転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ハートランドへと現れたレクス・ゴドウィン…その目的とは…?
そして、遊海を待ち受ける相手とは…!


それでは最新話をどうぞ!


英雄と勇士〜奇跡の共闘〜

「どうしてお前がここにいるんだ…!答えろ!レクス・ゴドウィン!!」

 

 

遊海は目の前に現れた男を睨みつける…ネオドミノシティ旧治安維持局長官にしてイリアステルの名代である星護主…そしてなにより、赤き竜と冥界の王の戦いを終わらせる為に光の中に消えたはずの元シグナーにしてダークシグナーだった男…レクス・ゴドウィン…年齢は110歳を超えているはずだが…その姿は日焼けをして皺は増えているものの遊海の記憶にある60年以上前の姿とほとんど変わっていない…!

 

 

『…警戒するのも無理はない、だが…私の話を聞いてほしい…!今、この街に…世界に危機が迫っているのだ…!』

 

「なに…?どういう事だ?」

 

 

 

そしてレクスは語り始める…遊星との決戦の後、赤き竜と冥界の邪神との戦いに決着を着ける為にルドガーと共に新たな戦いに臨もうとした事。

その直前、真の冥界の王たる「名もなきファラオ」に出会い、今までの罪の精算の為に善行を積む事を課されアフリカに飛ばされていた事。

そしてその身に残留した赤き竜と冥界の邪神の力によってルドガーと共に命を永らえ…ひたすらにアフリカの人々の為に必死に働いてきた…そんな奇跡のような話だった…。

 

 

「俺の知らないところでそんな事が…」

遊海はその話を聞いてただ呆然としていた…遊海達は転生特典による「不老不死」であり、長い人生を歩む覚悟ができている、しかし…レクス達は違う、その体に宿る力が消えれば彼らの生は終わりを迎える…それがいつなのかわからぬまま生きる続けるのは…まさに「罰」にふさわしいだろう…。

 

 

『…そんな顔をしないでください、私と兄はその罰を受け入れた…怪我をしても貴方のような治癒はせず、病気にもかかる…それでも私達は自分の罪を償う為にこの道を選んだのです…それに悔いはありません』

 

「ゴドウィン…わかった、貴方が納得しているなら俺は何も言わない…だが、聞かせてくれ…どうしてハートランドに来た?何が起きようとしてるんだ…?」

遊海はレクスに問いかける、アフリカから日本に戻るのは容易な事ではない…そんな苦労をしてまでレクスがハートランドを訪れた理由とは…

 

『…兄が、ルドガーが…再び闇の力に飲まれてしまった…!そして危険な力を宿したカードを持ってこの街に潜んでいるのです…!!』

 

「危険なカード…まさか『No.』か!?」

 

『その通りです…!そのカードを手にした兄はダークシグナーの時のように豹変してしまったのです…!』

 

レクス曰く、ある村で井戸を掘っていた時に地面の中から3枚の白紙のカードを見つけたらしい、レクス自身は赤き竜の力故か何事もなかったが…冥界の力を強く宿していたルドガーはカードを持った途端に豹変…村から姿を消してしまったのだという…。

 

 

『なんとか目撃情報を辿って兄がこの街に来た事がわかりました…そしてこの街で開かれている大規模なデュエル大会…!兄はこの街で何事かを為そうとしているのです…!』

 

「…『No.』の意思に取り憑かれたか…!大事になる前に見つけないと…!アヤカ!」

 

《過去のデータとレクス・ゴドウィンのデータを参照にハートランド内を検索……ヒット!少し離れた場所に……っ!?マスター!ルドガーの近くに遊馬とアストラルが…!!》

 

「っ…それは不味い!精霊変身!!急ぐぞ!!」

アヤカの言葉を聞いた遊海はすぐさまルドガーのもとへ走り出した…。

 

 

 

 

 

 

side遊馬

 

 

 

「ひ、酷い目にあった…」

 

「本当にお騒がせだったわね…」

 

(先程の事は…しょうがない、運がなかったな)

 

 

 

とある公園のベンチで遊馬と小鳥は座りこんでいた…ここまで遊馬がデュエルしたのは3人、サッカーデッキの使い手・国立カケル、重機デッキの使い手・油圧ショーベェ…そして、遊馬を初恋の人と勘違いして追い掛け回した暴走特急少女・神月アンナの3人…しかも、アンナに関してはWDCの参加者ではなかった為ハートピースは得られず、無駄骨で終わってしまった…。

 

 

 

「とりあえずデュエル飯を食って…もう一度戦う相手を探さないとな~…」

 

「まだ予選は3日も残ってる!大丈夫よ!」

疲れた様子の遊馬を励ます小鳥…遊馬に嵌まったハートピースは1つ、完成まで残り3ピースである。

 

(…!遊馬、ナンバーズの気配だ…近いぞ!)

  

 

「もがっ!?…なんだって!?」

デュエル飯を頬張っていた遊馬にアストラルが注意を促す…!

 

(しかも、この気配は一枚のナンバーズではない…!強敵の可能性がある…!)

 

「…それでも行くっきゃねぇ!小鳥!ここで待ってて…」

 

「ナンバーズを持ってる人がいるのね…!私も行くわ!遊馬だけを危険な目にはあわせられない!」

 

「…わかった!いくぞ!!」

小鳥の言葉を聞いた遊馬は頷き、ナンバーズの反応があった方向に走り出した…。

 

 

 

 

 

「っ…!大丈夫か!?」

 

「ぐっ…痛いんだな〜…あのおじいさんは…強すぎるんだな〜…」

遊馬達が辿り着いた時、その場所には何人ものデュエリスト達が倒れていた…その中心地点には紺色のローブを纏った男が立っている…銀髪を逆立て、目の下には赤いラインが刻まれた壮年の男…その男は遊馬達を見つけると笑みを浮かべる…!

 

【ほう、新たな獲物が狩られに来たか…】

 

((この男…強い…!))

アストラルは男を見てその強さを感じ取る…身体から発せられる覇気、そしてその男の眼光がその男の歩んだ人生を現しているようだった。

 

「アンタがデュエリストのみんなを襲ったのか…!どうしてこんな事をするんだ!」

 

【我が名はルドガー…私は「No.」を求める…!この世を救う為に!】

 

「世界を救う…!?」

男…ルドガーの思わぬ言葉に遊馬は驚愕する…

 

【然り…この世は貧困や犯罪、悪に満ちている…!この世の理を破壊し、この世界をあるべき姿へと蘇らせる!!】

 

(…遊馬、彼は本来は善良な人間なのだろう…だが、ナンバーズに取り憑かれて暴走してしまっている…!)

 

「ああ…!あの人からナンバーズを回収して正気に戻すんだ!!」

遊馬はアストラルの言葉を聞いて腰のデッキに手を掛ける…その時だった…!

 

 

「そこまでだ!ルドガー・ゴドウィン─!!」

 

ドドォン!!

 

土煙と共に新たな人影が現れる、それは…

 

「メタルナイト…!」

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

「少し遅かったか…!」

遊海がその場所に辿り着いた時、その場には倒れたデュエリスト達…そしてその中心で遊馬、そして黒いローブを纏った男…ルドガーが相対していた…。

 

 

【お前は…そうか、こちらへと活動場所を移していたのか、鋼の騎士よ…!】

 

「ああ、もう一度お前を止める事になるとは思ってなかったよ、ルドガー…!」

遊海はルドガーと睨み合う…ルドガーも遊海の記憶とはそこまで変わってはいない…ただ、その身に纏う覇気はダークシグナー時よりも強くなっているような気がした…。

 

 

「メタルナイト!どうしてここに!?それにあの人と知り合いなのか!?」

 

「やぁ、遊馬少年…彼はルドガー…俺達とかつて敵対した男だ、改心して平和に過ごしていたんだが…ナンバーズによって闇の心を刺激されてしまったらしい…!」

遊馬の問いに遊海が答える…しかし、それに驚く人物がいた…。

 

(ルドガー…?それは過去に起きた『ダークシグナー事件』の関係者ではないか?)

 

「えっ…!?なんでアストラルがそんな事知ってんだよ!?」

 

「(えっ、なんで知ってるの!?)」

遊海はアストラルの言葉に冷や汗をかく…!

 

(遊馬が先日買った不動遊星の自伝に書いてあった…60年以上前、不動遊星と仲間達…赤き竜の力を得たシグナーと敵対した冥界の王の力を宿した死の決闘者達・ダークシグナー…そのリーダーがルドガーという男だったと書いてあった…!)

 

「待てよ!その事件って70年くらい前の話だろ!?それじゃあの人は100歳以上のじいちゃんだって事になるぞ!?」

アストラルの言葉に遊馬は混乱する…。

 

 

(…推測でしかないが、彼は何かしらの力で生命を永らえている…そう考えるしかないだろう…!そして…それは貴方も同じのはずだメタルナイト…いや、白野…!)

 

「えっ…?アストラル!何言ってんだよ!メタルナイトが白野なわけ…!」

 

(遊馬、君も聞いていただろう?ルドガーとメタルナイトは『かつて敵対した』と言った…つまり、彼も同じ時代の人間という事になる…そして、メタルナイトの鎧と白野の精霊・アヤカには共通する意匠がある……つまり、貴方は精霊の力を身に纏い…鋼の騎士として活動していた…違うか?)

 

「…恐れ入ったよアストラル、流石は天才デュエリストだ…他人に正体を見抜かれたのは初めての事だ…黙ってて悪かったな遊馬、小鳥ちゃん」

遊海は鎧の頭を外し素顔を晒す…。

 

「うそ…!?」

 

「ま、マジで白野さんだったのかよ!?」

白野の顔を見た遊馬と小鳥は驚いて開いた口が塞がらない…

 

(そして…貴方には()()1()()()()がある…それは…まだ言わない方がいいか?)

 

「…ああ、今はその時じゃない…今は…」

遊海は前を見据える…!

 

 

【話は終わったかな?ならば決闘だ…お前達のナンバーズ…奪わせてもらう!】

 

「遊馬、悪いが手を貸してくれるか?」

 

「ああ、白野には聞きたい事がいっぱいあるけど…今はあの人を止めるのが先だ!!」

遊海と遊馬はルドガーを睨みつける!

 

 

「【デュエルディスク!セット!Dゲイザー、セット!】」

 

「デュエルディスク!セット!Dゲイザー…っ!?」

 

キィン─!

 

Dゲイザーを着けようとした遊海の左目に焼け付くような痛みが走る…その目の周りにはドラゴン・フレイムの痣が変化した炎のような紋様が刻まれる!

 

「(ドラゴン・アイ…ってか?ありがとよ、赤き竜…!)」

 

 

 

 

 

「『【デュエル!!】』」

 

 

 

 

ルドガーLP4000

 

遊海LP4000

遊馬LP4000

 

 

 

特殊ルール

変則タッグデュエル

最初のターンは全員攻撃不可

 

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【『グランド・スパイダー』を召喚!】

単眼の大きな蜘蛛が現れる DEF1500

 

【カードを2枚伏せてターンエンド!】

ルドガーLP4000

グランドスパイダー 伏せ2 手札3

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8『神龍の聖刻印』を捨て、2ドロー!さらに魔法カード『招集の聖刻印』発動!デッキから『聖刻龍─トフェニドラゴン』を手札に加え…自身の効果で特殊召喚!」

《御意!》

ウジャト眼を刻んだ白龍が現れる ATK2100

 

「さらに『トフェニ』をリリースして『聖刻龍─アセトドラゴン』をアドバンス召喚!」

紫色のウジャト眼を刻む朝日の龍が現れる ATK1900

 

 

「リリースされた『トフェニ』の効果発動!デッキからドラゴン族通常モンスター『神龍の聖刻印』を特殊召喚!」

赤いウジャト眼を刻む太陽石が現れる DEF0

 

「『アセト』の効果発動!フィールドの聖刻モンスターのレベルを自分フィールドのドラゴン族通常モンスターと同じレベルにする!よって『アセト』のレベルは8になる!」

 

アセト☆5→8

 

 

「俺はレベル8の『アセト』と『神龍印』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!現われよ!偉大なる龍の力を宿す騎士!『神竜騎士フェルグラント』!」

神竜の力を宿す龍騎士が現れる ATK2800

 

 

「そして俺は魔法カード『超再生能力』を発動!カードを2枚伏せてターンエンド!『超再生能力』の効果により2ドロー!」

 

遊海LP4000

竜騎士フェルグラント 伏せ2 手札3

 

 

 

(やはり流れるようなプレイングだな…遊馬、私達はまだ攻撃する事はできない、守りを固めるぞ)

 

「おう!」

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「『ライライダー』を召喚!」

大型バイクに乗ったライダーが現れる ATK1200

 

「さらに相手フィールドにモンスターがいて、自分フィールドにレベル3モンスターがいる時!手札の『ミミミック』は特殊召喚できる!」

ネジ巻きのおもちゃが現れる ATK300

 

「オレはレベル3の『ライライダー』と『ミミミック』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!」

 

49 

 

「来い!『No.49秘鳥フォーチュンチュン』!」

遊馬のフィールドに卵型のオブジェが現れ変形…否、孵化…小さな木の杖を咥えた青い鳥が現れる DEF900

 

「オレはカードを1枚伏せてターンエンド!」

 

「遊馬のエンドフェイズに永続罠『復活の聖刻印』を発動!デッキから『龍王の聖刻印』を墓地に送る!」

 

遊馬LP4000

フォーチュンチュン 伏せ1 手札3

 

 

 

「(いい判断だ、『フォーチュンチュン』ならカード効果への耐性と戦闘破壊にも強い…さて、ルドガーはどう動く…!)」

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【『インフォーマー・スパイダー』を召喚!】

スパイ道具を背負った蜘蛛が現れる ATK500

 

【私はレベル4の『グランドスパイダー』と『インフォーマースパイダー』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!】

 

70 

 

【現われよ!『No.70』!大罪背負いし蜘蛛!『デッドリー・シン』】

水色の身体を持つ大グモが現れる! ATK2400

 

【『デッドリー・シン』の効果発動!ORUを1つ取り除き、『神竜騎士フェルグラント』を次のスタンバイフェイズまで除外する!】

 

「『フェルグラント』の効果発動!ORUを1つ取り除き!自身を対象に効果発動!エンドフェイズまで効果は無効になるが、『フェルグラント』自身以外のカード効果を受けなくなる!」

竜騎士が光の玉を吸収し、聖なる結界を張る!

 

【ならばバトルだ!『デッドリーシン』で『フォーチュンチュン』を攻撃!】

 

(遊馬!)

 

「おう!『フォーチュンチュン』の効果発動!ORUを1つ取り除いて破壊を無効にする!」

青い鳥が光の玉を飲み込むと木の枝の杖を振るう…すると魔法陣が現れて蜘蛛の一撃を受け止める!

 

 

【『デッドリーシン』のさらなる効果発動!このカードが攻撃した時!このカードの攻撃力は300アップし、ランクは3つ上がる!】

 

デッドリーシン ATK2400→2700 ★4→7

 

【私はこのままターンエンド!】

 

「再び「復活の聖刻印」の効果発動!デッキから『聖刻龍─ドラゴンゲイヴ』を墓地に送る!」

ルドガーLP4000 

デッドリーシン 伏せ2 手札3

 

 

 

『兄さん!!』

 

【レクス…お前もこの街に来ていたのか】

デュエルが開始から少し経ち、レクスがようやくルドガーの居場所まで辿り着く…。

 

『やめるんだ兄さん!貴方のしようとしている事は間違ってる!』

 

【黙れレクス…私はアフリカで苦しむ村人達を見て思ったのだ…我々の力だけでは世界は変えられぬ…!世界を変えるには力が必要だ!その為に私は「No.」を集める…!】

 

『兄さん…!!』

 

「今は何をいっても無駄だ…!心配するな!俺達がルドガーを正気に戻す!」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「魔法カード『星呼びの天儀台』を発動!手札の『エレキテルドラゴン』をデッキの1番下に戻して2ドロー!…『聖刻龍─ドラゴンゲイヴ』を召喚!」

オレンジ色のウジャト眼を刻んだ人龍が現れる ATK1800

 

「バトルだ!『フェルグラント』で『デッドリーシン』を攻撃!」

 

【無駄だ!『No.』は『No.』との戦闘でしか破壊されぬ!】

 

「それはどうかな!『フェルグラント』の効果を発動!ORUを1つ取り除き『デッドリーシン』の効果を無効にし、このカード以外の効果を受けなくなる!斬り裂け!『フェルグラント』!」

フェルグラントの剣に光の玉が吸収され、デッドリーシンの効果を消し去る!

 

デッドリーシン ATK2700→2400 ★7→4

 

 

【ならば罠カード発動!『進入禁止!!No Entry!!』!フィールドのモンスター全てを守備表示にするが『デッドリーシン』は『フェルグラント』の効果により表示形式は変わらない!】

フィールドに黄色の封鎖帯が現れ、フェルグラントとゲイヴは膝をつく…

 

フェルグラントATK2800→DEF1800

 

ゲイヴATK→DEF1800→400

 

 

「っ…!やるな…!カードを2枚伏せてターンエンド!」

遊海LP4000

フェルグラント ドラゴンゲイヴ 復活印 伏せ3 手札1

 

 

 

「白野の攻撃を防いだ…!」

 

(あのルドガーという男…やはり強敵のようだな…!)

 

「慌てるな遊馬、アストラル…お前達ならやれるはずだ!」

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

 

『スタンバイフェイズに「フォーチュンチュン」の効果発動!自分のライフを500回復する!』

フォーチュンチュンから癒やしの力が遊馬のライフを回復する!

 

遊馬LP4000→4500

 

 

「そして『ゴブリンドバーグ』を召喚!」

赤いプロペラ機に乗ったゴブリンが現れる ATK1400

 

「さらに『ゴブリンドバーグ』の効果発動!召喚に成功した時!手札のレベル4モンスター『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚!」

ゴブリンの乗った飛行機からコンテナが投下され、巨大な青いゴーレムが現れる ATK1800

 

「いくぜ!オレはレベル4の『ゴブリンドバーグ』と『ゴゴゴゴーレム』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!」

 

39 

 

「現われろ!『No.39希望皇ホープ』!」

遊馬のエースである白き戦士が現れる! ATK2500

 

【罠カード「激流葬」発動!相手が召喚・特殊召喚に成功した時!フィールドのモンスター全てを破壊する!】

 

「やらせない!カウンター罠『反射の聖刻印』!『ドラゴンゲイヴ』をリリースする事でモンスター効果・魔法・罠の発動を無効にし破壊する!」

激流葬のカードが砕け散る!

 

「サンキュー!白野!」

 

「どうって事ないさ!リリースされた『ゲイヴ』の効果発動!墓地の『龍王の聖刻印』を特殊召喚!」

紺色のウジャト眼を刻んだ月光石が現れる DEF0

 

 

「バトルだ!『希望皇ホープ』で『デッドリーシン』を攻撃!ホープ剣スラッシュ!」

ホープの一撃がデッドリーシンを両断する!

 

【ぐぅ…!】

 

ルドガーLP4000→3900

 

「よし!カードを1枚伏せてターンエンド!」

遊馬LP4500

ホープ フォーチュンチュン 伏せ2 手札1

 

 

 

「その調子よ!遊馬─!」

 

「へへっ!ありがとよ小鳥!」

デッドリーシンを撃破しダメージを与えた遊馬に小鳥が声援を送る!

 

『油断するな少年!兄は…少なくとも3()()のナンバーズを持っている!!』

 

「なんだって…!」

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【自分フィールドにカードが存在しない時!手札の『マザー・スパイダー』は特殊召喚できる!】

巨大な蜘蛛の女王が現れる DEF2300

 

「(俺の知ってる「マザー・スパイダー」と違う…!まさか…漫画版の─!)」

 

【「マザースパイダー」の効果発動!自身をリリースする事でデッキから3体の「ベビー・スパイダー」を特殊召喚!】

女王グモが卵を生み…3体の子蜘蛛が現れる! ATK100  ATK100  ATK100

 

【「マザースパイダー」の効果で特殊召喚された「ベビースパイダー」のレベルは5となる!さらに魔法カードスパイダー・イート・スパイダー」を発動!「ベビースパイダー」1体をリリースする事でフィールドのモンスターのレベルをそのレベル分アップする!】

ルドガーの場の子蜘蛛が仲間を喰らい、その力を得る…!

 

☆3→5

 

☆3→5→10

 

☆3→5→10

 

 

「と、共食いした…!?」

蜘蛛の共食いを見た遊馬の顔が青褪める…

 

(そしてフィールドにはレベル10のモンスターが2体…来るぞ!遊馬!)

 

 

【私はレベル10となった「ベビースパイダー」2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!】

 

35 

 

【現われよ!「No.35」!暴食の罪を背負いし蜘蛛「ラベノス・タランチュラ」!】

単眼の大蜘蛛が現れる ATK0→100

 

「攻撃力100のナンバーズ…?」

 

【「ラベノスタランチュラ」の攻守は相手と自分のライフポイントの差分アップする…だが、まだ終わりではない!エクストラデッキの「No.84ペイン・ゲイナー」の効果発動!自分の場のランク8〜10の闇属性モンスターエクシーズの上に重ねてエクシーズ召喚する事ができる!現われよ!「ペインゲイナー」!】

 

84 

 

3つの目を持つ大蜘蛛が現れる DEF0

 

 

(進化するナンバーズだと…!?)

 

「でも守備力は0だ!次のオレ達のターンで倒せるはずだ!」

 

「2人とも!まだだ!」

動揺する遊馬達に遊海が注意を促す!

 

【「ペインゲイナー」の守備力はフィールドのモンスターエクシーズのランクの合計×200アップする!ランクの合計は26…よって!】

 

ペインゲイナーDEF0→5200

 

「「守備力5200だって…!?」」

 

【そして「ペインゲイナー」のもう1つの効果発動!ORUを1つ取り除き、このカード以下の守備力を持つモンスターを全て破壊する!】

 

(遊馬!リバースカードだ!)

 

「リバース罠発動!『皇の波動』!『ホープ』のORUを1つ取り除いてこのターンの間、自分フィールドのモンスターエクシーズはカード効果では破壊されなくなる!」

 

【甘い!『ペインゲイナー』のさらなる効果発動!ORUを持つこのカードがフィールドに存在する時に相手が魔法・罠を発動した時!そのプレイヤーに600ダメージを与える!】

 

「なっ!?うわぁ!」

遊馬に向かって針が放たれる!

 

遊馬LP4500→3900

 

ペインゲイナーDEF5200→3600

 

 

【ククク…!カードを1枚伏せ、ターンエンド!】

ルドガーLP3900

ペインゲイナー 伏せ1 手札1

 

 

 

「大丈夫か!遊馬!」

 

「ああ、かすり傷だぜ…!でも、今の痛みは…!」

遊馬は腕を見る…そこには小さな傷痕がついている…!

 

「気をつけろ、このデュエルではダメージが実体化してる…!少しの油断が命取りになるぞ…!」

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「(今の手札じゃ突破は不可能…やるしかない!)罠カード『貪欲な瓶』を発動!墓地の『ドラゴンゲイヴ』『アセトドラゴン』『トフェニドラゴン』『招集の聖刻印』『反射の聖刻印』をデッキに戻して1ドロー!」

 

【『ペインゲイナー』の効果発動!600ダメージを与える!】

 

「ぐっ…!!」

遊海の腕に針が突き刺さる!

 

遊海LP4000→3400

 

 

「っ…遊馬、アストラル…少し、無茶をするから…あとは頼む…!」

 

「えっ!?」

 

(何をするつもりだ!?)

 

「魔法カード『超力の聖刻印』を発動!手札の『聖刻龍─ネフテドラゴン』を特殊召喚!」

紫色のウジャト眼を刻む夜のドラゴンが現れる! ATK2000

 

【『ペインゲイナー』の効果発動!】

 

「ガッ…!!」

遊海の胸に毒針が突き刺さる!

 

遊海LP3400→2800

 

 

「さらに、リバースカード『銀龍の轟咆』を発動!蘇れ!『神龍の聖刻印』…!」

 

【『ペインゲイナー』の効果発動!】

 

「っあ…!!」

太陽石が現れ、再び遊海に針が突き刺さる! DEF0

 

遊海LP2800→2200

 

 

「『ネフテ』の効果発動!『神龍印』をリリースする事で…『ペインゲイナー』を破壊する!!」

 

【ぐっ…!?】

ネフテの尾から三日月の斬撃が放たれペインゲイナーを両断する!

 

「バトルだ…!『ネフテ』でルドガーにダイレクトアタック!」

 

【ぐおぉぉ…!!】

ネフテがルドガーに突進を喰らわせる!

 

ルドガーLP3900→1900

 

 

「俺はこれで、ターンエンド…!」

遊海LP2200

ネフテ 復活印 手札1

 

 

 

「っ…久々の、闇のデュエルは…少し、堪えるな…!」

 

「「『白野!!』」」

ターンを終えた遊海は脂汗をかきながら膝をつく…

 

「大丈夫…まだ、戦える…!頼むぞ、遊馬…!」

 

「おう!この一撃で決める!」

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「スタンバイフェイズに『フォーチュンチュン』の効果発動!500ライフ回復する!」

 

遊馬LP3900→4400

 

「バトルだ!『ホープ』でルドガーにダイレクトアタック!ホープ剣スラッシュ!!」

 

【リバース罠発動!『エクシーズ・リボーン』!「ペインゲイナー」を墓地から特殊召喚し、このカードはORUとなる!】

 

「なに─!?」

ルドガーの場に再び三つ目の蜘蛛が現れる DEF0→3600

 

「っ…!カードを2枚伏せてターンエンド!」

遊馬LP4400

ホープ フォーチュンチュン 伏せ3 手札0

 

 

 

【くくく…!相変わらず強いな白野…そしてお前もだ、少年よ…だが、それもここまでだ!我が望みの為に…お前達には倒れてもらう!】

ルドガーを覆う闇の力がその強さを増していく…!!

 

 

 

【私のターン!ドロー!】

【私は「ペインゲイナー」を素材に新たなるナンバーズを呼び出す!私は「ペインゲイナー」でオーバーレイ!】

 

「ランク12のモンスターエクシーズだって─!?」

 

(気をつけるんだ!遊馬!白野!)

 

【私は1体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!】

 

77 

 

【化天を司る糸よ…儚き無幻となりて我が滅び行く魂を導け!!現れろ!『No.77 ザ・セブン・シンズ』】

ルドガーの背後に巨大な白い蜘蛛が現れる! ATK4000

 

 

「攻撃力…4000…!」

 

「くそっ…!ここまできてこれか…!!」

遊馬と遊海は巨大な蜘蛛に圧倒される…!

 

【「セブンシンズ」の効果発動!ORUを2つ取り除き、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て除外!その内の1体をこのモンスターのORUにする!スパイダー・シルク・レイン!】

 

「っ!!避けろ遊馬!『ホープ』を奪われたらお終いだ─!!」

 

「リバース罠『亜空間物質転送装置』発動!『ホープ』をエンドフェイズまで除外する!!」

蜘蛛糸の雨が直撃する直前、ホープは異次元に消え去る!

 

 

【私は除外された『フォーチュンチュン』をORUに変換する…まずは貴様から消え去るがいい!バトル!「セブンシンズ」で白野にダイレクトアタック!!ジェノサイド・スパイダーシルク!!】

 

「やらせねぇ!!リバース罠『逆さ眼鏡』!エンドフェイズまで攻撃表示モンスターの攻撃力を半分にする!!」

セブンシンズの目に不思議な眼鏡が掛かり、狙いが分散する! ATK4000→2000

 

「っ…!ぐああぁぁぁ─!?ガハッ…!?」

遊海に襲いかかった蜘蛛糸…糸の光線は遊海を弾き飛ばし、街灯に叩きつける!!

 

遊海LP2200→200

 

 

【悪運の強い奴め…私はカードを伏せ、ターンエンド!】

 

「エンドフェイズに『ホープ』はフィールドに戻ってくる!」

ルドガーLP1900

ザセブンシンズ 伏せ1 手札1

 

 

 

「っ…コフッ…!助かった、ぜ…遊馬」

 

「白野!大丈夫か!?」

遊海は口の端から血を流しながら立ち上がる…

 

「(強い…!『セブンシンズ』は破壊耐性を持ってる…そして遊馬のライフは余裕があり過ぎて…「ホープレイ」は使えない…それにもし、ルドガーの伏せカードが連続攻撃系か、攻撃反応型のカードだったら…俺達は勝てない…!)」

朦朧とする頭で遊海は考える…遊海は知っている、ルドガーは抜け目のない男だと…!

 

「白野!無理しないでオレ達に任せてくれ!オレがあの人を止める!!」

 

「何を言ってるんだ、遊馬…!ルドガーは、俺が止めなきゃならん…!それが、俺の…役目だ…!!」

遊海を心配する遊馬…その声を押し退けて遊海はルドガーを睨みつける…!

 

「師匠が…弟子に守られて…!黙ってられる訳…ないだろうが─!!」

 

キィン─!!

 

「っ…!この光は…!」

遊海のエクストラデッキから光が溢れ出す…その光は…

 

「白紙のナンバーズ…!」

遊馬とアストラルの出会いから回収した白紙のナンバーズ…それが強い輝きを放つ!

 

「(『No.』は人の心を映す鏡…ならば、ここに…勝機はある─!!)」

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「遊馬、アストラル!!俺に…『ホープ』を貸してくれ!!」

 

(『ホープ』を!?白野、貴方は何をするつもりだ!?)

 

「…()()()()()()()!!だが、勝機はここしかない!!」

 

「…わかった!『ホープ』!白野さんに力を貸してくれ!!」

《…!》

遊馬の言葉にホープが頷く!

 

「俺に応えろ…ナンバーズ!!俺は『希望皇ホープ』でオーバーレイネットワークを再構築!!」

ホープが金色の光となって銀河へと飛び込む!!

 

「『希望皇ホープ』1体でオーバーレイネットワークを構築…!ランクアップ・エクシーズチェンジ!!」

 

93 

 

「顕現せよ!『No.93』!希望の戦士が光を宿し!闇を照らす希望となる!邪悪を燃やせ!『太陽皇ホープ・フェニックス』!!」

ホープが黄金の不死鳥の鎧を纏い、背中からは巨大な翼が展開する…この姿こそ、遊馬と遊海の絆の奇跡…『太陽皇ホープ・フェニックス』!!

 

 

「す、すげぇ…!『ホープ』が金色になった…!?」

 

(白野がナンバーズを持っていたのか…!だが、この力は…!)

遊馬とアストラルは生まれ変わったホープの姿に目を奪われる…!

 

 

『(感じますよ白波遊海…貴方はあの時のようにずっと世界を守る為に戦い続けてきたのですね…!)』

レクスはホープに重なるように光の女神の姿を幻視する…そして感じ取った、遊海の歩んだ戦いの歴史を…!

 

「『ホープフェニックス』の効果発動!自分または相手の墓地から『No.』モンスターを2体までこのカードのORUに変換し、エンドフェイズまでその2体の元々の攻撃力の合計分アップする!俺が選ぶのはルドガーの墓地の『デッドリーシン』と『ペインゲイナー』!シャイニング・チャージ!!」

 

【なに…!?】

ルドガーの墓地から2枚のナンバーズが飛び出し、ホープフェニックスに力を与える!

 

ホープフェニックス ATK3000→5400

 

「バトルだ!『ホープフェニックス』で『セブンシンズ』を攻撃!ホープ剣フェニックススラッシュ!!」

 

【まだだ!リバース罠『ドレインシールド』を発動!その攻撃を無効にし、相手の攻撃力分私はライフを回復する!】

 

「なに…!?」

 

セブンシンズを水色のバリアが守り、ルドガーのライフを回復する!

 

ルドガーLP1900→7300

 

 

「っ…!勝負を焦り過ぎた…!」

 

「まだだ!!諦めるな!白野─!」

 

(勝利の方程式の最後のピース…それは私達の手にある!)

 

(「速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』発動!モンスターの攻撃が無効になった時!そのモンスターはもう一度攻撃が可能になり…その攻撃力は倍になる!!俺達の希望を受け取れ!白野─!!」)

最後の希望が遊馬から遊海へと託される!!

 

「サンキュー…!!いけ!『ホープフェニックス』!!もう一度『セブンシンズ』を攻撃!」

 

【無駄だ!『セブンシンズ』はORUを取り除いて破壊を無効にできる!次のターンでお前のライフを削り切ってやる!!】

 

「これが最後の…ダメ押しだ!!手札から『オネスト』を捨て効果発動!光属性のモンスターがバトルする時!その攻撃力に相手モンスターの攻撃力を加える!!いっけぇぇぇ─!!!」

 

【な、なにぃぃ!?】

 

ホープの背中の翼が炎を纏う…その炎の力でホープは紅蓮の不死鳥となる!!

 

ホープフェニックスATK5400→10800→14800

 

 

「ホープ剣不死鳥終焉撃(フェニックス・エンド)─!!」

 

 

紅蓮の一撃が大罪の蜘蛛を一閃…その一撃が決着となった…

 

 

ルドガーLP0

 

遊海&遊馬 WIN!!

 

 

 

 

 

「な、なんとか…勝てた…!」

デュエルが終わり遊海は尻もちをつく…久しぶりの闇のデュエルは遊海に深いダメージを与えていた…。

 

 

「白野!大丈夫か!?」

 

「ああ…お前達のおかげで助かったよ、ありがとな…さて…」

遊海はよろよろと立ち上がり、倒れたルドガーへと歩み寄る

 

 

『ううっ…お前、は…』

 

「正気に戻ったか?ルドガー…せっかく罪滅ぼしをしてるってのに…暴れたら意味ないだろ?」

 

『すまない…迷惑をかけたようだな…』

正気を取り戻したルドガーはゆっくり起き上がる…

 

 

『情けない事だ…闇など捨て去ったつもりでいたが…』

 

「いいや、お前は正義のやり方が極端になっただけさ…お前はちゃんと立ち直ってるよ」

 

『…そう言ってもらえるならありがたい…これを受け取ってくれ』

ルドガーは4枚のナンバーズを遊海に手渡す

 

「確かに受け取った…アストラル!」

 

(ああ、たしかに)

遊海は受け取ったナンバーズをアストラルに投げ渡す

 

((…記憶が宿っていない…?だが、私の存在力が少し増したような気がする…散らばった「No.」にも何か種類があるのか…?))

 

 

 

 

 

『迷惑を掛けてすまなかった白野…私達はアフリカに戻り、少しでも人々の為になる事をしよう…』

 

『白野、そして少年よ…これを受け取ってくれ…』

夕日を背にしたゴドウィン兄弟はハートランドを去ろうとしている…そしてルドガーは遊海と遊馬にハートピースを手渡す

 

『私が襲ってしまった者から奪ってしまったものだ…お前達のハートピースに合えばいいが…』

 

「よし…嵌ったぜ!ありがとうおっちゃん!!」

 

「俺もだ、またいつか会おうルドガー、レクス…遊星にはお前達は元気にしてたって伝えておくよ」

 

『ああ…さらばだ2人とも、お前達の歩む道に赤き竜の加護があらん事を…』

そう言ってゴドウィン兄弟は去っていった…夕日に照らされた光の道を……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…で、どういう事だよ白野!なんで60年前にいた人と知り合いなんだ!?アンタって30歳くらいだろ?全然年齢が合わないじゃんか!?」

ゴドウィン兄弟が去ったあと、遊馬は遊海に詰め寄る…!

 

「あ〜…それはだなぁ…俺は()()鋼の騎士の子孫なんだよ!それで俺はあの2人の事やシグナー達とも繋がりがあってな!それでそれらしい態度をとったのさ!HAHAHA!!」

遊海はもっともらしい嘘をつく…普通なら当然バレるだろう…だが…

 

 

「へぇ〜そうなのか!!じゃあ今度昔の鋼の騎士の話を聞かせてくれよ!!本を買ったはいいんだけどすぐに眠くなっちゃってさ〜!」

 

「ああ、WDCが終わったら()()話してやるよ!それまで頑張れよ!遊馬!(遊馬、すまん…!!)」

純真過ぎる遊馬の性格が功を奏し、遊海の嘘はあっさり受け入れられる…だが…

 

(…………)

 

「…遊馬、少しアストラルと話をさせてくれないか?さっきのナンバーズについて話があるんだ」

 

「えっー?2人で内緒話かよ〜しょうがないなー…」

 

「すまん、少し大切な話なんだよ」

そういうと遊海は皇の鍵を受け取った…。

 

 

 

 

 

 

(…感謝する白野…いや、こう呼んだ方がいいか…最強の決闘者・白波遊海…!)

 

「…お見通しだったか、遊星の本を最後まで読んだんだな?」

 

(ああ、あの本では最後の一節まで貴方の事はシグナーの1人・メタルナイトとして記されている…だが、小説の最後…そこでのみ、メタルナイトの正体は死んだはずの『決闘王』だったと記されていた…遊馬はまだ最初の数ページも読んでいないがな…)

 

遊馬達から少し離れた場所で遊海はアストラルと言葉を交わす…アストラルはその頭脳と観察眼によって遊海の正体を見抜いていた…!

 

 

(何故、相当歳を取っているはずの貴方が若い姿なのか…そもそも何故、貴方がこの街にいるのか…疑問は尽きないが…これだけは聞かせてくれ…貴方は…)

 

「…心配するなアストラル…俺はお前達の敵にはならない、俺にはたしかに()()がある…だが、それはお前達には害のないものだ…だからこそ、俺はお前にこのカードを託す…!」

遊海はアストラルに()()の「No.93」だったカードを差し出す…。

 

 

「なんでだか絵が消えちまったが…これはさっきのナンバーズだ、受け取ってくれ」

 

(白紙のナンバーズ…)

アストラルは遊海の手にしたカードを見つめる…

 

「…ナンバーズは人の心を映す鏡のようだ、悪意を抱けば暴走し…善意を抱けば優しい力となる…俺は善意と悪意をうまくコントロールしてるから白紙なのかもな…」

 

(本当に貴方はすごい決闘者だ…これからも遊馬を頼む、彼は…無鉄砲で優し過ぎる…)

 

「ああ、遊馬を導くのが『師匠』としての俺の役目だ…これからもよろしくな、アストラル」

アストラルは遊海からナンバーズを受け取る…その時だった…。

 

 

 

キィン─ジジッ…

 

 

 

 

 

 

『アストラル…なぜ、この場所に来た…』

 

《私の使命を果たす為に人間界へと向かう事になりました…貴方は人間界の記憶を持っていると聞き、訊ねにきたのです》

 

薄暗い部屋…そこでアストラルは何者かと話している、だが…彼の目の前には人影はなく…檻に囚われた光の玉が浮いているだけだった。

 

 

『そうか……ワシには役立てる事はほとんど無い…ワシの存在は、間もなく燃え尽きる……攻撃が止まらなければワシはもう存在を保てぬだろう…』

 

《○○○○○に私から頼んで…》

 

『無駄だ、あの頑固者はお前の意見など聞きもしないだろう…アストラル、人間界にはアストラル世界にないものがたくさんある…人との出会いもあるだろう…きっとその出会いは…お前の力となる…良い出会いを──』

 

[アストラル、ここで何をしている…この場所はお前の来るような場所ではない]

 

《○○○○○…》

 

話をするアストラルの背後に光の化身のような男が現れる…

 

[この者は「カオス」に囚われた罪人だ、アストラル世界の使者であるお前を貶める「悪魔」だ…言葉を交わす事は許さん]

 

ビリビリ…バチバチバチ!!

 

『ガッ…ア"ア"ア"ア"ア"ア"─!?』

檻から放たれた雷撃が光の玉を攻撃する…!

 

[罪人○○○○よ、お前はこの世界を守る礎…その身が砕けるまで…我らの世界を守るのだ]

 

『…ワシは、諦めん…!諦める訳にはいかない…!()()()を…見つけるまで…オレは─!!』

 

 

 

 

 

ジジッ…

 

 

 

 

 

 

 

「アストラル?大丈夫か?」

 

(っ…すまない、アストラル世界に関する記憶の一部を取り戻したようだ)

アストラルは遊海の言葉で正気を取り戻す。

 

 

「悪いが…遊馬達には俺の正体はまだ黙っててくれるか?」

 

《ああ、今の遊馬が貴方の事を知ったらWDCどころではなくなるだろうからな…》

遊海はアストラルに念を押すと遊馬の所へと戻る…。

 

 

「悪かったな遊馬、たしかにアストラルにナンバーズは渡したから」

 

(アストラル世界の記憶の一部が宿っていた…助かったよ白野)

 

「へぇー!よかったじゃん!」

遊海は遊馬に皇の鍵を返す…。

 

 

「そういえば…白野はこれからどうするんだ?メタルナイトとしてWDCに参加してるんだろ?」

 

「ああ、少し俺にもやりたい事があってな…決勝で会おう…って感じかな?とりあえず今日は帰るとするかな…遊馬達はどうするんだ?」

 

「オレはもう少しデュエルの相手を探して見るぜ!」

 

「私もついていくわ!」

遊馬と小鳥はまだ元気があり余っているようだ…

 

「そうか、頑張れよ遊馬!」

 

「ああ!かっとビングだぜ!!じゃあな白野!!」

 

 

 

 

 

 

「つ、疲れた…闇のデュエルは流石に…身体に堪えるな…ととっ…」

 

《お疲れ様ですマスター…1人で歩けますか?》

 

「少なくとも…Dホイールを運転したら事故りそうだ…」

 

遊馬と別れた遊海はおぼつかない足取りで家を目指していた…。

 

 

《ユウミ!「ホープフェニックス」かっこよかったです!ナンバーズがユウミの心に共鳴したのでしょうが…まさか私の力が現れるとは…!》

 

《私は少し悔しいです…!なんでマスターのパートナーである私の力ではないんですか─!?》

 

「う〜ん、『ホープ』がフレアの力と相性が良かったのかもなー…でも気にするなよアヤカ、お前は俺の1番の相棒なんだからさ…」

遊海は優しくアヤカのコアを撫でる

 

《あー!ずるいです!私もー!!私だって今日は頑張りましたよー!!》

 

「わかってる…家に着いたらブラッシングしてあげるから…ね?」

 

《キュルル〜♪》

アヤカとフレアと共に騒がしく家に向かう遊海…その時

 

 

「…アヤカ」

 

《…前方10m、廃ビルの屋上です!》

 

「ようやく、見つけたぞ…!!」

遊海は殺気を感じ、正面の廃ビルを睨む…その屋上には鉄仮面を着けた子供の姿があった…!




今回は以前開催した「オリジナルナンバーズ募集」に投稿された雷影さんのアイデアを少し調整して使わせていただきました!ありがとうございます!



登場オリカ


No.93 太陽皇ホープフェニックス ランク5 
光属性 戦士族 ATK3000 DEF2500

Lv5モンスター×3

このモンスターは「ホープ」モンスターエクシーズの上に重ねてX召喚する事ができ、フィールド・墓地に存在する限り「希望皇ホープ」としても扱う。

このカードの①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
①X召喚、または③の効果での特殊召喚に成功した時に発動できる。自分または相手墓地からNo.Xモンスター2体まで選びこのカードのX素材にする。ターン終了時までX素材としたNo.Xモンスターの攻撃力の合計分攻撃力がアップする。
②1ターンに1度、X素材を一つ取り除いて発動する。相手のターン終了時まで戦闘、効果によって破壊されず相手のカード効果を受けない。
③このカードがフィールド上から離れた時、ライフを半分払って発動することができる。墓地または除外されたこのカードをフィールド上に特殊召喚し、このカード以外のフィールド上のカードを全て破壊する。この効果はデュエル中1度しか使用できない。


・見た目
遊海の精霊アーマー・モード太陽神(ラーの使徒の鎧)を纏った「希望皇ホープ」
鎧は太陽のように黄金に輝き、攻撃時には背中の翼が炎を纏う。

必殺技は炎の推進力と共に剣を振り下ろす「ホープ剣フェニックススラッシュ」

「ダブルアップチャンス」と「オネスト」によって強化された際は紅蓮の不死鳥と化して相手に突撃し、赤熱した剣で一閃する「ホープ剣不死鳥終焉撃(フェニックス・エンド)」




他のアイデアも何かしらの形で作品内に生かしたいと思っています…期待しないでお待ちください(笑)

たくさんの投稿ありがとうございました!

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