転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

幕間の物語第2話!遊海と凌牙はついに向かい合う…偉大な決闘者に凌牙は喰らいつく事ができるのか?


それでは最新話をどうぞ!


父と子〜50回目の腕試し〜

「ドンマイ遊馬!負けちゃったけどいいデュエルだったよ!」

 

「サンキュー小鳥!やっぱり遊海は強かったぜ…」

デュエルを終え、遊海が集めたナンバーズを受け取った遊馬は小鳥と共に岩(・)へと腰掛ける。

 

 

「でもシャークと遊海のデュエルか…そもそもシャークって遊海に勝った事あるのか?」

 

《少なくとも…1度は勝っているはずだ、遊馬とシャークが2人掛かりのデュエルでな…》

 

「いや、そういうのじゃなくて…」

 

 

《凌牙と遊海の戦績は…遊海の49戦48勝1負けだな》

 

ずずん…

 

「へっ?どわぁ!?」

 

「遊馬─!?」

何処からか声が聞こえると共に遊馬の座っていた岩が上へと浮かび上がる。

 

 

《いやいや…日光浴が気持ちよくて眠ってしまったわい…》

 

「メ、メガロックじいちゃん─!?」

 

「わっ…!岩だと思ったら…」

遊馬達が腰掛けていた岩…それは日光浴の途中で昼寝をしていたメガロックの体だったのだ…なお、小鳥は前足に…遊馬は頭に座っていた。

 

 

「じいちゃんゴメン!すぐに降りるから!」

 

《よいよい…遊海と凌牙が決闘するのであろう?上からの方がよく見える…さて、凌牙は勝てるかな?》

遊馬を頭に乗せたままメガロックは目を細めた…。

 

 

 

 

 

 

「準備はいいか?遊馬と同じでナンバーズを使ってもいいからな!」

 

『ああ…!』

凌牙は手にした「シャークドレイク」のカードを見つめる…。

 

 

『(俺は1度、力に飲まれちまった…だが、俺はもう…あの時の俺じゃねぇ!!』

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

遊海LP4000

凌牙LP4000

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「…おっと…?…フィールド魔法『幻煌の都パシフィス』を発動!このカードの名前は『海』として扱う!」

周囲の景色が海中へと変化し、フィールドの中央に光を放つ祭壇が現れる。

 

「カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

遊海LP4000

幻皇の都 伏せ2 手札3

 

 

 

 

 

「えっ…!それだけ!?」

デュエルを見ていた遊馬が声をあげる…先程目まぐるしく動いていたデュエルとは趣きが違ったからだ…。

 

《先程のデッキが『動』のデッキだとすれば…こちらは『静』のデッキか…どんな戦い方をするんだ…?》

 

 

 

『いいのか?海のフィールドは俺の得意な場所だぜ?』

凌牙は遊海へと問いかける。

 

「フッ…確かにお前の使う『鮫』は海の支配者と言ってもいいだろう…だが、海は広い…人々の知らぬ深淵、その力を見せてやるよ」

 

『ああ…楽しみにしてるぜ!!』

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!』

『「トライ・ポッド・フィッシュ」を召喚!』

細い足のようなヒレを持つ深海魚が現れる! ATK300

 

 

『さらに魚族モンスターの召喚に成功した時!手札の「シャーク・サッカー」は特殊召喚できる!』

コバンザメのようなモンスターが現れる! DEF1000

 

 

「フィールド魔法『幻煌の都』の効果発動!自分フィールドにトークンが存在せず、相手が魔法・罠・モンスター効果を発動した時!『幻煌龍トークン』を特殊召喚!」

遊海のフィールドに光が集まり、朧げな姿の首長竜が現れる。 ATK2000

 

 

『相手のターンにトークンを…?』

 

「さらに『幻煌の都』の効果発動!自分が通常モンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから『幻皇龍』と付くカードを手札に加える!俺は『幻煌龍スパイラル』を手札に加える!」

 

 

 

「あれ?トークンが出たら効果が発動するのか!?」

 

《遊馬、モンスタートークンは基本的に通常モンスターとして扱うのだ…基本だぞ》

 

「そうなのか〜、初めて知ったぜ!」

 

《遊海の授業で何を聞いていたのやら…》

アストラルとメガロックは深くため息を吐いた…。

 

 

 

『俺はレベル3の「シャークサッカー」と「トライポッドフィッシュ」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!来い!「潜航母艦エアロ・シャーク」!』

2体の鮫が連結した潜水艦が現れる! ATK1900

 

 

「おっと!いきなりダメージはいただけないな!リバース罠『奈落の落とし穴』発動!『エアロシャーク』は除外だ!」

 

『チッ…いきなり厳しいぜ…!!』

エアロシャークが異次元へと追放される!

 

 

『俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!』

凌牙LP4000

伏せ2 手札3

 

 

 

「シャークの必殺コンボをあんな簡単に…!」

 

《心なしか…遊馬とのデュエルより厳しくなっている気がするな》

 

《それはそうだろう、遊海にも「父」としてのプライドがある…そう簡単に負けたくはなかろう!》

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「魔法カード『古のルール』発動!手札のレベル5以上の通常モンスターを特殊召喚できる!現れろ!『幻煌龍スパイラル』!!」

 

『通常モンスター!?』

巨大な巻角と翼を持つ新たな海の皇が現れる! ATK2900

 

 

「『幻煌の都』の効果発動!通常モンスターの召喚に成功した事でデッキから『幻煌龍の螺旋波』を手札に加える!そして手札から装備魔法『幻煌龍の螺旋波(スパイラル・ウェーブ)』『幻煌龍の螺旋絞(スパイラル・ホールド)』『幻煌龍の螺旋突(スパイラル・クラッシュ)』を装備!」

 

『装備魔法の同時装備だと!?』

装備魔法を装備したスパイラルの角・翼・腕がオーラを纏う!

 

スパイラルATK2900→3400

 

 

「『スパイラル』は『螺旋波』の効果で1ターンに1度バトルでは破壊されず、『螺旋絞』の効果で攻撃力が500アップし、『螺旋突』の効果で守備モンスターを攻撃した時、貫通ダメージを与える!バトルだ!『スパイラル』でダイレクトアタック!螺旋突撃(スパイラル・アサルト)!!」

 

『ぐぅ!?うわあああ…!?』

大海の力を纏ったスパイラルが凌牙の頭上を通過…その余波で凌牙は吹き飛ばされる!

 

凌牙LP4000→600

 

 

「さらに『螺旋突』の効果発動!装備モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時!デッキ・手札・墓地から『幻煌龍スパイラル』を特殊召喚し、このカードを装備する!」

 

『なんだと!?』

遊海の場に2体目の海皇が現れる! ATK2900

 

 

 

《遊海の場に攻撃力2000の『幻煌龍トークン』と攻撃力2900の『スパイラル』…次の一撃で勝負が決まる…!》

 

「いや…まだだ!シャークは諦めちゃいねぇ…!」

絶体絶命の状況の中、遊馬は凌牙を見つめる…凌牙の目はまだ諦めてはいない!!

 

 

 

「バトル!2体目の『スパイラル』でダイレクトアタック!」

 

『まだだ!永続罠「竜巻海流壁(トルネード・ウォール)」を発動!フィールドに「海」が存在する時!自分への戦闘ダメージは0になる!!』

 

「むっ…!俺のフィールド魔法を利用されたか…!」

凌牙の前に海水の壁が現れスパイラルの攻撃を逸らす!

 

 

「よく防いだ…だが、まだ終わりじゃない!バトルフェイズ終了時に『螺旋波』の効果発動!装備モンスターがバトルした時!デッキから3体目の『幻煌龍スパイラル』を特殊召喚し、このカードを装備する!」

3体目の海皇が現れる! ATK2900

 

 

「そして相手に手札がある時!相手は手札を1枚選んで捨てなければならない!」

 

『くっ…!』

 

凌牙の捨てたカード

エンシェントシャーク・ハイパーメガロドン

 

 

「俺はこれでターンエンドだ!」

 

遊海LP4000

スパイラル(螺旋絞) スパイラル(螺旋波) スパイラル(螺旋突)幻煌龍トークン 幻煌の都 伏せ1 手札1

 

 

 

 

 

「あ、危ねぇ…!崖っぷちでライフが残ったぜ…」

 

《しかし、フィールドには攻撃力2900超えのモンスターが3体…ピンチには変わりない…!》

 

「シャーク…!」

遊馬は心配そうに凌牙を見つめた…。

 

 

 

 

『…やっぱり父さんは強ぇ…今の俺でも、足元にも及ばない…!』

 

「そりゃあ…俺は『父』であり、『決闘王』の名を背負った決闘者だ、そんな簡単に負けられないさ」

 

『…でも、そんな父さんでも…負ける事がある…』

 

「凌牙……」

自分のターンを前に凌牙は沈んだ表情を見せる…。

 

 

『父さんがトロンに負けたって聞いた時…絶対に嘘だと思った…俺と璃緖二人がかりでも敵わなかった…最強の父さんが負ける訳ないって……でも、それは本当だった…!』

 

「………」

 

『父さんが…トロンのせいで死にかけた時…俺の心はグチャグチャになった…トロンに復讐したい…奴をぶん殴りたいって想いが俺の心を埋め尽くした…!…でも、その想いすらトロンに利用されて…俺は遊馬達を傷付けた…』

 

「シャーク…」

凌牙は拳を握りしめる…。

 

 

『俺…怖かったんだ、ま(・)た(・)…失うんじゃないかって…!』

 

「凌牙君…」

凌牙と璃緖は本当の両親を交通事故で亡くしている、それは凌牙と璃緖…それぞれに心の傷となって残っている…。

 

 

 

「…凌牙…1つ、物話を聞かせよう…」

 

『物語…?』

遊海はデュエルディスクを下ろし、凌牙へと語りかける。

 

 

 

 

「あるところに仲良く暮らす夫婦がいた…本当に仲のいい夫婦で街の人も羨ましがっていた…しかし、そんなある日……街を…世界を破滅が支配した…夫婦は必死に破滅に抗い、人々を助け…未来を切り開こうとした…だが、破滅を覆す事はできなかった…何故だがわかるか?」

 

『…2人じゃ、力が足りなかったから…?』

 

「違う…『破滅』…その原因は『人々の欲望』だったからだ…人間の持つ欲望が暴走し、自ら破滅のスイッチを押してしまったんだ……その破滅によって世界は滅び…男は妻を失い、ただ一(・)人(・)だ(・)け(・)生き残った」

 

『っ─!?』

 

「男は嘆き悲しみ…声が枯れ果て、涙が枯れるまで泣き続けた…そしてやり場のない『怒り』に支配された、妻を守れなかった『自分』への怒り…世界を滅ぼした愚かな『人々』への怒り…その怒りは男を『悪魔』へと変えた……そして男は悪魔となった力を使い、過去へと遡る術を得た……何をしたと思う?」

 

『過去に戻ったなら……破滅の原因を人々に教えて…破滅を無かった事にしようとする…?』

 

 

「…その男は『過去の自分』を殺そうとした」

 

 

『っ!?!?』

 

「男は思い出したんだ、破滅の原因…その元凶は『自分自身』だったんだと……そんな事をしても、未来は変わらないのにな…復讐と怒りに支配された男は既に正気を失っていた…」

 

 

《(……その話…もしや…)》

 

 

「過去の『男』は必死に『悪魔』に抗った…あらゆる手段を使って自身を殺そうとする悪魔と戦い続けた……その末に悪魔は過去の『男』に敗北した……なんでだと思う?」

 

『…わからねぇ』

 

「…悪魔は『孤独』だった、男には背中を託せる『仲間』がいた…破滅の未来を打ち砕く為に…男は『仲間との絆』と共に戦い…悪魔を倒し、正気に戻したんだ……そして破滅の未来は消えた…仲間との絆のおかげでな…」

 

『絆…』

 

 

 

「…凌牙、お前はもう1人じゃない…お前も『絆』という光を手にしている…『絆』は決して途切れない…例え、死んだとしても…その思いは…魂は、心の中で生(・)き(・)続(・)け(・)る(・)、決して消えたりはしない…!!」

遊海は胸に手を当てる、その胸に灯るのは『絆の灯』…出会いと別れを繰り返してなお、輝きを失う事のない炎だった…。

 

 

 

「話が長くなったな…さぁ、かかってこい凌牙!お前が紡いだ絆の力…俺に見せてみろ!」

 

『父さん…(そうか、俺はもう…1人じゃない)』

遊海の話を聞いた凌牙はデュエルの様子を見守る遊馬へと目を向ける。

 

『(遊馬とアストラルは俺の事を救ってくれた…復讐に飲まれた俺を……俺は…その想いに応えてやりたい!!)』

凌牙の心に火が灯る…その火は凌牙の抱えていた闇を燃やし尽くした…!

 

 

 

 

『俺のターン!ドロー!!』

『よし…!永続魔法「ウォーター・ハザード」を発動!自分の場にモンスターがいない時!手札の水属性モンスターを特殊召喚できる!来い!「スピア・シャーク」!』

頭が槍になった鮫が現れる! ATK1600

 

 

『さらに「カッター・シャーク」を召喚!』

左右のヒレが円盤ノコギリになった鮫が現れる ATK1600

 

 

『「カッターシャーク」の効果発動!このターン、エクシーズ召喚しかできなくなる代わりにフィールドにいる「スピアシャーク」と同じレベルの魚族モンスターをデッキから守備表示で特殊召喚する!俺は「ツーヘッド・シャーク」を特殊召喚!』

双頭の鮫が現れる DEF1600

 

 

「レベル4のモンスターが3体…来るか!」

 

『俺はレベル4の『スピアシャーク』『カッターシャーク』『ツーヘッドシャーク』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!』

 

 

32

 

 

『現れろ!「No.32」!「海咬龍シャーク・ドレイク」!!』

凌牙の新たなエースたる最強の牙が現れる! ATK2800

 

 

「来たか…!」

 

『そして俺は「シャークドレイク」を素材にオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ─!!』

 

32

 

 

『現れろォ!「CNo.32」!これが俺の全力!!「海咬龍シャーク・ドレイク・バイス」』

凌牙の叫びと共にカオスの力を宿した白き牙が顕現する! ATK2800

 

 

「出たぜ!シャークのカオスナンバーズ!!」

 

《「シャークドレイクバイス」の効果は強力だ…逆転の可能性もある…!》

 

 

 

『いくぜ!「シャークドレイクバイス」の効果発動!ORUを1つ使い!墓地の「シャーク」モンスター「ハイパーメガロドン」を除外する事で「螺旋絞」を装備した「幻煌龍スパイラル」の攻撃力を2900ダウンさせる!』

凌牙の墓地から巨大な鮫の幻影が現れ、スパイラルの力を削ぐ!

 

スパイラル(螺旋絞)ATK3400→500

 

 

『バトルだ!攻撃力の下がった「スパイラル」を攻撃!デプス・カオス・バイトォォ!!』

シャークドレイクバイスが紫の光線を放つ、その光線は無数に分裂しスパイラルと遊海を吹き飛ばした!

 

「っ、ぐうぅぅ─!?」

遊海LP4000→1700

 

 

『俺はこのままターンエンド!!』

凌牙LP600

シャークドレイクバイス 竜巻海流壁 ウォーターハザード 手札0

 

 

 

 

「やるじゃないか凌牙…今までの攻撃で一番効いたぞ…お前も成長したな…!」

 

『ありがとよ、父さん…!(父さんのナンバーズはランク4…この状況で出す事はできない、そして俺は「竜巻海流壁」の効果でダメージを受けない…このまま「シャークドレイク」で押し切る!!)』

遊海に褒められながらも凌牙は考えを巡らせる、実質戦闘破壊されない「シャークドレイク」とダメージを無効化する「竜巻海流壁」…まさに鉄壁の布陣だった。

 

 

 

「使うつもりはなかったけど…少し本気で行こうか!!精霊変身─!!」

 

『なにっ!?』

 

「なんだ!?」

両腕をクロスさせた遊海が腕を振り下ろす…そしてその体は眩い光に包まれる!

 

 

「精霊変身…モード・太陽神!」

 

『あれは…!』

 

《太陽神の、鎧…!》

その身に纏うは太陽の威光…ラーの翼神竜の力を借りた遊海が現れる!

 

 

「スッゲェェ!!超カッコいい─!!」

 

「本当に太陽が降ってきたみたい…!」

遊馬と小鳥は黄金の光を纏った遊海に目を奪われる…。

 

 

《メガロック、遊海のあの姿はいったい…?》

 

《あれはお主達が「メタルナイト」と呼ぶ姿…その最上位に位置する力だ、遊海は我ら精霊の力を借りる事でその身を強化できる…あれは文字通り『ラーの翼神竜』の力を借りた姿だ…やれやれ、大人げないのぉ…》

アストラルに問われたメガロックは遊海の力を説明する。

 

 

《なるほど…しかし、何故このタイミングで…?》

 

《見ていればわかる…やはり遊海の負けず嫌いは変わらないな…》

 

 

 

 

「俺のターン!全てを照らす優しき光よ!俺に勝利への道を示せ!ソーラー・ドロー!!」キィン!

デッキトップが輝き、光の軌跡を残しカードがドローされる!

 

 

 

「《シャイニングドロー!?》」

光の軌跡を残すドローに遊馬とアストラルは驚く…。

 

 

《いいえ、あれは貴方達の「シャイニングドロー」とは似て非なる力ですよ》

 

《おお…フレア様、丁度よいところに…》

 

「フレア…って、ラーの…!?」

遊馬の頭に金色の小鳥が止まる…それは散歩に行っていたフレアだった。

 

 

《そう固くならなくていいのですよ?私はあくまでもユウミの精霊なのですから…「ソーラー・ドロー」は決闘者の運命力を最大限に強化し勝(・)ち(・)筋(・)になるカードを引き込む力…貴方達の勝利を確定させるカードを創(・)造(・)する「シャイニングドロー」とはまた違う力なんです》

 

《つまり「運命の1枚(デスティニー・ドロー)」という訳か…興味深いな…》

フレアの説明を聞いたアストラルは腕を組んで考え込む…。

 

 

《(そのせいで体力をだいぶ使うのですが…彼らには黙っていましょうか…、ユウマやリョウガを心配させないようにユウミはデュエルを受けたのですから…)》

鎧を通じて遊海の想いを感じ取ったフレアは静かにデュエルの様子を見守った…。

 

 

 

 

「良いカードを引いた!リバースカード『テラ・フォーミング』を発動!デッキから2枚目の『幻煌の都パシフィス』を手札に加える!そしてフ(・)ィ(・)ー(・)ル(・)ド(・)魔(・)法(・)を(・)セ(・)ッ(・)ト(・)する!」

 

『しまった!?』

周囲の景色が大穴のほとりへと戻っていく…それによって『竜巻海流壁』のデメリット効果が発動する!

 

 

「フィールドに『海』が存在しなくなった事で『竜巻海流壁』は破壊される!」

 

『くっ…!だけど父さんの「スパイラル」の攻撃力は2900!受けるダメージは200で済む!』

 

「それはどうかな?俺はセットしていた『幻煌の都パシフィス』を発動!バトルだ!『螺旋波』を装備した『スパイラル』で『シャークドレイクバイス』を攻撃!」

 

『ナンバーズはナンバーズとの戦闘でしか破壊されない!迎え撃て!「シャークドレイクバイス」!!』

シャークドレイクが突進を仕掛けるスパイラルを迎え撃つ!

 

 

「その瞬間!手札から罠発動!『幻煌龍の浸渦』!!」

 

『手札から罠だと!?』

凌牙は遊海の思わぬ行動に驚愕する!

 

 

「『幻煌龍の浸渦』はフィールドに『海』が存在する時、手札から発動できる!自分のフィールドに通常モンスターしか存在しない時!相手の効果モンスターの効果を無効にし、攻撃力を1000ダウンさせる!」

 

『し、しまった─!?』

シャークドレイクを蒼い泡の渦潮が襲い、その力を奪う!

 

シャークドレイクバイスATK2800→1800

 

 

『「スパイラル」で「シャークドレイクバイス」を攻撃!螺旋突撃波(スパイラル・アサルト・ウェーブ)!』

 

「チッ…ちくしょおおぉ─!!」

 

 

凌牙LP 0

 

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

「惜しかったな凌牙!『シャークドレイク』の効果を3回とも使って全部の『スパイラル』を弱体化させていれば勝てる可能性はあったぞ?」

 

『詰めが甘かった…これで50戦1勝49敗、か…』

デュエルが終わり、遊海は吹き飛ばされた凌牙を助け起こす。

 

 

「お前もWDCを通じて強くなったな…よく頑張った、そしてごめんな…もう俺は何処にも行かないからな…」

 

『父さん…』

遊海は優しく凌牙の頭を撫でる…その表情はとても穏やかだった…。

 

 

 

 

 

 

 

「凌牙、遊馬、アストラル、小鳥ちゃん…今日は来てくれてありがとな、全快したら俺も人間界に戻るから…」

 

「ああ!ゆっくり休んでくれよな!」

夕暮れとなり遊馬達は帰り支度をする…。

 

 

「あの、遊海さん…1つ気になる事があるんですけど…」

 

「ん?どうした?」

小鳥が少し躊躇いながら遊海に問いかける…。

 

 

「さっき遊海さんが話してくれた物語…『男』に倒されて改心した『悪魔』は…どうなったんですか?未来に帰ったんですか…?」

 

「…『悪魔』は…消えたよ」

 

「「『えっ…?』」」

 

《………》

遊海の言葉に遊馬達は目を見開く…。

 

 

「世界が破滅への道を歩まなくなった代わりに『悪魔』自身が『破滅への種』となってしまった…それを自覚した『悪魔』は…『男』と仲間達に全てを託し、その命を終えた……それが物語の最後だ」

 

「…『悪魔』…とっても良い奴だったんだな…」

 

「フッ…心配するな!今までのはただの作(・)り(・)話(・)さ!そんな哀しい男がいる訳ないだろ?ハッハッハッ!」

 

『なんだ…まったく、父さんはそういう話が得意だよなぁ…』

凌牙や遊馬は笑う遊海を見て少しだけ呆れたような顔をした…。

 

 

キィン─

 

《ん…?》

遊馬達の様子を見ていたアストラルはナンバーズの鼓動を感じ取る…。

 

 

《「No.28」…?》

仄かに光を纏うナンバーズ…それを手にしたアストラルの脳裏に僅かに記憶が蘇った…。

 

 

 

 

Sideアストラル

 

 

 

《●●●●、何故貴方は牢に囚われているんだ?》

 

『…さぁな…オレは悪を為したつもりはない…』

 

そこは以前に垣間見た薄暗い部屋…そこでアストラルは籠に囚われた光の玉と話している…。

 

 

『○○○○○のヤツ曰く、オレの内包する「カオス」がアストラル世界を「穢す」事になるんだそうだ…子供達は今にも消えそうだっていうのにな……そんなに「ランクアップ」を目指すのが大事…グゥゥ…!?』

 

《●●●●…!?》

苦しみ悶える声を洩らす光の玉…そのサイズが小さくなり、光が弱くなっていく…。

 

 

『バリアン、め……お前達が、攻撃してくるたびに、オレの、存在、が……アスト、ラル…オレは、負けない…まける、わけには、いかない…んだ…!』

 

《…なぜ、そうまでして…》

 

『オレは…謝ら、ないと…あの子を……むかえ、に───』

 

 

 

 

SideOut

 

 

 

 

 

「お〜い!アストラル〜?家に帰るぞ〜?」

 

《ん…すまない、考え事をしていた》

遊馬の呼び掛けでアストラルは気を取り直す…。

 

 

《(白波遊海…伝説の決闘者……いったい、どんな死線を潜ってきたのだろうか…?)》

アストラルは気付いていた、目の前で優しそうに笑っている男の語った物語は…真(・)実(・)なのだろうと…。

 

 

《遊海…いつか、貴方の戦いについて教えて欲しい…貴方の戦ったデュエルの事を…》

 

「ん?…ああ、今度時間がある時にな?」

 

《わかった…楽しみにしている》

アストラルの頼みに遊海は笑って返した…。

 

 

 

【では…人間界に遊馬達を送ってきます!】

 

「ああ!頼んだぞアヤカ!」

 

「凌牙君!私はもう少しこっちにいるから玄関の戸締まりだけお願いね!」

 

『わかった!』

 

「遊海!また今度な〜!」

 

キィン─

 

虹色の光に包まれた遊馬達はアヤカと共に人間界へと帰って行った…。

 

 

 

 

 

 

「……ふぅ…普通のデュエルとはいえ…疲れたぁ〜…」

遊馬達を見送った遊海は草原に寝転がる。

 

 

《フォウ、フォウフォウ!》ペシペシ

 

「あたた…そんなに怒らないでくれよフォウ、俺が元気だって見せないと凌牙達が心配したままだったろ?」

フォウに額を叩かれながら遊海はフォウを優しく撫でる…。 

 

 

「まったくもう…子供達の前だからって張り切り過ぎです!決闘者(戦士)は休養も仕事のうちですよ?」

 

「そうだなぁ…まだ行(・)か(・)な(・)き(・)ゃ(・)な(・)ら(・)な(・)い(・)所(・)もあるし…しっかり休むよ…イテテ…」

少し怒った様子の翠に休養を約束しながら遊海は起き上がる。

 

 

「…夕日が綺麗だな、翠」

 

「はい…本当に…!」

 

《フォ〜ウ…》

Sopiaの祭壇の後ろに沈んでいく真っ赤な夕日…遊海達は沈み終わるまでその様子を共に眺めていた…。

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