界…!』

 

「バトルだ!『アームドドラゴン・カタパルトキャノン』でダイレクトアタック!アルティメット・デストロイ・バースト!!」

アームドドラゴンの火炎とドラゴンカタパルトキャノンの兵装が火を吹きライフを完全に消し飛ばした…。

 

 

太郎LP0

 

万丈目WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さてと…デュエルはオレの勝ちだな!おとなしく人の好意は受け取っておけ!」

 

『あはは…、ありがとうございます…大会前のいい経験になりました!』

デュエルが終わり万丈目はチーム太陽の宿を取るために電話をかける…。

 

 

「それにしても…まさかプロ相手にデュエルする事になるなんて思ってなかったよ〜」

 

「悪かったな太郎…俺のせいで…」

 

『いいんだよジン…大会前に負けておけば本番にその経験を活かせるさ!気合いを入れていこうぜ!』

チーム太陽は世界の強さを前もって知る事ができた…この経験は大会で必ず生かす事ができるだろう。

 

 

「なんだと!?満室!?」

 

「『「へっ…!?」』」

万丈目の怒鳴り声にチーム太陽は万丈目を見つめる…

 

 

「…す、すまん、万丈目グループ直営のホテルが全滅だった…」

 

「そ、そんな〜…」

 

「…またイチから探し直しか…」

吉蔵と甚兵衛はへたり込む…

 

『ほ、他のホテルは…?』

 

「う〜む…オレもこの街に詳しい訳じゃないからなぁ…」

万丈目は腕を組み考える…そして

 

「そうだ!詳しい人に聞けばいいんだ!えっと…あの人の番号は……あった!」

 

「『「??」』」

首を傾げるチーム太陽を尻目に万丈目は電話をかける…

 

 

 

「ご無沙汰してます!万丈目です!…Dホイール可で泊まれる場所を教えて欲しいんです……えっと、これこれこういう事で……ありがとうございます!!」ポチッ

 

「少し待っててくれ!」

 

『アッハイ…』

 

 

〜5分後〜

 

 

『万丈目プロ?何を待っているんですか…?』

 

「オレの知り合いにホテルを調べてもらってるんだが……来たな…!」

 

『へっ?』

 

 

ヒュー…ドッカァァン!!

 

 

「「何事だべ!??」」

万丈目達の近くで爆発が起きる…そして砂煙の中から人影が現れる。

 

『久しぶりだな万丈目!せめて居場所を教えてくれよ?この町は広いんだから…』

 

「あっ!?すいません先生!!伝え忘れてました!?」

 

『まったく……ん?君達がチーム太陽か?待たせたね…俺が来た!』

 

「メ…メ…」

 

「『「メタルナイトだ〜!?!?」』」

チーム太陽の叫び声が公園に響き渡った…。

 

 

 

 

「とりあえず…はい!この住所のホテルに行けば泊まれるよ!」

 

『あ、ありがとうございます……ま、万丈目プロ…メタルナイトさんとはどんな関係で…!?』

 

「ん?ああ、オレの恩師だよ!あまりに強すぎて1度も勝てなかったけどな!」

 

「「(嘘…だろ…?)」」

吉蔵も甚兵衛も目を丸くする…凄まじいデュエルをする万丈目以上のレベルなど想像もつかなかったからだ…

 

『それじゃあ万丈目、しばらくはこの町にいるんだろ?』

 

「ええ、大会が終わるまでは」

 

『そうか…なら家に寄ってくれよ?待ってるから!じゃあな!』ドン!!

メタルナイトは高く跳躍しドラゴンに飛び乗り、去って行った…。

 

 

 

『万丈目プロ、あの人はいったい何者なんです…?ドラゴンに乗ってませんでしたか…!?』

 

「あの人は世界最強の精霊使いさ…正体は…オレからは言えないな!さて、チェックインの時間もあるしオレも行かなければ…そうだ、これを渡しておこう!」

万丈目は「カオス・ネクロマンサー」のカードを渡す

 

『このカードは…?』

 

「なに!オレからの餞別だ!きっと相性も良いだろうさ!…応援してるぞ!チーム太陽!」

 

「「『あ、ありがとうございます!!』」」

そうして万丈目は去って行った…そしてチーム太陽は大会への第一歩を踏み出したのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

『…住所はここのはずだけど…』

 

「「マジで?」」

チーム太陽はメタルナイトに渡された住所を探し当てた…そこはKC直営の5ッ星ホテルだった…。

 

追記するとすれば部屋はトリプルベッドのジュニアスイートで宿泊費はメタルナイト持ちだった事を追記しておく、チーム太陽は2日程寝られね夜を過ごしたそうな…。




という訳でリクエストアンケートで頂いた『チーム太陽対万丈目』のデュエルでした!
…本来であれば「ズシン」対「アームドドラゴンカタパルトキャノン」をしたかったのですが…私の技術が足りず申し訳ありません!

残り2つ程リクエストがありますが…話の都合上イリアステル編後に執筆する事になると思いますので、もう少しお待ちください!


そして…ついに物語はWRGP・本戦編ヘ…


遊海は5D'sと共にどのように戦うのか?

遊海を狙うゲイザー…その目的は?

そして遊海は全ての戦いを乗り越えられるのか?


これからの「決闘の観測者」をどうぞお楽しみに!

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