転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

本当は遊馬対凌牙と繋げようと思ったのですが…キリがよかったので投稿します!


因縁は収束する…今までにない強敵を前に遊海は、遊馬はどう立ち向かうのか…!


それでは最新話をどうぞ!


牙を覆う闇─蝕─

「ぐっ…うぅ…ここ、は…?」

 

《おはようございますマスター、現在10時30分です…昨日は本当にごめんなさい…》

 

「彩華…そう、か…お前の突進で……」

一夜が明け、遊海はようやく目を覚ました…その傍らには申し訳なさそうに縮こまるアヤカの姿がある…。

 

 

「なんだか、お前と話すのも、久しぶりな気がするな……ごめんな、こんな情けないマスターで…」

 

《トロンとのデュエルの顛末はフレアから聞きました…私がいないのになんて無茶を…!》

 

「…トロンの策に、完全に嵌められた……くそっ…!」

遊海は拳を握り締める、今回の戦いは失ったものが大き過ぎた…トロンによって遊海の持つ力はほぼ全てが奪われ、遊海の身代わりとなってユウスケは消滅した…今までの敗北で一番の被害だろう…。

 

 

《マスター…大丈夫です、遊馬がトロンを打倒すればきっと…》

 

「…そう、だな…紋章の力が無くなれば…その可能性を信じるしかない…本当に、肝心な時に役に立たないな…俺は…」

 

《…マスター、WDCの準決勝が既に始まっています…テレビをご覧になりますか?》

 

「…ああ、頼む」

アヤカは落ち込んでいる遊海の気分を変える為にテレビのスイッチを入れる。

 

 

「(きっと対戦カードは変わっていないはず…凌牙には十代と翠が付いていてくれてる…きっと、大丈夫だ)」

 

遊海は不安を感じていた、本来であれば凌牙はトロンの策略によって心の闇を暴走させながら遊馬と熾烈な決闘を繰り広げる事になる…だから遊海はそうならないように凌牙のメンタルケアの為に翠、そしてトロンを凌牙に近づけさせないように十代を護衛に付けたのだ…。

 

 

 

 

 

 

「なっ…!?なんで!!」

 

《これは…!》

遊海とアヤカはモニターに映し出された光景に絶句する…そこには明らかに正気を失っている凌牙、そして戸惑いながらも必死に凌牙に呼びかける遊馬の姿が映っていたのだ…!

 

 

「っ…!翠!返事をしろ!!」

遊海は咄嗟に枕元にあったDゲイザーを掴み取り、翠に連絡を取ろうとする…だが、返ってきたのは…。

 

 

『…すまねぇ先生…!しくじった…!』

 

 

「十代…!?」

Dゲイザーに十代の姿が映し出される…その体は傷付き、ボロボロだった…!

 

『トロンの奴…真正面から、乗り込んで来やがった…!』

 

「トロン…!あの野郎ぉぉぉ!!」

 

遊海の怒りの叫びが家を震わせた…。

 

 

 

 

 

 

 

時は少し遡る…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「凌牙君、遊馬君、準備はバッチリかしら?」

 

「おう!!」

 

『ああ』

朝、遊馬と小鳥、そして翠と凌牙は白波家の前で集まっていた…準決勝を前に時間を合わせて行こうと翠が提案していたのだ。

 

 

「翠さん、ゆ…白野は大丈夫なのか?まだ眠ってたけど…」

 

「大丈夫よ!昨日ちょ〜っとハプニングがあって疲れてるだけだから…」

 

『(…あれはハプニングで済むのか…?)』

遊海は結局気絶から目覚める事はなかった…弱った所で受けた攻撃のダメージが思いのほか強かったのだ…。

 

 

「それじゃあ…行きましょうか!アヤカちゃん、フォウくん、お留守番お願いね?」

 

《フォウ!》

 

《了解です…!マスターは必ず守ります!》

アヤカとフォウの見送りを受けて翠達はハートランドへと向かった。

 

 

 

「シャーク!オレ達は誰とデュエルするんだろうな?」

 

『フッ…案外、お前と俺が当たる…なんて事もあるかもな?』

 

「そうなったらオレだって全力でいくぜ!シャークとは1勝1敗の引き分けだからな…!決着をつけようぜ!」

 

『ああ、望むところだ…!今の俺には「切り札」もあるからな…!』

会場への道中、遊馬と凌牙は戦いに向けて語り合う…そんな中、凌牙は「No.32」のカードを取り出す…。

 

 

(…シャーク、ナンバーズは危険なカードだ…しかも君は「シャークドレイク」をカオスナンバーズへと進化させた、それは私にとっても未知の出来事だ…君は「シャークドレイク」を使うべきではない)

 

『…悪いが、今は「シャークドレイク」は渡せねぇ』

 

「シャーク…」

アストラルの言葉に凌牙は首を振る。

 

『勘違いするな、トロンの奴に…璃緒と父さんを傷付けた落とし前をつけさせるのにはこのカードの力が必要だからな…心配するな、翠さんに「ナンバーズ」の力を抑える処置をしてもらってる…』

凌牙は胸元に手を当てる、遊馬達には見えないが…凌牙の胸元に刺さった「シャークドレイク」の爪を覆うように光の結界が施されている…。

 

 

『トロンとの戦いが終わったら必ずお前達に渡す…それだけは約束しとくぜ』

 

「…わかった、じゃあオレがトロンに先に勝ったらナンバーズは渡してもらうからな!」

 

『フッ…そん時は俺に決勝で勝ったらな?』

 

「シャーク〜!?」

 

 

((…今はシャークの精神は安定しているようだ…だが…))

凌牙と遊馬の他愛のない話を聞きながら、アストラルは翠に目を向ける…。

 

「まったく…準決勝の前なのに遊馬は呑気なんだから…ねっ!翠さん!……翠さん?」

 

「……えっ!?小鳥ちゃん何か言った!?」

 

((翠は気を張り続けている…何を警戒している…?))

アストラルは遊馬達に気付かれないように鋭く周囲を睨む翠の様子が気になっていた…。

 

 

「(トロンは必ず凌牙君を狙ってくる…!絶対に手は出させない…!!)」

 

 

 

 

 

 

Side翠&凌牙

 

 

 

 

『…準決勝の相手は遊馬か…負けられねぇな…!』

 

「そうね…遊馬君は昔から比べたらすごく強くなった…強敵よ?」

 

『それでも…俺は負けない、トロンの奴を倒すまでは…!』

スタジアムの控え室で凌牙はデッキ調整をしていた…対戦相手はやはり遊馬対凌牙、カイト対トロンの組み合わせとなり…戦いに向けて凌牙は神経を研ぎ澄ませていた…。

 

コンコンコン!

 

 

「…は〜い、どうぞ〜!」

 

『入るぜ、凌牙!翠さん!』

 

『十代さん…』

 

『よっ!頑張ってるな!』

控え室にやって来たのは十代だった、本来ならば関係者以外立ち入り禁止だが…監視の目をすり抜けてやって来たのだ。

 

 

『翠さん、今のところは大丈夫だ…トロンの奴は近くにはいねぇ』

 

「ありがとう十代君、貴方がいてくれて心強いわ…」

十代は遊海の指示で凌牙の近くにトロンが近づかないように目を光らせていた。

 

十代は遊海のように精霊の力で鎧を纏ったり、結界を張ったりする事はできないが…「ネオス」などの精霊の力を借りる事で身体能力を上げる事ができる、今は「アクアドルフィン」の持つイルカの聴力を借りる事で周囲の警戒をしているのだ…。

 

 

「凌牙君、あなたは安心してデュエルの準備をしていて…あなたは私達が守るから…!」

 

『トロン…!来るならきやがれ…返り討ちにしてやる…!』

 

『…凌牙、お前がトロンを許せないのはよくわかる…アイツは復讐する為には手段を選ばない奴だ…でもな、復讐は新しい悲劇を生んじまうだけだ…凌牙、「復讐」の反対はなんだと思う?』

 

『復讐の…反対…?』

トロンに対する怒り…復讐心を燃やす凌牙に十代が諭すように問いかける。

 

 

『「復讐」の反対は…()()()だ、相手のした事を許し…受け入れる、それが復讐の連鎖を終わらせられる唯一の手段だとオレは思ってる』

 

《フッ…君が言うと説得力が違うねぇ》

 

『茶化すなよ、ユベル…』

 

『許す…俺が、トロンを…?』

凌牙は十代の言葉を聞いて思い悩む…妹を傷付け、父を玩び、自分の息子達をも使い捨てにした男を許す…それは凌牙には考えられない事だった…。

 

 

『…「もしも」の話だけどな?先生がトロンを倒していたら…あの人はトロンを許してたと思う、あの人は本当に優しい人だからな!自分の命を狙った男でも…あの人は許した、もちろん拳とデュエルで決着をつけてからだけどな?』

 

『…父さん…俺は…』

凌牙は胸元を押さえ、遊海との暮らしを思い出す…両親を失った自分達を迎え入れ、優しく守り育て…自暴自棄になった自分を見捨てなかった…優しいもう1人の父の事を…。

 

 

『…俺は、トロンを許せねぇ…!だからまずはブン殴る!!許すか許さねぇかは…そのあと決める!!』

 

『…ああ、それでいいさ!』

凌牙の心で燃えさかる黒炎が弱まる…先達であり、遊海の教えを受け継ぐ十代の言葉は凌牙の心境を少しだけ変える事ができた──

 

 

 

 

 

【困るなぁ…ボクの大事な()()に余計な事を吹き込まないでくれるかな…!】

 

 

 

『「『っ!?』」』

控え室に戯けたような声が響く…その声の主は入口近くの空間から突然現れた…!

 

 

『瞬間移動って奴か…!翠さん、凌牙を頼みます!』

 

「わかってる!凌牙君!私から離れないで!」

 

『てめぇ…!!』

 

【フフフ…!ずいぶんな歓迎だねぇ、白波翠…そして伝説のデュエリストの1人、遊城十代…!ボクの人形を渡してくれるかな?】

妖しい笑みを浮かべながら鉄仮面の子供…トロンは姿を現した…!

 

 

 

 

 

 

 

『現れやがったな…!(殺気をビリビリ感じる…!この感じは本気の遊海先生…いや、ティエラレベルか…!?)』

トロンを前に十代は冷や汗をかく、感情を見せないトロンの瞳…そこからこの数十年経験しなかったレベルの強い殺気を感じ取ったのだ…!

 

 

【遊城十代…たしか君は白波遊海がデュエルアカデミアにいた頃の教え子らしいね?なら…ボクの新しい力を試すのにちょうどいいかな…!】

 

『新しい力だと…?』

 

【そうだよ…彼から奪い取った、モンスターを実体化させる力をね!!】

 

08

 

【現れろ!「No.8紋章王ゲノム・ヘリター」!】

 

「っ!?ナンバーズ!!」

トロンの背後に仮面を被った鹿のようなモンスターが現れる…!

 

 

【さぁ、凌牙を渡してもらおうか…!】

 

『凌牙はお前には渡さない!!来い!「E・HEROネオス」!!』

 

「十代君!攻撃しちゃダメ!!」

翠の注意は間に合わずネオスがゲノムヘリターへと殴りかかる!!

 

ガギン

 

『なっ…!攻撃が効かない!?』

 

【フッ…!】

ゲノムヘリターの仮面に直撃するネオスの拳…手応えはあったが、ゲノムヘリターは動じていない…!

 

 

「十代君!ナンバーズはナンバーズじゃないと倒せないの!『ネオス』じゃ『ゲノムヘリター』は倒せないわ!!」

 

【その通り…!次はボクの番だ!「ゲノムヘリター」!フラッシュインパクト!】

 

『ネオス!?うわあああっ!!』

 

『十代さん!!』

ゲノムヘリターから放たれた光線がネオスへと直撃…吹き飛ばされたネオスは十代に直撃する…!

 

 

《十代、ここはボクの出番だと思うよ?》

 

「痛てて…ああ、頼むぜ…ユベル!!」

十代の前に大きな悪魔の翼を持つ十代の相棒が現れる!

 

【へぇ…HERO使いの君がそんな禍々しいモンスターを使うんだ〜】

 

《フン、お前には言われたくないね、復讐だけが目的になって「愛」さえ失った哀れな男には…お前、復讐を成し遂げたあとはどうするつもりなのさ?》

ユベルはトロンに問いかける。

 

【ボクの復讐は終わらない、フェイカーを消したら…次はこの街を壊そうか…!奴の造り上げたこの街を…!】

 

《呆れた…もう見境なしじゃないか、君は所詮…復讐を名分に…手に入れた力を見せびらかしたい「子供」だね》

 

【なんとでも言うがいいさ…吹き飛びなよ!フラッシュインパクト!!】

痺れを切らしたトロンが攻撃を仕掛ける!

 

 

《だから「子供」だっていうのさ…!痛みは共感する…!ナイトメア・ペイン!!》

 

キィン!!

 

【うわー!?】

ユベルに向けて放たれた光線が跳ね返り、トロンを吹き飛ばす!

 

 

『やっぱり…えげつないな、ユベル』

 

《フッ…挑発に乗るアイツが悪いのさ》

 

【君は…受けた攻撃を反射する能力を持っているのか…小賢しい真似をするじゃないか】

トロンは服の埃を払いながら立ち上がる…!

 

【でも、君自身には「ゲノムヘリター」を倒すほどの力はないみたいだね…!】

 

《たしかに…ボクは受けた攻撃を跳ね返す事しかできない乙女…でも、手段がない訳じゃないさ!今だよ!!》

 

「『エルシャドール・ネフィリム』!影糸乱舞!」

翠の前に現れた影の女王がゲノムヘリターを斬り裂く!

 

【ナンバーズを破壊した…破壊効果持ちのモンスターか…】

 

『これが…母さんと十代さんの力…!』

 

「トロン…いいえ、バイロン!ここから去りなさい!凌牙君には指1本触れさせない!」

翠はトロンに向けて声を張り上げる!

 

 

【ふふっ…!母は強し、か…なら特別に見せてあげるよ、ボクの切り札を…!!】

 

「『っ!?』」

トロンが赤紫色のオーラを纏い…威圧感が増していく…!

 

69

 

【現われろ…!『No.69紋章神コート・オブ・アームズ』!!】

トロンの背後に漆黒の身体と恐ろしい牙を持つ、異形の悪魔が現れる…!

 

 

『この感じ…!少しヤバそうだな…!』

 

《少なくとも三幻魔と同レベルの力は持ってるね…!そして感じるよ…このモンスターは『怒り』の感情で動いてる…!》

 

【正解〜、このナンバーズを操るには莫大なエネルギーが必要なんだ…それを補うのがたくさんの人々から集めた『怒り』のエネルギー…そして、白波遊海から奪った精霊の…いや、彼の魂全ての力…!神にも等しいこの力で…ボクはフェイカーに復讐するんだ!!】

 

『テメェ…!』

トロンは狂気に満ちた瞳で復讐の化身を見上げる…。

 

 

【ところでさ…なんでボクがこんな事を話したと思う…?…()()()だよ…これから斃れる君達へのねぇ!!『コートオブアームズ』!ゴッド・メダリオン・ハンド!!】

 

《■■■■■─!!》

怒りの咆哮と共にコートオブアームズから無数の光の触手が飛び出し、翠達に襲いかかる!!

 

 

《させないよ…!ファントム・ペ──》

 

「ダメ!これは()()()()()()()!!」

 

《っ─!?ハアッ!!》

ユベルは翠の言葉を聞いて咄嗟に光弾で触手を撃ち落とす!

 

【さぁ、いつまで耐えられるかなぁ!!】

無数の触手が再び翠達へと襲いかかる!!

 

 

「ウィンダ!ウェン!凌牙君を守って!!」

 

《言われなくてもやってるよ!風王結界!》

 

《ウィンド・ウォール!!》

 

『ユベル!!』

 

《わかってる─!!》

翠はウィンダ達を召喚し凌牙を守り…十代とユベルは必死に触手を撃ち落とし、切り落とす!

 

【流石は伝説のデュエリスト…でも、これはどうかな!】

 

《■■■■!!》ギュル!!

何本もの触手が寄り集まり…ドリルのようになって凌牙を守る結界へと突き刺さる!

 

《っ〜!?お、重い…!!》

 

《結界が、割れちゃっ…凌牙君!逃げ─!》

 

ビキビキ…バキーン!!

 

『なっ…!?』

一瞬の均衡の後に結界は砕け散る、遊海の力を吸収したコートオブアームズの力は…翠達の力を上回っていた…!

 

『やべっ…!!』

 

 

そして凌牙に触手が迫り─…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

グサリ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あっ…!?』

凌牙に迫った触手は彼を傷付ける事はなかった…何故なら…

 

 

「ぐっ…くぅ…!!」

 

『母さん!!』

 

『翠さん!?』

翠が自分の腕を犠牲にして、凌牙の盾となっていたからだ…

 

 

「凌牙くん…!下がって!!」

 

【白波翠…どうしてそこまで凌牙を守るんだい?凌牙は君達の本当の子供じゃないだろう?】

 

「例え…本当の子供じゃなくても…!凌牙くんは…璃緒ちゃんは…!!私達は家族なの!!子供を見捨てる親が…いるかぁぁ!!」ギシッ!!

 

【なにっ!?】

翠はコートオブアームズの触手を敢えて左腕に巻き付け…腕力でコートオブアームズを引き寄せる!

 

「モード影霊衣…グングニール…!!氷結制裁!!!」

 

ドゴン!!

 

『『な、殴った─!?』』

 

《…見事な右ストレートだね…》

 

引き寄せられた勢いのままコートオブアームズは…氷龍の鎧を纏った翠に殴り飛ばされ、壁に激突する!

 

 

「私を、舐めないでね…!これでも私は『決闘王』の奥さんなんだから…!」

腕に巻き付いた触手を振り払いながら翠はトロンを睨みつける…!

 

【なるほどね…君も化物だった訳だ…でも、君達は既に…ボクの掌の上なのさ!!】ギィン!!

 

バチバチ…バリバリバリバリ─!!

 

『っ…!?ぐああああ!?』

 

「きゃああああああ!?」

 

『母さん!!十代さん─!!』

いつの間に仕掛けたのか…トロンの紋章が翠と十代の足下で輝き、凄まじい電撃を浴びせる!!

 

 

【ふふふ…!君達が「コートオブアームズ」の腕を避けている時に仕掛けておいたのさ…!】

 

《貴様…!十代を…!!》

 

《翠を…!》

 

『『離せぇぇ!!』』

ウィンダの風の魔力弾とユベルの光弾がトロンに迫る!

 

【「コートオブアームズ」…ゴッド・シャーター!】

 

《■■■■■!!》バシュン!!

 

《なっ…!?きゃあああ!!》

 

《ガハッ…!?》

トロンの前に立ち塞がったコートオブアームズ…その腕から無数の赤い閃光が放たれ、ユベルとウィンダを貫いた…!!

 

『貴様…キサマぁぁぁ!!!出やがれ!!「シャーク・ドレイク」!!』

《グルルァァ!!》

 

《凌牙!ナンバーズを出しちゃダメ─!!》

凌牙は家族を傷付けられた怒りで再びシャークドレイクを呼び出す!!

 

 

【ああ…その怒りだよ凌牙…!その怒りこそ、君をフェイカーに仕立てるに相応しい…!ねぇ?()()()()()()()()()…!】

 

 

ザン!

 

 

《…え…?》

 

『なっ…!?ウェン─!!』

シャークドレイクはその腕でトロンではなく、ウェンの身体を切り裂いた…!

 

 

【残念でした〜!シャークドレイクは最初からボクの忠実なる下僕だったのさ…!さぁ、凌牙…君の闇を広げてあげよう…!君の抱いた憎しみ…怒り…!それを糧に君はさらに強くなれる…!】

 

『や、やめろ…!来るな…っ!?』

トロンから離れようとする凌牙…だが、その体をシャークドレイクが押さえつける…!

 

 

「やめ…!凌…にげ、て…!!」

 

『力が、入らねぇ…!!ちくしょおおお…!!』

十代と翠は見ている事しかできない…強化された紋章の力は凄まじく、十代達の体は完全に麻痺してしまっていた…。

 

 

【さぁ…!ボクの人形になるんだ…凌牙…!】

 

 

ズブリ

 

『ガッ…あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!?』

 

 

 

控え室にトロンの手で頭を貫かれた凌牙の絶叫が響いた…。

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

ドタガッシャァァン!!

 

 

《マスター!?無茶です!!動ける体ではありません!!》

 

《フォーウ!?》

 

「関係、あるか…!!例え、這いつくばってでも…!凌牙の、ところに…!!」

十代から状況を聞いた遊海はベッドから転げ落ちる…下半身に力の入らない遊海は腕の力だけで玄関へと向かう…!

 

「凌牙…翠…!俺の…俺のせいだ…!!俺のせいなんだ…!!」

 

ドタガッタァァン!!

 

階段を転げ落ち、傷を増やしながら遊海は玄関へと這う…!

 

ガチャ!!

 

『遊海さんたいへ…遊海さん!?』

 

「流星…!頼む、俺を…スタジアムに…!!」

玄関から飛び込んで来たのは流星だった…連絡のつかない翠と十代を心配したジャックが凌牙の様子を見て異変を察知し、流星を遊海のもとに向かわせていたのだ…。

 

 

 

 

「状況は、最悪だ…!!頼む、俺を…スタジアムに…凌牙の、ところに…!!」

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