転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
俺達は石の荒野を出発し、線路までたどり着いた。
トフェニは遊戯や杏子を気にしながら俺を運んでくれている。
俺はやはり肋骨が折れていたらしく、アヤカに治療をしてもらっている…少し空が曇ってきたな…雨が降らないといいが…。
しばらく移動していると突然、ティマイオスの眼が光だした。それと共に上空にティマイオス・クリティウス・ヘルモスの三体が実体化し一機のジェット機を支えながら降下し…不時着した!
『なんだ!?』
「行ってみましょう!」
「トフェニ!」
「御意!」
「遊戯!杏子!…遊海と竜!?」
「城之内!本田!大丈夫よ!この竜は遊海の精霊だから!」
「そうなのか…遊海っていったい…」
「それよりもあれ!海馬んとこのジェット機だよな?」
「乗客は大丈夫かしら?」
「マスター!誰か降りてきます!」
「海馬!」
「遊戯…」
ジェット機から降りてきたのは海馬だった、その腕には赤毛の青年…アメルダを抱き抱えていた…
『海馬…何があったんだ?』
「なに…ドーマがデュエルを仕掛けてきたから返り討ちにしたまでだ!…しかしなぜ貴様らがここにいる?」
『…三体の竜が俺達を呼び寄せたんだ、海馬!やはり俺達は共に闘う運命のようだな!』
「俺は運命など信じんが…貴様らも少しは役に立つかも知れんな…」
「海馬様!モクバ様!ご無事ですか!!」
「磯野!」
KC社のヘリから磯野さんが飛び降りてくる…あの人、身体能力高いな…
「海馬様…悪い知らせです…!」
「今はいい!とにかく移動しながら話を聞く!…貴様達も乗るがいい!」
『すまない海馬!』
「ありがてぇ!」
そして俺達は海馬さんのヘリに乗り込んだ。そして磯野さんの話によると海馬コーポレーションが乗っ取られたらしい、しかしモクバによるとKC社の株の半分以上は海馬兄弟が保有していて、自分達の許可なく買収などできるはずが無いという。しかし
「考えられるとすれば…世界市場を操作した…」
海馬はそう予測した、それはたぶん合っている…
「ちょっと待って!ドーマはそこまで力があるっていうこと!?」
「俺も少し…ドーマを甘く見ていたようだ…」
「瀬人様…」
「俺はもう社長ではない…」
「瀬人様!私達は海馬コーポレーションが復活するまで付いていきます!」
磯野さん、そしてフグタさん?だったかな?が海馬に伝えている…海馬さん意外にカリスマ高いんだよな…
「気持ちは受け取っておく」
その後遊戯は、最後の資料を手に入れるために博物館に向かおうと海馬に伝える…しかし
「もうフロリダもドーマの手に落ちているだろう…しかし、手は打ってある!」
するとすぐに連絡が入った、海馬の部下が画像を入手したらしい!
『海馬!既に博物館に…!』
「当たり前だろ!兄様は十手、二十手先を読んで行動してるんだから!」
画像が送られてくる…
「瀬人様…御武運を…うわァー!?」
『海馬…!』
「…しかしこれで情報が手に入った…部下達の犠牲…無駄にはしない!!」
その後別行動しているレベッカに連絡をとり、合流することを伝える、そして風化した文字を解析するために既にドーマの手に落ちている、KC 社のアメリカ支部に向かうのであった。
そして時を同じくして世界中でオレイカルコスソルジャーが大量発生し人々を襲い始めた…
そしてKC社のある町にて、レベッカ達と合流した俺達、そこで御伽から舞さんそして三銃士・ヴァロンと遭遇した事が城之内に伝えられる、ヴァロンは城之内に宣戦布告したようだ…。
そして俺達は三手に分かれて行動を開始した、杏子・本田は警察へ、レベッカ達は後方支援、そして遊戯・海馬・俺で海馬コーポレーションに向かう事になった。
海馬コーポレーションへ向かった俺達は避難に使う地下通路を通り会社内に入る、すると何かが突進し壁を突き破った!
「なっ!『エンゼル・イヤーズ』!?」
「コイツ…ソリッドビジョンじゃないのか!?」
そして扉をこじ開けると…モンスターハウスだった…海馬コーポレーションはいつからダンジョンになった!?
『海馬!遊海!俺達もデュエルモンスター達を召喚するぞ!』
「…オカルトだが試すしかないか!」
「俺はリアルファイトでいくぜ!遊戯達は先に進め!」
《白波 遊海…私の力を使いなさい!》
「ラー!すまない、力をお借りします!『精霊変身』!!」
黄金の光が俺を包む!
『アーマードウォーリアー・モード太陽神!!』
ラーをイメージした鎧を纏う遊海がそこにいた!
「白波!なんだその姿は!!」
『説明は後で!中央突破で行きましょう!』
「『おう!』」
『いけ!『翻弄するエルフの剣士』!!』
「『ブラット・ヴォルス』!道を開け!」
『ゴッドブレイズ!!今だ!進め!』
敵を蹴散らしながら前に進んでいく
「認証コードが書き換えられている!?」
『海馬!急いでくれ!逃げ場が無くなる!』
『俺が時間を稼ぐ!フェニックスダッシュ!』
炎を纏いモンスター達に突撃し蹴散らす!
【お待たせ!助けに来たわ!】
インターホンからレベッカの声がする、ハッキングに成功したようだ。
【海馬社長!今度私を雇いなさい!もう少しましなプログラムを組んであげる!】
「考えておこう!…進むぞ遊戯!白波!」
『ああ!(まずい…この状態はエネルギーを使うな…)「精霊転身!モード聖刻」!』
俺は太陽神モードを解除し聖刻の力を纏い前に進む。
そしてコンピュータルームにたどり着いた!
「解析開始!」
【解読しよう…「漆黒の大蛇が太陽を呑み込む時、一万年の時を越えて新たな楽園がよみがえる」…だ。楽園はたぶんアトランティスを指しているはずだ!】
「!?…この紋章は…パラディウス社のマーク!」
『パラディウス?』
海馬によると世界のあらゆる市場、その数%を有すると云われる大企業…そしてその社長の名前は「ダーツ」!
『(コイツは…一万年前の戦いの時の…まさか同一人物!?)』
その時、突然コンピュータが爆発する!
【遊戯!社長!遊海!大丈夫!?通信が…!】
そして目の前には黒い竜に乗った男がいた…
「ようやくここまでたどり着いたか!名も無きファラオ!海馬瀬人!そして…転生者、白波遊海!」
「貴様が黒幕か!」
「いかにも!我が名はダーツ!まもなく世界はドーマの理想に導かれ生まれ変わる!」
「何が理想の世界だ!虐殺紛いの事をして、その思想には正義はないわ!」
『貴様!目的はなんだ!』
「お前達が知る必要はない!お前達もじきに滅びの道を歩むのだから!」
『ダーツ!今ここで決着をつけてやる!…相棒の…みんなの魂を返せ!来い「ティマイオス」!』
「いけ!『クリティウス』!」
『俺もいくぜ!』
「伝説の竜よ!久しぶりだな…ティマイオス!目の傷は疼くか?」
ティマイオスとクリティウス、そして俺が攻撃を仕掛けるが…すり抜ける!
『幻影だと!?』
《もはや動き出した運命を変えることはできん!お前達は自分の無力さを思い知るのだ!…そして転生者よ貴様の持つ『真なる神』は頂くぞ!》
『しまった!ラーのカードが無い!?』
『なんだって!?待て!ダーツ!』
ゴゴゴ…!
「ビルが…」
「遊戯!白波!こっちだ!屋上から脱出する!」
屋上にはブルーアイズジェットが!
「遊戯!後ろに飛べ!しかし二人乗りだ」
『遊海!』
「心配するな!トフェニ!頼む!」
「御意!」
ビルから脱出するがジェットはモンスターによりすぐ墜落する!
「くっ!」
「遊戯!海馬さん!あなた達はパラディウス社へ!」
『遊海!お前は!?』
「俺は『神のカード』を取り返します!後で会いましょう」
『遊海!一人では危険だ!』
「大丈夫です!…後は頼みます!…トフェニ!」
「御意!黒い竜を追います!」
『遊海!!』
俺は黒い竜の影を追ってトフェニと共に移動している、しかし突如黒い竜は消えてしまう。
「くそ!見失った…!あれも幻影だったか…」
「主殿…どうする?一度引き返しますか?」
「…いや、アヤカ!」
「はい!マスター!」
「レーダーで魂と精霊の力が集まっているところを探してくれ!」
「はい!…検索中…ありました!アメリカ沖の島に多数の魂が集まっています!」
「そこに案内してくれ!トフェニ頼む!」
「御意!」
そして俺達は南の島…恐らく暗黒神殿へと向かう