転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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注意 この回はアニメオリカが出ます、効果が不確かですのでよろしくお願いいたします。


遊海散る~仲間へ託す希望!~

 俺はアヤカに導かれついに小さな島にあるドーマのアジト「暗黒神殿」にたどり着いた、周囲は静かだが不気味な気配がする。

「トフェニありがとう!精霊世界に戻ってくれ…」

「御意…主殿、御武運を…!」

「ああ、ありがとう!…いくぞアヤカ…!」

「はい!マスター…!」

 

 

 

邪悪な力が流れている通路を進む、人の気配はないが…息苦しい…

「マスターこの先です、この先に三幻神の力、そしてたくさんの人々の魂の力を感じます…!」

「わかった…アヤカ、そうだ…これを持っていてくれ…」

「このカードは…?」

「お守りだ…」

「?はい…」

アヤカにあるカードを渡し…俺は歩みを早める。

 

 

薄暗い通路を抜けた先に広間が広がる、その壁や床には…無数の人達が石板に囚われていた。

昔のローマ風の服をきた男性、チャイナ服を着た女性、スーツを着た眼鏡の少年…、そして中央には三頭のヘビの石像がありその中にそれぞれ三幻神が納められていた。

 

そして広間の祭壇に近い壁にそれはあった…、表遊戯と城之内の封印された石板…、城之内は恐らく舞さんとデュエルし封印されたのだろう…今のうちに二人を…

「二人共…今助ける…!誰だ!?」

「さすがですね…異界からの転生者『白波 遊海』!」

「貴様…ダーツ!!」

俺の目の前には古代の服を着たドーマの首魁…ダーツがいた。

 

「まさか生け贄がそちらからやって来てくれるとは…東洋では『飛んで火に入る夏の虫』と、言うのでしたか…さぁ、お前の魂をオレイカルコスの神に捧げよう!転生者の強い魂は我が神にとって最高の供物となる!」

ダーツは決闘盤を構える。

「…マスター…危険です…!」

「大丈夫だアヤカ…俺は勝つ!」

 

 

 

 

      「「デュエル!!」」

ダーツLP 4000

遊海LP 4000

 

 

 

「私のターン!ドロー!」

ダーツから凄まじい殺気が放たれる…怖い…しかし弱気では駄目だ!

「漆黒の闇より生まれしカードよ!我に天命の力を!『オレイカルコスの結界』発動!」

発動と共に周囲の篝火が消え、ダーツの足下から緑の結界が広がる。

「そして現れろ『オレイカルコス・ギガース』!」

岩のような巨人が現れる。ATK 400→900

「さらにライフを500払い『オレイカルコス・キュトラー』を特殊召喚!」

ダーツLP 4000→3500

ウニのようなトゲをもったモンスターが現れるATK 500→1000

 

「私はこれでターンエンド!」

ダーツ LP3500

前衛ギガス 後衛キュトラー 結界 手札3

 

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「(アイツらの効果はなんだ…?アニメをもう一度見直すんだった…!)」

「デュエルディスク、リミッター解除!マスタールール3適用!俺はライトペンデュラムスケールに『クリフォート・ツール』をセッティング!」

遊海の右側に光の柱が立ち、ツールが現れる。スケール9

「さらに自分のライフを800払い『ツール』の効果!デッキから『アポクリフォート・キラー』を手札に!」

遊海LP 4000→3200

 

「そして手札からレフトペンデュラムスケールに『クリフォート・アセンブラ』をセッティング!」

遊海の左側に光の柱が立ち、アセンブラが現れるスケール1

「我が魂を守りし大いなる力よ!この身に宿り闇を祓え!ペンデュラム召喚!手札より『クリフォート・シェル』『クリフォート・アクセス』『クリフォート・アセンブラ』!」

 

ツールとアセンブラの開けた穴から巨大な機械が現れる。

ATK 1800

1800

2400

「それが異界の力…『ペンデュラム』ですか…!」

「さらにクリフォートモンスター3体を生け贄に!現れろ我が相棒!『アポクリフォート・キラー』!!」

三体のクリフォートが空に登り合体し、アポクリフォートキラーが現れる。 ATK 3000

【マスター!お任せを!】

「『キラー』の効果により特殊召喚されたモンスターの攻守は500下がる!『機殻の戦場』!」

キラーからの威圧によりキュトラーが弱る

ATK 1000→500

 

「さらに相手は場、手札からモンスターを1体墓地へ送らなければならない!」

「私は手札の『タイムイーター』を墓地へ!」

 

「バトル!『キラー』で『ギガース』を攻撃!『カタストロフ・レイ』!」

キラーから放たれた光がギガースを破壊する…しかし

ダーツLP 3500

「何!?ダメージが!?」

「『オレイカルコス・キュトラー』はあらゆるダメージを吸収する!」

キュトラー《2100吸収》

「さらに『ギガース』は元々の攻撃力を500上げて復活する!」

ギガースが復活するATK 900→1400→900

「くっ…ターンエンド!『アセンブラ』効果により生け贄にしたクリフォートの分ドローする、3ドロー!」

遊海LP 3200

キラー Lアセンブラ Rツール 手札 3

 

 

 

 

「私のターン!『ギガース』によりドローは出来ないが、このカードを発動する!

発動せよ第2の結界『オレイカルコス・デウテロス』!」

「何!?」

オレイカルコスの結界に二重の輪がかかる

「そして『オレイカルコス・ギガース』を召喚!」

ダーツの場にもう1体巨人が現れる ATK 400→900

 

「そして『デウテロス』の効果により自分の場のモンスターの数✖500回復する!」

ダーツLP 3500→5000

 

「バトル!『ギガースA』で『キラー』を攻撃!」

【不敬者!】

ギガースはキラーを攻撃するが、返り討ちになる。

3000vs900=2100

「そしてダメージは『キュトラー』が吸収する」

キュトラー吸収《計4200》

「さらにもう1体の『ギガースB』で『キラー』を攻撃!」

【しつこい!】

ギガースはまたキラーに破壊される。

「ダメージ吸収!」

キュトラー吸収《6300》

 

「そしてギガースは復活する!」

A ATK1300

B ATK900

 

「私はこれでターンエンド!」

 

ダーツLP 5000

前衛 ギガスA ギガースB 後衛キュトラー 手札0

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「現れろ!ペンデュラム召喚!エクストラデッキより『シェル』『アクセス』『アセンブラ』!」

再びクリフォートが展開する。

ATK 1800

1800

2400

「並び立て『アポクリフォート・キラー』!!」

ATK 3000

 

「ほう…」

キュトラーATK 500

ギガースa ATK 900

ギガースb ATK 400

 

「キラー2体の効果発動!」

「私は『ギガース』2体を墓地へ」

「バトル!『キラーb』で『キュトラー』を攻撃!『カタストロフ・レイ』!」

キラーの破壊光線がキュトラーを直撃する

「『キュトラー』が破壊される時その戦闘ダメージも吸収する!」

キュトラー吸収《計8800》

「フフフ、ハハハハハ!」

「何がおかしい!これでお前の場はがら空きだ!」

「それはどうかな?」

「何?」

「『キュトラー』よ!その真の姿を表せ!」

 

ダーツの声と共にキュトラーが砕け散る、そして破片から邪悪な煙が吹き出す。煙が集まるとその中から緑色の土偶のようなモンスターが現れる

「このモンスターは…」

「これこそは『キュトラー』の進化体!『オレイカルコス・シュノロス』!その攻撃力は吸収したダメージの数値で決まる…よって!!」

ATK 8800→7700

【攻撃力7700!そんな!?】

「攻撃力7700…」

アヤカが悲痛な声をあげる…今の手札では…対処ができない…

「さらに現れろ『シュノロス』の最強の剣と盾!右腕『オレイカルコス・デクシア』!左腕『オレイカルコス・アリステロス』!」

シュノロスから分離した右腕と左腕が前衛に出る

ATK 500

ATK 500

「俺は…これでターンエンド…『アセンブラ』効果で3ドロー…」

遊海LP 3200

キラー キラー 手札6

 

 

「私のターンドロー!…白波 遊海…言い残す事はあるか?」

「…俺が負けたとしても…遊戯や海馬が必ずお前を闇ごと打ち倒す…覚悟しておけ…!」

「ふっ…何を言うのだ彼らよりも心の闇が深き者よ」

「…何…?」

「気づいていない…いや…忘れているのか?なら封印する前にそれを思い出させてやろう、その方が供物に丁度いい…ハァ!」

 

 

ダーツが遊海に向かって手を翳す、すると遊海の頭に激痛が走る…まるで体が思い出すことを拒否するように…

「やめろ…ヤメテクレ…この記憶だけは…アアア!」

【マスター!?ダーツ!!マスターに何を!!】

「フフフ、思い出させてあげただけだよ…心の闇を!」

遊海の体から闇が溢れ包み込む、そして封じられし記憶が溢れ出す。

 

 

 

 

 

 

…あれは春美と別れて何年後だろうか…俺は引っ越し先の中学に進学した…その三年は地獄だった。

何がキッカケだったのだろう…いじめられていた女子を助けてからだろうか…いじめのターゲットは俺に移った、そこからは辛かった、カツアゲ、物隠し、リンチ…大体やられたか…その頃俺は一つの存在を自分に作り出した、後々知ったが「イマジナリーフレンド」と言うらしい。

その存在に俺の負の感情を全て託した…哀しみ、怒り、辛さ…あらゆる感情を彼に託した…まるで深く掘った穴に捨てるように、そうでもしないと耐えられなかった。そんな日々が続いた中、ついにその時は訪れた。

キッカケは遊戯王だった、学校にお守りに1枚だけカードを持ってきていた…『メガロック・ドラゴン』…春美に預けたカードの片割れだった、少しずつ記憶は薄れていたがそれだけが記憶に残っていた。

ある日カツアゲされた時、たまたま生徒手帳が落ち、中を見られカードを見られた…そして

 

びりびり

 

…その瞬間黒い感情が沸きだし意識がなくなった、いや…意識はあった、しかし現実味がなかった…気づけば周囲は血の海になっていた。

その後いじめが公になり、俺は正当防衛ということで注意で済んだ…しかし罪悪感からその記憶そして「彼」を忘れ去った…。

 

 

 

その後高校で良い仲間と出会い、完全に忘れたが…心の底にまだ「彼」がいたようだ…出てこようとする…絶対に出さない……出してたまるか…!!

 

遊海は自身から溢れる闇を徐々に抑え始めた、しかしそこに無情なる攻撃が迫る…

 

 

 

「そろそろ良さそうですね…『シュノロス』!『キラーb』を攻撃!」

シュロノスから放たれた光輪がキラーを粉砕する、その後ブーメランのように戻って来た光輪により遊海は吹き飛ばされ、結界に強く叩きつけられる

「…ガッ…フッ!!」

遊海LP 3200→0

 

ダーツWIN !

 

 

 

 

 

 

…気づけば俺はデュエルに敗北していた…ダーツめ…ワザワザ、トラウマを抉りやがって…。

 

結界の緑の光がゆっくり収縮する…俺はここまでか…。

「マスター!しっかりしてください!マスター!?」

「無駄だ精霊…彼は既に結界に取り込まれた…我が神への供物になるのだ!」

 

 

「(アヤカ…聞こえるか…?)」

「(マスター!?はい!)」

「(今から無茶をする…お前は俺がこれから渡すモノを持って逃げろ…)」

「(しかし…マスター!)」

「(頼む…お前にしか…頼めない…!)」

「(…わかりました…命令を実行します…)」

「(よし…いい子だ…)」

 

 

 

「さぁ我が神よ供物を…!」

「千年玉よ!!俺に一時の力を!!どりゃぁぁ!!」

突如目を覚ました遊海の渾身の一撃により結界の壁が砕け散る

「何!?貴様…逃がさぬ!!」

結界が俺に迫る…次に捕まったら終わりだ…しかしその前に!!

「うおりゃっ!!」

俺は遊戯と城之内の封印されている石板に腕を突っ込む、腕は石板を砕かず通り抜け…

「アヤカ!これを持って逃げろ!!!」

突っ込んだ腕を引き抜き、引き抜いた手に掴んだ二つの光る玉をアヤカに投げ渡す!そして…

「『強制脱出装置』!起動!!」

「そんな!…マスタァァァァー!!!?」

同時にアヤカに持たしていたカード、「強制脱出装置」を発動させアヤカを離脱させる…これで俺の役割は果たせた…かな…

 

 

「くそッ、貴様!!選ばれし魂を!?」

「へっ…人間の心の光を舐めるな…」

 

緑色の光が俺に迫る…使命は果たした…悔いは無い。

あとは頼んだぞ…遊戯!!…そして翠…すまない…やはり約束は…

 

 

遊海の意識はそこで途絶える。

あとに残されたのは遊海の肉体、そして図柄の消えた石板、そして新たに帽子を被った男が描かれた石板だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

闇遊戯は三銃士最後の一人・ラフェールに勝利し彼から提供された情報によりドーマの本拠地に向かっていた。

その中アメリカ海軍の協力により近くまで送ってもらっている。

『ダーツ…貴様を許さない…絶対この手で…』

「…ぎ様…」

『?なんだ…声が?』

「ゆうぎ…さま…」

『部屋の前で誰かが呼んでいる?』

遊戯は部屋の扉をあける…そこには 

「遊戯…様…」

『お前はアヤカ!どうしてここに!』

ドアの前にいた…落ちていたのは遊海の精霊…アヤカの姿だった、しかしその機体はボロボロでコアが明滅している…

「遊戯…様、マスターから…託された…モノです…お渡ししま…す。」

するとアヤカから光の玉が飛び出し一つは隣の部屋、もう1つは遊戯に吸収された…すると

「もう一人の僕!!」

『相棒!?なぜここに!?』

それはドーマに囚われているはずの表遊戯の魂だった、そして

「遊戯!城之内が目覚め…アヤカちゃん!?どうしたの!」

杏子が城之内が目覚めた事を伝えた…それと同時に遊戯の抱くアヤカが目に映り駆け寄る

『相棒…一体何が…』

「僕もわからないんだ…気付いたらアヤカさんと一緒にいて…」

『アヤカ!何があった!…遊海は…マスターはどうした!』

「おい!何の騒ぎだ!…これは…」

騒ぎを聞いて海馬も現れる。

 

「マスターは…単身で…ドーマの本拠地に…乗り込みました、そこでダーツに遭遇…デュエルを行いました…」

『なんだって!?』

「マスターはダーツに敗北…結界に取り込まれる寸前、最後の力で結界を破壊、私はお二人の魂を預かりマスターに逃がされました。」

『…遊海は…』

「恐らくは…」

「そんな…あの遊海くんが…負けた?」

『遊海…一人で…』

「…白波…一人で先走りおって」

「マスターの最後の思考は…『あとは頼んだぞ!遊戯!!』で…す。」

そう言うとアヤカのコアが明滅を停止する…システムダウンしたようだ…

「…遊戯、今二人の魂って…」

「…ただいま杏子…心配かけてゴメン!」

「遊戯!いつもの遊戯なのね!よかった…!」

表遊戯と杏子は久しぶりの再会を喜んだ、しかしそれと引き換えに遊海はダーツに囚われてしまった、闇遊戯はダーツへの怒りを確かなものにする。

 

 

 

『遊海は自分の魂を懸けて相棒と城之内君を助けてくれた…今度は俺達の番だ!』

 




これにて『遊海』は一旦退場になります、しばらくは遊戯視点、アヤカ視点、城之内視点でお送りします。

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