転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

150 / 434
明鏡止水の境地─クリアマインド─

『緊急ニュースだ!予選の行われているデュエルレーンやネオドミノシティに大量のDホイーラーが乱入!事故が多発しています!観客の皆様はスタジアムから出ないでください!』

 

MCが焦った様子で放送を続ける…この事件の発端は数分前に遡る…。

 

 

 

Sideプラシド

 

『チッ…彼奴らめ!余計な事をしたな…!』

スタジアムのドーム上でチーム・カタストロフに対して苛つきをあらわにしていた、原因は彼らの起こした行為だった。

 

『白波の女を傷つけたら奴が出てくるのは当たり前だろう…!』

 

『キッヒッヒッ!僕は知らないよ〜、ホセにめちゃくちゃ怒られるよ〜』

 

『うるさい!黙っていろルチアーノ!!』

プラシドはいつの間にか隣にいたルチアーノに怒鳴る…プラシドはホセのまどろっこしい作戦に嫌気が差し自分で新たな作戦を実行していた。

 

作戦はチーム・カタストロフに闇のカードを渡しWRGPに出場させる事で自分達の障害となるシグナー達を排除するという至極単純なもの…しかし、人選が悪かった…カタストロフがアキを狙った際に同伴していた白波翠を巻き込んでしまったのだ。

 

そうなれば当然遊海…メタルナイトが介入する、プラシドの眼下ではチームカタストロフがクラッシュし敗北してしまっていた。

 

『キッヒッヒッ!プラシドの作戦ダメダメじゃん!…っていないし…まぁいいか!』

 

 

『こうなればプランBだ…!この街をカオスに陥れてやる!!』 

そしてプラシドは事前に製造していた多数の改良型デュエルロイド『ディアブロ』を開放…Dホイーラーに無差別かつ強制的にデュエルを仕掛ける事でサーキットを浮かび上がらせようとしたのだ…!

 

『WRGPの予選は終了した…!これより始まるのは「バトルロイヤル」!オレ達のライディングデュエルは命懸け…さぁ死にたくなければ戦え!Dホイーラーども!そしてサーキットを浮かび上がらせるのだ!!』

 

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「牛尾!御影さん!ゴーストが!」

 

「ああ、わかってる!デュエルレーンになだれ込んで無差別にデュエルを仕掛けてるらしい!しかもデュエルのルールが『バトルロイヤルモード』に書き換えられて大変な事になってやがる!!」

遊海から事態を聞いた遊星達がセキュリティの2人のもとに集まる…ネオドミノシティは大混乱となっている…。

なお、遊海本人は既にゴースト討伐に向かっている。

 

 

「あれだけ大量のゴースト…この大会を潰すつもりか…!!」

 

「だったら戦うしかねぇ!せっかくの大会を潰させてたまるか!!」

ジャックとクロウが戦う意思を固める!

 

「なら…私達も手伝うわ!」

 

「シェリー!ミゾグチ!」

遊星達のもとにシェリーとミゾグチもやってくる…シェリーはチーム・カタストロフにイリアステルの影を感じて偵察に来ていたのだ。

 

 

「しかし遊星殿、ゴースト達はまさに大軍…どうするのです?」

 

「今回の襲撃には黒幕がいるはずだ…そいつを探し出して止めるんだ!」

 

「「「応!!」」」

遊星の指示のもとに決闘者達が結束する!

 

「行くぞ!取り戻したシティの平和をオレ達で守るんだ!!」

そして遊星達は散開しディアブロの討伐に乗り出した!

 

「みんな…待ってよ〜!」

ブルーノ1人を除いて…

 

 

 

 

 

 

Side三皇帝

 

『ヘー…しっかりとサーキットが出来てきてるね〜、でもDホイールを走らせないと完成しないなんて…ちょ〜めんどくさい!』

 

三皇帝のアジトでルチアーノはネオドミノシティに描かれていくサーキットを眺めていた…。

 

『サーキットを完成させるにはモーメントの力…つまりDホイールの力が必要なのだ…この時代の何も知らぬ決闘者達がしのぎを削り力を高め…それが最高潮まで高まった時、その時こそ「神の城」はこの時代に顕現するのだ…!』

ホセも地図を眺めながらルチアーノに目的を伝える…「神の城」の顕現…それが三皇帝の目的なのである。

 

『神の城ねぇ…でもサーキットの大きさからするとめちゃ大きいよね?街がペッシャンコになるんじゃないの〜?』

 

『未来を救う為の些細な犠牲だ、未来を救う為には…むっ?何が起きている…?』

ホセが視線を移すと多数のディアブロ軍団がネオドミノシティを襲撃している映像が写し出される…。

 

 

『これってプラシドのディアブロ軍団じゃん!我慢の限界だったみたいだね!キッヒッヒッ…!』

 

『おのれ若僧が余計な真似を…!!無理矢理戦わせたのでは完全なサーキットは浮かばんのだ!そんな事もわからんのか!!…むっ…この反応は…!』

 

『どうしたのさ?ホセ』

動きを止めたホセにルチアーノが尋ねる

 

 

『友が動き出したようだ…』

 

『わぁお…!?』

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

Side遊星

 

 

ゴースト討伐、そして黒幕探しの為にデュエルレーンに突入した遊星達…先程まで晴天だった空は厚い雲に覆われ…デュエルレーンはまさに戦場と化していた。ディアブロに襲撃されクラッシュした選手達や選手に返り討ちになったディアブロの残骸…さらに実体化した攻撃で破壊されたデュエルレーンや建物の残骸が散らばっている…。

 

そんな状況の中遊星、そして行動を共にしているシェリーとミゾグチは未だに戦い続ける選手とディアブロのデュエルに乱入し、他の選手達を助けていく…。

 

そして戦っているのは遊星達選手だけではない、牛尾率いるセキュリティのデュエルチェイサーズ…さらには有事の際に控えていたKCの特殊部隊が時にはデュエルで、時にはまきびしや網を使いディアブロ達を捕獲・無力化していく…さらには遊星達から離れた場所で何度も爆発が起きる…おそらく遊海が派手に暴れているのだろう…。

 

そんな中、シティに散らばっていたディアブロ達が一斉に何処かへ向かい始める…その目的は遊星だった、黒幕が遊星を倒す為に戦力を集中させたのだ…ディアブロ達は数の暴力でシェリーとミゾグチを瞬殺…遊星に襲いかかる!

 

 

「くっ…!この数で捕まったらオレもやられる…!!」

遊星を追うのは20体を超えるディアブロ達…遊星はスピードを上げて振り切ろうとするが追いつかれ光属性キラーの『A・ボム』の連続攻撃を受けてしまう…その時!

 

 

『私のターン!!「TG-ブレード・ガンナー」に「バスターショットマン」を装備!「A・ボム」を攻撃!バスター・ショット!!』

 

突如、青髪の男…遊星にアクセルシンクロの存在を伝えた謎のDホイーラーが遊星を囲むA・ボムとディアブロを全て吹き飛ばす!!

 

 

「お前は…!」

 

『遊星!加速してスリップ・ストリームでついてこい!スピードの限界を超えなければ奴らは振り切れない!』

 

「わかった!!」

遊星は謎のDホイーラーの後ろに付く…そして謎のDホイーラーのDホイールは爆発的に速度を上げ、その気流に巻き込まれる形で遊星も加速…ディアブロ軍団を振り切る事に成功する!…だが、そこに事件の黒幕が迫る…!

 

 

『不動遊星…!貴様は虫ケラの分際で目障り過ぎる…これ以上邪魔ができないようオレの「機皇帝」で踏み潰してやる!!』

 

「機皇帝だと!?お前がゴースト達のボスか!!」

遊星に追いついてきたのは白いDホイールに乗ったプラシド…彼は遊星を排除する為にデュエルを仕掛ける…!

 

「(まずい…!今のライフでデュエルを受けたら…!)」

 

遊星のライフは先程のディアブロ軍団によって減らされてしまっている、ライフを回復するにはこの場を一旦離脱しなければならないが…プラシドはそれを許さないだろう…しかし、この場にいるのは遊星だけではない…!

 

 

『やらせない!!』 

 

ズガン!!

 

『貴様ァ!!』

謎のDホイーラーがプラシドにリアルダイレクトアタックを仕掛け失速させる!

 

 

『遊星!この危機を乗り越えるには「アクセルシンクロ」を体得するしかない!心を研ぎ澄ますんだ!』

 

「心を…研ぎ澄ませる…?」

 

『そうだ遊星!…お前の操るDホイール…その動力であるモーメントはただのエネルギーじゃない!人間の心を読み取る「生きたエネルギー」なのだ!』

 

「!?…モーメントが人の心を読み取る…!?」

Dホイーラーの言葉に遊星は驚愕する。

 

謎のDホイーラー曰く、モーメントの核である遊星粒子は人間の心を読み取りその性質を変化させる…それはモーメントが開発される以前から利用されている…それこそが赤き竜と冥界の邪神の真実である事。

そしてその善悪を超越し、真にモーメントの力を使いこなした者が辿り着く境地…それこそが…

 

 

『「クリアマインド」…それこそがアクセルシンクロの鍵!遊星!今、それを習得するんだ!既に答えは君の中にある!!風を感じるんだ!!』

 

「風を…感じる…!」

Dホイーラーの言葉を聞いた遊星は神経を研ぎ澄ませ目を閉じる…本来であれば事故を起こす行動だが、遊星は走る事を止めずスピードを上げていく…!

 

 

「(オレはゴーストと戦ってからアクセルシンクロの方法を探し続けてきたが…見つける事ができなかった、それは…オレに機皇帝への恐怖があったからだ…、その恐怖を乗り越えた先に…クリアマインドはある!!)」

 

遊星は機皇帝への畏れを消し去る…その先で遊星は光の道、そして白いドラゴンの姿を垣間見た…!

 

「見つけた…スピードの中でしか見えない境地…クリアマインド!!」

遊星はようやくクリアマインド…「超スピードでの無我の境地」へと辿り着いた…しかし…

 

『不動遊星ぇぇぇ!!!』

リアルアタックで失速したプラシドがブースト装置で遊星を猛追する…その瞬間、厚い雲の中に一筋の流星が輝き遊星はその場から消え去った!!

 

『見つけたか…遊星!!』

 

『馬鹿な…消えただと!?』

満足そうに頷く謎のDホイーラーと状況を理解できていないプラシドを残し、遊星はその場から離脱した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…」

スピードと白きドラゴンに導かれ遊星が辿り着いたのは旧サテライト外れの荒野…以前に隕石騒動があった場所だった。そしてクレーターの中には1枚の石版がそびえ立っている、その表面には遊星の垣間見た白きドラゴンの姿が彫り込まれている…。

 

 

「このカードがオレに光の道を見せたのか…?」

遊星が石版に触れる…その瞬間、遊星の視界は白く塗りつぶされた…。

 

 

 

「っ…いったい何が…ここは…!!」

遊星の目の前には白い空間が広がる…そこは以前にブルーノ・シェリーと共に訪れた場所…そこにはまたもやアンモナイトのような機械が浮いている…!

 

 

「お前はっ…!」

 

【不動遊星…あなたはあなたの可能性を手に入れました】

 

「なんだと…?ハッ…!」

遊星が機械から発せられた声を聞き自身の手を見ると「カード名もイラストも描かれていない」カードを手にしている…。

 

【それがクリアマインドの境地…アクセルシンクロを可能にするカード…あなたにはそれを受け取る権利がある…全ての可能性が平等であるように…】

 

「お前は…オレを知っているのか…!」

 

【あなたは自分の正しいと思う道を進むのです、そして…願わくば…我が─を…止めてほしい、悲しき運命を背負いし─…】

 

「お、おい!!」

アンモナイトはその場から消え去る…遊星は気付けば元の荒野へと戻っていた。

 

「(今の人物は…それに悲しき運命…なんの事だ…?)」

白紙のカードを見ながら遊星は先程の人物に考えを巡らせるが…カードをしまいDホイールに乗り込む

 

「今オレがしなくてはならないのは…この街を救う事だ!」

遊星は再び亜空間に消え去り、混沌渦巻くネオドミノシティへと戻った…。

 

 

 

 

 

デュエルレーンに戻った遊星が見たのはプラシドとデュエルする謎のDホイーラー、そして3体のディアブロがデュエルに乱入する姿だった…しかし遊星を見つけたDホイーラーは、乱入したディアブロを弾き飛ばし前への道を作る!

 

『行け遊星!奴との決着を着けるんだ!雑魚達は引き受けた!!』

 

「ああ…!お前の相手はオレだ!!」

 

『丁度いい…2人纏めて始末してやる!!』

戦闘態勢を取るプラシド…そこにホセからの通信が入る!

 

『やめるのだプラシド!不動遊星は新たな力を手に入れている!』

 

『何…?どういう事だ!』

 

『不動遊星も「神のお告げ」を聞いたんだよ!チョービックリだ!!』

 

『なんだと…!』

ルチアーノの言葉を聞いたプラシドは驚くが…すぐに不敵な笑みを浮かべる…

 

 

『奴がどんな力を手に入れていようと…捻り潰すだけだ!!』

そう言うとプラシドは腰に挿していた剣をDホイールに突き刺す…そしてその身体が変形し人馬一体ならぬ人機一体の姿となった…!

 

『不動遊星…今度は逃さん!デュエルだ!!』

 

「この街は…オレが守る!!」

 

 

 

 

「『ライディングデュエル!アクセラレーション!!』」

 

 

デュエルダイジェスト 遊星対プラシド究極体

 

 

 

街を守る為に始まった遊星とプラシドのデュエル…プラシドの場には既に「機皇帝ワイゼル」シリーズが召喚されている、その状況で遊星は「ジャンク・デストロイヤー」を召喚しプラシドを攻める…結果、破壊効果は躱されたものの「ワイゼルG」を戦闘破壊し、さらにシンクロ素材としていた『ニードルガンナー』で大ダメージを与える事に成功する。

しかしプラシドもただでは終わらない、「ワイゼル」の強化パーツである「ワイゼルG3」を召喚し「ワイゼル∞」の効果で「デストロイヤー」を吸収しようとするが…遊星の罠カード「スターシフト」により「スターダストドラゴン」を特殊召喚する事で回避する。

 

返しのターン、遊星は罠カードを駆使してプラシドのライフを削っていくが…プラシドのターンで予想外の事が起きる…プラシドがルチアーノの機皇帝「スキエル∞」のパーツである「スキエルC3」を召喚し「ワイゼル」に合体させたのだ…いつの間にかルチアーノから盗んでいたようだ…。そしてワイゼルと究極体プラシドの放つエネルギーが周囲に影響を与え突風や雷などの異常気象や電子機器の異常を起こし始める、その様子を見た遊星はアクセルシンクロをする事を決意…シンクロチューナーである「フォーミュラシンクロン」を召喚する!

 

 

「今こそ見せてやる!シンクロ召喚を超えた…アクセルシンクロを!!オレはレベル8の『スターダストドラゴン』にレベル2シンクロチューナーの『フォーミュラシンクロン』をチューニング!!」

遊星はスピードの限界に達し新たな道を切り拓こうとする、だが…!

 

『いいのか不動遊星!!貴様が行おうとしているシンクロ召喚こそ、愚かな人類の進化の象徴!…だが進化を求めた人類は結局何をした?ゼロリバースの惨劇を忘れたか!貴様はまさに父親が犯した過ちを…その呪われた運命によって繰り返そうとしているのだ!!』

 

「なっ…!」

プラシドの言葉を聞いた遊星の脳裏にある光景が浮かぶ…それはゼロ・リバースによって壊滅する童実野町の姿だった、遊星はそのイメージによってクリアマインドを保つ事ができず…アクセルシンクロは失敗してしまう…。

 

「アクセルシンクロが…失敗した…!?」

 

『フン…どんな手品を見せてくれるのかと思えば…拍子抜けだなぁ!さぁ…この街と共に滅びるがいい!!』

 

 

アクセルシンクロを妨害したプラシドはついに「スターダストドラゴン」を吸収し遊星へと襲いかかり「フォーミュラシンクロン」も破壊されてしまう…。

しかし、遊星もまだ諦めてはいない…ワイゼルの猛攻を凌いだ遊星は「レスキューウォリアー」を召喚、その効果で「スターダスト」を取り返す事に成功…さらに「ネクロ・リンカー」の効果で「フォーミュラシンクロン」を蘇生する!

 

『フン、また手品のタネを仕込んだか…だが!お前はオレに勝つ事はできん!己の無力さを思い知れ!!』

さらに力を開放したプラシドは竜巻を発生させる…あらゆる物が吹き飛び被害が広がっていく…

 

 

『もう一度言おう不動遊星!お前は機皇帝に勝つ事はできん!それが貴様の運命だ!!』

 

「オレはそんな運命など信じない!一人一人の人間が自らの意思に従い歴史を紡いできた!その意思が大きな流れとなり…人類全体を進化に導いてきたんだ!!」

 

『愚かな…モーメントが、シンクロ召喚こそが肥大した人類の欲望の象徴だ!再び「スターダスト」を奪い…決着を着けてやる!やれ!「ワイゼル∞」!!』

ワイゼルの触手がスターダストに迫る!

 

「『スターダスト』は二度と渡さない!もう二度と…あんな悲劇は繰り返させない!その為にも必ず俺の手で…シティーを守り抜いてみせる!」

遊星は決意を新たにする…自分の父のせいで壊滅してしまったこの街を…仲間達のいるこの街を守ってみせる、その想いに呼応しドラゴン・ヘッドの痣が輝き、仲間達の想いが遊星に集う!

 

「遊星…勝て!!」

 

「オレ達がついてるぜ!!」

 

「遊星…お願い!!」

 

「「遊星!!」」

 

「」

 

 

「今のオレには…仲間達との絆がある!!」

その瞬間、遊星は自分の限界を突破する、プラシドに対する怒り…機皇帝への恐怖…街を破壊された焦り…その全てがスピードの世界へ融けていく、永遠の刹那…その中で遊星はついに辿り着いた…!

 

 

─ピチョン─

 

 

「クリアマインド!!オレはレベル8の『スターダストドラゴン』にシンクロチューナー『フォーミュラシンクロン』をチューニング!!」

 

8+2=10

 

「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!光差す道となれ!!」

遊星が白紙のカードを掲げる…カードはクリアマインドにより共鳴し…その真の姿を現す!!

 

 

「アクセルシンクロォォォォ!!!」

 

『消えた…!?』

スピードの限界を超えた遊星は目視できる速度を超え亜空間へと消え去る…そして…!

 

「招来せよ!『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

亜空間から帰還した遊星と共に1体の白いドラゴンが天へと昇る…その力は暗雲に穴をあけ、ネオドミノシティに光が降り注ぐ…そのドラゴンこそが遊星の新たな力…アクセルシンクロモンスター『シューティング・スター・ドラゴン』!

 

 

『認めんぞ…そんな力なぞ…認めてたまるかぁ!!』

アクセルシンクロを目にしたプラシドは『スピードワールド2』の効果で「シューティングスター」の破壊を狙うが…流石は「スターダスト」の進化体、破壊効果を無効にする事で切り抜ける…そして遊星のターン、その真の力を開放する!

 

「『シューティングスター』はデッキトップ5枚をめくりその中のチューナーの数だけ攻撃する事ができる!みんな…力を貸してくれ!!」

遊星の痣が輝く…その光は遊星に力を与えていく!

 

 

「1枚目…『ジャンクシンクロン』!」

 

「2枚目…『ニトロシンクロン』!」

 

「3枚目…『デブリドラゴン』!」

 

「4枚目…『エフェクトヴェーラー』!!」

 

「そして5枚目……オレ達の未来!『ハイパーシンクロン』!!!」

 

『馬鹿な!?5回の連続攻撃だとぉ!?』

仲間達の絆が奇跡を起こす!!

 

「受けてみろ!!シューティング・ミラージュ!!」

5体に分身したシューティングスターがワイゼルに連続攻撃…ワイゼルを粉砕した!!

 

 

『馬鹿な…こんな事がぁぁぁ!?』

 

プラシドLP0

 

遊星WIN!

 

 

 

ズガッ…バリン!!ガッシャァァン!!

 

 

 

「なっ…!?大丈夫か!?」

シューティングスターのあまりの力に耐えられなかったのかプラシドはクラッシュ…さらに上半身と下半身が千切れ投げ出されてしまう、遊星はプラシドを心配し駆け寄るが…意識を失ったプラシドの身体が浮かび上がる…。

 

『敗者への情けは無用だ不動遊星…特にこの男は傷付くだろうからな…このくらいの年齢の男ならよくある事だろう?』

デュエルが決着したのは奇しくもネオダイダロスブリッジのモニュメントアーチの辺り…そのアーチの上にローブを羽織った赤髪の少年、そして大柄な老人が現れる。

 

「お前は…!龍亞と龍可を襲ったルチアーノ!こいつの仲間だったのか!!」

以前に出会ったルチアーノに気付き遊星が声を上げる

 

『キッヒッヒッ…あの時は小手調べだったけどね!それにしてもプラシドはダメだなぁ…せっかくお前達のプログラムを掠めたのに…』  

 

「プログラム…!?お前達が犯人だったのか!!」

遊星の言葉にルチアーノは自白する、以前に起きたプログラム窃盗事件はプラシドが指示をだしてイェーガーに行わせたものだったのだと…そして戦いを終えたジャックにクロウ、そして謎のDホイーラーとシェリー・ミゾグチがその場へと集合する。

 

『役者は揃ったようだな…シティとサテライトの統合の証であるこの場所でお前達に出会うとは…なんと皮肉なものだ…』

 

 

「テメェらが今回の黒幕か!何もんだ!!」

クロウがローブの男達に怒鳴る

 

『名乗っていなかったな…ワシらはイリアステルの三皇帝…ワシがリーダーのホセだ!』  

 

『え?アンタがリーダーだったんだ?じゃあ…副リーダーのルチアーノ!それでぶっ壊れてるのが下っ端のプラシド!ヨロシク!』

そしてホセは語る、イリアステルは有史以前から存在し「歴史を修正し正しい未来」を導く秘密結社であり…世界を裏から操る組織だという事を…

 

 

「なら…聞かせなさい!黒いバイザーを着けた男…ゲイザーも貴方達の仲間なの?」

シェリーがホセに問う

 

『ゲイザー…彼は我らが最高の友であり神のメッセージを届ける者だ、それがどうした?』

 

「私は彼に聞きたい事がある!!彼は何処にいるの!?」

 

『キッヒッヒッ…無駄だよシェリー?彼は神出鬼没…そう簡単には会えないさ!残念だったね!』

 

 

 

『さて…我らは戻るとしよう…チーム5D's!我らと戦いたくばWRGPの本戦を勝ち上がってくるがいい!楽しみに待っているぞ!』

そしてイリアステルの目的…『ネオドミノシティの破壊』『モーメントの根絶』を遊星達に伝えた三皇帝は去っていった…。

 

 

 

「この街を消滅などさせてなるものか…!絶対に勝ち上がるぞ遊星!」

ジャックが遊星へと決意を伝える

 

「ああ…絶対に勝つ…!オレ達がこの街を守るんだ…!」

遊星も決意を新たにする

 

「なぁ…遊星、少し気になる事があるんだが…」

 

「どうしたんだクロウ?」

遊星にクロウが声を掛ける

 

「メタルナイト…遊海はどうしたんだ?あの人なら黒幕がいたら後ろからでも攻撃しそうだと思うんだが…」

 

「そういえば…!遊海さんはいったい何処に…?」

遊星は先程から感じていた違和感に気付く…ヒーローであり精霊使いである遊海なら黒幕を察知してこちらにくるはずだが…この場にその姿はない。

 

「遊星!空を見て!!」

 

「なに…!これは!!」

シェリーの言葉に遊星達は空を見上げる…そこには未だに黒い雲が広がっている…!

 

 

「まさか…遊海さんはまだ戦っているのか!?」

 

「待てよ遊星!ゴースト達は粗方倒したぜ!今更何と戦ってるんだよ!?」

クロウが驚きの声をあげる…シティを襲ったディアブロ達はセキュリティや特殊部隊、さらにジャック達の力…さらに一部の同士討ちで全て撃破したはずなのだ…。

 

「いいえ…いるわ、あの人が戦う相手が…!」

 

「お嬢様!?」

 

「おい!待つんだシェ…なっ!?」

何かに気づいたシェリーはDホイールで走り出す…その直後…ネオドミノシティの上空に街を覆い尽くす大きさの巨大な建造物が現れた…。

 

 

「「「「『な、なんだあれは!?』」」」」

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。