転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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VSチーム・カタストロフ 〜逆鱗に触れるべからず〜

Side遊星

 

「…よし!ホイール・オブ・フォーチュンの修理完了だ!」

 

「お疲れ様遊星!これで次の試合も大丈夫だね!」

 

チーム・ユニコーンとの激戦の翌日、遊星とブルーノは破損したジャックのDホイールの修理を終わらせ一息ついていた。

 

 

「おっ!Dホイールの修理終わったのか?」

Dホイールの修理を終えた遊星にクロウが声をかける

 

「今終わったところだ…傷は大丈夫か?クロウ」

 

「当たり前だろ!翠の事は下手な医者より信用してるぜ!」

クロウは肩を回しながら答える、クロウは数日前のライディング中にクラッシュ事故を起こし肩の骨にヒビが入ってしまった…しかし、翠の治癒魔法によって既に万全の状態まで回復していた。

 

「時間できたんならチーム・ユニコーン対チーム・カタストロフの試合を見に行こうぜ!次の試合の参考にしよう!」

 

「ああ!ジャックも呼んでこよう!ブルーノ、留守を頼む!」

 

「うん!行ってらっしゃい!」

遊星はジャックとクロウと共にスタジアムへと向かった…。

 

 

 

 

「おい…!」

 

「これは…いったい何があったんだ!?」

スタジアムについた遊星達が目にしたのは異様な熱狂に包まれたスタジアム、そして…

 

『な…なんという事だぁ!?圧倒的優勢だと思われたチーム・ユニコーン!なんと2人連続でクラッシュ!勝利を掴んだのはチーム・カタストロフだ〜!!』

 

大破した2台のDホイール…そして担架で搬送されるジャンとアンドレの姿だった…。

 

 

 

 

 

「ブレオ!いったい何があったんだ!!」

 

『遊星、ジャック、クロウ…!来てくれたのか…』

遊星達はジャン達が運ばれたネオドミノ病院を訪れる、処置室の前では唯一無傷だったブレオが項垂れていた…。

 

『わからないんだ…デュエルの最中にDホイールがクラッシュして…』

 

ガラガラ…

 

『その通りだ…突然の事で対応する事ができなかった…!』

 

「「「ジャン!?」」」

 

『ジャン!大丈夫なのか!?』

処置室の扉が開いて車イスに乗ったジャンが現れる、右足と左腕は包帯で固定されている。

 

『心配をかけたなブレオ…腕と足を折ったがなんとか大丈夫だ、念の為にプロテクターとヘルメットを頑丈な物に変えておいてよかったよ…アンドレも手首を骨折しているが命に別状はないそうだ…』

 

『よ、よかった〜…』

気の抜けたブレオはイスに座り込む… 

 

『すまない遊星…どうやら約束は果たせないらしい』

 

「いいんだ、お前達が無事でよかった…またチャンスはあるさ」 

遊星も胸を撫で下ろす

 

『遊星、奴らは不気味な相手だ…注意してくれ…!』

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side三皇帝

 

 

三皇帝のアジト…そこにある3つの巨大な玉座にホセ、プラシド、ルチアーノの3人が座している…彼らの足元には巨大なネオドミノシティの地図が展開され、地図上には∞の形をした記号が浮かび始めていた…。

 

 

『キッシッシ…!どんどんサーキットが完成していくね〜!』

ルチアーノが地図に現れた記号…「サーキット」を見ながら笑い声をあげる。

 

『これがライディングデュエルが生み出す力の源…サーキットが完成した時、未来は変わるのだ…!』

 

『ふん…(やはり、まどろっこしい…!)』

ホセが感慨深げに呟くなか…プラシドの目には不満の色があった…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし…だいぶ出力が安定してきた…フラグメントを上げてみよう!」

 

「ああ…やってみよう!」

チームユニコーンの事故の翌日、遊星とブルーノは遊星号の調整をしていた…そこに

 

 

『遊星!ちょっと見て貰いたい物があるんだ!』

 

「ブレオ!どうしたんだ?ジャン達は…」

ブラックバードを磨いていたクロウがブレオに声をかける

 

『2人とも絶賛入院中さ…それよりこのメモリーチップを見て欲しいんだ!』

 

 

「「「メモリーチップ?」」」

 

 

ブレオ曰く、プロのDホイーラーであるアンドレとジャンが何もない場所でクラッシュするはずが無いとDホイールのメモリーをチェックしたところ、2台共に不自然に後輪がロックされた形跡があった…それをさらに詳しく調べてもらう為に遊星とブルーノを頼ったのだ。

 

 

「タイヤがロック…確かオレがクラッシュした時も…一瞬タイヤがロックした感覚が…」

 

「なんだって…!ブルーノ!ブラックバードのメモリーも調べてくれ!」

 

「了解…!」カタカタカタ

クロウの証言を受けてブルーノがブラックバードのメモリーを調べる…そのデータでも確かにロックされた形跡があった。

 

 

「まさか…オレがクラッシュしたのも…!!許さねぇ!チーム・カタストロフ!!」

クロウは拳を握り締めながら怒りをあらわにする…!

 

「落ち着くんだクロウ…まだ奴らが犯人だと決まった訳じゃない」

 

「悔しいがその通りだ、第一にデュエル中のDホイールをロックするなど無理にも程がある…疑わしきは罰せず…証拠がなければ…」

怒るクロウを遊星とカフェから戻ってきたジャックが宥める…しかし、そこで思わぬ事が起きる。

 

 

「じゃあ…見て見ましょう!アタシ昨日のデュエルの画像データを持ってきたの!…あれ?」

そんな声をあげたのはジャックにカタストロフの情報を伝えに来ていたカーリーだった、だが…彼女はタイミングが悪かったようだ…

 

「「「「『………(ジト目)』」」」」

 

「あの〜…アタシなんかやっちゃった…??」

 

「お前は…!持っているなら早く言わんか!!」

 

「ご、ごめんなさ〜い!!」

 

ジャックに雷を落とされながらカーリーはUSBを手渡した。

 

 

 

 

『「ヒドゥン・ナイト─フック─」…このモンスターが効果を発動した時に「何か」が起きたみたいだな…』

 

「ステータス的には普通のモンスターのはずなんだけど…」

 

遊星達はカーリーの記録映像を注意深く観察する…その結果わかったのは2人がクラッシュした時には『ヒドゥン・ナイト─フック─』というモンスターが存在し、効果を発動した直後にDホイールがクラッシュしたという事だけだった。

 

 

「もしや…デュエルモンスターズの精霊の仕業か?」

 

「いや…それはないだろう、映像を見る限りこのモンスターはソリッドビジョンのはずだ…それに奴らに精霊が使いこなせるとは思えない」

 

『カードの精霊?おいおいジャック!遊星!お前達そんな御伽話を信じてるのか…?』

唐突に精霊の話をし始めた遊星達にブレオがツッコむ

 

「それが実はオレ達には身近なんだよ…サイコデュエリストもいるし…何より精霊使いも知ってるしな…」

 

『お、おう…そうなのか(何なんだよこの街は…デュエルモンスターズの魔境か何かなのか…?)』

 

「みんな気をつけてよ?誰が狙われてもおかしくないんだから!」

 

「そうは言っても試合は明日だし…出るメンバーは全員いるしな」

 

「うむ、白野はそんな小細工に引っかかる奴ではないから問題ない!」

 

「待て…アキはどうした?」

 

「「あ…!」」

遊星の一言に場が凍りつく

 

「ねぇ、アキさんってまだ初心者よね?…もし狙われたりしたら…!」

 

「「「アキが危ない/ねぇ!!!」」」

遊星達は顔を見合わせ叫ぶ…遊星達は急いでアキに連絡を取ろうとするが…

 

 

「心配するなお前達、既に手は打ってあるさ」

 

『なっ…アンタは…』

 

「「「白野!!」」」

ポッポタイムのガレージに遊海が現れる

 

 

「今回は災難だったなチーム・ユニコーン…俺は5D'sの監督をやらせてもらってる岸波白野だ、名義上だけどな?」

 

『アンタが5D'sの監督…』

 

「待ってくれ白野さん!手は打ったって…」

遊星が遊海に尋ねる

 

「アキは翠と一緒に行動してるんだ、多少のトラブルは回避できるさ!」

 

「なるほど…それなら安心だ」

 

『おい!?それで納得するのかよ遊星!?』

安心した様子の遊星にブレオが尋ねる

 

「さっき言っただろ?ブレオ、白野と奥さんの翠は世界最強レベルの精霊使いなんだぜ?」

 

『この人が…お前達が信頼するのも納得だな…存在感がハンパない…』

クロウの答えにブレオも納得する

 

「まぁ…万全を期した方がいいな…ブルーノ、アキに連絡を取るか居場所は判るか?」

 

「ちょっと待って……見つけた!シティの湾岸エリアを走ってるみたいだ」

ブルーノがアキのDホイールの位置を捕捉する

 

「このスピードなら問題なさそうだな…一応連絡を取ろう」

遊星がDホイールの通信を開こうとする…しかし

 

「ん!?ちょっと待って!信号がロストした!!」

 

「なんだって!?おい!アキ!聞こえるか!アキ!!」

ブルーノの知らせを聞いた遊星が通信を呼びかけるが…反応はない…

 

「アヤカ!翠の位置をサーチ!」

 

《了解です!…湾岸エリアに停止して…!救難信号を受信しました!!》

 

「っ…!遊星!後から来い!俺はアキと翠のいる場所へ向かう!!」

 

「はい!!」

そう言って遊海はガレージを飛び出した

 

「遊星!俺達も急ぐぞ!!」

 

『待ってくれ!何が起きたんだ!?』

状況についていけないブレオが尋ねる…

 

「アキ達に何か問題が起きたんだ!」

 

《キュオオン!!》

 

『っ!なんだ今の!?』

轟いた咆哮にブレオが飛び出す、外で彼が見たのは飛翔する白いドラゴン、そして鋼の鎧を纏ったヒーローの姿だった…。

 

 

 

 

 

Side遊海

 

「(油断した…!翠…無事でいてくれ!)」

遊海は閃光竜の背に乗り翠のいる場所へと急ぐ…チームカタストロフの襲撃を知っていた遊海は翠を同行させる事で被害を最小限に抑えようとしたが…

 

「あそこか…!閃光竜!頼む!!」

 

《キュオン!!》 

遊海は煙が立ち昇るハイウェイへと急行した…。

 

 

 

 

 

「翠!アキ!」

 

「う…遊海さん…こっち…です…」

 

現場に辿り着いた遊海が目にしたのは壁に衝突し炎上するブラッディ・キッスと道路に投げ出されたヴァイオレット・キュイラッシェ…そして、壁に叩きつけられたのであろうアキと翠の姿だった…。

 

「翠!いったい何があった!」

 

「ごめんなさい遊海さん…アキちゃんを庇いきれません…でした…!」

傷ついた翠を助け起こしながら遊海は翠に尋ねる、そして翠は痛みに苦しみながら状況を話始めた。

 

 

 

 

 

Side翠〜数分前〜

 

 

 

「アキちゃん!運転が上手くなったわね!やっぱり本番を経験したからかしら!」

 

「ありがとう翠さん!練習に付き合ってくれた翠さんとクロウのおかげです!」

 

アキは翠を誘ってハイウェイをツーリングしていた…アキは先日のデュエルで大きな活躍をする事ができなかった…それを悔やみ次の出番に備えてライディング技術を磨いていたのだ。

 

 

「私はこの前のデュエルで遊星に繋ぐ事しかできなかった…だから次があるなら…!」

 

「その調子よ!私も今日一日付き合うわ!(きっと…何処かからカタストロフがアキちゃんを狙っているはず…気をつけないと…!)」

翠は生前に見ていた原作の事を思い出し周囲を警戒しながら走っていた…その時!

 

 

「えっ…きゃ!?」

 

「アキちゃん!!」

突如、アキがバランスを崩しDホイールから投げ出されようとする!

 

「くっ…!『ローズ・テンタクルス』を召喚!」

投げ出される刹那、アキはサイコパワーを発動させながらモンスターを召喚し着地しようとするが…  

 

スカッ…

 

「(そんな…!発動しない…!!)」

アキはローズ・テンタクルスの身体をすり抜けてしまう!

 

「ウィンダ!!」

《風よ!!》 ビュゴォォ!

翠は即座にウィンダを呼び出しアキの落下速度を落とそうとする…しかし

 

「(だめ…間に合わない!!)千年指輪!私達を守って!!」バッ!!

《翠!!》

風ではアキに間に合わない…それを感じた翠はDホイールから飛び降りアキを抱きとめる…そして翠の持つ千年指輪のバリアに守られながら壁へと叩きつけられたのだ…。

 

Sideout

 

 

 

 

「翠…よくやった、アキも大きな怪我はしてない…ありがとな…」

遊海は翠を治療しながらアキの容体を確認する…数カ所を打撲し気絶しているものの、命に別状はないだろう…。

 

「私がもう少し早く動ければ…」

 

「あんまりネガティブに考えなくていい…翠は出来る事をしてくれた…それでいいんだ」

 

「遊海さん…」

 

「大丈夫…必ず仇は討つ、ゆっくり休んでくれ…(チーム・カタストロフ…覚悟しておけよ…!!)」

 

遊海は拳を握り締めながら怒りを噛み殺したのだった。

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

クラッシュ事故の後、アキと翠は病院へと搬送された…遊海が治療を施した為大きな怪我はなかったが、念の為に3日間の検査入院となった。

 

アキのDホイールにはやはりというべきかロックされた形跡が残っていた…チーム・カタストロフの犯行である事は決定的となった…!

 

 

 

「アイツら…許せねぇ!!」

病院へと駆けつけた遊星達…2人に面会したクロウは廊下を駆け出す…。

 

「待て!クロウ、何処へ行くつもりだ!」

ブルーノと電話していた遊星が慌ててクロウを静止する…

 

「どこって…決まってるだろ!アキと翠をこんな目に合わせたチーム・カタストロフを見つけ出してギタギタにしてやるんだよ!!」

 

「気持ちは解るが落ち着くんだクロウ!そんな事をしたら奴らと同じだぞ!」

 

「じゃあ…どうしろってんだよ!!セキュリティに通報するか?証拠がなくてしらばっくれるのがオチだぜ!?」

クロウが言う事は当たっている…「ブラッド・メフィスト」の例があるとはいえその証拠を探すのは難しいだろう…。

 

「いや…奴らとのカタはデュエルで着ける…!それがデュエリストだ!!」

 

「デュエルで…」

この世界は全ての事がデュエルで解決する世界…デュエルモンスターズこそがこの世界における絶対不変の『法』なのである。

 

 

「わかった…なら、オレが奴らをぶっ飛ばす!!」

クロウが拳を握りしめながら決意する…しかし

 

「待ってくれないか…クロウ」

 

「っ…遊海、」

クロウの後ろから遊海が歩いてくる…

 

「次の試合…俺にファーストホイーラーをさせて欲しい…!」

 

「な…!何を言っている遊海!奴らは所詮闇のカード頼りの三下!貴方が出るまでも無い!」

ジャックが反対の声をあげる

 

「ああ…奴らは雑魚だ、本来なら俺が出るまでもない…でもなぁ…」ゴゴゴ…

 

「俺の仲間と女に手を出されて黙ってられるほど…我はお人好しじゃない─!!」

病院の廊下に風が吹き荒れ威圧感が場を支配する…!

 

 

「ぐっ…!なんて怒りだ…!」

 

「遊海…アンタ…!」

クロウは遊海の手元を見て気付く、遊海の拳は固く握り締められ血が滲んでいる事に…それはカタストロフへの怒りと仲間を守れなかった自分への怒りだった…

 

「わかったよ遊海、次の試合はアンタに任せる…元々アンタが監督だからな…その指示に従うさ!」

 

「すまないクロウ…だけどここで宣言する、次のデュエル…俺には油断も慢心も…慈悲もない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

翌日…

 

 

 

 

 

「なにぃ!?ホイールをロックだと!!」

 

「そう!どうやってるかわからないけど…大スクープなんだから!!」

 

「それが呪われたチームの正体だったのね…!」

観客席にてカーリーがセキュリティである牛尾と狭霧にチーム・カタストロフの仕掛けたクラッシュ事件を伝えている。

 

「それが事実なら違法カードの使用のルール違反だ!すぐにカードを調べて失格にしてや…!」

 

「ちょっと待って!それで岸波さんから伝言があるんです…!」

 

「アイツから?何なんだよいったい…!」

カーリーに遊海からの伝言があると言われた牛尾は立ち止まる…

 

「えっと…ゴホン!『今回の決闘に手出しは無用、ユニコーンとアキ・翠を傷付けた罪は必ず償わせる』…だそうです…」

 

「…奴ら、終わったな」

その言葉を聞いた牛尾は客席に座り直す…

 

『あっ…いいのかよ?アンタらは治安維持が仕事だろ?』

牛尾の後ろに座っていたブレオが尋ねる

 

「本来ならすぐにでもお縄にするんだが…奴が動いてるなら話は別だ、カタストロフの奴ら…無事だといいが…」

尋ねられた牛尾は逆にチーム・カタストロフを心配し始める始末である。

 

『気になってたんだがアイツは何者なんだ?遊星達の信頼もハンパないし…セキュリティにも顔が効く…ネットの情報もないし…』

 

「なんだ?情報収集が得意なチーム・ユニコーンがあいつの事は調べ損ねたか?あいつは…この街で最強の決闘者であり…ヒーローだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ハロー!エブリボディ!!盛り上がってるか〜!!』

 

 

「「「うおぉぉ!!」」」

MCの問いかけに観客は歓声をもって応える!

 

 

『Aブロック予選も大詰め!早速チーム紹介だ!!まずはチーム・ユニコーンをクラッシュに追い込み勝利を掴んだ…チーム・カタストロフ!!』

 

「やっちまえ〜!カタストロフ!!」

 

「今日もクラッシュを見せてくれ〜!!」

カタストロフのメンバーが現れると観客席からは不良を中心とした歓声と常識のある観客からのブーイングが響く…

 

 

『対するは!フォーチュンカップ優勝の不動遊星率いる…チーム5D's!!』

 

「「頑張れ!5D's!!」」

 

「アトラス様〜!!」

観客達はシティの英雄である遊星達を歓声で迎えいれる!

 

 

『おい…!なんで潰したはずのクロウがいやがる!!』

紫の角刈り・ヘルマンが観客に手を振るクロウを見て驚く

 

『だったら「また」潰すまでだ…!狼狽えるな!…チッ、コッチに来やがる』

チームのリーダーであるニコラスがヘルマンを窘めるがクロウが彼らのもとを訪れる。

 

 

「よぉ、ちょっと挨拶に来たぜ…カタストロフ」

 

『ハッ…病み上がりが!せっかく治った身体なんだから大事にしろよ?』

ヘルマンがクロウの挨拶に答える

 

「ああ…あんときは痛かった、だけどよ…アンドレやジャン…アキも痛い思いをしてるんだ…その礼はたっぷりさせてもらうぜ?」

 

『『なっ…(ば、バレてやがる!)』』

カタストロフのメンバーはクロウの言葉に顔を強張らさせる…

 

「それに、オレから一つ忠告だ…お前達はこの街で一番怒らせちゃダメな龍の逆鱗に触っちまった、覚悟しておけよ?…じゃあな!」

 

『龍の逆鱗…?なんの事だ…?』

手をひらひらさせながら戻っていくクロウをカタストロフは見送るしかなかった…。

 

 

 

 

 

『さぁ!ついにデュエルの始まりだ!チームカタストロフはヘルマン!チーム5D'sは…おや…?誰もいないぞ〜??』

 

『なに…?クロウの奴じゃないのか??』

スタートラインに立ったヘルマンが5D'sのピットを見るが…そこにはクロウだけではなくジャック、遊星もフィールドを眺めている…

 

 

『妙だな…もう1人の女ホイーラーは潰した、いったいなんのつもりだ…!』

カタストロフのピットでニコラスは苛つきながら5D'sを見る…その時…

 

 

 

《キュオオオン!!!》

 

スタジアムに咆哮が響き渡る…!

 

『な、なんだこの咆哮は!ソリッドビジョンの不具合…いや!違う!空をみろ!あれは鳥か!飛行機か!?いや…違う!あれは!!』

 

《キュオオン!!》

 

咆哮を轟かせながら閃光竜がスタジアムを旋回する…そしてその背から1人の男が飛び降りた!

 

 

「チーム・カタストロフ!お前達の相手は…この俺だ!!」

 

『な…なんという事だぁ!シティのキングと最強のヒーローが手を組んだ!!チーム5D'sのファーストホイーラーは…「鋼の騎士」メタルナイトだ!!』

 

「「「わぁぁぁ!!!」」」

 

『メ、メタルナイトだとぉぉ!?』

 

MCは届けられたカンペによりメタルナイトの参戦を伝える…観客席は歓声に包まれ、カタストロフは絶望した。

 

 

「待たせたなチーム・カタストロフ…さぁ、お前達の罪を数えろ!!」

 

『な、何が最強のヒーローだ!お前もぶっ潰してやる!』

ヘルマンは強気に遊海を睨みつける…

 

「やれるならやってみろ…お前達に傷つけられた友の無念…ここで晴らす!!」

 

 

『さぁ…スタジアムの熱狂は最高潮!ライディングデュエル…スタート!!』

 

 

「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」

 

カウントが変わり遊海とヘルマンはスタートする…そして遊海はわざと後攻を選んだ。

 

 

『貴様…なんのつもりだ!!』

 

「ハンデだ…先行は譲ってやる」

 

『調子に乗りやがって…後悔しやがれ!!』

 

 

 

ヘルマンLP4000

遊海LP4000

 

特殊ルール

ライディングデュエル

スピードワールド2常時発動 

 

WRGP特別ルール適用

・相手ライフが0になった時点で自分ターンは終了する。

・選手交代の際はフィールドのカードとスピードカウンターのみが引き継がれる、ライフは再び4000から

・周回遅れはスピードカウンターが0になったら失格

 

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』SP0→1

『「ヒドゥン・ナイト─フック─」を召喚!』

両腕がフックになったモンスターが現れる ATK1600

 

『カードを1枚伏せてターンエンド!』

ヘルマンLP4000 SP1

ナイトフック 伏せ1 手札4

 

 

 

「俺のターン…ドロー!」SP1→2

「自分フィールドにモンスターが存在しない時!『SRベイゴマックス』は特殊召喚できる!」

連結したベイゴマが現れる ATK1200

 

「『ベイゴマックス』が特殊召喚に成功した事で俺はデッキの『SRタケトンボーグ』を手札に加える!さらにこのカードは自分フィールドに風属性モンスターがいる時!特殊召喚できる!」

フィールドに竹トンボが現れ小さなロボットに変形する ATK600

 

「さらに!『タケトンボーグ』をリリースする事で、デッキから現れろ!チューナーモンスター『赤目のダイス』!」

1の目が赤い瞳になったサイコロが現れる ATK100

 

「『赤目のダイス』の効果発動!『ベイゴマックス』のレベルを6に変更する!そして俺はレベル6になっている『ベイゴマックス』にレベル1の『赤目のダイス』をチューニング!!」

 

6+1=7

 

「その雄々しくも美しき翼を翻し!光の速さで敵を討て!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」

緑色に輝く翼を持つドラゴンが現れる ATK2500

 

「さらに!俺はまだ通常召喚を行っていない!現れろ!『SRダブルヨーヨー』!」

ヨーヨーの車輪を付けたロボットが現れる ATK1400

 

「『ダブルヨーヨー』の効果発動!蘇れ!『赤目のダイス』!」

再び赤目のサイコロが現れる ATK100

 

「俺はレベル4の『ダブルヨーヨー』にレベル1の『赤目の』ダイスをチューニング!!」

 

4+1=5

 

「双翼抱くきらめくボディーと翼で天空に跳ね上がれ!シンクロ召喚!『HSRマッハゴー・イータ』!」

羽根突きの羽根のようなピットを持った戦闘機が現れる ATK2000

 

 

『メタルナイト!凄まじいプレイングで2体のシンクロモンスターを並べたぞぉ!?』

 

 

「『マッハゴーイータ』の効果発動!自身をリリースする事で『クリアウィング』と『ナイトフック』のレベルを1つアップする!」

クリアウィング☆7→8

 

ナイトフック☆4→5

 

『貴様…何を…!』

 

「バトルだ!『クリアウィング』で『ナイトフック』を攻撃!旋風のヘルダイブスラッシャー!」

音速を超えたクリアウィングがナイトフックに迫る!

 

『バカめ!真正面から突っ込んで来やがった!『ナイトフック』の効果発動!シャドーフック!自身と攻撃モンスターを守備表示に変更し相手に800ダメージを与える!』

 

「馬鹿は…貴様だ!!『クリアウィング』の効果発動!ダイクロイックミラー!!」

《グオオン!!》

 

クリアウィングの咆哮でナイトフックは砕け散った…

 

『な、なんだとぉ!?』

 

「『クリアウィング』は自身以外のレベル5以上のモンスターが効果を発動した時、その効果を無効にし破壊する!さらに破壊したモンスターの攻撃力分自身の攻撃力をアップする!よって攻撃力は…」

 

ATK2500→4100

 

『こ、攻撃力4100だと!?』

 

「報いを受けろ!旋風のヘルダイブスラッシャー!!」

 

『う、うわあああ!!?』

力を増した突進によりヘルマンのライフは削り取られた…。

 

ヘルマンLP0 SP2 伏せ1

 

遊海LP4000 SP2

クリアウィング 手札4

 

 

 

 

『なんという事だ!ヘルマンはメタルナイトに手も足も出ず1ターンキル!!チームカタストロフの必勝コンボが破られた〜!』

 

 

 

 

「あ〜あ…やっぱりこうなったか…奴らは怒らせちゃいけない奴を怒らせたんだ」

観客席で牛尾は呆れたように呟く

 

『あれがメタルナイト…!なんて強さなんだ…!?』

同じく観客席のブレオも驚きのあまり固まってしまっている…。

 

「アイツらは白野のカミさんに手を出したんだ…当然の結果なんだよなぁ…」

 

     

 

 

「いくら相手が弱いとはいえ…まさか1ターンキルかよ…えげつねえ…」

 

「遊海め…まだ力を隠していたのか…!」

 

「それだけじゃない、遊海さんはとても怒っている…!その怒りを噛み殺して全てをデュエルに向けているんだ!」

ピットでデュエルの様子を観戦している遊星達は遊海の放つ威圧に圧倒されている…。

 

 

「ねぇ…遊星、おれ思ったんだけど…」

 

「どうしたんだ龍亞?」

 

「遊海…まだ()()()()()()()()んじゃないかな…?」

 

「なっ…!どうしてそう思うんだ?」

龍亞の呟きに遊星は聞き返す…

 

「だって、シグナーの竜の『閃光竜』…遊星と戦った聖刻龍の『トフェニ』…アキ姉ちゃんが戦った『メガロックドラゴン』…バクラと戦った『ラーの翼神竜』…遊海の連れてる精霊達の中でパートナーのアヤカだけ、まだデュエルで出てない気がするんだけど…」

 

「言われてみれば…!龍亞、お前よく気が付いたな!」

龍亞の疑問に遊星は驚いている  

 

「うん!何だかそんな気がしたんだ!」

 

龍亞の直感は彼の才能の発露なのか…それとも偶然なのか…それは神のみぞ知る事である。

  

 

 

 

 

 

 

『何やってやがるヘルマン!負けてんじゃねぇよ!?』

 

『しょうがねぇだろ!?奴が強過ぎるんだよ!!』

ピットに戻ったヘルマンはニコラスに叱責される…

 

『オレ達はこんなところで負ける訳にはいかないんだよ!!』ガシッ!

リーダーのニコラスはヘルマンからバトンを奪い取り発進する!

 

 

 

「お前がカタストロフのリーダーか?お前達が傷つけた仲間達の痛みを思い知れ!!」

 

『へっ…!もう勝ったつもりかヒーロー!貴様だけは倒す!!』

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

ニコラスLP4000 SP2

遊海LP4000 SP2

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』SP2→3

『…!カードを1枚伏せ、ターンエンド!』

ニコラスLP4000 SP3

伏せ2 手札5

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」SP3→4

「来い!『SR三つ目のダイス』!」

三角形の3面サイコロが現れる ATK300

 

「さらに墓地の『マッハゴーイータ』は自分フィールドにチューナーがいる時に特殊召喚できる!」

再び羽子板の戦闘機が現れる ATK2000

 

「俺はレベル5の『マッハゴーイータ』にレベル3の『三つ目のダイス』をチューニング!」

 

5+3=8

 

「その雄々しくも煌めく翼で風を受け!無双の力で殲滅せよ!シンクロ召喚!『HSRカイドレイク』!!」

緑色の翼を持つ機械のワイバーンが現れる ATK3000

 

『ここで攻撃力3000だと…!』

 

「まだだ!『カイドレイク』の効果発動!自身以外のフィールドのカードを全て破壊する!…が、さらに『クリアウィング』の効果発動!効果発動を無効にし破壊!さらに自身の攻撃力をアップする!!ダイクロイック・ミラー!!」

クリアウィングの咆哮でカイドレイクが砕け散りクリアウィングの攻撃力が増す!

 

ATK2500→5500

 

『攻撃力5500だとぉ!?』

 

「バトルだ!『クリアウィング』でプレイヤーにダイレクトアタック!旋風のヘルダイブスラッシャー!!」

音速を超えた突撃がニコラスに迫る!

 

『来たか…!だが、ただでは負けん!!リバース罠「ドゥームズ・レイ」!相手がダイレクトアタックをする時!オレの手札を任意の枚数捨てる事で1枚につき800ダメージ…つまり4000ダメージをお互いに与える!!』

ニコラスの場に点滅する爆弾が現れる

 

「な…!あいつ自爆するつもりか!!」

ピットの遊星が身を乗り出す!

 

『メタルナイト…貴様はここでDホイール諸共お陀仏だ…闇の力によってなぁ!!』

 

「なっ…闇の力だって!?」

 

「メタルナイトぉ!!」

ピットからブルーノと龍亞の叫びが響く…

 

 

 

 

 

 

 

「それはどうかな…ニコラス、デュエルを甘く見過ぎだ!」

 

『なんだと!?』

 

「俺は手札から『ジャンクリボー』の効果発動!自分にダメージが発生する効果が発動した時!このカードを墓地に送り…その効果を無効にし破壊する!」

遊海のフィールドに機械の身体のクリボーが無数に現れ、爆弾に飛びかかり喰らい尽くした!

 

『なんだとぉぉぉ!?』

 

「クロウとアンドレとジャンにアキ…そして俺の妻の痛み…その報いを受けろ!!旋風の…ヘルダイブスラッシャー!!!!!」

 

『う、うわあああああ!!!』

遊海は精霊の力をMAXにしてニコラスに攻撃…あまりの風圧に耐えきれなかったニコラスはクラッシュしDホイールは大破した…。

 

チーム・カタストロフ 決闘続行不可

 

チーム5D's WIN!!

 

 

『チームカタストロフのニコラスがクラッシュ!大会ルールによりチーム5D'sの勝利!!決勝進出決定だ〜!強い!強すぎるぞメタルナイト〜!!』

 

「「「わああああ!!」」」

スタジアムが歓声に包まれる、勝利方法こそチーム・カタストロフと同じだが、真正面から相手を圧倒した遊海のデュエルが観客達に受け入れられたのだ。

 

「あれが決闘王の実力の一端か…恐ろしいな…!」

 

「…絶対に遊海を怒らせないようにしよう…命が幾つあっても足りなくなりそうだぜ…」

ピットのメンバー達は改めて遊海の強さを実感したのだった…。

 

 

 

 

『ぐっ…まさかこんな事が…!』

転倒したニコラスは拳を握り締めていた、デュエリストの流儀に反して闇のカードに手を出したものの結果は惨敗…彼らの戦いはこれで終わったのだ。

 

「ニコラス、こんな言葉を知ってるか?…人を呪わば穴2つ…お前達が闇に手を出した時点でこの結末は決まっていたんだ」

 

『メタル…ナイト…身体が…!』 

ニコラスに近づいた遊海がニコラスの身体を癒やす…

 

「お前達はまだやり直せる…やるべき事はわかるな?」

 

『わかった…セキュリティに自首するよ…』

 

「それでいい…しっかり罪を償ってこい」 

それを伝えて遊海はピットへと戻った…。

 

 

 

 

 

 

「やったな!メタルナイト!すげぇデュエルだったぜ!」

 

「カッコよかった!!」

 

「ありがとうお前達、アキや翠の敵はしっかり討ったよ…ワガママを言ってすまなかった」

ピットに戻った遊海は遊星達に歓声で受け入れられる

 

「いいのだ遊海、貴方のデュエルを見ていて俺も胸がすいた思いだ!」

 

「そうか…後の戦いは任せたぞ?俺はゲイザーが出なければ後はお前達に任せ《マスター!緊急事態発生です!無数のゴースト反応が出現しました!!》っ!?」

 

「「「なんだって!?」」」

アヤカが警戒を促す…そして…

 

 

『緊急事態発生だ!予選の行われているデュエルレーンやネオドミノシティに大量のDホイーラーが乱入!事故が多発している!観客の皆様はスタジアムから出ないでください!』

知らせを受けたMCが焦った様子で放送する…イリアステル(プラシド)がついに動き始めた…!

 

 

 

 

 

『ついに…この時が来た…!今こそ…イレギュラーを抹殺し…世界(未来)を……救う(滅ぼす)!』

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