転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!
遂に決戦もクライマックス!遊星達の勇姿をどうぞご覧ください!

それから活動報告にてアンケートを実施していますので…ご協力よろしくお願いします!

それでは最新話をどうぞ!


対決!絶望のアポリア!・人〜破滅への序章〜

「機皇帝グランエル」をアクセルシンクロの力で倒した遊星、ようやくホセを追い詰めたと思われたが…三皇帝が真の力を開放し正体を現す…。

現れた決闘者の名は『アポリア』…イリアステル滅四星が1人だったのだ…!

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊星対アポリア

 

 

 

 

 

【我が名はアポリア、絶望の番人…】

 

「アポリア…!?」

突如としてイリアステルの三皇帝が合体して現れたアポリアに遊星は困惑する…。

 

【我ら3人は元々1人…これこそが本来の姿だ、不動遊星…流石は私の見込んだデュエリストだ、お前は()()()()機皇帝を倒した】

 

「予定通りだと…!」

 

【その通り、これで「サーキット」は完成へと近づいたのだ…!】

 

「サーキット…!?お前は何を言っているんだ…!」

聞き慣れない言葉に遊星は問い返すが…アポリアは意に介さずデュエルを開始する…!

 

 

【私の…ターン!永続罠「無限牢」の効果発動!手札を1枚捨て、墓地の「グランド・コア」を魔法・罠扱いでセットする!…そして「無限牢」の第2の効果発動!このカードを墓地へ送り、第1の効果でセットしたモンスターを手札に戻す!そして…3つの絶望よ…!新たなる最強の力を降臨させよ!罠カード『機皇創生』を発動!!手札の「スカイ・コア」「グランド・コア」「ワイズ・コア」を墓地に送り…「機皇神マシニクル∞」を特殊召喚!】

アポリアの手札から離れた3枚のコアが合体する…そして現れたのは機皇帝の数倍の大きさを誇る機皇の神の姿だった…!

 

 

「最強の力…!新たな機皇帝だと!?」

 

【そうだ、「マシニクル」こそ貴様を葬り、この街を破壊するモンスターだ!!】

アポリアの言葉と共にマシニクルがオーラを纏い、そのエネルギーを開放する…エネルギーは赤黒い雲へと吸収されネオドミノシティのいたるところに稲妻が降り注ぐ!

 

「やめろ!アポリア!!」

 

【それはできない相談だ不動遊星…私を止めたくば私を倒してみせるがい…なにぃ!?】

 

「っ…!これは!」

アポリアと遊星は目を見開く…シティに降り注ぐ数多の稲妻…それが一ヶ所に吸い寄せられていくのだ…!

 

 

「おいおい…この町はデュエルの聖地で遊戯さん達の故郷なんだ、無闇やたらに壊さないでくれよ?」

 

 

「あ、貴方は!」

 

【馬鹿な…遊城十代だと!?何故貴様がこの街にいる!?】

稲妻を集めた者の正体…それは「E・HEROサンダー・ジャイアント」を従えた伝説の決闘者・遊城十代だった。

 

「オレだけじゃないぜ?…みんな!オレ達がこの町を守るんだ!」

十代の声と共にネオドミノシティの各所から光の柱が立ち昇った…。

 

 

 

 

 

スタジアムSide

 

『ど、どうした事だ!?天変地異か!?突如発生した稲妻が会場を襲い始めた〜!?』

同じ頃、5D'sや観客のいるスタジアムにも稲妻が降り注ぐ…その時!

 

 

「『閃光竜』!波動音壁最大展開!!」

 

「静まれ!お前達!!」

会場全体を光のバリアが包み込み、カリスマを感じさせる声が響き渡る!

 

 

「お、おい!あれって!」

 

「海馬社長とメタルナイトだ!オレ達を守ってくれているんだ!!」 

 

観客達は大型ビジョンに釘付けとなる、そこには海馬、そしてメタルナイトこと遊海の姿が映っていた…。

 

 

「観客に告ぐ!今、ネオドミノシティにゼロ・リバース以来の未曾有の災害が発生している!しかし案ずるな!係員、セキュリティの指示に従い避難しろ!お前達には我々がついている!!」

 

 

「現われろ!『炎魔竜レッドデーモン』!『玄翼竜ブラック・フェザー』!『妖精竜エンシェント』

!『機械竜パワー・ツール』!」

 

「頼むよ!『ブラック・マジシャン』!『ブラック・マジシャン・ガール』!」

 

「現われろ!『サイバー・エンド・ドラゴン』!」

 

「出番だ!『おジャマキング』!」

 

「その力を見せつけよ!『青眼の白龍』!」

スタジアムを護るように5体の決闘竜が、黒衣の魔術師師弟が、3つの首を持つ機械龍が、おジャマの王が、伝説の白き龍がそれぞれに現れる!

 

 

「キング・オブ・デュエリストの遊戯さんだ!」

 

「『皇帝』カイザー亮に『黒雷』の万丈目さんもいるぞ!?」

観客達は突然現れた伝説のデュエリスト達に呆然となる

 

 

「お前達は我らが守る!速やかに避難を開始せよ!!」

 

 

『こ、これは夢なのか!?伝説のデュエリスト、夢の競演だ〜!!』

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

シティSide

 

 

 

「雷を引きつけろ!『ギルフォート・ザ・ライトニング』!」

 

「いくよ『ハーピィ』達!トライアングル・X・スパーク!」

シティのとある場所、そこでは二人の決闘者が稲妻を無効化しつつ住民達を避難させていた。

 

 

「すげぇ!城之内さんと『ハーピィ使い』の孔雀舞さんだ!」

 

「ありがとうございます!!」

 

「おう!車は端に寄せて、姿勢を低くして避難するんだ!」

 

「克也!次の雷がくるよ!!」

 

「任せとけ!頼むぜ!『真紅眼の黒竜』!」

 

二人は背中合わせに周囲を見渡しながら稲妻に対処していった…。

 

 

 

 

 

「まったく…城之内さんも派手に暴れているね、ならば僕も負けてられないな!『レッドアイズ・ダークネス・ドラゴン』!ダーク・メガ・フレア!」

 

「『D・HEROBloo-D』!ブラッディ・フィアーズ!…本当に戦争みたいだ…デュエルモンスターズはこんな事の為に作られたんじゃない!」

 

 

「『ブリザード・プリンス』の吹雪さんと『運命のHERO使い』のエド・フェニックスだ!」

 

「まさかこんなところで会えるなんて!」

 

「レディ達!早く避難してくれよ〜!」

 

「…志願する場所を間違えたかな…?」

 

二人の美男子は声援に応えつつ人々を守り続けた…。

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

旧サテライトSide

 

 

「みんな〜!お兄さんについて来るっすよ〜!」

 

「「「は〜い!」」」

 

 

「歩ける方はこちらへ!船着き場に船が待機しています!足腰の弱い方はバスがあるのでネオダイダロスブリッジ方面へ向かってください!」

 

「『はたらく機械王』の丸藤翔さんと『アカデミアの美人教師』の天上院明日香さんだ!?」

 

 

「みんな乗ったね?『エクスプレスロイド』出発進行!」

 

「「「「しんこ〜!!」」」」

 

翔と明日香はそれぞれの得意分野を生かし人々を避難させていく…

 

 

 

 

「「うわ〜っ!?」」

 

「助けてくれ〜!!」

 

「火事場泥棒とは感心しないな、セキュリティに引き渡すまでジッとしていて貰おうか?…動いたら火傷では済まないぞ?」」

混乱に乗じて泥棒をしようとした男達は炎を纏った悪魔と色黒の兵士に拘束される…。

 

「お、お前は何なんだよ!?セキュリティの警官か!?」

 

「フッ…しがない傭兵さ、与えられた任務は…お前達のような犯罪者を捕まえる事だ!」

 

 

 

 

「うぇ〜ん!お父さんどこぉぉ…!!」

 

《どうしたんだい?ご両親とはぐれたのかな?》

 

「うん…ヒック…雷がゴロゴロして走ったらお父さんがいなくなったの〜!」

 

《それは大変だ…!マスター!この女の子を頼みます!》

 

「わかった!稲妻に気をつけろよ?『オネスト』!」

 

《わかりましたマスター!…では!!》バサッ!

背中から翼を生やした青年は迷子の親を探す為に飛び立った!

 

「綺麗…教会の天使様みたい…!」

 

「そう、彼は天使さ!ボクは優介!よろしくね?」

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊星!避難は任せろ!お前はそいつをぶっ飛ばせ!」

 

「十代さん…!はい!!」

 

【おのれ…伝説の決闘者共め…!】

アポリアはシティの監視カメラにアクセスし全てを知る…街に降り注ぐ稲妻は伝説の決闘者達に無効化されてしまっているのだ…!

 

「デュエルを続けるぞアポリア!オレはお前を止める!」

 

【いいだろう…ならば絶望の魔神「マシニクル」の力を思い知るがいい!「マシニクル」の効果発動!1ターンに1度相手のシンクロモンスターを吸収し、その攻撃力分攻撃力をアップする!】

 

「無駄だ!『シューティング・スター・ドラゴン』は相手ターンに一度除外する事で攻撃を無効にする!」

シューティングスターを鹵獲する為に伸ばされた光の触手は空を切る…だが!

 

【「マシニクル」のさらなる効果発動!手札の「グランエルG3」を墓地に送る事でその効果を得る!「シューティングスタードラゴン」の効果を無効にする!】

 

「なにっ!?『シューティングスター』!!」

1回は狙いを外した触手がシューティングスターを捕獲し吸収する!

 

 

【これこそが絶望への扉…思い知るがいい不動遊星!私の味わった絶望を!!…私はその絶望に抗う為にこの時代にやって来たのだから…!】

 

「絶望に抗う…?どういう事だ!」

 

【教えてやろう…何故私が己が身体を3つに分け、イリアステルの三皇帝となったのかを…!】

 

キィン─!

 

再びシグナーの痣が光を放つ、そしてシグナー達は再びアポリアの過去を見る事になる…。

 

 

 

 

Side遊海

 

 

「…また、この世界か…」

決闘竜達にスタジアムの守護を命令した直後、遊海は再び破滅の未来を見せられていた…破滅したネオドミノシティ…、そこにホセ…否、アポリアが歩いてくる。

 

『何故…何故こんな事になってしまったのだ…!誰か…誰かああああ…!』

 

【…人類を見送った私は唯一の生き残りとして絶望の中に震えていた…だが、生き残りは…私だけではなかったのだ…!】

 

 

『大丈夫か?オレ達以外に生き残りがいるとは思っていなかった…』

 

 

『え…あ、ああ…!!』

絶望に打ちひしがれるアポリア…それを救ったのは黒髪に黒いバイザーを着けた青年、そしてローブを被った3人の老人だった。

 

『我らはこの世界最後の生き残り…残された者としてその使命を全うしよう…!』

 

『我らの使命…』

仮面の老人がアポリアに手を差し伸べ…アポリアはその手を掴んだ…。

 

 

 

 

【我々の使命…それはモーメントの負の力で滅びてしまった世界に未来の希望を取り戻す事…私達5人は力を振り絞り、破滅した世界と人類を再生する方法を模索した…しかし、それは無謀な試みだった…!】

 

アポリア達5人はあらゆる方法を試した、遺伝子工学・クローン技術・エネルギー学・機械工学…しかし、決定的な結果を得るにはあまりにも時間が足りなかった…。

 

【果てしない時間を費やし、その時間の中で仲間も1人…また1人と力尽きていった…そして私にもその時が訪れたのだ…】

 

 

『…すまないアポリア…これ以上はオレの力でも無理だ…』

 

『…そうだろうな…わしも…そうだと思った…』

そこはアーククレイドルの墓所…そこで最後の治療を試みたバイザーの青年は翳していた手を静かに降ろした…。

 

『ここに…未来はない……』

 

『アポリア…貴方も逝ってしまうのですか…!』

 

『死は平等に訪れる…、その運命だけは…変える事はできない…』

仮面の老人が悲痛な声を漏らす…バイザーの青年は拳を握り締めながら仮面の老人へと伝える…。

 

 

『…聞いてくれゾーン、ラプラス…私の心は3つの絶望から出来ている…』

 

『3つの絶望…?』

アポリアの言葉にゾーンは問い返す

 

『そうだ……子どもの頃に両親を失い【愛してくれる者を失った絶望】…そして戦いの中で恋人を失い【愛する者を失った絶望】、そして…全てが滅び去り【愛さえ失った絶望】…この力を利用しろ、我が友よ…わしの心を3つに分けて君達の下僕として使うのだ…!』

 

『アポリア…』

 

『アポリア…お前の最後の願い、確かに聞き届けた…』

 

『ああ…我が同志達よ…君達は必ず希望を…未来を…とり、戻して───』《ピー…》

無機質な機械音が静かに鳴り響いた

 

『…約束しよう、アポリア…私達は…』

 

『必ず、未来を取り戻す…!』

 

 

【…そして、私はルチアーノ、プラシド、ホセという3つの絶望として甦り…イリアステルを作り上げた…!仲間との最期の約束を果たす為に…!未来の破滅を防ぐ為に…!!】

アポリアの言葉を最後に俺達の視界は再び光に包まれた…。

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

【そして私は思いついたのだ…未来を救う為にネオ童実野シティを歴史から抹殺する事を!!】

 

「この街を…ネオ童実野シティを歴史から抹殺するだと!?」

遊星はアポリアの言葉に驚愕する、それはまさに「偉業」とも呼べる計画だった。

 

【そう…モーメントの根源を消滅させる事で未来を救う…!それが我らの計画なのだ!】

 

「ふざけるな!そんな事は絶対にさせない!!」

 

【これは運命だ!この街を滅ぼす為に我らは再び1つとなった!3つの絶望が1つとなった今!その強大な力にお前が勝てるわけがない…絶望より生まれた憎しみの力を思い知るがいい!!うおおぉぉっ!!】

アポリアの纏うエネルギーが溢れ出しコースを破壊し始める!!

 

「っ!このままじゃまずい…!ハアッ!!」

危険を感じた遊星は壊れた防音壁から公道へとジャンプし、アポリアもそれを追いかける!

 

 

【諦めろ不動遊星!「シューティングスタードラゴン」を吸収した今、最早貴様に希望はない…あるのは漆黒の絶望のみ…!「マシニクル∞」でダイレクトアタック!キューブ・オブ・ディスペアー!】

マシニクルの主砲にエネルギーがチャージされる!

 

「このままでは街にも被害が出てしまう!リバース罠『くず鉄のかかし』!相手の攻撃を無効にする!」

遊星の頼りにする案山子がエネルギー弾を受け止める!

 

「(まだ街の人々の避難も終わっていないはず…被害を避ける為には人の少ない旧BADエリアに向かうしかない!)ついてこい!アポリア!!」

遊星は街や人への被害を少なくする為に旧サテライト方面へと向かう!

 

【フン、被害を抑える為にサテライトに向かうか…だが、その前に負ける事は考えなかったのか?「マシニクル」の効果発動!エンドフェイズに吸収したシンクロモンスターを墓地に送る事でその攻撃力分のダメージを与える!】

 

「罠カード『荒野の大竜巻』発動!装備カードになっている『シューティングスタードラゴン』を…破壊する!!」

遊星は苦肉の策としてシューティングスターを自ら破壊する!

 

 

「オレのターン!『スピードワールド2』の効果発動!1ドロー!さらに『サルベージェント』を召喚!その効果により墓地の『シューティングスタードラゴン』を効果を無効にし、守備表示で特殊召喚!さらにこの効果で特殊召喚されたモンスターは『シンクロモンスターとして扱わない』!」

遊星の場にシューティングスタードラゴンが舞い戻る、だが…

 

 

 

【フハハ…!シンクロモンスターである事も効果も捨てるか…!ならばただの的に過ぎない!私のターン!私も「スピードワールド2」の効果発動!1ドロー!そして「マシニクル∞」の効果発動!手札の「ワイゼルA5」を捨てる事でその効果を得る!これにより「マシニクル」は貫通能力と貫通ダメージを2倍にする効果を得る!】

アポリアは攻勢に打って出る!

 

「だが、オレの場には『くず鉄のかかし』がある!」

 

【無駄だ!「ワイゼルA5」には相手の発動した罠カードの効果を無効にし破壊する効果がある!この攻撃で貴様のライフは尽きる…!絶望の味を知るがいい!「マシニクル∞」で「シューティングスタードラゴン」を攻撃!!】

再びマシニクルの攻撃が遊星に迫る!

 

【(この一撃で私はデュエルに勝利する…!そしてサーキットが完成する!そうすれば無限のエネルギーがアーククレイドルを呼び寄せ…この街の消滅と共に新たな歴史が始まるのだ─絶望のない新たなる未来が!)人類の新たなる未来の礎となれ!不動遊星─!!】

 

「っ…!(オレは…ここまでなのか─?)」

遊星の脳裏に「敗北」の二文字がちらつく…その時だった…!

 

 

「「諦めるな!遊星!!」」

 

「ジャック!クロウ!?どうして!」

Dホイールに乗ったジャックとクロウが遊星に追いつく!

 

「どうしてだと?お前に付き合う為に決まっているだろうが!」

 

「お前一人を戦わせはしないぜ!それに心配すんな!身体は翠のお墨付きだ!!」

 

 

 

 

 

少し前…

 

 

「っ…!やばいぜこりゃ…!!こうしちゃ居られねぇ!ぐっ!?」

 

「遊星…今、いく…!」

 

「ダメよ二人ともまだ動いちゃ!?回復はまだ終わってないのよ!?」

翠に治療を受けながら遊星とアポリアのデュエルを見守っていたジャック達…追い詰められた遊星を放ってはおけず二人はベッドから起き上がる!

 

 

「そんな事は百も承知だ!だが…俺は1人で戦う友を見捨てる事はできん!!」

 

「オレだってそうだ!例え身体がぶっ壊れたって…オレは遊星のところへ行くんだ!!」

 

「ジャック君…クロウ君…わかったわ、なら二人とも手を繋いで…一気に回復させるわ…!」

 

「「頼む…!」」

ジャックとクロウは手を合わせる!

 

「…魔法カード『身分転換』発動!!」

翠が一枚の魔法カードを発動する、その瞬間…ジャックとクロウは光に包まれ全回復していた…。

 

 

「身体が軽い…!これなら大丈夫だ!」

 

「すまない翠…いくぞクロウ!遊星の元へ!!」

ジャック達は翠に礼を言って急いで遊星を追いかけた…

 

 

 

「ジャック…お願いだから無理はしないでほしいんだから…」

ジャックを心配し駆けつけたカーリーが言葉を漏らす…

 

「でも翠さんスゴイです!二人の怪我を一瞬で直しちゃうなん…て!?ちょっと翠さん!?大丈夫ですか!?」

 

「うっ…ケホッ…ゴホッ!!」

同じくジャックを心配して来ていたステファニーが翠の異変に気が付く…翠は座り込み、手で口を抑えていた…指の隙間からは血が漏れ出している…

 

「えぇ!?翠さんどうしたの!?まさかこのカードのせい!?」

カーリーが翠に駆け寄り背中を擦りながらカードを拾う…そこには…

 

 

『身分転換 速攻魔法

自分のLPが相手より多い時、お互いのLPを入れ替える。』

 

 

「ライフを入れ替えるカード!?それじゃあジャック達が元気になったのって…!?」

 

「うっ…本当はもう少しいいカードもあるんだけど…時間が惜しかったから…私も遊海さんの事、言えないなぁ…コフッ…!」

怪我をしたジャック達の体力はライフ換算で1000程度、対して翠は8000近くのライフがあった…翠はそれを利用してジャック達のダメージを肩代わりしたのだ…。

 

ピロリン♪

 

「メール……?えっ…!い、行かなきゃ…!」

翠はふらつく足で立ち上がる…

 

「翠さん!?安静にしてなきゃダメですよ!吐血してるんですよ!?」

 

「そんな身体でどこに行こうとしてるの!?」

カーリーとステファニーが翠を引き止める…

 

「私が行かなきゃ…遊海さんが…私の事を待ってるの!」

 

翠はそのまま病室を飛び出した…。

 

 

《人手が足りない、マーサハウスへ向かってくれ ユウミ》

 

 

 

 

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

「お前が戦ってるのにオレ達だけ寝てられっか!」

 

「例え身体が切り刻まれようと…俺達の未来は俺達3人の手で掴み取るのだ!!」

 

「俺達3人の手で…そうだ!オレは1人で戦っているんじゃない!オレには()()()()()が残っている!」

仲間達の思いを受けた遊星に再び火が灯る!

 

 

「罠カード『くず鉄のかかし』発動!」

 

【無駄だ!「マシニクル∞」の効果発動!『くず鉄のかかし』の効果を無効にし破壊する!】

無数の光球が案山子を破壊する!

 

「だが破壊できるのは1枚だけだ!ジャックの伏せた罠カード『リベンジ・ツイン・ソウル』を発動!」

遊星はジャックの繋いだ希望を発動させる!

 

「『リベンジツインソウル』は相手が攻撃した時に発動するカード!その効果は墓地のシンクロモンスターを2体除外する事で自分のモンスター1体の守備力を除外したモンスターの合計レベル×100倍にする!」

 

「オレが除外するのは『スカーレッドノヴァ』と『ブラックフェザードラゴン』!合計は20!守備力を2000アップする!」

仲間達の力を受け取ったシューティングスタードラゴンが白銀のブレスで光線を受け止める!

 

「そして守備力が相手の攻撃力を上回った時!戦闘した相手モンスターを破壊する!!」

 

【させるか!「マシニクル∞」の効果発動!墓地の「グランエルC」を除外し効果での破壊を無効にする!!】

マシニクルに迫った光線が霧散する…

 

【フン、少しは考えたようだが…所詮は無駄な悪あがきにすぎん、既に勝負は見えている!】

 

「何を言ってやがる!次はオレ達の番だ!やれ!遊星!」

 

 

「オレのターン!『Sp-エンジェル・バトン』を発動!2枚ドローし1枚を墓地へ送る!そして罠カード『次元渡航』を発動!除外されているシンクロモンスターを可能な限り特殊召喚する!ただし、この効果で召喚されたモンスターの効果は無効となり、エンドフェイズに除外される!蘇れ!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!『ブラックフェザー・ドラゴン』!」

遊星の場にジャックとクロウの魂が現れる!

 

「そしてバトルだ!『シューティングスタードラゴン』で『マシニクル∞』を攻撃!さらに永続罠『トラスト・チェーン』を発動!このターン、シンクロモンスターの攻撃を封じる代わりに『スカーレッドノヴァ』と『ブラックフェザードラゴン』の攻撃力をシンクロモンスター扱いではない『シューティングスタードラゴン』に加える!」

仲間達の力を受けたシューティングスタードラゴンの攻撃力がマシニクルを上回る!

 

 

「見たか!絶望野郎!!これがオレ達の絆の力だ!」

 

【フン…まだわかっていないようだな…!本当の絶望がいかなるものか、…それは中途半端な希望が見えた時に訪れるのだ!!罠カード「バニシング・クライム」発動!このカードはバトルフェイズにのみ発動できるカード!フィールド上のシンクロモンスターを全て除外する!!】

 

「「なにっ!?」」

 

「シンクロモンスターを除外するだと!?」

再びスカーレッドノヴァとブラックフェザードラゴンが異次元へと隔離されてしまう…。

 

【そして、この効果で除外されたモンスターはエンドフェイズに効果を無効にした状態でフィールドに戻ってくる…!】

 

「なっ…!?フィールドに戻るだと!?」

 

「それじゃあ『マシニクル』に吸収されちまう!!」

本来「次元渡航」の効果で除外されるはずだった2体のドラゴン…しかし、アポリアの「バニシング・クライム」に効果を上書きされた事でフィールドに残ってしまう!

 

 

 

【「マシニクル」の効果発動!「スカーレッドノヴァ」を吸収!さらに手札の「グランエルT5」を墓地に送りその効果を発動!「ブラックフェザードラゴン」を吸収する!】

 

「シンクロモンスターが2体とも吸収されただと!?」

 

「オレ達の希望が…!!」

マシニクルは2体のドラゴンを吸収する…その攻撃力は10300…! 

 

 

【この一撃で全てが終わり、新たなる未来が始まるのだ…!!トドメだ!「マシニクル」で「シューティングスタードラゴン」を攻撃!!】

マシニクルの銃口がシューティングスターに狙いを定める!

 

「負けるわけにはいかない!!墓地の『ガード・マスター』の効果発動!このカードを除外し、『シューティングスタードラゴン』を守備表示に変更!さらに戦闘破壊を無効にする!」

チャイナ服を着たカンフーの達人がシューティングスターと共に攻撃を受け止める!!

 

【攻撃を防いだか…だが「マシニクル」には吸収したモンスターを墓地に送り、その攻撃力分のダメージを与える効果がある!「スカーレッドノヴァ」を墓地へ!】

 

「まだだ!罠カード『ハードシップ』を発動!このカードを『シューティングスタードラゴン』に装備し攻守を0にする事でこのターンの相手モンスターからの効果ダメージを0にする!」

遊星の周りにバリアが現れダメージを無効化する!

 

【ならば…!「ブラックフェザードラゴン」を墓地へ送る!】

 

「なにっ!?『ハードシップ』の効果でモンスターからのダメージは無効になる!」 

 

【いくら足掻こうと貴様には私を倒す事はできん!リバース罠「無限狂宴」発動!このターン「マシニクル」に吸収されていたモンスターが墓地にある時!再びそのモンスターを吸収!そして、このターンに吸収したモンスターの数1体に付き600のダメージを相手に与える!!】

 

「なにっ!ぐあぁぁぁ!?」

このターンマシニクルが吸収したのは合計4体…2400のダメージが遊星に襲い掛かる!

 

【そして「無限狂宴」の効果で私のライフは600回復する貴様のライフは僅か100…次のターンで決着だ!不動遊星!!】

 

 

「(次にダメージを受けたら確実に負ける…!どうすれば…!)」

遊星は追い詰められていた…街には大勢の人々がいる、その運命を委ねられた遊星の肩に重圧がのしかかる…しかし、彼は1人ではない…遊星にもかけがえのない仲間達がいる!

 

 

 

「何を迷っている遊星!俺達の絆は何者にも負けはしない!」

 

「そうだぜ!オレ達はその絆で勝利を掴んできたんだ!」

ジャックとクロウが遊星に激を飛ばす…さらに…

 

「(頑張って遊星!)」

 

「(遊星…!)」

 

「(遊星、お前には俺達がついてる!お前なら勝てる!!)」

痣を通して龍可・アキ・遊海の想いが遊星に届けられる!

 

 

「そうだ…オレにはまだ『希望』がある!」

遊星はデッキトップに手をかける!

 

「このドローこそが最後の希望─カード達よ…オレに応えてくれ!…ドロー!!」

光の軌跡を残しカードがドローされる!

 

 

「来た…!これがオレの最後のターンだ!『ハードシップ』のさらなる効果発動!このカードを墓地に送り装備モンスターを破壊する!そして…フィールドの装備カード全てを破壊する!!」

 

【なんだと!?】

マシニクルに囚われていたスカーレッドノヴァとブラックフェザードラゴンが開放される!

 

【だが…貴様の場にモンスターはいない!「マシニクル」を倒す事は不可能だ!】

 

「勝負はこれからだ!現われろ!『ミスティック・バイパー』!」

遊星の場に笛を持った道化師が現れる

 

「このカードをリリースする事でカードを1枚ドローする!そしてドローカードがモンスターならばもう1枚ドローできる!…ドロー!…ドローしたのは『ロードランナー』!さらに1ドロー!!これで…オレの手札に希望が揃った!!」

 

【なんだと…?】

 

 

「永続罠『狂食召喚─グールサモナー』を発動!このターンに破壊されたシンクロモンスターを特殊召喚しこのカードを装備する!蘇れ!『ブラック・フェザー・ドラゴン』!」

遊星の場に黒き羽の竜が舞い戻る!

 

「さらに『グールサモナー』の効果発動!手札を1枚捨て、墓地のシンクロモンスターを特殊召喚する!ただし、その攻撃力分のダメージを受ける!現われろ…『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!」

咆哮を轟かせながら紅蓮の龍が現れる!

 

【だが、3500のダメージを受けて貴様は終わりだ!】

 

「「『ブラックフェザードラゴン』の効果発動!自分が効果ダメージを受ける時!黒羽カウンターをこのカードに置き、攻撃力を700下げる事でダメージを無効にする!」」

 

【なにぃ!?】

ブラックフェザードラゴンの翼が赤く染まる…遊星はこの為にブラックフェザードラゴンを最初に蘇生させたのだ!

 

「さらに手札を1枚捨て『グールサモナー』の効果発動!墓地から『シューティング・スター・ドラゴン』を特殊召喚!そしてダメージは『ブラックフェザードラゴン』で無効にする!」

仲間達の希望を背負い流星龍が復活する!

 

「揃ったぜ…」

 

「俺達の絆が!」

 

「これがオレ達の希望の力だ!」

 

【あの状況からシンクロモンスター3体を召喚するだと…!?これがシグナーの力か…!】

遊星の場に三体のシンクロモンスターが集結する、マシニクルが絶望の化身ならば彼らこそが「希望の化身」…3人の絆がアポリアと相対する!

 

 

「アポリア!お前がどれだけ絶望を与えようと…決して希望は失われない!『ブラックフェザードラゴン』の効果発動!黒羽カウンターを全て取り除いて相手モンスターの攻撃力をカウンターの数✕700ダウンさせ、その数値分のダメージを与える!「ブラック・バースト!!」」

遊星とクロウの一撃がマシニクルを弱体化させダメージを与える!

 

「バトルだ!『ブラックフェザードラゴン』で『マシニクル』を攻撃!ノーブル・ストリーム!」

 

【墓地の「グランエルG」を除外し「マシニクル」の破壊を無効にする…!】

黒炎をマシニクルが受け止める!

 

「遊星!一気に攻めるぞ!」

 

「ああ!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』で『マシニクル』を攻撃!バーニング・ソウル!!」

 

【ぐおぉ…!!「グランエルA」を除外し破壊を無効にする!!】

アポリアはマシニクルの破壊を防ぐ、しかし…そのライフは残り500…!

 

【馬鹿な…この私が負けるだと!?】

 

「アポリア!これがオレ達の絶望を上回る希望の力だ!!『シューティングスタードラゴン』で『マシニクル』を攻撃!スターダスト・ミラージュ!!」

《ギュアアアン!!》

遊星の…シグナーの想いを受けたシューティングスターは5体に分身、マシニクル諸共アポリアに突撃する!

 

【ば、馬鹿な…私の計画が…失敗するというのか…!?ぐっ…ぐああああああ!!】

 

ザッバァァンドオォォン!!

 

コントロールを失ったアポリアはそのまま童実野湾に投げ出され…爆発した…

 

アポリアLP0

 

チーム5D's WIN!

 

 

 

 

 

 

『つ、遂に決まった〜!!予測不可能な展開が続いたWRGP決勝!まさに歴史に残る激闘を制し、Dホイーラーの頂点に立ったのはチーム5D'sだー!!』

シティ全体にMCの実況が響き渡る、天変地異の中プロ根性で彼は実況を成し遂げたのだ…!

 

 

 

「おめでとう遊星君、でも気は抜かないで…君達の戦いはここからが正念場だよ…!」

遊戯は空を見上げながら呟いた…

 

 

 

 

Side5D's

 

 

「「遊星!」」

 

「「ジャック!クロウ!」」

 

スタジアムに凱旋した遊星達三人組、それをピットで待機していたアキやブルーノ達が出迎える!

 

 

「「ジャック〜!」」

 

「とってもカッコよかったんだから〜!」

 

「フン、当然だ!」

 

 

「おめでとう遊星、いや…チーム5D's…君達の勝利を信じていた…!」

 

「チームラグナロク…」

出迎えたのはチームメイトだけではない、ジャックを心配していたカーリー達三人娘やチームラグナロク、そして…

 

「よっ!お前達、よく頑張ったな!俺達も頑張った甲斐があったよ」

 

「遊海さん!!それにあなた方は!」

 

「プロ決闘者のカイザー亮に万丈目ブラックサンダー!?」

遊星達を出迎えたのは遊海、そして万丈目とカイザーだった。

 

『頑張ったな不動遊星、見事なデュエルだった』

 

「どうしてあなた方がこの街に…!?」

 

「簡単な話さ、オレ達は遊海先生の招集で集まったんだ…イリアステルからこの町を守る為にな」

遊星の問いに万丈目が答える

 

「集まったオレ達はアポリアの出したカミナリからこの町を守りつつ住民を避難させていたんだ…作戦は遊海先生が考えたんだぞ?お前達に負担を掛けないようにな…」

 

「遊海さん…ありがとうございます!!」

遊星は遊海に頭を下げる

 

「気にするな遊星…これが俺の仕事さ…そして、戦いはこれからだ…!気を引き締めろよ!」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

「遊海さん…?オレ達はアポリアを倒した!アーククレイドルはもう…」

遊星は空を見上げる…アポリアによって発生した赤い雲は無く、青空が広がっていたが…

 

 

ピシッ…ピシッ…バリーン…!!

 

 

突然、空が…空間が割れる…そこから実体化したアーククレイドルが現れた…!!

 

 

「そんな…あれは、アーククレイドル!!」

 

「馬鹿な…俺達の勝利でアーククレイドルは現れないのではなかったのか!?」

 

「ジャック、俺達は試合に勝って勝負に負けたんだ…俺達がデュエルに懸けたエネルギーであの城を呼び寄せてしまった…ここからが本当の勝負だ…!」

 

遊海は空を見上げる…広がる暗雲、そして佇むアーククレイドル…チーム5D's最大の戦いが幕を上げる!

 




次回予告

 
チームニューワールド…アポリアとの勝負を征し、WRGPで勝利を掴んだチーム・5D's…しかし、サーキットが完成し次元の狭間から神の居城・アーククレイドルがネオ童実野シティを破壊する為に降下し始める…!


『遊星、貴方は来てはならない…貴方はアーククレイドルで死ぬ事になるわ…!』

「オレが…死ぬ…!?」

 
シェリーの忠告を無視し、遊星達はアーククレイドルへと突入する…その先で待ち受けるのはイリアステル滅四星達…!

 


「私は…あの幸せな時間を取り戻す!!」

無限騎士 シェリー・ルブラン



『お前達に絶望を見せてやる…』

絶望のアポリア

 

『君が戦うべき相手は…ボクだ!!』

戦律のアンチノミー

 

 

そして……
 

 

 

 

『…来たか、白波遊海…ここがお前の歴史の終着だ』

 

「決着を着けよう…オレ達の因縁に─!」

 

観測者 ゲイザー改め●●の●● ●●●●

 

2人の長き戦いは遂に決着を迎える…そして、その先に待ち受ける最後の未来人…Z-ONE

 
【希望など…幻想に過ぎないのです…】

 

遊星は…遊海はネオドミノシティを守りきる事ができるのか…未来を賭けた最終決戦の火蓋が切って落とされる─!

 

 
転生したら決闘の観測者になった話 第4章

特異点 人類救済霊廟 アーククレイドル

 

 

 
 

─ここまでのようですね…あとは私に任せてゆっくりと眠るのです…─

 


─頼むぞ…遊星、お前達の…未来を…─

 



─そんな…どうして…!どうしてこんな事に─!─

 



─俺は…お前を止める…いや、救ってみせる!歯を食い縛れ!─

 





 

 

 

【全てはこの時の為…我が力を今一度思い知るがいい!!】

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