転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!
今回からついにチーム・ニューワールドとの対戦に入ります、全三部構成…気合いを入れて頑張ります!

そして、活動報告で2つアンケート&アイデア募集を行いたいと思いますので…ご協力お願いします!


それでは…最新話をどうぞ!!


決戦!チーム・ニューワールド!・天〜不穏な決闘〜

崩れ落ちるビル…地割れに飲み込まれる人々…街を包む閃光…

 

ああ…またこの夢だ、オレはこの景色を忘れた事はない。

目にしていないはずのオレの始まりであり、街の終わり…オレはこの景色を生涯忘れないだろう…

 

 

 

そして場面は移り変わる…灰色の空、オレの入った脱出ポットを叩く雨音…くぐもって聞こえる自分の泣き声…オレはそれを事細かに覚えている…

 

 

ズリッ…ザリッ…

 

何かが地面を這うような…引き摺るような音が聞こえてくる…

 

「不、動…遊星…!」

 

誰かがオレの名前を呼んだ…それは……遊海さんだった。

 

 

「すまない…遊星…!俺は、お前にとんでもない十字架を背負わせてしまった…!!」

 

ああ…どうして気づかなかったんだ、オレを助けてくれたのは…傷だらけの遊海さんだったんだ…

 

 

「遊星…お前には…辛い未来が待ってる…だけど心配するな…俺が、お前を助け、導く…!だから…ぐっ…だか、ら─」

遊海さんはオレのポットを抱き締めながら気を失った、城之内さんから聞いた…遊海さんはゼロ・リバースの爆発からスタジアムを庇い瀕死の状態だったと…遊海さんはそんな状態でも最後までオレを護ろうと──

  

 

 

ザリッ…ザリッ…

 

足音が近づいてくる…?オレは見つかるまで2日程掛かったと聞いている…ならばこの足音は…

 

 

『見つけたぞ…白波遊海…!今こそ…お前を…!!』

全身は見えない…しかし、顔を隠すように着けられた黒い仮面がその人物を物語っている…

 

『フフ…ハハハ…!消えろ…イレギュラー!お前さえ…お前さえいなければ─!!!』

黒い光が男の手に集中する…やめろ…やめてくれ…!!この人をこれ以上傷つけるのは──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「や、やめろおおおおっ!!!」

 

 

 

ドタバタガターン!!!

 

 

「な、何事だ!?」

 

「遊星どうした!!何があった!!!?」

 

「えっ…あ……」

 

遊星は辺りを見回す…そこは見慣れたガレージだった、時計は夕方の6時を指している…どうやらデッキの調整をしながら居眠りをしていたようだ…。

 

「…その様子だと()()あの夢を見たんだな…」

 

「それにしても…お前がそんな魘され方をするとはな…明日は遂にイリアステルとの決戦だ、今日はしっかりと休め遊星…この騒ぎでも寝ているブルーノを見習ってな…」

 

「ZZZ…ムニャムニャ…」

ジャックの視線の先ではブルーノがソファに凭れながら寝ている…。

 

 

「心配をかけてすまない…あの夢の続きを見ていたんだ、ゼロ・リバースの時オレを助けてくれたのは…遊海さんだったんだ」

 

「なに…?どういう事だよソレ…?」

 

そして遊星はジャックとクロウに夢で見た出来事を話した…。

 

 

 

「なるほどな…遊星が赤ん坊の時に最初に見つけたのが遊海だった訳か…」

 

「だが気になるのはその後だ…遊海を消す為に現れたゲイザーらしき男…何故、奴は遊海にトドメを刺さずに立ち去ったのか、そして何故17年の間遊海や俺達に手を出さなかったのか…気になる話だな…」

遊星の話を聞いたクロウとジャックは考え込むが…答えは出なかった。

 

 

「だが…これはあくまでも『夢』の話、現実かどうかは…」

 

「なら…遊海に直接聞いてみようぜ?何か手掛かりがわかるかもしれねぇ」

 

「うむ、それがいい!明日の打ち合わせを兼ねて遊海の所へ行くぞ!」

 

「ああ、何かイリアステルの事がわかるかもしれない…」

遊星は机に広がったデッキを集め始める…

 

 

 

キィン─!

 

 

 

「「「っ…!?」」」

 

「赤き竜の痣が…!」

遊星達3人に刻まれた痣が光を放つ…まるで何かを訴えかけるように…

 

「赤き竜が…オレ達を呼んでるのか…?」

 

「とにかく行くぞ!…起きろブルーノ!!」ガンッ!

 

「うわっ!?な、なになになに!?!?」

遊星達は赤き竜の導きのままにスタジアムへと向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊星!」

 

「「遊星!!」」

 

「龍亞!龍可!アキ!お前達もか!」

スタジアムに駆けつけた遊星達、そこにはアキ、そして龍亞兄妹が既に駆けつけていた…。

 

「えぇ、痣に呼ばれたの…」

 

「遊星!おれすごい発見しちゃったんだ!龍可に触りながらだと…空の島が見えたんだよ!」

 

「なんだって!?」

龍可と手を繋ぐ龍亞…その目には空に浮かぶ島が確かに見えていた…。

 

 

《キュオオン!!》バサッ!

 

「遊星!」

 

「遊海さん!翠さん!」

閃光竜の背から遊海と翠が飛び降りる

 

「痣に呼ばれて来てみたが…気づいているか?…あの城が近付いてきている事に…」

 

「はい…人類最後のモーメント…父さんはアレを近づけるなと言っていました、ですが…」

 

遊星は空に目を向ける…そこに佇んでいた島…否、城はネオドミノシティを覆うように近付いてきていた…。

 

《…次元同調率80%…間もなくアレはこの世界に実体を現します、そうなれば…》

 

「ネオドミノシティの…消滅─!」

遊星はアヤカの言葉を聞き間近に迫った危機に険しい顔色をみせる。

 

 

「おお!チーム5D's!こんなところにいましたか!…何やら深刻そうな顔ですが…?」

 

「おい遊海…何があった、この雰囲気は尋常じゃねぇな?」

そんな時…スタジアムにイェーガーに牛尾と狭霧、そしてカーリーが現れる、彼らはそれぞれに5D'sの応援をする為にポッポタイムを訪れたがすれ違い…決闘者の直感でスタジアムを訪れたのだ。

 

「牛尾さん…俺に触れてください、そうすれば判ります…この町に迫った危機が…」

 

「なにぃ…?…な、なんじゃありゃ!?」

遊海に言われるままに空を見上げた牛尾は間近に迫った島に泡を食う…

 

 

ジジジ…ブゥン…!

 

 

『フン…役者は揃った…という所か、やはり勝ち上がって来たなシグナー共…!』

 

「チーム・ニューワールド!!いや、イリアステルの三皇帝!!」

スタジアムの投影装置が作動しホセ、プラシド、ルチアーノ…イリアステル三皇帝の姿が映し出される!

 

 

「あの島は何なんだ…!?アレはお前達の仕業なのか!!」

遊星が三皇帝を問いただす

 

『教えてやろう…あれは神の居城・アーククレイドル…イレイドゥス(未来人)の眠る地だ』

 

『我々チーム・ニューワールドがWRGPで勝利した時、アーククレイドルが真の姿を現し…地上へと降り立つのだ…』

 

『キヒヒッ…!その時、このネオ童実野シティは消滅して…この世界は生まれ変わるんだぁ!』

 

「「「「なんだって!?」」」」

プラシド達の言葉に遊星達は驚愕の声を上げる

 

「ちょ…ちょっと待ってよ!?チームニューワールドが都市伝説の秘密結社イリアステルで、この街を壊そうとしてるって!?どういう事なのよ〜?!」

 

「落ち着けカーリー!…黙って空を見ろ!」

ジャックが状況を理解できていないカーリーを引き寄せ、手を握る…

 

「あっ…ジャックがアタシの手を…って何なのあれ〜!?アレがこの街に落ちてくるの!?」

カーリーもようやく状況を把握する…。

 

 

『そういえば…ドングリピエロ、お前長官になったそうだな?』

 

「ヒッ…!…そうでしゅ!!私はこの街を護る為に治安維持局の長官となったのでしゅ!!だから教えなさい!どうすればアーククレイドルを止められるのですか!」 

プラシドの問いかけにイェーガーは勇気を以って答える、その姿は堂々としていた……遊海の後ろに隠れながらでなければ……

 

 

『アーククレイドルを止めたくば…我らを倒してみせろチーム・5D's…』

 

『明日の決勝戦でオレ達の本当の力を見せてやろう!』

 

『キッヒッヒ…!明日が楽しみだよ!じゃあね〜!』

 

ジジジ…ブツン…

 

そう言い残して三皇帝は通信を切った…。

 

 

「オレ達に…この街の運命が懸かっている…!」

 

『そうだぜー5D's!それに世界の命運もな?』

 

『それがお前達の定めだ!奴らに勝利する事が唯一、この世界を救う方法だ!』

 

「「チーム・ラグナロク!?」」

観客席から遊星達に声がかけられる…それは遊星達と同じくルーンの瞳に導かれたチーム・ラグナロクだった。

 

『遊星、我らのルーンの瞳は世界を破滅から救う為のモノ…だが、三極神は赤き竜に救世を託した…!君達ならばチーム・ニューワールドを倒せるはずだ!』

 

「ならば…迷う事はない!明日の決勝で俺達の力を全て出し切るまでだ!」

ラグナロクの激励を受けたジャックが声を上げる

 

「ああ、そして奴らに勝利し…この街と世界を守るんだ!!」

 

「「「おおーっ!!」」」

 

遊星達は決意を固める…世界を救う為に…!

 

 

 

 

「遊海さん…」

 

「心配するな翠…俺がお前を…皆を守る!これ以上奴らの好き勝手にはさせない!!(その為なら…俺は…刺し違えても…奴を倒す!!)」

心配そうに遊海の名を呼んだ翠…その手を遊海は強く握りしめた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

「これが…私達の…未来だというの…!?」

 

【そう…これがモーメントにより破滅した未来…貴女達の行き着く終わりです…】

 

時は暫し遡る…シェリー・ルブランはモーメントエキスプレスに潜入後、ワームホール内で起きた遊海と異形の悪魔との戦闘により異次元へと投げ出され…イリアステルの首魁・ゾーンに保護された…。

そしてシェリーはゾーンから全てを聞かされた…その最後が彼女の眼下に広がる赤い世界だった…。

 

【これで貴女には全てを話しました…この未来を見てどうしたいですか?】

 

「…私は…貴方に付いていくわゾーン、未来を救う為に…そして私の願いの為に…!」

 

【そうですか…ならば貴女に『無限騎士』の称号を与えます、どうか私に力を貸してください…シェリー・ルブラン】

 

「ええ、よろしくねゾーン」

そしてシェリーはゾーンの手を取った。

 

 

 

 

「…最後に教えて欲しい事があるわ、聞いてもいいかしら?」

 

【私に答えられる事ならば答えましょう】

アーククレイドルの王の間に戻ったシェリーは瓦礫の玉座に佇むゾーンへと問いかける…。

 

「貴方の話の通りなら三皇帝も…パラドックスもアンチノミーも彼らの記憶を宿したアンドロイドだと聞いたわ、でも…ゲイザー、彼だけは()()()()()だった…私は覚えているわ…ハサミを突き立てた感触も…私の手を濡らした赤い血も…私を撫でた手の温もりも…彼はいったい何者なの…?」

 

【…彼は私の最も古き友…そして紛れもなく人間です、あの日から100年以上経った今でも…】

 

「百…年…?それなら貴方のように─」

 

【彼は…不変、例え私が死のうとも…彼は永遠に生き続けるでしょう、貴女は本当に知りたいのですか?彼の事を…世界の破滅で全てを失った英雄の話を─】

 

「私は…知りたい…!彼の事を!!」

 

そしてシェリーは光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そん、な……」

 

 

 

 

 

 

そして…彼女は後悔した。

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

 

Side翠

 

ヒュー…パン!パン!!

 

空に花火が打ち上がる…今日はWRGPの決勝戦、イリアステル三皇帝との決着をつける日だ。

遊海さんは朝早くに出掛けていった、伝言を受けたウェンによると…

 

「不測の事態の対策をする為に海馬社長に会いに行く、試合には間にあわないだろうから、回復カードやデッキを持って遊星達を守ってくれ」…との事だった。

 

…最近、遊海さんは私に冷たい気がする…ううん、違う…遊海さんは私を危ない目に遭わせたくないんだ…。

ドーマの時も七星皇の時も、光の結社やダークシグナーの時もそうだった…遊海さんは全てを一人で抱え込んでしまう…私だって遊海さんの役に…ううん、みんなを守る手助けをしたいのに…遊海さんのバカ…

 

《…どり…翠!デュエルが始まっちゃうよ!!》

 

「あっ…ごめんウィンダ!いま行くわ!」

 

今はネガティブな事は考えないでおこう…私は遊海さんの帰る場所を守る妻なんだから…!

 

 

SideOut

 

 

 

 

「遊海…本当にいいのか?翠に協力を頼まなくて…」

 

「いいんです、これは俺の問題ですから…それに翠を奴に会わせたくないんです…!」

そこはスタジアムのVIPルーム、そこには遊海、そして海馬がいた。

 

 

「会わせたくない…か、もしもお前の推測が正しいのならば…無理もないな…」

 

「…それよりも海馬社長、ガソリン車・電気自動車の用意は…」

 

「フン、露骨に話題を変えおって…抜かりはない、各100台ずつ用意し、病院関係から()()()()を始めている…しかし信じられんな、この町のモーメント製品が全て動かなくなるなど…」

 

「ありがとうございます、ここからは俺達の役目です…!」

 

「焦るな遊海、既に奴らは配置に着いている…まずは5D'sを見守るぞ…」

 

海馬と遊海は眼下へと目を向けた…。

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

 

デュエルダイジェスト ジャック対ルチアーノ

 

 

 

 

 

ついに始まったイリアステルとの直接対決…ジャックの相手はデュエルボードに乗った赤髪の少年・ルチアーノだった。

 

「俺のターン!『ダーク・リゾネーター』を召喚!カードを伏せてターンエンド!」

 

『キッヒッヒ…馬鹿の一つ覚えのシンクロ狙いかい?僕達の「機皇帝」の能力を忘れたのかい?』

 

「フン…!貴様らとの対決を前にこの俺が無駄な時間を費やしていたと思うのか?…貴様らに目にもの見せてくれる!!」

ルチアーノは「機皇帝スキエル∞」を召喚する布石である「スカイ・コア」を召喚しターンを終える、そしてジャックのターン…ジャックは凄まじいプレイングを見せる!

 

 

「俺はレベル8の『レッド・デーモンズ・ドラゴン』にレベル3の『トラスト・ガーディアン』とレベル1の『レッド・ノヴァ』をダブルチューニング!!王者と悪魔!今ここに交わる!!荒ぶる魂よ!天地創造の叫びをあげよ!!シンクロ召喚!いでよ…!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!」

《グオオォン!!》

ジャックの場に紅蓮の龍の咆哮が轟く…ジャックは先攻2ターンで切り札を召喚したのだ…!

 

『へっ…!性懲りもなく進化しちゃってさ…!呆れちゃうよ!罠カード「ツイン・ボルテックス」を発動!「スカーレッド・ノヴァ」と「スカイ・コア」を破壊!』

 

「無駄だ!『スカーレッド・ノヴァ』はカード効果では破壊されない!」

スカーレッドノヴァは破壊の雷を振り払う!

 

『狙いはこっちさ!「スカイコア」が破壊された事で…現われろ!「機皇帝スキエル∞」!』

ルチアーノのデッキから機皇帝のパーツが飛び出し天の機皇帝スキエルが現れる!

 

「早くもお出ましだぜ…!」

 

「油断するなよジャック…!」

シンクロキラーの登場に遊星達は警戒を強める…!

 

 

「フン!攻撃力2200など恐れるに足りん!バトルだ!『スキエル』を攻撃!バーニングソウル!」

 

『キッヒッヒ!「スキエルG」の効果発動!その攻撃を無効にする!』

スキエルが展開したピットが体当たりを受け止める!

 

「ならば罠カード『パワー・プレッシャー』を発動!自分モンスターの攻撃が無効になった時!相手に1000ダメージを与える!」

ジャックは遊星から機皇帝の特徴を聞いていた…1000ダメージがルチアーノに襲いかかる!

 

『キッヒッヒ…!永続罠「無限霊機」を発動!自分が100ダメージを受ける度にこのカードにカウンターを1乗せる!』

ルチアーノのフィールドに骸骨のような機械が現れ、カウンターが乗る…

 

「『無限霊機』…?なんだそのカードは…?」

 

『この機械はダメージを受けた時、その「痛み」を記録する装置さ…これが起動すれば…!キッヒッヒ…!』

 

「くっ…不気味な奴め…!」

ジャックは不気味に笑うルチアーノを警戒する…。

 

 

『「無限霊機」が発動したか…』

 

『作戦通りだ…』

ピットのプラシドとホセは小さく笑みを浮かべる…。

 

 

 

返しのターン、ルチアーノはスキエルの効果でスカーレッド・ノヴァを吸収しようとするがスカーレッド・ノヴァの持つ「自身を任意のタイミングで除外し、相手の攻撃を無効にする」効果で回避される…そして…

 

 

「バトルだ!!『スカーレッド・ノヴァ』で『スキエル』を攻撃!そして墓地に送った『フォース・リゾネーター』の効果で貴様はバトル時にカード効果を発動できない!砕け散れ!バーニングソウル!!」

紅蓮の龍の突進がスキエルを打ち砕いた!

 

『キヒッ…!永続罠「無限牢」を発動!手札を1枚墓地に送って墓地の「スカイコア」を魔法・罠扱いでセットする!そして「無限霊機」にカウンターが乗る…!うわ〜!?』

 

ルチアーノLP0

 

ジャックWIN!

 

 

 

「やった〜!ジャックが機皇帝に勝った〜!」

 

「よくやったぜジャック!」

5D'sはジャックの勝利に喜ぶ…だが…

 

「(おかしい…機皇帝がこんなにあっさりと負けるはずがない…妙な感じだ…)」

遊星だけはルチアーノの負け方に違和感を感じていた…。

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()ルチアーノ』

 

『ケッ…うるさいよ』

ピットに戻ったルチアーノにプラシドが声をかける

 

『でも作戦とはいえ…つまらないよね、こういうの』

 

『だが…これでいい…』

悪態をつくルチアーノにホセが語りかける

 

『奴らは既に逃げ出す事のできない地獄へと足を踏み入れたのだ…』

 

『そして…終焉へのカウントダウンは今始まった…!待っていろ…不動遊星!』

そう言ってプラシドはコースへと入っていった…

 

 

『…大丈夫かな?あいつ…』

 

 

 

 

 

「来たな!くたばり損ないが!貴様もルチアーノ同様、

この俺が叩きつぶしてくれる!」

ジャックは後方を走るプラシドに宣戦布告する…!

 

『虫ケラのくせに口だけは達者だな…身の程を思い知らせてやる!!』

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

デュエルダイジェスト ジャック対プラシド

 

 

 

 

「(このデュエル、やはり何かがおかしい…!()()()()()()()()()D()()()()()()()()()()()()()?)」

遊星はジャックとプラシドのデュエルを見ながら考えを巡らせていた。

プラシドにはDホイールと合体する事で全力を発揮できる「究極体」がある…しかし、プラシドは通常の状態でライティングを行なっているのだ…。

 

「(奴らの作戦はまだわからない…頼むぞジャック…!)」

 

 

 

 

「バトルだ!『ワイゼル∞』を攻撃!バーニングソウッ!!」

 

『無駄だ!「ワイゼルG」の効果発動!攻撃対象をこのカードに変更する!』

 

「リバース罠『バーニング・ストライク』発動!このカードはシンクロモンスターの装備カードとなり、相手に貫通ダメージを与える!」

 

『やらせるか!リバース罠「ワイズG3」を発動!手札から「ワイゼルG3」を特殊召喚!このカードは戦闘では破壊されない!』

ジャックとプラシドのデュエルは白熱していた…早々に人の機皇帝「ワイゼル∞」を召喚したプラシドはジャックを攻める…それは本来の作戦にはない事でホセは頭を抱えていた…。

 

『そして「無限霊機」にカウンターが乗る!さらに罠カード「反射鏡」を発動!自分のモンスターが戦闘破壊されなかった事により1ドロー…そしてレベル✕300ダメージを与える!引いたのはレベル3の「ワイゼルA3」!900ダメージを喰らえ!』

 

「ぐおおぉぉ…!」

プラシドのスタンドプレーによりジャックのライフは1100、プラシドのライフは500となっていた…。

 

 

『フン、少々奴を侮り過ぎたか…だが、ライフが500もあれば充分だ!』

 

『ねぇホセ!いいのかよ!このまま好き勝手やらせといて!?このままじゃ作戦が!』

 

『う〜む…少しやんちゃが過ぎるな…(プラシド…遊びはそこまでだ…!!)』

 

『なに…!』

本来であればピットとプレイヤーの通信は禁止されているが…ホセはプラシドに直接語りかける…。

 

『(我らの使命を忘れたのか…)』

 

『チッ、わかったよ…!!作戦通りにすればいいんだろ!!』

ホセの指示を受けたプラシドはカードを伏せただけでターンを終える、そしてそれは…遊星の疑いを裏付けるものだった。

 

 

「(チーム・ニューワールド、いったい何を考えているんだ…?奴らのフィールドにあるのは『機皇帝ワイゼル』とカウンターの乗った『無限霊機』…まさか…!()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!?)龍亞!ピットボードを!『無限霊機』を破壊するんだ!!」

遊星はジャックに対して指示を飛ばす!

 

 

「なるほど…やはりあのカードがカギか!罠カード『シンクロソニック』を発動!『無限霊機』を破壊する!!」

 

『チィ…!気づかれたか!罠カード「インフィニティ・ガード・フォーメーション」発動!自分フィールドのモンスター効果を無効にする事で自分のカードの破壊を無効にする!!』

策に気づかれたプラシドが「ワイゼル」の効果を無効にして破壊を免れる!

 

「だが攻撃力0の機皇帝など蹴散らしてくれる!『スカーレッドノヴァ』で『ワイゼル∞』を攻撃!バーニング・ソウル!!」

再び紅蓮の突進が機皇帝を打ち砕いた!!

 

『ぐおっ…!だが…「無限牢」の効果発動!墓地の「ワイズ・コア」を魔法・罠カード扱いでセット!さらに「無限霊機」にカウンターが乗る!』

 

プラシドLP 0

 

ジャックWIN!

 

 

 

 

 

Side遊海

 

 

「……遊海、始まるのか?」

 

「はい…これからが本当の勝負です…!」

海馬は遊海へと問いかける

 

「遊海、お前は知っているのだろう?この先に起こる事を…何が起きる?」

 

「…5D'sに対する蹂躙…そして未来からの警告です…!」 

 

「不動遊星は…勝てるのか?」

 

「俺は…一人の男として、そして…5D'sの一員として遊星達を信じています…!!頼むぞ遊星、クロウ、ジャック…!」

遊星は拳を握りしめながら遊星達を応援した…。

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

Sideニューワールド

 

 

『何やってるんだよプラシド!!もう少しで「無限霊機」が破壊されるところだったじゃないか!?』

 

『だったらなんだ?やる事はやった…文句はないはずだ』

ルチアーノの怒りにプラシドは素っ気なく返す…

 

 

『文句って…あのねぇ!!』

 

『よせ、今は仲間割れをしている場合ではない…』

 

『ホセ!でもプラシドが〜!』

ホセが2人を諌める…

 

『あとは私に任せろ、予定通りカウンターは80…ついに奴らに勝利し、サーキットを完成させる時が来たのだ…!』

そしてホセはローブを脱ぎ捨てた…

 

『(待っていろ不動遊星…お前とはもう一度戦うチャンスがある…!)』

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

『第1回WRGPもいよいよ大詰め!チームニューワールドのラストホイーラーはホセ選手!』

MCの実況が響く中、ホセは徒歩でコースへと現れる…そして…!

 

『ハッ…!!』

 

 

ガシャンガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン!!

 

 

『な、ななななんとホセ選手!自らの足で走り出した〜!?』

 

「な、何やってるんだよアイツ!?」

 

「Dホイールに乗らないの!?」

突如、ホセは凄まじい速度で走り出す!!

 

 

『ハハハハハ!覚悟するがよい!チーム・5Ds!!これからが本当の勝負!我らの力を思い知るがいい!!ハアッ!!』

そう言ってホセは跳躍、そしてピットから現れた茶色のDホイール「G(グリード)・ヘカトンケイル」と変形・合体…ホセの真の姿「獣輪態」へと変化する!

 

「なん…だとぉ!?」

 

『なんと!?Dホイールがデュエリストと一体化した!!これぞ人機一体!チームニューワールドの底力だぁ!!』

 

 

 

『いくぞジャック・アトラス!まずは貴様から葬ってやる!!』

 

「やれるものならやってみろ!貴様如きに倒されるジャック・アトラスではない!!」

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

デュエルダイジェスト ジャック対ホセ

 

 

キィン─!

 

 

「っ…!これは…!!」

ジャックとホセを中心に光のオーラが刻まれる…それは闇のデュエルの始まりを意味していた…

 

 

『これでダメージは現実のものとなった…私のターン!!「グランド・コア」を召喚!さらに罠カード「ボム・ブラスト」を発動!自分の機械族モンスターを3体まで破壊し相手に400ダメージを与える!』

 

「なにっ!?うおおっ!!」

ホセのフィールドに現れた茶色の卵が爆発しジャックにダメージを与える!

 

『「グランド・コア」が破壊された事でデッキから「機皇帝グランエル∞」「グランエルT」「グランエルA」「グランエルG」「グランエルC」を特殊召喚!合体せよ!「グランエル∞」!!』

ホセのフィールドに地の機皇帝「グランエル∞」が現れる…!

 

 

『「グランエル」の攻撃力は私のライフポイントと同じになる!さらに「Sp-テイク・オーバー」を発動!「無限霊機」を破壊し、乗っていたカウンターの数✕100のライフを回復する…!カウンターの数は「80」…よって…』

 

「ライフ12000…攻撃力12000だと!?」

 

『フッ…サーキット完成への最終章の幕開けだ…!我らが力を見るがよい!!「グランエル」で「スカーレッドノヴァ」を攻撃!』

 

「させん!『スカーレッドノヴァ』を除外し攻撃を無効にする!」

 

『逃しはせぬ!「グランエルT」の効果により「グランエル」が攻撃する時シンクロモンスターの効果は無効になっている!グランド・スローター・キャノン!!』

グランエルの主砲がスカーレッドノヴァを消し飛ばす!

 

 

「『スカーレッドノヴァドラゴン』!ぐっ!?うわあああ…!!」

攻撃の煽りを受けたジャックは吹き飛ばされた…

 

 

ジャックLP0

 

ホセWIN…

 

 

 

『「グランエル」の効果発動…!戦闘で破壊したシンクロモンスターを吸収し、その元々の攻撃力分攻撃力をアップする…!もはやいかなるモンスターも敵ではない!』

光の触手がスカーレッドノヴァを掴み吸収する…グランエルの攻撃力は…15500…!

 

『これで勝利は我らのもの!世界は…生まれ変わるのだ!!』

 

 

 

 

Side5D's

 

「ぐっ…!クロウ…遊星…すまな…い…」ガシャン…

 

「ジャック!しっかりしろ!!」

 

「ジャック!!」

グランエルの攻撃を受けたジャックはギリギリで持ち直し何とかピットまで辿り着いたが…気を失ってしまう…

 

「ウィンダ!ウェン!」

 

《担架はOKだよ!!》

翠の指示でウィンダとウェンが駆け付ける!(実体化&私服)

 

「遊星君、ジャック君の事は任せて…!すぐに治療するわ!!」

 

「翠さん…お願いします!!(これが奴らの本気か…許さないぞ…チームニューワールド…!)」

 

遊星は拳を握り締める…遊星とチーム・ニューワールドとの戦い…否、長い1日は始まったばかりなのである…。

 

 


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