転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
ついにこの話を書く事ができました!遊海とゲイザーの一つの結末…どうぞご覧ください!
これは…一つのすれ違いから起きた救いのない悲劇である。
ジャック達がアポリアと戦っている頃…アーククレイドル入口でのインフェルノイド襲撃を切り抜けた遊海は遊星達とは別の場所からアーククレイドルを進んでいた…。
《アーククレイドル内で生命反応を4つ確認…うち一つは中心部下層に…うち一つはアキ・クロウと共に太陽ギアに移動中……最後の二つまで残り500Mです!》
「ありがとう、わかった…!」ギリリ
アヤカの検索結果を聞いた遊海はDホイールのグリップを強く握り締める、その身が煮え返るような怒りを抑えながら遊海は冷静さを保っていた…。
《…マスター、機械である私が言うのもおかしな話ですが…とても嫌な予感がします…》
「奇遇だな、俺もだよ…翠は強いデュエリストだ、いくら不意を突かれたといっても…簡単に負けるはずがない…!」
遊海は翠の強さを信頼している、それ故に感じていたのだ…これから戦うであろう相手の変化を…
「…俺の推測が正しいなら…奴はどうしてこんな事ができるんだ…!!」
暗く長いトンネルを抜け、遊海は遂に終点へと辿り着く…そこはモーメントの虹色の光が仄かに部屋を照らす…幻想的であり、不気味な部屋だった。
その部屋に一人の男の姿が浮かび上がる…。
『ようやく来たか、白波遊海…ここがお前の歴史の終着だ…』
「翠を返してもらうぞ…ゲイザー!!」
遊海は遂に宿敵…黒いバイザーを着け黒いコートを纏った男…ゲイザーと再び対峙する!
『やはりお前はここに来た…さぁ、決着を着けるぞ…オレ達の因縁に─!』
「翠は何処だ…お前が攫ったのはわかっているんだ!」
『女か?そこにいるさ、お前のお姫様はなぁ…』
「っ!翠!!」
ゲイザーは自分の頭上を指し示す、そこには十字架に四肢を拘束され血塗れの翠が吊り下げられていた…。
「翠!無事か!?返事をしてくれ!!」
「──……」
翠は応えない、意識を完全に失ってしまっている…。
『さぁ、女の事なんてどうでもいいだろう?始めよう…未来を救う為の戦いを…!』
「…どうしてお前はこんな事ができるんだ…どうしてお前はそんなに簡単に人を傷つけられる─!」
ゲイザーの言葉を聞いた遊海は怒りを爆発させる!
『愚問だな…我らの目的は「破滅の未来を回避する事」…その為には多少の犠牲はやむを得ない…そしてお前もだ白波遊海…未来を救う為に…ここで死ね!』
ゲイザーも同じくして殺気を放つ…部屋を軋ませるような圧力が遊海に襲いかかる…!
「だったら止める…いや、目を覚めさせてやる!!
『…
遊海に突きつけられた正体…それを聞いたゲイザーは黒のバイザーを外す、その顔は遊海と瓜二つ…違いがあるとすれば瞳が金色に変化し、目元に深い隈が刻まれている事だろう…。
『一応聞いておこう…いつ分かった?』
「…お前が俺しか持っていないはずの『A No.』を使った時だ、あれは神様が
『そうか…そうだったな、オレはついぞ4人目の主人公に出会う事がなかったから忘れていた…ならば勘付かれるはずだ』
「教えろゲイザー…俺は何をした?何故お前は俺を狙う!」
遊海はゲイザーに問いかける…
『簡単な話だ…400年前のあの日…お前は
「なに…!?」
ゲイザーと最初に接触したあの日、遊海はゼロ・リバースを回避する為、海馬社長にモーメントの話をしにいった…それが破滅の引き金になったというのだ。
『海馬はお前を玄関で待っていた…そこでお前はモーメントの事を知られ全てを話した…!それによってモーメントは完成し「ゼロ・リバース」自体は起きなかった!…だがな、結局童実野町は2つに分かれたんだよ…地縛神復活の余波による大地震でな!!』
「っ…!!」
ゲイザーの言葉に遊海は拳を握り締める…破滅を回避する為の行動…それは意味を為さなかったのだ。
『そして未来はそのまま「正史」を辿った…!オレがいくら頑張っても未来は変えられなかった!!…そしてオレは全てを失った…!全てはオレの…「白波遊海」のせいだ!!』
「だからあの日…俺を葬る事で未来を変えようとしたのか!」
『そうだ、しかし…未来は変わらなかった!!お前は死なずとも海馬にモーメントの事を知られずに済んだ…そのはずなのに未来は変わらなかった!!』
「だから…ゼロ・リバースを起こしたっていうのか!?」
『そうだ…!ルドガー・ゴドウィンに悪意を埋め込み、モーメントの逆回転を引き起こす事で貴様ごとモーメントを消し去ろうとした!…だが、貴様は生き延びた!未来は変わらなかった!!ならば…今度こそ貴様を葬る…破滅の未来への扉を閉ざす為に!!』
「結局…お前の八つ当たりじゃねぇか!!」
遊海は吼える…破滅の運命を辿ったもう一人の「シラナミユウミ」…彼は未来を変える為に過去の自分を殺す事を選んだのだ、自分の存在を懸けて…
『八つ当たり?…おおいに結構!オレは貴様を殺す!それこそが我が悲願!我が天命…!』
ゲイザーからドス黒いオーラが溢れ出す…その瞳は狂気を宿していた…。
「話はもう通じそうにないな…イリアステル滅四星ゲイザー!俺は5D'sを…翠を守る為にお前を倒す!!俺に宿った赤き竜の痣に懸けて!!」
キィン─!
遊海の右腕に宿りし炎の痣が光を放つ!
『来るがいい…歴史に刻まれぬシグナーよ…!「観測者」とは偽りの名…我が忌むべき真名「シラナミユウミ」…!友より与えられし名は─ラプラス!貴様を殺し…未来を救う!!』
2つの殺気がぶつかりあう…その凄まじさはアーククレイドルを揺るがし地上にまで届く…!
Sideシグナー
キィン─!
「っ…!この感じ…遊海か!?」
『まさか…彼とのデュエルが始まるの…!?』
アーククレイドル内を進むクロウ&アキとシェリー…痣の輝きと殺気で遊海の戦いの始まりを知る…。
「あの人ならきっと大丈夫…!私達はとにかく遊星ギアへ向かいましょう!」
「いたい…!遊海、本気で怒ってる…!」
「感じるか龍亞…このデュエル…そう長くは続かんだろう…!」
「負けないで遊海さん…!翠さんを助けて…!」
同じくジャックと龍亞兄妹…彼らは遊海と翠を信じて前へと進む…!
『遊星、始まったのか?』
「ああ、痣が教えてくれる…!遊海さんがゲイザーと戦い始めた…!」
トンネルを進む遊星と青髪…彼らも遊海の戦いの始まりを知った…。
「遊海さん…負けないでくれ…!貴方ならきっと…!」
『(…なんだろう、この胸のざわつきは…この先に答えがあるのだろうか…?)』
SideOut
Sideシティ
「…始まるのか、遊海…!」
「兄様!そろそろ避難しないと危ないよ!このビルはこの町で一番高い建物なんだから!」
KCの社長室…そこから指示を出していた海馬はアーククレイドルを見上げる。
「必ず勝て…何があろうと帰ってこい…!!」
「遊戯さん!城之内さん!この殺気は…!」
「ああ…遊海、君ならきっと勝てる…!僕達は信じているよ…!」
「当たり前だ!アイツは絶対に負けねぇ!」
避難誘導を終えた十代、遊戯、城之内達は町の高台から空を見上げる…。
「それよりも僕達はできる事をやろう…!みんなに連絡を!『警戒を緩めないで』と…!」
SideOut
【…始まりましたか、ラプラス…あまりの力にカメラも壊れてしまいましたが…貴方なら勝てるはずです…相手は過去の自分なのですから…】
「『デュエル!!』」
ラプラスLP8000
遊海LP8000
『オレのターン!ドロー!魔法カード「隣の芝刈り」発動!』
「っ…!デッキは35枚だ…!」
『オレは残り54枚…19枚を墓地に送る!』
墓地送り
インフェルノイドアスタロス
デカトロン2
煉獄の狂宴
煉獄の氾爛
シャイターン2
蒼炎の煉獄
隣の芝刈り
ベルゼブル2
アドラメレク2
煉獄の死徒
ヴァエル
リリス
ハーピィの羽箒
ネヘモス
煉獄の虚夢
『手札から永続魔法「煉獄の消華」を発動!手札の「インフェルノイド・ベルフェゴル」を墓地に送りデッキから「煉獄の虚夢」を手札に加え発動!さらに墓地から「ヴァエル」「シャイターン」「デカトロン」を除外し墓地から現われろ!破壊の翼!「インフェルノイド・ネヘモス」!』
「やはりインフェルノイドか…!」
ゲイザー…否、ラプラスの場に赤き翼の悪魔が現れる ATK3000 ☆10→1
『さらに墓地の「ベルゼブル」「アスタロス」「アドラメレク」を除外し墓地から現われろ!狡猾なる蛇「インフェルノイド・リリス」!』蛇体を持つ悪魔が現れる ATK2900 ☆9→1
『さらに永続魔法「煉獄の虚夢」の効果発動…!フィールドの「リリス」「ネヘモス」、そして手札の「ヴァエル」「ルキフグス」「デカトロン」を墓地に送り融合…!太古に封印されし破壊神よ!仮初の肉体で世界を蹂躙せよ…!融合召喚!「インフェルノイド・ティエラ」!』
5体の悪魔が融合…世界を蹂躙せし破壊神が現れる ATK3400
「いきなりかよ…!?」
『「ティエラ」の効果発動…!お互いにエクストラのカードとデッキを3枚墓地に送る…!オレは「ティエラ」2体と「魔王龍ベエルゼ」を墓地に送る…!』
「俺は…『ジャンク・デストロイヤー』『ジャンク・アーチャー』『ジャンク・ガードナー』を墓地に送る…!」
ラプラス墓地送り
ネヘモス
死徒
アシュメダイ
遊海墓地送り
リビングデッドの呼び声
シンクロンキャリアー
ダンディライオン
「『ダンディ・ライオン』の効果発動!墓地に送られた事で『綿毛トークン』を2体特殊召喚!」
タンポポの綿毛が現れる DEF0 ✕2
『ジャンクデッキ…!オレはこのままターンエンドだ!』
ラプラスLP8000
ティエラ 消華 手札0
「俺のターン…ドロー!!」
「魔法カード『調律』発動!デッキから『クイック・シンクロン』を加え、デッキトップを墓地へ!」
墓地送り
ジェットシンクロン
「よしっ…!手札の『レベル・スティーラー』を墓地に送って墓地の『ジェット・シンクロン』を特殊召喚!」
青と白色のジェットエンジン型のロボットが現れる DEF0
「俺はレベル1の『綿毛トークン』にレベル1の『ジェットシンクロン』をチューニング!」
1+1=2
「デュエルを新たな地平に導け!シンクロ召喚!『フォーミュラ・シンクロン』!
F1カー型のロボットが現れる DEF1500
「シンクロ素材となった『ジェットシンクロン』は除外される!そして『フォーミュラ』の効果!シンクロ召喚に成功した事で1ドロー!さらに手札の『ボルト・ヘッジホッグ』を墓地に送り手札の『クイックシンクロン』を特殊召喚!さらに『ボルトヘッジホッグ』を墓地から特殊召喚!」
ガンマン型のロボとネジのハリネズミが現れる DEF1400 DEF800
「俺はレベル2の『ボルトヘッジホッグ』とレベル1の『綿毛トークン』にレベル5の『クイックシンクロン』をチューニング!」
2+1+5=8
「勝利への道を駆け抜けろ!シンクロ召喚!君臨せよ!『ロード・ウォリアー』!」
戦士を統べる皇帝が現れる ATK3000
「『ロードウォリアー』の効果発動!デッキから『ドッペルウォリアー』を特殊召喚!」
黒い銃を持つ兵士が現れる DEF800
「俺はレベル8の『ロードウォリアー』にレベル2シンクロチューナー『フォーミュラシンクロン』をチューニング!!」
8+2=10
「集いし願いが最強の戦士を呼び覚ます!アクセルシンクロォォ!!煌け!『スターダスト・ウォリアー』!!」
突風と共に白銀の竜を模した戦士が現れる! ATK3000
「そして…俺はまだ通常召喚をしていない!『ジャンク・シンクロン』を召喚!」
オレンジ色のメガネをかけたロボットが現れる ATK1300
「『ジャンク・シンクロン』の効果発動!墓地の『シンクロン・キャリアー』を効果無効で特殊召喚!」
背中にクレーンの付いたロボットが現れる DEF500
「俺はレベル2の『シンクロンキャリアー』と2の『ドッペルウォリアー』にレベル3の『ジャンクシンクロン』をチューニング!」
2+2+3=7
「鬼神の怒号が全ての悪を薙ぎ払う!シンクロ召喚!吼えろ!『ジャンク・バーサーカー』!!」
赤い身体を持つ狂戦士が現れる ATK2700
「シンクロ素材となった『ドッペルウォリアー』の効果発動!2体の『ドッペルトークン』を特殊召喚!」
遊海の場に小さな兵士が現れる ATK400 ✕2
「『ジャンクバーサーカー』の効果発動!墓地の『ジャンクシンクロン』を除外しその攻撃力分だけ相手モンスターの攻撃力をダウンする!鬼神の咆哮!!」
《ガアアアアア!!!》
鬼神の咆哮がフィールドに轟く…その咆哮を聞いた破壊神は怯み、攻撃力がダウンする!
『チィ…!!』
ティエラATK3400→2100
「さらに手札から魔法カード『サイクロン』を発動!『煉獄の消華』を破壊!バトルだ!『スターダストウォリアー』で『ティエラ』を攻撃!さらに手札の『ラッシュウォリアー』の効果発動!相手モンスターとバトルする時!『スターダストウォリアー』の攻撃力を倍にする!!喰らえ!シューティングスター・ラッシュ!!」
力を増した音速の連撃がティエラを粉砕する!
ATK3000→6000
『ぐっ…おおおお!!!』
ラプラスLP8000→4100
「さらに『ドッペルトークン』2体でダイレクトアタック!そして『ジャンクバーサーカー』でラプラスに…未来の俺にダイレクトアタック!!俺の怒りを受けてみろ!!バーサーク・ストライク!!」
兵士の銃撃とジャンクバーサーカーの持つ鉄球がラプラスに直撃…壁へと叩きつける!!
ババババ…ズガン!!!
『ガハッ─!!!』
ラプラスLP4100→3700→3100→600
「ハッ…ハァ…!メイン2、魔法カード『貪欲な壺』を発動!墓地の『クイックシンクロン』『シンクロンキャリアー』『ラッシュウォリアー』『フォーミュラシンクロン』『ダンディライオン』をデッキに戻して2ドロー!…ターンエンドだ!」
遊海LP8000
スターダストウォリアー ジャンクバーサーカー 手札2
「どうだラプラス…これが俺の…お前に傷付けられた全ての人達の怒りだ!!」
遊海の凄まじい連撃…それは確実にラプラスを追い詰めた、しかし…
『ククク…ハハハハハ…!クハハハハハハ…!!怒り…怒りときたか…!たしかに凄まじい怒りだなぁ…』
壁に叩きつけられたボロボロのラプラスは嗤う…
「何が可笑しい!!」
『感じるぞ…強い怒りを…だが、一方で希望も感じる…!《オレを倒せば全てが終わる》…《女を助けられる》…その希望が絶望に変わった時…!お前はどんな顔をするんだろうなぁ…!なぁ…白波遊海!!』
ラプラスの纏う闇のオーラがさらに強まる!
「虚勢を張りやがって…!次のターンでお前を倒す!!(多少のダメージは想定内…手札には『ラッシュウォリアー』がいる…おそらく出てくる『ネヘモス』を躱して…次のターンで決着をつける!!)」
『オレのターン…ドロー!!』ズオッ…!
「っ…!(なんだ今のは…!?)」
ドローの瞬間、遊海は見た…ドローカードから凄まじい闇が放たれる瞬間を…!
『魔法カード「
「なんだそのカードは!?そんなカード聞いた事がない!」
『このカードこそ我が憤怒…我が悲しみ…!我が力!!自分のライフを半分にし手札・除外のカードを全てデッキに戻し効果を発動する!デッキ・墓地からカード名の違うカード10種類を手札に加える!』
「なんだって…!?」
ラプラスLP600→300
手札に加えるカード
デカトロン
シャイターン
ベルゼブル
ルキフグス
アスタロス
アシュメダイ
ベルフェゴル
ヴァエル
アドラメレク
リリス
ネヘモス
「インフェルノイドが全て手札に…!?」
『ただし、この効果を発動したターン、オレは特殊召喚が一度しか行えず…エンドフェイズに手札を全て墓地に送る…だが、効果には続きがある!オレはデッキから「創星神tierra」を手札に加える!!』
「なに─!?」
驚愕する遊海…その瞬間、ラプラスの背後に10枚のカードが浮遊する!
『手札の10種類のインフェルノイドをデッキに戻す事で神は降臨する!…星を砕く破壊の神よ…我が意に応え眠りから醒めよ!降臨せよ「創星神tierra」!』
「っ…!?熱ちっ!!」
紅蓮の炎が部屋を覆い尽くす…そしてその神は姿を現す、DT世界を破滅寸前に追い詰めた邪神が降臨する!!
ATK3400
破壊の創星神 復活
【ハハハハハ…!見るがいい!!貴様を滅する神の姿を!!】
「ラプラス…お前…!神と融合しやがったのか!?」
tierraからラプラスの声が響く…ラプラスはあろうことかその身を神と融合させたのだ…!
【我が神意の前にひれ伏すがいい!!我の効果発動!フィールド・手札・墓地のカードを全てデッキへと戻す!!創星の輪廻!!】
「っ…!?」
遊海のカードが全て光の玉となりデッキへと戻される…遊海を守るものは…何も無い…!!
【裁きの時だ!!我で白波遊海へ神罰を下す!破滅の神光!!】
破壊の力を宿した宝玉が煌めく…その瞬間、遊海の足元が爆ぜ、吹き飛ばされる!!
「が…!?ぐあああああ!?!?足があああ!!?」
遊海LP8000→4600
【喚け…叫べ…!!貴様の断末魔が未来を救う福音となるのだァ!!】
ラプラスLP300
tierra 手札0 (ドロー不可残り2ターン)
「ガッ…あああ…!?」
《マスター!!気をしっかり持ってください!!マスター!!》
ラプラスの一撃で遊海の両足は消し飛んでいた…遊海はあまりの激痛に転げ回っている…
【チィ…身体を狙ったが外れたか…次こそは消し飛ばしてやる…!】
《ユウミ…!!今、治療を!…ラプラス!お前はどうしてこんな事ができるのです!決闘者としての誇りはないのですか!!》
遊海の窮地に現れたフレアがラプラスに吼える…!
【誇り…?そんなもの200年も前に捨てた…!全ては貴様を殺す為に…!!】
「ガッ…あ…!ふざけたチート使いやがって…!!精霊…変…ガボッ…!!」
遊海は逆転の為にドロー能力を持つ太陽神の鎧を纏おうとするが…インフェルノイドとの戦いと今受けたダメージにより変身できずに吐血してしまう…!
【さぁ…カードを引け…!猶予は残り2ターンだ…!】
「俺のターン…ドロー!」
ドローしたのは「リミット・オーバー・ドライブ」…攻撃を防ぐ事ができない…!!
「ターン…エンド…!!」
遊海LP4600
手札1
【我のターン!「邪悪の樹─黙示録」の効果で我は自分のターンで数えて3ターンの間デッキからカードをドローできない…バトルだ…次こそは貴様を消し飛ばしてやる!!】
tierraの手にエネルギーが集まっていく…!
《鳴動富嶽…!!》
《反射の聖刻印!!》
《術式展開!機殻の再星…!》
《太陽神の聖域…!》
「お前達!?」
攻撃が放たれる刹那…魔法陣の刻まれた岩壁、紫色の結界…太陽の結界が遊海を守るように展開される!
「やめるんだ!!奴の攻撃を受けたらお前達まで!!」
《何を言うのです主殿…私は主を守る精霊…!貴方を守って果てるなら本望…!!》
《そうだ!我らが時間を稼ぐ…!なんとしてでもお前を守る!!》
トフェニとメガロックが力を込めラプラスを睨みつける…!
《防衛成功確率…50%…私達が少しでもダメージを引き受けます…!必ず翠を救ってください…!》
《神の名と我が主たるアテムの名に懸けて…ユウミ…貴方を死なせはしません!!》
真の姿となったアヤカとフレアが遊海を守るべく立ちはだかる!
【精霊共め…愚かなマスターと共に滅びるがいい!!破滅の神光!!】
紫色の極光が遊海に向けて放たれる!
『『『『はああああああ!!!!』』』』
「みんな!!っ…!?ぐあああああ…!!?」
バリーン…
精霊達の守りは一瞬で砕け…遊海は壁に叩きつけられる…!
遊海LP4600→1200
「ゴボッ…みん、な…!」
【チッ…生意気にも攻撃を防いだか…しかし、これで貴様を守るものはもう無い!!】
精霊達も破滅の光の直撃で壁に叩きつけられ意識を失う…遊海は一人でtieeraへと立ち向かうしかない…!
ラプラスLP300
tieera 手札0 (ドロー不可残り1ターン)
「俺のターン…!ドロー!!…ターン…エンドっ!!」
遊海LP1200
手札2
【我のターン…!これで終わりだ!お前の死によって未来は救われる!!我でダイレクトアタック…!World End─!】
破壊と創造の力が混ざり合う…全てを消滅させ新たな世界を創造するエネルギーが遊海1人に向けて放たれる!!
「まだ…まだだ!!手札から『速攻のかかし』の効果発動!ダイレクトアタックを無効にし、バトルフェイズを終了する!!」
【そんな事は関係ない─!衝撃で消え去るがいい─!!】
tierraのエネルギーが開放される…ダメージこそ遊海の場に現れたかかしが受け止めるが…リアルダメージが遊海へと襲いかかる!
「ぐっ…うわあああああああ!!」
【悪運の強い奴め…!しかし、お前に力は残されていない…安心しろ、貴様を葬った後にその女もあとを追わせてやる…ターンエンド!】
ラプラスLP300
tierra 手札0
「(っ…前が見えない…!身体が…動かない…!!)」
tierraの攻撃をなんとか回避した遊海…しかし、全身は切り刻まれ…目に瓦礫が当たったのか光をも失ってしまっていた…。
【フン…もう動く事すらできないか?ならば引導を渡してやる…!】
tierraの手が持ち上げられる…その手で遊海を直接葬るつもりなのだろう…。
「(俺は…ここまでなのか?翠を助ける事も…遊星を…この町を守る事もできずに…ここで死ぬのか…?)」
ラプラスは既に正気を失っている…遊海を倒した後にその矛先は遊星達に向かうだろう…遊海は手を伸ばし涙を流す…
「(ごめん遊戯、アテム、城之内、海馬さん…十代、翔、剣山、藤原、エド…遊星、ジャック、クロウ、アキ、龍亞、龍可…翠…!!)」
遊海の脳裏にたくさんの仲間達や友達…教え子…そして愛する妻の姿が浮かんでいく…
【最期まで醜く命乞いか…さぁ、死ね…!!】
tierraの腕が降り下ろされる…!
キィィン─!
【なに…!?】
その刹那、遊海は光に包まれた…。
Side遊海
「…ここは…?俺は死んだのか…?」
「遊海!僕達は信じてる!君の勝利を…!」
「遊戯…みんな…?」
方向もわからない暗闇の中…遊海の前に遊戯や城之内達の姿が現れる…。
「諦めるなんて先生らしくないぜ?アンタはいつも諦めなかった!オレはそんな姿に憧れたんだ!」
「十代…お前達…」
「遊海さん…!きっと貴方は勝てる!負けないでくれ!貴方はこの町のヒーローなんだ!!」
「遊星…」
気づけば遊海の周りにはそれまで関わった決闘者達が集まっていた…その中には敵として戦ったダーツや藍神、キースや闇マリクの姿もある…。
『おいおい…?お前はそんな奴に負けるのか白波ィ?神なら貴様も倒してきただろぉ?』
『その通り…地球の闇を…オレイカルコスの神すらも乗り越えた貴方なら…その程度の神は恐れる事もないはずです』
『君は闇に呑まれたボクを助けてくれた…君ならきっと…!』
「なんだよこれ…走馬灯って奴か…なんでお前達まで…?」
『ああ、そうだ…これは現実じゃねぇ、お前と共にしのぎを削った決闘者達…その思念だ』
「ユウスケ…」
遊海の前にもう1人の自分であるユウスケが現れる。
『遊海…お前はこんなところで負けるのか?未来の自分に膝をつくのか?』
「…負けたくない…俺は奴を倒さなきゃ…止めなきゃならない!でも…もう身体が動かない…!!」
『弱音を言ってんじゃねぇ!!』バチン!
「っあ!?」
ユウスケは遊海にビンタする!
『お前はこの時代最強の決闘者だ!それがこんな姿をこいつらに見せていいと思ってるのか!?それでもお前は決闘王なのか!?』
「…でも、もう時間がない…!手札2枚でどうすればいいんだよ!!」
『…それを覆す「力」があるなら…どうする?』
「えっ…?」
ユウスケの思わぬ言葉に遊海は思わず間抜けな声を漏らす…
「あるのか?そんなもの…?」
『あるじゃねぇか、目の前に…我を…
「っ…!?なんだと…?」
ユウスケは自分を指し示す…
『元はと言えば…オレはダーツによって引き剥がされたお前の一部…お前の半身だ、つまり…お前は半人分の力しか使えなかったんだよ…「白波遊海の光」の力しかな…そして我は「白波遊海の闇」…ひいてはカオスの力だ…お前は知ってるはずだ、光と闇…その2つの力を宿した伝説の戦士の名を…!』
「─ZEXAL…」
『そう、その力だ…』
『ZEXAL』…それはランクアップを目指す高次世界「アストラル世界」の使者アストラルと人間世界に暮らしていた諦めない心を持つ少年・九十九遊馬が奇跡の力で合体した究極の姿である。
『お前の魂は既にランクアップ寸前だ…その最後の鍵が我だ、カオスを受け入れ、飲み干せ…!』
「待て…!そんな事したらお前が!!」
『ああ、この人格が消えるかもな…でも、お前に迷う時間はない!!選べ白波遊海…!!このまま死ぬか、新たな力を手にするか!!』
「俺は…俺は…!!」
─遊海さん…私は…いつもあなたと一緒に…─
「翠…!」
その時、遊海は確かに聞いた…愛する妻の背中を押す声を…!
「…力を貸してくれユウスケ…!俺は─!」
『ありがとな遊海…あのバカを頼んだぜ?』
遊海はユウスケの手を取った…そして2人の周りに集まった決闘者達が眩い光を放つ!
SideOut
「…待たせたな…ラプラス!」ガチッ
【馬鹿な…我が一撃を受け止めただと!?】
光が消える、そこには巨大なtierraの腕を受け止めるボロボロの遊海の姿があった…その瞳はラプラスをしっかりと見据えている…!
「1つ聞かせろラプラス…」
【なんだ…!】
遊海はラプラスに1つの問いを投げかける…
「お前は未来の俺だと言ったな…なら、答えられるはずだ!…
【なに…!?】
遊海の言葉にラプラスは固まる…
【そんな事決まっている!あの子の…彼女の、名……?名前、は…?】
「お前が俺なら答えられるはずだ!彼女の名前を!彼女の姿を!!彼女との思い出を!!!」
遊海は頭を押さえ狼狽するラプラスに追い打ちをかける!
【おお…!?おおおお…!?思い…出せない…!?オレには妻がいたはずだ…!?いるはずなんだ!!?】
「…彼女の名前は『春風翠』…俺の妻であり…お前が傷つけた女の名前だ!!!」
【──!?!?】パキーン…
その瞬間、ラプラスは上を見上げる…そこには血塗れの翠がいた…その時、ラプラスは…シラナミユウミは全てを思い出した、何故自分がイリアステルに入ったのか…それは…過去を改変し…喪ったモノを取り戻す為だったのだ…!
【オオ…オオォォォオオ──!!】
ラプラスは慟哭する…その目からは赤い血涙が零れ落ちる…。
「…やっぱり忘れてやがったか…!わかったぜユウスケ…俺はアイツを止めるんじゃない…アイツを闇から引き上げる!!」ゴウッ!!
遊海は力を開放する…眩い光と全てを包み込む闇が遊海の身体から溢れ出す!
「俺は…俺自身でオーバーレイ!!」
遊海から溢れ出したエネルギーが螺旋を描きながら上昇…ビックバンを起こす!
「『世界に満ちる優しき光と安寧の闇…我が身に宿り未来を紡げ!ランクアップ!エクシーズチェンジ!!』」
遊海の肉体が再構築される…眩い光の中から新たな戦士が産声をあげる!
『絆の極地…!新たなる希望!《NEXUS》!!』
現れたのは赤い鎧の帽子を被り、金色の不死鳥があしらわれた赤いロングコート、そして金色の龍が巻き付いた黒のズボン…そして瞳を金と青のオッドアイに変化させた戦士、その名はNEXUS…遊海の紡いできた絆の起こした奇跡である!
【ゼア…ル…?】
『違う、オレは…お前を救う希望の光だ!!』
『オレのターン!最強デュエリストのデュエルは全て必然!ドローカードすらデュエリストが創造する!!希望を示せ!シャイニング・ドロォォォ─!!』
眩い光の軌跡と共にカードがドローされる!
『オレはカードをセット!そして魔法カード「天よりの宝札」発動!!お互いに手札が6枚になるようにカードをドローする!シャイニング・ドロー!!』
『そしてオレは「ガガガ・マジシャン」を召喚!!』
《ガガガ!!》
「我」の文字が刻まれた学生服を着た魔法使いが現れる…本来なら遊海のデッキにないカードが、シャイニングドローにより書き換えられたのだ…! ATK1500
『さらにレベル4モンスターの召喚に成功した時!「カゲトカゲ」は特殊召喚できる!』
魔法使いの影から黒いトカゲが現れる ATK1100
『オレはレベル4の「ガガガマジシャン」と「カゲトカゲ」でオーバーレイ!!』
2体のモンスターが銀河に飛び込み爆発する!
39
『勇士の戦いはここから始まる!白き翼に希望を託せ!現れろ「A No.39希望皇ホープ」!!』
《ホープッ!!》
白き戦士が叫びをあげる!ATK2500
『さらにオレはランク4の「ホープ」でオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!!』
ホープが銀河へ飛び込み、再誕する!
39
『現れろ!闇を切り裂く希望の使者!「A CNo.39希望皇ホープ・レイ」!!』
背中に巨大な剣を背負った黒きホープが現れる ATK2500
『そしてオレは手札の通常魔法「RUM─アストラル・フォース」を墓地に送ることで…このモンスターをエクシーズ召喚できる!!オレは「希望皇ホープレイ」でオーバーレイネットワークを再構築!!シャイニング・エクシーズチェンジ!!』
ホープレイが眩い光と共にその姿を変える…!
00
『2つの遠き魂が交わる時!新たな伝説が始まる!新たな希望を未来に示せ!「SNo.0ホープ・ゼアル」!!』
希望の光を纏い現れたのは伝説の写し身…異世界において世界を喰らう邪神を退けたもう1人のZEXALだった ATK0→4000
【あ、ああ…希望…全てを照らす…光…!】
『…ラプラス、いま…お前を開放してやる!!バトル!「ホープゼアル」で「創星神tierra」を攻撃!受けてみろ!未来を切り拓くのは縦横無尽なる希望の力!これが新たな未来の天地開闢!ホープ剣ZEXALスラッシュ!!』
《かっとビングだ!オレ─!!》
巨大な光の剣が破壊神の身体を一刀両断する…復活した破壊神はここに滅ぼされた…
『すまない…ミドリ…オレ、は…─』
ドオォォン!
ラプラスLP0
遊海WIN!
ピシッピシッ…パキーン…
デュエルの終結と共に翠を拘束していた十字架と鎖が砕け、翠が落下する…
ガシッ
『…つらい目に遭わせてごめんな、翠…行こう、遊星達のところへ…みんなが待ってる』
遊海が翠を優しく抱き抱える、未来の自分との長き因縁は…ようやく清算された…。
Side遊星
「いったいどこまで続くんだ…この道は…!」
『もう少しで遊星ギアのはずだ…!』
遊星は暗いトンネルを進み続ける…遊星の目指す遊星ギアは入口からもっとも遠く、太陽ギアに1番近い場所だった。
「そういえば…なんでアンタはオレ達に力を貸してくれるんだ?それに…スキャンしたとはいえ何故ここまでアーククレイドルの仕組みに精通している?」
『…わからない、わからないが…私はこの場所を知っている、そして…その答えがこの先にあるような気がするんだ…!』
「遊星ギアに…?」
遊星の問いに青髪のDホイーラーが答える…彼の記憶は失われているのだ…。
「…クロウやジャック、遊海さんも…遊星ギアを守る決闘者と戦った…という事は…」
『倒すべき相手はそこにいる…その相手を倒せば遊星ギアは止まり、太陽ギアへの道が開ける…』
「そして…お前の記憶も戻るという訳か…先を急ごう、どうやら出口が見えたらしい…!」
遊星達の行く先に僅かに光が見える…遊星達はその場所へと急いだ…。
「ここが遊星ギアか…オレ達の戦うべき相手は…?」
遊星達はついに遊星ギアへと到着する…しかし、その場所は無人…人の気配は無かった…。
キュゥゥン…
「つ!?なんだ!?」
突然、部屋が暗転する…そして遊星達の前に5個の光の玉が現れる…!
『この…光は…─』
「お、おい!!離れるんだ!!」
フラフラと光の玉に近づく青髪…彼が光に触れた瞬間─!
バチバチ…バーン!!
『ぐあああああ…!?』
「なっ…!?おい!大丈夫か!?」
光の玉に触れた…青髪は衝撃を受けて吹き飛ばされる!
「しっかりしろ!」
『………!』ブン
青髪を心配して駆け寄った遊星…しかし、その腕は倒れた本人によって振り払われる…
『全てを思い出した…私に課せられた使命の全てを…!』
「使命…!?」
様子の変わった青髪に遊星は警戒する…!
『遊星、君の戦うべき相手は…ボクだ!!』カシュ!
「!?」
青髪のDホイーラーは赤いサングラスを外す…その正体は…
「ブ、ブルーノ…!?お前だったのか!?」
『ボクの名はアンチノミー…この遊星ギアを…アーククレイドルを護る者だ!!』
謎のDホイーラーの正体…それはチーム5D'sの一員ブルーノ…その真の名はアンチノミー…イリアステル滅四星の1人だった…。
遊星とアンチノミー…命を懸けた2人のデュエルがついに幕を開ける…!
オリカ紹介
通常魔法カード
このカードの発動に対して相手はカード効果を発動できない。
①自分のライフを半分にし、手札と除外されたカード全てをデッキに戻し発動できる。自分のデッキからカード名の違うカード10枚を手札に加える。
その後、デッキ・墓地から「創星神tierra」を手札に加える。
このターン、自分は魔法・罠カードの発動・セットができず、モンスターを通常召喚できずモンスターを1体しか特殊召喚できない。そしてエンドフェイズに手札を全て墓地に送る。
②このカードの①の効果を発動した後、自分のエンドフェイズで数えて3ターンの間、自分はデッキからカードをドローできない。