転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

バリアンとのデュエルで限界を超えてしまった遊海…彼が抱えていた不調とは…。

そして、遊海は残された時間で何を為すのか…?



それでは、最新話をどうぞ!


─最後の授業─

「NEXUSを使えるのが…あと『3回』…!?」

 

【ええ、貴方の切り札たる『絆の奇跡』…それを使えるのは3回だけです】

それはフレアを追って冥界に迷い込んだ時…オリジナルのラーの翼神竜から伝えられた…非情な宣告だった。

 

 

【現世での戦いで貴方の魂は砕かれ…復讐者の懴悔によって再生しました…しかし、その直後に貴方は魂に大きな負担をかける『絆の奇跡』を使った…それによって貴方の魂はとても不安定な状態です】

 

「………」

遊海は胸に手を当てる…確かに無理をした自覚はあった、だが…そこまでひどい状態とは思っていなかったのだ…。

 

 

【今の貴方の魂は…例えるなら少し罅割れた瓶に入った水…日常や多少の決闘なら問題なくできるでしょう】

ラーは神通力で近くにあった水瓶を持ち上げる。

 

【しかし…『絆の奇跡』を使い、魂に負担をかけ続ければ……】

 

バリーン! バシャ…

 

神通力で水瓶が砕け…溢れた水が地面に広がっていく…。

 

 

【…貴方は、死ぬ事になるでしょう…それもただの死ではありません、輪廻の輪から外れ…冥界にも、アストラル世界のような高位次元にも…何処にも行けず、()()する事になる…それが最悪の結末です】

 

 

『遊海が…死…消滅する、だと!?ラーよ!遊海を救う手立てはないのか!?』

ラーの言葉を聞いた海馬が声を荒らげる…友が死ぬどころか『消滅』する…それを聞いて黙っていられなかったのだ。

 

 

【今のは…あくまで最悪の結末です、解決策…いえ、対処法はあります…『絆の奇跡』を使わず、できる限り魂に負荷をかけない事です…可能ならば10年ほど…そうすれば魂の傷も治り、魂が消滅する事もないでしょう】

 

『な、なんだよ!簡単な事じゃねぇか!遊海はただでさえ強いんだ!そんなの楽勝だぜ!!』

 

『『……』』

城之内が安堵の声を漏らす…だが、海馬と遊戯の表情は晴れなかった…。

 

 

『凡骨…簡単な事であれば苦労はせん…』

 

『だぁぁ!冥界でも凡骨呼ばわりするのかよ!』

 

『黙って聞け!…いいか?遊海がこれから戦うのは「神」だ!それもダークネスや冥界の邪神のようなエセ神ではない!何万年も前から暗躍し、世界の理を書き換えるような権能を持つ正真正銘の「悪神」だ!!……いくら遊海が強者であっても…奇跡を使わず勝利するのは…無理がある…!』

 

海馬は生前、遊海からZEXALの物語を聞かされていた…絶望を希望で書き換える…そんな物語を…だからこそ、復活する「混沌の神」の恐ろしさを理解していたのだ…。

 

 

 

 

『遊海…既に死者である僕達では、君に何もしてあげられない…でも…僕達は信じてる、君が選んだ道が…最高最善の選択なんだって…!』

 

『遊海、忘れるな…お前は1人じゃない!オレ達がついてる!最後まで…諦めるな!』

 

「遊戯…アテム…わかってる!俺は諦めない…絶対に…!!」

 

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

「…ここは……」

遊海は見慣れた自室で目を覚ました、不思議と身体に痛みはない…あるのは身体を動かせない程の虚脱感と疲労感だけだった。

 

 

「…やっちまった…」

ぼんやりとした頭で遊海は途切れる前の記憶を思い出す、文化祭…洗脳された夏菜…NEXUSの開放…そして、謎のバリアンの乱入…。

バリアンに立ち向かおうとした遊海は肉体…魂の限界を超えてしまい気絶したのだ。

 

「…あと、『2回』…か…」

遊海は胸に手を当てる、それは死へのカウントダウン…あと2回、NEXUSを使えば…遊海の魂は…燃え尽きてしまうのだ…。

 

 

「……後悔は、しない…夏菜を…未来への希望を…護れた、なら……」

自分の状況から夏菜の無事を確信した遊海は…再び意識を手放した…。

 

 

 

 

 

 

 

『無茶したなぁ…遊海』

 

「…ユウスケ」

 

遊海の意識の底…深層意識、遊海はもう一人の自分──ユウスケと向かい合う。

 

 

『さっきの変身だけで…ほら、千年玉の罅割れがこんなに増えた…お前達の持つ千年アイテムは魂に直結してる…これが割れれば…(オレ)達は終わりだ』

ユウスケは手にした千年玉を弄ぶ…その罅割れは以前の倍ほどに広がっていた…。

 

 

「ごめん、あの時は…あれしか方法が思い付かなかった…」

 

『…勘違いすんな』ペチン!

 

「アダッ!?」

ユウスケに対して謝る遊海…その額にユウスケはデコピンを喰らわせる。

 

 

『別にNEXUSになった事に文句を言いたい訳じゃねぇ…使わなきゃ、遊星の孫に…その心に消えない傷ができる所だったからな』

 

「…すまん」

 

『…問題はそのあとだ…わかってんだろ?()()()()()()の正体は…?』

 

「…わかってる、アイツだけは…俺が…俺達で倒さなきゃならない相手だ…!!」

ユウスケの言葉に遊海は拳を握る…。

 

 

『わかってるならいい、おそらく…奴が我達の倒すべき()()()()()()だ、奴を倒せば…あとは我達の出番はないはずさ…精々、悔いの無いように過ごせ…』

 

「…ありがとう」

 

『ハッ…お前と別れて100年…たくさんの出会いと別れがあった、我は楽しませてもらったぜ…じゃあな、さっさと翠に謝ってこい』

ユウスケの皮肉と共に…遊海の意識は暗転した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「う…みど、り…」

 

「あ…!母さん!父さんが目を…!!」

 

「遊海さん!!」

遊海が目を覚まして最初に目にしたのは手を握り、心配そうな表情で座っていた璃緒の顔…そして璃緒の声で慌てた様子でやって来た翠の姿だった。

 

 

「ごめん…何日、寝てた…?」

 

「もう!丸4日ですよ…!!痛い所は!?」

 

「身体がだるい以外は、大丈夫…夏菜は、大丈夫か…?」

 

「はい!今、何があったのか説明しますね…」

翠から語られたのは事件の顛末…デュエル中に遊海が意識を失った事…攻撃が直撃する直前に翠が乱入してバリアンを撃退した事…夏菜は大きな怪我なく、十代の治療で完治してネオドミノシティに戻った…との事だった。

 

「そうか…よかった…」

翠から事件の顛末を聞いた遊海は安堵の声を漏らした…。

 

 

 

「…遊海さん、気付いてますか?…あの、バリアンは…」

 

「ああ…奴は、()()()()()()だ…間違いない…!」

ディヴァイン…それは遊海にとって因縁深い決闘者の1人である。

遊海は今までで3度、ディヴァインと相対した。

 

 

1度目はバトルシティ・レジェンドにおいて暴動紛いの事件を起こして遊海に制圧され…。

 

2度目は以前に捕まった事を根に持ち…翠を人質にとり、卑怯な手段で遊海に瀕死の重傷を負わせ…。

 

3度目でアメリカのマフィアとなり、アメリカ征服を企んだが…たまたまアメリカに居合わせた遊海によって野望を粉砕され、「マインド・クラッシュ」を受けた上でアメリカ警察に逮捕されたのだ。

 

 

 

「…あのテロ事件のあと、ディヴァインはアメリカの刑務所で亡くなった…と聞いたが…バリアン世界に転生していたのか…」

 

「…遊海さん…」

バリアン世界、それはアストラル世界と対を成す高次元世界…人間界とは敵対しているが…決して「悪」の世界ではない。

 

成り立ちは遥か数千年前、「魂のランクアップ」をひたすらに目指すアストラル世界から「カオス」と呼ばれる感情…簡単にいえば『欲』や『負』の心を持つ魂が追放され、形作られた世界である。

それ故なのか…人間界で非業の死を遂げた魂や欲深い人間が死した時、バリアン世界に流れ着いてしまう事があるのだ…。

 

 

「奴は…俺を酷く恨んでいた…そして夏菜を狙ったのは彼女が執着していたアキに似ていたから……奴は、俺が倒さなきゃならない相手だ…!」

 

「遊海さん…」

遊海は拳を握りしめている…その拳の中から血が流れるほどに…。

 

 

「決戦は…サルガッソ…奴は、必ず俺を狙ってくる…!」

 

「遊海さん…!私が…私が代わりに戦います!だから…だからこれ以上は…!!」

翠は遊海の身体を心配する…だが…。

 

「翠…ありがとう…でも、これは俺のケジメなんだ…っぐ!?」

 

「遊海さん!?まだ起きちゃ…!?」

遊海は翠の制止を聞かずに起き上がる…!

 

 

「次の戦いが終われば…俺は、()()()()()()()()()()…遊馬を、呼んでくれ…!」

遊海は憂いを無くす為に、立ち上がった…。

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

「なぁ、シャーク…遊海は大丈夫なのか?もう4日も眠りっぱなしなんだろ…?」

 

「ああ…傷とかは母さんと十代さんが治してくれたけどな…」

放課後…遊馬は凌牙、小鳥と共に白波家に向かっていた…。

 

(遊馬…気付いているか?)

 

「アストラル…?気付く?なんの事だ?」

皇の鍵から飛び出してきたアストラルが遊馬に問いかける。

 

 

(あの時…遊海が変身した『NEXUS』は…明らかに力が()()()()()()()

 

「えっ…!?でも、シャイニングドローも使って…デュエルにも勝ってるじゃねぇか!」

 

「いや…アストラルの言ってる事は正しいぜ、父さんは…弱ってる」

 

「シャーク…!?」

アストラルの言葉…さらに、それを肯定する凌牙の言葉に遊馬は驚く…。

 

 

「言葉じゃ上手く言えねぇ…でも、分かるんだ…!父さんは()()()()()()()()…!!」

それは凌牙が遊海と共に暮らしているからこそ、感じた事だった。

 

(私も同じ意見だ…彼があの姿になった時、とても苦しんでいるように見えた…彼は、何かを隠している)

 

「そんな…」

 

「遊馬…大丈夫よ!きっと遊海さんは疲れていただけよ!夏菜ちゃんもしっかり助けられたんだし!」

ショックを受けた様子の遊馬…小鳥はそれを宥めた。

 

 

 

「でも…あのバリアンの奴、いったい何者なんだ…?なんで父さんの事を…」

 

(確かに、翠は彼に見覚えがあるようだったが…)

 

「でも、許せねぇ…!疲れきってる遊海を襲うなんて…!卑怯だぜ!!次に会ったらオレがぶっ飛ばしてやる!!」

遊海を襲った謎のバリアンに対して怒りを燃やす遊馬…そんな時だった。

 

 

ピコーン!ピコーン!

 

 

「あっ…母さんから…もしもし!」

 

『凌牙くん!近くに遊馬君はいる?』

 

「ああ、父さんの見舞いに行きたいからって…一緒に家に向かってるぜ」

 

『ちょうどよかった!少し前に遊海さんが目を覚ましたの!それで…遊馬君に会いたいって…』

 

「それ本当なのか!?」

 

「わかった!すぐに行くぜ!!」

翠からの連絡を受けた遊馬達は急いで家に向かった…。

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「翠さん!遊海は大丈…へぇっ!?」

 

「父さん!?もう起きて大丈夫なのか!?」

 

「おう!よく来たな遊馬、そしておかえり凌牙…もう大丈夫だ、心配掛けたな」

白波家に着いた遊馬達が見たのはリビングのソファに座る遊海…だが、その姿はいつもと違っていた。

 

(その姿は…貴方の、決闘王としての姿…!)

遊海は普段使いの黒ジャケットではなく…自身の正装…赤帽子・赤ジャケットの姿だった…。

 

 

「遊馬…これから、お前への()()()()()を始める」

 

「えっ…!?」

ソファから立ち上がった遊海は遊馬を見つめながら、そう言い放った…!

 

 

 

 

 

『遊海…いや、先生!最後の授業って…いったいどういう事だよ!?』

 

「言葉どおりの意味だ、遊馬…これから俺と決闘(デュエル)してもらう」

中庭で向かい合う遊馬と遊海…遊馬は突然の事で動揺している…!

 

 

「遊馬、これからバリアンとの戦いは激しくなるだろう…その戦いの前に、俺がお前の()を見定める」

 

『心…?』

 

「遊馬、お前はこの決闘で…俺に()()()()()()()…全身全霊で俺に…『決闘王』白波遊海にかかってこい!!」

 

『ちょ、ちょっと待ってくれよ!!遊海はまだ病み上が──』

 

「…俺を舐めるな、遊馬!!」

 

ズン!!

 

『ぐっ─!?』

 

(この、重圧は…!?)

 

「なんて、殺気だっ!!」

 

「ひっ!?」

 

「小鳥さんっ、しっかり、息を吸って…!!」

遊馬…そしてその後ろにいた凌牙達に襲いかかるのは凄まじい重圧…遊海が歴戦の決闘者としての威圧感を開放したのだ…!

 

 

 

「…俺はこの世界をずっと守り、見届けて来た…!見せてみろ…お前達の力を!!…アヤカ!」

 

《…疑似スフィア・フィールド、展開!》

 

キィン─!

 

遊海の頭上に現れたアヤカを基点としたスフィアフィールドが遊海と遊馬を包み込む!

 

 

『なっ、スフィアフィールド!?』

 

「Dr.フェイカーにデータを提供して貰って…再現したスフィアフィールドだ、心配するな…訓練用にリアルダメージをカットする設定にしてある…さぁ、かかってこい!!」

 

『くっ…わかったぁ!!いくぜ、アストラル!』

 

(我々の成長の証…彼に見せるぞ!)

遊海の本気を感じた遊馬は…覚悟を決めて遊海へと挑む!

 

 

 

 

『「デュエル!!」』

 

 

 

遊馬LP4000

遊海LP4000

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『よし…!「ゴゴゴゴーレム」を召喚!』

単眼の青い石の巨人が現れる! ATK1800

 

『さらに!レベル4のモンスターの召喚に成功した時!「カゲトカゲ」は特殊召喚できる!』

巨人の影から黒いトカゲが現れる! ATK1100

 

『オレはレベル4の「ゴゴゴゴーレム」と「カゲトカゲ」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!』

 

39

 

『現れろ!「No.39希望皇ホープ」!!』

《ホープッ!!》

遊馬のエース…希望の戦士が雄叫びを上げる! ATK2500

 

 

『オレはカードを1枚伏せて、ターンエンドだ!』

 

遊馬LP4000

希望皇ホープ 伏せ1 手札2

 

 

 

「俺のターン!ドロー」

「『召喚僧サモンプリースト』を召喚!このカードは召喚に成功した時、守備表示になる!」

紫の法衣を纏った僧侶が現れる! ATK800→DEF1600

 

「『サモンプリースト』の効果発動!手札の魔法カード『手札断殺』を墓地に送り、デッキからレベル4『ジュラゲド』を特殊召喚!」

サモンプリーストの呪文によって鋭い爪を持つ悪魔が現れる! ATK1700

 

(レベル4のモンスターが2体…来るぞ!)

 

「俺はレベル4の『サモンプリースト』と『ジュラゲド』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

 

 

「現れろ!『No.∞』!俺の歩みし戦いのロード、今こそ未来を切り開け!『決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)』!!」

光の爆発と共に大剣が遊海の傍らに突き刺さる! ATK2500

 

「『決闘の守護者』の効果発動!エクシーズ召喚に成功した事で1ドロー!」

 

『遊海のナンバーズ…!』

 

 

「いくぞ遊馬!『決闘の守護者』で『希望皇ホープ』を攻撃!そして効果発動!ORUを1つ使い!バトルする相手モンスターの攻撃力を自身に加える!受けてみろ!勝利へ導く決着の剣(デュエル・カリバー)!!」

虹色の光を纏った大剣を掲げ、遊海が希望の戦士に斬りかかる! 

 

決闘の守護者ATK2500→5000

 

 

『やらせるか!「ホープ」の効果発動!ORUを1つ使い、攻撃を無効にする!ムーンバリア!』

無敵の盾が光の斬撃を受け止める!!

 

 

「俺はカードを伏せ、ターンエンド!」

 

遊海LP4000

決闘の守護者 伏せ1 手札4

 

 

 

『今の一撃…痺れたぜ…!やっぱり遊海は強えぇ…!』

 

(気をつけろ遊馬、遊海はどんな手で来るかわからない!)

 

 

『オレのターン!ドロー!!』

『このカードなら…!行くぜ!装備魔法「オーバーレイ・チェーン」を「ホープ」に装備する!その効果で「ホープ」のORUは相手の効果の影響を受けなくなる!』

ホープのORUが鎖状に変化する!

 

『そして…六十郎じいちゃん!これが本当の使い方なんだよな!!魔法カード「オーバーレイ・バレット」を発動!「ホープ」のORUを全て取り除き、1つにつき500ダメージを相手に与える!』

 

「くっ!?」

ホープのORUが弾け飛び、遊海のライフを削る! 

 

遊海LP4000→3500

 

 

『さらに装備魔法「オーバーレイチェーン」の効果発動!装備モンスターのORUが全てなくなった時!このカードを破壊して、カードを1枚ドローできる!』

 

(…そのカードは)

六十郎から託されたカードの真価を発揮した遊馬…ドローしたのは…!

 

 

『き、キタキタキタ─!!見せてやるぜ、オレの全力!!「RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース」を発動だ─!!』

 

「…来たか」

遊馬が発動したのは新たな力…ギラグから奪ったという、バリアンの力を宿したカードだった…!

 

 

 

『このカードは!「希望皇ホープ」をカオス化させ、ランクアップさせる!「希望皇ホープ」を素材にオーバーレイ・ネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!!』

ニュートラル体に戻ったホープが銀河に飛び込み、闇の爆発を起こす!!

 

39

 

『混沌の力纏いて勝利を目指せ!進化した勇姿が…今ここに現れる!現れろ「CNo.39」!「 希望皇ホープレイV」!!』

混沌の力を宿した希望皇…赫焉の覇王が現れる! ATK2600

 

 

『いくぜぇ!「ホープレイV」の効果発動!カオスORUを1つ使い!相手モンスターを破壊して、その攻撃力分のダメージを与える!V・ブレードシュート!!』

 

「マズっ…!ぐおおっ!?」

ホープレイVから放たれた炎の一撃が遊海の持つ大剣に直撃、爆発と共に遊海を吹き飛ばす!

 

遊海LP4000→1500

 

 

『これで、どうだぁ!』

 

「まだまだだっ…!『決闘の守護者』の効果発動…!俺のライフを1000払い、破壊されたこのカードを特殊召喚し、墓地の『サモンプリースト』をORUにする!」

紫色の魔法陣から大剣が復活する! ATK2500 ORU0→1

 

遊海LP1500→500

 

 

『いくぜ、バトルだ!「ホープレイV」で「決闘の守護者」を攻撃!ホープ剣Vの字斬り!!』

 

「っ…!『決闘の守護者』の効果発動!ORUを1つ使い!相手の攻撃力を自身に加える!」

大剣が虹色の光を纏う! ATK2500→5100

 

 

(今だ!遊馬!)

 

『おう!罠カード「燃える闘志」を発動!』

 

(このカードは「ホープレイV」の装備カードとなり、相手フィールドに元々の攻撃力より攻撃力がアップしているモンスターがいる時!バトルの間、攻撃力を倍にする!)

 

「なにっ!?」

赤き覇王が業火を纏う! ATK2600→5200

 

 

『いっけぇ!「ホープレイV」!ホープ剣バーニング・Vスラッシュ!!』

 

「くっ…!!勝利へ導く決着の─!?ぐああああ!!!」

炎を纏ったホープ剣と虹色の大剣が衝突…遊海の大剣がへし折れ、爆発する!

 

遊海LP500→400

 

 

『よっしゃああ!』

 

「ぐっ…やるな、遊馬…だが、俺がダメージを受けた事で、手札の『ガーディアン・スライム』は特殊召喚できる…!」

黒い犬のような頭を持つ巨大なスライムが現れる! DEF0

 

『オレはカードを伏せてターンエンドだ!』

 

遊馬LP4000

ホープレイV(燃える闘志) 伏せ1 手札0

 

 

 

「遊馬の奴…!ノーダメージで父さんを追い詰めやがった…!」

 

「すごい…!」

凌牙と小鳥は遊馬の成長に驚く…彼は精霊界での決闘からさらに実力を伸ばしていた…!

 

 

 

『どうだ遊海!これがオレの全力だぁ!』

 

「…強くなったな、遊馬…何回も何回も…俺にダメージを与えられないで負けていたのが嘘みたいだ…」

 

『遊海…!?』

遊馬は驚愕した、遊海が()()()()()のだ…どんな状況でも人前で涙を見せなかった…強き男が…。

 

 

「遊馬、忘れるな…お前の強さは1()()()()()()()()()()()()()()、小鳥ちゃん…アストラル…凌牙…カイト…お前が出会い、戦った決闘者達の思いが…お前を強くしてきた…その『絆』だけは…どんな状況になっても忘れるな!」

 

『遊海…おう!オレは忘れない!絶対に!!』

遊海の魂からの言葉…それを聞いた遊馬は声を張り上げて応える!

 

 

「それでいい…遊馬、強くなったお前に敬意をもって…俺は()()で戦う!!」

 

『えっ…!…おう!!かかって来やがれ─!』

その瞬間、空気が変わった。

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「俺は…このドローに全てを賭ける!魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキトップを10枚、裏側表示で除外し、2枚ドローする!」

 

(カイバーマンの使った…ギャンブルドローカード…!)

 

「いくぜ…ドロー!!…いくぞ!リバース罠『メタル・リフレクト・スライム』を発動!このカードをモンスターとして特殊召喚!」

トゲトゲのメタリックなスライムが現れる! DEF3000

 

 

『これでレベル10のモンスターが2体…!』

 

「まだだ!魔法カード『古の呪文』を発動!その効果により…『ラーの翼神竜』を手札に加える!」

 

『なあっ!?!?』

 

(神のカードだと!?)

遊海が手札に加えたカードを見て遊馬達は驚愕の声を上げる!

 

 

「そして俺はレベル10の水族・攻撃力0の『ガーディアン・スライム』をリリースする事でエクストラデッキから『(ゴッド)・スライム』を特殊召喚できる!さらに同じく『メタルリフレクトスライム』をリリースする事で2体目の『神・スライム』を特殊召喚!」

2体のスライムの形が崩れ、大地の神の姿を写したスライム達が現れる! ATK3000  3000

 

 

(な、なんだ!?このモンスター達は…!)

 

「フィールドから墓地に送られた『ガーディアンスライム』の効果!デッキから『ラーの翼神竜』の名を記した魔法・罠…『ゴッド・ブレイズ・キャノン』を手札に加える!そして俺は『神スライム』を3体分のリリースとして…『オベリスクの巨神兵』をアドバンス召喚!!」

 

《オオオオオオ─!!》

遊海の背後に黒炎が噴き上がる…その内より、青き大地の神…オベリスクが降臨する! ATK4000

 

 

『お、「オベリスクの巨神兵」─!?』

 

(馬鹿な!?遊海が持っているのは、「ラー」だけの…!?)

 

「さらに!『古の呪文』の効果により、俺は通常召喚に加えてアドバンス召喚を行なう事ができる!…せいれいはうたう…」

 

古代神官文字(ヒエラティック・テキスト)の詠唱…!』

遊馬達の動揺を尻目に遊海は祝詞を紡ぐ…!

 

 

「…『神スライム』を生贄に…現われよ!『ラーの翼神竜』─!!」

 

《キュアアアア!!》

天空の彼方から…金色の翼を持つ太陽神が降臨する!

ATK0→3000

 

 

『「ラーの翼神竜」…!!』

 

(デュエルモンスターズの伝説…三幻神が2体も…!!)

 

「と、父さん…!アンタ、いったい…!?」

 

「…何者、なんですか…!?」

失われたはずの伝説を前に、子供達は言葉も出ない…。

 

 

「魔法カード『貪欲な壺』を発動!墓地の『決闘の守護者』『サモンプリースト』『ジュラゲド』2体の『神スライム』をデッキに戻し、2ドロー!さらに『死者蘇生』を発動!『ガーディアンスライム』を特殊召喚!!」

再び黒いスライムが復活する! ATK0

 

「『ガーディアンスライム』をリリースする事で再び『神スライム』を特殊召喚!」

スライムが崩れ、再び大地の神の写し身となる! ATK3000

 

 

「魔法カード『二重召喚(デュアル・サモン)』を発動…その効果により、俺は追加で通常召喚を行える!!『神スライム』を生贄に…!降臨せよ!『オシリスの天空竜』!!」

 

《ギュアアアン!!》

地平線の彼方から赤き身体の龍…天空神オシリスが現れる! ATK0→2000

 

 

『三幻神が…揃った…』

 

《キュアアアア!!》

 

《ギュアアアン!!》

 

《グオオオオ─!!》

遊海の背後に集結する3体の神…それはまさに『神話の再現』のようだった…!

 

 

 

「魂に刻め、遊馬…決闘者が紡いだ歴史を…貫いた信念を!!」

 

『…でも、オレのフィールドには「燃える闘志」を装備した「ホープレイV」がいる…!「オシリス」の攻撃力がアップしてるから、攻撃力は「ホープレイV」が上回る!』

神を前に遊馬は怯まない…自分のモンスターを信頼し、遊海に向かい合う!

 

 

「良い目だ…遊戯もアテムも…十代も遊星も…伝説と言われた決闘者達も、窮地を前にお前と同じ目をしていた…遊馬、最後まで…俺に抗ってみせろ!!速攻魔法発動!『超電導波─サンダー・フォース』!フィールドに『オシリス』が存在する時!相手フィールドのモンスターを全て破壊する!『オシリスの天空竜』よ…全てを薙ぎ払え!サンダー・フォース!!」

《ギュアアアン!!》

 

『「ホープレイV」!?うわああああ─!?』

オシリスの大口から放たれた裁きの雷砲が赤き覇王を跡形もなく消し飛ばす!

 

 

「さらに、このカードを自分メインフェイズに発動した時、追加効果発動!この効果で破壊したモンスター1体につきカードを1枚ドローし、このターン俺は1回しか攻撃できなくなる!バトルだ!!『ラーの翼神竜』で遊馬にダイレクトアタック!」

 

(この攻撃を凌げば…勝機はある!遊馬!リバースカードだ!)

 

『おう!リバース罠発動!「墓地墓地の恨み」!相手の墓地にカードが8枚以上ある時!相手フィールド全てのモンスターの攻撃力を0にする!!』

遊馬の墓地から飛び出したデフォルメされた幽霊が神に取り憑くが…!

 

オシリスATK2000→0

 

オベリスクATK4000→0

 

 

『なっ…!?「ラー」の攻撃力が下がらない!?』

 

「進化し、成長しているのはお前だけじゃない…俺と『ラー』…フレアは『絆』によって新たな力を得た!今の『ラー』は相手のあらゆる効果を受けない!!」

 

『(なっ─!?)』

 

《我が願い…我が力はユウミと共に!!》

ラー…フレアの背中の光輪からクチバシへとエネルギーが集中する!

 

「さらに俺は速攻魔法『ゴッド・ブレイズ・キャノン』を発動!その効果によりこのターン、攻撃宣言をしていないモンスターを任意の数リリースし、そのモンスターの元々の攻撃力の合計分、『ラー』の攻撃力をアップする!!俺は『オベリスク』と『オシリス』を生贄に捧げる!ゴッド・ブレイズ・チャージ!!」

 

『なんだって!?』

オシリスとオベリスクが光の粒子となってラーに吸収される!

 

ラーの翼神竜ATK3000→7000

 

 

《…()()()

 

「…()()()()()、『ラーの翼神竜』の攻撃!ゴッドトリニティキャノン!!」

 

『う、うわああああぁぁ!?』

それはかつて、地球の闇『オレイカルコスの神』に放たれた神話の再現…闇を滅する一撃が遊馬へと放たれ…。

 

 

 

 

 

遊馬LP0

 

遊海WIN!

 

 

 

 

 

 

 

「…まったく…あんな危険な一撃をお前達に直接当てる訳ないだろう?」

 

『…あ…?』

放たれた神滅の一撃は遊馬を掠め()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()軌道で空へと消えていった…。

 

 

 

「ゆ、遊馬!大丈夫!?」

スフィアフィールドが解除されゆっくり降りてくる遊馬と遊海…いの一番に駆け寄ったのは小鳥だった。

 

『お、おう…!だ、大丈夫だぜぃ…』

 

「大丈夫じゃないでしょ…膝がガクガクしてるって…」

 

「遊馬…()()()()()?」

 

『えっ…?』

膝を震わせる遊馬へと遊海が歩み寄り、問い掛ける。

 

 

『…怖かった…だって、遊海も本気だし…フレアも本気だったし…』

 

(私も、同感だ…伝説に謳われる神の力…本当に凄まじいものだった…)

遊馬とアストラルは正直に答える…。

 

 

「…()()()()()、その恐怖を忘れるな遊馬、アストラル」

 

『恐怖を、忘れるな…?』

遊馬は遊海の言葉を繰り返す…。

 

 

「遊馬、アストラル…お前達は時代に選ばれた決闘者だ…時代に選ばれた者達は必ず…()()()()()()()()()()()

 

『最強の、敵…』

 

「そうだ…遊戯ならエジプトの大邪神…十代なら虚無の神、遊星なら遥か未来の英雄…伝説の決闘者達は最強の相手と戦い、その恐怖を乗り越えて来た…きっと、お前にもその時が来る…恐怖を乗り越え、勇気を持って戦う時がな…」

 

『遊海…』

遊海は遊馬の頭を撫でながら語りかける…。

 

 

「怖がってもいい…泣いてもいい…でも、絶対に()()()()()()…それが、俺が最後にお前に教える事だ…頑張れよ、遊馬…!!」

 

『遊海…!おう!オレは…絶対に止まらねぇ!!かっとビングだぁ!!』

 

「ああ…かっとビングだ!遊馬!!」

遊馬の元気な叫びが夕暮れの空に響いた…。

 

 

 

 

「さて…ちょっと、一眠りするかな…遊馬、小鳥ちゃん、気をつけて帰るんだぞ?」

 

「は〜い!」

 

『遊海!次は絶対に勝つからな!』

 

「……ああ、楽しみにしてるからな、遊馬」

遊馬達は遊海に見送られ家路についた…。

 

 

「凌牙、璃緒…もう少しで夕ご飯ができると思うから待っててくれ…ちょっと一眠りしてくる」

 

「うん、父さん…」

 

「…父さん」

 

『ん?どうした、凌牙』

2階に上がろうとする遊海を凌牙が呼び止める…。

 

「……いや、なんでもない!さっきのデュエル…すごかった」

 

「ハハッ…ありがとな凌牙…おやすみ〜」

 

 

「(…父さんは弱ってなんかなかった…俺の、思い過ごしだったんだな…)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…うっ、ゴボッ…!!」

 

《フォウ!フォウ─!?》

 

《マスター!なんて無茶を!!約束と違うではありませんか!!病み上がりで三幻神全てを使うなんて─!?》

部屋に戻った遊海はうずくまり、血を吐いていた…無茶をした代償が遊海の服を紅く染めていく…。

 

「今しか、なかった…俺が、全力で戦える…いましか…ゴホッ…!!」

 

《マスター……本当に、貴方はしょうがない人です…服を脱いでベッドに…すぐに治療します》

 

「いつも、悪いな…アヤカ」

遊海はベッドに力なく横たわる…。

 

 

《…ユウミ、ずっと気付いていましたか?》

 

「ああ…()()()()()()…ありがとう、合わせてくれて…」

遊海はフレアに感謝を伝える…デュエルの最後の一撃…あれは()()()に見られていた事を察知したフレアがその相手を狙って放った攻撃だったのだ…。

 

 

「戦いは…すぐそこか……待ってろよ、ディヴァ、イン…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【だああああ!?痛ッてぇぇ!!!あの死に損ないがああああ─!!!】

 

【ベクター様…あまり暴れないで下さい…傷を治せません…】

人間界某所…ベクターは苦悶の叫びを上げていた、遊海達の決闘を盗み見ていたのは…ベクターだったのだ。

フレアの不意打ちを避けきれなかったベクターは右腕に大ヤケドを負っている…。

 

 

【ベクター様、作戦は延期すべきでは…?】

 

【馬鹿な事を…!作戦を決行するなら今しかねぇ…あのチート野郎が完全復活する前に…奴らを一網打尽にする!!】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(遊馬、私は少し考えたい事がある…何かあったら呼んでくれ…)

 

『ああ、わかったぜ!』

遊海の家からの帰路…小鳥と別れ、アストラルも皇の鍵に入った遊馬は1人で自宅へと向かっていた…。

 

 

ピコーン!ピコーン!

 

『ん?真月から…?どうしたんだ?』

 

「ゆ、遊馬()()!助けてくっ、うわあああ!?」

 

『真月…!?どうしたんだ─!!』

 

 

 

 

 

 

最狂最悪の作戦は…遂に最終段階を迎えた…。

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