転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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お久しぶりです!S,Kです!

投稿が遅れてしまってすいません!予定がたてこんでいたのと、アイデアが煮詰まってしまった上にクリスマスやらアトランティスへ行っていました!

ついに始まったゾーンとの最終決戦…全ての因縁はここに収束する…!

それでは最新話をどうぞ!!


最終決戦!無限界帝Z-ONE─もう1人の英雄 集いし願い─

「待たせたな…ゾーン!!」

 

ラプラスとの別れを経て…希望を託された遊星はネオドミノシティの空を赤き翼で駆け抜ける…ついにゾーンとの最終決戦が始まる…!

 

 

【不動遊星…これまで貴方は自分の力で未来を切り開いてきたつもりかもしれませんが…全ては私の敷いたレールの上を走ってきただけの事…貴方にとって私は「神」にも等しい…】

 

「お前が神だと?」

 

【そう…我々が起こしたゼロ・リバースにより貴方達の人生は大きく変わった、孤児となりサテライトに暮らし新たな飛躍として挑んだWRGP…しかし、その勝利さえもこのアーククレイドルを呼び出す手段に過ぎなかった】

 

「…オレ達はお前の掌の上で生きてきたというのか?」

 

【わかりましたか?私が貴方の神であるという意味が…貴方は…私に逆らう事はできないのです】

ゾーンは遊星へと定められた「運命」を告げる…だが、その言葉を聞いた遊星は強い闘志を秘めた瞳でゾーンを睨みつける!

 

 

「たとえオレ達が走ってきた道がお前の敷いたレールの上であったとしても…その上を走ってきたオレ達の『思い』は本物だ!たとえ神が相手でもオレはそれを乗り越えてみせる…未来は!この手で必ず切り開く!!」

 

【…いいでしょう、ならば言葉は不要…かかってきなさい不動遊星!!】

 

「いくぞ…ゾーン!!」

 

そしてついに…未来を変える為の決闘が始まった…!

 

 

 

 

 

【「デュエル!!」】

 

 

デュエルダイジェスト 遊星対Z-ONE

 

 

 

 

 

【私のターン、ドロー!神の力を思い知るがいい…手札から「時械巫女」を特殊召喚!このカードは自分の場にカードが存在しない時に特殊召喚でき…天使族をアドバンス召喚する時に2体分のリリースになる!】

 

「なにっ!?」

 

【私は「時械巫女」をリリース…「時械神メタイオン」を召喚!】

ゾーンは先攻1ターンで赤き鎧の時械神、メタイオンを召喚する!

 

【私はカードを伏せ、ターンエンド…さぁ、貴方のターンです…貴方に未来を変える力が本当にあるというなら私を倒してみせなさい!】

 

「(時械神はあらゆる手段で破壊されない…しかも『メタイオン』は戦闘後に相手モンスターを手札に戻してダメージを与える効果がある…なら…!)オレのターン!ドロー!…よし…!」

時械神の効果を確かめながら遊星は攻略法を考え…実行する!

 

「相手の場にモンスターが存在し、自分の場にモンスターがいない時!『ダブル・デルタ・ウォリアー』は特殊召喚できる!さらに!手札を2枚墓地に送り『ビック・イーター』を特殊召喚!そして墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』は自分の場にチューナーがいる時に特殊召喚できる!さらに『デブリ・ドラゴン』を召喚!効果により墓地の攻撃力500以下のモンスター『クリア・エフェクター』を特殊召喚!!」

 

 

『凄まじい展開力だ…!モンスターを5体を一度に召喚するとは…!』

 

「すごいでしょ!アポリア!あれが遊星の本気なんだ!!」

 

「ああ、遊星の奴…最初から全力全開だぜ!」

後に「不動性ソリティア理論」と言われる天運と展開力、それを遺憾なく発揮する!

 

 

「みんなから託された『シンクロ』という名の絆の力…使わせてもらう!!オレはレベル6の『ダブルデルタウォリアー』にレベル2の『ビックイーター』をチューニング!」

 

キィン─!

 

「これは…!いけ!遊星!これがオレ達の絆だ!」

クロウの痣が遊星の想いと共鳴し光輝く!

 

「「黒き疾風よ…秘めたる思いをその翼に現出せよ!!シンクロ召喚!舞い上がれ!『ブラック・フェザー・ドラゴン』!」」

仲間との絆を背負い、黒翼の竜が舞い上がる!

 

 

「さらに!レベル2の『ボルトヘッジホッグ』とレベル2の『クリアエフェクター』にレベル4の『デブリドラゴン』をチューニング!」

 

キィン─!

 

「むっ…!受け取れ遊星!我が荒ぶる魂を!!」

クロウに続きジャックの痣も輝きを放つ!

 

「「王者の鼓動!今ここに列を為す!天地鳴動の力を見るがいい!シンクロ召喚!」我が魂!「『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」」

絶対的力を持つ悪魔竜が咆哮を轟かせる!

 

 

「高レベルのシンクロモンスター2体を1ターンで召喚するなんて…!」

 

『これが遊星の…いや、チーム5D'sの絆の力なんだ!』

遊星の隣を2体のドラゴンが追走する…シェリーはその様子に驚き、アンチノミー…ブルーノは絆の力に目を輝かせる

 

「いけ!遊星!!」

 

「オレ達の力でゾーンを倒すんだ!」

 

「ああ!ゾーン!オレの全てをぶつけて…お前に勝つ!!」

ジャック達の声援を受けて遊星はゾーンを睨みつける…その時、シティでも大きな変化が起きていた…。

 

 

 

 

Sideシティ

 

 

『ネオドミノシティの皆さん!今、不動遊星はこの街を守る為にゾーンと戦っている!彼の気持ちを無駄にしない為にも決して立ち止まってはいけません!!今から私が皆さんの目となり耳になり実況を行ないます!だから安全に避難を続けてください!!』

 

 

「この声は…グランプリのMCか?粋な事するじゃねぇか…!」

シティに残り避難民を誘導していた城之内は街中に響き渡る声に耳を傾ける…その声はWRGPを実況していたMCのものだった。

彼は一度は避難したもののゾーンと遊星の決闘の始まりを見て実況魂に火が付き…さらに住民達がデュエルに見惚れて避難が遅れないように最終決戦の実況をかってでたのだ…。

 

『さぁ!不動遊星は「レッドデーモンズドラゴン」と「ブラックフェザードラゴン」を従えてどう攻撃に出るのか〜!?』

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

【やはり現れましたか、赤き竜の下僕達…ですがシンクロモンスターを何体召喚しようと状況は一向に変わりませんよ?】

 

「…たしかに『時戒神』はバトルでも効果でも破壊されずにダメージも受けないわ…!」

 

「そして『メタイオン』はバトルの後に相手フィールドのモンスター全てを手札に戻して1体につき300ダメージを与える効果がある…その効果がある限り遊星は攻撃する事ができない…!」

ゾーンの言葉を聞いたシェリーとアキがメタイオンの効果を再確認する…。

 

 

『「時戒神」を突破するにはラプラスの示したように効果を無効にするか…何らかの方法で破壊を介さない除去をしなければならない…だが…!遊星の場には…』

 

「いるのは我が魂たる『レッドデーモンズドラゴン』とクロウの『ブラックフェザードラゴン』のみ…このままでは…」

 

「オレのかわいい『ブラックフェザードラゴン』が無駄死にになっちまう…けど遊星なら…「必ず策はある!!」」

ジャックとクロウ、そしてアポリアは空を駆ける遊星を見上げる!

 

 

 

 

「その程度の事がわからないと思うか?もとより『ダブルデルタウォリアー』をシンクロ素材とした事でこのターン、オレはバトルをする事ができない!さらに、『クリアエフェクター』をシンクロ素材とした『レッドデーモン』の効果は無効となる!よって『ブラックフェザードラゴン』はフィールドに温存される!」

 

【ほう…?】

 

「さらに『クリアエフェクター』をシンクロ素材とした事でカードを1枚ドロー!…カードを2枚伏せてターンエンドだ!」

遊星は守りを固めてターンを終える…圧倒的力を持つゾーンを前に遊星も迂闊に攻める事ができないのだ…!

 

 

 

【フフ…遊星、あなたは本当に私に攻撃できなかったのですか…?あなたは最初から()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?】

 

「っ…!」

ゾーンの指摘に遊星は僅かな動揺を見せる…!

 

【『メタイオン』は私のスタンバイフェイズにデッキへと戻る…あなたの狙いは『私の場に「時械神」のいないタイミングを作り、一気に勝負を決める事』…違いますか?】

 

「ああ、その通りだ!」

 

【フフフ…あなたの読みは正解です、『時械神』達は共通してスタンバイフェイズにデッキに戻る効果を持っています】

 

「…なぜ、『時械神』の効果をわざわざオレに明かした?」

遊星はゾーンへと問いかける、遊星がモンスター効果を知っている時械神は『メタイオン』『カミオン』『サンダイオン』の3体…遊星はそこから時械神の特性を予想して戦略を組んだ…だが、ゾーンはあっさりとその予想を認め、手の内を明かした…その真意は…

 

 

【簡単な事…明かしたところで()()()()()()()()からです、私のデッキに眠る時械神は10体…確かに時械神が私の場にないターンが来る可能性もあります…しかし、その状況を何ターンも待つ事ができると思っているですか?】

 

「そうだ!そしてその状況さえ来れば…無防備なお前に攻撃を通す事ができる!」

ゾーンの言葉を聞いた遊星はそう返す…強力な時械神達を前にして遊星は徹底的に耐え抜き、一撃で勝負を決めようとしているのだ。

 

 

【…私もかつてはあなたと同じように僅かな可能性を信じて未来を救う手段を幾度となく試し、そして失敗してきました…運命とはそういうものです】

ゾーンは可能性を否定する…しかし、遊星の目に恐れはない!

 

「オレはお前とは違う!!…たとえ何ターン待つ事になっても、可能性がある限り決して諦めない!未来を自分の手で切り拓く為に…オレはどんな小さな可能性でも信じる!!」

 

 

 

 

「なんという戦略を考えるのだ遊星は…!」

 

『強力な効果を持つ時械神を前にした持久戦…並みのデュリストには不可能に近い…!』

遊星の作戦を聞いたジャックとブルーノは状況の厳しさを実感する…しかし、遊星が諦めないかぎり、彼らも折れる事はない…!

 

「でも…どんな状況に置かれても僅かなチャンスを活かして勝利を掴む…遊星はいつもそうしてきた!そうでしょ?」

 

「「うん!」」

シェリーの問いかけに龍亞兄妹が頷く

 

「わたしは信じるわ…!頑張って!遊星!!」

 

 

 

 

 

【可能性を信じるなど愚かな、あなたは…ラプラスの敗北から何も学ばなかったのですか?】

 

「なに…!?」

 

【私のターン!スタンバイフェイズに『メタイオン』はデッキへと戻る…そして永続罠『虚無械アイン』を発動!私の場にモンスターが存在しないとき、天使族モンスターを攻撃力を0にする事でリリース無しで召喚できる!現われよ『時械神ラツィオン』!】

ゾーンの場に現れた金色の輪…そこから赤い鎧を纏い、肩に炎を灯した時戒神…ラツィオンが現れる!

 

「っ…!新たな時戒神!!」

 

【バトル!『ラツィオン』で『レッドデーモンズドラゴン』を攻撃!『ラツィオン』はバトルの後にフィールドと墓地のカードを全てデッキに戻し、相手がドローした時に1000ダメージを与えます…不動遊星、あなたの目の前には僅かな希望もない…神の力の前にひれ伏すのです!】

ラツィオンの肩から灼熱の炎が放たれる!

 

「させるか!リバース罠『くず鉄のかかし』発動!相手モンスター1体の攻撃を無効にする!その後このカードは再びセットされる!」

遊星のもっとも信頼する防御カードが神の炎を受け止める…時械神の効果はバトルを介して発動する、つまりバトルを無効にすれば効果を封じる事ができるのだ…!

 

「ゾーン!お前が何度攻撃してこようとオレは倒れない!オレ達の運命は自分達の手で切り拓く!!」

 

【フッ…守り続けるだけで本当に勝てると思っているのですか?カードを1枚伏せターンエンド】

 

 

 

「ヤツの言ってる事は正論だ…守ってるだけじゃ勝てねぇ…!」

 

「それにゾーンも『くず鉄のかかし』を破る方法を考えて来るはずよ…!」

時械神の攻撃を防いだ事でシグナー達は胸を撫で下ろすが決闘は続く…遊星は勝利への一手を見つける事ができるのか…!

 

 

 

「オレのターン!ドロー!!」

 

【『ラツィオン』の効果発動!相手がドローフェイズにドローした事で1000ダメージを与えます!】

 

「まだだ!『ブラックフェザードラゴン』の効果発動!効果ダメージを無効にしこのカードの攻撃力を700ポイント下げる!ダメージドレイッ…ぐああ!?」

 

「「「遊星!!」」」

ラツィオンの放った炎はブラックフェザードラゴンに受け止められたが、その余波が遊星を襲い大きく吹き飛ばす!

 

「ぐっ…!オレは『Sp-エンジェルバトン』を発動!2枚引いて…1枚を捨てる!!そして墓地に送られた『リジェネ・ウォリアー』は特殊召喚できる!」

遊星の場に炎の翼を持つ戦士が現れる

 

「さらに『ジャンクシンクロン』を召喚!…これで準備は整った…!無敵にみえる時械神にも…突破口はある!!」

遊星はドローしたカードを見て、瞬時に戦略を構築する!

 

「オレはレベル4の『リジェネウォリアー』にレベル3の『ジャンクシンクロン』をチューニング!」

 

キィン─!

 

「これは…!遊星…私と一緒に戦って!!」

アキの痣が光を放つ!

 

「「冷たい炎が世界の全てを包み込む…漆黒の花よ、開け!!シンクロ召喚!」現れよ!『ブラックローズドラゴン』!」

アキの想いをのせて…漆黒の薔薇が花開く!

 

 

「すごいわ遊星…!シンクロモンスターが3体も揃うなんて…!」

 

「ああ…!滅多に見れるモンじゃないぜ!」

アキとクロウは遊星のプレイングに感嘆する…しかし、まだ遊星は止まらない!

 

 

「さらに『ブラックローズ』の効果発動!シンクロ召喚に成功した時!フィールドのカードを全て破壊する!ブラックローズ・ガイル!!」

 

「「「ええっ!?」」」

 

『待つんだ遊星!そんな事をしても破壊されるのは君のモンスターだけだぞ!?』

ブルーノの言葉を他所に、フィールドに黒薔薇の嵐が吹き荒れる!!

 

 

【フッ…遊星、あなたは大きな間違いを犯した…『ラツィオン』は効果では破壊されない、そしてあなたはモンスターと守りの要である『くず鉄のかかし』を失いさらに不利になるだけですよ?】

 

 

「…それはどうかな?」

 

【なに?】

遊星は嵐の中で不敵に笑う!

 

「オレ達の力を…シンクロモンスターの力を見くびるな!リバース罠『シンクロ・バリア・フォース』を発動!このカードの効果によりカードを破壊する効果を無効にする!さらに、この時に場にいるシンクロモンスター1体につき500ダメージを相手に与える!!」

遊星の場には3体のシンクロモンスターが存在する、よって与えるダメージは…!

 

「仲間との絆の力を…1500のダメージを受けてみろ!ゾーン!!」

 

《キュリリリ!》

 

《グオォォン!!》

 

《ガガァァ!!》

 

ビュゴォ!!

 

3体のドラゴンが咆哮する…フィールドに吹き荒れていた嵐が一箇所に集中…そして嵐の爆弾となりゾーンへと襲いかかる!!

 

【ぬぅぅぅ…!!】

 

ドガァァン!!

 

ゾーンは大きく吹き飛ばされアーククレイドルのビルを突き抜けて飛んでいく!!

 

 

 

 

『通ったぁぁ!!無敵と思われた時械神をものともせず…不動遊星がゾーンに強力な一撃を食らわせたぞぉ〜!!!』

MCの実況がネオドミノシティに響き渡る、その様子を見た住人達から歓声が沸き上がる!

 

『私には聞こえるぞ!みんなの歓声が…希望に燃える人々の声が!!不動遊星!君こそが…この街の救世主たぁ〜!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

【フフフ…()()()…ですか…!】

 

「っ…!ゾーン!!」

吹き飛ばされたゾーンが遊星の前に現れる…大きなダメージを受けているはずなのに…ゾーンは笑っていた…!

 

 

【不動遊星…あなたはこうして()()()()()人々に希望をもたらしてきたのですね…】

 

「何のことだ…?」

 

【伝わっているのですよ…私の生きた未来の地球にも…()()()()の英雄伝説が…!】

 

「オレ達の…英雄伝説…?」

 

【フフフ…!】パリ…パリッパリッ…ボロ…!

その時、ゾーンに変化が起きる…顔を覆っていた仮面の右半分がゆっくりと割れ、剥がれ落ちていく…その中から現れたのは…

 

 

 

「なっ…!?!?」

 

「そんな…馬鹿な…!?」

 

「遊、星…?」

投影されたモニターに映し出された映像を見てシグナー達、そしてネオドミノシティの住人達は目を疑った…仮面の下から現れたゾーンの顔は…年老いた遊星そのものだったのだ…!

 

 

 

「ゾーン…お前はいったい…何者なんだ…!?」

 

【この顔を見られてしまった以上、答えないわけにはいきませんね…不動遊星、私は…()()()()()()()なのです…!】

 

「な、なにっ…!?」

 

「「「なんだって!?」」」

その言葉を聞いた遊星、そして人々は驚きを隠せない…!

 

【未来の世界で飽くなき進化を求める人間の心が引き起こしたモーメントの暴走…それが全ての始まりでした…】

そしてゾーンは語る…遥かなる未来、人間の欲望や悪意を読み取ったモーメントは暴走し…それに影響されたコンピューターネットワークは1つの結論を出した。

 

 

『このままでは地球は滅ぶ、その前に人類を滅ぼすべき』と

 

狂ったコンピューターは無数の機械兵で人類を抹殺する為に動き始めた…その時

 

【そんな世界を滅亡から救い、人々を守る為に未来に蘇った…それが私なのです】

 

 

 

「馬鹿な…!どういう事なのだ!アポリア!ブルーノ!!ゾーンは…本当に未来の遊星だと言うのか!?」

 

『『……』』

ゾーンの言葉を聞いたジャックはアポリアとブルーノに詰め寄る!

 

『…僕達にそれに答える資格はない…それはゾーンの口から語られるべき事だ』

 

『だが、これだけは知っていてほしい…!ゾーンの覚悟を…!』

 

「ゾーンの覚悟…?」

思いつめた様子のアポリア達にアキが問いかける

 

『ラプラスは死して2度目の人生を得た…我らは死して機械の身体で蘇った…そしてゾーンは…()()()()()()()()()()()()()世界を救う為に全てを捧げてきたのだ…!!』

 

 

 

「お前が…オレだと言うのか!?」

 

【今語ったことは全て真実です、それ故にあなたがどんな戦法をとるのか…私には全て手に取るようにわかります…さぁ、デュエルを続けましょう…!】

動揺する遊星を見下ろしながらゾーンはデュエルを続行する!

 

【私のターン…!「時械神ラツィオン」はスタンバイフェイズにデッキへと戻る、そして「虚無械アイン」を墓地に送り、永続罠「無限械アイン・ソフ」を発動!効果により手札のレベル10以上のモンスターを特殊召喚できる。ただしこの時、私のモンスターの攻撃力は全て0になる!私は「時械神ザフィオン」を特殊召喚!】

水色の鎧を纏い、女性の顔を鏡に写す時械神が現れる!

 

 

【さぁ、このターンも時械神の攻撃に耐える事ができますか?不動遊星!】

 

「っ…!だが、時械神は自身がフィールドにいる時モンスターを召喚できない効果がある!1ターンに1度の攻撃なら『くず鉄のかかし』で防げる!」

 

【言ったはずです、あなたの考えは全てわかると…!「アイン・ソフ」は時械神の召喚を行えない効果を無効にする!現われろ「時械神カミオン」「時械神サディオン」!】

 

「なっ…!?3体の時械神だと!?」

ゾーンの場に緑と茶色の鎧を纏う時械神達が降臨する、遊星の戦略はゾーンの場に時械神が1体しかいない事が大前提…3体の時械神には対応できない!

 

【バトル!「ザフィオン」で「ブラックフェザードラゴン」を攻撃、「ザフィオン」はバトル後に相手の魔法・罠を全てデッキに戻す!】

 

「通す訳にはいかない!『くず鉄のかかし』発動!!攻撃を無効にする!」

かかしがザフィオンから放たれた水流を受け止める…だが、時械神はまだ2体いる!

 

【「サディオン」で「ブラックローズドラゴン」を攻撃!】

 

「っ…!」

サディオンから放たれた竜巻をブラックローズドラゴンが弾き飛ばす!

 

【「サディオン」がバトルを行なった事で効果発動、私のライフが4000以下の時、ライフを4000にする】

 

「そんな…!?」

ゾーンを癒やしの風が包み込む…遊星の苦心して与えたダメージがなかった事にされてしまったのだ…!

 

【そして「カミオン」で「レッドデーモンズドラゴン」を攻撃、「カミオン」の効果により相手フィールドのモンスターを全てデッキに戻し…1体につき500ダメージを与える!】

 

「しまっ…!?ぐあぁぁ!!」

 

「『「遊星!!」』」

カミオンから無数の岩の弾丸が放たれる…直撃を受けた3体のドラゴンはデッキへと戻され、遊星も吹き飛ばされる!

 

「ぐっ…うおおお!!!」

遊星はビルに直撃する直前でギリギリ体勢を立て直す…!

 

 

『ふ、不動遊星!なんとかマシンを立て直した…!しかしフィールドはガラ空き…手札も0!この大ピンチの状況…た、頼む遊星!この状況をなんとか乗り越えてくれ〜!!』

MCの焦りの実況が響く、その声に耳を傾けながら住人達はデュエルを見守り続ける…!

 

 

 

 

【命拾いしたようですね…ターンエンド】

 

「っ…(大ダメージを受けてしまった…だが、次のターンに繋げる事ができた…!これで…!!)」

 

【「次のターンに私が時械神を引かなければ勝機が見える」…そう思いましたね?】

 

「こいつ…!」

ゾーンに考えを見抜かれ遊星は動揺する…!

 

【確かに私の手札は0、次のターンに時械神は私のデッキに戻る…そして私は無防備のままターンを終えなければならない…そして攻撃が通れば勝機が見いだせる……私もかつては世界を救える可能性を信じていました…しかし、決して思い描いていたとおりにはならなかった…そして今の結論にたどり着きました…未来の平和の為に「今」この街を滅ぼすしかないと!】

 

「違う!!オレは何があろうと諦めない!街を滅ぼしてまで世界を救おうとは思わない!!お前は…オレなんかじゃない!!」

ゾーンの言葉を聞いた遊星はゾーンが未来の自分である事を否定する…自分ならばどんな絶望的な状況でも諦める事はないと…

 

【まだ否定するのですか…ならば教えてあげましょう、本当に私が貴方である()()を…!】

 

「なに…?」

 

そしてゾーンは語り始めた、未来で何があったのかを…最後の未来人のオリジンを…。

 

 

 

 

 

 

 

Sideゾーン

 

 

「どうすれば…どうすればいいんだ!!」

それは遊星の時代から遥か未来…人々の欲望によりモーメントが暴走、機械兵が人類抹殺の為に破壊の限りを尽くす中…名もなき科学者は頭を抱えていた。

 

「機械兵を止める為にはモーメントの動力源…人の心を読み取る遊星粒子を正しい方向に導くしかない…だが…!」

科学者は壊れかけの研究室からボロボロになったネオドミノシティを見渡す…街には難民が溢れている、そして人々は僅かな食料や金を奪い合い…街には怒号と泣き声が溢れていた…。

 

「…私1人では変えられない…!…そうだ、彼…彼らならば…!!」

その時、科学者はある英雄の名前を思い出した…。

 

1人はダークシグナーを倒し、シンクロの新たな境地「クリアマインド」を生み出した英雄─不動遊星

 

そしてもう1人…歴史に名を残す決闘者の側に必ず現れ、世界を何度も救ったという伝説の男─白波遊海

 

 

「私がこの世界を救えずとも…英雄ならば…彼らならばこの世界を…!!」

そして科学者は2人の経歴、決闘の記録を調べ上げた…そして彼は自分を捨て、英雄たる「不動遊星」を蘇らせようとしたのだ…。

 

 

 

「ついに準備が整った…この手術が成功すれば…英雄は蘇る!!」

 

彼は不動遊星の人格をコピー…そして自身を整形する事で不動遊星を蘇らせる手術を始めた…!

 

「ぐっ…があっ…!!おおおお─!!!!」

 

そして科学者は生まれ変わった、不屈の英雄「不動遊星」として…

 

 

『オレは…世界を救う!!』

そして科学者…ゾーンは世界を救う為に動き始めた…。

 

 

 

『みんな聞いてくれ!この世界はいま破滅しようとしている!!人の進化は加速し、いつしか人の心は欲望や負の感情に囚われてしまった!!その結果、モーメントが負の方向に暴走しているんだ!!』

 

「それは…本当なのか…!それよりアンタ…不動遊星じゃ…!?」

 

ゾーンは難民の集まる場所で声を響かせる…不動遊星の姿を見た難民達は浮足立つが…

 

「た、大変だ!また機械兵達が!!」

 

「そんな…!?もう、終わりだぁ…」

ゾーンは空を見上げる…そこには無数のワイゼルやスキエル、さらにグランエルがこちらに向かってきていた…!

 

『みんな…見ているんだ!!』

ゾーンが自作した遊星号に乗り加速する!

 

『…クリアマインド!生来せよ!「シューティングスタードラゴン」!!』

《ギュアアアン!!》

咆哮を轟かせながら白きドラゴンが飛び上がる、そして機械兵達の間を飛び回る…すると機械兵に搭載されたモーメントの負のエネルギーとシューティングスターの正のエネルギーが共鳴し機械兵が活動を停止していく…!

 

 

『これが揺るぎなき境地「クリアマインド」!オレ達が正しい心を持ち、己の欲望を捨てて臨めば…モーメントの暴走は止まる!!そうすれば世界は必ず救われる!!みんな!オレと一緒に行こう!!』

 

「遊星…遊星!!」

 

「「遊星!頼む!俺達を導いてくれ!!」」

 

「「「遊星─!!」」」

ゾーンは人々に囲まれる…人々に絶望の色はない、現れた希望に人々は沸いていた…そして、その想いに惹かれ…その男も姿を現した…。

 

 

 

「遊星!大変だ!また機械兵達が…!」

 

『任せてくれ!すぐに─』

 

シュイン…ズドォォン!!

 

『なにっ…!?機械兵が…爆発した!?』

それは一瞬の出来事だった、難民達の近くへ迫った機械兵が全て撃ち落とされたのだ…!

 

 

《反応はこちらからです、マスター》

 

『ありがとうキラー…ようやく見つける事ができた、未来を救う英雄を…!』

 

『長い旅でしたね…()()()()

 

『遊、海…まさか、貴方は…!』

そして、ゾーンの目の前に人影が現れる…赤い帽子を被った男、紫髪の女性、そして空中に浮かぶ虹色のコアを持つロボット…その名は─

 

『はじめまして…いや、久しぶりだな()()()()、俺は白波遊海…お前を助けにきた…決闘者だ』

 

『同じく奥さんの翠です!頑張りましょう!遊星君!』

 

『あ、ああ──!!これで世界は…』

 

 

─救われる─

 

ゾーンはその日、希望へと出会った…。

 

 

Sideout

 

 

 

「なんという話だ…」

 

「ゾーン自身が…『遊星』になったっていうの!?」

 

「自分の身体を作り変えてまで未来の世界を救おうとしたのか…!?」

ゾーンの話を聞いたジャック達は絶句する…自分の人生を投げ捨て、世界を救おうとした男の壮絶なる覚悟に言葉も出なかった。

 

「ラプラス…未来の遊海さんもゾーンと一緒に世界を救おうとしたんだ…!」

 

「遊海がいればきっと世界を守れたはずなのに…どうして…?」

そして龍亞は疑問に思った、遊星の力を得たゾーン、そして未来の遊星…どうしてその2人がいても未来は救えなかったのかと…。

 

 

【不動遊星…あなたの力は素晴らしいものでした、私はラプラスの協力を得てあなたの力をさらに広めていきました…やがて人々は優しい心を取り戻し、分かち合う事を知った事で機械の軍団も我々を攻撃しなくなった…これで世界を救う事ができる…そう思った…だが、世界は既に手遅れだった─…時間が、足りなかった…!!】

 

 

 

 

 

 

 

Sideゾーン

 

 

ドオォォン!!

 

 

「うわあああ─!!」

 

「きゃあああ!!」

 

『どうして…こんな、事に…!』

ゾーンは無力さに拳を握りしめる…世界を救う光明が見えた矢先…世界は滅びの火に包まれた。

遊海とゾーン、2人で世界を救うには…あまりにも時間が足りなかったのだ…。

 

人々の心の負の作用に影響されたモーメントは破滅的な負の回転は始めた、それに影響されたネットワークが出した結論それは…

 

 

「自滅」

 

 

コントロールを失った各地のモーメントは一斉に爆発、さらに機械兵は自爆し墜落…破滅の火と大規模な地殻変動は容赦なく人々を飲み込んだ…。

 

 

「「「助けてくれ!遊星ぇぇ!!」」」

 

『み、みんなァァァ!!!!』

ゾーンは地殻変動で溶岩に落下する人々に手を伸ばす…しかし、その腕は届かなかった…。

 

ドオォォン!!

 

『があぁぁぁ─!?』

ゾーンの近くにワイゼルが落下し爆風で吹き飛ばされる…

 

『結局…オレは誰も救う事ができなかった…!人の心を変える事はできなかった…!!』グシャ…

ゾーンは絶望に打ちひしがれ…シューティングスタードラゴンのカードを握りつぶす…

 

ジャリ…ジャリ…

 

『誰か…誰かいるのか!!生きているのか!!』

ゾーンは顔を上げる…聞こえた僅かな希望に縋るように…

 

『あっ……遊、海…?』

 

『…まだ、まだ終わってない…まだ、未来は…救える……!』

そこにいた人物にゾーンは言葉を失った…そこにいたのは遊海だった…しかし、その姿をみたゾーンが抱いたのは一種の恐怖だった。

 

燃えるような赤い服は漆黒のコートへ

 

黒髪は色素の抜け落ちた白髪に

 

目元を黒いバイザーが覆い、血涙を流している…

 

 

『その、姿は…?』

 

『姿など関係ない…オレは、世界を救う…行こう…遊星…!』

 

そして2人は歩き始めた…破滅の未来を救済する為に…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

【…そして私はこの結論へとたどり着いた、世界を救うにはあなたの父・不動博士の作ったモーメントを…このネオドミノシティごと歴史から抹消するしかないと!!】

 

「お前は…何を言っているんだ!!」

ゾーンの…ラプラスの過去を聞いた遊星はゾーンに向かって叫ぶ…!

 

「ネオドミノシティを破壊すれば大勢の人々が犠牲になる!それで本当に未来は救われるのか!?お前は未来の人々を救えれば本当にそれでいいのか!!?…そんな事があっていいはずがない!オレは今も未来も…全ての人を救う道を見つけだしてみせる!!」

 

【まだわからないようですね…あなたが未来に現れ、協力する最強の男がいても未来は変わらなかった!もはやこの街の犠牲を受け入れるしかないのです!】

遊星とゾーン、2人の男の言葉がぶつかりあう…長き時間の果てに結論を出したゾーン…そして未来の可能性を信じる遊星…2人は火花を散らす

 

【さぁ遊星…デュエルを続けなさい!】

 

「オレは…未来を諦めない!!ドロー!!…カードを伏せターンエンド!!」

遊星は可能性を信じてドローしたカードを伏せる、ゾーンから街を守るには…彼を打ち倒すしかない…!

 

 

 

【私のターン!スタンバイフェイズに「カミオン」「サディオン」「ザフィオン」はデッキに戻ります…しかし、この瞬間「ザフィオン」の効果発動!このカードがフィールドから離れた時、手札が5枚になるようにドローする!私の手札は1枚…よって4枚ドロー!!】

 

 

「なにっ!?」

 

「イ…インチキ効果もいい加減にしやがれぇぇ!!!」

ゾーンの大量ドローに思わずクロウが叫ぶ…

 

 

【遊星、あなたの思いどおりには決してならないと言ったでしょう、今のドローで私の手札に新たな時械神が加わりました…】

 

「だが…大量ドローする事は読めていた!リバース罠発動!『逆転の明札』!相手がドローフェイズ以外にドローした時!自分の手札を相手と同じ枚数にする!5枚ドロー!!」

 

【ほう…!】

遊星はゾーンの策を逆手に取り手札を補充する…そしてそれが新たな勝利への道を照らす!

 

 

「来てくれたか…!このカードは効果によって手札に加わった事で特殊召喚できる!来い!『スカウティング・ウォリアー』!さらにモンスターが特殊召喚された事でチューナーモンスター『スチーム・シンクロン』は特殊召喚できる!」

遊星の場に刀を持った戦士と汽車のようなチューナーが現れる!

 

「そして『スチームシンクロン』は相手ターンにシンクロ召喚を行なう事ができる!オレはレベル4の『スカウティングウォリアー』にレベル3『スチームシンクロン』をチューニング!…力を貸してくれ!龍可!!」

 

キィン─!

 

「遊星…!お願い!遊星を守ってあげて!!」

龍可が遊星の思いを受けて祈る…!

 

「「聖なる守護の光…今、交わりて永久の命となる!シンクロ召喚!」降誕せよ!『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』!!」

聖なる光を纏い圧倒的守備力を持つ妖精竜が現れる!

 

 

【フッ…その程度の小細工がこの私に通じるとでも?手札から罠カード発動!「女帝の冠」!相手がシンクロ召喚をした時、このカードは手札から発動できる、相手のシンクロモンスター1体につき2ドロー!…シンクロ召喚した事で自分の首を締める事になりましたね…!】

 

「っ…!!」

 

【あなたの可能性など…全て消し去ってあげましょう…「アイン・ソフ」の効果発動!現われよ時械神「ミチオン」「ハイロン」「ラフィオン」「ガブリオン」そして「時械神サンダイオン」!!】

 

「時械神5体の同時召喚だと!?」

ゾーンの場を埋め尽くす神々は遊星を見下ろす…!

 

 

【あなたが何をしてもこの街は救えない…!その身を持って知るがいい!!バトル!「ミチオン」で「エンシェントフェアリードラゴン」を攻撃!】

 

「(どうするっ…!『かかし』で防げるのは一度のみ…残りライフは2500…!ミチオンの効果はわからない……いや、ゾーンが『オレ』だというのならば…!)オレは『くず鉄のかかし』を使わない!!」

 

【「ミチオン」の効果発動!相手ライフを半分にする!】

 

「っ…!ぐあぁぁ!!…えっ…?」バチッ!!

ミチオンの火炎が遊星のライフを削る、しかしその衝撃は…遊星に伝わる前に半減される!

 

「これは…ウジャトの眼…?ラプラス…!」

遊星が目にしたのは自身を守る金色のバリア…バリアはそのまま静かに消えていった…。

 

 

【ラプラス…死してなお遊星を守ろうというのですか…!「ハイロン」で「エンシェントフェアリードラゴン」を攻撃!】

 

「『くず鉄のかかし』発動!攻撃を無効にする!」

かかしがハイロンの攻撃を受け止める!

 

 

【止めましたか…「ハイロン」はバトルした時、自分と相手のライフ差分のダメージを与える効果がありましたが…どうしてあなたは「ミチオン」の攻撃を止めなかったのです?】

 

「ゾーン、お前はオレ自身と言ったな?()()()()最初のモンスターで牽制し、次のモンスターでトドメをさす…だからあえて『ミチオン』の攻撃を受けて『くず鉄のかかし』を温存したんだ!」

遊星はゾーンの言葉を逆手にとり、戦略を読んだのだ…!

 

【…いくら足掻こうと時械神の攻撃は3回残っています、耐えられると思っているのですか?】

 

「オレはネオドミノシティを守る為に絶対に耐えてみせる!さぁ…かかってこい!ゾーン!!」

 

【遊星…3体目の時械神の力を受けるがいい!「ラフィオン」で攻撃!「ラフィオン」がバトルした時、相手モンスターを手札に戻し、その攻撃力分のダメージを与える!】

 

「手札から『シンクロ・ビリーバー』の効果発動!シンクロモンスターへの攻撃を無効にして自身を特殊召喚する!」

遊星の場に老魔女が現れラフィオンの攻撃を受け止める!

 

【ならば「ガブリオン」で攻撃!あなたにはこの攻撃を防ぐ事はできないはず!フィールドのカードを全てデッキに戻す!】

 

「なにっ!?」

遊星の場を強烈な水流が洗い流す…遊星を守る壁は…何もない─!

 

 

【これであなたの場はガラ空き…僅かな希望も全て無に帰しました…「サンダイオン」でダイレクトアタック!そして効果により4000ダメージを与えます…!これで終わりです!】

 

「っ…!!」

 

ドオォォン!!

 

サンダイオンがラプラスを葬った雷霆の槍を放つ…そして遊星へと直撃した…!

 

 

「『「遊星!!」』」

仲間達の悲痛な叫びが響く…

 

 

【やはり…あなたにこの世界は救えま「まだだ…」むっ…!?】

 

「まだ…終わってない!!」

煙が晴れる…その中から無傷の遊星と遊星を守るようにパワーツール・ドラゴンが現れる!

 

【なぜ…!?】

 

「オレは『サンダイオン』の効果が発動した瞬間、手札の『シンクロン・キーパー』の効果を発動していた!それにより効果ダメージを無効にし、さらに墓地のチューナーモンスター『ビックイーター』とこのカードを除外する事でレベル7の『パワーツールドラゴン』をエクストラデッキから特殊召喚した!!」

 

【よくぞ耐え抜いた…というところですが…残された時間はあと僅か、間もなくアーククレイドルはネオドミノシティに衝突し…この街は破壊される!!】

 

「っ…!アーククレイドルが…もうそこまで!!」

デュエルが進む中ゆっくりと降下し続けたアーククレイドル…タイムリミットが迫る…!

 

「(早く決着を着けなければ…街が…!)次のドローに…全てがかかっている…!!」

遊星は自身の手を見つめ、握り締める…!

 

 

【遊星…あなたも感じているのですね…人々の運命を背負う重圧を…私も同じでした、そしてそれを果たせなかった時の絶望と悲しみがどれだけ深かったか…!だからこそ私はこの時代に来た!!何かを救う為には何かを犠牲にしなければならない!!…今も未来も救うなどという考えはあなたの驕りです!不動遊星!!】

 

「なに!?」

 

【あなたの手札は残り1枚…その手札で何ができるというのです!!】

ゾーンの眼は射貫くように遊星を睨む…絶望を前に遊星の心を折るために…。

 

 

「(まだ勝機はある…次のターンに時械神達はデッキに戻る…そうすれば…攻撃を通す事ができる!!)オレのターン!ドロー!!」

遊星は諦めていなかった、希望を捨てず…運命のカードをドローする!

 

【…これで終わりです、永続罠「無限光アイン・ソフ・オウル」発動!「アイン・ソフ」を墓地に送りこのカードを発動できる!これにより時械神がデッキに戻る効果を無効にする!さらに時械神の攻撃力は全て元に戻る!】

 

「なん、だと…!?」

それはまさにダメ押しの一手…遊星に立ちはだかるのは4体の時械神と攻撃力4000のサンダイオン…今の遊星に時械神を突破する手段はない…そして…

 

ズズズ…ドドォォン!!

 

「うわっ…!アーククレイドルが!!」

遊星に凄まじい衝撃が襲いかかる…それはアーククレイドルの頂上とKC本社ビルが衝突した事による衝撃波だった…そして…一つの不運が遊星に襲いかかる…!

 

ドガッ…

 

「ガハっ…しまっ…!?うわあああ!!」

 

「「『遊星ぇぇ!?』」」

衝突の衝撃で崩れた瓦礫が遊星に直撃…Dホイールから投げ出されてしまったのだ…!

 

 

「(これで…終わりなのか?オレには何も救えないというのか…?)」

落下する刹那、遊星の脳裏に仲間達の顔が浮かんでは消えていく…

 

 

 

『…目を覚ませ…遊星!』

 

その瞬間、遊星は虹色の光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

Side遊星

 

『遊星…遊星……目を覚ませ…』

 

「誰だ…オレを呼ぶのは…」

遊星が目を開けばそこは光と闇の狭間…そこに虹色の粒子が集まり人の形になっていく…

 

「私だ、遊星…久しぶりだな…」

 

『父さん…!?』

遊星の前に現れたのは父親…不動博士だった…。

 

 

「オレは…デュエルに負けたのか…」

 

『まだだ、デュエルは続いている…みんながお前を待っている…』

不動博士は遊星に語りかける…

 

「…だめだ、身体がいう事を聞かない…」

 

『諦めるな遊星…お前ならきっとできる』

 

「勝手な事を言わないでくれ…オレは全力で戦った…でも今度は無理だ…ゾーンには…勝てない…」

遊星は父親を前に俯く…勝てる希望がないと弱音を吐く…

 

『……遊星、顔を上げろ』

 

「えっ─」

 

 

バチン!!

 

 

「あっ…!」

遊星の頬を不動博士の張り手が打ち据える!

 

『遊星!お前には、まだやるべき事がある!粒子と粒子を結びつける遊星粒子のように…人の心を導き、人の心を繋ぐのだ…!その先に必ず新たな境地が見えてくる…!』

 

「人と人の心を繋ぐ…」

父の言葉を聞いて遊星の目に闘志が戻る…そしてその身体を暖かい温もりが包む…

 

『そう、あなたは人と人を繋ぐ優しい子…私達の愛する息子なのよ』

 

「母…さん?」

遊星は後ろを振り返る…そこには優しい笑顔で遊星を抱きしめる母の姿があった。

 

『ふふ…王様に我儘を言ってしまったの、頑張って…遊星、みんなが貴方の事を待っているわ…』

 

「父さん…母さん…!ああ、目が覚めたよ…!オレは仲間達のところへ帰らなきゃならない!!」

遊星が立ち上がる…全てを救う意思を持って…!

 

『それでこそ私達の息子だ…未来を信じ強く生きろ遊星…お前にしてやれるのはこれが最後だ』

 

『私達はいつもあなたの側にいるわ…頑張って!遊星!!』

 

「父さん、母さん…いってきます!!」

 

『『いってらっしゃい!遊星!』』

 

そして遊星の視界は光に包まれた…。

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

─手を伸ばせ…遊星!─

 

 

「はっ…!?うおお!!」ガシッ

聞こえた声に遊星が目を開く、そして間近まで飛んできていた遊星号が遊星を受け止める!

 

「父さんと母さんが…助けてくれたのか…ありがとう…!」

 

─それだけじゃないぞ…オレを忘れるなよ?─

 

「この声…ラプラス…!?」

遊星は頭に響く声に問いかける

 

─正解だ、オレの意思の一部をオーブに入れておいたんだ…まぁ、もう限界なんだけどな…遊星、ゾーンを止めてやってくれ、もうあいつは自分じゃ止まれないんだ…お前が…お前だけが奴を止められる…頼んだぜ…─

 

「…ああ、安心して眠ってくれラプラス…オレがこの世界を守る!!オレは最後まで諦めない!!」

 

遊星は上昇し再びゾーンと相対する…!

 

 

 

 

【むっ…あの高さから落ちて無事とは…!】

 

「ゾーン!まだ勝負は終わってない!オレはこの街を…未来を!必ず救う!!来い!『ターボシンクロン』!オレはレベル7の『パワーツールドラゴン』にレベル1の『ターボシンクロン』をチューニング!!」

 

 

キィン─!

 

「あっ…!よっしゃぁ!遊星!おれのシグナーの力…使ってくれ!!」

龍亞の痣が強く輝きを放つ!

 

「「世界の平和を守るため!勇気と力がレボリューション!!シンクロ召喚!!」進化せよ!『ライフ・ストリーム・ドラゴン』!」

パワーツールの装甲が弾け飛び、生命の輝きを守るドラゴンが現れる!

 

「『ライフストリームドラゴン』の効果発動!ライフが2000以下の時、ライフを2000にする!!」

癒やしの力が遊星を癒やしていく…

 

 

【まだわからないのですか…!この街はモーメントと共に滅ぶ運命なのです、輝かしい未来の礎になるために…!】

 

「ゾーン、お前の言う未来とは…本当に輝かしい未来なのか?」

 

【…なに…?】

遊星の思わぬ言葉にゾーンは問い返す…

 

「例えモーメントを歴史から消しても…人間の進化の行き着く先が欲望や誘惑に囚われるならば、お前の生きた未来となんの違いがある?本当にそれで未来は救われたと言えるのか?…本当に未来を救うにはみんなの心が正しい方向へと向かい、モーメントと共に繁栄できる未来を作らなければならない!今を救わなければ…きっと未来も救われない!!そうじゃないのか…ゾーン!!」

 

【くっ…!】

遊星の言葉にゾーンが気圧される…人間は欲深いもの、しかしそれと同時に人を思いやる優しい心を持っている…人々が団結して未来を変える為に動けば…必ず未来は良い方向へ変える事ができると…その言葉はネオドミノシティ…世界へと響く!

 

「オレは未来を救う為に見つけ出してみせる…新たな境地を!!」

 

 

『人の心を導き、人の心を繋ぐのだ…』

 

 

「父さん…母さん…みんな…オレに力をくれ…!!」

遊星の背中を父と母の幻影が支える…そして遊星の思いを受けて…人々の祈りが遊星へと届く…!

 

 

 

「「「「遊星!」」」」

戦いを間近で見守るシグナーの仲間達…

 

「『『遊星!』』」

アポリアとブルーノ、シェリー

 

「「「負けるな!遊星!!」」」

治安維持局に残り、デュエルを見届けるイェーガーにMC、ミゾグチ…

 

「「「負けないで!遊星!!」」」

避難場所から叫ぶサテライトの子供達や仲間達…

 

「「「頑張れ!遊星!!」」」

チーム・ユニコーンやチーム太陽…ともにしのぎを削った決闘者達…

 

「遊星君!君は1人じゃない、ボク達がついてる!」

 

「ああ!頑張れ遊星!俺達の思いの力を受け取ってくれ!!」

街に集いし伝説の決闘者達…

 

 

「遊星、お前ならばたどり着けるはずだ…デルタアクセルのその先へ…!!」

 

「私達も負けない…!だから負けないで!遊星君!!」

 

たくさんの人々の祈りが遊星に集まっていく!!

 

 

 

「聞こえる…みんなの声が…!オレ一人が運命を背負っているんじゃない…この街の…世界のみんながオレを励ましてくれている!力を与えてくれる…!!」

 

─ピチョン─

 

「そうか…これだ…!!」

遊星は辿り着いた…新たな境地へと…!

 

 

「己の限界を超えたさらにその先へ進むには自分一人の力だけではダメだ…仲間の思いを…絆を繋がなければならない!!」

遊星はDホイールを上昇させる、赤き翼をはためかせ、雲を突き破り、上へ上へと…宙の彼方まで─!

 

「それを可能にするのがオレ達、チーム5D'sの絆…!…ブルーノ…見つけたぞ…新たな境地を!!!」

 

 

キィィン─!

 

 

遊星はついにオゾン層を突き抜ける…そして希望の光が遊星を指し示した!!

 

 

「オレは手札から『Sp-シンクロ・パニック』を発動!このカードはスピードカウンターが7以上の時に発動できる!このデュエル中に自分フィールドにシンクロ召喚したモンスターをエクストラデッキから可能な限り特殊召喚できる!ただし、効果は無効となり攻撃力は0となる!」

 

【なにをするつもりだ!!】

遊星の突然の行動にゾーンは困惑する…!

 

「オレのもとに蘇れ!『エンシェントフェアリードラゴン』!『ブラックローズドラゴン』!『ブラックフェザードラゴン』!『レッドデーモンズドラゴン』!!」

遊星の場に仲間達の魂たるシグナーのドラゴン達が並び立つ!!

 

「そして『ライフストリームドラゴン』の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドにいるシンクロモンスターのレベルを任意の数値にする!オレは『エンシェントフェアリードラゴン』『ブラックローズドラゴン』『ブラックフェザードラゴン』『レッドデーモンズドラゴン』のレベルを全て1にする!…ジャック!クロウ!アキ!龍可!龍亞!遊海さん!未来を救う為に…オレ達の絆を繋ぐんだ!!」

 

 

 

キィン─!

 

「これは…!」

 

「何が起こってるんだ!?」

シグナー達の痣が強い光を放つ!!

 

「遊星が私達を力を求めているのよ…!」

 

「「遊星!!」」

シグナー達が痣を掲げる…そして痣は遊星のもとへと集う!

 

 

「そうか、辿り着いたんだな遊星…ならば…俺も…!負ける訳にはいかない!!」

 

 

 

 

キィン─!キィィン─!!

 

遊星の背中に完成した赤き竜の痣…そこから金色のオーラが放たれ、遊星を包み込んでいく!!

 

 

「新たな境地!オーバートップ・クリアマインド!!

 

《キュオォォオン!!》

遊星の辿り着いた新たな境地…その名は「オーバートップ・クリアマインド」、明鏡止水の中で仲間達の絆を繋ぐ…遊星が辿り着いた新たな進化の極地…!その誕生を祝うかのように赤き竜の咆哮が響く!

 

 

「オレはレベル1となった『エンシェントフェアリードラゴン』『ブラックローズドラゴン』『ブラックフェザードラゴン』『レッドデーモンズドラゴン』にレベル8シンクロチューナー『ライフストリームドラゴン』をチューニング!!」

遊星の号令のもとに…シグナーの絆が結集する!

 

1+1+1+1+8=12

 

「集いし星が一つになる時新たな絆が未来を照らす!!光さす道となれ!!」

 

リミットオーバー・

アクセルシンクロォォォ!!」

 

 

仲間達と紡いだ絆の先に…希望の光が現れる!

 

 

「進化の光!『シューティング・クェーサー・ドラゴン』!!」

 

《ギュオオオン!!》

黄金の光の中に巨大なドラゴンが現れる、その名は「シューティングクェーサードラゴン」…シグナーの絆が起こした奇跡の結晶である─!!

 

 

 

 

 

バシューン!!

 

【むっ…!?いったい何が…!】

ゾーンの目の前に巨大な光の柱が立ち上る…その中から遊星、そしてシューティングクェーサードラゴンが現れる!

 

「ゾーン!これがオレ達5D'sの力の結晶!オレ達の絆の証だ!!」

 

 

 

「やりやがったな遊星!まさかのシンクロモンスター5体の究極シンクロ…!」

 

「あれが…遊星の進化の証…!」

 

「『シューティングクェーサードラゴン』…!」

その姿を見たシグナー達は感動の言葉を漏らす…

 

 

【「リミットオーバー・アクセルシンクロ」だと…!?馬鹿な…そんなものは歴史になかった事実…!】

ゾーンはこのデュエル中で一番の動揺をみせる…ゾーンが生きた歴史の中で遊星がたどり着いたのは「デルタ・アクセルシンクロ」まで、遊星は運命を変えたのだ…!

 

「(父さん、母さん…オレは守り抜いてみせる、オレのかけがえのない人達を…オレの生まれたこの街を…!)」

遊星は目を閉じ、決意を固める…ゾーンを倒し、未来を救うと…!

 

 

 

「いくぞ!ゾーン!!オレ達の新たな力を受けてみろ!!」

 

【っ…だが!時械神は破壊されず、受けるダメージも0になる!よって時械神を破壊する事はできない!!】

 

「いいや!『シューティングクェーサードラゴン』は()()()()()()()()()にできる!!」

 

【なにぃ!?】

遊星の手に入れた新たな力…その効果はまさに「時械神キラー」の効果を持っている!

 

「さらに!このカードが攻撃する時相手のモンスター効果を受けず、シンクロ素材の数だけ攻撃できる!!」

 

 

『なんて強力な効果なんだ…!これが遊星の進化の力!!』

 

『これならば時械神を倒す事ができる…!ラプラス、見ているか…お前の繋いだ希望が…世界を救おうとしているぞ…!』

ブルーノ、アポリアが言葉を漏らす…ラプラスの繋いだ希望がゾーンを追い詰めている…!

 

 

 

「いくぞみんな…バトルだ!!」

《ギュオオオン!!》

遊星の声と共にシューティングクェーサードラゴンから赤・紫・黄・青・オレンジの光の球が飛び出す!

 

 

「いくぞ遊星!『シューティングクェーサードラゴン』!」

 

「時械神を攻撃!!」

 

「天地創造撃!」

 

「ザ・クリエーションバースト!!」

 

【ぐぁ…!】

ジャック・龍可・アキ・クロウの言葉と共に光の球が時械神に突撃…その姿をレッドデーモンズドラゴン・エンシェントフェアリードラゴン・ブラックローズドラゴン・ブラックフェザードラゴンに変え、サンダイオンを除く時械神を破壊する!

 

 

「よし!残ってるのは『サンダイオン』だけだ!!」

 

「いくぞ!龍亞!!」

 

「うん!『シューティングクェーサードラゴン』で『サンダイオン』を攻撃!」

 

【ぐっ…うわぁぁぁ…!?】

オレンジの光球がライフストリームドラゴンに変化しサンダイオンに迫る…しかし、サンダイオンも雷のエネルギーを放ち迎撃する…攻撃力は共に4000、2体のモンスターは共に破壊される!!

 

【ぐっ…!時械神が全滅…だがこれで相打ち…!君のフィールドのモンスターは消え─…なに!?】

 

 

《ギュアアアン!!》

 

フィールドを覆っていた煙が晴れる…そこには咆哮を轟かせる『シューティング・スター・ドラゴン』の姿があった!

 

【何故「シューティングスタードラゴン」が!?】

 

「『シューティングクェーサードラゴン』の最後の効果だ!このカードが破壊された時、効果を無効にしてエクストラデッキから『シューティングスタードラゴン』を特殊召喚できる!いけ!『シューティングスタードラゴン』!ゾーンにダイレクトアタック!シューティング・ミラージュ!!」

 

《ギュアアアン─!!》

 

【ぐぅ、うあぁぁぁ─!!?】

 

ドガァァン!!

 

音速の突進を受けたゾーンは激しく吹き飛ばされ治安維持局へと直撃する!!

 

 

『魂の反撃!怒涛の六連撃!!見たかゾーン!!これが遊星…いや、チーム5D'sの底力だぁぁ!!』

 

「「「うおぉぉぉ!!!」」」

MCの実況がネオドミノシティに響き渡る…ゾーンの残りライフは…700!!

 

 

 

「やったぁ!!」

 

「ゾーンにあれだけのダメージを与えるとは…!」

 

「ゾーンを倒すまでもう一息よ!!」

シグナーの仲間達も喜びを分かち合う!

 

 

 

「オレは『スピードワールド2』の効果発動!1ドロー!…(この、カードは…)…カードを伏せてターンエンド!!」

遊星はスピードワールドの効果を使いターンを終える…そしてゾーンがデュエルへと復帰する…。

 

【ぐっ…私は、人類最後の人間…私は…私達は長き歳月を苦しみぬいてきた…私には、歴史を変える権利があるのだ!!】

追い詰められてなおゾーンは揺るがない…自身の願う救済の為に遊星を睨みつける!

 

「いいやゾーン、そんな権利は誰にもない…」

遊星はそんなゾーンを諭すように語りかける

 

【遊星…君は私の存在を否定するというのか…】

 

「…たしかに、未来がお前の言うとおりならオレ達に待っているのは絶望の未来かもしれない…しかしゾーン、例え世界を救う為でも人々の未来を奪う権利は誰にもない!未来を変える可能性は生きる人々…一人ひとりに平等にある!なぜお前はそれを信じようとしない!!」

 

【私にそんな時間は…残されていない…!!君のいう可能性など…ないに等しい事を教えてやろう!…私の…ターン!!】

 

キュイン─! バシューン!!

 

「ぐあっ…!?な、なんだ!?」

 

『な、なんだこの突然の嵐はぁ!?いったい何が起きようとしているんだぁ!?』

ゾーンがカードを引く…その瞬間、「アイン・ソフ・オウル」の3つの輪が重なり合い、天空へと凄まじいエネルギーを放つ…そして周囲は突風と落雷の天変地異に襲われる!

 

【見るがいい遊星!これが私の力だ!私の嘆きだ─!!】

 

「な、なんだ…この樹は…!?」

嵐が治まる、そして遊星は驚愕した…ゾーンの背後に巨大な樹が現れたのだ、その樹の名は「セフィロトの樹」

…聖書に記されし「生命の樹」である…!

 

【永続罠「アイン・ソフ・オウル」には10種類の時械神を召喚・特殊召喚している時に発動できる効果がある、10の光からなる時械神の先に…選ばれた聖者のみ扱う事が許される隠されたダァトがある…無は無限となり、無限の光から生まれる()()()()()()!】

 

 

「馬鹿な…!?」

 

「究極の時械神だと!?」

ゾーンの言葉を聞いた遊星達は絶句する、1体1体が並の決闘者の切り札レベルの力を持つ時械神…その先にゾーンの真の切り札が存在したのだ…!

 

【「アイン・ソフ・オウル」の効果発動!このカードを墓地に送り…「究極時械神セフィロン」を特殊召喚!!】

雷鳴が轟く中…ついにそのモンスターが光臨する…「セフィロト」の名を持つ巨大なる時械神セフィロン─!

 

 

     究極時械神 降臨

 

 

「これが…究極の時械神…!?」

 

【思い知るがいい、自分の無力さを!!「セフィロン」の効果発動!時械神の効果を無効にし、攻撃力を4000にして可能な限り特殊召喚できる!現われよ時械神「メタイオン」!「サディオン」!「ガブリオン」!「サンダイオン」!】

 

「なにっ!?」

セフィロンから放たれた光の球が4体の時械神へと変化し四方から遊星を閉じ込める!

 

【それだけではない!「セフィロン」の攻撃力はフィールドの時械神の攻撃力の合計となる!!】

 

「なんだと!?」

セフィロンの元々の攻撃力は4000…その合計は2万…

巨大なる神が遊星の前に立ちはだかる!

 

 

【長かった私達の戦いも…ついに終わりを迎えたようですね…これで未来は救われる…!!ネオドミノシティの消滅と共に…!】

 

「くっ…!!」

 

【「セフィロン」で「シューティングスタードラゴン」を攻撃!アカシック・ストーム!!】

《オオオオオオ!!》

凄まじいエネルギー弾が遊星へと迫る!!

 

 

ドオオォォォン!!

 

「うわぁぁぁ!!」

 

「「「遊星─!!!」」」

エネルギー弾がシューティングスタードラゴンに直撃…遊星は爆発に飲み込まれてしまう…仲間達の叫びが響く…

 

【さらばだ、遊星…消えるがいい…この街と共に─】

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだだ!!」

 

 

【なにっ…!】

爆煙を振り払い、遊星が飛び上がる!!

 

 

 

「オレはまだ…自分の未来を諦めたわけじゃない!!罠カードオープン!『集いし願い』!」

遊星は1枚の罠カードを発動させる…その名は『集いし願い』…まさに遊星を象徴するカードである

 

【集いし願い…だと?】

 

「『集いし願い』は『シューティングスタードラゴン』がバトルで破壊された時、ダメージを無効にする!さらに!墓地に眠る素材となるモンスターを除外する事で『スターダスト・ドラゴン』をシンクロ召喚する!オレはレベル7の『パワーツール・ドラゴン』にレベル1の『ターボ・シンクロン』をチューニング!!」

墓地に眠りし仲間の想いが希望の星を呼び覚ます!

 

「集いし願いが新たに輝く星となる!シンクロ召喚!飛翔せよ!!『スターダスト・ドラゴン』!!」

《キュオオオン!!》

仲間達の願いを背負い…白銀の翼が舞い上がる!

 

【今さら攻撃力2500の『スターダストドラゴン』を召喚してどうなる!私の場には攻撃力4000の時械神が4体!そして攻撃力2万の「セフィロン」がいる!】

 

「いいや!この『スターダストドラゴン』はオレ達チーム5D'sの…この街の人々の願いの結晶だ!!『集いし願い』のさらなる効果発動!『スターダストドラゴン』の攻撃力を墓地にあるドラゴン族シンクロモンスターの攻撃力の合計分アップさせる!オレの墓地にいるのは…7体のシンクロモンスター!!」

 

墓地に眠る仲間達のモンスターがスターダストドラゴンに力を与え巨大化させる…合計攻撃力は…2万3000!

 

【攻撃力2万3000だと!?】

 

「さらに『集いし願い』は墓地のシンクロモンスターをエクストラデッキに戻す事で『スターダストドラゴン』と指定したモンスターを強制的にバトルさせる!オレが指定するのは…『究極時械神セフィロン』!!」

 

【だが…「セフィロン」はフィールドの時械神を除外する事で破壊とバトルダメージを無効にする!!】

ゾーンの場の時械神が合体…鉄壁の壁へと変化する!

 

 

「勝負だ!ゾーン!!」

遊星が仲間達の願いを背負いスターダストと並走する!

 

キィン─!

 

「お願い!『エンシェントフェアリードラゴン』!」

 

「いくぞ!『ライフストリームドラゴン』!」

 

「力を貸して!『ブラックローズドラゴン』!」

 

「頼むぜ!『ブラックフェザードラゴン』!」

 

「喰らえ!我が魂!『レッドデーモンズドラゴン』!!」

仲間達の声と共にシグナーのドラゴン達が時械神の壁を破壊していく!!

 

 

「よし!これで『セフィロン』を守る盾は全て破壊した!」

 

「いけぇ!!遊星!!」

 

 

「これが…オレの()()の攻撃だ!!」

最期の攻撃を前に遊星は目を閉じて思いだす…今までに繋いだ絆の全てを─

 

シグナーの仲間達…

 

自分を導いてくれた両親…

 

サテライトの仲間…

 

シティでできた新たな仲間…

 

自分達を支えてくれたネオドミノシティの人々…

 

命を懸けて戦ったダークシグナー…

 

しのぎを削った決闘者達…

 

未来を救う為に戦ったイリアステルの滅四星…

 

そして…命を捨ててまで希望を繋げた…ラプラス…

 

今、その思いが実を結ぶ!

 

 

 

「オレ達の未来を受け取れ!ゾーン!!オレ達の思いが…未来へと続く『光さす道』となる!!」

 

世界中から集まった希望の願いが遊星に収束…そして遊星はその言葉を紡ぐ!

 

 

「『スターダストドラゴン』!『究極時械神セフィロン』に攻撃!」

 

《キュオオオン!!》

 

スターダストドラゴンに凄まじいエネルギーを収束…そして…

 

 

「シューティング…ソニィィック!!!」

 

 

 

 

白銀の息吹が究極の神を貫いた…

 

 

 

ドガァァァン!!!

 

 

 

【馬鹿な─私が、負ける…だと…!?】

 

長き戦いは…遊星の勝利を以て決着した…。

 

 

 

 

Z-ONE LP0

 

不動遊星&チーム5D's WIN!!

 

 

 

『ついに決着─!!奇跡のデュエル!!奇跡の大逆転勝利でネオドミノシティを未来に導いたのは我らがヒーロー…不動遊星ぇぇぇ─!!!』

 

「「「やったぁぁぁぁ!!!」」」

MCの勝利宣言が響き渡る…住人達は遊星の勝利を喜び、安堵した…。

 

 

 

『…これでよかったのか?ラプラス…不動遊星はゾーンに勝ったぞ…新たな未来が…きっと始まる…!』

 

─ああ、ありがとなアポリア…彼らを頼む、力になってやってくれ…─

 

『っ…!?今のは…!?』

 

『どうしたんだ?アポリア…』

シグナー達が喜びに沸くなかひとり言を漏らしたアポリアは後ろを振り返る…

 

『…いや、なんでもない…ラプラスが…いたような気がしたのだ…』

 

 

 

 

 

「あっ…ゾーン!!」

デュエルに勝利した遊星は声を上げる…敗北したゾーンはコントロールを失いアーククレイドルへと落ちていく…

 

『この世界を救い、ゾーンを救ってやってほしい!』

 

 

「ゾーン!!」

ブルーノとラプラスの願いを思い出した遊星はゾーンを追いかけた…。

 

 

 

 

Sideシグナー

 

 

キュウウウン……

 

アーククレイドルのモーメントが停止する、ゾーンの言葉の通りライフと連動していたシステムが停止したのだ…だが、それが一つのピンチを生んでしまう…。

 

 

ゴゴゴゴゴゴ…!ガラガラガラ

 

 

「まずい!アーククレイドルがぶっ壊れるぞ!?」

 

『逃げるのだ!!アーククレイドルはもう保たん!!』

アーククレイドルが崩れ始める…モーメント停止による急制動にボロボロだった建物が耐えられなかったのだ…!

 

『ぐっ…!走れ!お前達は生きなければならない!走れ!!』

 

「アポリア!?アポリアも一緒に!!」

アポリアがシグナー達を急かすが…龍亞がアポリアへと手を伸ばす!

 

『すまないな龍亞、私の身体は限界だ…走る事はできん、足手まといだ…アンチノミー…彼らを頼むぞ…!』

 

『…わかった…!急ぐんだ龍亞!!』ガシッ

 

「あっ…!?アポリア…アポリアぁぁぁ!!」

ブルーノが龍亞を抱えて走り出す!

 

『生きろ…龍亞…進化の子よ…!』

 

 

「くっ…!間に合え!!」

ジャック達はDホイールへと走る…しかし…

 

ガラガラガラ!!

 

「しまっ…!?」

 

「「「うわぁぁぁ!!」」」

地面が割れ、ジャック達は空中へと投げ出される!!

 

 

《キュオォォン!!》

 

その瞬間、赤き光がジャック達を包み込んだ…。

 

 

 

 

 

「っ……ここは…?」

ジャック達が気付けば…そこは地上…町外れの高台だった。

 

『あれは…赤き竜…!ボク達を助けてくれたのか…!』

ブルーノが空に昇る赤き竜に気づく…シグナーのピンチに赤き竜が彼らを救ったのだ…。

 

 

「あ…アポリア!!」

 

『よもや敵対した私をも救うとは…赤き竜に感謝するほかないな…』

 

「よかった…よかった〜!!」

ジャック達から少し離れたところにはアポリアの姿もあった、龍亞は彼へと駆け寄っていく

 

「見て…!アーククレイドルが止まっている!」

 

「本当だ…オレ達はこの街を救えたんだ!」

シェリーの声にシグナー達はネオドミノシティを見る、アーククレイドルはネオドミノシティに直撃する寸前で停止していた…。

 

 

「…待って…遊星、遊星は!?」

 

「なっ…まさか…まだアーククレイドルにいるのか!?」

アキが遊星の不在に気づく…空を駆けていた遊星の姿はどこにも見えない…!

 

「まさか…私が見た『遊星が死ぬ未来』は…まだ変わっていないの!?」

 

「そんな…!?」

 

「おれ達は未来を変えたんじゃなかったのか!?」

シェリーの言葉にジャック達は動揺する…遊星は…いったい何処に…?

 

 

「「「遊星─!」」」

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊星

 

 

キキーッ!!

 

 

「ゾーン!大丈夫か!?しっかりするんだ!」

 

【ゆう…せい…】

 

遊星はアーククレイドルに落下したゾーンへと駆け寄る…ゾーンの乗機「モーメントコア・フライホイール」は地面に埋まり、ゾーン自身も口から血を流していた…。

 

 

【無駄、です…私の生命維持装置が、今…止まろうとしています…】

 

「そんな…!?」

ゾーンは機械の力、そしてラプラスの精霊の力を借りて常人では生きる事ができない程の長い時間を生きてきた…その身体は既に限界を迎えていたのだ…。

 

 

【いいのです…私の生命は既に…限界でした…本当は私も君達が変える未来を見届けたかった…!だが、私にはその時間がなかった…!ぐっ…コフッ…!?】

 

「ゾーン!もう喋ってはダメだ…!」

遊星の言葉にゾーンは静かに首を振る…

 

【遊星…私は仲間達を失い、ラプラスと2人で長い時を過ごしてきました…ラプラスと共に、死んでいった仲間との絆を糧に自分を奮い起たせて、生きてきました…彼が…私にとっての最後の希望でした…】

 

「ゾーン…」

遊星は想像した、人間が死に絶えた世界で2人で生きていく…それはどんな地獄の日々だったのだろうと…

 

【しかし…私は…彼を手に掛けた…遊星、私は何処で間違えたのでしょうか…】

ゾーンの言葉に今度は遊星が首を振る…

 

「ゾーン、ラプラスにもオレはこう伝えたんだ…間違ってなんていない、お前は…お前達は未来を切り拓こうとしただけだ…お前達の与えてくれた警告は人々の胸に深く刻まれた…!オレ達がそれを忘れない限り、きっと未来は変えられる!」

 

【遊星…私は人生の最後に未来を切り拓く貴方の姿を見た…貴方ならきっとやれる…貴方なら人々を導ける…!】

 

「だが、オレにはまだやらなければいけない事がある…!」

 

【…()()()()()…なのですね…】

遊星の眼差しを見たゾーンは問いかける…不動遊星のするべき最後の仕事…それは…

 

「…アーククレイドルを浮上させるにはマイナス回転をしているモーメントにプラス回転をしているモーメントをぶつける必要がある…!それが…オレの最後の役目だ…!」

 

そう言って遊星は飛び立つ…自分の生まれ育った街を守る為に…。

 

 

 

 

「……!」

遊星はアーククレイドルの中を駆ける…モーメントを正常に戻し、ネオドミノシティを守る為に…

 

 

ガシャアアン!!

 

 

【遊星!!】

 

「なっ…ゾーン!?」

そんな中、アーククレイドルの壁を突き破り…ゾーンが現れる!

 

【私の身体には()()()()()()()()()()が取り付けてあります…それをマイナスモーメントにぶつけます!!】

 

「なに…!?」

ゾーンの言葉に遊星は驚愕する…ゾーンは遊星の身代わりになるために駆けつけたのだ…!

 

【貴方には新たな未来が託された…貴方は生きなければならない!!】

そういうとゾーンはマジックアームを使い遊星を出口の方向へと投げつけた!

 

「なっ…!?ゾーン!!ゾォォォン!!」

投げつけられた遊星はなす術なく飛ばされていった…。

 

Sideout

 

 

 

 

 

Side Z-ONE

 

【…行きましたか…どうか生きてください、「私のヒーロー」…不動遊星…】

飛ばされていく遊星を見送ったゾーンはアーククレイドルのモーメントへとたどり着く、そして…

 

 

ビシッ…ガシャアアン!!

 

ゾーンは躊躇なくモーメントへと突撃する…その目に絶望はない、あるのは…新たな未来への希望のみ…

 

 

【アポリア、アンチノミー、パラドックス…ラプラス…いま、私も逝きます…これでやっと…】

 

 

 

 

─ばーか、一人で逝かせるかよ…お前を一人で死なせたら…ミドリに叱られちまう─

 

 

 

【あっ…あぁ…!】

 

虹色の光に包まれる刹那…ゾーンは確かに見た、長き時間を共にした、かけがえのない友の姿を…

 

 

─行こうぜ●●、みんなが待ってる─

 

【ええ、ユウミ…】

 

 

 

 

キィィン─!

 

 

モーメントから溢れ出した虹色の光がネオドミノシティを照らす…それは未来と救わんとした偽者の英雄が「本物の英雄」になった証だった…。

 

 

 

 

SideEND

 

 

 

Side遊星

 

 

「ゾーン…!」

虹色の光を背に受けながら遊星は出口に向かって飛ぶ…ゾーンから託された未来へのバトンを繋ぐ為に…

 

 

ゴゴゴ…ガラガラガラガラ

 

「うわっ…!?くっ…!オレは…生きる!!」

アーククレイドル退去の影響で瓦礫が降りそそぐ…遊星は必死に瓦礫を避けて飛び続ける…生きる為に…!

 

 

「うおおぉぉ!!!」

 

Sideout

 

 

 

 

 

 

「待て…!待ってくれ!消えないでくれ!!」

 

「まだ遊星が!!」

 

アーククレイドルの退去する様子を見ながらシグナー達は叫ぶ…しかし、無情にもアーククレイドルは朝日に溶けるようにこの時代から消えていった…。

 

 

「そんな…!?遊星…遊星!!遊星!!!」

 

「そんな…嘘だろ…!?」

 

『遊星…君は…!君がいなければ!意味がないだろう!!』

龍亞の叫びが夜明けの街に響く…シグナー達の悲しみの声が響く…遊星は…

 

 

 

「まって…あれって…!?」

その時、アキの目が何かを見つけた…昇る朝日に浮かぶ黒い点…それは…!

 

「遊星…!遊星が帰ってきた!!」

 

「無事だったのか!!」

 

「心配かけやがって!!」

シグナー達の悲しみが喜びに変わる…未来は確かに変わったのだ…!

 

「「遊星!!」」

 

「おかえりなさい!遊星!!」

 

「アキ…みんな……ただいま!!」

 

 

太陽を背に遊星は仲間のもとへと帰還する…こうして遊星達は新たな未来を手に入れたのだった…。

 

 

 

 

 

 




『そうか…ゾーン…君はようやく救われたんたんだね…』

「ああ、オレが帰ってこられたのも…ゾーンのおかげだ…」
仲間達と喜びを分かち合った遊星はアーククレイドルで何が起きたのかを仲間達へと伝える…誇り高き英雄の最期を…


「しかしまぁ…街も派手に壊れたなあ、復興にどれだけかかる事やら…」
クロウは街を見渡す…アーククレイドル直撃は避けられたものの、落下した瓦礫などでシティはボロボロ…治安維持局に至っては大きな穴が空いている…。

「問題ないさ、オレ達が団結すればできない事はない…そうだろ?」

「ああ、俺達はこれから新たな未来を歩む!それが奴の望んだ事だからな…」

「よっしゃぁ!おれも頑張るぞ〜!…その前にご飯食べようよ…お腹すいちゃった!」

「もう!龍亞ったら〜!!」

「フフッ…それじゃあ一度ガレージに戻りましょう!そしたら翠さんに頼ん……えっ…あれ?」

「ん?どうしたんだアキ?そんなに周りを見回して…?」
仲間達が談笑する中…アキが不安な表情で辺りを見渡す…

「遊星…翠さんと遊海さんは…何処…!?」

「まさか…!?みんな!遊海さん達を知らないか!?」

「「「えっ…!?」」」
遊星の言葉にシグナー達は固まる… 


「待てよ…遊星とゾーンのデュエルが始まってから姿を見てねぇぞ!?」

『彼らは…ラプラスを埋葬すると言っていた…ま、まさか…!!』


「ゆ、遊海さん─!!!」


アポリアの言葉を聞いた遊星の叫びが響く…果たして遊海達に何があったのだろうか…?









キィン─!

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