転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

白猫×鬼滅やら復刻ぐだぐだやらで執筆が進みませんでした!すいません!


それでは最新話を…どうぞ!


外道・陰謀・策略〜牙の目覚め〜

『勇敢なるデュエリストの諸君!グッドモーニングゥ!!』

 

ハートランドシティにMr.ハートランドの姿が投影される…遊海とトロンの激突から一夜が明け、WDCの予選2日目が始まろうとしていた…。

 

『WDCも予選2日目…今日からが本番だ!!熱いハートをぶつけ合うがいい!ハートバーニング!!』

 

 

 

 

 

「遊海さん…WDCの2日目が始まりましたよ…?」

ハートランドの病院の一室、翠は眠り続ける遊海に声をかける…闇のデュエルの連戦によって遊海の身体は深く傷付いていた…もちろん傷は既に完治している、だが…遊海は深く眠り続けている…。

 

《キュウ…》

 

「…心配しないでフォウくん、遊海さんは少し疲れてるだけ…きっとすぐに目を覚ますわ…」

カバンの中に入り込んでいたフォウを撫でながら翠は呟く…

 

「(…今日は色々な事件が起きるはず…私はどうしたらいいの…?)」

翠は強く遊海の手を握り締めた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

「よ〜しっ!!今日も絶好調だぜぇ!」

朝食を済ませた遊馬が家から飛び出す…大会2日目にしてハートピースを3つ集めた遊馬は波に乗っていた…。

 

「もう、調子に乗っちゃって…白野さんと戦ったナンバーズ使いの事だってあるのよ?」

家の外で遊馬を待っていた小鳥が声をかける…連戦で消耗していたとはいえ遊馬の師匠を追い詰めた謎の人物…小鳥は遊馬の事が心配だった…。

 

「…わかってる、でも…こんな時こそテンション上げていかないとな!そうじゃなきゃ白野に怒られちまう!」

 

「遊馬…」

小鳥はなんとなく理解した、遊馬も不安を抱えている…それを表に出さないで戦いに臨んでいるのだと…。

 

「とにかく!本戦に出て白野に褒めてもらうんだ!かっとビングだ─!!」

遊馬は街に向かって歩き出す…その時だった。

 

 

「早く来いよ〜!遅れちまうぞー!!」

 

「ま、待ってください〜!!」

 

「ん?鉄男と委員長…?あんなに急いで何処に行くんだ…?おーい!2人とも何処にいくんだ〜?」

遊馬達の前をスケボーに乗った鉄男とそれを追う等々力が駆け抜けていく…。

 

 

「おお、遊馬!」

 

「デュエルなんですよ!!トドのつまりこれです!!」

興奮した様子で等々力がタブレットを見せる…そこには右目の下に十字傷のあるデュエリストの姿が映っていた。

 

「遊馬知らねぇのかよ?アジアチャンピオンのⅣだよ!シャークと全国大会で戦った!」

 

「シャークの…あっ…!」

 

(シャークが言っていたのはこの男の事か…)

鉄男の言葉を聞いた遊馬の脳裏に昨日の言葉が蘇る…凌牙が全国大会で戦って負けた相手…そして、勝つ為には手段を選ばない危険な男なのだと…。

 

 

「僕達これからⅣとデュエルするんです!彼からの指名で!抽選に受かって良かった─!」

 

「えっ…!?こいつってやばい奴なんじゃ…?」

 

「どういう事です?」

遊馬の呟きに等々力が反応する…。

 

「いや、シャークが言ってたんだけど…勝つ為に手段を選ばない…危ない奴だって…」

 

「何言ってんだよ遊馬?Ⅳ程紳士的なデュエリストなんて中々いないぜ?それこそ伝説の『赤帽子』とか『ブリザード・キング』とか…そういうレベルで紳士的なデュエルをする人なんだぜ!」

 

「彼とデュエルできるなら…トドのつまり!もう思い残す事はありません!!おっと…!待ち合わせに遅れてしまいます!」

 

「そうだな!行こうぜ!!」

 

「あっ…ちょっと待てよ!」

遊馬の言葉を気に留めず鉄男達は走り出す…遊馬は慌てて2人を追いかけた…。

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

「…こんな場所でデュエルするのか…?」

 

「こういう場所だからこそ彼とゆっくりデュエルできるんですよ!」

遊馬達が辿り着いたのはとある工事現場…Ⅳに指定された場所だったらしいが…遊馬は少し不穏な空気を感じていた…。

 

『その通りですよ…この場所だから私も君達の相手ができる』

 

「「Ⅳさん!!」」

 

「あいつが…あれ…?」

工事現場の反対側からⅣ、そしてマネージャーらしき桃色の髪の少年が歩いてくる…その顔を見た遊馬は小さく首を傾げる

 

(どうした?)

 

「いや…あの桃色の髪の奴…どっかで会った事がある気がして…」

 

 

 

『お待たせしましたね武田君、等々力君…早速デュエルを始めましょうか!』

 

「そ、その前にサインください!大ファンなんです!」

 

「お、俺も!!」

 

『おやおや…良いですよ!()()()()()()()は私のモットーですからね』

サインをねだる鉄男と委員長、そしてそれに応えるⅣ…傍から見ればなんて事のない光景だった…。

 

 

「鉄男君!デュエルの順番はどうしますか?」

 

「あっ…ジャンケンで決めるか?」

サインを貰った2人はデュエルの順番を決めようとする…しかし、Ⅳが待ったをかける。

 

『よかったら3()()でやりませんか?ルールはバトルロイヤルで…ハートピースはオールインでどうでしょうか?』

 

「えっ?バトルロイヤル?」

 

(バトルロイヤルルールは自分以外全員が敵になる…しかし、鉄男と委員長はⅣを狙う事になる…実質の2対1のデュエル…白野のような上級者でなければ彼にとって不利な戦いになるはずだ)

アストラルが冷静に状況を分析する…そしてデュエルは始まった…。

 

『私は貴方達に知って欲しいんです!デュエルの無限の可能性を…君達でも私を倒し得る可能性があると!!』

 

 

 

 

デュエルダイジェスト Ⅳ対鉄男&等々力

 

 

 

 

『…兄様、急ぎましょう…今の攻撃で繰り出して来ないなら…()()()()()()()()()()()()()()()ようですから』

 

「ナンバーズだって!?」

 

(まさか…彼らもナンバーズを集めているのか!?)

デュエル終盤…Ⅳは鉄男と委員長のタッグに追い詰められている…ように見えた、しかし…それは演技だった…!Ⅳは鉄男達が()()()()()()()()()ナンバーズを出させる為に手を抜いていたのだ…!

 

 

『そうだなⅢ…わかってる、そろそろ受けて貰おうか…()()()()()()()()()()()()を!!』

 

「Ⅳ…さん…?」

Ⅳの纏う空気が変わる…肌を刺すような殺気が鉄男達に襲いかかる…!!

 

『希望を与えられ…それを奪われる、その瞬間こそ!人間は一番美しい表情をする!!…お前達のデュエルは素晴らしかった!!だが…まるで全然このオレを倒すにはほど遠いんだよねぇ─!!』

 

 

15

 

 

『現れろ!「No.15」!地獄からの使者…運命の糸を操る人形…!「ギミック・パペット-ジャイアントキラー」!!』

Ⅳの場に漆黒の身体を持つ巨大な操り人形が現れる…それこそがⅣの操るナンバーズの1体…ジャイアント・キラー…!

 

 

「「ナンバーズ…!?」」

 

「あいつ…!ナンバーズ使いだったのか!!」

鉄男達と遊馬は驚きを隠せない…アジアチャンピオンの裏の顔…それがナンバーズ使いだったのだから…!

 

『「ジャイアントキラー」の効果発動!ORUを1つ使い相手フィールドのモンスターエクシーズを全て破壊!その攻撃力分のダメージを与える!さぁ…粉々になりなぁ!!』

 

「「なにっ!?」」

Ⅳの宣言の瞬間、「ジャイアントキラー」に異変が起きる…胸元のパーツが開き巨大な破砕機が露出…鉄男の「ブリキの大公」と委員長の「ワクチンゲール」が破砕機に引き摺り込まれ…無残に粉砕される…!!

 

『さぁ…!オレの()()()()()()()を受け取れ!デストラクション・キャノン!!』

 

「「うわあああ!!?」」

 

「鉄男!委員長─!!」

破砕されたモンスターの残骸をエネルギーとした破壊弾が鉄男達を吹き飛ばす…彼らが感じるのは実際の痛み…ダメージが実体化している…!!

 

 

『ククク…ハハハハハ!!素晴らしいよ!その苦痛で歪んだ顔!!それでこそオレもファンサービスのしがいがある!!本気のファンサービスはこれからだぁ!!』

苦しむ鉄男達を見てⅣは笑い声をあげる…Ⅳの本性…それは苦しむ人間を見て愉しむ卑劣なものだった…!

 

『墓地に眠る2体の「ギミックパペット─ベビーフェイス」の効果発動!戦闘で破壊されたこのモンスターとこのモンスターを戦闘で破壊したモンスターが相手の墓地にいる時!そのモンスター…つまり「ブリキの大公」と「ワクチンゲール」を相手の場に特殊召喚する!』

 

(これは…ループ攻撃だ!!Ⅳは「ジャイアントキラー」の効果をもう一度使って鉄男達にトドメをさすつもりだ!!)

 

「なんだって!?」

アストラルの推測は当たっていた…Ⅳは自分のモンスターが破壊される事も見越して戦術を組んでいたのだ…!

 

 

『お前らは破滅の糸に操られたデク人形…!オレの支配から逃れる事はできん!!再び「ジャイアントキラー」の効果発動!ORUを1つ使ってモンスターエクシーズを全て破壊!その攻撃力分のダメージを与える!苦しみを味わうがいい!!デストラクション・キャノン!!』

 

「「うわあああ!!!」」

再び鉄男達のモンスターが無惨に粉砕される…そして破滅の弾が鉄男と委員長のライフを吹き飛ばし…デュエルは決着した…。

 

 

委員長&鉄男 LP0

 

Ⅳ WIN…

 

 

 

 

「ひどい…!!」

 

「鉄男!委員長─!!」

デュエルフィールドに遊馬の叫びが響く…小鳥はあまりに酷い光景に顔を覆ってしまう…だが、まだ終わりではなかった…!

 

『まだだ!オレのファンサービスはまだ終わらないぜ!!「ジャイアントキラー」!!』

 

「っ!?やめろ!!もう決着は着いたはずだ─!!」

デュエルはまだ終わっていなかった…左目の紋章を妖しく輝かせたⅣは「ジャイアントキラー」に攻撃の指示を出す─!

 

『お前には彼らがファンサービスを喜んでいるのがわからないのか?スターはファンに全てを捧げるもの…!オレが全力で愉しめばファンも楽しんでくれるのさぁ!!「ジャイアントキラー」!ファイナルダンス!!』

動き出した「ジャイアントキラー」が糸を振るう…それは鉄男達に迫り─!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《聖刻反射の陣!!》

 

 

 

 

ギャキィン!!

 

 

『なにっ…?』

「ジャイアントキラー」の糸は2人に届く前に見えない何かに弾かれる!

 

《…遊馬殿への万が一に備えてついていたが…これもまた我が使命…!!》

 

「トフェニ…!」

ⅢとⅣには見えていないが…鉄男達の前には魔法陣を展開する白龍の姿があった…それは遊馬の万が一の危険を防ぐ為に遊馬についていたトフェニだった…!

 

《…我が姿はお前達には見えず、我が声も聞こえぬだろう、だが…拙者は怒っている!!消え去れ外道よ!「抹殺の聖刻印」!!》

 

キィン─!!

 

『な、なにぃ─!?』

トフェニが白い魔法陣を展開する…その魔法陣は「ジャイアントキラー」を飲み込み、異次元へと消し去った…何が起きたのか理解できていないⅣはただ戸惑っている…。

 

《遊馬殿、アストラル殿…彼らの傷は浅い…心配せずとも大丈夫だ》

 

(トフェニ…ありがとう、助かった…!)

 

《良いのだ、我が主はこのような事をする者を嫌う…主が今の光景を見ていれば…奴自身が地獄を見ていただろう…あとはお主達に任せよう》

そう言うとトフェニは静かに姿を消した…。

 

 

 

 

『テメェ…今何をしやがった!』

 

「お前には教えねぇよ!オレの先生が力を貸してくれたんだ!」

 

『先生だぁ…?意味わからねぇぞ!』

ARビジョンが解除されたフィールドに遊馬達が駆け降りる、幸いにも鉄男達は軽い怪我で済んでいたが…Ⅳは苛立ちを露わにしている…それは遊馬も同じだった…!

 

 

「Ⅳ!オレとデュエルしろ!お前は絶対に許さねぇ!!」

 

『ハッ…!いいぜぇ…!ちょうど消化不良だったんだよねぇ…お前もオレのファンにしてやるよぉ!』

遊馬はⅣにデュエルを挑む…その時だった…!

 

 

ブルルル…ギュアアアン!! キキーッ!

 

 

1台のバイクが遊馬とⅣの間に乱入する…そのライダーの正体は…!

 

 

 

「見つけたぞⅣ…お前の一番の()()()を忘れてるぜ…この俺の事を!!」

 

「「シャーク!!」」

ライダーの正体は凌牙…Ⅳがこの場所でデュエルしている事を嗅ぎ付け飛び込んで来たのだ…!

 

 

『ああ…そうだったなぁ凌牙!お前が一番のファンだった!!』

凌牙を見たⅣは獰猛な笑みを浮かべる…!

 

「俺はお前を許さねぇ…今ここで決着を着けてやる!!」

 

『望むところだ…ケリを着けようじゃねぇか…!』

にらみ合う凌牙とⅣ…その時だった…! 

 

 

シュル! ピシュン!!

 

 

「なっ…!?なんだこれはぁ!!」

 

「あれは…デュエルアンカー!?」

Ⅳと睨み合っていた凌牙の腕に赤く光る縄が巻き付く…それはデュエルアンカー…カイトが使った物と同じだった…!

 

『そこまでにしましょう…Ⅳ兄様』

 

『テメェ…Ⅲィ!!コイツはオレの獲物だ!』

デュエルアンカーを放ったのはⅣの後ろに控えていた少年・Ⅲだった…彼は柔和な笑みを浮かべながらⅣの前に歩み出る…。

 

『凌牙のデッキにナンバーズは無いでしょう…ならⅣ兄様が相手にする事はないでしょ?…それに()()()の命令は絶対だよ』

 

『…チッ、ファンサービスは終わりだ!オレのハートピースは完成してる!決勝で待ってるぜ凌牙…!フフ…ハハハハ─!!』

 

「待て!待ちやがれ!Ⅳ─!!!」

凌牙の叫びを無視してⅣは踵を返す…Ⅳはそのまま砂煙に巻かれて消えてしまった…。

 

 

『落ち着きなよ、兄様は忙しいんだ…君の相手はこの僕だよ…!』

 

「…邪魔をするなら…!お前からぶっ飛ばす!!」

凌牙はⅢを睨みつける…そして2人のデュエルが始まった…!

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

デュエルダイジェスト 凌牙対Ⅲ

 

 

 

 

 

 

 

32

 

 

『現れろ「No.32」!最強最大の力を持つ深海の帝王よ!その牙で全てのものを噛み砕け!海咬龍シャーク・ドレイク」!』

Ⅲによって発動されたフィールド魔法『深海の王国─サンケンキングダム』…海底遺跡を模したフィールドについにナンバーズが出現する…!その名はシャークドレイク…全てを噛み砕く鮫のナンバーズだった…!

 

「ナンバーズ…!!」

 

「現れやがったな…!」

 

 

『「サンケンキングダム」の効果で「シャークドレイク」の攻撃力は300アップする!バトルだ!「シャークドレイク」で「ブラックレイランサー」を攻撃!デプスバイト!!』

「シャークドレイク」から鮫の形をした光線が放たれ、凌牙のエースである「ブラックレイランサー」が破壊される!

 

『そして「シャークドレイク」の効果発動!ORUを1つ使い!このモンスターが破壊した相手モンスターを相手フィールドに特殊召喚し、その攻撃力を1000下げる!そして「シャークドレイク」はもう一度そのモンスターを攻撃できる!』

 

「なんだと!?」

「シャークドレイク」によって墓地の「ブラックレイランサー」が引き摺り出される!

 

 

『鮫は骨まで喰い尽くす!「シャークドレイク」でもう一度「ブラックレイランサー」を攻撃!デプスバイト!!』

 

「っ!!ぐああぁぁぁ…!!」

 

「シャーク!!」

 

(破壊したモンスターを蘇生する事で相手に確実にダメージを与える…強力な効果だ…!)

 

凌牙は「シャークドレイク」の連撃で吹き飛ばされる、残りライフは1000…絶体絶命の窮地である…!

 

 

『さぁ、「シャークドレイク」をどうにかしない限り君に逃げ場はない!』

Ⅲは凌牙を挑発する…だが実はこの状況を突破する手段はある…しかし、それは凌牙にとって大きな危険を伴うものだった。

 

 

 

「(勝つ為には…やるしかねぇ!!)『スカル・クラーケン』を召喚!お前の場の永続魔法『オリハルコン・チェーン』を破壊する!」

 

『そうだ…それでいい!君が生き残るにはそれしか方法はない!!』

凌牙が破壊した永続罠『オリハルコン・チェーン』…それはエクシーズ召喚時の素材を肩代わりする効果を持つ…だが、デメリットもあった…それは『このカードが破壊された時、このカードの効果を使ってエクシーズ召喚したモンスター・エクシーズのコントロールを相手に移す』効果…つまり「シャークドレイク」のコントロールが凌牙に移る…だが!

 

《グルルル…ガアァァッ!!》

 

32

 

ドクン…!

 

「っぁ…!ぐあ…!?」

 

「シャーク─!!」

「シャークドレイク」のコントロールを奪った凌牙を禍々しいオーラが蝕んでいく…ⅢやⅣは「紋章」というトロンから授かった力でナンバーズの力を制御している…だが、凌牙にそんな力はない…!!

 

『(僕の目的は凌牙にナンバーズを渡す事…!さぁ、ナンバーズの力に飲まれなよ…!)』

 

 

 

 

Side凌牙

 

 

 

さぁ、オレを受け入れろ凌牙…!

 

「ッ…!」

凌牙の精神世界…そこで凌牙とシャークドレイクは対峙する…「No.96」と同じく強い自我を持つらしいシャークドレイクは凌牙に語りかける…!

 

オレを受け入れ…心の闇を開放しろ─!!

 

ズブッ…グサリ…!!

 

「ガッ…!?ギぃ…!!ア"ア"ア"ア"─!!?」

 

凌牙の胸にシャークドレイクの爪が突き刺さる…凌牙の精神体を貫通した爪は凌牙の心の闇を増幅させ、闇の虜にしようとする…!!

 

 

「う"あ"あ"あ"あ"!!!(だめだ…おれには…やらなきゃ、ならないことが…!!)」

必死にシャークドレイクの侵食に抗う凌牙…その時、彼が思い出したのは…

 

 

 

─デュエル…すげぇ楽しかったぜ!今度はアンティ無しで…楽しくデュエルしようぜ!!─

 

─オレは全力でシャークに挑んだ…その事に意味がある!─

 

 

 

「ユウ、マ…」

凌牙にとってお節介焼きで面倒くさいライバル…そして…

 

 

 

─お前が本当は優しい奴だって俺は知ってる…今のお前を見たら…璃緒は笑い転げるぞ?─

 

 

─凌牙、酷い目にあったらしいな…よく頑張った─

 

 

 

「白野、さん…!!」

天涯孤独となった自分達兄妹を優しく守ってくれた遊海…2人の事を思い出した凌牙の瞳に力が戻る!!

 

「俺は今までの俺じゃ…ねぇぇ─!!」

 

な、なに─!?

凌牙の体から凄まじい光のエネルギーが溢れ出す!!

 

「うおおぉぉ─!!貴様なんかに…操られるかぁぁぁ─!!」

 

グ…グオァァァ─!?

凌牙から溢れ出した光はシャークドレイクの爪をへし折り、シャークドレイク自体を精神世界から消し去った!

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

「俺は…『俺』だぁぁ!!」

 

『なっ…!?(ナンバーズに取り憑かれない…だって!?)』

凌牙は雄叫びをあげる…その瞳に狂気はない、凌牙は自分の力でナンバーズの侵食を捻じ伏せたのだ…!!

 

 

(ナンバーズの力を…精神力で抑え込んだのか…!)

 

「すげぇ…!すげぇぜシャーク!!」

 

「当たり前だ…!俺は…白野さんの息子だ─!!バトル!『シャークドレイク』でミハエル…Ⅲにダイレクトアタック!!」

凌牙に従うように「シャークドレイク」がⅢに攻撃を仕掛ける!

 

 

『そうはいかないよ!罠カード「アンティギティラ・ギア」を発動!相手フィールドに2体以上のモンスターが存在する時にダイレクトアタックを受ける時!攻撃モンスター以外の相手モンスターのコントロールを守備表示で得る!!』

 

「させるかぁ!!罠カード発動!『超水圧』!水属性の『スカルクラーケン』を破壊してカードを1枚ドローする!」

 

『なに!?』

「スカルクラーケン」が水圧で潰され「アンティギティラ・ギア」の効果が不発になる!

 

「喰らえ!デプス・バイトォ!!」

 

『っ!うわあああ─!?』

「シャークドレイク」のエネルギー弾がⅢを弾き飛ばす…残りライフは300!!

 

『くっ…!やってくれるじゃないか…!(僕の任務は既に終わってる…だけど…)』

Ⅲの仕事…それは凌牙にナンバーズを渡す事、トロンからはその後は負けていいと指示を受けていた…だが…凌牙の攻撃はⅢの中に眠る闘争心に火を点けた…!

 

『調子に乗るなよ…凌牙!!』

負けてもいいと言われた決闘…だがⅢはここから全力を出し始める!

 

 

『エクシーズ召喚!!現れろ!「先史遺産(オーパーツ)クリスタル・エイリアン」!!』

Ⅲが使うのは古代文明の遺産をモチーフとした「先史遺産(オーパーツ)」デッキ…古代文明の超科学が凌牙へと襲いかかる!

 

『「クリスタルエイリアン」の効果発動!ORUを1つ使う事でこのターン、自身は戦闘破壊されず…自分が受けるダメージは相手が受ける!!』

 

「なに!?」

 

(「クリスタルエイリアン」の攻撃力は2100…対して「シャークドレイク」はフィールド魔法の効果で攻撃力がアップして攻撃力3100…)

 

「この攻撃が通ったら…シャークの負けだ!!」

 

『これで終わりだ…凌牙!!「クリスタルエイリアン」で「シャークドレイク」を攻撃!リフレクト・フラッシュ!!』

Ⅲが攻撃を仕掛ける…だが、このまま終わる凌牙ではない!

 

 

「リバースカードオープン!『プレート・サルベージ』!2ターンの間…フィールド魔法の効果を無効にする!!」

凌牙がリバースカードを発動した瞬間、異変が起きる…海底遺跡が水中から浮上…海面へとその姿を現す、それにより凌牙はかろうじてライフを残す事に成功した!

 

『(「クリスタルエイリアン」の攻撃を躱すなんて…だけど、次のターン…凌牙は確実に「シャークドレイク」の効果を使う…勝負はその時だ…!!)』

 

 

 

 

「バトルだ!『シャークドレイク』で『クリスタルエイリアン』を攻撃!!」

 

『墓地の「先史遺産コロッサル・ヘッド」を除外して効果発動!「クリスタルエイリアン」を守備表示に変更する!』

返しのターン、凌牙は攻撃を仕掛けるが…Ⅲはダメージを回避する!

 

「だが!「シャークドレイク」の効果発動!「クリスタルエイリアン」を攻撃力を1000下げて特殊召喚する!これで終わりだ!!」

 

『君を舐めなくてよかったよ…!!罠カード発動!「先史遺産レイ・ライン・パワー」!バトルフェイズ中に特殊召喚されたモンスターがバトルする時!その攻撃力を相手モンスターと入れ替える!!このデュエル…僕の勝ちだ!!』

 

 

「フッ…俺こそ、()()()()()()()()よかったぜ─!」

 

 

『えっ…!?』

勝ちを確信したⅢに対して凌牙は不敵な笑みを見せる!

 

「罠カード『深海王の宣告』発動!その効果により相手がバトルフェイズ中に発動した罠の効果を無効にする!!」

 

『なんだって!?』

凌牙の輪なから三叉槍を持った王が現れ、三叉槍を投擲する…その槍はⅢの罠カードを粉砕した!!

 

 

「攻撃を続行しろ!『シャークドレイク』!!デプス・バイト!!」

 

《ガアアアッ!!》

「シャークドレイク」が再び鮫の光線を放つ…そして水晶の宇宙人は粉砕され、Ⅲのライフは尽きた…!

 

『馬鹿な…!うわああああ─!!』

 

 

 

Ⅲ LP0

 

凌牙WIN!!

 

 

 

 

「や、やった!!シャークが勝った─!!」

 

(凄まじい攻防だった…)

デュエルが決着し遊馬が喜びの声をあげる!

 

『くっ…なるほど、いい腕をしている…!今日のところは負けておく…だが、僕は決勝へ行く…!』

立ち上がったⅢはハートピースを投げ渡すが…その手には完成したハートピースがあった…凌牙に渡したのは余りのハートピースだったのだ…。

 

 

『今度会うときはこうはいかない…そのナンバーズは君にあげるよ…今のデュエルのご褒美だ…!』

 

キィン─! 緑

 

「「うわっ…!?」」

そう言ったⅢは左手の甲を見せる…そこには不思議な紋章があり、そこから放たれた閃光が遊馬達の目を眩ませる…光が治まるとそこにはⅢの姿は無かった…。

 

 

 

「…やったな!シャーク」

 

「ああ、ありがとな遊馬」

遊馬はデュエルを終えた凌牙に話しかける…。

 

 

「まだケリが着いた訳じゃねぇ…だが、あいつらとの決着は俺の手で着ける…特にⅣとの決着はな…!!」

 

「シャーク…」

 

「遊馬…俺はもう復讐は望まねぇ…だが…!オレは必ず!あいつをブン殴る!!」

決意を宿した目で凌牙はⅣのいた場所を睨む…!

 

「…少し熱くなっちまったな…頭冷やしてくる」

凌牙はそう言うとバイクへと乗り込む…。

 

「遊馬、まだハートピース集め終わってないんだろ?さっさと集めろよ」

 

「ああ!?そうだった!!こうしちゃいられねぇ!!じゃあな!シャーク!」

そう言うと遊馬は慌ただしく仲間達のもとに駆け出していった…。

 

 

「まったく…間の抜けた野郎だぜ…」

 

 

 

 

Sideトロン一家

 

 

 

『ただいま戻りました…トロン』

 

【うん、ご苦労さまⅢ…君は常にボクの望みに応えてくれる…】

凌牙達から離脱したⅢは拠点に戻りトロンへと話しかける…。

 

 

『僕は…トロンのために、精一杯やってるだけです…」

 

【謙虚さも君の美徳だよ…君はよくやってくれている】

 

「『でも……凌牙にナンバーズは取り付かなかった…今回は失敗してしまったようです…』

 

【いいや…そんなことは無いよ、フフッ…人の心の中に眠る闇は……わずかな綻びがあれば次第に広がるものさ…自分の気づかぬうちに、ね…!】

薄暗い部屋でトロンは嗤う…凌牙に宿った『闇の欠片』が彼を蝕む姿を想像しながら…。

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

コンコンコン…

 

 

「は〜い、どうぞ〜」

 

『…こんにちは翠さん、白野さんの様子はどうですか?』

遊馬達と別れた凌牙の姿は遊海の入院する病院にあった…翠に付き添われた遊海は静かに眠っている…。

 

「あっ…お見舞いありがとう凌牙君…白野さんは大丈夫、静かに眠ってるわ…ハートピースは大丈夫なの?」

 

『ああ、あと1つ集めれば完成っす』

凌牙は翠にハートピースを見せる…。

 

「そう…なら、ちょうどよかった!少し留守番を頼んでもいいかしら?白野さんの着換えと…フォウくんを家に置いて来なくちゃならないの…」

 

《フォウ!》

翠の声と共に遊海の布団の中からフォウが顔をみせる。

 

『お前…またついて来てたのか?まったく看護師さんに怒られるぞ?』

 

《フォウ、キュ〜…》

凌牙はベッドからフォウを抱き上げる…。

 

『俺がしばらく白野さんの事見てますよ』

 

「ありがとう凌牙君!すぐに戻ってくるから!」

凌牙からフォウを受け取った翠は自宅へと戻っていった…。

 

 

 

『……父さん、俺…どうしたらいいんだよ…』

誰もいなくなった病室に凌牙の言葉が虚しく響く…遊馬には『復讐はしない』と言ったが…凌牙の心中は言葉で言い表せない程にグチャグチャだった…。

 

『俺は、Ⅳの野郎が憎い…!!璃緒を傷つけて…父さん達の優しさを踏みにじったアイツらが憎い…!!でも、それじゃ、ダメなんだよな…!』

凌牙は涙を浮かべながら布団に顔を埋める…凌牙が弱音を吐ける唯一の相手…それが遊海だった。

 

『俺は…!俺はどうしたらいいんだよ─』

 

 

「……お前が、父さんって呼んでくれたのは…何年振り、かな…?」

 

 

『えっ…あ…白野さん!!』

凌牙の声で気が付いたのか…遊海が眩しげに薄目を開く…

 

「少し、寝過ぎたらしい……まったく、頑張り過ぎたかな…」

 

『本当に…頑張り過ぎなんだよ…!昨日1日でどんだけデュエルしてんだよ…!』

 

「ハハッ…20を過ぎたあたりから数えるのを諦めたよ…凌牙…悩む事はない、お前の素直な気持ちを相手にぶつければいい…でも、忘れるな…デュエルは決して自分の意思を押し付ける戦いの道具じゃない…デュエルは、相手と心を通わせて理解しあう事のできるものだ…それだけは、覚えておけよ…」

 

『…わかってるよ父さん、俺は復讐の為じゃねぇ…オレは璃緒と父さん達の為に戦う!!』

凌牙は覚悟を固め、部屋を出て行こうとする…

 

「待て待て…お前なぁ、そんな顔で外に行くつもりか…?」

 

『えっ…あ…』

凌牙は病室のガラスで自分の顔を見る…その顔は涙でクシャクシャになっていた…。

 

「そんな顔じゃ、デュエルできないだろ…?少し休んでから行け…」

 

『………そうする………』

 

 

 

後に遊海は語る…「この時の凌牙が一番可愛かった」と…それを聞いた凌牙が顔を真っ赤にして怒ったのはまた別の話である。

表記はどっちが見やすい?①

  • モンスター・エクシーズ
  • エクシーズモンスター
  • どちらでもOK!
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