転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
遊海にデュエルを挑んだ人物…その正体とは…?
それでは最新話をどうぞ!!
『オレとデュエルしろ!メタルナイト!!』
「えっと…どちら様…かな?」
「No.25」による飛行船墜落事故が解決してすぐ…遊海にデュエルを挑む者が現れた、それは赤と白のキャップを被り何処かで見たような白いコートを羽織った少年だった…。
「(何処かで見た事があるような…?)…君もWDCの参加者かな?」
相手を観察した遊海は少年に問いかける。
『ああ!もうハートピースも4つ集まった!アンタを倒して決勝に出てやるんだ!』
ハートピースを掲げながら少年は宣言する!
「そうか…なら相手をしよう、そもそも受けたデュエルは断われないからね!」
《マスター…大丈夫ですか?》
「(…正直大丈夫じゃないかな…まぁ、闇のデュエルじゃなきゃ問題ないよ)」
遊海はアヤカの問いかけに答える…そして謎の少年との決闘が始まる…!
『「デュエルディスクセット!Dゲイザーセット!」』
【ARビジョン…リンク完了!】
「『デュエル!!』」
カイアLP4000
遊海LP4000
『オレのターン!ドロー!』
『魔法カード「名推理」を発動!相手がモンスターのレベル宣言をしてデッキをめくる!そして通常召喚できるモンスターが出るまでデッキをめくる!レベルを宣言してもらおうか!』
「俺はレベル4を宣言する!」
めくったカード
サイクロン
陽炎獣ヒュドラー
『「
陽炎のように揺らめく多頭の大蛇が現れる! ATK2300
「『陽炎獣』か…少し厄介かな…?」
『まだまだいくぜ!永続魔法「
陽炎のように揺らめく鹿の頭を持つ怪鳥が現れるATK1700
『「ペリュトン」の効果発動!手札の「陽炎獣グリプス」を墓地に送り、自身をリリースする事でデッキから「陽炎獣サーベラス」と「陽炎獣スピンクス」を特殊召喚!』
陽炎のケルベロスとスフィンクスが現れる ATK2000 ATK1900
『「スピンクス」の効果発動!デッキトップのカードの種類を当てた時!墓地の「陽炎獣」を特殊召喚できる!アタシが宣言するのは…罠!』
カイアがデッキをめくる…そのカードは罠カード『リビングデッドの呼び声』!
『大当たりだ!墓地の「陽炎獣グリプス」を特殊召喚!』
陽炎のグリフォンが現れる! DEF2000
『オレはレベル6の「グリプス」「スピンクス」「サーベラス」「ヒュドラー」の4体でオーバレイ!』
4体のモンスターが銀河へと飛び込む!
『4体のモンスターでオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!陽炎より生まれし炎の化身!今こそ勝利の勝鬨をあげよ!「陽炎獣バジリコック」!!』
鶏のようなトサカに蜥蜴のような身体と炎の翼を持つ幻獣コカトリスが現れる! ATK2500
『エクシーズ召喚に使用された「ヒュドラー」の効果発動!墓地の「陽炎獣ペリュトン」をORUにする!』
カイアのフィールドに紫の魔法陣が現れ、そこから光の玉が飛び出す バジリコックORU4→5
『「バジリコック」の効果!このカードの攻撃力は自身のORU1つにつき200アップする!よって攻撃力は…』
バジリコックATK2500→3500
「攻撃力3500か、なかなかやるな…!」
『そしてORUを5つ持った「バジリコック」はカード効果の対象にならず!カード効果では破壊されない!オレはカードを1枚伏せ、ターンエンド!』
カイアLP4000
バジリコック 陽炎柱 伏せ1 手札1
「(うん、普通に強いな…少し本気でいこうか…!)」
「俺のターン!ドロー!」
「魔法カード『汎神の帝王』発動!手札の『連撃の帝王』を墓地に送って2ドロー!そして墓地の『汎神の帝王』の効果発動!このカードを除外しデッキから『帝王の烈旋』『帝王の凍志』『帝王の開岩』を相手に見せる!そして相手の選んだカードを手札に加え、それ以外をデッキに戻す!」
『オレは…「帝王の凍志」を選ぶ!』
「OK…勝利の道筋は既に見えた!魔法カード『帝王の烈旋』を発動!そして『冥帝従騎エイドス』を召喚!」
黒い鎧を纏った魔法騎士が現れる ATK800
「『エイドス』が召喚・特殊召喚に成功した時!俺は通常召喚に加えてアドバンス召喚を行う事ができる!そして『烈旋』の効果により…俺はアドバンス召喚する時、相手フィールドのモンスターをリリースする事ができる!」
『無駄だ!「バジリコック」は効果の対象には…はっ!?』
「そう、これは対象は取らない!俺は『エイドス』と『バジリコック』をリリース!『爆炎帝テスタロス』をアドバンス召喚!」
2体のモンスターがリリースされ、遊海のフィールドに炎柱が立ち昇る…その中から炎の帝王が現れる! ATK2800
「『テスタロス』の効果発動!このカードがアドバンス召喚に成功した時!相手の手札を確認して1枚捨てる!そのカードがモンスターであればそのレベル×200のダメージを相手に与える!」
『っ…!手札はレベル6の「陽炎獣メコレオス」だ…!』
「1200のダメージ…そして炎属性モンスターをリリースした事により『テスタロス』のさらなる効果発動!相手に1000ダメージを与える!」
『うわあぁぁ!?』
炎帝の放った炎がライフを削る!
カイアLP4000→2800→1800
「さらに手札の魔法カード『帝王の凍志』の効果発動!自分の場に攻撃力2800以上守備力1000以下のモンスターが存在する時!相手のセットカードを破壊する!」
『「攻撃の無力化」が!?』
セットカードが氷に包まれ砕け散る!
「バトル!『テスタロス』で少年に…ダイレクトアタック!炎帝爆炎拳!」
『きゃああああ─!?』
テスタロスの炎を纏った拳が相手のライフを削り切った…。
カイアLP0
遊海WIN!
「ありがとう『テスタロス』、見事な寸止めだ」
《(コクッ)》
フィールドに砂煙が立つ中…遊海はテスタロスに声をかける、攻撃が直撃する寸前…違和感を感じた遊海はテスタロスに待ったをかけていたのだ…。
「さて…正体を明かしてもらおうか少年…いや、
『うぅ…1ターンキルかよ…!本当に流星はこんな人を倒したのか…』
砂煙が晴れる…そこにいたのはキャップを被った少年…ではなく、黒髪のストレートヘアーに金のメッシュの混じった少女だった…。
『えっと、初めまして…ジャック・アトラスの孫のカイア・J・アトラスです…いきなりデュエルを仕掛けてすいませんでした…』
「…やっぱりそうか…どことなくジャックとカーリーに似た雰囲気だと思ったよ…なんで男装なんてしてたんだ?」
デュエルから少し経ち…遊海はデュエル相手の少女…ジャックの孫娘カイアは公園のベンチで休息を取りながら事情を聞いていた…なお、彼女は既にメタルナイトの正体が岸波白野(not遊海)である事は知っていた。
『…女がデュエルを挑んだら手加減されると思ったから…』
「俺はそんな事はしないよ、挑まれたら誰であれ全力で相手をする…それが俺の戦い方さ…どうして俺と戦いたかったんだ?」
『幼馴染の流星が今までできなかった「アクセルシンクロ」をできるようになって…話を聞いたら白野さんに修行をつけてもらって勝ったって聞いて…アタシも戦いたくなったんだ』
「…なるほどな、満足出来たかな?」
『全然…でも負けは負けさ、ハートピース受け取ってくれよ』
カイアは遊海にハートピースを手渡す、それは…
「…うん、完成だ!これで決勝大会に出られる」
遊海のハートピースは完成した…これで戦いの舞台に上がる事ができる…!
『あ〜あ!アカデミアでは流星以外には負け無しだったのに─!!』
カイアは吹っ切るように声を上げる…。
「さて…これで俺はデュエルしなくて良くなったが…どうかなカイア、もう一度俺とデュエルしないか?」
『えっ…いいのか!?』
カイアが遊海の言葉を聞いて驚く
「せっかくこの街まで来たのにデュエルで不完全燃焼なのもなんだからな!最後におもいっきりデュエルしないか?」
『…よ〜し!やってやる!決勝大会で使うつもりだったデッキで白野さんに勝ってやるぞ〜!』
「おっ?それは楽しみだ!」
「用意はいいか!カイア?」
『ああ!アタシの本当の全力…見ててくれ!』
遊海とカイアは向かいあう…そして再び決闘が始まった!
「『デュエル!!』」
遊海LP4000
カイアLP4000
「俺のターン!ドロー!」
「手札の『聖刻龍─アセトドラゴン』は攻撃力を1000にする事でリリース無しで召喚できる!」
朝日を背負う紫色のウジャト眼を持つドラゴンが現れる ATK1900→1000
「そして手札の『聖刻龍─シユウドラゴン』は聖刻モンスターをリリースする事で特殊召喚できる!」
青いウジャト眼を持つドラゴンが現れる ATK2200
「さらにリリースされた『アセト』の効果発動!デッキからドラゴン族の通常モンスター『エレキテルドラゴン』を攻守0で特殊召喚!」
尾をスパークさせたドラゴンが現れる! DEF0
「俺はレベル6の『シユウドラゴン』と『エレキテルドラゴン』でオーバレイ!」
2体のドラゴンが銀河に飛び込む!
「2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!現われよ!聖なる文字を刻みし龍王!『聖刻龍王─アトゥムス』!」
紺色のウジャト眼を刻みし龍王が降臨する! ATK2400
「『アトゥムス』の効果発動!ORUを1つ使い、デッキからドラゴン族モンスターを攻守を0にして特殊召喚する!来い!『レッドアイズ・ダークネスメタル・ドラゴン』!」
黒き鋼を纏ったドラゴンが現れる! DEF0
「『レダメ』の効果発動!墓地の『シユウドラゴン』を特殊召喚!」
再び青き聖刻龍が現れる! ATK2200
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
遊海LP4000
アトゥムス レダメ シユウ 伏せ2 手札2
『うわ…流星並みの連続召喚か…本当に強すぎる…!』
「さぁ、カイアのターンだ!本気の力とやら…俺に見せてくれ!」
『アタシのターン!ドロー!』
『魔法カード「コール・リゾネーター」を発動!デッキから「ダーク・リゾネーター」を手札に加える!』
「えっ…!?まさか…!!」
『そのまさか!相手の場にモンスターがいて、アタシの場にモンスターがいない時!「バイス・ドラゴン」は攻守を半分にして特殊召喚できる!』
狂暴な顔の紫色のドラゴンが現れる! ATK2000→1000
『さらに!「ダーク・リゾネーター」を召喚!』
音叉を持つ悪魔が現れる! ATK1300
『アタシはレベル5の「バイスドラゴン」にレベル3の「ダークリゾネーター」をチューニング!!』
ダークリゾネーターが緑色のリングに姿を変え、バイスドラゴンを包み込む!
5+3=8
『王者の鼓動、今ここに列を為す!天地鳴動の力を見るがいい!!シンクロ召喚!!アタシの誇り!「レッド・デーモンズ・ドラゴン」!!』
《グオォォン!!》
荒ぶる炎と共に誇り高き悪魔竜が現れる! ATK3000
「まさか…また戦う事になるとは…!これが君の本気か!」
『そう!このデッキがアタシの切り札!ジャック・アトラスの魂を受け継ぐ決意!!バトル!「アトゥムス」を攻撃!灼熱のクリムゾン・ヘルフレア!』
「うおぉぉ…!」
灼熱の息吹がアトゥムスを燃やし尽くす!
遊海LP4000→3400
『さっきのお返し成功!カードを2枚伏せてターンエンド!』
カイアLP4000
レッドデーモン 伏せ2 手札2
「驚いた…!まさかジャックからデッキを受け継いでたか…!」
『…うん、これがアタシの本気よ!』
「なら俺はさらに上をいこうか!あの時のように…俺は全力を尽くす!!」
遊海の脳裏に浮かぶのはジャックとの頂上決戦…それを思い出しながら遊海は魂を燃やす!
「俺のターン!ドロー!」
「魔法カード『トレードイン』を発動!手札のレベル8『竜核の呪霊者』を捨てて2ドロー!…『シユウドラゴン』をリリース!来い!『聖刻龍─トフェニドラゴン』!」
《御意!》
白いウジャト眼を刻んだドラゴンが現れる! ATK2100
「少し疲れてると思うが…頼むぞ!リリースされた『シユウ』の効果発動!デッキから現れろ!『神龍の聖刻印』!」
赤いウジャト眼を刻む太陽石が現れる! DEF0
「そして『レダメ』の効果発動!墓地から甦れ!『アセトドラゴン』!」
再び朝日を背負い龍が現れる! ATK1900
「『アセト』の効果発動!『神龍印』を選択してエンドフェイズまで自分の場の聖刻モンスターのレベルを『神龍印』と同じレベルにする!」
アセト☆5→8
トフェニ☆6→8
「俺はレベル8の『神龍印』と『アセト』でオーバレイ!」
「2体のモンスターでオーバレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!現われよ!太陽の写し身たる龍神!『聖刻神龍エネアード』!」
赤いウジャト眼を刻みし太陽の化身が現れる! ATK3000
『攻撃力3000…!相討ちにするつもり?』
「いいや!こうするんだ!『エネアード』の効果発動!ORUを1つ使い、手札の『聖刻龍─ドラゴンゲイヴ』と『レダメ』をリリース!そして『レッドデーモンズドラゴン』と右側の伏せカードを破壊する!ソーラーフレア!」
『っ!リバース罠「スカーレッド・カーペット」を発動!墓地の「ダークリゾネーター」を特殊召喚!』
再び音叉の悪魔が現れる! DEF300
「『ダークリゾネーター』は1ターンに1度戦闘では破壊されない…上手いな!俺はリリースされた『ゲイヴ』の効果発動!デッキから2体目の『神龍印』を特殊召喚!」
再び太陽石が現れる! DEF0
「バトル!『トフェニ』と『エネアード』で『ダークリゾネーター』を攻撃!撃破!」
『っ…!!』
太陽の息吹とエジプト魔術が悪魔を破壊する!
「メイン2!俺は魔法カード『超再生能力』を発動してターンエンド!『超再生能力』の効果でこのターンリリースしたか、手札から墓地に送ったドラゴンの枚数だけドローできる!4枚ドロー!」
遊海LP3400
エネアード 神龍印 トフェニ 伏せ2 手札4
『強い…!!これが白野さんの全力…!でも、アタシだって…ジャックじいちゃんの孫なんだ!…熱く燃える魂で…このピンチをチャンスに変える!』
「その意気だ!さぁ、かかってこい!」
キィン…
「ん…?(赤き竜の痣が…痛い…?何を伝えようとしてるんだ…?)」
『アタシのターン!ドロー!』
『リバースカード「強化蘇生」を発動!墓地の「ダークリゾネーター」を…』
「カウンター罠『反射の聖刻印』を発動!『神龍印』をリリースして「強化蘇生」の効果を無効にして破壊する!」
『それはブラフよ…本命はこっち!『死者蘇生』を発動!蘇れ!『レッドデーモンズドラゴン』!」
再び悪魔龍が現れる! ATK3000
『そして「チェーンリゾネーター」を召喚!』
鎖を背負う悪魔が現れる! ATK100
『「チェーンリゾネーター」の効果発動!自分の場にシンクロモンスターがいる事で、デッキから「クロックリゾネーター」を特殊召喚!』
時計を背負う悪魔が現れる!ATK1200
「レベルの合計は12…くるっ…!?」
キィン─!!
右腕の痣が痛みと輝きを強める!!
「どうして痣が…ジャックの時はなんとも……
『アタシはレベル8の「レッドデーモンズドラゴン」にレベル3の「クロックリゾネーター」とレベル1の「チェーンリゾネーター」をダブルチューニング!!…えっ?』
遊海の制止は一瞬間に合わず、レッドデーモンズドラゴンを炎のリングが包み込む!
8+3+1=12
『王者と悪魔…今ここに交わる!荒ぶる魂よ!天地創造の叫びを上げよ!シンクロ召喚!!いでよ!「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン」!!』
《ガオォォオン!!》
ジャックの魂の切り札…紅蓮の龍が咆哮を轟かせる…だが…!ATK3500→5000
ギィン─!!
『えっ、ちょっと…何なのよ!?』
カイアの身体を『スカーレッドノヴァ』から放たれた禍々しいオーラが覆っていく!!
「カイア!お前…
『えっ…あ…!はい…!!』
遊海の言葉にカイアは頷く…それは最悪の事態を意味していた…!
「地縛神スカーレッド・ノヴァが目覚めようとしてる…!?赤き竜が伝えたかったのはこの事だったのか…!!」
遊海は拳を握り締める…『スカーレッドノヴァドラゴン』…それはジャックが太古に封印された最強の地縛神『スカーレッド・ノヴァ』を荒ぶる魂『バーニングソウル』を使いねじ伏せ、従えたモンスター…逆に言えば…使用者が『バーニングソウル』を持っていなければ…『スカーレッドノヴァドラゴン』は制御できない!!
『ま、待って!身体が勝手に!!止まって!「スカーレッドノヴァドラゴン」!!』
《ガオォォォン!!!》
カイアの指示を無視して『スカーレッドノヴァ』は『エネアード』に突進…粉砕する!!
「ぐああああ!?」
遊海LP3400→1400
《マスター!大丈夫ですか!?》
「っ…!この、痛みは…!俺を、喰らおうとしてる、のか…!」
吹き飛ばされた遊海はなんとか立ち上がる…しかし、身体はもとより魂にもダメージを受けている…!
「…そう、か…俺はこの世界最後の、シグナー…俺を倒せば、奴は復活する、訳か…!」
ダークシグナー事件において彼らはシグナーの魂を「冥界の邪神」への生贄にしようとした…「スカーレッドノヴァ」も同じく最後のシグナーである遊海を喰らう事で復活しようとしているのだ…!
『ご、ごめんなさい…!アタシ、こんなつもりじゃ…!』
「カイア…謝るのは後でいい、ターンを進めるんだ…!」
涙目のカイアに遊海はターンを進めるように伝える…。
『サレンダーしたいのに…できない…!!ターン、エンド…!!』
カイアLP4000
スカーレッドノヴァドラゴン
「どうすれば、この状況を打破できる…!?」
遊海は思考を巡らせる…アニメ効果の『スカーレッドノヴァ』は強力な回避能力を持っている…その能力をかわさなければ…勝つ事はできない…!
『白野さん…!怖い…!!』
「大丈夫だよ、カイア…今…助けるから…!もう、これしか方法はない…!!詠唱破棄…展開せよ!我が戦いの聖地!
遊海は世界を塗り替える…現れたのは…
『ここは…ネオダイダロスブリッジ…!?』
「ああ、この場所か…なら大丈夫だ…!」
現れた場所は無人のデュエルレーン…遊海が全力を出しても問題はない…!
《マスター!ダメです!!今の状況でその力を使ったら…!!》
「わかってる…でも、カイアを守るには…これしかない!!聞け!『スカーレッドノヴァ』!!我が名は白波遊海!!最後のシグナーとして…再びお前を封じ込める!!」
キィン─!!
《ガオオオン!!》
『えっ…!?嘘、その人って…!!』
遊海の言葉を聞いて驚くカイア…それを無視して遊海は最強の力を開放する!
「俺は…俺自身でオーバーレイ!!」
遊海から溢れ出した光と闇のエネルギーが螺旋を描きながら上昇…ビックバンを起こす!
「『世界に満ちる優しき光と安寧の闇…我が身に宿り未来を紡げ!ランクアップ!エクシーズチェンジ!!』」
遊海の肉体が再構築される…眩い光の中から未来を変えた最強の決闘者が降臨する!
【絆の極地…!絶望を祓う者!NEXUS!!』】
赤い鎧の帽子を被り、金色の不死鳥があしらわれた赤いロングコート、そして金色の龍が巻き付いた黒のズボン…そして瞳を金と青のオッドアイに変化させた伝説の戦士、その名はNEXUS…遊海の生み出した奇跡の力が長き時を超え…再び顕現する!
『ああ…!すごい…これが、伝説の決闘王の…!』
【オレのターン!最強決闘者のデュエルは全て必然!ドローカードすら決闘者が創造する!!シャイニング・ドロー─!!】
光の軌跡を残して希望の力がドローされる!
【魔法カード『死者蘇生』を発動!蘇れ!『レッドアイズダークネスメタルドラゴン』!!】
力を取り戻した黒竜が現れる! ATK2800
【さらに「トフェニ」をリリース!「ネフテドラゴン」を特殊召喚!!】
月光を背負う聖刻龍が現れる!ATK2000
【リリースされた『トフェニ』の効果!デッキから現れろ!『ラブラドライドラゴン』!】
全身が黒く輝く宝石龍が現れる DEF0
【『レダメ』の効果発動!蘇れ!『トフェニドラゴン』!】
《主殿…我が力を!!》
再び白い龍が現れる ATK2100
【トフェニ…頼むぞ!!我に宿りしシグナーの力よ…今再び奇跡を起こせ!!】
キィィン─!!
遊海の右腕に刻まれし炎の痣が…再び太陽へと姿を変える!
【オレはレベル6の『トフェニドラゴン』とレベル6のチューナーモンスター『ラブラドライドラゴン』をリリース!!世界を守りし赤き龍神よ─再びこの世界へ顕現せよ!『ケッツアル・コアトル』!!】
《キュオォォオン─!!》
遥かなる時を超え…赤き竜が再び降臨する! ATK0
『嘘…!じいちゃん達を導いた…赤き竜…!すごい…!!』
《ガアアアア─!!》
《キュオォォオン─!!》
赤き竜に見惚れるカイア…その頭上で2体のドラゴンは睨み合う!
【…眠りを邪魔してすまない…だが、力を貸してくれ!!オレは手札を1枚セットする!そして『ケッツアルコアトル』の効果発動!エクストラデッキからレベル7または8のドラゴン族シンクロモンスターまたは『パワーツール』モンスターを特殊召喚する!…神聖なる光蓄えし翼を煌めかせ…その輝きで神を討て!!現れろ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!】
《キュオォォン!!》
赤き竜の声に導かれ、水晶の翼を持つ白龍が現れる! ATK3000
【バトルだ!『クリスタルウィング』で『スカーレッドノヴァ』を攻撃!!】
『攻撃力の低いモンスターで攻撃!?』
【『クリスタルウィング』がレベル5以上のモンスターとバトルする時!相手の攻撃力分、自身の攻撃力をアップする!】
ATK3000→8000
『攻撃力、8000…!!』
《ガアアアア─!?》
自身に突進する『クリスタルウィング』を見た『スカーレッドノヴァ』は異次元に逃れようとする!
【逃がすか!!『クリスタルウィング』のさらなる効果発動!!このカード以外のモンスター効果が発動した時!その効果を無効にして破壊する!『スカーレッドノヴァ』は効果では破壊されないが…これで充分だ!地縛神の悪意を貫け!烈風のクリスタロス・エッジ─!!】
光速の突進がスカーレッドノヴァを穿ち、粉砕する!!
『くぅ…!!』
カイアLP4000→1000
【『レダメ』でダイレクトアタック!ダークネスフレイム!!】
黒竜の炎がカイアに残った邪念を燃やす…その一撃が決着となった…。
カイアLP0
NEXUS WIN!
「…なんとか、なった…か……ゴボッ…!?」
『遊…白野さん!!』
固有結界が解除され遊海は膝をつく…NEXUS化による消耗と累積したダメージで喉の奥から血が溢れ、口から溢れる…。
『ごめん、なさい…!アタシ…じいちゃんに認めて欲しくて…!このデッキを使いこなせば…認めてくれると思って…!』
「泣くな、カイア…お前は、悪くないよ…ちゃんと理由を話さないジャックが悪い…本当に、ジャックは…一言足りない、な……っ…!(ダメだ、視界が歪む……まだ、やらなきゃ、ならない…こと、が……)」
遊海の視界が暗転する…そのまま遊海は意識を失った…。
『白野さん─!!』
『っ…!!見つけた!海亜!…遊海さん!?』
『海亜!!この…家出娘が─!!』
Side翠
『ごめんなさい…本当にごめんなさい─!!』
「もう謝らないで海亜ちゃん…これはきっと遊海さんのシグナーとしての役目だったのよ…」
夕方…翠の姿は病院にあった、その目の前には昨日よりも重傷を負って眠る遊海…そして頭を下げるジャックの孫娘・海亜・アトラスと遊星の孫である流星、そして…
『この馬鹿娘が…!あれ程オレのデッキはお前に渡せないと言っただろうが!荒ぶる魂なくして我が魂は操れん!!』
歳を重ねてなお凄まじい覇気を放つ三代目決闘王ジャック・アトラスの姿があった。
流星曰く、海亜は祖父であるジャックのデッキを受け継ごうとしたが…ジャック自身に拒否された、それは海亜自身が
そしてデッキが無い事に気付いたジャックはネオドミノシティ中を探し回り、遊星と流星の提案で遊海を頼る為にハートランドを訪れたのだ。。
「ジャック君もそんなに怒っちゃダメ、貴方がちゃんと理由を説明しなかったから海亜ちゃんもこんな事したのよ…!」
『…面目ない…』
翠の注意でジャックは肩を落とす…。
「…海亜ちゃん、遊海さんはどうだった?」
『すごい人でした…ボロボロなのに、アタシを安心させようと笑顔で…赤き竜の力で助けてくれたんです…!』
「うん…私もそうだと思った…遊海さんはね、困った人を放っておけない人なの…人を助ける事を生き甲斐にしてる優しい人…だから、海亜ちゃんも笑っていてね?そうしたら遊海さんもすぐ元気になるから…」
『はい…はい…!!』
海亜は翠の腕の中で涙を流す…翠はそれを優しく宥めた…。
「……っ…う…ここ、は…」
『目が覚めたか…久しいな遊海』
「…ジャック、か…?」
『ああ、俺だ…孫娘が迷惑を掛けた…すまなかった』
夕日が沈みきる頃…遊海は目を覚ました、最初に見えたのは沈んだ表情のジャックの顔だった…。
「気にするな…きっとこれが俺の役目だった…最後のシグナーとしてな…カイアは、大丈夫か?」
『問題ない…今は翠に連れられて流星と夕食を食べに行っている…情けないな、我が魂を継ぐ者…海亜にはその素質があると思ったが…』
「焦らないでいい…きっと彼女も目覚めるさ、荒ぶる魂に…なんたって、お前とカーリーの孫だからな…」
遊海は優しい笑顔でジャックの手を握る…。
『…遊海が言うならきっとそうなのだろうな…ネオドミノに戻ったらしっかり修行をつけよう…それより…なぜWDCに出ている?まさか…』
「
『貴方は絶対に聞かないだろうが…言わせてくれ、無理はしないでくれ…!!』
「…休める時は、休むさ……すまん、また…落ちそう、だ……」
『わかった…暫し休め、偉大なる決闘者──』
そのまま遊海の意識は再び落ちていった…。
(兄さん……たすけて……!)