転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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大変長らくお待たせいたしました…!

5D's編最後の1ページ…どうか見届けてください!


光差す未来へ〜キズナ繋いで〜

アーククレイドルの事件から1年が経ったこの日…ネオ童実野シティは記念すべき節目を迎えた…。

 

 

 

「コホン!この度治安維持局は解体され、新たに市長制度が発足されました!そして私、イェーガーがこの街の初代市長を務めさせていただく事になりました!」

 

「「「わぁぁぁ!!」」」パチパチパチパチ

 

 

旧治安維持局・現ネオ童実野シティ市役所前でイェーガーが演説を行う…。

イリアステルとの戦いを乗り越えたネオドミノシティはついに長い間街を治めていた治安維持局を解体…普通の街と同じように市長制度を再開する事になった。

…余談だが、海馬社長は選挙に立候補せずにイェーガーの後援に回った…その影響と人柄もありイェーガーは市長になる事ができたのだ。

 

 

「あ〜あ、これで治安維持局もお役ごめんか…」

 

「これでいいのよ牛尾君、この街にもう権力は必要ない…この街は新たな未来を歩み始めるのよ!」

セキュリティ改めネオドミノシティ警察の所属となった牛尾と狭霧が言葉を交わす…ネオドミノシティは真に一つになり、お互いに手を取り合いながら歩む街になったのだ。

 

 

「私には夢があります!それはこの街をより良い街にし、人々が助けあって暮らす街にする事です!…しかし、私1人ではその夢は達成する事はできません…どうか皆様の力を貸してください!この街をより良い街にしようではありませんか!」

 

 

「「「おおぉぉぉ─!!」」」パチパチパチパチパチ!

 

イェーガーの演説に人々は惜しみない拍手で応えた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「モーメント起動準備開始…遊星粒子、シリンダー内に90%まで増加…!」

 

『システムチェック、各ポイントにおけるACB・ACCオールクリア!』

 

「ネットワーク・トランスレーターオールグリーン!」

 

場所は変わり…ここは、ネオドミノシティのモーメント研究所…ここでも一つの節目を迎えようとしていた…。

 

 

「モーメント起動準備完了…起動します!」

 

ブゥゥン…キィィン─…!

薄暗い研究所内を照らすようにモーメントが起動する…!

 

 

「モーメント正常に起動!エネルギー運動システム…異常なし!『チーフ』!最後のコードを!」

 

「ああ…!」

モーメントの様子を見守っていた青年が端末に歩みよる、そして新システムを起動するコードを打ち込む…

 

 

─Good Days─

 

 

『認証コード確認!メインフレーム「フォーチュン」…起動するよ!』

その瞬間、研究所に希望の灯が灯される…モーメントを覆うように造られたモーメント制御フレーム…その名は

「フォーチュン」…それは世界に新たな未来が訪れた瞬間であった。

 

 

「おめでとうございますチーフ!!メインフレーム・フォーチュンの完成です!!」

 

「ああ!完成させる事ができたのはみんなのおかげだ!ありがとう!!」

 

「「「やったぁ〜!!」」」

研究所の内が歓声に包まれる!

 

 

『よくやったな不動遊星…これでこの街は…世界は新たな未来を歩む事ができる!』

 

『君はすごい事を成し遂げたんだ!』

 

『…不動遊星、お前の…お前の努力と絆が新たな未来を切り拓いたのだ…おめでとう…!』

 

「アポリア…ブルーノ…パラドックス…いいや、オレ1人の力じゃない…お前達が未来の技術を指導し、研究員のみんなが協力してくれたからこそだ」

モーメント研究所のチーフとなった遊星にアポリアとブルーノ、そして復元されたパラドックスが祝福の言葉を伝える…遊星の発明によりこの世界がモーメントによって破滅する可能性は限りなくゼロに近くなったのだ。

 

 

 

「そう謙虚ならなくても良いのですよ?『不動博士』、あなたの発明は本当に未来への希望になるのですから」

 

「イェーガー…やめてくれ、『博士』なんて…オレはそんな柄じゃない…」

就任式典を終えたイェーガーが駆けつけ遊星に話しかける…。

 

「いえいえ…貴方は近い将来、お父さまを超えるでしょう遊星」

イェーガーはモーメントとフォーチュンを見上げながら話を続ける。

 

 

「このフォーチュンによってネオ童実野シティのライフラインは全て統括され、都市機能を常に正しい方向に導く事でしょう…そしていずれ、世界中の都市と繋がり…この街が世界を牽引していくのです!」

 

「ああ、これでゾーンの言っていた『破滅の未来』に突き進む事もなくなる…」

イェーガーの言葉に遊星はフォーチュンを見上げながら答える…モーメントを囲むように設置されたフォーチュン…その造形はあの日、ネオドミノシティを破壊しようとした「アーククレイドル」をモチーフとしたものになっている…「未来に起きた悲劇を忘れない」…そんな想いを込めて遊星はフォーチュンを設計したのだ。

 

 

『フッ…ドングリピエロもいい事を言うではないか』

 

「ちょっと待ちなさいアポリア!?その言い方はないでしょう!?私はこの街の市長になったのですよ!もう以前の私ではありません!」

アポリアがイェーガーをからかう、以前であれば考えられない事だが…ブルーノはもとよりアポリアもパラドックスもこの世界に馴染んでいた…。

 

 

『悪かった、ジョークだ』

 

「もう!冗談でも言っていい事と悪い事がありますよ!!」

 

『フフッ…でも、遊星…君は本当の本当にすごい事を成し遂げた…本当にすごいよ』

 

「いいや、オレ1人では無理だった…この『チー厶』だからこそできたんだブルーノ…いいチームだった」

 

「チームですか…貴方らしい言い方ですね、…『不必要な人間はいない』…かつての貴方の言葉です、その信念によって貴方はこの街を悪しき運命から解き放ってくれた…この街はこれで真の自由を手にする事ができるのです!」

 

「そうなる事を願ってる、それが2人との約束だからな…」

遊星は目を閉じて思い返す…全てを懸けて未来を変えようとした『英雄』との約束を…

 

 

 

「そして…最後に謝罪を…、完成を急がせてしまい申し訳ありません…ワタシのワガママのせいでこの半年無理をお願いしてしまいました…どうかゆっくり休息を取ってください、そして…貴方の進むべき未来を歩んでください!…ですが…」

 

「?」

言葉を言い淀んだイェーガーに遊星は首を傾げる

 

「…本音を言えば、貴方にはこれから先もこの街と共に歩んでほしい…」

 

「えっ…」

遊星はイェーガーの言葉に目を見開く…

 

「…コホン、少し言い過ぎましたね…では、ワタシはこれで失礼します」

そう言ってイェーガーは研究所を後にした…。

 

 

 

 

『不動遊星、別に市長の言葉を気にする事はないのだぞ?未来とは他人に決められるものじゃない…それはお前自身がよくわかっているはずだ…』

 

「パラドックス…ああ、ありがとう」

考え込む遊星にパラドックスが語りかける…そこに…

 

 

ピピピ!

 

「チーフ、ネオドミノシティ・ハイウェイパトロールのクロウ様から連絡が入っております、お繋ぎしてよろしいですか?」

受付の職員から遊星に取り次ぎの連絡が入る…

 

『むっ?ならば我らは席を外そう…いこうブルーノ、パラドックス』

 

「すまない3人とも…クロウと連絡を繋いでくれ」

 

 

 

 

 

『よぉ!久しぶりだな遊星!まったく…電話するにも取り次ぎが必要なんてめんどくせぇところだな!…忙しかったか?』

ディスプレイに警察の制服を纏ったクロウが映し出される、クロウは牛尾の指導もあり「旧サテライト出身者」かつ「マーカー」付の人間で初めて警察…もとい、Dホイール取締り部隊・ハイウェイパトロールに合格したのだ…。

これによりクロウは旧サテライトに暮らす子供達に大きな夢を与えたヒーローと呼ばれている…。

 

「いいや、ちょうどメインフレームが完成して一息ついたところだ」

 

『おぉ!?すげぇじゃねぇか!やったな遊星!』

 

「ああ、ありがとう…そっちの調子はどうだ?()()()がいなくなって少し荒れてる奴もいるんじゃないか?」

 

『いや…あの人が最後に街中のギャングだの暴走族を締めてくれて至って平和さ!たま〜にハメ外してる奴もいるけどな!…でも、この街も相当変わったよな…まさかマーカー持ちが取り締まる側になるなんてよ!』

 

「フッ…それを言ったらオレはマーカー持ちで初の研究所のチーフだぞ?…それに()()()()んじゃない…オレ達が()()()んだ、オレ達がこれからの未来を作るんだ!」

 

『そうだな…「チーム5D's」っていう絆で未来を切り拓いていくんだな…』

 

「…?そういえばクロウ、今日はどうしたんだ?何か用事があるんじゃないか?」

遊星はクロウの態度に少し違和感を感じながら問いかける。

 

『えっ…ああ、いや…別に大した用はねぇんだ、しばらくお前の顔を見てなかったからよ…』

 

「そうか…そうだクロウ、久しぶりにみんなで集まらないか?週末に食事でもしよう!」

 

『おっ!そりゃいい考えだ!…と思ったが…問題児がいるな…』

 

「…ジャックか…今度はどこに行ったんだ?」

 

『さぁな…あのデュエルが終わってすぐにいなくなったからなぁ…』

遊星とクロウは顔を見合わせる…エキシビジョンデュエルの後、海馬社長にボコボコにされたジャックは「武者修行の仕直しをする!」と言って姿を消してしまったのだ。

 

 

『一応メールは打つが、あの人にも頼んでおくか…まったく、ジャックはオレ達の絆ってもんがわかってるのかね…?』

 

 

 

 

 

 

数日後…

 

 

 

『遊星!急がないと遅刻だよ!』

 

「ああ…!少しのんびり買い物をし過ぎてしまった…!」

夕食会の日…遊星とブルーノはポッポタイムへと急いでいた…。

 

 

 

『よし到着ー!…って誰もいないし…』

 

「ん?…そうか、きっとみんなも用事があるんだろう…少し休んで準備に取り掛かろう…」

ガレージに駆け込んだ遊星達だったが誰も来ていなかった…遊星は郵便受から手紙を取り出し階段を降りる…。

 

 

『うわぁ…またいっぱい来たねぇ、「IFSリーグ」に「オメガリーグ」、「ペガサスリーグ」に「サイバー流ライディングリーグ」…どれも一流のプロリーグだよ…』

 

「ああ…ん?写真立てが…」

各プロリーグからの招待状を机に置いた遊星は倒れていた写真立てを手に取る…そこにはエキシビジョンデュエルの日に撮った5D'sの集合写真があった…。

 

 

ガチャ!

 

 

「「遊星!!」」

 

「ごめん!遅れちゃったわ!」

 

「アキ!龍亞!龍可!久しぶりだな!」

ガレージのドアが開く、そこにはちょうど合流したのであろうアキ、そして少し背が伸びて大人びた龍亞兄妹の姿があった、そして…

 

 

ガラガラ!

 

「わりぃ遅れた!報告書書くのに手間取っちまった!」

 

『クロウ!お疲れ様!ちょうどみんな来たところだよ!』

少し遅れてシャッターが開いてクロウが現れる、そして集まったメンバーで夕食の準備を始めた…。

 

 

 

「あれ?そういえばアポリアとパラドックスは?2人も誘ったんだよね?」

夕食のバーベキューを食べながら龍亞が遊星に問いかける…。

 

「…実は…アポリアとパラドックスはもういない…未来に戻ってしまったんだ」

 

「「「えぇっ!?」」」

遊星の思わぬ言葉に龍亞達は驚く

 

「どうしてそんな急に…」

 

『…アポリア達はこの時代での暮らしを経験して…未来の故郷を見捨てられなかったんだ、だから…あの未来を少しでも良くする為に未来に帰る事にしたんだ…』

 

 

 

 

数日前…

 

 

 

「未来に帰る…!?それは本気なのか!?」

数日前の研究所…そこでは遊星とアポリア達3人が話し合いをしていた…。

 

『ああ、これは3人で話し合って決めた事だ…まぁ、ブルーノだけはこちらに残るらしいがな…』

 

『例え滅びていようとあの未来は私達の故郷だ…それに、あの世界で眠る我が友に寂しい思いをさせる訳にはいくまい』

 

「パラドックス…アポリア…」

遊星はパラドックス達の目を見てその意志の強さを悟る…。

 

「なら、せめて龍亞達に会ってやってくれないか?」

 

『…それはできない、会ってしまえば別れが惜しくなる…次にいつ来られるかはわからんからな…私達はこのままゾーン達のもとに戻る…だが、予感がするのだ遊星』

 

「予感…?」

 

『ああ、我らはきっとまた会える…そんな予感がな…さらばだ遊星、そしてブルーノ…私達は希望を捨てはしない!我らは歴史の果てでこの世界を見守ろう!』

 

「…ああ、今までありがとうアポリア、パラドックス…また会おう!」

 

そしてアポリア達は時を超え自分達の時代へ戻っていった…。

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

「ちぇっ…アポリアも冷たいな〜、一言ぐらいお別れを言いたかったよ…」

 

「わたしも…」

 

『大丈夫だよ2人とも、きっとアポリア達はまた会いに来る…だから待っていてあげてほしいな』

遊星の話を聞いてむくれる龍亞達をブルーノが宥めた。

 

「未来を良くする為か、あいつららしいぜ…そういえば、なんでブルーノはこっちに残ったんだ?」

 

『ボクもそのうち戻ろうと思ってるんだけど…とりあえず「フォーチュン」の運用が安定して遊星の行く先を見届けてからと思ってね!…そういうクロウはどうなのさ?知ってるんだよ?海外のプロリーグのスカウトが来てるって事!』

 

「ゲッ…誰から聞いたんだよそれ!?」

ブルーノの一言にクロウは表情を変える…

 

『誰って…スカウトマン本人からだよ、クロウを追いかけ回してる変なDホイールがいたからちょっと、ね…!』

ブルーノは妖しい笑みを浮かべる…

 

「(そういえばこの前会った時、ボロボロだった事があったな…ブルーノにやられたのか…えげつねぇー…)」

実はクロウ、ここしばらくとあるプロリーグのスカウトマンから熱心なアプローチを受けていた…世界一になったライディングチームの一員であるから無理もないだろう…。

 

 

「よかったじゃないかクロウ!…そういえばアキにもプロリーグからオファーが来ているんだろう?それだけじゃない、海外の医大からの留学の誘いも…」

 

「えっ、どうして……パパ達ね!?」

 

「ああ、最近アキが悩んでいるから相談に乗ってほしいと頼まれたんだ」

アキにも同じくプロリーグからのオファーが来ていた…しかし、アキにも新たな夢ができた…それは「医師になる事」、今までの戦いを経てアキが見出した新たな夢だった。

 

 

「わぁ…アキ姉ちゃんもクロウもすごいなぁ……ねぇ遊星、おれ達も今日メールがあったんだ…」

 

「お父さん達から『一緒に暮らさないか』って…」

 

「「『なんだって!?』」」

 

「よかったじゃねぇか!やっぱり家族は一緒じゃなきゃな!」

龍亞と龍可の両親は多忙な生活を送り、世界中を飛び回っている…そんな両親から『一緒に暮らそう』と連絡がくれば2人の驚きも大きいだろう…。

 

 

「でもね、それにはネオドミノシティを離れなくちゃならないの…今はアメリカにいるからって…」

 

「まだ決めた訳じゃないんだけどさ、おれもみんなと一緒にいたいし…この街が好きだから…」

 

「龍亞…龍可…」

遊星達は顔を沈ませる…街を離れプロデュエリストになるのか、医師を目指すのか、両親と暮らすのか…世界の未来を切り拓いた先に待っていたのは…「自分達の未来」の選択だった…。

 

 

 

 

「フン、くだらんな!何を迷う必要がある!」

 

 

「「『ジャック!?』」」

凛とした声に遊星達が目を向ける…そこには武者修行から帰還したジャックの姿があった。

 

「お前達!俺はネオドミノシティを離れる事を決めた!世界最大のプロリーグ・ライドAで俺は世界のキングを目指す!!」

 

「「『なんだって!?』」」

ジャックの突然の宣言に遊星達は唖然とする…海馬社長に敗れ、そのプライドをへし折られたジャック…しかし、彼はそこから立ち直り…世界の頂上を目指そうとしているのだ…!

 

 

「ジャック!前から思ってたけど何言ってるんだよ!キングを目指すって…オレ達5D'sの絆はどうなっちまうんだ!!」

クロウがジャックに詰め寄る…クロウ達の決断できない原因、それはこの街で紡いだ「絆」と離れたくないという想い…言い換えれば「絆」という糸に縛られてしまっているのだ。

その絆の糸を外し、外に飛び出そうとしているジャックは流石とも言えるだろう…。

 

 

「俺達はチームで極める事は極めた!ならば次は当然、自分一人の力で世界を切り拓く事だ!…俺は世界の大きさを知った…ならば俺は自分の力を試したい!!それを邪魔するのであれば…例えチーム5D'sの絆であろうと…蹴散らしていく!!」

 

「ジャック、お前…」

クロウ達はジャックの言葉に圧倒される…その気迫は伝説の決闘者達に引けを取らない程だった…。

 

 

「……ジャック、オレと決闘しよう」

 

「『「えっ!?」』」

 

「ほう…!」

遊星は少しの間悩み…ジャックに声をかける…!

 

「デュエルはいつもオレ達を導いてくれた…オレ達が迷っているならその答えは…デュエルの中で見つけるしかない!!」

 

「いいだろう…望むところだ!世界へ飛び出す前に、貴様を倒さなければならんからな!!」

ジャックと遊星は睨み合う…その瞳に強い意志を宿しながら…!

 

 

 

ゴオォォ─!!

 

『うわっ!風が…!』

その時だった、開け放しになっていたガレージのシャッターから強い風が通り抜ける!

 

 

《キュオオオン!!》

 

「よいしょっと!!遅れてすまん!プロの試合が長引いた!…って、タイミング悪かったか?」

 

「そうみたいですね〜」

 

「「『遊海!翠さん!』」」

 

「遊海さん!」

強い風…もとい、閃光竜の羽ばたきと共に現れたのは最強の決闘者・白波遊海と翠だった、翠の手には手製のオードブルセットがある…。

 

 

 

「この感じは…それぞれの悩みを解決する為に遊星とジャックがデュエルしようとしてたってところか?」

 

『大当たり…遊海って読心術使えたっけ…?』

 

「少しだけな?さて…デュエルするのはいいけど、腹ごしらえはしっかりしておけよ?」

 

「ジャック君もお腹空いたでしょ!唐揚げいっぱい作ってきたから!」

 

「フン…急ぐ必要はあるまい、遊星…明日朝一番だ!そこで決着を着ける!!」

 

「ああ、わかった…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「遊海さん…今日は忙しいのにありがとうございました」

 

「ん?気にするな遊星、ちょうど明日からしばらくはオフなんだ」

食事会が一段落した頃…外で風に当たっていた遊海のもとに遊星が訪れる。翠はクロウやアキと片付けを、ジャックはデッキ調整…双子達は夢の中である…。

 

 

「遊海さん、何年か振りのプロリーグはどうですか?」

 

「う〜ん…やっぱり俺の時代からはレベルが上がってるな…まぁそれでも一部の奴を除いて俺の敵じゃないさ」

 

「さすがです…」

遊海はエキシビジョンデュエルの後にスタンディングデュエルのプロリーグへと電撃復帰を果たした、デュエル界は騒然となり「決闘王」を倒して名を上げようと挑戦者が殺到したが…遊海はそのほとんどを返り討ちにした。

その様子を見て新たに付けられた二つ名は「赤き不死鳥」…奇しくもフレアと同じものだった。

 

 

「みんなから悩み事は聞いたぞ?クロウは海外リーグからのオファー、アキは医大への留学…龍亞達はご両親との同居…ジャックの件は置いといて…遊星、お前も悩んでるんじゃないか?」

 

「…はい、『フォーチュン』が完成した事でオレは目標を達成しました…それで…その先がまだ決まらないんです…」

 

「いわゆる『燃え尽き症候群』だな…遊星、お前ならこの街で人々の為の研究者になる事やプロリーグに入る選択肢もある…誘いは来てるんだろ?」

 

「はい…だから、その決断をする為にオレはジャックと戦います!オレの人生はデュエルと共にありました…だから、きっと納得できる答えが出ると思う!」

それが遊星の心からの言葉だった…。

 

「そうか…まっ、じっくり悩め!その悩んだ先に見つけた光がお前の答えさ…明日のデュエル、楽しみにしてるからな!」

 

「あっ…待ってください遊海さん!」

 

「ん?どうした?」

ガレージに戻ろうとした遊海を遊星が呼び止める…遊星は真剣な表情で遊海を見つめている…。

 

「遊海さん…ずっと聞きたかった事があるんです…!答えてもらえますか…?」

 

「ああ、いいぞ遊星…今日は何でも答えよう」

 

「…遊海さん、貴方は…()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

 

 

 

 

Side遊海

 

 

「遊海さん…貴方は…この未来を知っていたんじゃないですか?」

 

「…どうしてそう思うんだ?」

遊星の問いかけを聞いた俺は遊星にその理由を聞く…

 

 

「ずっと考えていたんだ…『もし遊海さんがいなかったら』と…もし貴方がいなければゼロ・リバースの時点で海馬社長や遊戯さん、それにさらにたくさんの人々が死ぬ事になった…それにピアスンやトビーも命を落としていた…でも、そうはならなかった…貴方がみんなを救ったからだ、そしてイリアステルとの戦い…遊海さんが対策をしてくれていたおかげで街の人々はスムーズに避難できた……それで思ったんだ、貴方は何らかの方法で未来の出来事を知っていて…それを元に動いていたんじゃないかって…」

 

「やっぱりお前は天才だな遊星…お前の言う通りだ、()()()()()()()()()()

 

「…やはり、そうでしたか」

遊星はそう言うと星空を見上げる…

 

「俺は転生者だ…お前達の歩む物語を知っていた、俺はその知識でお前達の物語をより良い未来に導こうとしたが…大きな問題が起きた…」

 

「…ラプラスの事ですね…」

 

「そうだ…『どこかで何かを間違えた俺』…その介入で俺は深い傷を負い、お前達を直接導く事ができなくなった…それでも俺はお前達を…この世界を守りたかった…!」

 

「遊海さん…」

その瞬間、遊星は察した…遊海が「ゼロ・リバース」が起きる事を知っていて…なおかつ、その発生は防げなかった…ならば遊海は…人々が死んでいくのを見ている事しかできなかった遊海の抱いた絶望はどれほど大きかったのかと…。

 

「…遊星、これから先はお前が…お前達が決める未来だ…見せてくれ、お前達が掴んだ未来の輝きを…!」

 

「はい…!!」

遊星はまっすぐ俺を見ながらそう応えた…。

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

翌朝、霧深いネオ童実野港にDホイールに乗った遊星とジャック、そして仲間達の姿があった…。

 

「(遊星とジャックが戦う…ガキの頃から何度も見てきたはずなのに…手が震えやがる…!)」

遊星とジャックの戦いを前にクロウは震える自分の手を見つめる、それは武者震い…クロウは遊星とジャックの闘気に圧倒されていた…。

 

 

「ジャック…お前と全力でデュエルするのはフォーチュン・カップ以来だな…」

 

『ああ、その間に色々な事があったが…まさか俺がお前と共に様々な敵と戦う事になるとはな…』

 

「ああ…だが、オレは楽しかった…!」

 

『フッ、俺もだ…!』

遊星とジャックは戦いを前に思い出を語り合う…。

 

 

自分達の運命を知ったフォーチュン・カップ

 

五千年に渡る光と闇の戦いに巻き込まれた冥界の王との戦い

 

仲間達と共に世界一を目指したWRGP

 

…そして破滅の未来を変える為にやって来たイリアステルとの戦い…幾つもの戦いを乗り越えた先に遊星達は未来を掴み取った、そして…最後の戦いは…

 

 

『遊星…俺はこの時を待ち望んでいた…再び、お前とデュエルする事を!!』

 

「オレも同じだ…オレも心の何処かでそう思っていた…!」

仲間であり好敵手との戦い…それを前に2人は心を燃え上がらせる!

 

 

『もう俺達のデュエルを邪魔立てするものは何もない!!』

 

「ああ、全てをぶつける…オレのデュエルを!!」

 

『無論だ!俺もお前に全てを叩きつける!デュエルに取りつかれた…ジャック・アトラスの魂を!!』

 

「フッ…!いくぞジャック!!」

 

「『スピードワールド2セット!デュエルモードON!』」

 

 

「『ライディングデュエル!アクセラレーション!』」

 

もう2人を邪魔するものはない…熱き男達の未来を切り拓く戦いが始まった…!!

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊星対ジャック

 

 

 

 

 

 

 

 

『バトルだ!「レッド・デーモンズ・ドラゴン」で「スターダスト・ドラゴン」を攻撃!アブソリュート・パワーフォース!!』

 

「リバース罠発動!『スター・エクスカージョン』!『スターダスト』と『レッドデーモンズ』を相手ターンで3ターン後のバトルフェイズ終了時まで除外する!!」

 

『なにっ!?』

最初のターンからお互いのエースを召喚した遊星とジャック…だが、2体のドラゴンは次元の狭間に消え去る!

 

 

『「スターダスト」と「レッドデーモンズ」が消えた…』

 

「ああ、2体はそれぞれの『未来』に消えた…」

 

『未来…!』

 

「ああ、そうだ!オレは…オレ自身の未来を見つけてみせる!!」

2体のドラゴンは未来に消え、その決着は未来に託された…。

 

 

 

 

「オレはレベル2の『トライアングル・ウォリアー』にレベル5の『クイックシンクロン』をチューニング!集いし思いがここに新たな力となる!光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!『ニトロウォリアー』!」

 

スターダストドラゴンがいなくとも遊星は攻めの手を緩めない…遊星はウォリアーの中でも強力な戦闘力を持つ

ニトロウォリアーを召喚しジャックに挑む!

 

 

「そして手札から『Sp-ディフェンス・バスター』を発動!ジャックの場の『トライアングルトークン』の表示形式を攻撃表示に変更する!さらに魔法カードを発動した事で『ニトロウォリアー』の攻撃力は1000ポイントアップする!!」

 

『っ…!そういう事か!!』

ジャックの場にはトライアングルウォリアーを召喚した際に特集召喚されたトークン2体が存在する…そしてニトロウォリアーはモンスターを破壊した時に相手の場に守備モンスターがいれば、その表示形式を変更し追撃できる効果がある…遊星はその効果で1ターンキルを狙う!!

 

「バトルだ!『ニトロウォリアー』で『トライアングルトークン』を攻撃!ダイナマイト・ナックル!!」

 

『させん!罠カード「ブレイク・チューン」発動!その攻撃を無効にする!さらに手札から「インフルーエンス・ドラゴン」を特殊召喚!』

ジャックの場に細身の竜人が現れ攻撃が中断される!

 

『驕るな遊星!俺とお前の決闘がたった一幕で決着すると思っていたのか?…主役が最後のセリフを吐くまで舞台の幕は降りん…このデュエルの主役はこの俺…ジャック・アトラスだ!!』

 

 

 

『俺はドラゴン族となったレベル2の「トライアングルトークン」2体にレベル3の「インフルーエンスドラゴン」をチューニング!王者の叫びが木霊する…勝利の鉄槌よ!大地を砕け!!シンクロ召喚!はばたけ!「エクスプロード・ウィング・ドラゴン」!』

返しのターン、ジャックは遊星の残したトークンを利用しオレンジ色の翼を持つドラゴンを呼び出す!

 

 

「ピンチの後にオレの残したトークンを利用してくるか…だが攻撃力は『ニトロウォリアー』が上だぞ!」

 

『そんな事は承知の上だ!俺は「パワー・サプライヤー」を守備表示で召喚!それにより「エクスプロード」の攻撃力は400アップ!バトルだ!「ニトロウォリアー」を攻撃!キング・ストーム!!』

エクスプロードから炎の息吹が放たれる…ニトロウォリアーは息吹を一瞬受け止めるがそのまま破壊され、遊星は大きなダメージを受ける…そしてその隙を突いてジャックは遊星を追い抜かす!

 

『「エクスプロード」は己以下の攻撃力のモンスターとバトルする時…そのモンスターを破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!遊星!身をもって知ったか!俺の絶対的な力を!手札ゼロの貴様に打つ手はあるまい…これこそが圧倒的強者の豪腕!お前が「剣」であるなら俺は「斧」!その圧倒的力で荒ぶる巨人に歯向かう愚かな魂を粉砕してくれる!!』

静かに降り出した雨を切り裂きながらジャックは遊星に対して自身の持つ「力」を説く…その時だった。

 

「…!!」ギャン!!

 

『っ!?待て遊星!いったい何処に行くつもりだ!?』

デュエルレーンが二手に分かれる…本来であれば右へ進むべきルートだったが…遊星は左側へと進入する!

 

 

「ジャック…悪いがオレとお前の道は違う…オレの道は風と共にある!そのバカでかい斧じゃ捉える事はできないぞ!!」

 

『フッ…!ほざいたな!』

 

「お前がそうさせる…このデュエル、勝利は譲らない!」

 

『否!!勝利は掴み取るものだ!!』

遊星とジャックは互いに笑いあう…遊星とジャックはこのデュエルを楽しんでいた…。

 

 

デュエルは続いていく、遊星は「ターボ・ウォリアー」を召喚し「エクスプロードウィングドラゴン」を撃破する…だが、ジャックも負けてはいない、新たな力である赤き鬼神「クリムゾン・ブレーダー」を召喚…「ターボウォリアー」を撃破した上で遊星の召喚を封じ追い詰める…だが遊星はそのピンチを罠カード「スクランブル・エッグ」を発動し攻撃力1900以上のモンスターとの戦闘では破壊されない「ロード・ランナー」を呼び出す事で回避する…そして2人の運命はついに動きだす…!

 

 

 

 

「バトルフェイズが終了した時!『スター・エクスカージョン』の効果で除外されていた『レッドデーモンズドラゴン』と『スターダストドラゴン』が戻ってくる!」

 

ジャックのバトルフェイズが終了し「スター・エクスカージョン」によって除外されていた「レッドデーモンズドラゴン」と「スターダストドラゴン」が帰還する…戦いの舞台は雨の降っていたシティから快晴の旧サテライトへと移る…!

 

 

 

「ゾーンとの戦いの時、父さんと母さんがオレの心に語りかけてくれたんだ、オレの成すべき事を…モーメントの遊星粒子のように人の心を導き、人の心を繋ぐのだと…もし、みんなが離れ離れになったとしても!オレは遊星粒子のようにみんなの心の間を繋ぐ『絆』になりたい!…だから迷う事はない!オレ達は1人で立ち、1人で進む事ができる!!」

遊星はジャック…そして仲間達へと自分の想いを伝える、例え遠く離れていようと遊星達の紡いだ『絆』はきっと断ち切れる事はない…離れていても仲間達との『絆』が勇気を与えてくれる…遊星の言葉は迷っていた仲間達の心を奮い立たせる…!

 

 

『フッ…ならば俺は立つ!!キングとして世界に進む!…遊星、最後まで見届けろ!俺の荒ぶる魂を─!!』

 

「ああ…!来い!ジャック!!」

遊星の言葉を聞いたジャックはその魂を燃え上がらせる!!

 

 

王者と悪魔!今ここに交わる!!荒ぶる魂よ…天地創造の叫びをあげよ!シンクロ召喚!!いでよ!「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」!!

 

《ガオオォォン!!》

 

ジャックの魂の化身…スカーレッドノヴァドラゴンが咆哮を轟かせる、その攻撃力は6000…ジャックは己の全てを懸けて遊星に挑む…!

 

 

「集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く!光さす道となれ!アクセルシンクロォォ!!生来せよ!『シューティング・スター・ドラゴン』!!」

 

『来たか…!!』

遊星も負けてはいない、ジャックに対抗するように白き流星龍が降臨する!

 

 

『狙いは「クリムゾンブレーダー」か…だが、「スカーレッドノヴァドラゴン」は自身を除外して攻撃を無効にできる!!』

 

「だが『シューティングスター』はデッキトップを5枚めくり、その中のチューナーの数だけ攻撃できる!!…チューナーは3体!いけ!シューティング・ミラージュ!!」

チューナーを引き当てた遊星はクリムゾンブレーダーを撃破する…だが、攻撃力6000のスカーレッドノヴァには届かない…!

 

 

 

 

『遊星、このターンで決着を着ける!罠カード「スカーレッド・コクーン」を発動!このカードは「スカーレッドノヴァ」の装備カードとなり…このカードがバトルする時、相手の効果を無効にする!!』

 

「っ!!」

ジャックは遊星に王手をかける…戦いの舞台は何処を走ったのか工場地帯へと突入する!!

 

 

『バトルだ!「スカーレッドノヴァ」で「シューティングスター」を攻撃!!』

 

「まだだ!罠カード『ハイ・アンド・ロー』を発動!!デッキトップを墓地に送り、そのカードがモンスターだった時攻撃対象となっている『シューティングスター』の攻撃力をそのカードの攻撃力分アップする!そしてこの効果は3回まで繰り返す事ができるが…『シューティングスター』の攻撃力が相手の攻撃力を超えた時、『シューティングスター』は破壊される…!」

 

『なるほど…その効果でダメージを減らそうという魂胆か!!』

 

「それだけじゃない…これはオレの未来を賭けた一手だ!このドローは…きっとオレの未来を指し示してくれる!!」

ジャックが自分の全力を出したように…遊星も自分の全てをデッキに賭ける!!

 

 

「1枚目!…『ソニック・ウォリアー』!攻撃力は1000!」

 

 

「2枚目!…『スピード・ウォリアー』!攻撃力は900!」

《ギュアアアン!!》

 

この時点でシューティングスターの攻撃力5200…遊星の残りライフは900…フィールドはガラ空きになるが攻撃を耐える事ができる…

 

 

 

『これで「シューティングスター」は破壊され、お前のフィールドはガラ空きになる!』

 

「オレは…『ハイ・アンド・ロー』の3回目の効果を使う!!」  

 

『なにっ!?ここで()()()8()0()0()以上のモンスターを引けばお前の自滅だぞ!?』

 

「そんな事はわかってるさ…お前はなんのリスクも負わずに勝てる相手じゃない、オレは自分の可能性を…このドローに賭ける!!」

ジャックの驚きを他所に遊星はデッキトップに手を賭ける…だが、遊星の前にさらなる難関が立ち塞がる!

 

『っ!遊星前を見ろ!貴様の先に道はない!!諦めろ!!』

遊星達の戦いはいつの間にかに工場の中に移っていた…そして遊星の走る道は途切れ、真っ赤に燃え盛る溶鉱炉が口を開けている…!!

 

「デッキよ…オレに答えを──!!」

 

『待て!遊星─!!』

ジャックの制止を聞かず遊星はスピードを上げる!!

 

 

 

「3枚目…ドロー!!!」

 

 

 

遊星は燃え盛る溶鉱炉を飛び越えながらカードを引く、そのカードは──

 

 

 

 

 

「3枚目!!『ボルト・ヘッジホッグ』!!」

 

 

 

 

『バカな!?「シューティングスター」の攻撃力を「スカーレッドノヴァ」と同じにしただとぉ─!?』

遊星は自分の未来を引き寄せた…!

 

 

 

《ガオオォォン!!》

 

《ギュアアアン!!》

 

攻撃力が互角となった2体のドラゴンは殴り合い、炎とエネルギーの息吹をぶつけ合い…そして取っ組み合いになり、お互いに砕け散る!!

 

 

『ぐおぉぉ…!?だが、「スカーレッド・コクーン」が破壊された時!このターンのエンドフェイズに墓地から「レッドデーモンズドラゴン」を特殊召喚する!!』

 

「罠カード発動!『クラッシュ・スター』!!自分のシンクロモンスターが破壊された時手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを特殊召喚する!こい!『ロードランナー』!『ソニックウォリアー』!」

お互いに切り札を破壊された2人はそれぞれにモンスターを召喚し立て直しを図る!

 

 

『遊星!そんな雑魚共では我が魂「レッドデーモンズドラゴン」には太刀打ちできんぞ!』

 

「それはどうかな?」

 

『なに!?』

ジャックの指摘に遊星は不敵に返す…!

 

 

「ジャック、どうやらオレには自分の未来が見えて来たぜ…!オレの…ターン!!」

遊星は自分の未来を引き当てる…そのカードは──

 

 

「オレは『ジャンク・シンクロン』を召喚!!」

遊星が引き当てたのは遊星のもっとも頼りにするチューナー…そしてこのカードが遊星の未来を切り拓く!!

 

「『ジャンクシンクロン』の効果!墓地の『スピードウォリアー』を特殊召喚!さらに『ボルトヘッジホッグは』チューナーがいる時、墓地から特殊召喚できる!」

遊星の場に5体のモンスターが現れる、そのモンスター達はレベルが低くても、攻撃力が高くなくとも遊星の使い続けてきたモンスター達…遊星のデュエルを支えてきた『仲間』達だった!

 

 

「レベル2の『ソニックウォリアー』にレベル3の『ジャンクシンクロン』をチューニング!!集いし星が新たな力を呼び起こす!光さす道となる!!シンクロ召喚!いでよ!『ジャンク・ウォリアー』!!」

 

『ここで「ジャンクウォリアー」だと!?』

遊星の場に青き戦士が現れる…それを見たジャックは驚きをあらわにする!

 

「そして『ソニックウォリアー』が墓地に送られた事で効果発動!自分フィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力を400アップする!さらに『ジャンクウォリアー』の攻撃力はフィールドのレベル2以下のモンスターの攻撃力の合計分アップする!パワー・オブ・フェローズ!!」

ジャンクウォリアーに3体のモンスターの力が結集する…遊星はその身を以って絆の力の新たな可能性を指し示したのだ!

 

 

『攻撃力…5500だと─!?』

 

「ジャック!お前とのデュエルがオレに教えてくれた…オレの魂に宿るものを!!」

 

『やっと見つけたか、お前の道を!』

遊星がジャックに自分の決意を伝える──

 

 

「オレは──」

 

 

 

 

「この街に残る!!」

 

 

 

「「「「「!!!」」」」」

 

「…やっぱり、その道を選んだか…遊星」

遊星の言葉を聞いたジャック、そして中継を見ていた遊海と翠を除く5人は驚きをあらわにする…。

 

 

『遊星、貴様──』

 

「フッ…行くぞ、ジャック!!」

遊星は工場地帯のパイプ、そしてクレーンを使い空へと跳び上がる!!

 

 

「『ジャンクウォリアー』で『レッドデーモンズドラゴン』を攻撃!!」

遊星の言葉に従いジャンクウォリアーが加速する!!

 

 

 

「スクラップ・フィストォォォ──!!」

 

 

遊星の全力を込めた黄金の拳が振り下ろされる…レッドデーモンは炎を纏った掌底で拳を受け止めるが…ジャンクウォリアーは光を纏い巨大な拳へと変化…レッドデーモンを粉砕し、巨大な爆発がジャックのライフを削りきった…。

 

 

ジャックLP0

 

遊星 WIN!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁ〜………見事だ、遊星…この世に不要なものなど無い…絆を合わせ強者を倒す渾身の一撃、俺の魂に響いたぞ遊星!…どうやらこの街に戻る理由ができたな』

 

「いつでも戻って来いよ!オレは待ってる!」

 

『フン!次は負けんぞ!!』

 

「また全力を尽くそう!!」

 

デュエルが決着し遊星とジャックは拳を突き合わせてから握手を交わす…今回の決闘は遊星の勝利で終わった、しかしジャックはきっと遊星に戦いを挑むだろう…好敵手に勝つ為に──

 

 

「「「遊星ー!!」」」

 

「みんな!」

2人の決着に少し遅れて観戦組が駆けつける…その目に迷いの色はない、ジャックと遊星…2人の魂の決闘の中で全員が自分の進む道を決める事ができたのだ…。

 

 

「決めたぜ遊星!オレはプロリーグに行く!」

 

「私もしっかり勉強してくる!!」

 

「わたしも!向こうについたら毎週手紙を書くわ!」

 

「今まで甘えられなかった分も甘えてくる!」

 

「みんな、それぞれの道を見つけられたんだな…!」

 

「「「「ああ!/うん!」」」」

遊星の問い掛けに全員が頷く

 

「フッ…成長したなお前達、ここから先はお前達が切り拓いていく未来だ!自分の信じる道を進んで行け!チーム5D's!!」

 

「はい!!…例え離れていようとオレ達の絆は永遠だ!」

 

「「『『「おおぉ─!!」』』」」

 

遊星達7人、そして遊海と翠が拳を突き合わせて声を上げる…新たな未来はここから始まっていくのだ…、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side龍亞&龍可

 

 

 

「いろんな事があったね…」

 

「うん、この街で起きた事はずっと忘れない…!」

引越の準備を進めながら兄妹はテラスから街を見下ろす、楽しい事や嬉しい事…辛い事や悲しい事もあった…だが、その経験は必ず2人のこれからの人生の糧になるだろう…。

 

 

「…龍亞も変わったね!」

 

「えっ、そう?」

龍亞の横顔を見ながら龍可が語りかける…

 

「昔はすぐに泣きべそかいてたのに…頼もしくなった…ううん、男らしくなった!」

 

「そ、そうかな…!でもそうじゃなきゃ!これからはおれ一人で龍可を守っていくんだから!」

龍亞は少し照れながら龍可に応える…5D'sメンバーの中で一番の成長を遂げた龍亞…彼は妹を守り、強い決闘者になる為にこれから歩み出していく…!

 

 

「ふふっ…頼りにしてるわよ!…()()()()()!」

 

「へっ!?あ!うわあ〜!?」

 

ドッシーン!!

 

「お兄ちゃん!大丈夫!?」

 

龍可の突然の「お兄ちゃん」呼びに動揺した龍亞はテラスの踏み台から転げ落ちた。

 

 

 

 

…龍亞が本当に強い男になるにはもう少し、時間が必要なようだ…。

 

 

 

SideOUT

 

 

 

Sideクロウ

 

 

 

『…そうかい、それがお前の決めた道なら私は応援するよ!』

 

「サンキューな、マーサ…でも子供達になんて言ったらいいか…」

クロウは自分の進路を育ての母であるマーサ、そして自分を慕ってくれている子供達へ報告に来ていた…

 

 

『寂しがるだろうけど…しょうがないねぇ…みんな、こっちにおいで!』

マーサが子供達を呼び寄せる…

 

「よう!クロウ!元気にしてっか!」

 

「プロリーグに行くんだってな!」

 

「クロウの実力で通用するのかな〜?」

 

「お前達…知ってたのか!?」

 

「まぁね!もう子供じゃないも〜ん!!」

マーサに呼ばれた子供達はクロウのプロリーグ行きを既に勘付いていた…一見クロウが街を離れる事をなんとも思っていないように振る舞う子供達だったが…

 

 

「さっさと行っちゃえよ!クロウが居なくても…寂しく、ないし…!」

 

「そうすりゃ、俺達もせいせい…するっ"で…!」

 

「お前達泣くなよ!ダメだろ!クロウ兄ちゃんに…心配かけないように、送り出さなきゃ、って…!!」

 

「お前達…!」

それはただの強がりだった…クロウに心配をかけないように悲しみを我慢していたが…それはもう限界だった…。

 

「…みんな、ありがとな…オレは絶対に強くなって帰って来る…!ずっと、お前達の『夢』でいるためにな…!!」

クロウは子供達抱きしめながら約束する…必ず、この街に帰って来ると…!

 

「きっと…きっとだよ!クロウ兄ちゃん!!」

 

「みんなで待ってるからね─!!」

 

「ああ…約束だ─!!」

 

子供達とクロウは暫しの間、一緒に泣き続けた…別れを惜しむように…彼らの温もりを魂に刻むように…

 

 

SideOUT

 

 

 

Sideアキ

 

 

 

「本当に行くんだね…」

 

「うん!心配しなくても大丈夫!もう子供じゃないんだから…」

アキが医大への留学準備を進めていた時、両親が彼女の部屋を訪れる…。

 

 

「お前の事だ…頑張り過ぎて倒れないかが心配だよ…」

 

「そうね…それより()にはちゃんとお別れを言ったの?」

 

「えっ…?」

母の言葉にアキは首を傾げる…

 

「…遊星君だよ、彼がいたから今のお前がいる…ちゃんと話してきなさい」

 

「アキ、行ってきなさい…彼の笑顔をその目に焼き付けるの…それが遠く離れた場所でもあなたを励ましてくれるわ」

 

「うん…わかった!」

両親の言葉を聞いたアキは荷造りを終えると外に出た…遊星に逢う為に…。

 

 

 

SideOUT

 

 

 

Sideジャック

 

 

 

「………ふぅ…」

 

「(うぅ〜…ジャックぅ〜…)」

ジャックは独りカフェでお気に入りのコーヒー「ブルーアイズ・マウンテン」を飲んでいた…この街を離れる前の最後の一杯である…その様子をカフェの店員であるステファニーが涙目で覗いている…。

 

 

「アトラス様!やっと見つけました!やはりこちらでしたか」

 

「むっ…何の用だ?」

コーヒーを味わっていたジャックのもとに御影が訪れる、どうやらジャックの事を探していたようだ…。

 

 

「元・治安維持局を代表してアトラス様に餞別を持ってきたんです!」

 

「餞別だと?………ブゥーッ!?な、なんだこの量は!?」

 

「アトラス様のファンは多いものですから…」

ジャックは思わずコーヒーを吹き出す…ジャック宛だという餞別…その量は軽く2tトラック2台分もあった、コーヒーを吹き出すのも無理ないだろう…。

 

「ええい!ここの広報宛にでも送っておけ!ここが新たな拠点だ!」

ジャックは御影にライドAの名刺を渡す…おそらく部屋はプレゼントで溢れかえる事になるだろう…。

 

「うん?…あれって…(汗)」

 

「えっ…あ!何をやってるのよカーリー!!」

 

「あ…バレちゃった?」

ステファニーがジャックの宛のプレゼントの山を指差す…そこにはプレゼントに紛れたカーリーが隠れていたのだ…。

 

「こうしてればジャックの所に行けると思って…」

 

「なわけないでしょうが!!貴女は何処のストーカーなドラゴン娘よ!?」

カーリーは御影に叱られトラックから降ろされる…その時だった…!

 

 

ビュオォォォ─!

 

 

「キャッ…!?」

 

「風が…!」

 

「なんだ…!?」

ジャック達のいる広場を強風が吹き抜ける…しかし、その風は強くとも体を包み込むような優しい風だった…。

 

 

「なんだったんだいったい…春一番はとうに過ぎたぞ…」

ジャックは風によって巻き上げられた埃を払う…

 

「いた〜い…目に埃が…」

 

「ちょっと!カーリー貴女大丈夫!?メガネは!?その前にすごい涙よ!?」

 

「えっ…?」

御影の言葉にカーリーは頬を触る…カーリーの目からはとめどなく涙が溢れてくる…。

 

「むっ…カーリー大丈夫か?メガネは…お前の足下か、まったく…お前はメガネがなければ何も見えないのだろう…気をつけろ!だが、本当に涙が止まらんのか…ステファニー、水を頼む…御影、目薬を持ってきてくれ…ガレージの救急箱にあったはずだ」

 

「わかりました!すぐに汲んでくるわ!」

 

「目薬ですね!すぐに持ってきます!」

ジャックの指示を受けた2人は必要なものを取りに行く…。

 

 

 

「どうして…涙が止まらないの…ジャックを笑顔で、見送ろうと、思って…たのに…」

 

「…泣くな、カーリー…お前に泣いている姿は似合わん、笑っていろ…その笑顔が俺は…(好きだ…とは言えん、俺は…まだ…)」

座り込んでしまったカーリーをジャックが介抱する…ジャックはカーリーへかける言葉を飲み込む…自分はまだカーリーに見合う男になる事ができていないと…。

 

「ジャックぅ…頭まで痛くなってきた〜…」ふらっ…

 

「なに…!?いったいどうしたというのだ!風邪でもひいていたのか…!」

頭を抑えてうずくまるカーリー…ジャックはバランスを崩した彼女を抱きかかえる事しかできなかった…。

 

 

SideOUT

 

 

 

 

Sideカーリー

 

 

「(私、どうしたの…?なんでジャックが私を見下ろしているの…?)」

カーリーはふらつく頭で思考を巡らせる…ぼやける視界ではジャックが必死に何かを叫んでいる…

 

「(ああ…なんだろう…前にも、こんな事があったような……)」

 

『それ以上はダメよ、私…それ以上は思い出しちゃいけない』

 

「えっ…?誰…誰なの?」

 

『…私は貴女、貴女は私…』

その声を聞いた瞬間、カーリーの意識は深く落ちていった…。

 

 

 

 

『ようこそ私…ここは貴女の心の中…』

 

「あなたは…私…?」

気づけばカーリーは真っ暗な場所にいた…彼女の正面には大きな扉、そしてその前に立つ白目が黒く染まった彼女自身…ダークシグナー・カーリーがいた。

 

 

『この扉は貴女の閉ざされた記憶の扉…優しい王様が封印していた、貴女の知りたかった記憶がここにある…』

 

「私の、知りたかった記憶…」

カーリーは静かに扉へと近づく…

 

『私は貴女を止めはしない…でも、貴女は思い出したらもう()()()()…後悔はないかしら?』

 

「私は…私の覚悟は決まってる、この先にあの人が必要としている記憶があるのなら…私は後悔なんてしないんだから!!」

カーリーは扉に手をかける、その脳裏には目覚めたあの日…ジャックの浮かべていた切ない表情があった…。

 

 

『そう…じゃあね、カーリー渚…幸運を祈ってるわ』

 

そんな声を聞きながらカーリーは扉を押し開く…そして彼女の視界は光に包まれた…。

 

 

 

SideOUT

 

 

 

Sideジャック

 

 

 

「カーリー!大丈夫か!気をしっかりもて!!」

 

『…ジャック……ジャック!!』

 

「カーリー!?うおっ!?」

突然目を覚ましたカーリーがジャックへと抱きつく!

 

「どうした大丈夫なのか!?」

 

『うん…大丈夫…!大丈夫…!思い出した、思い出せたの!!ごめんなさいジャック!!私、わたし…貴方に酷い事を!!』

 

「なっ……ダークシグナーの時の記憶が、戻ったのか!?」

カーリーの言葉にジャックは取り乱す…カーリーの記憶が戻った…それは嬉しい出来事だ、しかしそれはカーリー自身の「死」の記憶、そしてカーリーの犯した「罪」をも思い出したという事なのだ…。

 

『全部、思いだしたの…死んじゃった時の事も…ダークシグナーとしてジャックと戦って…それでも、私を好きだと言ってくれた事…ありがとうジャック…そしてごめんなさい!私──』

 

「それ以上言うなカーリー…謝るのは俺の方だ…あの時、お前を守れなかったのは…俺が弱かったからだ…なればこそ、俺はお前に見合う男になるまで待つつもりだった…だが、記憶が戻ったのなら…聞かせてくれカーリー…」

 

 

「俺に付いてきてくれるか…?」

 

『グスッ…あたりまえ…なんだからぁ!!』

 

ジャックとカーリーは熱い抱擁を交わす…もう、2人を隔てるものは何もない──

  

 

 

「……あ〜あ、結局カーリーさんの一人勝ちかぁ…悔しいなぁ…」

 

「しょうがないわ、一番アトラス様を慕っていて…一番最初に告白したのはカーリーなんだもの…完敗よ」

カーリーとジャックの様子を見守るステファニーと御影…その表情に悲しみはない…どことなく晴れやかな様子でジャックとカーリーを見守っていた…。

 

 

《キュオオオン…》

 

 

優しい風が再び広場を吹き抜けた──

 

 

 

SideOUT

 

 

 

Side遊星

 

 

ガラガラガラ

 

「ん?アキ、来てたのか…いま電気を…」

 

「…電気は、つけないで…」

 

「えっ…」

仲間達が旅立つ前の最後の夜…ガレージに戻った遊星を待っていたのはアキだった…電気を点けずにいたアキを心配して遊星が電気を点けようとするが…それはアキ自身に止められる…。

 

「ここで待ってたら色々な事を思い出して、今の顔は見せられないわ…もう、ここには遊星とブルーノしかいないのね…」

 

「ああ、ブルーノは研究所に泊まり込みで今日は帰って来ないけどな…今日はどうしたんだ?」

 

「遊星にはちゃんとお別れを言っておこうと思って…」

 

「…そうか」

薄暗いガレージの中で2人は向かいあう…

 

 

「遊星…私、貴方を!……貴方に会えて、よかった!」

 

「…ああ、オレもだよアキ」

 

「ふふっ…貴方に会った初めの頃…本当はとっても怖そうな人だと思ってたの!」

 

「フッ…アハハ!オレだってそうさ、アキに睨まれると本当に怖いからな!チーム戦で負けて帰ったら何をされるかビクビクしてたよ…」

 

「えっ…そんな事思ってたの!?」

2人は静かに、楽しそうに語り合う…

 

 

「アキ、笑顔を忘れるな…お前の笑顔は誰にも負けない」

 

「その笑顔をくれたのは貴方よ、遊星…」

 

「アキ…」

 

「遊星…」

2人は暫くの間見つめ合う…そして…

 

 

「じゃあ、行くね…」

 

「ああ、行ってこい」

アキは遊星から離れ、階段を駆け上がる…

 

「アキ!」

 

「…なに?遊星」

遊星はアキの背中に声をかける…。

 

「…オレは、待ってる…みんなが…アキが帰ってくるまで…ずっと…!!」

 

「…うん!またね!」

 

そう言ってアキはガレージを後にした…。

 

 

 

SideOUT

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「よっ!遊星、コーヒーでも飲むか?」

 

「遊海さん、いつのまに…ありがとうございます」

街を一望する高台からネオドミノシティを眺めていた遊星…その隣に遊海が缶コーヒーを持って現れ、コーヒーを手渡す…。

 

 

「…遊海さんはこのあと…どうするんですか?」

 

「ん…しばらくはこの街を拠点にプロを続けるよ、次の戦いが始まるまでな…」

 

「次の戦い…それはいつ頃なのかわかるんですか?」

 

「それがな…ま〜ったくわからないんだな!1年後か、10年後か…100年後か…まぁ、気長に待つさ…この世界を守り見届ける…それが俺の役目だからな」

遊海は静かにコーヒーを啜る…その目には遥か遠くが写っているような気がした…。

 

 

 

『不審者2名を発見〜、これより職務質問を開始するー!…ってな!よう!遊星、遊海!』

 

「牛尾…」

 

「こんばんは牛尾さん、パトロールですか?コーヒー飲みます?」

 

『おっ!ありがとよ!』

遊星達の背後から現れたのは牛尾だった、どうやらパトロールの途中でこの場所に立ち寄ったらしい。

 

 

『どうしたんだ?こんな時間に英雄サマが2人揃って…』

 

「俺は遊星に会いに来ただけですよ…遊星は…」

 

「今夜は眠りたくないんだ、あいつらがいるこの街を…この空気を胸に刻んでおきたい」

 

『はっ…言う事がキザだね〜』

 

「フッ…」

 

 

『明日にはみんな出発するんだろ?いいのか?本当に』

牛尾が遊星に問いかける…

 

「本当は言いたいさ…『みんなずっと一緒にいてくれ!』って…けど、それはできない…みんなが自分で選んだ道だからな…」

遊星も本当は仲間達とは別れたくなかった…しかし、未来を選ぶのはそれぞれの自由…誰もその歩みを止める事はできない…。

 

『それでいいのかよ?お前達の絆は…』

 

「それが『絆』ですよ牛尾さん、絆は確かに大切なモノです…でも、絆だけでは解決できない事も出てくる…時には強すぎる絆が仇になる事もあります…それでも、絆が俺達の背中を押してくれる事もある…」

 

「遊海さんの言う通りだ、自分の人生は自分で責任を持って生きていかなきゃならない…それが『今』、オレ達はそれぞれに新たなステージに向かって行くんだ!」

 

『なるほどな…いつの間にかお前達も大人になってたわけか…』

遊星と遊海の言葉に納得したのか牛尾は澄み渡る夜空を見上げる…

 

「ジャックと戦って気づいたんだ、この街は『オレ自身』だ!オレの魂はこの街と共にあったんだって…だから…よっ!!」

 

『おい!?危ねえぞ!』

遊星は見晴らし台の柵の上に立ち上がる!

 

「あいつらが帰ってきた時!オレ達の故郷は…チーム5D'sが救った街は!こんなに素晴らしい街だったんだって!…そう誇れるネオ童実野シティにしていくのがオレの役目さ!」

そう言って遊星は街を見渡す…明日への希望を見つめながら…。

 

 

 

「(見ているか?ラプラス、ゾーン…未来は正しく進み始めた…だから、安心して眠ってくれ…この世界は俺達が守っていくからさ…)」

遊星の隣で遊海も思いを馳せる…その身を犠牲に未来を救おうとした2人の英雄の安らかな眠りを祈りながら…。

 

 

 

 

 

 

 

その翌朝、早朝のハイウェイに9人の人影があった…それはチーム5D'sのメンバー達…解散式代わりのラストランをする為に集まったのだ!

 

 

「行くぞみんな!これが『チーム5D's』のラストランだ!!」

遊星の掛け声と共に7台のDホイールと2台のDボードが走り出す!

 

 

「俺は必ず帰ってくる!真の王者となって!」

 

「見てろよガキ共!オレの活躍を!!」

 

「ありがとう!ネオドミノシティ!」

 

「私達の故郷!!」

 

「さよならは言わない…また会える日まで!!」

 

ジャック・クロウ・龍亞・龍可・アキがネオドミノシティに別れを告げる…

 

 

「みんな!いつでも帰ってきなよ!ボクは遊星と待ってるからねー!」

 

「俺はプロで世界を巡るからな!会えたなら話を聞かせてくれ!」

 

「みんなー!身体に気を付けて頑張ってね〜!」

街に残るブルーノ・遊海・翠がエールを送る…その時だった!

 

 

《キュオォン!!》

 

 

「赤き竜!?」

ハイウェイを駆け抜ける遊星達の頭上に赤き竜が現れる…

 

《キュオオォォン!!》

 

キィン─!

 

 

「あっ…赤き竜の痣が…」

 

「離れていく…」

 

赤き竜の咆哮と共に6()()の痣が浮かび上がり、赤き竜へと戻っていく…

 

「赤き竜…お前も自分の役目を終えたんだな…ありがとう…!」

赤き竜はそのまま空の彼方へと昇っていく…役目を果たし、眠りにつくために…

 

 

 

そして遊星はネオダイダロスブリッジの前で旅立つ仲間とハイタッチを交わす…そして5人はそれぞれの新天地へと旅立って行った…。

 

 

 

「ここから先は俺達が作り出す未来…走り続けようぜみんな!『人生』という名のライディング・デュエルを!!」

5人を見送った遊星は加速しモニュメントを駆け上がり空中へと飛び出した!!

 

 

 

「ライディング・デュエル!アクセラレーション!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは数奇な運命に導かれた6人の決闘者とドラゴン達の物語…だが、彼らを繋ぐのはもはや運命ではない…。

 

 

6人を繋ぐのはかけがえのない『絆』

 

 

ここに絆の物語は終わりを迎える…しかし、彼らの物語はまだ終わらない…光輝く未来へ向かって道は続いていく──

 

 

 

 

 

 

第3部 5D's編 完





改めましてこんにちは!S,Kです!ようやく5D's編を完結させる事ができました!大変長らくお待たせしてしまいました…申し訳ありません!

そしてハーメルンの読者の方々に感謝を…皆さまのコメントが私の元気の元です!これからもよろしくお願いします!


そして決闘の観測者は次なる舞台へ進みます…。
遊海達を待ち受けるのはさらなる決闘者達…遊海と翠はどのように戦っていくのか…どうぞお楽しみに!











NEXTStory…?















未来を掴む戦いから月日は流れ…いま、新たな戦いが始まろうとしていた…。



【この扉を開く者は新たな力を手にする…しかし、その者は代償として「一番大切なモノ」を失うだろう…】










「だ、誰だよお前!?」

《私の名はアストラル…君の名は?》

「オレは…九十九遊馬!デュエルチャンピオンを目指してる中学1年生だ!」

謎の力に導かれ出会う2人の決闘者…



《私の記憶は失われている…記憶を取り戻すには私の記憶のカケラ…100枚の『No.』を集めなくてはならない》


『No.』…アストラルの記憶と力を宿した100枚のカード…それには人の悪意を増幅させる力…そして、世界を滅ぼしかねない力が宿っていた…!



「チッ…イラッとくるぜ…!」


「人は…俺を『ナンバーズハンター』と呼ぶ…」


『No.』を巡り戦いをくり広げる決闘者達…その果てに待つ結末とは…?



転生して決闘の観測者になった話 第4部 ZEXAL編 近日執筆開始予定!





「かっとビング!それは勇気をもって一歩踏み出すこと!
かっとビング!それはどんなピンチでも決して諦めないこと!
かっとビング!それはあらゆる困難にチャレンジすること!…デュエルチャンピオンを目指して…かっとビングだ!オレ─!!」
 





「お前は…それでも父親なのか!!答えろ!バイロン─!」

【ボクは父なんかじゃない…今のボクの目的はただ1つ、復讐だ!!】

「お前を支配する闇から…いま開放してやる!」












【A…AAaaaaaa──…】
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