転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
夕方に遊戯達が様子を見に来てくれた、話によると遊戯達は海底遺跡を発見したホプキンス教授(双六さんの友達、青眼を譲ってくれた人)と知り合いで、彼によると太古の世界の滅亡と今の現象に重なるところがあるらしい。教授はその後杏子が拾っていた緑色に光るネックレスをもってアメリカに戻ったとのことだ。
「そういえば遊海…奴らが言ってた『異界からの転生者』ってどういう事だ?」
「あっ…!」
城之内さん…何で覚えてるんですか…。
「遊海くん…」
「いいんだ遊戯さん、完全に隠し通すのは無理だと思ってたから…。」
「えっ…どういう事?」
その後俺は皆に俺と翠は転生者で1度死んでいること、死後にもう一度人生を与えられてこの世界に来たことを話した…この世界が創作だと言うことは隠して…。
「それで転生者は魂が強いから、狙われたんだろうと思う…」
「…そんな小説とか映画みたいな事、本当にあるのかよ…」
「俺は信じるぜ!しかし痛くなかったか?死ぬとき…」
「ちょっと本田!」
「いや…そんなに、俺は全身骨折して胸を貫かれて心臓が外に飛び出して…」
「私は看板に『グシャ』ッと潰されただけですし…」
「「「いや充分痛い!/わよ!」」」
「そうか?俺はこの前の『ラー』の炎の方が辛かったけど…」
『遊海…それと比べたら終わりだ…』
「(あははは…)」
闇遊戯が顔を押さえて呆れている…
「そういえば『ラー』のカードは?」
「俺が持ってる…遊戯どうする?」
「う~ん…本当は僕が持っていた方がいいんだろうけど遊海君、もしよければ預かってくれるかい?」
「ちょっ!遊戯!お前「決闘王」なんだぞ!それが準優勝の遊海に神を託すのは…!」
「何言ってるの城之内君?遊海君は僕よりも、下手したら『もう一人の僕』よりも強いよ?」
「へっ?」
「だってバトルシティ決勝の時本気だったけど『全力』ではなかったもん」
「…バレてたか…」
「マジで!?」
「俺はあのデッキで出せる本気でやった、でもあのデッキは全力のデッキでは無かったんだ…ゴメンネ!」
「…嘘だろ…」
その後ラーは俺が預かる事になった、とりあえずはデッキケースに入れて置こう、少なくとも俺が倒されなければ奪われない筈だ。
そして遊戯にはあるカードを貸した…そのカードは…
「これ…『ラーの翼神竜』!コピーカード!?でも効果が違う…」
そう、通称「ヲーのよく死ぬ竜」と言われるOCG仕様のラーである。これを遊戯にはダミーとして持っていてもらう(他にもあることは内緒!)
これで少しでも相手の目を誤魔化せればいいけど…。
夜、再び俺は眠りにつこうとしている、正直眠れないのだが…寝よう……。
た……て
誰かが呼んでいる
助…て
誰かが助けを求めている?
助けて!!
俺が目を覚ますと中世の城のある世界…DM世界にいた、空には俺の記憶にあるより小さい黒い太陽があった…。
「そうか、俺が『ラー』を持っているから完全ではないのか…」
「白波さん!?また来てしまったんですか!?」
その声は…振り返るとやはりブラマジガールがいた。
「また呼ばれたから来たんだが…まあいい、また邪魔してやる!『精霊変身!』」
掛け声と共に俺を光が包む
『アーマードウォーリアー・クリフォートフォーム!!』
「へっ!?」
『必殺!再星結界!』
俺の突きだした両手から紫色のビームが放たれ黒い太陽を包み込む!
『遊海!?』
「遊海君!?どうしてここに?」
声のした方を向くと遊戯と闇遊戯が空から降りてきたところだった。
『ん?この子に呼ばれたから来てたんだ、マジシャンガール!本当に呼びたかったのは遊戯達だろ、早く案内してやりな!』
「はい!」
その後俺の後ろから竜の叫びが響く、どうやら成功したようだ。そして俺は光に包まれ…
「マスター!!緊急事態です起きてください…突進!!」
「ゴベシッ!?」
アヤカの突進で起こされる、イタイです…
「異常事態です!空にオーロラが!」
俺が外を見ると夜空にオーロラがひかり、モンスター達が飛び回っている
すると空に水晶で出来たような山が現れ降下してくる、そして途中で水晶が砕け黒い太陽が現れ、竜巻を地面に向けて放つ。
その時地表で光が弾け緑色の竜が現れる。
「遊戯…使いこなせたようだな…ティマイオスを!」
竜の炎が竜巻を貫き黒い太陽を爆散させて空は元に戻った。
俺はそれを見届けて再び寝るのだった。
翌日俺達は遊戯の部屋でニュースを見ていた、世界中で多発する異常気象、出現するモンスター…
「昨日のは夢じゃ無かったのね…」
杏子がそう言う、やはり遊戯達はあそこにいたのか…、
そして遊戯の手にある名も無き竜のカード…みんなはそれを囲んでどうしたらドーマを倒せるのか話し合っていた。
「なんじゃ?ずいぶん賑やかじゃな!」双六さんが現れた。
「遊戯、アメリカから小包が届いておるよ」
「誰からだろう?」
「御伽じゃないか?」
「アイツもアメリカにいるんだっけ…」
「!?」
「どうしたの!遊戯?」
「『インダストリアル・イリュージョン社』…ペガサスからだ!」
「「「なんだって~!!」」」
ペガサスから届いた箱にはビデオと「イリュージョンの鍵」というカードが入っていた、城之内達はトラウマなのか顔をヒクヒクさせていたが、遊戯は「ペガサスにはもう闇の力はない」と言ってビデオを見始めた。
内容を要約すると「今回の異変について話したい事がある、私は会社から離れられない、しかも誰かに見張られている。迎えの飛行機を用意したので同封したカードを持ってアメリカまで急いで来てほしい」との事だった。
遊戯は最初、一人で行くつもりだったが城之内達もついて行くというもちろん俺も行く、ドーマを倒すために!
「ヒョヒョヒョ!レアカード…」
「ワイらも行くで!」
「私も行きます!」
準備をしに家へ戻った俺は翠にも事情を説明した、すると上の一言である。
「いや…翠今回は連れては行けない…」
「どうして!」
「今回は1つの組織ではなく、下手したら国一つを相手にするような戦いなんだ危なすぎる!それに…」
「それに、なんですか!?」
「翠とドーマは相性が悪い、いや…良すぎる…」
「どういう事です?」
「『オレイカルコスの結界』は相手の心の闇に反応して負けた相手を封印するカード、翠の体の元になっている『間桐 桜』は虚数という闇に近い力を持っている。
もしその力が『オレイカルコス』と反応したら…何が起きるかわからない…」
「だから翠には家に残って、俺の帰る場所を守っていて欲しい…分かってくれるか…?」
「…分かってます、私とオレイカルコスの相性が悪いことは…でも夢で見るんです、遊海さんが誰かに負けて封印されてしまう夢を!」
「翠…」
「もちろん分かってます、ただの夢だって…でも…」
「翠!大丈夫!俺がそんなに弱いと思うか?確かに転生前は仲間内で一番弱かったけど、今はバトルシティ準優勝者だぞ!俺が負けるわけ無いじゃないか!」
そう言って翠の頭を撫でる
「大丈夫!俺は無事に帰ってくる!だから翠も家を、『俺の帰ってくる』場所を守ってくれ!」
「はい…!約束ですよ遊海さん!」
翠を説得した俺は部屋に戻る、すると…
「(ぐっ!…この頭の痛みは…!)」
ジジ『マスタァァァー!!!』
『貴様!選ばれし魂をよくも!!』
『後は頼んだぞ…!そしてすまない翠…やくそくは…』
『貴様には責任をとってもらう!オレイカルコスの神よ!この者を…!』
『遊海…どうして!?』
プツン
「(これは千年玉の『予知』…?なら俺は…)」
アヤカ視点
「マスター?どうしました?顔色が…」
マスターの顔色が気になって私は話しかける
「アヤカ…スマンちょっと今からデッキを作る、その間少し離れていてくれ。」
「はい…?わかりました…?」
そう言ってマスターは亜空間に入って行きました…どうしたんでしょう?
しばらくしてマスターがデッキと封筒を持って出てきました、でも顔から脂汗をかいていて…?
「マスターこのデッキは?それにその汗…」
「アヤカ…もし、もしこの旅の間に俺に何かあったら…
具体的には『もし俺が遊戯達の敵になったら』それを城之内さんに渡してくれ…!」
「マスター何を言ってるんです?寝ぼけているんですか?」
「いや…寝ぼけてはいない、まぁ保険だ保険!たぶん使う事は無いだろうけどな…『もしも』の為だよ!」
「はぁ…マスター、怖い事言わないでくださいよ!まぁわかりました、しまっておきますね!」
「ああ、頼んだぞアヤカ!」
私はマスターから受け取ったデッキをコアに仕舞う、そしてマスターはアメリカ行きの準備をし始めたのだった。
遊海視点
そして翌日、俺達はそれぞれ荷物を持って空港にいた。神様がパスポートまで作ってくれていてよかった…
「じゃあじいちゃん、行ってきます!」
「気を付けて行くんだよ…アーサーから情報があったらすぐに伝えるからの!」
「うん!」
「よし!いくぜ!」
その後俺達はI2社のチャーター機に乗ってアメリカへと向かう、そういえば乗り込む時に茶色の大きいカバンがあったけど…誰のだ?
「よし!成功だ!」
「行くで!アメリカ!レアカード!」
~約10時間後~
俺達はアメリカに到着した、生前は北海道しか行ったこと無かったから初海外である。次はリムジンでの移動だそうだ、そういえばあのカバン…結局誰のでも無かったらしい…どうして紛れたかな?
「う~ん…」
「アメリカ…レアカード…欲しい」
~ドーマの神殿にて~
「ダーツ様申し訳ありません…神のカードを1枚奪い損ないました…」
「やはり『異界からの転生者』ですか…幸い、神を目覚めさせるのはこの2枚で事足ります。しかし速やかに最後の神のカード、及び『異界の転生者』の魂を捧げなければ神の復活はありません…三銃士達よ『選ばれし決闘者』の魂そして強い決闘者達の魂を集めなさい!」
「「「はっ!」」」