転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

遊海はついに因縁と相対する…!


それでは最新話をどうぞ!


怒りの決闘〜狂気の復讐者〜

【よく気づいたねぇ…岸波白野、やはり君は只者ではなさそうだ…】

 

「はぁ…はぁ…!!ようやく、見つけたぞ…!()()()()()()()()()()()!!」

 

痛む身体をおして遊海は階段を駆け上がる…その先には緑色のコートを纏い、鉄仮面を着けた子供が立っていた…しかし、その子供からは子供とも思えない強いオーラが放たれている…!

 

 

【バイロン…()()()()()()()んだ、今はトロンと呼んでほしいかな?】

トロン…彼はそう名乗るが本名ではない、本名はバイロン・アークライト…ハートランドの裏の帝王・Dr.フェイカーの元助手にして…裏切りを受けた復讐鬼である…!

 

【君にはあの子達がお世話になったようだからねぇ、お礼に来たんだ…はい、飴あげるよ!】

トロンは遊海に飴を投げ渡す

 

「ふざ、けるな…!!子供達を…復讐に巻き込むんじゃねぇ!!それでもお前は父親なのか!!答えろ!トロン─!!」

渡された飴を握り潰しながら遊海はトロンへと吼える…!

 

【父親?ぼくは父親なんかじゃない…あの子達は()()さ…!Dr.フェイカーへ復讐をする為のねぇ!!】

遊海の殺気とトロンのオーラがぶつかりあう…。

 

 

 

 

 

2人の因縁は数年前に遡る…。

 

 

とある遺跡調査の中でDr.フェイカーによって行方不明となったバイロン・アークライトと遊馬の父・九十九一馬…その調査にはバイロンの長男・クリストファーも同行していた…、クリスは父が行方不明になった真実を知る為にDr.フェイカーの助手であり続けた…しかし、1つの問題があった、それは幼い2人の弟…トーマスとミハエルの事だった。

研究と弟達の世話を両立するのは無理だと感じたクリスは2人を一時的に施設に預ける事にした…そんな時、クリスに声を掛けたのが行方不明になった一馬の旧友だった白野…遊海だった。

 

当時、凌牙と璃緒を世話していた遊海は2人も4人も変わらないとミハイルとトーマスを預かった…その裏には少しでも家族の愛を感じる事ができれば最悪の事態は変えられるかもしれない…という思いもあった…。

 

そうして父を失い寂しさを感じていたアークライト兄弟や神代兄弟、そして遊馬のメンタルケアをしながら平和な日々を過ごしていた遊海…しかし、そんな日々は突然終わりを迎える。

 

 

ある日、書き置きを残してアークライト兄弟が行方を晦ましてしまったのだ。

 

 

 

手紙には行方不明だったバイロンが帰ってきた事、そしてそれによりDr.フェイカーによる裏切りを知った事、そして…Dr.フェイカーに復讐する為に父についていくという事が記されていた…。

遊海は必死に行方を探したが、「紋章」の力により捜索はうまくいかず…遊海の知る歴史と同じ道筋を進んでしまったのだった…。

 

 

 

 

 

 

【ぼくを許せないかい?決闘者なら…解決する方法は1つだろぅ?】

 

「そうだな…!尋常に勝負だ!トロン!!お前達の復讐…ここで終わらせる…!!」

 

 

「【デュエルディスク!セット!】」

 

【ハッ…!】

 

「俺は…お前を許さない!!」

トロンは鉄仮面の左目を妖しく輝かせ、遊海の左目には炎の紋様が現れる!

 

 

 

【ARビジョン…リンク完了!】

 

 

 

「【デュエル!!】」

 

 

遊海LP4000

トロンLP4000

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「モンスターをセット!ターンエンド!」

遊海LP4000

セットモンスター 手札5

 

 

 

【ぼくのターン!ドロー!】

【手札の『紋章獣レオ』を捨てて『紋章獣アンフィスバエナ』は特殊召喚できる!】

体の両端に頭の付いたドラゴンが現れる ATK1700

 

【そして『紋章獣ベルナーズ・ファルコン』を召喚!】

鎧を纏ったハヤブサが現れる ATK1000

 

【さらに自分の場に『紋章』モンスターが2体いる時、手札の『紋章獣エアレー』は特殊召喚できる!】

長い角を持つ鹿の幻獣が現れる DEF1800

 

【ぼくはレベル4の『エアレー』と『ベルナーズファルコン』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!】

 

85 

 

【出てきなよ!『No.85』!悪魔のおもちゃ箱…『クレイジー・ボックス』!】

トロンの場に黒い立方体が現れ変形、巨大な赤い目を覗かせる悪魔の箱が現れる ATK3000

 

 

「いきなりナンバーズか…!」

 

【『クレイジーボックス』は攻撃できない…でも、面白い効果があるんだぁ!『クレイジーボックス』の効果発動!ORUを1つ取り除いて効果発動!サイコロを振って、その出目に応じた効果が発動する!ダイスロール!】

クレイジーボックスが激しく回転する…出目は…5!

 

【大当たり!君のセットモンスターを破壊させてもらうよ!】

 

「っ…!」

クレイジーボックスから赤色の5本の光線が放たれ、伏せられた「剣闘獣ホプロムス」が破壊される!

 

【バトルだ!「アンフィスバエナ」で白野にダイレクトアタック!】

 

アンフィスバエナの龍口から雷撃と炎の息吹が放たれ遊海を焼き焦がす!!

「ぐああ…!!」

 

遊海LP4000→2300

 

 

【ぼくはカードを1枚伏せてターンエンド!】

トロンLP4000

クレイジーボックス アンフィスバエナ 伏せ2 手札1

 

 

 

 

「俺の、ターン!ドロー!」

「モンスターをセット!さらに手札の地属性モンスター『磁石の戦士γ』『メデューサワーム』『ゲートブロッカー』を除外!『ブロック・ドラゴン』を特殊召喚!」

おもちゃのカラフルなブロックでできたドラゴンが現れる! ATK2500

 

「バトルだ!『ブロックドラゴン』で『アンフィスバエナ』を攻撃!ブロックバイト!」

おもちゃのドラゴンが双頭のドラゴンを噛み砕く!

 

【ダメージ計算時に罠カード『紋章変換(チェンジ・メダリオン)』を発動!手札の『紋章獣ユニコーン』を特殊召喚!】

黒い鎧を纏ったユニコーンが現れる ATK1100

 

【そしてぼくが受ける戦闘ダメージはこの効果で特殊召喚したモンスターのレベル×1000ダウンする!よって、ぼくへのダメージは0さ!】

 

「俺はこのままターンエンド!」

遊海LP2300

ブロックドラゴン セットモンスター 手札1

 

 

 

【ぼくのターン!ドロー!】

【リバース魔法『蘇生紋章(リボーン・メダリオン)』を発動!墓地の『紋章獣レオ』を特殊召喚!】

白い鬣を持つ鎧の獅子が現れる ATK2000

 

【そしてぼくはレベル4の『ユニコーン』と『レオ』でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!】

 

18

 

【現われろ!『No.18紋章祖プレイン・コート』!】

トロンのフィールドに水晶の原石のようなオブジェが現れて変形…赤い渦巻の目を持つモンスターが現れる ATK2200

 

【そしてぼくは装備魔法『爆破紋章(ブラスト・メダリオン)』を『ブロックドラゴン』にプレゼント!】

鎖の付いた紋章がブロックドラゴンに絡みつく!

 

【そして『クレイジーボックス』の効果発動!ORUを1つ使って…ダイスロール!】

 

再びクレイジーボックスが高速回転する…出目は…4!

 

【当たりだぁ!ぼくは『クレイジーボックス』自身の効果を無効にするよ!つまり…『クレイジーボックス』は攻撃ができるようになる!バトル!『クレイジーボックス』で『ブロックドラゴン』を攻撃ィ!!】

クレイジーボックスから無数の爪が伸び、ブロックドラゴンを粉砕する!!

 

「っう…!!破壊された『ブロックドラゴン』の効果発動!デッキからレベルの合計が8になるように岩石族モンスターを手札に加える!俺が加えるのはレベル1の『アロマポッド』とレベル7の『メガロック・ドラゴン』!!」

 

遊海LP2300→1800

 

【じゃあぼくも破壊された『爆破紋章』の効果を発動〜!装備モンスターが破壊された時にぃ…そのコントローラーに攻撃力の半分のダメージをプレゼント!!吹き飛んじゃいなよ!!】

 

遊海の目の前に紋章が現れ爆発する!!

 

「ぐああぁぁぁ!!!」

遊海LP1800→550

 

 

【どうだい?ぼくのプレゼントは気に入ってくれたかな?さらにぼくは「プレインコート」でセットモンスターを攻撃ー!】

プレインコートの念動波がバックパックを背負った虫人を破壊する!

 

「リバースした、『魔導雑貨商人』の…効果…!デッキから魔法、罠カードが出るまでデッキをめくり、そのカード以外を…墓地に送る…!」

 

 

墓地送り

災いの像

速攻のかかし

スモールピースゴーレム

超電磁タートル

Nグランモール

キャッスルゲート

磁石の戦士α

ホプロムス

伝説の柔術家

守護者スフィンクス

タックルセイダー

磁石の戦士β

怒気土器

ゴゴゴギガース

リバイバルゴーレム

ギガストーンオメガ

ゴゴゴゴーレム

フォッシルダイナパキケファロ

恵みの像

以上19枚

 

☆封魔の矢

 

 

 

「デッキから、墓地に送られた『リバイバルゴーレム』の効果発動…!自身を、特殊召喚!」

泥の体のゴーレムが現れる DEF2100

 

【ぼくはこれでターンエンド】

トロンLP4000

クレイジーボックス プレインコート 手札0

 

 

 

「っあ…はぁ…はぁ…!!」

 

【アハハー!もうボロボロじゃないか!Ⅴから君は強いって聞いたけど…それほどでもないねぇー…もう寝ちゃえばぁ〜?】

たび重なる攻撃で遊海の身体は既にボロボロだった…トロンはその様子を嘲笑う……現在のトロンに「感情」はほとんどない、異世界から帰還する代償…そして強い復讐心によって感情を失ってしまったのだ…。

 

 

【君には感謝してるよ、君が彼らに愛を与えてくれたから彼らはぼくの為に怒ってくれた…そしてぼくの復讐に力を貸す同志となった!アハハ「ハハハハ…!」!…何がおかしいのかなぁ?】

トロンとシンクロするように遊海が笑い声を上げる…そしてふらふらと立ち上がる…!

 

「いや、『子の心、親知らず』とは…よくできた言葉だと思ってな…!トロン…復讐鬼よ!!俺はお前を許さない…!!これから俺は…お前をブン殴る!!」

 

【やれるならやってみなよ!そのボロボロの身体でさぁ!!】

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「俺は墓地の岩石族モンスター18体を除外!現われろ!我が心を守りし岩石龍!『メガロック・ドラゴン』!!」

《グオオオォォオ─!!》

咆哮を轟かせながら巨大な岩石龍が出現する!ATK?→12600

 

 

【こ、攻撃力12600だと─!?】

 

「『メガロック』の攻守は特殊召喚時に除外した墓地の岩石族の数×700アップする!!たとえナンバーズを破壊できなくとも…それを上回る力で叩き潰せば…問題ない!!」

 

《復讐に囚われし愚か者よ!!我が一撃、受けきれるか─!!》

 

「バトルだ!『メガロック』で『クレイジーボックス』を攻撃!!鳴動富嶽!!」

《我が主の怒りを受けよ!!オラアァァァ!!》

 

【っ…!?うわあぁぁー!!】

メガロックがその巨躯でクレイジーボックスへと突進…当然破壊はできないが…衝撃波でトロンを弾き飛ばした…。

 

 

 

トロンLP0

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…!どうだ、バイロン…!俺達の、一撃は…!」

 

【君が精霊使いだったとはね…!少し、驚いたよ…!】

遊海による渾身の一撃を受けトロンは膝をつく…その仮面にはヒビが入っている…。

 

「次は、俺が殴っ…てや…っ…」

トロンに掴み掛かろうとした遊海の視界が…世界が回り、うつ伏せに地面に倒れこむ…WDC予選での連戦…そしてルドガーとの闇のデュエルで遊海の体力は既に限界を迎えていた…。

 

 

【君が本調子だったら…ぼくの復讐はここで終わっていただろうね…天運はまだぼくの味方のようだ…!】

 

『トロン、お戯れはそこまでに』

 

【ああ、お迎えありがとうⅤ…久しぶりに少し熱くなってしまったよ】

トロンの背後に銀色のロングヘアーの青年…Ⅴが現れる。

 

【今日は楽しかったよ!僕はもう本戦に出るのが決まってるからハートピースはあげられないんだ!だから…本戦で待ってるよ?岸波白野!じゃあね〜】

トロンはひらひらと手を振ると背後に開いた空間ゲートへと消えていった…。

 

 

『さようなら白野さん…貴方も勝ち残る事を祈っています』

 

「待…て、クリス…!お前は、お前は…それで…いいのか…!」

トロンに続き去ろうとするⅤ…クリストファーに遊海は問いかける…。

 

『……いい訳がない…私は早くトロンに元の父様に戻って欲しい…!それだけです…!』

そう小さく呟いたⅤはその場から去っていった…。

 

 

 

 

「…ごめん…ごめんな、クリス…!俺では、お前達の事を…守ってやれなかった…!」

遊海は静かに涙を流す…兄弟を守れなかった後悔が遊海の心を覆っていく…。

 

「トロン…お前は、お前は…俺、が……──」

拳を握り締めた遊海の意識はそのまま暗闇へと落ちていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

Sideトロン

 

 

 

【あいたた…君の言うとおりだったよⅤ、白野はとても強い決闘者だ、きっと本戦まで出てくるね〜】

 

『お身体は大丈夫ですか?』

アジトへと戻ったトロンへとⅤが尋ねる。

 

【うん、大丈夫だよ、少し仮面が壊れただけさ…それにしても…彼の感情は美味しかったなぁ…!】

トロンは舌なめずりする…トロンはどさくさに紛れて遊海の感情の一部を奪っていたのだ…。

 

【僕への純粋な「怒り」…君達への「愛情」…そして「悲しみ」に「哀しみ」…そして隠し味に「希望」…本当に美味しかった…!もう一度味わいたいなぁ…!!】

うっとりとしながらトロンは呟く…しかし、その目は冷たく遠くを睨んでいた…。

 

 

 

『(…白野さん、どうかトロンを止めてください…復讐の狂気に飲まれてしまった父を…!)』

 

クリスは強く、拳を握り締めた…。

 


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