転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

療養を終えた遊海…彼が向かった先は…?


それでは最新話をどうぞ!


憧れとの戦い〜償い〜

《スゥ…スゥ…》

 

《ZZZ…ZZZ…》

 

「やっと日常に帰ってきた気がするな…いつも通りで安心した…」

 

《そうですね〜》

 

 

精霊界での療養を終えた遊海は窓辺で眠るフォウとメガロックを見ながらコーヒーを飲んでいた。

ハートランドシティも概ね日常を取り戻し、穏やかな時間が流れている。

 

 

「さて…あとは心配事を解決すれば一段落だな…」

 

《…ユウミ、本当に彼らの所に行くんですか?》

とまり木の上のフレアが心配そうに遊海に問う…。

 

 

「何事もケジメをつけないとな、そうしないと翠も納得しないだろう?」

 

《それはそうですが…》

 

「遊海さん!お待たせしました!」

 

「ん、ありがとう…それじゃあちょっと行ってくる!…準備は…程々にな?」

コーヒーを飲み干した遊海は翠の用意した紙袋を持ってとある場所へと向かった。

 

 

 

 

 

 

ピンポーン…

 

 

 

《どちら様でありマスか?》

 

「こんにちは!岸波です!」

 

《オォ!お待ちしていたでありマス!どうぞお入りくださいでありマス!》

紙袋を携えた遊海はハートランド遊園地にほど近い邸宅へと足を踏み入れる、そこは…。

 

 

「よく来てくださった…白波遊海さん」

 

「こうして話をするのは初めてだな…Dr.フェイカー」

遊馬達との戦いの末に改心した物語の黒幕…Dr.フェイカーの自宅だった。

 

 

 

「先の戦いでは本当にご迷惑をおかけした…本当に申し訳ない…!」

 

「いいんだよ、貴方も必死に子供達の事を考えた結果…それが間違っていただけさ…」

応接間に通された遊海はフェイカーから謝罪を受ける。

 

戦いの後、Mr.ハートランドが行方不明となった為にフェイカーは表社会へと復帰…ハートランドシティ復興の陣頭指揮を取っている…。

 

 

 

《麦茶をお持ちしたでありマス!》

 

「ありがとうオービタル7、この前は世話になったな」

 

《いえいえ!伝説の決闘者のデュエルを見る事ができてオイラも感激したでありマス!それでは!》

麦茶を遊海とフェイカーの前に置いたオービタル7は一礼して去っていった。

 

 

 

「…それで、今日はどんな用事で私の所へ…?」

 

「ハルトとカイトの治療をしにきたんだ、あれからしばらく時間が経ったとはいえ…2人の身体は治りきってはいないだろうからな」

 

「なんと…!」

フェイカーは遊海の思わぬ言葉にフェイカーは驚く…ハルトは事件の後、バリアンの力を失った代わりにほぼ健康体になったが…カイトはたび重なる「フォトン・モード」使用の影響で肉体的に重度のダメージを負っていた…。

 

 

「俺は精霊使いでね、よっぽど酷い怪我や病気でなければ治せるからな!…それに、これから先には新たな敵が待ち受けている…」

 

「…バリアン…ですな、私は彼奴らに直接出会っているから解る…彼らの持つ力の恐ろしさを…!」

フェイカーは組んだ手を握りしめる、ハルトを治療する為にバリアンと契約したフェイカー…彼は後悔していた…自分の浅はかな行動のせいで子供達を危険に晒してしまう事を…。

 

 

「心配しなくても大丈夫…あの子達はしっかりと成長してる、それに俺がいる…バリアンの好き放題にはさせないさ」

 

「…貴方の言葉ほど信頼できるものはないですな…世界を救い続けた英雄の言葉は…カイトを…子供達を頼みます…!」

遊海の言葉を聞いたフェイカーは深く頭を下げた…。

 

 

 

 

 

 

「カイト、やはりここだったか」

 

『父さん…それに、貴方は…!』

 

「シーッ…そうかしこまらないでいい、ハルトが起きちゃうぞ?」

フェイカーに案内された遊海はハルトの部屋を訪れる、そこには穏やかな表情で眠るハルト…そしてそれを見守るカイトの姿があった。

 

 

「少しだけハルトを借りるぞ…大丈夫、すぐに終わる…アヤカ」

 

《はい!スキャン開始……少し呼吸器が弱いようですが…それ以外は大丈夫そうです》

 

「わかった、それじゃあ…『アロマポット』を召喚、そして…『治療の神ディアン・ケト』発動」

 

キィン─ 

 

遊海はベット横のテーブルに4本のロウソクの灯ったアロマポットを召喚し、ハルトの身体に手をかざす…そしてその手から放たれた優しい光がハルトを包み、病を癒していく…。

 

『すごい…』

 

「これが最強の決闘者の力…私は異世界の扉を探すより、彼を探すべきだったのかもしれん…」

バリアンの力とは違う神秘的な光景にカイトとフェイカーは目を奪われた…。

 

 

 

「ふぅ…ハルトはこれで大丈夫、目が覚めたら普通の子供のように動けるようになる…『アロマポット』はロウソクが燃え尽きたら自然に消えるようにしておくから安心してくれ」

 

『…感謝する…よかったなハルト…!』

カイトは優しくハルトの頭を撫でる…その表情はとても優しいものだった。

 

 

「さて…次はカイトの番だ、まだ体が痛むだろ?俺も身体を酷使する方だからよくわかる…」

 

『…貴方を前に隠し事は無理そうだ…よろしくお願いします…』

 

 

 

 

《スキャン開始……全身がボロボロですね…「フォトン・チェンジ」を使うたびに酷く痛んだはずです…マスター程ではないにしろ頑張り過ぎですよ!》

 

「…カイト…すまなかった…!」

自室のベットで横になるカイト…その身体はボロボロだった、このまま戦っていればカイトの寿命は縮まってしまっていただろう…。

 

 

「少し手に余るな…フレア、力を貸してくれるか?」

 

《わかりました!久々に私の力の見せどころですね!》

遊海の肩にフレアが現れカイトの枕元に降り立つ…。

 

 

「さて…!『ギフトカード』と『ディアンケト』発動!」

 

《太陽の恵み…全てを遍く照らす癒しの光よ!》

それは万物を優しく照らす太陽の力…それが遊海の持つ精霊の力と合わさりカイトの体を癒やす…否、身体を再生させていった。

 

 

 

「よし…!あとはしばらく安静に、それから滋養のある物をしっかり食べる事!ナンバーズハンターをしてた時はロクな物食べてなかったんだろ?」

 

『…そこまでお見通しか…善処する』

 

「『善処する』じゃない!ほら…俺の奥さんに栄養たっぷりの野菜スープとデザートのプリンを作ってもらったから、夕食の時にみんなで食べるといい」

 

『あ、ありがとうございます…』

そう言って遊海は紙袋からスープジャーとプリン入りのタッパーを取り出す…翠が特典の効果と精霊の力を最大限に使いながら作った回復食である。 

 

 

 

『あの…白波さん…頼みがあるんですが…』

 

「…少し待ってくれ、もう1つやらなきゃならない事がある…フェイカー、次は貴方の番だ」

 

「私の?」

カイトに待ったをかけた遊海はフェイカーへと向き直る。

 

 

「貴方もカイトとハルトの為に寝る間を惜しんで研究をしていたんだろ?貴方も相当ボロボロだ…さっさと治療するぞ」

 

「…かたじけない…!」

そうして遊海はフェイカーの治療を開始する…その身体を蝕んでいた()()()()を焼き捨てながら…。

 

「(念の為の確認だったが…よかった、これでこの家族は大丈夫だ)」

 

 

 

 

 

「待たせて悪かったな…それで、頼みってなんだ?」

家族全員の治療を終えた遊海は応接間でカイトと向かい合う…カイトの目には強い決意が宿っていた。

 

 

『オレは…伝説の決闘者…そして「決闘王」であった貴方と…デュエルがしたい…!』

 

「ほう…!」

 

「カイト…!?」

カイトが望んだのは遊海とのデュエル…突然の事にフェイカーも驚いている。

 

 

『オレは遊馬とのデュエルで「自分の為のデュエル」をすると約束した…その一歩として、オレの憧れた「ヒーロー」である貴方と戦いたい!!』

それはカイトの新たな決意…新たな一歩を歩みだす為のデュエルの願いだった。

 

「フッ…あの時のお前とは別人みたいだな…!いいだろう、伝説の決闘者として…お前の願いに応えよう!」

 

 

 

 

 

「準備はいいか?俺はナンバーズは使わない…『フォトン・チェンジ』は使うなよ?」

 

『わかった!…それでもオレは…全力で貴方に立ち向かう!!』

そこはフェイカー邸地下のデュエル場…そこで遊海とカイトは対峙する!

 

 

《カイト様!頑張ってくださイ!!決闘王に負けるなでありマス!!》

 

「…まさか、生きている間に()()()()彼のデュエルを見る事ができるとは…」

カイトを応援するのはオービタルとフェイカー、そしてフェイカーは昔を思い出した…幼い頃に見た紅蓮の炎が渦巻く決闘を…。

 

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

 

 

カイトLP4000

遊海LP4000

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『自分フィールドにモンスターが存在しない時!手札の「フォトン・スラッシャー」は特殊召喚できる!』

単眼の光の剣士が現れる! ATK2100

 

『そして「フォトン・スラッシャー」をリリース!「フォトン・レオ」をアドバンス召喚!!』

光を纏う獅子が現れる! ATK2100

 

 

『「フォトンレオ」の効果発動!相手は手札を全てデッキに戻し、その枚数ドローする!』

 

「むっ、上手いな…中々いい手札だったんだが…!」

遊海は手札に揃っていた勝利の方程式をデッキに戻し、新たなカードをドローする!

 

 

『貴方ほどの決闘者ならと警戒していたが…やはりそうか…オレはカードを2枚伏せ、ターンエンド!』

 

カイトLP4000

フォトンレオ 伏せ2 手札2

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない時!手札の『サイバードラゴン』は特殊召喚できる!」

鋼鉄の機械竜が現れる! ATK2100

 

 

『っ…!?伝説の決闘者「皇帝」の…サイバーデッキ…!』

 

「フッ…!さらに俺は魔法カード『エマージェンシー・サイバー』を発動!デッキから『サイバー・ドラゴン・ドライ』を手札に加える!さらに魔法カード『サイバー・レヴシステム』を発動!手札の『サイバー・ドラゴン・ヘルツ』を特殊召喚!」

身体に青いエネルギーの奔る機械竜の素体が現れる DEF100

 

「特殊召喚された『ヘルツ』のレベルはエンドフェイズまで5になる!さらに手札の『サイバー・ドラゴン・フィーア』の効果発動!自分フィールドに『サイバードラゴン』が召喚・特殊召喚された時自身を特殊召喚できる、そして『フィーア』はフィールド・墓地にいる限り『サイバードラゴン』として扱う!よって特殊召喚できる!」

鋭角的な機械竜が現れる DEF1600

 

ヘルツ☆1→5

 

 

「さらに『サイバー・ドラゴン・ドライ』を召喚!」

黄色のエネルギーを纏う機械竜が現れる! ATK1800

 

 

「『ドライ』が召喚に成功した時!自身を含む『サイバードラゴン』のレベル5にできる!…これで用意は整った!」

 

ドライ☆4→5

 

フィーア☆4→5

 

 

『来るか…!』

 

「俺はレベル5の『ドライ』と『ヘルツ』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!サイバードラゴンよ…星の力を得て進化せよ!『サイバー・ドラゴン・ノヴァ』!!」

銀河に2体の機械竜が飛び込み爆発…赤きエネルギーを纏う機光竜が現れる! ATK2100

 

 

『「サイバードラゴン」のエクシーズモンスター…だが、攻撃力は「フォトンレオ」と同じだ!』

 

「ふっ…!『フィーア』がフィールドに存在する時!自分フィールドの『サイバードラゴン』の攻撃力は500アップしている!」

 

『っ…!!』

フィーアがサイバードラゴンにエネルギーを供給する!

 

サイバードラゴン ATK2100→2600

 

 

「バトルだ!『サイバードラゴン』で『フォトンレオ』を攻撃!エヴォリューション・バースト!」

 

『リバース罠発動!「光子化(フォトナイズ)」!相手モンスターの攻撃を無効にし、「フォトンレオ」の攻撃力をその数値分アップする!』

 

「そうきたか…なら『ノヴァ』の効果発動!『サイバードラゴン』を除外する事でエンドフェイズまで自身の攻撃力を2100ポイントアップする!バトルするモンスターがいなくなった事で『光子化』は不発になる!!」

 

『なんだと!?』

サイバードラゴンのエネルギーを取り込んだノヴァの全身が紅く輝く!

 

ノヴァATK2100→4200

 

 

「バトルだ!『ノヴァ』で『フォトンレオ』を攻撃!エヴォリューション・スーパーノヴァ!!」

真紅の破壊光線が光子の獅子を粉砕する!

 

『うおぉぉ…!!』

 

カイトLP4000→1900

 

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

遊海LP4000

ノヴァ フィーア 伏せ1 手札0

 

 

 

 

『これが、決闘王のタクティクス…!世界を守ってきた英雄の力か…!』

カイトは冷や汗をかく…自身を僅か1ターンでここまで追い詰めたデュエリストはカイトの記憶にはなかったからだ。

 

 

「ふぅ…ぶん回し過ぎたな、ついでに最初の手札は『サイバードラゴン』が3体と『パワーボンド』があったんだ、運がよかったな!」

 

《か、カイト様…!》

 

『(今の手札では勝ち目はない…次のドローに賭ける!)』

 

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『オレはリバースカード「活路への希望」を発動!ライフを1000払い、相手とのライフ差1000ポイントにつき1ドローできる!オレと白波さんのライフ差は3000…よって3枚ドローできる!』

 

「身を削って希望に賭けるか…!さぁ、かかってこい!!」

 

 

カイトLP1900→900

 

 

『よし…!オレは魔法カード「フォトン・サンクチュアリ」を発動!このターン、光属性モンスターの召喚・特殊召喚しかできなくなる代わりに「フォトン・トーク」2体を特殊召喚できる!!』

カイトのフィールドに2つの光球が現れる ATK2000 ×2

 

 

『そして攻撃力2000以上の「フォトントークン」2体をリリースする事でこのモンスターを特殊召喚できる!逆巻く銀河よ!希望の光となりて我がしもべに宿れ!光の化身、ここに降臨!!現れろ!「銀河眼の光子竜(ギャラクシー・アイズ・フォトン・ドラゴン)」!!』

カイトのフィールドに彼の魂たるドラゴンが降臨する! ATK3000

 

 

「来たか…『ギャラクシーアイズ』!さぁ、どうする!」

 

『オレは「フォトン・クラッシャー」を召喚!』

巨大な鎚を持つ戦士が現れる ATK2000

 

 

『さらにフィールドにエクシーズモンスターが存在する時!「フォトン・スレイヤー」は手札から特殊召喚できる!』

白い鎧を纏う光の剣士が現れる ATK2100

 

 

『そして魔法カード「シフト・アップ」を発動!フィールド上のモンスターのレベルをもっともレベルの高い「ギャラクシーアイズ」と同じにする!』

 

「おっと…!これは少し不味いかな…!?」

 

クラッシャー☆4→8

 

スレイヤー☆5→8

 

 

『オレはレベル8となった「フォトンクラッシャー」「フォトンスレイヤー」と「ギャラクシーアイズ」の3体でオーバーレイ!!エクシーズ召喚!!』

カイトが赤いオーラに包まれ、3体のモンスターが銀河へ飛び込む…そしてカイトの手元に赤い槍が現れる!

 

 

『逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりてその姿を現すがいい!降臨せよ…!我が魂!!「超銀河眼の光子龍」!!』

光の爆発と共にカイトの切り札…兄弟の絆の象徴たる龍が現れる! ATK4500

 

 

「おいおい…!まさか1ターンで出てくるか…!!」

 

『「ネオギャラクシーアイズ」の効果発動!フィールド上のモンスター効果を全て無効にする!フォトン・ハウリング!』

ネオギャラクシーアイズが咆哮…その音波によってサイバードラゴン達はショートし、機能不全に陥る!

 

 

『さらに「ネオギャラクシーアイズ」の効果発動!ORUを1つ使い!フィールド上のORUを全て吸収し、その数に1つにつき500ポイント攻撃力をアップする!』

 

「流石にそれは不味いな!速攻魔法『サイバー・ロード・フュージョン』を発動!除外されている『サイバードラゴン』とフィールドの『ノヴァ』と『フィーア』を融合!現れろ!『サイバー・エタニティ・ドラゴン』!!」

 

『なっ…!?デッキに戻す融合だと!?』

サイバーエンドドラゴンと対を成す、鉄壁の機械竜が現れる DEF4000

 

 

「これで『ネオギャラクシーアイズ』の効果は不発…そして墓地に送られた『ヘルツ』の効果発動!このカードが墓地に送られた時、デッキから『サイバードラゴン』を手札に加える!」

 

『だが…攻撃力は「ネオギャラクシー」が上回る!「ネオギャラクシーアイズ」で「エタニティドラゴン」を攻撃!アルティメット・フォトン・ストリーム!!

 

「ぐうっ…!!」

放たれた赤き破壊光線が鉄壁の竜を粉砕する!

 

 

「相手によって破壊された『エタニティドラゴン』の効果発動…!デッキから『サイバー・ドラゴン・コア』を特殊召喚!」

赤いエネルギーの奔る機械竜の素体が現れる! DEF1500

 

 

『くっ…!リカバリーも万全か!!オレはカードを伏せ、ターンエンド!』

 

カイトLP900

ネオギャラクシーアイズ 伏せ1 手札0

 

 

 

「うん!いい顔になった!以前に戦った時とは見違えるようだ!」

 

『ありがとうございます…!』

遊海はカイトを見ながら笑みを浮かべる、流星を守る為に戦った時のカイトはハルトを救う為の義務感・使命感に突き動かされていた…だが、今のカイトは違う。

遊馬によって呪縛から解き放たれた今、その表情は明るく…デュエルを楽しんでいた…!

 

 

「さて、状況は俺の不利…ここから巻き返せるかな…!!」

 

 

 

 

「俺のターン…ドロー!!」

「そう上手くはいかないか…!カードを伏せターンエンド!」

 

遊海LP4000

サイバードラゴンコア 伏せ1 手札1

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『畳み掛ける!速攻魔法「サイクロン」を発動!伏せカードを破壊する!!』

 

「破壊された『サイバネティック・オーバーフロー』の効果発動!デッキから魔法カード『サイバー・リペア・プラント』を手札に加える!」

 

『バトルだ!「ネオギャラクシーアイズ」で「サイバードラゴンコア」を攻撃!!』

 

「ぐおっ…!?」

再び機械竜が消し飛ばされる!

 

 

『オレはこれでターンエンド!』

カイトLP900

ネオギャラクシーアイズ 伏せ1 手札0

 

 

 

「カイトが決闘王を追い詰めた…!!」

 

《カイト様!流石でありマス─!!》

カイトの奮戦にフェイカーとオービタルは歓声を上げる!

 

 

『よし…!(伏せカードは戦闘ダメージを抑えられる「模擬戦闘(バトル・シュミレーション)」…油断しなければ、勝てる!)』

カイトは鋭く遊海を見つめる…!

 

「(…思い出すな、亮…お前とカイトはよく似てる…十代(遊馬)を上回るタクティクス、そして弟の為に孤高に戦っていた…お前と戦っている所を見てみたかったな…)」

手にしたサイバードラゴンを見ながら遊海はかつての教え子の事を思い出した…。

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「魔法カード『サイバー・リペア・プラント』を発動!墓地に『サイバードラゴン』が存在する時!墓地の光属性・機械族モンスターをデッキに戻すか、デッキから光属性・機械族モンスターを手札に加える効果を発動できる!ただし、墓地に『サイバードラゴン』が3体以上いる時!その両方の効果を発動できる!俺の墓地には『サイバードラゴン』として扱う『コア』『ヘルツ』『ドライ』がいる!」

 

『っ!!』

 

「それにより俺は墓地の『ドライ』をデッキに戻し、デッキから『ドライ』を手札に加える!さらに墓地の『コア』の効果発動!自分フィールドにモンスターがいない時!墓地の自身を除外し、デッキから『サイバードラゴン』を特殊召喚!」

再び機械竜が現れる! ATK2100

 

 

「そして『サイバードラゴンドライ』を召喚!効果で自身のレベルは5となる!」

再び黄色のエネルギーを纏う機械竜が現れる! ATK1800

 

 

「俺は『サイバードラゴン』と『ドライ』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!再び現れろ!『サイバードラゴンノヴァ』!!」

赤きエネルギーを纏う機光竜が現れる! ATK2100

 

 

『また『サイバードラゴンノヴァ』を…!?だが、そのエクシーズモンスターでは「ネオギャラクシーアイズ」を倒す事は不可能だ!』

 

「不可能か…それはどうかな?」

 

『なに…!?』

遊海はまっすぐカイトを見据える。

 

 

「『サイバードラゴン』は進化する…勝利を求める熱き魂がある限り!!幾重もの苦難を乗り越え…その手で勝利を掴む為に!!」

 

『っ…!?』

その瞬間、カイトを見た…遊海に並び立つ、青い髪に黒いコートを纏った青年の姿を…。

 

 

 

「俺はランク5の『サイバードラゴンノヴァ』でオーバーレイネットワークを再構築!ランクアップ・エクシーズチェンジ!!」

 

『なっ…!エクシーズモンスターでのエクシーズ召喚…!?遊馬と同じ…!』

ノヴァが赤い光となって銀河へ飛び込み、再誕する!

 

「機械竜よ!無限の力を纏い、進化せよ!『サイバー・ドラゴン・インフィニティ』!!」

現れるのは機械竜の『極致』…赤雷を纏う黒き機械竜だった…! ATK2100

 

 

 

『「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」…!』

 

「このモンスターはフィールドの『ノヴァ』に重ねる事でエクシーズ召喚できる…その攻撃力はORU1つにつき200アップする!」

 

インフィニティATK2100→2700

 

 

『だが、「ネオギャラクシーアイズ」には及ばない!』

 

「そう焦るなよ?『インフィニティ』の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの攻撃表示モンスターをこのカードのORUに変換する!サイバー・ソウル・ローバー!」

 

『なんだと!?』

ネオギャラクシーアイズをインフィニティから放たれた光線が貫き、ORUへと変換する!

 

インフィニティORU3→4 ATK2700→2900

 

 

「バトル!『インフィニティ』でカイトにダイレクトアタック!インフィニティ・バースト!!」

インフィニティから放たれた赤雷の光線がカイトのライフを削りきった…。

 

 

 

カイトLP0

 

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

 

「カイトが負けるとは…これが、最強の男の実力…!」

フェイカーは遊海のデュエルを見て言葉を失い、そして想像した…仮にあの戦いの場で遊海が万全であれば、自身は為す術なく叩き潰されていただろうと…。

 

 

『負け…か、流石に悔しいな…あと1歩足りなかったか…!』

 

「惜しかったな!でも、良いデュエルだった!」

遊海は倒れたカイトを助け起こす。

 

 

「またいつでも相手になる…楽しみにしてるぞ?」

 

『はい…!』

カイトと遊海は握手しながら再戦を約束した…。

 

 

 

 

 

「もう帰ってしまうのか?」

 

「ええ、まだ行かなきゃならない場所があってね」

デュエルを終えた遊海はフェイカー達に別れを告げる。

 

 

「…そうだ、フェイカー…貴方に渡す物があったんだ…」

 

「渡す物?」

遊海は手にしていた紙袋からやけに()()タッパーと封筒を取り出す。

 

 

「封筒はとある場所への招待状だ、あとでカイトとハルトに渡してほしい…それからこのタッパーは料理なんだが……絶対にカイト達には食べさせないでください」

 

「このタッパーは…?」

 

「…実は、先の戦いで妻…翠が相当怒っててね…一種の貴方へのペナルティ…『罰ゲーム』と思って貰えれば…」

 

「なるほど……貴方も愛した女性には勝てない、と言う事ですか…」

遊海のバツの悪そうな表情を見たフェイカーは全てを察した…。

 

 

「うん…とりあえず死にはしない…はず、なので安心してください…それじゃ!」パチン キィン!

遊海が指を弾く…するとその背後に()()()()()()ワープゲートが現れる!

 

 

「その扉は…!?」

 

「死にかけた時に()の力を分けられたらしくてね…それではまた!」

遊海は手を振りながらワープゲートへと飛び込んだ…。

 

 

「もしや、彼の行く場所とは…」

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

 

キィン─!

 

 

 

「よし、到着!」

ワープゲートから抜け出した遊海が辿り着いたのはハートランドから少し離れたとある洋館だった。

 

 

 

コンコン!

 

 

『は〜い!……えっ…?』

遊海は洋館の扉をノックする…そして中から現れたピンク色の髪の少年は…遊海の姿を見て固まった。

 

『どうしたんだい?ミハエル……君は…!』

 

「…久しぶりだな、バイロン…悪いが、家族全員で付いてきてもらうぞ?」

 

 

 

 

 

キィン!!

 

 

 

 

「よし、着いたな…お前達は懐かしいだろう?」

 

『…まさか、こんな形で白野…ううん、遊海さんの家に来る事になるなんて…』

 

『翠さんに合わせる顔がねぇ…』

 

『…まさかこんなにすぐハートランドに戻って来る事になるとは…』

白波家の中庭…そこに遊海と4人の人影があった、それは…アークライト一家だった。

 

 

『ここが遊海の家か…普通の家だけど…なんだろう、とても温かい気がするよ』

 

「そう言ってもらえるなら嬉しいよ…さぁ、中へ入ってくれ」

白波家を見たトロンが言葉を漏らす…遊海はその言葉に笑みを浮かべながら彼らを招いた…。

 

 

 

 

「クリス君!トーマス君!ミハエル君!お帰りなさい!もう…たくさん心配したんだから…!!」

 

『翠さん…』

 

『『心配かけてごめんなさい!/すいませんでした!!』』

三兄弟を迎えたのは…翠の言葉と抱擁だった、時間にして約三年…遊海と同じく、翠も彼らの事をずっと心配していたのだ…。

 

 

『翠…先日はすまなかった…!僕は復讐に呑まれ、貴女を…十代を、遊海を傷付けてしまった…!本当に申し訳ない…!!』

子供達に続いてトロンも翠へと謝罪する、トロンの罪は重い…奇跡がなければ遊海の命は失われる所だったのだから…しかし。

 

 

「もういいんです、遊海さんから事情も、あなたがしてくれた事も聞きました…私はあなたを憎んではいません…でも、しっかり反省はしてくださいね?」

 

『…ありがとう…本当にすまなかった…!!』

翠はトロンの罪を許す…その姿にトロンは涙を浮かべた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……お前達、覚悟はできてるか?」

 

『『『はい…!』』』

 

『えっ…?これから何が始まるんだい…?「食事会」って雰囲気じゃないよね?』

少し時間は流れ…遊海と三兄弟は覚悟を決めた表情でテーブルに座っていた…。

 

 

「向こうでも言っただろ?食事会であり、()()()()だって」

 

『父様…遊海さんの家には僕達が悪い事をしたら…必ず食卓に並ぶ料理があるんです』

 

『…最後に食べたのは…凌牙と喧嘩して、皿を割った時だったな……耐えられる、かな…?』

異様な雰囲気に表情が固まるトロン…子供達は既に()()している為、覚悟はできている。

 

 

「お待たせしました!()()()()()()()()()!」

 

『これは…マーボー、ドウフ…だよね?だよね!?』

翠とウィンダ達によって料理が運ばれて来る…それは一皿の麻婆豆腐…だが、トロンは周りに訊ねた…麻婆とはこんなに()()、地獄の釜が開いたような熱気を持っていたかと…。

 

 

「この麻婆豆腐はネオドミノシティにある、とある食堂のオーナーから翠が教えられたものなんだ……大丈夫、()()()()()()それ以上に身体には良いから…」

 

『ねぇ、これって…人間の食べ物…?』

 

『諦めてくれ、父さん……これを食べきれば翠さんは本当に許してくれるから……うん』

 

『……というか、何故遊海までレンゲを…?』

 

「おれ自身への()()()()()()()だよ……さぁ、冷めないうちに食べよう、大丈夫…辛さは一瞬だから」

そう言って遊海達はレンゲとスプーンを構える。

 

 

『…これが、僕の本当の「贖罪」か…いただきます!!』

トロン達は紅い麻婆を掬い、口へと入れた…。

 

 

 

 

 

 

「「『『『『────!?!?!?』』』』」」

 

 

 

 

 

 

 

その日、ハートランドシティの2()()()で同時に悲鳴が響いたそうな…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃…

 

 

(…ん?)

 

「どうしたんだ?アストラル」

 

(いや…悲鳴が聞こえた気がしてな…)

 

「ああ…ならたぶん遊海の家だな、明里姉ちゃんが翠さんが麻婆豆腐の材料を買ってたって怖がってたし…」

 

(麻婆豆腐…?たしかに辛いチュウカ料理の一種だったな?)

 

「ああ…でも、翠さんの作る奴は特別辛いんだよ…たぶん遊海がお仕置きを受けてるんだろうなぁ…ドンマイだぜ」

 

(決闘王が悶絶する麻婆豆腐…1度食べてみたいな)

 

「いや、絶対止めたほうがいい…!!」

 

(そうか、残念だ…)

 

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