転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

デュエルによって怪我をした遊海達は病院へと担ぎ込まれた…そしてミザエルによって心に深い傷を負った遊馬は立ち直れるのか…?


それでは最新話をどうぞ!


傷付く決闘者達〜並び立ち、共に歩む〜

「う…ん…?ここは…?」

気を失っていた凌牙は目を覚ます…最初に目に入ったのは暗い天井、そして…

 

「すぅ…すぅ…」

 

《キュウ…キュウ…》

 

「璃緒…フォウ…」

自分が眠っているベッドにもたれて眠る璃緒とフォウだった。

 

 

「……そうだ、スフィアフィールドが崩れて…遊馬を…遊馬!?っぐ…!?」

気を失う前の事を思い出した凌牙は起き上がろうとするが…全身を包む鈍い痛みに躊躇ってしまう。

 

 

「…ここは、病院か…たぶん、カイトの奴に助けられたんだろうが…我ながら無茶したもんだ…」

冷静さを取り戻した凌牙は状況を把握する…枕元に置かれたDゲイザーの時刻は深夜を示していた…。

 

 

「…父さん達に、心配かけちゃったな…連絡してみるか」

 

 

ブーッ…ブーッ…

 

 

「……えっ…?」

凌牙は遊海へとコールする…だが、それと同じタイミングで自分の右隣のカーテンの奥からバイブ音が聞こえてきた…。

 

「凌牙君…!良かった…目が覚めたのね…!」

 

「母さん…?」

カーテンが静かに開く…そこから顔を出したのは育ての母である翠だった…。

 

 

「凌牙君、痛いところはない…?」

 

「全身…特に首の辺りがズキズキする…それより、遊馬は…!」

 

「遊馬君は大丈夫、凌牙君の左隣のベッドで眠ってるわ……少し打ち身と骨に罅が入ってたけど、私が治したから大丈夫…ちょっと待っててね、すぐに痛いところを治すから…」

遊馬の状況を伝えた翠は璃緒を起こさないように、凌牙へ回復魔法を使った…。 

 

 

 

「…母さん、父さんは…?」

治療で痛みの取れた凌牙は翠に問いかける…翠は少し悩んだ素振りをして、口を開いた…。

 

 

 

「……落ち着いて聞いてね、遊海さんは…大怪我をして、眠っているわ…」

そう言うと翠は右のカーテンを開く…そこには全身を包帯で巻かれたミイラ男…遊海が苦しげに眠っていた、枕元には黒く染まってしまい機能を停止したアヤカのコアが置かれている…。

 

 

「父さん…!?そんな、なんで…!?」

 

「…わからないの…私が見つけた時には……わかったのは、誰かとデュエルしていたって事だけ…残りライフ50の状態で……心配しないで、すぐに元気になるから…!」

 

「…母さん…」

薄暗くて凌牙は見えていなかったが…翠の目元は赤かった、翠は悲しみを押し殺しながら…必死に凌牙達を治療していたのだ…。

 

 

「凌牙君…今はしっかり休んでいて…遊海さんが起きた時に、安心できるように…」

 

「ああ、かあ…さん…」

翠は優しく凌牙の頭を撫でる…僅かに「催眠術」の効果が乗せられた暖かい手は…静かに凌牙を眠らせた…。

 

 

 

……

 

 

 

『まったくもう!アンタときたら…!デュエル庵に遊びに行ったらはしゃぎ過ぎて崖から落ちたってどういう事よ!!しかも…白野さんのトコの凌牙くんまで巻き込んで!アンタどんだけドジなのよ!!』

「…ごめんなさい…反省してます…」

 

「(明里さんに心配かけないように『崖から落ちた』って事にしよう…って翠さんに言われたけど…これで良かったのかなぁ…?)」

 

バリアンによる襲撃の翌日、遊馬はお見舞いに訪れたナンバーズクラブの仲間達の前で姉の明里に盛大に叱られていた。

 

翠の提案で余計な心配をかけないよう、明里に本当の事情を伏せて伝えたが…見ている方が可哀想になるほど遊馬は叱られている…。

 

 

『骨は折れてなかったから良かったけど…!打ち所が悪かったら…!』

 

「明里ちゃん、怒鳴り声が廊下まで響いてるわよ?」

 

『あっ…翠さん…!今回はうちの馬鹿が…』

 

「大丈夫よ、気にしないで…凌牙君も軽傷で済んだし…それよりも時間は大丈夫?何処か行くんでしょう?」

 

『あっ…!?忘れてた!!翠さん!お詫びはまた今度に…遊馬!怪我が治るまでおとなしくしてるのよ!いいわね!!』

遊馬に厳しく釘を刺すと明里は慌てて仕事へと向かった…。

 

 

「遊馬クンのお姉さん…あんなに怖い人だったとは…」

 

「肝がキャット縮まったわ…」

凄まじい剣幕の明里を見た真月とキャッシーは体を震わせる…。

 

 

「明里ちゃんは遊馬君の事が心配だから厳しいのよ…だから悪く言わないであげてね」

 

「流石メタルナイトの奥さんウラ〜、とっても優しいウラ!」

 

「ふふっ、ありがとう徳之助君」

優しく明里へフォローを入れる翠…その優しい顔を見た徳之助と等々力は翠にメロメロになっている…。

 

 

「…おい、おめぇら…」

 

「「ヒィ!?」」

 

「凌牙、そんなにカリカリしないの!」

なお、その直後に遊馬の隣のベッドにいる凌牙に睨まれ縮みあがったのだった。

 

 

 

「それよりも…翠さん、白野さんは大丈夫なんですか…?まさか…遊馬と同じタイミングでバリアンに襲われるなんて…」

 

「ニュースは見たウラ!川の流れが変わるほどの爆発があったって聞いたウラ!」

 

「心配してくれてありがとう…まだ起きてないけど…怪我はそこまで重くないから安心してね」

小鳥の言葉に全員が病室の奥を見つめる…閉じられたカーテンの中で遊海は眠っていた。

 

なお、世間一般には『メタルナイトがデュエリスト暴走事件の捜査中にテロリストに遭遇、爆弾処理に失敗して爆発に巻き込まれた』…という事になっている。

…ドルベとの決闘跡はそれが通じてしまうほど凄惨な状態だったのだ。

 

 

 

「凌牙君も遊馬君もう3〜4日入院すれば退院できると思うから…学校で待っててあげてね!」

 

「はい!…遊馬、学校の宿題とかはメールで送ってやるから安心しろよ!」

 

「ああ…ありがとう鉄男…」

翠の言葉を聞いた鉄男は遊馬へと声をかけるが…遊馬の返事は弱々しいものだった…。

 

 

 

 

 

「遊海…まさか、アンタもやられちまうなんて…」

 

「遊馬…」

小鳥以外のナンバーズクラブが帰った後…遊馬はミイラ状態の遊海の隣に座っていた…。

朝になり再起動したアヤカから語られたバリアンの襲撃…それはミザエルと同じくオーバー・ハンドレット・ナンバーズを持つ者との壮絶な決闘の一部始終だった…。

 

 

「アストラルも、皇の鍵から出られないくらい弱っちまってる…アストラルは…オレが守らなきゃダメなのに…!」

 

 

「…おい、遊馬…ウジウジしてんなら自分のベッドでしてろ、父さんに弱虫がうつる…!」

 

「…ごめん…」

 

「…たくっ…イラッとくるぜ…」

気落ちしている遊馬に凌牙が悪態をつく…だが、遊馬は言い返さずに自分のベッドに歩き出す…。

 

 

「…遊馬、勘違いすんじゃねぇぞ…!父さんは負けてない…ライフも、手札も残ってた…絶対に父さんは勝ったはずだ…!!」

 

「シャーク…」

凌牙は静かに拳を握り締めた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「うわああああ!!」

 

『どうした?立ち上がれないのか?ならば…そのまま屈辱に塗れて眠るがいい!殲滅のタキオン・スパイラル!!』

 

《ギュラアアアア!!》

 

「あ…ああ…!?うわあああああ!!!」

 

 

 

 

………

 

 

 

「うわああああああ!!!……ゆ、夢……」

眠っていた遊馬はベッドから飛び起きた、ミザエルと「銀河眼の時空竜」に襲われる恐怖…そのせいで遊馬は夜ごとに悪夢に魘されていたのだ…。

 

 

「だぁぁー!遊馬!毎晩毎晩いい加減にしやがれ!!」

凌牙がカーテンを開いて遊馬へと文句を言う…遊馬が毎晩飛び起きるせいで…相部屋の凌牙も若干寝不足になっている…。

 

 

「だいたいなんだ!情けない顔しやがって…!たった1回負けたからって落ち込み過ぎなんだよ!!いつものお前なら…」

遊馬への不満を叫ぶ凌牙だったが…

 

 

『コラァァ!!アンタ達!今何時だと思ってんの!?』

 

「「すいません!!」」

案の定、見回りの看護師に叱られてしまうのだった…。

 

 

 

「おい…お前のせいで怒られたじゃねぇか…」

 

「…ごめん…」

看護師にお叱りを受けた後…凌牙と遊馬は寝直す為にベッドに潜り込む…そんな時だった。

 

 

「うぅ…凌牙…遊馬…」

 

「「!?」」

静かな病室に掠れた声が聞こえ、2人は飛び起きた…それは眠り続けたもう1人の男が目を覚ました証だった…!

 

 

「父さん…!!俺はここにいるぞ!」

 

「遊海…!!」

飛び起きた2人は先程の反省を生かして…できる限り静かに遊海へと声をかける。

 

 

「……はぁ…ごめん、な…心配を、かけたみたいだ…」

 

「まったくだぜ…丸3日も…寝過ぎなんだよ…!」

 

「よかった…遊海…!」

弱々しく2人に謝る遊海…凌牙は少し涙を浮かべながら遊海の手を握り締める…。

 

 

「…今は…夜みたいだな…ナースコールは、しなくていい…起こして悪かった…休んで、いいぞ…?」

 

「…完全に目が覚めちまったよ…いつも危ない目にばっかあって…心配する俺や母さんの身にもなってくれよ…」

 

「ごめんな…」

 

 

 

 

 

「「スゥ…スゥ…」」

 

「…結局、寝てるじゃないか……トフェニ、頼む…」

 

《御意》

20分ほど話した後、遊馬と凌牙は遊海のベッドに凭れて眠ってしまった…遊海はトフェニを呼び出して凌牙達をベッドへと寝かせる…。

 

 

「(全身に鈍い痛み…それに、右腕の感覚がない…しばらくデュエルは無理だな…)」

遊海は可能な限り自分の状態を把握する…翠の治療を受けてなお、全身の負傷は治りきっていなかった…。

 

 

「(バリアン…ドルベは強かった、デュエルの決着より先に…俺の身体が保たなかった…)」

遊海はドルベとの戦いを思い返す…魂の聖剣と堕天の槍の衝突、遊海はそれに競り負けて吹き飛ばされていたのだ…。

 

 

「(俺を狙ってるであろうベクターの事もある…こんなところで…寝て、られない…のに……)」

悔しさを噛み締めながら…遊海の意識は再び暗転したのだった…。

 

 

 

 

『九十九遊馬く〜ん!診察の時間ですよ〜』

 

「あ、はい」

 

「………」

診察の時間が来て遊馬は診察室へと向かう…そのベッドの上にはポツンと皇の鍵が置かれていた…。

 

 

 

「…凌牙」

 

「おはよう、父さん…気分はどうだ?」

 

「…全身痛いが…70年前の時よりはマシだよ…」

 

「感覚がすげぇな…」

それと同じタイミングで遊海が目を覚ます…声色から調子はだいぶ良くなったようだ。

 

 

「…凌牙、遊馬を頼むぞ…」

 

「えっ…?」

横たわったままで遊海は凌牙に語りかける…。

 

 

「…バリアンとの戦いで、遊馬は…遊馬の心は深く傷付いてる…未知のナンバーズへの『恐怖』、アストラルを守らなければならないという『責任』…そして、アストラルを守れなかったという『後悔』……俺は…戦えない今の俺じゃ…遊馬を慰める事しかできない…でも、今の遊馬とアストラルに必要なのは……()()()()だ…」

 

「キッカケ…か……父さん、頼みがある」

 

「…ああ、頼んだぞ…凌牙」

包帯の下で遊海は優しく笑った…。

 

 

 

 

 

「イテテ…あの先生、背中強く叩きすぎなんだよ…ってあれ!?皇の鍵がない!?」

しばらくして遊馬が背中を擦りながら帰って来たが…ベッドの上にあったはずの皇の鍵が無くなり、焦って探し回っている…。

 

 

「遊馬」

 

「あっ!?遊海!目が覚めてたのか!皇の鍵を見てないか!?」

 

「鍵なら…凌牙が持っていったぞ、屋上で待ってるそうだ…お前とデュエルする為にな…」

 

「はぁ!?」

遊海の思わぬ言葉に遊馬は驚く…。

 

 

「遊馬、早く行ってこい…凌牙が風邪をひく前に…」

 

「だぁぁ!シャークの奴は何を考えてんだよおぉぉ!!」

遊馬は急いで着替えると病室を飛び出して行った…。

 

 

 

「…遊馬…思い出せ、お前達にとって…一番大切なモノを…コフッ…」

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

 

『遅ぇぞ、遊馬』

 

「シャーク!いったいどういうつもりなんだよ!?」

先程まで晴天だった空が急に厚い雲に覆われる…今にも雨が降り出しそうな空の下、遊馬と凌牙は向かい合う…。

 

 

『どういうつもり…ハッ…!遊馬、皇の鍵を返して欲しかったら…俺をデュエルでぶっ倒してみろ…!』

凌牙は懐に持っていた皇の鍵を遊馬に見せつける…!

 

「…わかった…!やってやる!!」

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊馬対凌牙

 

 

 

 

 

 

「オレのターン!…モンスターを裏守備表示でセット!!…ターンエンドだ!!」

 

『はぁ…!?これで、終わりだと!?ふざけてんのか!!』

遊馬の消極的なデュエルに凌牙は思わず叫ぶ…!

 

 

「こ、これがオレのタク…タクククスだ!!」

 

プチン

 

『タクティクスもまともに言えない癖に…ふざけてんじゃねぇ!!』

 

「どわっ!?」

遊馬の一言に凌牙の堪忍袋の尾はブチ切れた…凌牙は怒りのままに皇の鍵を遊馬に投げつける!

 

ゴロゴロ…ピシャーン!!

 

『お前は…何を1回負けたぐらいで弱気になってやがる!!それでもお前は父さんの…白波遊海の弟子なのか!?…お前1人じゃ相手にならねぇ…アストラルと一緒にかかってきやがれ─!!』

凌牙の怒りに呼応するかのように雷鳴が轟き、雨が降り始める…そして凌牙は傷心の遊馬を容赦なく攻め立てる!

 

 

 

 

『俺はレベル3の「スター・フィッシュ」2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!深き水底から浮上せよ!「潜航母艦エアロ・シャーク」!さらに続けてレベル3の「スターフィッシュ」と「ドリル・バーニカル」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!漆黒の闇よりいでし紅き槍!「ブラック・レイ・ランサー」!!』

 

「なっ…!?1ターンで2体のエクシーズモンスターを!?」

凌牙は得意のマジックコンボで黒き槍兵と鮫の潜航艦を呼び出す!

 

 

 

『いくぞ…遊馬!!「エアロシャーク」の効果発動!ORUを1つ使い!手札1枚につき400ダメージを与える!俺の手札は2枚!よって800ダメージ!さらに「ブラックレイランサー」の効果発動!ORUを1つ使い!「ゴゴゴゴーレム」の効果を無効にする!』

 

「や、やべっ!!」

 

『バトルだ!「エアロシャーク」で守備表示の「ゴゴゴゴーレム」を粉砕!さらに「ブラックレイランサー」でダイレクトアタック!ブラック・スピア!!』

 

「ぐああああ!!?」

凌牙の容赦ない連続攻撃で遊馬の残りライフは僅か1100まで減らされる!

 

 

 

「ぐっ…!!オレの、ターン!!(シャークのフィールドにはエクシーズモンスターが2体…オレがやるべき事は…!)」

 

「オレは『ゴゴゴジャイアント』を召喚!さらに効果で墓地の『ゴゴゴゴーレム』を特殊召喚!」

 

遊馬のフィールドに2体のレベル4モンスターが揃う…この時点で遊馬には選べる手が無数にある…魔人モンスターである『交響魔人マエストローク』を召喚してブラックレイランサーを裏守備にして戦闘破壊する事も…遊海から貰った『ズババジェネラル』を召喚し、手札の『ガガガガードナー』を装備して攻撃する事も…そして、アストラルに声をかけて『希望皇ホープ』を呼ぶ事もできる…だが、遊馬のとった一手は…。

 

 

 

「ここは…オレは永続魔法『ゴゴゴ護符』を発動!フィールドに2体のゴゴゴモンスターは1度だけ戦闘では破壊されず、さらに2体以上のゴゴゴモンスターがいる時!オレが受ける効果ダメージは0になる!これで『エアロシャーク』の効果は封じたぜ!!ターンエンドだ!!」

 

『…舐めてんのか、遊馬!!今のお前は…臆病な負け犬だ!!闘う勇気のない奴に…掴める勝利はない!!』

 

「っ…!」

さらに消極的な遊馬の一手に凌牙は怒りを露わにする…!

 

 

『アヤカから聞いただろ…!父さんは…遊海さんは残りライフが50でも!モンスターの攻撃力を0にされていようと!諦めないで最後まで戦った!!でも…お前はどうだ!確かにあの「ギャラクシーアイズ」は強かった…俺だって勝てるかはわからねぇ!…でも…諦めたり、弱気になっちまったら…それで終わりじゃねぇか!!』

 

「シャーク…」

 

『遊馬…お前がそのまま腑抜けたツラしてんなら…俺が叩き潰してやる!!』

 

 

 

 

 

『俺はレベル5の「パンサー・シャーク」と「イーグル・シャーク」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!海を切り裂け!猛々しき鮫の巣よ!来い!「シャーク・フォートレス」!!』

現れるのは凌牙の新たな力…巨大な鮫型潜水艦が現れる!

 

 

「3体目のエクシーズモンスター!?」

 

『さぁ…これからが本番だ!装備魔法「シャーカイズ」を「ブラックレイランサー」に装備!これにより装備モンスターを「シャーク」モンスターとして扱い、攻撃力を400アップする!』

ブラックレイランサーの紅槍が鮫の意匠の槍に変化する!

 

 

『いくぞ!俺はブラックレイ…いや、「ブラック・シャーク・ランサー」の効果発動!ORUを1つ使い!「ゴゴゴゴーレム」の効果を無効にする!バトルだ!「エアロシャーク」で「ゴゴゴゴーレム」を攻撃!』

 

「くっ…!『ゴゴゴ護符』の効果で『ゴゴゴゴーレム』は破壊されない!」

巨大な黄色の護符がゴゴゴゴーレムを守る!

 

 

『「ブラックシャークランサー」で「ゴゴゴゴーレム」を攻撃!』

 

「ぐっ…!?」

ゴゴゴゴーレムが鮫の紅槍で貫かれ、破壊される!

 

 

『3発目!「シャークフォートレス」で「ゴゴゴジャイアント」を攻撃!』

 

「『ゴゴゴ護符』の効果発動─!!」

再び現れた黄色の護符がレーザー光線を跳ね返す!

 

 

「よし…!なんとか凌いだぜ…!」

 

『凌いだだと…?笑わせるんじゃねぇ!俺の本気はこれからだ!「シャークフォートレス」の効果発動!!ORUを1つ使い!フィールドの自身以外のシャークモンスターの攻撃回数を1回増やす!「エアロシャーク」でもう1度「ゴゴゴジャイアント」を攻撃だ!!』

 

「なんだって!?」

エアロシャークがシャークフォートレスに格納される…そして再び射出され、ゴゴゴジャイアントを喰い破る!

 

 

 

『これで終わりだ!!再び「シャークフォートレス」の効果発動!ORUを1つ使い!「ブラックシャークランサー」で遊馬にダイレクトアタック─!!』

 

「っ─!!(これで、終わりなのか…?このまま…なんにもできずに負けるのか…!?)」

ブラックシャークランサーが槍を構える、その刹那…遊馬は考えを巡らせる…。

 

 

「(大切な物を守れずに…このまま負けるのか…?)」

フラッシュバックするのはミザエルとの一戦…為す術もなく追い詰められたデュエル…アストラルを守れなかったデュエル…それを思い出して遊馬が思った事は…。

 

 

 

 

 

「(嫌だ…オレはもっと、先に進みたい…!!アストラルともっとデュエルしたい!!)オレはもっと…!アストラルと()()()()()()()()()()─!!」

それは遊馬の魂の言葉…それは確かに、彼へと届いた…!

 

 

 

 

キィン─!

 

 

 

(遊馬…()()()()()()()()()()

 

「あっ…!アストラル!!」

 

(私は君を助けるのでも、君が私を守るのでもない…私と君は…()()()()()()()()()!)

 

「あっ…!」

遊馬の叫びを聞いてアストラルが姿を現す…目先の恐怖に囚われて遊馬は忘れていた、遊馬とアストラルは一心同体…共に戦い、共に傷付く相棒なのだと…!

 

 

(遊馬!『ガガガガードナー』だ!)

 

「そうか!手札から『ガガガガードナー』を攻撃表示で特殊召喚!さらに手札を1枚捨てる事で戦闘破壊を無効にする─!!ぐうぅぅ!!」

すんでのところで遊馬は凌牙の攻撃を耐えきる!

 

 

『フン…防いだか…!俺はこれでターンエンド!』

 

 

(遊馬…立て!)

 

「ああ…何度でも立ち上がってやる!共に戦う仲間と…未来を切り開く為に!!」

遊馬は立ち上がる…アストラルとの「絆」…そして凌牙や仲間達との「友情」で新たな未来を手にする為に!

 

 

 

 

 

 

「オレはレベル4の『ガンバラナイト』と『ガガガガードナー』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!光纏いて現われろ!闇を斬り裂く真紅の王者!!『H-Cエクスカリバー』!!」

遊馬の場にゴーシュから託された紅蓮の騎士が現れる!

 

 

『フッ…!来やがったな!』

 

「さらにオレは装備魔法『最強の盾』を『エクスカリバー』に装備!このカードを装備した戦士族モンスターは攻撃表示の時!守備力を攻撃力に加える!守備力は2000…攻撃力4000になる!」

 

『だが、まだ足りねぇ!俺のライフは削りきれない!!』

 

「まだだ!『エクスカリバー』の効果発動!ORUを全て使い!バトルの間攻撃力を2倍にする!攻撃力…8000だぁぁ!!」

最強の盾を装備したエクスカリバーが剣を振りかぶる!

 

 

(行け!遊馬─!!)

 

『おう!!かっとビングだ!!オレぇぇ!!「エクスカリバー」で「シャークフォートレス」を攻撃!必殺の霹靂!』

エクスカリバーから放たれた光の斬撃が鮫の巣を直撃…その一撃で凌牙のライフを削りきった…。

 

 

 

『たくっ…手間かけさせやがって…』

その敗北を…凌牙は満足そうに受け入れた…。

 

 

 

 

 

 

 

凌牙LP0

 

遊馬WIN!

 

 

 

 

「シャーク!大丈夫か!?」

 

(シャーク…遊馬が立ち直ったのは君のおかげだ、君には私から礼を言おう…ありがとう)

 

『たくっ…おめぇらは本当に手間がかかる弟弟子だぜ…礼を言うんなら父さんに言えよ…お前に発破かけろって言ったのは父さんだからな』

アストラルからの礼に凌牙は顔を背ける…しかし、その表情は優しい顔をしていた…。

 

 

(ふっ…君の事だ、遊海に言われなくともやっていたろうに)

 

『馬鹿野郎…そんな事は─』

 

「シャ、シャーク…!お前って奴は…グスッ…!」

 

『なっ…!?勝手に感動してんじゃねぇよ!?だからお前は…』

アストラルと凌牙のやり取りを聞いて遊馬は涙ぐむ、凌牙は必死に取り繕うが…真意は明らかだろう…。

 

 

 

(……観察結果、人とは時に気持ちを素直に出せない時がある…それはともかく、仲間とは良いものだ)

アストラルとは近くのビルに目を向ける…そこには凌牙と同じように遊馬に発破をかけに来たのだろうカイトの姿があった。

 

遊馬は仲間達のおかげで立ち直った…その道筋を照らすかのように空は晴れ渡ったのだった…。




〜おまけ〜



「ほら、早く病室に戻るぞ!父さんが心配してるからな」

「おう!もう1度遊海にバリアンの事聞かねぇと…」

「遊海さんの馬鹿ぁぁぁ!!」

「「へっ?」」
デュエルが終わり病室へと戻ってきた遊馬達…そこに耳をつんざくような声が響き渡る…。


「もう…遊海さんのバカバカバカ─!!いつもいつも心配かけてぇぇ…!!」

「…ごめんなさい…申し開きもありません…」

「うわぁ…」

「…遊馬の姉さんの叱り方も凄かったけど…母さんもなかなかやべぇな…」
遊馬達が恐る恐る病室を覗くとベッドの上の遊海が涙目の翠に丁度怒られているところだった…。



「あの、今回ばかりは…事故みたいな、もんなんだけど…」

「(涙目の圧力)」

「ごめんなさい本当にごめんなさいすいません反省してます」


「…なんだか入りづれえな…」

「…図書室で時間潰すか…いや、でもこの格好じゃ…」
翠のあまりの剣幕に入室を躊躇う2人…2人とも雨の中のデュエルのせいで服はビチャビチャになっていた…。


「あら、凌牙…いったい怪我人が何処に行ってたのかしら?」

「げっ、璃緒…!」

「これは…その…!」
そして追い打ちをかけるように遊馬達の後ろから璃緒が現れる…!


「さっき看護師さん達が探してたわよ?怪我人が病室を抜けだしたーって……ほとんど治ってるとはいえ、何を考えてるのかしら…!!母さーん!問題児2人が帰ってきましたわ!」

「「ちょっ!?」」
璃緒の言葉に思わず血の気が引く遊馬達…だが、彼らはもう逃げられない…。


「凌牙君、遊馬君……正座」

「「はい」」

「(ごめん、2人とも…動けない俺を許してくれ…)」


翠から3人への説教は1時間ほど続き、遊馬と凌牙は仲良く風邪をひいたそうな…。





(観察結果、怒った女性ほど…怖いものはない……どう思う?カイト)

「はぁ…自業自得だな」←お見舞いに来たもののタイミングを失ったカイト

《ガクガクブルブル…でアリマス…》←小鳥以上に怖い翠を見て震えるオービタル7

「遊馬…頑張って…!」←なんとなく状況を察して遊馬を応援するハルト

『決闘王の影には妻の支えあり…か』←感心しているDr.フェイカー
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