転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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大変長らくお待たせしました!S,Kです!

ついにぶつかりあうトロンと遊馬…その戦いの行方は…。

そして、遊海の運命は…!


それでは最新話をどうぞ!


ナンバーズ総力戦!遊馬対トロン─恩讐の彼方─

「…ついに決勝か…トロンという男の実力…改めて見直すしかあるまい」

決勝戦を前に沸くスタジアム…その中でジャックは腕を組みながらトロンについて考えていた。

 

 

「対エクシーズ・対効果モンスターに特化した紋章デッキ…強力な切り札、そして感情が無い故の容赦の無さ…かつての俺ならば苦戦していたかもしれん…」

 

『それだけじゃないぜ…ヤツの持ってる「紋章」とかいう力…それのせいで半端な決闘者じゃ太刀打ちできねぇ』

 

「むっ…?十代…身体は大丈夫なのか?」

 

『ああ、なんとかな…』

ジャックの隣に十代が腰掛ける…左腕は固定され、所々に巻かれた包帯が痛々しい…。

 

 

『…流星と海亜は?』

 

「…翠と遊海に付いて病院へ向かわせた、今の翠を1人にする訳にはいかん…それに、あの年頃で…「人の死」は重すぎる…!」

 

『…オレの、せいだ…オレが凌牙を守れていれば…こんな事には…!!』

ジャックと十代は拳を握り締める…2人はトロンの力を過小評価していた…トロンという男のドス黒い復讐心を甘く見ていたのだ…。

 

 

「…嘆いた所で遊海は帰って来ない…!今の俺にできるのは…奴の最後の願いを叶える事…それだけだ…!」

ジャックは静かにデュエルタワーを睨んだ…。

 

 

 

 

 

Side翠

 

 

 

 

「……ゆうみ…さん…そん、な…!」

 

KC傘下の病院、その特別病室…そこに治療を終えた翠はいた、そして…彼女の目の前にはベッドに寝かせられた遊海がいる。

…もう、遊海は目覚める事はない…世界の為に戦い続けた最強の決闘者は…子供達を守る為にその生命を燃やし尽くしたのだ…。

 

 

 

《……本来、マスターと翠は「決闘以外で死なない」という転生特典を持っています、ですが…それは「魂」の持つ力…今回、マスターはその「魂」を砕かれてしまいました…》

 

「魂が、壊れたなら…ユベルの時と一緒じゃない…!ティエラの時は…遊海さんは死ななかった!!」

 

《あの時は…ユベルがセーフティを掛けていたんです…異世界で決闘に負けるか…瀕死のダメージを受けた者を異世界へと飛ばして力を奪う為に……私達の世界ではそれは適用されません…トロンの「紋章」で砕かれたマスターの魂は…私やフレアでも捉えられないほどの粒子となって霧散しました…僅かに残っていたマスターの魂も…もう…》

 

「そん、な…!」

翠は遊海の手を握る…その手にはまだ…微かに温もりがあった。

 

 

《…おそらく、ですが……Z-ONEの未来の翠の最期もそうだったのでしょう…全てのモーメントが爆発した事で発生した世界全てを汚染するマイナスエネルギー…それによって特典にエラーが起きて……復活する事ができなかった…それが、マスターにも…起こってしまうなんて…!》

アヤカのコアから透明な雫が流れ落ちる…アヤカは初めて「悲しみ」という感情を理解した…。

 

 

「…遊海さん…約束、しましたよね?『無謀な事はしない、必ず帰ってくる』って……あれは、嘘だったんですか…?」

翠は遊海に語り掛ける…それは数十年前の約束だった…。

 

「これから、遊馬君とトロンの戦いが始まります…その次はDr.フェイカー…そしてバリアン…!言ったじゃないですか!『俺達の知ってる物語以上のハッピーエンドにしよう』って!!遊海さんがいなくなったら…ハッピーエンドじゃないじゃないですか──!!」

 

 

 

 

 

 

「…翠さん…」

 

「…海亜、そっとしておこう…僕達では…翠さんの力になれない…」

病室の外…そこには翠達に付いてきた流星と海亜の姿があった、翠の慟哭を聞きながら流星は海亜を支えている…。

 

 

「…なぁ、アタシ達…もっとできる事、なかったのかな…」

 

「しょうがないよ…僕達と遊海さんでは力の差がありすぎる…僕達の何十倍の経験を積んだ遊海さんが選んだ『答え』…僕達じゃ…何もできなかった…!」

流星は拳を握る…遊海は凌牙の為に躊躇なくその命を燃やした…だが、流星達にはそんな選択は取れない…何もできなかった無力感が流星と海亜にのしかかっていた…。 

 

 

「…遊星さんには、連絡したのか?」

 

「もう、ばあちゃんと一緒こっちに向かってる……どんな顔して、じいちゃんに会えばいいんだよ…!」

 

「流星…」

悔し涙を流す流星…海亜はその背中を擦る事しかできなかった…。

 

 

 

SideOut

 

 

 

Side Dr.フェイカー

 

 

 

「フェイカー様…!Dr.フェイカー様!!カイトが…あのカイトがトロンに敗れてしまいました…!大会を今すぐ中止にすべきです!!」

ハートランドスタジアムの一室…そこでMr.ハートランドが通信でDr.フェイカーへとWDCの中止を進言していた。

WDCは世界に散らばったナンバーズを集める為に開かれた大会…そのナンバーズを狩るはずのカイトがトロンに倒された事で計画に影響が出る事をハートランドは懸念したのだ…。

 

 

『慌てる必要はない…!リスクは想定内だ、WDCはこのまま続行する』

 

「なんと…!?」

だが、フェイカーは余裕を崩さない…カイトが敗北する事も…フェイカーは計算していたのだ。

 

『我々に「スフィア・フィールド」がある限り…我が計画に失敗はない!』

フェイカーは怪しげな笑みを浮かべながら言い切った…。

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

 

「カイトが、負けた……カイトの魂は…トロンに奪われちまった…!カイトはただ…ハルトを助けたかっただけなのに…!」

決勝を控えた遊馬は割り当てられた個室で拳を握りしめていた…ライバルであるカイトの敗北…それはカイトの強さを知る遊馬にとって大きな動揺となっていた…。

 

 

 

(…遊馬、カイトやハルトの魂も…遊海の魂も「紋章」の力によって奪われた…ならば、我々が決闘に勝利し…紋章の力を砕く事ができれば…彼らの魂を取り戻せるはずだ)

 

「ああ…やってる!必ず奴をぶっ飛ばして…カイトや遊海を助けるんだ!!」

打倒トロンに燃える遊馬…そんな時だった。

 

 

「「「「遊馬!!」」」」

 

「み、みんな!?」

控室にやって来たのは鉄男・等々力・徳之助・キャッシー…ナンバーズクラブの仲間達だった。

 

 

「頑張ってくださいよ!遊馬君!」

 

「応援してるウラ!」

 

「みんな…!おう!任せとけって!トロンにかっとビングの力を見せつけてやる!」

激励に来た仲間達に遊馬は自信をもって答える!

 

「絶対…優勝してニャン!」

 

「遊馬…!お前は俺達、デュエリストの代表だ…!トロンになんて負けんじゃねぇぞ!!気合い入れの円陣だ!!」

鉄男の号令で仲間達が手を重ねる!

 

「ほら!遊馬も!」

 

「ああ!…えっ?」

遊馬も円陣へと手を重ねる…その上に透けた青い手が添えられる。

 

「アストラル…お前…」

 

(…)

静かに頷くアストラル…その様子を見た遊馬は仲間達と向かい合う。

 

「…みんな、ありがとう…!オレは必ず優勝する!みんなの気持ちと一緒に!!」

 

(「「「「おおーっ!!」」」」)

  

 

 

 

 

 

「…いよいよだな…!待ってろよ、トロン!」

仲間達の想いを背負ったは入場口へと進む…その時…。

 

 

《フォウ、フォーウ!!》

 

「えっ…?フォウ?どうしてこんなトコに…?」

 

《フォウ!》

背後から聞き覚えのある鳴き声が遊馬のもとに届く…それはフォウの声だった、駆け寄ったフォウは遊馬に抱き上げられる…。

 

 

「フォウく〜ん!もう、走るの早いよ〜!!」

 

「小鳥!?」

フォウに少し遅れて小さな包みを持った小鳥がやってくる。

 

「間に合ってよかった!遊馬!コレで絶対にトロンに勝つのよ!」

 

「おおっ…と!これ…デュエル飯じゃん!!サンキューな!小鳥!」

小鳥は包みを遊馬に投げ渡す…それは遊馬の元気の源・デュエル飯だった、小鳥は遊馬が勝つ事ができるように、願いを込めながらデュエル飯を握ってきたのだ。

 

 

「遊馬…私、信じてるからね!」

 

「ああ…絶対にトロンに勝つ!!」

 

「絶対の絶対だからね!!」

 

「絶対の絶対の…絶対だ!!」

遊馬と小鳥は勝利の誓いを交わす…。

 

 

「それじゃ…行ってくる!フォウ!お前も小鳥と一緒に応援してくれよな!」

 

《フォウ!フォウ!(遊馬…ボクは君を信じてる、君なら…きっと…アイツに勝てる!)》

 

「応!!…あれ?フォウ…お前…?」

 

《…フォウ!》

遊馬は確かに聞いた…フォウの応援の言葉を…フォウはそのまま小鳥の肩へと飛び乗る。

 

「ヘヘっ…!ありがとよ…やってやるぜ!!」

 

「頑張れ!遊馬─!!」

 

《フォーウ!!》

2人の応援を背に…遊馬は戦いの場へ向かった…!

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

『この空に太陽は一つ、輝く栄光はまた一つ…その道を阻む者は全て敵、数々の死闘が繰り広げられたサバイバルデスマッチ…第1回ワールドデュエルカーニバル!数多の敵を薙ぎ倒し、遂にその太陽…!輝き溢れる栄光を掴まんとする二人が生き残った!!』

スタジアムにMr.ハートランドの声が響く…それと共に2人の決闘者が入場する!

 

 

『今大会のダークホース!謎の仮面デュエリスト…トロン!…対するは新進気鋭のミラクルワンダーボーイ…九十九遊馬!さぁ、世紀の決勝戦…!その舞台となるのはハートランドシティの技術の粋を集めて作られた!『スフィア・フィールド』だ!!』

ハートランドの紹介と共にデュエルフィールドの四方から怪しげな装置が現れる…そして装置から光線が放たれ、球状の結界を作り出す!!

 

 

 

『「スフィア・フィールド」はこれまでのフィールドとは全く違う、異世界の擬似空間だ…トロンに遊馬、お前達のナンバーズを存分に使い切るがいい…!どの道お前達は……フフフフ…!』

その様子を見たDr.フェイカーは研究室で笑みを浮かべた…。

 

 

 

 

 

「な、なんじゃこりゃ…!?」

 

(気をつけろ遊馬…!)

遊馬とアストラルは目の前に現れた謎のフィールドを警戒する…!

 

 

「この中でデュエルするって…どう入れば…うわぁ!?」

スフィアフィールドをおっかなびっくり突いた遊馬…その身体は一瞬にして結界の中に取り込まれる!

 

 

「びっ、ビックリした〜!?どんな仕掛けなんだよこれ!?」

 

(これがスフィアフィールドか…!)

結界の中は無重力状態…慣れない遊馬はフィールドの壁に弾かれ続けている…。

 

 

ゴツン!

 

 

《ムゴッ!?入れん…!》

 

(むっ…?メガロック!私達に付いてきていたのか?)

 

「メガロックじいちゃん!?何でこんな所に!?」

結界から聞こえた異音に遊馬とアストラルが目を向ける…そこには結界の中に入れず苦戦する半透明のメガロックの姿があった。

 

 

《遊海からお前達の護衛を頼まれていたのだが…入る事ができん…!遊馬!こんな時は大抵…嫌な事が起きる…!気を抜くな!!》

 

「わかった…!メガロックはそこで待っててくれ!遊海は…オレが助ける!」

メガロックの助言を聞いた遊馬は気を引き締めてフィールドの中心へ向かった…。

 

 

《(…あの様子では…遊海の事は伝わっておらんようだ………馬鹿者…!遊馬を導くのは…お前の役割だろう…!)》

遊馬を見送ったメガロックは地面を踏み締めた…。

 

 

 

 

『さぁ、スフィアフィールドよ!最強のデュエリスト達を天空の舞台へ導くのだ─!!』

2人を飲み込んだスフィアフィールドはデュエルタワーの最上部へと上昇する…そして、ついに遊馬とトロンは相対する…!

 

 

 

【アハハハハ…!よくここまで来たねぇ?】

 

「トロン…!」

 

【ボクは異世界の狭間を彷徨った地獄の時間の中…何度も何度も生きるのを諦めかけた…そんな時、いつもキミの父…一馬のことを思い出したよ…彼はボクによく言っていたよ…大切なのは「友情」…「仲間」…そして「諦めない心」だとね…!】

トロンは変わり果てた自分の原初を思い出す、どこまでも果てしなく続く異世界の砂漠…死の淵に立たされたトロン…バイロンは一馬の言葉を糧に生き延びた…だが、その心は感情を失い、歪んでしまった…。

 

 

【でも、ボクはフェイカーに裏切られてよ〜く分かったんだ…!彼が言ってた友情、仲間……そんなものは全部無意味だって!けれども…彼の言っていた「諦めない心」って大切だよねぇ?諦めなかったおかげで、ボクは復讐という希望を持ち、こうして生まれ変われたんだぁ…!】

 

「…そんなの間違ってる!オレはⅢと約束したんだ…Ⅲは言ってた!『僕の家族を救ってくれ』って!トロン…!オレはⅢの…ミハエルの為に全力でアンタと戦う!!そして…アンタを救う!!」

遊馬はトロンへ叫ぶ…Ⅲから…かけがえのない友から託された願いを叶える為に…!

 

 

【ボクを救うだって?何からぁ〜?】

 

「そんな事決まってる!アンタから『復讐』っていう悪魔を追い出してやるんだ!…アンタの復讐の為にⅢにⅣ…Ⅴは犠牲になった!!」

 

【けれど、結局あの子達は役に立たなかった…罰として、今は三人そろって()()()()()になってるけどさ…】

 

「魂の、抜け殻…!?」

 

【そうだよ…ボクが三人に与えた「紋章」は力を得る代償として魂に直結していたからね…力の強いナンバーズを使い、デュエルに負ければ魂も消耗しちゃう…当然の結果だよ…!】

 

「お前…そうなるとわかってて!!」

 

(…ここまで心が醜い人間もいるのか…!!)

非情なトロンの言葉を聞いた遊馬は拳を握り締める…危険を承知で力を受け入れたⅢ達兄弟…そしてそれをなんとも思っていないトロン…遊馬はその心が許せなかった…!

 

 

「お前…それでも『親』なのかよ!!あいつらはとっくに復讐の虚しさに気付いてた!!それなのに!!」

 

【だってさぁ、それが「親子の絆」だろう?そもそも悪いのはフェイカーなんだ…!ねぇ?遊馬…どうして君は復讐しないの?君から一馬を奪った、Dr.フェイカーに…】

遊馬に対しトロンは問いかける、復讐に堕ちた自分と復讐する事なくトロンに立ち向かう遊馬…その違いを…。

 

 

「父ちゃんはオレに復讐なんて望んでねぇ!!」

 

【そうかなぁ?】

 

「っ…!?」

遊馬の答えを聞いたトロンは遊馬を睨む…。

 

【本当に一馬はそう思っているのかな?いや…もう復讐し始めてるんじゃないのかなぁ?ねぇ、アストラル?】

 

(何が言いたい…!)

 

【ナンバーズには恐るべき力が宿っている…この世界を滅ぼしかねない強大な力が…!】

 

(「っ…!」)

遊馬とアストラルはトロンの言葉に心当たりがあった、手にすればただの決闘者が悪意に呑まれ暴走する「No.」…その恐ろしい力を間近で見てきた遊馬達はその言葉を否定できなかった…。

 

 

【だとしたら君は…この世界に報復する使者に力を貸しているワケだぁ…一馬がこの世界に送り込んだアストラルにね?】

 

「そんな…!?アストラルが、この世界に報復する、使者…!?」

遊馬は動揺する、かけがえのない相棒だと思っていたアストラル…彼が報復の使者ではないという証拠は…現時点ではなかったからだ…。

 

 

【そして…君だってその恐ろしい力を集めているんだろう…Dr.フェイカー!】

 

ジジッ…ジジッ…!

 

『フフフ…ハハハハ…!!』

 

動揺する遊馬を尻目にトロンは声を張り上げる、それと同時にスタジアムに不気味な笑い声が響き…遊馬達の頭上に巨大なDr.フェイカーのARビジョンが現れる!

 

 

 

『久しぶりだなぁバイロン…!そんなに若返っているとは驚きだよ…!』

 

【全て君のおかげさ!もうすぐ君に会いに行くよ!遊馬のナンバーズを手に入れたらねぇ…!】

ざわめく観客達を気にする事なく、因縁の2人は言葉を交わす…だが、遊馬は黙ってはいられなかった…!

 

 

「冗談じゃねぇ!!Dr.フェイカー…それにトロン!お前達みたいな駄目大人は…オレがやっつけてやるぜ!!」

 

『フハハハ…!それは面白い…楽しみにしているよ!フハハハハハハハ!!』

遊馬の叫びを聞いたDr.フェイカーは高笑いと共に姿を消した…。

 

「やってやる…絶対に勝つぜ!アストラル!!」

倒すべき「悪」を前に…遊馬は決意を固めた…!

 

 

 

 

 

『コホン!少しハプニングもありましたが…改めて観客の皆様に「スフィア・フィールド」の効果を説明しましょう!!』

咳払いをしたMr.ハートランドの声がスタジアムに響く、彼の口から語られたのは「スフィアフィールド」の効果…その概要は大きく2つ。

 

 

①互いのプレイヤーは手札の同じレベルのモンスター2体をエクシーズ素材としてエクストラデッキからランダムに「No.」エクシーズモンスターを召喚条件を無視してエクシーズ召喚できる。

(例 手札のレベル4モンスター2体でエクシーズ素材がレベル8×3の「デステニー・レオ」を召喚できる)

 

②ただし、①の効果で特殊召喚したエクシーズモンスターはORUを全て失った時に破壊される。

 

 

 

『さぁ…!存分に使うがいい!選ばれしデュエリストのみが持てる最強の「No.」達を!!ハートバーニング!!』

 

 

 

「よし…!行くぜ!!」

 

【フフフ…アハハハハ!!】

遊馬とトロンはそれぞれにデュエルディスクとDゲイザーを装着、準備を整え…ついに決戦が始まる!!

 

 

 

 

【「デュエル!!」】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─見えて…いや、聞こえているかい?遊海君、君の弟子と復讐鬼の戦いが始まったようだよ─

 

 

………

 

 

何処とも知れない花園、その中心にある塔の中…白いローブの青年は魔法陣の中に浮かぶ弱々しい赤い光へと語り掛ける…。

 

 

 

─君の魂は異世界の力によって砕かれ、世界へと融けてしまった…でも、()()()()()()()()()()…辛うじて君はまだ現世へとしがみついている…─

 

………

 

─君達の特異な性質…「特典」が君を生かしている、でも…このままなら君の魂は本当に消えてしまうだろう…どうにかしてあげたいけど…禍々しい「紋章」の力が君の魂の再生を妨げているんだ─

 

 

…………

 

 

─君が助かるには…あの少年が復讐鬼を倒す事が1つ…そして…彼が懺悔する事が必要だ、そうでなければ…君の魂は無へ還ってしまうだろう…─

 

 

………

 

 

─…何となく君が言いたい事がわかる…いや、強い意思を感じるよ…「信じる」ってね…さて、私は基本的に個人に肩入れはしないんだけど…今回ばかりは少年を応援するとしようか!─

 

そう言うとローブの青年は遠くに目を向ける…未熟な勇士と復讐鬼の戦いを見守る為に…。

 

 

 

 

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊馬&アストラル対トロン

 

 

 

 

56

 

 

【現れろ!「No.56」!「ゴールド・ラット」!】

デュエルの先攻を取ったのはトロン…彼は「スフィアフィールド」の効果によって「No.56」を呼び出す!

 

 

「守備力600…!これならすぐに倒せるぜ!」

トロンが呼び出したナンバーズはステータスの低いいわゆる「ハズレ」のナンバーズ…だが、ターンの回ってくる前にアストラルが遊馬へと問いかける…。

 

 

(遊馬…ナンバーズは本当にこの世界を滅ぼす力があるのだろうか?)

 

「アストラル…お前、さっきトロンに言われた事を…」

 

(…私には記憶がない…!本当に私は復讐の為にこの世界に送り込まれたのか…?)

 

「アストラル…」

それはアストラルの懸念…トロンに指摘された「報復の使者」と言う言葉が記憶を失ったアストラルにのしかかっていたのだ…。

 

 

「…オレはお前がどういう理由でこの世界に来たのかは知らない…けど、お前が悪いヤツじゃないって事はオレが一番よく知ってる!遊海だって言ったじゃねぇか!『俺はお前達の敵にはならない』って!伝説の決闘者がお前の事を認めてるんだぜ?」

 

(遊馬…)

遊馬はアストラルをまっすぐ見つめながら本心を伝える、それはトロンの言葉を否定し…アストラルを信じる事だった。

 

「それにナンバーズにすげぇ力があるってんなら、なおさらあんな奴らに渡してたまるかよ!…アストラル、お前が手にして絶対正しい事に使ってくれ!…オレはお前を信じる!!」

 

(遊馬…わかった、今は私達の全力を尽くし、あのトロンを倒すぞ!)

アストラルは遊馬の言葉で迷いを振り払い、トロンを睨みつける!

 

 

「よーし!そうとなったらお前の取って置きの作戦でトロンをギャフンと言わせてやろうぜ!!」

 

(…そんな都合のいいものはない)

 

「あらら!?」ズコッ!

 

(この後に及んで私頼みになられても困る…そもそも君にはデュエルにおいて戦略というものが…無いに等しいからな)

 

「へへっ、いつもの調子が戻ってきたな!そうこなくっちゃ!なら、オレ達2人の力で…トロンを倒す!!」

緊張がほぐれた遊馬とアストラル…2人はトロンを倒す為に力を合わせる!

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!…よしっ!!かっとビングだ!オレ!!」

ドローしたカードを確認した遊馬は仲間との絆と共にトロンへと挑む!

 

 

12 

 

 

「来い!『No.12』!『機甲忍者クリムゾン・シャドー』!!」

遊馬が「スフィアフィールド」によって呼び出したのは決闘庵の兄弟子である闇川のナンバーズ…赤き忍者だった!

 

「バトルだ!『クリムゾンシャドー』で『ゴールドラット』を攻撃!月影・紅斬り!!」

クリムゾンシャドーの鋭い一撃がゴールドラットを粉砕する!

 

 

 

「オレはこれでターンエンドだ!」

 

 

【フフフ…ボクのターン!ドロー!いいよぉ…!遊馬、アストラル!その調子だ!もっと力を出すんだ!君たちが力を出せば出すほど、自分の首を絞めることになる!】

トロンは余裕の笑みを崩さない…そしてトロンは攻勢に出る!

 

 

       10

 

     30   08

 

 

【現れろ!「No.10白輝士イルミネーター」!「No.30破滅のアシッド・ゴーレム」!そして「No.8紋章王ゲノム・ヘリター」!】

 

「ナンバーズが一気に3体も!?」

 

(そして現れたか…「ゲノムヘリター」…!)

トロンは「スフィアフィールド」の効果と自身のタクティクスによってカイトの持っていた2体のナンバーズ、そして自身のエースであるゲノムヘリターを呼び出す!

 

【ククッ…!君も知ってるよねぇ?「ゲノムヘリター」には色々モンスター効果がある…!さあ、行くよ!ボクは「ゲノムヘリター」の効果発動!ORUを1つ使い!このターンバトルする相手モンスター1体の攻撃力を0にする!これで「クリムゾンシャドー」の攻撃力は0になる!さらに自身の攻撃力をバトルする相手モンスターのもともとの攻撃力と同じにする!まあ、攻撃力は変わらないけどねぇ…!】

ゲノムヘリターが自身の毛を伸ばし、クリムゾンシャドーの力と姿を奪い取る…!

 

「っ…!やばい!!」

 

 

【「ゲノムヘリター」!「クリムゾンシャドー」にトドメだぁ!】

 

「やらせるか!『クリムゾンシャドー』の効果─!」

 

(待て遊馬!罠カードを使え!!モンスター効果で攻撃を耐えてもダメージは受ける…連続攻撃を受けたら我々は…!)

 

「っ─!?罠カード『ハーフガード』発動─!」

 

(その効果により「クリムゾンシャドー」はこのバトルでは破壊されず、バトル終了後に守備表示になる─!!)

 

アストラルの助言で遊馬は咄嗟に罠カードを発動…だが、攻撃の余波で吹き飛ばされ「スフィアフィールド」の壁に叩きつけられる…。

 

 

「ぐうっ…!派手にライフを削られちまったぜ…!」

 

【ちぇ、守備表示になっちゃったかぁ…まぁ、いいや!バトル続行!「アシッドゴーレム」!アシッド・スプラッシュ!】

続いて放たれた強酸の大砲がクリムゾンシャドーを破壊する!

 

「『クリムゾンシャドー』の効果発動!ORUを1つつかい!自身の破壊を無効にする!」

自身の効果でクリムゾンシャドーが復活する…だが…。

 

【まだまだぁ!いけぇ!『イルミネーター』!『クリムゾンシャドー』を攻撃ぃぃ!】

 

「もう一度『クリムゾンシャドー』の効果発動!自身の破壊を無効にする─!!」

イルミネーターの剣で一閃されたクリムゾンシャドーはなんとかその攻撃を耐え抜いた…!

 

「くっ…なんとか、防いだぜ…!」

 

 

【そうかなぁ…?君のモンスターはORUがなくなった…!この瞬間!「スフィアフィールド」の効果で特殊召喚したモンスターは破壊される!】

 

「っ…!」

スフィアフィールドの壁面から無数の光線が放たれ、クリムゾンシャドーは粉砕された…。

 

 

【アハハハハ…!これでボクのターンは終わりだよ】

 

「トロン…!」

 

(怯むな遊馬…!君の戦いはこれからだ…!!)

遊馬の残りライフは1600…だが、デュエルはまだ始まったばかり…遊馬は反撃の狼煙を上げる!

 

 

       34

 

     17   39

 

 

「現れろ!『No.34電算機獣テラ・バイト』!『No.17リバイス・ドラゴン』!そして…来い!『No.39』!『希望皇ホープ』!」

遊馬はエクシーズ環境に於いて最強のドローカード『エクシーズ・トレジャー』を発動…それによりホープを含めた3体のナンバーズを召喚する!

 

 

(遊馬、本当の勝負はこれからだ!!)

 

「ああ、わかってる!」

遊馬は仲間達の願いを背負い、反撃を仕掛ける!

 

【フフフフ…ボクの怖さを見せてあげるよ…たっぷりとね!!】

 

「望むところだ!!その前に…お前のフィールドをガラ空きにしてやるぜ!!『リバイスドラゴン』の効果発動!ORUを1つ使い!自身の攻撃力を500アップする!」

 

(この布陣なら勝てる!いくぞ!遊馬!!)

 

「おう!!『リバイスドラゴン』で『イルミネーター』を攻撃!バイス・ストリーム!!」

ORUを捕食したリバイスドラゴンの一撃が白騎士を粉砕する!

 

【くぅ…!】

 

「さらに!『希望皇ホープ』で『ゲノムヘリター』を攻撃!ホープ剣スラッシュ!!」

 

【チィ─!!】

ホープが剣を振るいゲノムヘリターを両断する、もしもゲノムヘリターが正規召喚されていればホープの攻撃を防ぐ事ができていたが…「スフィアフィールド」の効果で召喚された事でその効果は使えない─!

 

 

【けど、どうって事はない…!まだボクのフィールドには攻撃力3000の「アシッドゴーレム」が残っている!】

 

「まだだ!手札から魔法発動!『エクシーズ・トライアングル・フォース』!!自分フィールドに3体のエクシーズモンスターが存在する時!相手の場のカード1枚を破壊する!『アシッドゴーレム』をぶっ飛ばせ─!!」

 

【くっ…!こんなカードまで用意していたとは…!】

3体のナンバーズの連携でアシッドゴーレムが破壊される!

 

 

「トロン!これでお前のナンバーズは全部倒してやったぜ!さぁ…かかってきやがれ!!」

トロンのナンバーズを一掃し勢いに乗る遊馬…だが、トロンは余裕の笑みを崩さない…!

 

【…なんか、もしかして本気でボクに勝てると思ってるのぉ?】

 

「当たり前だ!オレはⅢやカイト…白野の為に、絶対にお前に勝つ!!」

 

【フッ…君のフィールドには、ナンバーズが3体…どうやらボクが本気を出す舞台は整ったようだねぇ?】

 

「なにっ…!?」

 

(っ…!遊馬、気をつけろ!トロンはまだ切り札を残している!)

アストラルはトロンの思惑にいち早く気付いた…!

 

 

【これが僕のデステニードロー!かっとビングだぜ…ボク!!…なんちゃって!】

遊馬の決めゼリフを真似したトロン…そのフィールドに災厄の悪魔が現れる…!

 

 

【ボクはレベル4となった「ゲノムヘリター」「イルミネーター」「紋章獣ベルナーズ・ファルコン」の3体でオーバレイ!エクシーズ召喚!!】

 

 

69

 

 

【現れろ!「No.69」!…見せてあげるよ、ボクの本当の切り札!「紋章神(ゴッド・メダリオン)コート・オブ・アームズ」!!】

ついにトロンの切り札…巨大な双角と恐ろしい牙を持つ悪魔が降臨する!

 

(ついに来たか…!)

 

「くっ…!」

遊海とカイトを降したナンバーズの出現に身構える遊馬…だが、変化は終わらない…。

怒りのエネルギーに呼応するように黄色のエネルギーだった「スフィアフィールド」が紫色に染まっていく…!

 

 

(このナンバーズがトロンの復讐の化身…!)

 

ぅ…ああぁ…!!苦しい…憎しみがあふれて、息苦しい!もう仮面なんて、いらない…!

トロンの鉄仮面の隙間から禍々しいエネルギーが漏れ始める…そしてトロンは仮面に手をかける…!

 

どうせ君たちはこのデュエルが最後なんだ…終わったらボクに記憶を…いいや、何もかも奪われちゃうんだからねぇ!…見せてあげるよ…特別に、ボクの素顔を!

 

カシャ…カラン!

 

「っ─!?!?」

 

(な、その顔は…!?)

ついに仮面を外したトロン、その素顔…その右半分はバイロンの面影を残す幼い少年のものだった、だが…問題は左半分…そこには()()()()()()

 

その左半分は伽藍堂…左眼があるはずの場所に虚無に通じるかのような穴が開いていたのだ…!

 

 

 

「お前、その、顔は…!?」

 

【そう、異世界との狭間をさまよう間に…ボクはこんな姿になってしまった、ボクの身体に残っているのは…復讐の心だけさ!】

トロンは自分の髪を玩びながら呟く…

 

(トロン…その正体は、もはやこの世界の人間ではないという事か…!)

トロンの正体…それは異世界に投げ出された事で人外となってしまった…「怪人」だった。

 

なお、トロンの顔はARビジョンを通じて観客達も目にしているが…ほとんどの人間が「ARビジョンによる演出」だと思いこんでいた…。

 

 

 

 

Sideジャック

 

 

 

「っ…!!なんと禍々しい力だ…!仮面を外した途端、闇の力が溢れ出して…!」

 

『っ…!あれが奴の…復讐の源か…!』

ジャックと十代は息をのむ…トロンから感じる禍々しい力…それはかつての強敵以上のものだった…!

 

 

「闇の力に飲まれるな…!遊馬、アストラル…!!」

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

【遊馬ぁ、アストラル!見てよ!ボクの力を!これがボクが手にした究極のナンバーズさ!コイツには特殊な効果があるんだ…「コートオブアームズ」はカード効果では破壊されず、コイツ以外のフィールドにいるモンスター全ての効果を無効にして…その効果を全て自分のモノにできる!】

 

「他のモンスターの効果を…自分のものに!?」

遊馬は強力なコートオブアームズの効果に驚愕する、効果を無効にされれば鉄壁の守りを持つホープの効果も、攻撃力を上げる事ができるリバイスドラゴンの効果も意味を為さない…!

 

 

【そうさ!どんなモンスターを持っていようと「コートオブアームズ」の前じゃ無力!…見せてあげるよ…友情なんて、希望なんて無いって事を!!「コートオブアームズ」の効果発動!ゴッド・メダリオン・ハンド!】

コートオブアームズの背中から無数の禍々しい光の腕が伸び、遊馬のフィールドのナンバーズの力を奪い去る…!

 

(モンスター効果が、奪われた…!?)

 

【それじゃあ…早速使わせてもらうよ!「コートオブアームズ」の効果発動!ORUを1つ使い!奪った「リバイスドラゴン」の効果…すなわち「コートオブアームズ」の攻撃力を500ポイントアップさせる!さらにボクは墓地にいる「紋章獣レオ」の効果発動!自分のモンスターの攻撃力が変化した時!墓地のこのカードを除外し、その変化した攻撃力分、相手モンスターの攻撃力を下げる!】

リバイスドラゴンの効果によってコートオブアームズの力が増し…リバイスドラゴンは墓地から飛び出した禍々しい光によって弱体化してしまう!

 

【さあ!やるんだ!「コートオブアームズ」!「リバイスドラゴン」を葬れぇ!喰らえ!ゴッド・レイジ!】

 

「っ…!!ぐあああああ!!」

太陽神をもうち倒した邪神の怒りがリバイスドラゴンを…遊馬達を吹き飛ばす!

 

(っ…!だ、大丈夫か?遊馬…!)

 

「ああ…!まだまだ、いけるぜ…!!」

遊馬はなんとか立ち上がる…だが、そのライフは残り500…アストラルの体もダメージで明滅してしまっている…!

 

 

 

【まだ?フフフ…もう!いい加減諦めちゃいなよ!使えないⅢやⅣやⅤと違ってボクは無敵なんだ…!そう!この「コートオブアームズ」は親と子ほどの力の差があるのさ!】

トロンは饒舌に語る…無敵の力を前に遊馬達になすすべはないと…!

 

 

「親と子か…確かにそのモンスターはお前そっくりだぜ!!」

 

【なに…?】

遊馬の言葉にトロンは首を傾げる…。

 

 

「今だったらよくわかる!!Ⅲだって!Ⅳだって!Ⅴだって!みんな大した奴だった…!立派だった!必死に自分を支えようとして最後にはみんなアンタの事を心配していた!!なのに…なんであんないい奴らがアンタみたいな奴の為に全部投げ出しちまうのか!!アンタはそれを親子だから当たり前だと思っている!…けど、そうじゃねぇ!!みんな信じてたんだよ…!アンタがいつか元に戻ってくれるって…!どうしてアンタは戻って来た時…あいつらに優しくしてやれなかったんだよ!?どうして…復讐なんてくだらない事をやり始めたんだよ─!!」

遊馬は叫ぶ…Ⅲ達の感じていた寂しさを…悲しみを…苦しみを…!父親がいない遊馬だからこそわかる…兄弟達の本心を…!

 

 

【わかるわけないさ…君みたいな子供には…!】

 

「わかるさ!!…父ちゃんがいなくなってどんなに寂しい思いをするのか…オレにはわかる!あいつらは…みんなアンタがいなくて寂しかったんだ…!白野が…支えてくれる人がいても!!…不安で…泣きたくて!一生懸命だったんだよ!!」

 

【っ─!!】

涙ながらに叫ぶ遊馬の言葉…トロンはその姿に圧倒される…!

 

【…黙れ!お前にそんなことを言われる…っ!?】

 

トクン…

遊馬の言葉を否定しようとするトロン…その脳裏にかけがえのない子供達の姿が浮かぶ…

 

 

【(家族…思い出…!そんな…そんなものは……!この、顔と、ともに…!)】

トロンは頭を抑えて苦しむ…それは僅かながらトロンに残された「優しい心」…良心の小さな光だった…。

 

 

「オレは諦めねぇ…!このデュエル!オレはみんなからいろんなものを預かってきた!!アンタにそれが伝わるまでは…オレは絶対に諦めねぇ─!!」

 

【ぐっ……まあいい!すぐに「コートオブアームズ」の餌食にしてやる!ボクはこれで…ターンエンドだ!】

 

 

 

「行くぜ、アストラル…!奴に勝つにはZEXALの力しかねえ!」

遊馬はアストラルに静かに決意を告げる…絶体絶命の状況を覆す、奇跡の力を使う事を…!

 

(この「スフィアフィールド」は異世界に似せて創られた擬似空間…ここでならZEXALになれる…ただし、このデュエルは大勢が見ているぞ?)

 

「そんなことはどうだっていい!…みんなの想いをアイツに渡せるなら…いくぜ、アストラル!」

 

(フッ…行こう遊馬…私と共に!!)

 

「おう!!かっとビングだ!オレぇぇ!!」

遊馬とアストラル…2人の想いが重なりし時…奇跡が起きる!!

 

 

オレと!!

 

私で!!

 

オーバーレイ!!

 

【なにっ!?】

遊馬とアストラル…赤と青の閃光がスフィアフィールドを駆け巡る!!

 

遠き2つの魂が交わる時…語り継がれし力が現れる!!

 

エクシーズチェンジ!ZEXAL!!

 

光の爆発と共に現れるのは赤い鎧を纏いし奇跡の決闘者…ZEXALが絶望を希望に変える為に顕現した!!

 

 

 

 

 

 

Sideナンバーズクラブ

 

 

 

 

《フォーウ!?!?(特別意訳:2人が…合体した─!?)》

 

「フォウくん、あれが遊馬とアストラルの絆の力…ZEXALよ!」

 

「アイツ…!みんなが見てるのに…!?」

 

「トドのつまり…どうなんでしょう…?(汗)」

 

「キャット…みんなARの演出だと思ってるみたいだけど…」

フォウや観客達が遊馬(とアストラル)の変身に驚くさなか、鉄男やナンバーズクラブの仲間達も驚きを隠せなかった…「ZEXAL」は特別な力…それを堂々と人前で見せるとは思っていなかったのだ…。

 

 

「でも、今の遊馬…とってもカッコいいウラ!」

しかし、徳之助だけは素直に目を輝かせていた…絶体絶命の状況に現れる「英雄」…その状況に心踊らない少年はいないだろう…!

 

 

『本物のヒーローみたい〜!』

 

『かっこいい〜!メタルナイトより強そう〜!』

 

『名前はなんて言うんだろう!?』

その思いは観客達も同じだった、突然現れた赤い鎧のヒーロー…みんながその名前を知りたがっていた…!

 

 

「そうウラ!!あれは『鋼の騎士』や『カイバーマン』に並ぶ…本物のヒーローウラ─!!」

 

「お、おい!徳之助─!?」

ZEXALのカッコよさにテンションが上がったのか…徳之助は大声でその名を叫ぶ!

 

「あれは『ZEXAL』ウラ!ハートランドを闇から守るオレ達のヒーロー!!その名は…『ZEXAL』ウラ─!!」

声高らかにヒーローの名を叫ぶ徳之助…だったが。

 

 

『…ZEXALウラ…?』

 

『ゼアルウラ?』

 

()()()()()っていうのか!!』

 

「「「「え"っ…!?」」」」

 

「あ、その…()()は…あぁ…!?」

 

《…フォ〜ウ〜…(特別意訳:混ざっちゃった…ダメだこりゃ!)》

徳之助の口癖が混ざった結果…ZEXALは「ゼアルーラ」として観客達に覚えられてしまった…。

 

 

「な、なんか…取り返しのつかない、誤解を…させてしまった、ウラぁ…!?」

 

 

『『『ゼアルーラ!ゼアルーラ!!ゼアルーラ!!』』』

 

後悔するも既に後の祭り…スタジアムは「ゼアルーラ」コールに埋め尽くされてしまった…。

 

 

「なんだか間違って伝わっちゃったけど…みんなが遊馬とアストラルの事を応援してくれてる…!頑張って…!2人とも!!」

 

《フォウ、フォーウ!》

ゼアルーラコールが響く中…小鳥はZEXALの勝利を祈った…!

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

 

 

【まさか…合体変身なんて裏技を隠していたなんてね、驚いたよ…!】

突然のZEXALの登場に動揺していたトロンは改めてZEXALを睨む!

 

 

《…なんだよ「ゼアルーラ」って…?》

 

(…小さな事は気にするな、デュエルに集中だ!)

 

《…ああ、わかった!》

突然のゼアルーラコールに戸惑っていた遊馬はアストラルの言葉で再び戦いに集中する!

 

 

 

《オレのターン!ドロー!》

 

(遊馬!カオスエクシーズチェンジだ!)

 

《おう!!オレは「希望皇ホープ」でオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!!》

ZEXALの号令と共に…希望の戦士がカオスの力を纏い、再誕する!

 

 

39

 

 

《現れろ!「CNo.39」!混沌を光に変える使者!「希望皇ホープレイ」!》

遊馬の場に黒き希望の戦士が降臨する!1736

 

 

 

【「希望皇ホープレイ」のお出ましか…だけど無駄だよ!「コートオブアームズ」の効果発動!ゴッド・メダリオン・ハンド!「ホープレイ」…お前のモンスター効果をもらう!】

現れた希望の戦士に再び光の腕が突き刺さる…!

 

 

《させるかよ!オレは魔法カード「セブンストア」を発動!》

 

(「セブンストア」は自分フィールドのエクシーズモンスターをリリースする事でカードを1枚ドローする事ができる!さらに、そのモンスターがORUを持っている時!その数だけカードをドローできる!)

 

《オレは「テラバイト」をリリースする!「テラバイト」の持っていたORUは2つ…よって3枚ドローできる!》

テラバイトが光の粒子となり、ZEXALの新たな力を呼び覚ます!

 

(最強デュエリストのデュエルは全て必然!ドローカードさえも…デュエリストが創造する!!)

ZEXALの右手に光が集まり、新たな希望を創造する!

 

 

全ての光よ!力よ!我が右腕に宿り、希望の道すじを照らせ!!

 

シャイニング・ドロー!!

 

 

《来たぜ…!ゼアルウェポン!!》

光の軌跡と共に3枚のカードが創造される…そのうちの1枚は最強の武器「ZW」…そのカードが希望を導く!

 

(「コートオブアームズ」は相手のモンスター効果を無効にし、吸収する…だが!装備魔法となる「ZW」の効果は奪えない!!)

 

【なるほどね…そう来るんだ?】

ゼアルウェポン…それは無敵の効果を持つコートオブアームズの唯一の弱点となる!

 

 

《オレは手札の「ZW-雷神猛虎剣(ライトニング・ブレード)」を「ホープレイ」に装備!》

 

(このカードは、フィールドに召喚する事なく直接装備する事ができ!その攻撃力を1200アップさせる!)

ZEXALの手札から機械仕掛けの白虎が飛び出しホープ剣と合体…雷光を纏う剣となる!

 

(さらに!このカードが装備されている時!自分フィールドの魔法・罠カードは効果では破壊されなくなる!)

 

《いっけぇ!「ホープレイ」!「コートオブアームズ」を攻撃!ホープ剣ライトニングブレード!!》

雷光を纏った剣が異形の悪魔へと振り下ろされる!

 

(「コートオブアームズ」が奪った力に…この一撃を避ける力はない!!)

 

《いっけぇぇ!!》

 

【これこれぇ…!()()()()()()()()()()()()「コートオブアームズ」の効果発動!】

 

《なにっ!?》

ホープレイの攻撃を前に…トロンは獰猛な笑みを浮かべていた…!

 

 

 

【「コートオブアームズ」は相手が攻撃してきたとき、ORUを1つ使い、フィールドにあるカードを1枚破壊する!ボクは「ホープレイ」を選択!破壊する!】

 

《なんだと─!?》

それはコートオブアームズの隠された効果…ORUを喰らったコートオブアームズはその身体を翼を持つ巨大な盾のような姿に変形する…!

 

 

 

【見せてあげるよ!神本来の力を…!やれ!「コートオブアームズ」!ゴッド・シャーター!!】

コートオブアームズから無数の赤い閃光が放たれ…ホープレイを刺し穿く!!

 

《まだだ!「雷神猛虎剣」のさらなる効果発動!装備モンスターが効果で破壊される時!このカードを手札に戻す事で…その破壊を無効にする!》

光に貫かれたホープレイの手からライトニングブレードが零れ落ちる…だが、それによりホープレイは効果破壊を免れた!

 

 

【フン、また小細工を…でも、まだバトルは続行中だからね?どの道「ホープレイ」は終わりだ!やってしまえ!「コートオブアームズ」!「ホープレイ」を握りつぶしてしまえ─!】

コートオブアームズが紫色の腕を伸ばし、ホープレイに掴み掛かる…だが!

 

《オレは墓地から「タスケルトン」の効果発動!》

 

【なっ…墓地だと!?】

 

(墓地の「タスケルトン」を除外する事で自分フィールドの戦闘破壊されるモンスターの破壊を無効にし、ダメージを0にする!!)

 

《たすけるト〜ン!!》

遊馬の墓地から黒い子豚が飛び出しホープレイの身代わりになる!

 

 

 

 

《よし…!助かったぜ!「タスケルトン」!!》

 

【ちっ、ふざけた真似を…!そんなモンスターを墓地に仕込んでたとはね!】

 

《ヘヘっ…!オレは再び手札の「雷神猛虎剣」の効果発動!このカードを「ホープレイ」に装備する!》

トロンの反撃を凌いだ遊馬は再びライトニングブレードをホープレイに装備し、態勢を立て直す…!

 

《オレはカードを伏せ、ターンエンドだ!》

 

【しぶといねぇ…さすが一馬の息子だ、つまらないとこだけソックリだ!】

 

《オレは絶対に諦めねぇ…!トロン!オレはこのデュエルで必ず!みんなの思いを伝えてみせる!!》

遊馬はアストラルと共にトロンを睨みつける…ライフは3800対500の劣勢…だが、遊馬達はまだ諦めてはいない!

 

 

 

【フン…君から貰うモノなど無いさ!とっておきの必殺技を破られた君達に…もう勝ち目は無いんだから!!】

ZEXALの力を見てもトロンは余裕の態度を崩さない…そしてトロンは最後の攻勢を開始する…!

 

 

 

 

【ボクのターン!ドロー!…これが君たちの最後だ!「コートオブアームズ」の効果発動!ORUを1つ使い、「ホープレイ」から奪った効果を使用する!このターン「コートオブアームズ」は攻撃力を500ポイントアップし「ホープレイ」の攻撃力は1000ポイント下がる!】

 

《っ!!》

トロンが使ったのは何度となく強敵を倒してきたホープレイの力…その力が遊馬達に牙を剥く!!

 

【「ホープレイ」の効果で…君達を消し去ってあげよう!「コートオブアームズ」!「ホープレイに」攻撃だぁ!ゴッド・レイジ!】

紋章神の怒りの一撃がホープレイに襲いかかる!

 

《リバース罠発動!「ハーフ・アンブレイク」発動!自分のモンスターの戦闘破壊を無効にし!受ける戦闘ダメージも半分になる!うわああああ!!》

怒りの一撃が直撃する寸前、無数の泡のバリアがホープレイを守るが…遊馬は攻撃の余波で壁に叩きつけられる、残りライフは…僅か50…!

 

 

【しぶといヤツだ…!】

 

《まだだ…まだ、オレのライフは尽きてねぇぇ!!》

肩で息しながらZEXALは…遊馬は立ち上がる…!

 

【その諦めの悪さを見ていると…一馬と遊海を思い出すよ…!むかつく一馬の姿を…しつこい遊海の無様な姿を!!】

 

《父ちゃんを…遊海さんを馬鹿にするんじゃねぇぇ!!》

 

(落ち着け遊馬!トロンの言葉に乗せられるな!)

大切な人達を貶され激昂する遊馬…アストラルは冷静に遊馬を制止する。

 

(…どうやら今の攻撃で勝利の方程式が見えてきた…!)

 

《なっ…!本当か!?》

絶体絶命の中、アストラルはコートオブアームズに対して1つの勝機を見いだす…だが…。

 

 

【フハハ!アストラル…まさか「コートオブアームズ」のORUが無くなったから…それで勝てるなんて思ってないよねえ?ボクは墓地に眠る「紋章獣ツインヘッド・イーグル」の効果発動!墓地にいるこのモンスターを除外することで「コートオブアームズ」のORUを2つ復活させる!】

トロンの墓地から光の玉が飛び出しコートオブアームズのORUに変化する…遊馬達は唯一の勝機を潰されてしまった…!

 

【いい加減諦めるんだねえ?ボクはカードを1枚伏せて、…ターンエンドだ!】

 

 

《はぁ…はぁ…はぁ…!》

 

(っ…!遊馬、大丈夫か…!?)

 

《くそっ…!これは、本格的にやばいぜ…ぐっ!?》

 

(遊馬!!)

遊馬は苦しげに膝をつく…長時間のデュエルにZEXAL化による消耗が遊馬に深刻なダメージを──……

 

 

 

 

ぐるるるる〜〜

 

 

 

《腹が…腹へった〜…》

 

(…何を言ってるんだ、こんな時に……)

 

《だって…ハラがへったんだからしょうがないだろ〜?》

…ダメージを受けたわけではなく、遊馬はお腹を空かせていた…時間は昼過ぎ、デュエル前に緊張のせいで昼食を食べ損ねた遊馬の空腹さは…限界を迎えていた。

…なお、あまりにも突飛で空気を読まない遊馬の言葉にアストラルは目を点にして呆れている…。

 

 

《……そうだ!これがあったんだ!!》ゴソゴソ

 

(それは…小鳥のデュエル飯!)

遊馬はZEXALの鎧から1つの包みを取り出す…それは小鳥が心を込めて握ったおむすびだった。

 

《ヘヘっ!小鳥印のデュエル飯!これがあったぜ!いただきまーす!!》

お腹の空いていた遊馬は大きなデュエル飯へとがっついた…。

 

 

【はぁ…呆れたね…デュエル中に食事なんて…】

あまりに空気を読まない遊馬の行動に流石のトロンも呆れてしまう…だが、たった1つのおむすびが小さな奇跡を起こす事を…彼は知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side遊馬&アストラル

 

 

 

「もぐもぐもぐもぐもぐもぐ…!」

 

(……これは…?)

夢中でデュエル飯にかぶりつく遊馬、その様子を呆れた様子で見ていたアストラル…その手の中に遊馬が食べているのと同じデュエル飯が現れる。

 

(…いただきます…はむっ……これは…!?)

少し躊躇しながらデュエル飯を口にしたアストラル…その胸中になんとも言えない幸福感が広がっていく…!

 

(なんだ…この感覚は…!これが「美味しい」という感覚なのか…!?)

 

「そっか!アストラル、お前…()()()()()()()()()()()()()()!!」

アストラルの様子をみた遊馬がその事に気付く…2人は知らない事だが、アストラル世界の人間は基本的に食事を必要としない…だが、ZEXALとなって遊馬と感覚を共有したアストラルは食べる事の充実感を思いがけず知る事ができたのだ。

 

 

(これが食事というものか…!)

 

「ああ!『腹がへったら戦はできない』!昔の偉い人もそう言ってたんだぜ!」

遊馬とアストラルは夢中でデュエル飯を食べる…!

 

(不思議だ…!体の底から闘志が湧いてくる…!これが生きる実感…!!いま消えるかも知れないという瞬間にこの感覚…!面白い!遊馬!君といると実に面白い!!)

アストラルは少しずつ力を取り戻していく…生と死の刹那の中…たった1つのデュエル飯によって2人は元気を取り戻していく!

 

 

「勝とうぜ!アストラル!」

 

(ああ…!私はもっとデュエル飯が食べたい!大盛りで2つ…いや、3つだ!!そして生きる事をもっと感じたい!!)

 

「その調子だぜ!アストラル!!」

子供のように目を輝かせるアストラル…生の実感を得る為に…2人は勝利の道を歩み始める!

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

(遊馬!既に勝利の方程式は揃っている!私を信じろ!!)

 

《おう!オレの…いや、オレ達のターン!!》

闘志を取り戻したZEXAL…その右腕に再び光が集う!!

 

 

 

全ての光よ!力よ!再び我が右腕に宿り!希望の道すじを照らせ!

 

 

ファイナル・シャイニングドロー!!

 

2人の心が重なり、勝利の方程式を完成させる最後のピースを創造する!

 

 

(私が待っていたのは…このカードだ!!)

 

《オレはこのカードを手札から「ホープレイ」に装備する!来い!「ZW-風神雲龍剣(ストーム・ブリンガー)」!!》

空の彼方から機械仕掛けの龍が現れホープ剣と合体…風の力を纏う大剣となる!

 

 

【なっ…!?ゼアルウェポンの二刀流だと!?】

 

 

《「風神雲龍剣」を装備した「ホープレイ」の攻撃力は1300ポイントアップする!》

 

【攻撃力…5000だと!?】

 

《さらに「風神雲龍剣」を装備したモンスターは効果破壊の対象にできなくなる!さらに、「雷神猛虎剣」は自分フィールドの魔法・罠を破壊の対象にできなくする!つまり…どっちも破壊できないって事だ!!》

 

【なっ…!?「ZW」の相互に働く効果のせいで…「コートオブアームズ」の効果が封じられただと!?】

 

《そうだ!2つの「ZW」を装備した「ホープレイ」は…まさに無敵!いっけぇ!「ホープレイ」!「コートオブアームズ」に攻撃!ホープ剣ダブル・カオススラッシュ─!》

まさに無敵の戦士となったホープレイ…その一撃がコートオブアームズを両断する…だが、トロンは奥の手を隠していた…!

 

 

【ハハハ…!それはどうかなぁ!!】

 

《なにっ!?》

 

【罠カード発動!「爆風紋章(バースト・メダリオン)」!このカードはバトル中に君の場の魔法・罠を全て手札に戻し、バトルを終了させることができる!】

 

《しまった!!》

「破壊を介さない除去」…それがトロンの奥の手だった、遊馬の手札に2枚のゼアルウェポンが舞い戻る…!

 

 

【そしてさらに!「爆風紋章」の効果で手札に戻ったカード1枚につき、このターンの終わりに500ポイントのダメージを君たちに与える!】

 

《っ…!》

遊馬達の残りライフは50…受けるダメージは1000…!遊馬がターンを終えた瞬間に、トロンの勝利によってデュエルは決着してしまう…!

 

 

《それでも…それでもオレは諦めねぇ…!!諦めねたくねぇ!!》

絶体絶命…その状況でも遊馬の闘志が消える事はない…最後の一瞬まで…ライフが尽きる時まで…デュエルは終わらない!!

 

 

(よく言った遊馬…で、この状況を君ならどうするつもりだ?)

 

《えっ…それは……》

 

(フッ…相変わらず根拠はなしか…だが、()()()()()()()()()()()()()()()()!)

 

 

【見苦しいよ、アストラル!君達のバトルは終わったんだ!】

 

(言ったはずだ…既に()()()()()()()()()()()()()!)

 

【なに…?】

 

(いくぞ!遊馬!!)

 

《おう!アストラル─!!》

絶体絶命…だが、それは窮地ではない…なぜならアストラルには見えているからだ…勝利への道が…!

 

 

《魔法カード「ゼアル・カタパルト」発動!手札の「雷神猛虎剣」を特殊召喚!》

遊馬の手札から白虎がフィールドへと現れる!

 

 

【無駄なことを…!忘れたのか?「コートオブアームズ」の効果発動!フィールドにいる全てのモンスター効果を無効にし、その効果を吸収する!】

コートオブアームズの腕が白虎を貫く…だが、遊馬達は手を止める事はない!

 

《さらに!墓地の「アマリリース」の効果発動!このカードを除外する事でアドバンス召喚のリリースを1つ減らす事ができる!現れろ!「風神雲龍剣」!!》

遊馬達の場に機械仕掛けの龍が現れる!

 

 

【…だから、無駄だといったろう!「コートオブアームズ」の効果発動!「風神雲龍剣」の効果を奪え!…これで2体のゼアルウェポンの効果は吸収された!】

再び紋章神の腕が龍を貫く…!

 

【無駄な足掻きだったなぁ…遊馬!アストラル!】

 

《フッ…!()()()()()()()!!》

 

【なにっ…?】

アストラルと遊馬は不敵な笑みを浮かべる…!

 

 

(「雷神猛虎剣」と「風神雲龍剣」のレベルは…2体とも5…)

 

《これで条件は揃った!!》

 

【っ─!?まさか、2体のゼアルウェポンで!?】

 

《そのまさかだ!トロン!オレはレベル5の「雷神猛虎剣」と「風神雲龍剣」の2体でオーバーレイ!!》

遊馬とアストラルの逆転の秘策…それは…最強のゼアルウェポンを呼び出す事だった!!

 

 

《2体のゼアルウェポンでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!現れろ!「ZW-獣王獅子武装(ライオ・アームズ)」!!》

光の爆発と共に金色の鬣を持つ最強のゼアルウェポンが咆哮する!

 

 

 

【ゼアルウェポンの、エクシーズモンスターだと!?】

 

《このカードは「ホープレイ」がいる時、その装備カードとなり、攻撃力を3000アップさせる!さらに、この効果は無効化されない!!》

ホープレイが飛び上がり、百獣の王の鎧をその身に纏う!

 

《闘士が纏いしその衣…轟く咆哮、大地を揺るがし!たばしる迅雷、神をも打ち砕く!獣装合体 「ライオ・ホープレイ」!!》

ホープレイが纏うは最強の鎧…攻撃力5500を誇る究極のホープレイが誕生する!

 

 

【ぐっ…!だが、忘れたのか!?お前のターンの攻撃は終わっている!】

 

《いいや!「獣王獅子武装」の効果発動!「獣王獅子武装」を装備したモンスターはメインフェイズ2にもう一度だけ攻撃する事できる!》

 

【バカな!?1ターンに2度のバトルだと!?】

それが究極のゼアルウェポンの能力…勝利を掴む希望の力は…常識さえも捻じ曲げる!

 

 

【だが、ゼアルウェポンが一つになったことで、相互に働く無敵効果は消えたはずだ…!「コート・オブ・アームズ」の効果発動!見るがいい…これが「紋章神コート・オブ・アームズ」の真の姿だ─!】

ORUを喰らったコートオブアームズが真の姿へと変身する…両手は槍のように変化し、凶悪な牙と巨大な角を持つ異形の姿…それがコートオブアームズの真の姿だった…!

 

【これで相手フィールドに存在するカードを1枚、破壊できる!「ホープレイ」を噛み砕け!ゴッド・シャーター!】

 

《「獣王獅子武装」のさらなる効果を発動!このカードは1ターンに一度!相手モンスターの効果を無効にし、攻撃力を半分にする!!》

 

【な、そんな…馬鹿な!!】

獣王の鎧から放たれた炎が邪神の力を奪い去る!

 

 

 

《いっけぇ!「ライオ・ホープレイ」!ホープ剣トリプル・カオス・スラッシュ─!!!》

 

【馬鹿な…バカなぁぁぁぁ!!!!】

ライオホープレイは3本の大剣を使い紋章神を両断…長き決闘に終止符を打った…!

 

 

トロンLP0

 

 

ZEXAL WIN!!

 

 

 

 

 

 

「勝った…!遊馬が勝ったぁぁ!!」

 

《フォウ!フォーウ!!》

 

『『『わああああ!!』』』

 

静まりかえったデュエルスタジアムに小鳥の声が響く…それが起点となってスタジアムが大歓声に包まれる!!

 

 

『つ、九十九遊馬が、勝った……ハッ!?第1回ワールド・デュエル・カーニバル!その優勝者は…九十九遊馬だぁぁ!!』

予想外の事態に呆然としていたMr.ハートランドの宣言がスタジアムに響く…長き戦いの末、遊馬は現時点での決闘者の頂点に立ったのだ…! 

 

 

 

 

…だが、それは…陰謀の序章でしかなかった…!

 

 

 

 

 

SideDr.フェイカー

 

 

『バイロンが敗れるか…だが、どちらが勝とうと関係はない…!いまここでナンバーズは全て私のモノになるのだから…!』

デュエルの勝敗を見届けたDs.フェイカー…彼は不敵な笑みを浮かべながら破滅へのスイッチを押した…!

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

ギィン…!バリバリバリバリ!!

 

 

 

「っ…!?な、なんだ!?」

 

【これは…!?】

デュエルの決着がついた直後…スフィアフィールドが凄まじいエネルギーを発しながら回転し始める…!

 

「いったい、何が起きて─」

 

 

ドクン!!

 

【「ぐうっ!?」】

それは突然の事だった…共に強い胸の痛みに襲われる遊馬とトロン…その胸元から彼らの持つ全てのナンバーズがスフィアフィールドの中心に吸い寄せられてしまったのだ…!

 

【くっ…!?させん、させないぞ!フェイカッ…ぐわああああああああ!?】

 

「トロン!!」

フェイカーの思惑を感じたトロンは咄嗟に紋章の力を使うが…遊馬とのデュエルで消耗し、弱体化した紋章の力は砕け…トロンはスフィアフィールドから放たれた電撃にその身を焼かれてしまう!

 

そして異変は収まらない、スフィアフィールドから放たれる凄まじいエネルギーが暴走…デュエルタワーを破壊し、スタジアムに破片が降りそそぐ…熱狂に沸くスタジアムは一転…最悪の災害現場へと変貌してしまう!

 

 

 

 

 

Sideジャック

 

 

 

「っ!?遊海が心配していたのはこの事か!!十代!!」

 

『わかってる!みんなを守るんだ!「サンダー・ジャイアント」!「フレイム・ウィングマン」!「ネオス」!!』

崩壊を始めるデュエルタワーを前に十代は精霊達を召喚…降りそそぐ瓦礫から人々を守る!!

 

 

「王者の鼓動!今ここに列を為す!天地鳴動の力を見るがいい!『レッドデーモンズ・ドラゴン』!!」

 

《グオォォン!!》

 

「我が魂よ!悪しき結界を打ち砕け!アブソリュート・パワー・フォース!!」

 

《ガアアアア!!》

レッドデーモンズドラゴンを召喚したジャックは遊馬を救う為に力を振るう…だが

 

 

ガキン!!

 

 

「っ…!?我が一撃が…!おのれ…!あと10年若ければ…!!」

スフィアフィールドはビクともしない、ジャック自身の力が全盛期よりも弱っている事もあるが…異世界科学の結晶であるスフィアフィールドが堅すぎるのだ…!

 

 

「っ…?あの光は…!」

その時、ジャックはスフィアフィールドから離れていく無数の光を見た…。

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

【うあ"あ"あ"あ"!!…ガハッ…】

スフィアフィールドによる攻撃を受けたトロンは壁へと叩きつけられる…力を失ったトロンはナンバーズの集合体となったスフィアフィールドの中心に吸い寄せられていく…!

 

 

「トロン─!!」

激しい風が吹き荒れる中…遊馬は咄嗟にトロンの腕を掴む!

 

 

「出てくれ!『雷神猛虎剣』─!!」

遊馬はそのままライトニングブレードをスフィアフィールドの壁に突き立てる…結界を破る事はできないが…なんとか遊馬は凄まじい吸引に耐える…!

 

 

【…遊馬……一馬…?】

意識を取り戻したトロンは必死に自分を助けようとする遊馬に一馬の姿を重ねる、今の状況は…奇しくも5年前のあの時と同じだった…。

 

 

 

 

「いったい…何が起きてるんだよ─!?」

ナンバーズが奪われた事による脱力感に苦しみながら遊馬は叫ぶ事しかできない…!

 

【遊馬、アストラル…スフィア・フィールドは、ナンバーズを全て回収するためのフィールドだ…!】

 

(なにっ!?)

 

「どういう事だよ!?」

遊馬とアストラルは事情を知るらしいトロンに問いかける。

 

【デュエルカーニバルで集まったナンバーズは、決勝戦に集結する…この絶好の機会をDr.フェイカーが逃すはずはないだろう…!】

 

「じゃあ…このフィールドは最初から罠…!?」

 

【そうだ!ヤツは我々が戦い、ナンバーズの力が高まるのを待っていたんだ!】

 

「くっそぉ…!そんな罠に飛び込んじまうなんて…!っ!?」

フェイカーの罠を見抜けなかった事を悔しがる遊馬…だが、考え込む暇はない…壁に刺さったライトニングブレードが抜けかかっているのだ…!

 

 

【手を離せ!このフィールドでは、僕は異物…このままでは君たちも!】

 

「嫌だ…!オレは絶対に諦めねぇ!!絶対にお前の手は離さない!」

遊馬はトロンを掴む腕に力を込める…!

 

【なぜだ…!?なぜ、僕を助ける…!?】

 

「当たり前だろ!?デュエルをやったら…仲間なんだよ!!」

 

【遊馬…】

 

「難しい事はわかんねぇ…けどデュエルは仲間を、絆を作ってくれる!だから…デュエルをしたら、()()()()()()()()()!!」

遊馬は叫ぶ、遊馬の信条…「デュエルをしたらみんなが仲間」…例え、それが憎い人物であろうとも、遊馬はその思いを曲げる事はないのだ…。

 

 

 

【…フッ…今、やっと分かったよ…君がなぜ諦めないのか…君たちのデュエルは、僕の復讐の先にあったんだね…】

トロンはようやく、九十九遊馬という少年を理解した…遊馬はようやく、トロンの心に巣食った憎しみという名の「悪魔」を祓らう事ができたのだ…。

 

 

 

【遊馬、僕は一馬や君のようには、生きられなかった…でも、全てをフェイカーの思い通りにはさせない…!僕が捕えた魂は…全て解放する!】

 

キィン─!

 

憎しみを捨てたトロンの身体から無数の光が飛び出していく…それはナンバーズと共に奪われた人々の魂…それがあるべき場所へと戻っていく…!

 

【これで、遊海以外の魂は…身体に戻った……お別れだ、遊馬…アストラル…僕は、自分の罪を償わなければ…】

 

「と、トロン!!トロン─!!」

トロンは遊馬の手をすり抜ける…そのまま彼は光の中へと消えていった…。

 

 

 

 

 

Sideトロン

 

 

 

【(遊馬が離れていく…身体に力が入らない…これが、僕の…私の最後の力…!)】

トロンは自身の左手を見る…そこには子供達の魂…そして、純粋な紋章の力の結晶があった…。

 

 

【遊海…僕は、君を殺した…許されない事をした…でも、頼む…君が本当に不死身の英雄なら…僕を、僕達家族を救ってくれた遊馬を、守ってくれ…!!】

 

キィン─!

 

トロンは4つの光を解き放つ…その目に涙を浮かべながら…。

 

 

【身勝手な話だと怒ってくれてもいい…僕を許さなくてもいい…!それでも…遊馬を助けてくれ…最強の決闘者よ─!】

トロンはスフィアフィールドに完全に取り込まれる…その胸に希望と、家族の姿を刻みながら…。

 

 

 

 

『ごめんよ…みんな、もう…忘れないから…!』

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

ギィン─!バリバリバリ!!

 

 

 

「ア、アストラル…!?」

 

(遊馬─!)

 

「(う、うわああああ─!?)」

 

トロンを取り込んだスフィアフィールドは遊馬達を飲み込み…ハートランドタワーへと飛び去った…その場所に()()()()()()()と花吹雪を残して…。

 

 

 

 

 

 

 

これより始まるのは世界崩壊への序章…それを止める事ができるのは…。

 

 

 

「遊馬、待ってろ…!今行くからな…!」

 

 

「ハルト…!何処にいるんだ─!!」

 

 

「遊馬…!待ってて…!すぐに行くからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン

 

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