転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

無事にオリュンポス攻略終わりました!


…ベリル、そしてリンボ…おめーらは…絶対に許さねぇ!!


コホン…それでは最新話をどうぞ!

P.S

忘れてた…今日は私の誕生日だった…。


明鏡止水─走り続けた先へ─

「遊星!お前なぁ…『No.』を拾ったなら拾ったで先に俺に連絡をくれよ!?コレ、結構危ないカードなんだぞ!?」

 

『そうだったのか…アキや流星に手渡しても大丈夫そうだったから安心していたんですが…』

 

カイトとの遭遇の後、動揺していた遊星の孫・流星を家に案内した俺はネオドミノシティの遊星とテレビ電話をしていた、見た目は…穏やかに歳を重ねたZ-ONEといえば伝わるだろうか?

 

 

「おそらく…お前が『クリアマインド』を習得してたおかげで元々負のカードだった『No.』の力が相殺されたんだと思うが…まぁ、お前らしいカードだよ」

 

『ははは…ありがとうございます…』

遊海は手にした『秘鳥フォーチュンチュン』を見る…かつて遊星の開発した『フォーチュン』、そして『幸運の青い鳥』をイメージしたであろうこのカードはまさに遊星の心を写したと言われれば納得である。

 

 

「…で、なんで流星をこの街に向かわせたんだ?」

 

『……やっぱり遊海さんには全部お見通しですね…実はあの子は…「クリアマインド」には到達しているんですが…「アクセルシンクロ」ができないんです…』

 

「なんと…?」

遊星の言葉に遊海は首を傾げる…アクセルシンクロは超スピードの中で明鏡止水の境地…「クリアマインド」を習得する事で可能になるライディングデュエルでの切り札…本来であれば「クリアマインド」を身に着ければ自然とアクセルシンクロは可能になるのだが…?

 

『流星は少し気弱なところがあって…おそらく()()()でブレーキを掛けてしまっているようなんです…』

 

「なるほどな、それで俺に修行をつけてほしいと…わかった!普通にライディングすればいいな!」

 

『相変わらずですね遊海さん…流星を頼みます』

 

「ああ、まかせとけ!キッカケぐらいは掴ませるさ」

遊海はそう言って電話を切った…。

 

 

 

 

 

《フォウ、フォ〜ウ!キュー!》

 

『あはは!フォウってモコモコだな〜!よしよし〜』

 

「…なんだか新鮮な光景だな…」

リビングに戻ると流星とフォウが戯れていた、遊星似の彼が無邪気な笑顔を浮かべていると昔を思い出す…なかなか感情を表に出さなかった遊星、その孫がこうして笑っていると…あの時に未来を守る事ができてよかったと改めて感じる事ができる…。

 

『あっ、遊海さん!お祖父ちゃんは何か言ってましたか?』

 

「ん?ああ、お前に修行をつけてほしいってさ!なんだか悩み事があるらしいじゃないか?」

 

《フォウ?》

遊海はソファに座っていた流星の隣に腰掛ける

 

『実は…僕、お祖父ちゃんみたいなアクセルシンクロができないんです…若い頃のお祖父ちゃんの事は昔から聞かされてきました、アクセルシンクロを使ってすごく強い決闘者としのぎを削ったって…だから僕もお祖父ちゃんの…「ネオドミノシティの英雄」みたいにアクセルシンクロを受け継ぎたいんです!』

流星はまっすぐな目で思いを語る…

 

「なるほど…流星、お前は本当に遊星に憧れてるんだな…わかった、明日は日曜日だ…俺がライディングデュエルに付き合おう!」

 

『本当ですか!?ありがとうございます!伝説の決闘者とデュエルできるなんて光栄です!』

《フォウ!キュー!》

遊海の提案に流星は目を輝かせて喜んでいる。

 

「2人とも〜ご飯できましたよー!」

 

「おっ、ありがとう!流星、今日は家に泊まっていくといい!」

 

『ありがとうございます!』

 

《フォ〜ウ!》

 

「ふふっ、フォウ君も嬉しそうね!」

 

 

その日は3人で楽しい食卓を囲んだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし…用意はいいか、流星!」

 

 

『はい!いつでも行けます!』

翌日、遊海と流星の姿は隣町のデュエルサーキットにあった…そしてその観客席では……

 

 

 

「スゲー!これがライディングデュエルのサーキットか!」

 

「私、生で見るの初めて!」

 

「あの人…本当になんでもできるよな…」

 

(ライディングデュエル…興味深いな…)

 

遊馬にアストラル、そして小鳥と鉄男がライディングサーキットを眺めている、その経緯は少し遡る…

 

 

 

 

─朝─

 

 

 

「じゃあ、先に行ってるからな!」

 

「はい!あとからお弁当持って行きますね!」

 

『ありがとうございます!』

翌朝、朝食を摂った遊海と流星はDホイールの整備を終えてライディングレーンへと向かおうとしていた、そこへ…

 

 

 

「あ!おはよう白野!…あれ、その人は…?」

 

(この辺りでは見かけない顔だな…それに、デュエルディスクと一体化したバイク…?)

 

たまたま遊馬とアストラルが通りかかる、私服を着てる事から何処かへ遊びに行くのだろう。

 

 

「おう!おはよう遊馬!こいつは俺の知り合いの流星君だ!」

 

『こんにちは!不動流星です!』

 

「おう!オレは九十九遊馬!白野の一番弟子だ!」

 

(…不動…?何処かで聞いたような……?)

流星と遊馬は握手を交わす、アストラルは…何故か首を傾げている…。

 

 

『今日はゆ…白野さんにライディングデュエルを習いに来たんです!』

 

(ライディングデュエル…?)

 

「(バイクに乗りながらやる特別なデュエルなんだ!スピードの世界で戦うのが楽しいらしいぜ?)」コソコソ

アストラルの疑問に遊馬が小さな声で答える…。

 

「遊馬、俺達はこれから隣町のデュエルサーキットに行くんだが…一緒に来るか?」

 

「いいのか!?ちょうどオレ達も鉄男と小鳥と一緒に隣町に行くところだったんだ!」

 

「そうか…ならちょうどいい!きっとWDCの参考になるはずだ!」

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

そんなやり取りがあり、遊馬達の前でライディングデュエルをする事になったのだ。

 

 

 

(遊馬、私にはライディングデュエルに関する記憶がない…どのようにデュエルするのだ?)

 

「え〜っと…オレもそんなにわからないんだけど…とりあえず普通のデュエルと違うのは3つ!1つ目に専用のフィールド魔法が常に発動してる事…2つ目に普通の魔法カードは使えずに『スピード・スペル』っていう専用の魔法カードを使える事…それから負ける条件にクラッシュしたら負け、っていうルールが追加される事ぐらいか?」

 

(なるほど…君の説明は少しわかりづらいが…あとは見ながら分析するしかないようだ)

アストラルはサーキットで準備を進める2人を見つめた

…。

 

 

 

「ルールは『スピードワールド2』でいいな?」

 

『はい!大丈夫です!』

 

 

【デュエルモードスタンバーイ!フィールド魔法『スピードワールド2』発動!】

2人がデュエルモードを起動し、スタートラインにつく!

 

 

『「ライディングデュエル!アクセラレーション!!」』

 

ドルル…ギュアァァン!!

掛け声と同時に流星と遊海はスタートをきる!専攻は…

 

 

「先攻はもらうぞ!」

 

『速い…!!』

 

全盛期の遊星に匹敵するライディングテクニックで遊海が第一カーブを先取する!

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

遊海LP4000

流星LP4000

 

 

 

特殊ルール

 

ライディングデュエル

 

スピードワールド2 常時発動

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」Sp0→1

「『水晶機巧(クリストロン)─シストバーン』を召喚!」

紫水晶の身体を持つワイバーンが現れる ATK1500

 

「『シストバーン』の効果発動!自身を破壊してデッキからクリストロンチューナー『水晶機巧─シトリィ』を特殊召喚!」

黄水晶の身体の小さなロボットが現れる DEF500

 

「カードを1枚伏せてターンエンド!」

遊海LP4000 SP1

シトリィ 伏せ1 手札4

 

 

 

(遊馬、スピードカウンターとはなんだ?)

 

「えっと…スピードカウンターは『スピードスペル』を使うのに必要なカウンターで、お互いのスタンバイフェイズに1つずつ増えていく…だってさ!」

 

「遊馬はアストラルと一緒に勉強中か?」

 

「そうみたい…あんなにパンフレットとにらめっこして…あの集中力が勉強でもできたらなー」

遊馬は貰ってきたパンフレットを見ながらアストラルの疑問に答えている…。

 

 

 

『僕のターン!ドロー!』 SP1→2

『「スピード・ウォリアー」を召喚!』

高速で疾走する戦士が現れる ATK900

 

『バトル!「スピードウォリアー」で「シトリィ」を攻撃!召喚されたターンに「スピードウォリアー」が攻撃する時!攻撃力は倍になる!ソニック・ダッシュ!!』

スピードウォリアーの足蹴りがシトリィに迫る! ATK900→1800

 

 

「『シトリィ』の効果発動!相手のメインまたはバトルフェイズに墓地の『シストバーン』を効果を無効にして特殊召喚!」

 

『このタイミングでモンスター効果!?』

遊海の場に再びワイバーンが現れる DEF1500

 

「さらに!そのモンスターと『シトリィ』でシンクロ召喚を行なう!俺はレベル3の『シストバーン』にレベル2の『シトリィ』をチューニング!」

 

2+3=5

 

「シンクロ召喚!『水晶機巧─アメトリクス』!」

紫水晶の鎧を纏う戦士が現れる! ATK2500

 

 

『モンスターが「緊急同調」の効果を持っているのか…!』

 

「そしてシンクロ素材となった『シストバーン』は除外される…さて、どうする?」

 

『…バトルフェイズを終了!カードを2枚伏せてターンエンド!』

流星LP4000 SP2

スピードウォリアー 伏せ1 手札4

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」SP2→3

「『水晶機巧─クオン』を召喚!」

水晶の身体を持つロボットが現れる ATK500

 

「バトルだ!『アメトリクス』で『スピードウォリアー』を攻撃!」

 

『罠カード「ガード・ブロック」を発動!戦闘ダメージを0にして1ドロー!』

アメトリクスがスピードウォリアーを粉砕する!

 

 

「ふむ…俺はこのままターンエンド!」

遊海LP4000 SP3

アメトリクス クオン 伏せ1 手札4

 

 

 

 

「…なんか、白野のデュエルにしては静かなデュエルじゃねぇか?」

 

「本当だ…いつもなら2ターン目には高い攻撃力のモンスターが出てくるのに…?」

遊馬と小鳥は首を傾げる…普段の遊海なら速攻でデュエルを決める事が多いからだ…。

 

(…おそらく、彼の為に手加減をしているのだろう…彼に何かを掴ませる為に…)

 

 

 

 

『僕のターン!ドロー!』SP3→4

『…手札の「レベルスティーラー」を墓地に送り、「クイックシンクロン」を特殊召喚!』

ガンマン風のロボットが現れる DEF1400

 

『そして墓地の「レベルスティーラー」の効果発動!レベル5の「クイックシンクロン」のレベルを1つ下げて自身を墓地から特殊召喚!』

1つ星のテントウムシが現れる ATK800

 

クイックシンクロン☆5→4

 

 

『さらに!墓地からモンスターが特殊召喚された事で手札の「ドッペル・ウォリアー」を特殊召喚!』

黒い銃を持った兵士が現れる ATK800

 

『僕はレベル1の「レベルスティーラー」とレベル2の「ドッペルウォリアー」にレベル4の「クイックシンクロン」をチューニング!』

 

1+2+4=7

 

『集いし叫びが木霊の矢となり空を裂く!希望を繋ぐ道となれ!シンクロ召喚!来い!「ジャンク・アーチャー」!』

単眼のオレンジ色の弓兵が現れる ATK2300

 

 

『そして「ドッペルウォリアー」の効果発動!このカードがシンクロ素材になった時!「ドッペルトークン」2体を特殊召喚!』

黒い小さな兵士が現れる ATK400  ×2

 

『さらに!「ジャンク・シンクロン」を召喚!』

オレンジ色のメガネを掛けたロボットが現れる ATK1300

 

『さらに手札の「ジャンク・サーバント」の効果発動!フィールドに「ジャンク」モンスターがいる事で特殊召喚できる!』人型の単眼ロボットが現れる ATK1500

 

『……いきます!!レベル1の「ドッペルトークン」とレベル4の「ジャンクサーバント」にレベル3「ジャンクシンクロン」をチューニング!!』

 

1+4+3=8

 

『集い願いが新たに輝く星となる!!希望を繋ぐ道を示せ!シンクロ召喚!!飛翔せよ!「スターダスト・ドラゴン」!!』

《キュオオン!!》

煌めく光を纏い星屑のドラゴンが咆哮する! ATK2500

 

 

「…久しぶりだな『スターダスト』!元気にしていたか!」

 

《キュオ!キュオオン!!》

スターダストは遊海の言葉に応えるように咆哮する!

 

 

「ねぇ!あれって決闘庵にあった木像の…!?」

 

(不動…流星……まさか、伝説の英雄・不動遊星の子孫か!?)

 

「なっ…!?英雄の子孫だって─!?」

観客席の遊馬達はスターダストドラゴンの登場、そして流星の正体に驚きを隠せない…

 

 

 

 

『行きます!「ジャンク・アーチャー」の効果発動!「クオン」をエンドフェイズまで除外する!ディメンジョン・シュート!!』

弓兵が次元を裂く矢をクオンに放つ!

 

「甘い!『クオン』の効果発動!手札から『水晶機巧─スモーガー』を効果無効で特殊召喚!」

煙水晶の身体の虎が現れる ATK1000

 

『今度は手札から!?』

 

「俺はレベル3の『スモーガー』にレベル1の『クオン』をチューニング!」

 

3+1=4

 

「シンクロ召喚!『水晶機巧─クオンダム』!」

煙水晶の鎧を纏う戦士が現れる DEF2000

 

 

「これで『ジャンクアーチャー』の効果は躱した!そして言っておく!クリストロンのチューナー達はモンスターによって手札・墓地・除外…それぞれの場所からシンクロ素材を呼び出す事ができる!……なんか、同じ事を遊星にも言った気がするなぁ…?」

 

《……約70年前に言ってますね、マスター》

 

「だよね!?」

 

 

『(これが最強の決闘者のデュエル…!でも、負ける訳にはいかない!!)バトル!「スターダストドラゴン」で「クオンダム」を攻撃!シューティング・ソニック!!』

《キュオオオ─!!》

 

スターダストドラゴンがエネルギーを溜める…!

 

 

「流星、見せてやろう!お前が目指す境地を!シンクロチューナー『クオンダム』の効果発動!相手のメイン・バトルフェイズにシンクロ召喚を行なう事ができる!!」

 

『っ…!来る!!』

流星は先をいく遊海の言葉に目を見開く…!

 

キン─

 

「クリアマインド!!俺はレベル5の『アメトリクス』にレベル4シンクロチューナー『クオンダム』をチューニング!!」

 

5+4=9

 

 

「正義を貫く魂が…新たな境地を呼び醒ます!」

 

 

「待って白野さん!!その先は─!!」

 

「その速さじゃカーブに突っ込んじまう─!!」

 

遊海がDホイールを爆発的に加速させる、その先はカーブ…通常なら曲がりきれずにクラッシュする…だが、明鏡止水の境地には問題にはならない─!

 

 

「アクセル─シンクロォォ!」

 

キィン─バシュン!!

 

 

『き─!』

 

(「「「消えたぁ!?」」」)

遊海は一瞬にしてコース上から消え去る…そして

 

キィィン──ギュイン!!

 

「現れろ…!スピードの限界から現れし朱雀の巨人!『水晶機巧─フェニキシオン』!」

ソニックブームと共に遊海が流星の後ろから現れる…そのフィールドには赤水晶の鎧を纏う巨人が佇んでいる! ATK2800

 

 

『アクセルシンクロモンスター…!!』

 

「あ、アストラル…!いま、何が起きたんだ!?」

 

(…推測に過ぎないが…あのバイクのスピードが我々には知覚できない程に加速し、一種の亜空間から再び現れたのではないか…?)

 

「ま、まったく意味がわからねぇ…!」

目の前の出来事を遊馬達は理解できないでいる…しかし、1つ理解できた事があった…「白野は普通ではない」と…

 

 

『アクセルシンクロ…!僕の目指す境地…!!バトルフェイズを終了!ターンエンド!』

流星LP4000 SP4

アーチャー スターダスト ドッペルトークン 手札0

 

 

 

「どうだ流星!これがお前の目指す場所だ!」

 

『白野さん…!本当に貴方はすごい!凄すぎる!!』

流星は現れたアクセルシンクロモンスターに感動する…!

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」SP4→5

「バトルだ!『フェニキシオン』で『ジャンクアーチャー』を攻撃!破晶紅鳳!」

朱雀の巨人の一撃がアーチャーを粉砕する!

 

『くっ…!?』

流星LP4000→3500

 

 

「流星!…猶予は1ターンだ!決めてみせろ!お前のアクセルシンクロを!!ターンエンド!」

遊海LP4000 SP5

フェニキシオン 伏せ1 手札4

 

 

 

『(僕はアクセルシンクロに成功した事が1度もない…カードが応えてくれた事も…まだない…!)』

流星はエクストラデッキから取り出した()()()()()()を見つめる、それは遊星から引き継いだ『シューティング・スター・ドラゴン』のカード…流星は未だにその姿を祖父の手によるもの以外見た事がない…。

 

『(僕は…必ず受け継いでみせる!!)』

 

 

 

 

 

『僕のターン!…ドロー!!』SP5→6

『よし!「Sp-エンジェル・バトン」を発動!スピードカウンターが2つ以上ある時!2枚引いて…1枚捨てる!』

 

捨てたカード

パワーフレーム

 

 

『「エフェクト・ヴェーラー」を召喚!』

青い髪の妖精が現れる ATK0

 

『レベル1の「ドッペルトークン」にレベル1の「エフェクトヴェーラー」をチューニング!』

 

1+1=2

 

『集いし願いが新たな速度の地平へ誘う!希望を繋ぐ道となれ!シンクロ召喚!進化の力!「フォーミュラ・シンクロン」!』

F1カー型のロボットが現れる DEF1500

 

「来たな…!」

 

 

『「フォーミュラシンクロン」の効果発動!シンクロ召喚に成功した事で1ドロー!…行きます!!』

流星はDホイールの速度を上げる!!

 

「………」

 

『…クリアマインド!!僕はレベル8の「スターダストドラゴン」にレベル2シンクロチューナー「フォーミュラシンクロン」を…チューニング!!』

流星は爆発的に速度を上げていく!!

 

 

「おい!流星もスピードを上げていくぞ!?」

 

「まさか…アクセルシンクロをするつもりなんじゃ…!」

 

「うおぉぉ─!!いけ!流星─!!」

 

 

『アクセルシン…!ッ─!?』

 

 

「…!」

アクセルシンクロをしようとした瞬間、流星の速度が僅かに下がる…アクセルシンクロは…失敗した…!

 

『やっぱり、だめか…!!ターンエンド…!』

流星LP3500 SP6

スターダスト フォーミュラ  手札0

 

 

 

 

「えっ…?どうして失敗したんだ!?」

 

「わからないわ…動きは白野さんと同じなのに…!?」

 

「…あの子はまだ、『迷い』を捨てきれてないのよ」

 

「「「翠/さん!!」」」

アクセルシンクロの失敗に首を傾げる遊馬達のもとにランチセットを持った翠が現れる。

 

「アクセルシンクロはスピードの中での無我の境地…『クリアマインド』に達しないとできないの、クリアマインドは少しでも迷いがあれば揺らいでしまう…その迷いを無くさないと…彼はアクセルシンクロに辿り着けない…!」

 

 

 

 

「…流星、お前…()()()()()()()()のが怖いんだろ?」

 

『っ…!』

遊海の言葉に流星は動揺をみせる…

 

「Dホイーラーは危険な目に遭う事が多い…決闘中の平均時速は100キロ超、アクセルシンクロなら()()()()()()()()…普通ならDホイールを制御する事もままならない速さだ、俺が思うに…初心者の頃にDホイールでクラッシュしたな?」

 

『…その通りです、アカデミアでの授業中に…全治3ヶ月の怪我をしました…!痛かった……怖かった…!!』

 

 

…それは彼がライセンスを取って初めての授業の時の事…ライセンスを取ったばかりの流星は無謀にもアクセルシンクロに挑戦した…しかし、結果は失敗…原因は制御不足と使用したのが練習用の量産型Dホイールだった事…流星は1週間生死の境を彷徨い、何とか生還したのだ…。

 

 

『その時の僕は焦っていました…じいちゃんの…「不動」の名を背負って…父さんでも習得できなかったアクセルシンクロをやってやろうって…!でも…!』

 

「怖いのは当たり前だ…俺だって怖いさ」

 

『えっ…?』

遊海の思わぬ言葉に流星は聞き返す

 

 

「俺の人生初ライディングはな、敗北で始まった…イリアステルの…ラプラスのせいでな…」

 

『ラプラス…その人って…』

流星はその名に聞き覚えがあった、遊星から聞かされた昔話…その中でイリアステル最強と言われた…哀しい決闘者の事を…。

 

 

「俺はクラッシュして…全治…いや、常人なら治らないレベルの怪我をした…次にDホイールに乗ったのは…それから1()0()()()()()()だ」

 

『っ…!!』

 

「戦う為にはDホイールが必要だった…だから俺は恐怖を乗り越えた…!怪我をしたら半年寝たきりになりかねない身体でな……流星、乗り越えるべきは『不動遊星(過去の英雄)』じゃない……『不動流星(自分自身)』だ!」

 

『乗り越えるべきは…自分自身…!』

長き時を生きた遊海の言葉…それは流星の魂に小さな火を点ける…!

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」SP6→7

「『Sp-ヴィジョン・ウィンド』を発動!スピードカウンターが2つ以上ある時!墓地のレベル2以下のモンスター『シトリィ』を特殊召喚!」

再び黄水晶のロボットが現れる ATK500

 

「さらに手札の『水晶機巧─サルファフナー』の効果発動!手札の『水晶機巧─プラシレータ』を捨てて自身を特殊召喚!」

レモンクォーツの身体を持つ龍が現れる DEF1500

 

 

「そして『サルファフナー』の効果により『シトリィ』を破壊!そしてリバース罠『クリストロン・エントリー』を発動!手札から『水晶機巧─リオン』、そして墓地から『クオン』を特殊召喚!」

灰水晶と水晶のロボット達が現れる ATK500 ATK500

 

 

「俺はレベル5の『サルファフナー』にレベル3の『リオン』とレベル1の『クオン』をダブルチューニング!!」

 

『ダブルチューニング!?それってジャックさんの─!?』

リオンとクオンが水晶でできた輪に変化しサルファフナーを包み込む!

 

5+3+1=9

 

「世界を守護する四神の力!今こそその力を示せ!シンクロ召喚!現われろ…黄龍の機神!『水晶機巧─グリオンガンド』!」

神々しい光を放つ機械の巨人が現れる ATK3000

 

 

「チューナー2体でのシンクロ召喚!?そんなのアリかよ!?」

 

「これで驚いちゃダメよ遊馬君、世界にはチューナー3体でトリプルチューニングする人もいるのよ?」

 

(…これがシンクロ召喚の力か…!)

アストラルは遊海の見せるシンクロの境地を目を皿のようにして観察している…。

 

 

『攻撃力3000…!』

 

「『グリオンガンド』の効果発動!シンクロ召喚に成功した時!シンクロ素材の数まで相手のフィールド・墓地のカードを除外する!除外するのは『スターダストドラゴン』『フォーミュラシンクロン』そして墓地の『レベルスティーラー』!黄龍抹殺陣!!」

水晶でできた龍が流星に襲いかかる!!

 

 

『(この効果を受けたら…負ける!!)』

流星は本能的に理解する、遊海との実力差…自分の弱さ

…そして…僅かに残された「希望」を…!

 

『(僕は……いや、()()は…まだ終わりじゃない…!!)』

 

 

キィン─!!

 

 

 

 

─…なんだ、目が醒めたと思ったら…面白い事になってるな()()

 

 

 

『えっ…?』

 

 

─調子が悪いんだろ?力を貸してやるよ…さぁ、行けよ…スピードの向こう側へ…!─

 

 

キィィン─!!

 

「なに…!?」

流星のDホイールが赤い光を纏う…その姿はまるで…

 

「まさか、そのDホイール…!遊星の─!?」

 

 

『今なら…いける気がする!!』

流星は爆発的に速度をアップさせる!!

 

 

─心配するな、お前は真っ直ぐ前を見ていればいい…もう一度見せてくれ…希望の翼を…!─

 

 

『(風に身体が解けていく…焦りも、恐怖も感じない……オレは……ただ……勝ちたい!!)』

 

 

『クリアマインド!!僕は…オレは!レベル8の「スターダスト・ドラゴン」にレベル2シンクロチューナー「フォーミュラ・シンクロン」をチューニング!!』

 

8+2=10

 

『集いし夢の結晶が!新たな進化の扉を開く!希望を示す道となれ!!』

流星が白紙のカードを掲げる…カードはクリアマインドと共鳴…その真の姿を現す!!

 

『「アクセルシンクロォォォ!!」』

 

バシュン!!

 

 

「やった…!!」

流星は遊海の目の前から消え去る…そして…!

 

『招来せよ!「シューティング・スター・ドラゴン」!!』

《ギュアアアアン!!》

 

赤い翼を持つDホイールと共に奇跡の龍は再び現れる…その名は…シューティングスタードラゴン! ATK3300

 

 

 

(なんだ、あのモンスターは…!『No.』…いや、それ以上の力を秘めている!!)

 

「それよりも見ろよ!流星のDホイールに翼が…!」

 

「す…すごい!!」

 

「あれが…伝説のモンスター…!!」

奇跡のドラゴンの出現に遊馬達は目を奪われる…!

 

 

 

「土壇場で『シューティングスター』を呼び出すか…!しかも、その翼は…!」

遊海は流星のDホイールから生えた光の翼に見覚えがあった…Z-ONEとの決戦の時、フライングデュエルを可能にした赤き翼…それは本来なら己の希望を遊星へと託したアポリアの力…しかし、この世界では…

 

「まだ、そこに居たのか……ばかやろー」

 

遊海の目には見えた気がした…白いコートを翻す男の背中が…

 

 

『やった…!できたよ!「シューティングスター」!!』

《ギュアァァン─!!》

流星は嬉しそうにシューティングスターへと声を掛ける…!

 

「流星!まだデュエルは続いているぞ!俺はこのままターンエンドだ!」

遊海LP4000 SP7

グリオンガンド フェニキシオン 手札1

 

 

 

 

『よし…!力を貸してくれ!「シューティングスター」!!』

《ギュアァン!!》

 

 

 

『オレのターン!ドロー!…いける!!』SP7→8

『「シューティングスタードラゴン」の効果発動!デッキトップ5枚をめくり!その中のチューナーの数だけ攻撃できる!』 

流星はデッキに手をかける!

 

「1枚目!…『アンノウン・シンクロン』!」

 

「2枚目!…『ロード・ランナー』…!」

 

「3枚目!…『ニトロ・シンクロン』!」

 

「4枚目!…『ドリル・シンクロン』!」

 

「5枚目!………『チェンジ・シンクロン』!!」

 

 

(「「「4回の連続攻撃!?」」」)

 

「すごい引き運だ…!だが、『グリオンガンド』は破壊された時、除外されている『シストバーン』を、『フェニキシオン』は俺の墓地に眠るモンスターを特殊召喚できる!」

 

『いいえ…この一撃で決める!!「Sp-ファイナル・アタック」!!スピードカウンターが8つ以上ある時!ダイレクトアタックができなくなる代わりに「シューティングスター」の攻撃力を2倍にする!』

 

「なにぃ─!?」

 

《ギュアアアアアン!!》

流星の想いを受けたシューティングスターが巨大化する! ATK3300→6600

 

 

『バトル!「シューティングスタードラゴン」で「グリオンガンド」と「フェニキシオン」を攻撃!スターダスト…ミラージュ─!!』

 

「これが…流星の真の力か──」

 

4体に分身したシューティングスタードラゴンが遊海へと突撃…そのライフを削りきった…。

 

 

 

 

─ああ、綺麗なものを見た……─

 

 

 

 

遊海LP0

 

流星WIN!

 

 

 

 

 

『……か、勝っちゃた…?僕が、遊海さんに…?』

 

「ああ、お前の勝ちだ…いやはや……昔の遊星を見てるみたいだったぞ?」

デュエルが終わり呆然としている流星に遊海が話し掛ける…。

 

 

『遊海さん、あの…「声」が聞こえたんです、「力を貸してやる」…「希望の翼を見せてくれ」って…』

 

「流星……そのDホイール、色は塗り替えてあるけど…遊星のDホイールを改造した奴だな?」

遊海は流星の青いDホイールを見る…それは色を除けば遊星号に瓜二つだった…。

 

『あ、はい…おじいちゃんが僕の為に再チューニングしてくれたんです…それが…?』

 

「…イリアステルとの決戦…遊星はDホイールで空を駆け、宙にまで昇った…その翼は、死の間際にラプラスが全ての力を使って遊星に与えたものだ……きっと、その力が僅かにDホイールに残っていたんだろう…それが流星を導いたんだ…あいつは本当に不器用な奴でな…たった1人の想い人を救う為に、全てを敵に回したんだ……本当に、馬鹿な奴だ」

 

『遊海さん…』

流星は気付いた…遊海は()()()()()…実際には涙は見せていない…それでも、遊海は泣いているのだと…。

 

 

「どうする流星?俺なら残った力を全て取り除けるが…」

 

『…そのままにしておいてください…ラプラスさんに、これからも見守っててもらいたいんです…!僕の、僕達の歩む道を…!!』

 

「そうか…だってよ、ラプラス…流星の事、頼んだぜ?」

そう言って遊海は優しくDホイールを撫でた…。

 

 

 

 

「白野!流星!すっげーライディングデュエルだった!!」

 

「まさか伝説のドラゴンが見られるなんて…!本当にすごかった!」

 

『あはは…あ、ありがとう…!』

観客席に戻った流星は遊馬達に誉められて照れてしまっている…だが、流星はこのデュエルで本当に大きな成長を遂げたのだ…。

 

 

「白野さんも流星君もお腹減ったでしょう!ゆっくりおにぎりでも食べながら話しましょう!」

 

「うん、そうだな!本当は行儀が悪いが…今日ぐらいはいいだろう!」

 

そうして流星達は楽しい一時を過ごし…流星は自分の街へと帰っていった…新たな希望を胸にして…。

 

 

 

 

 

 

 

『驚きましたよ遊海さん…まさか流星が貴方を倒すとは…!』

 

「俺が一番驚いたよ!いくら『決闘竜』を使わなかったとはいえクリストロンはまぁまぁ強いぞ!?」

その日の夜…遊海は遊星とテレビ電話をしていた…流星の現状報告をする為に…

 

 

『しかしまさか…彼の意識がまだ残っていたとは…』

 

「それだけ強い想いをお前に託したんだよ、遊星…ありがとな」

 

『お礼を言うのはオレの方です…流星の迷いを解決して…新たな「夢」を与えてくれてありがとう、遊海さん』

 

「新たな夢?流星がそんな事を言ったのか?」

 

『ええ、貴方のような「決闘王」になると…今も部屋で必死に勉強をしていますよ』

 

「『決闘王』…か、今は6代目だったか……きっとなれるさ、なんたって遊星とアキ…お前達の孫で俺の弟子なんだからな…」

 

『…はい!オレもその日がくるのを楽しみにしています!』

遊星と遊海は笑いあった…希望の未来を思い描きながら──


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