転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんばんは!S,Kです!

ついに始まる遊馬とベクターの決戦の戦いの果てに遊馬達が掴むものとは…?


それでは、最新話をどうぞ!


サルガッソに響く嘲笑─真の絆─

「う、イタタ…みんな、大丈夫…?」

 

「は、はい…ウィンダさん達が、風のバリアを張ってくれたおかげで…」

 

「ひ、ひどい目にあったウラ〜…」

 

《ファウ〜…》

 

ブラックホールに飲み込まれてしまった遊馬一行…飛行船内に残っていたメンバー達は目を回してしまったものの、なんとか無事だった…。

 

 

「オービタル7、遊馬君達は…!」

 

《ウゥッ…飛行船外に、5人分の生命反応を感知…モニターに映すでありマス!》

オービタルがモニターに船外の様子を映し出す…そこは一言で表すならば『船の墓場』…朽ち果てた空母や大型船がうち捨てられた異界だった…。

 

 

「遊馬!シャーク!」

 

《カイト様!》

 

「鉄男!璃緒さん!」

そして外の様子を見たオービタルや小鳥が声を上げる…遊馬達は外の空母や船の残骸の上で倒れ込んでいた…。

 

 

「遊海さんがいない…!?」

 

《ミドリ、ユウミはアゴール…ディヴァインによって連れ去られてしまいました…!》

 

「フレアさん!」

必死に遊海を探す翠に声をかけたのは…小鳥状態に戻ったフレアだった、ブラックホールに飲まれた影響で体が傷付いてしまっている…。

 

《一瞬の隙を突かれました…アヤカが既に捜索に向かっています…それよりも、今は…》

 

「っ…!ベクター…!」

フレアがモニターへと目を向ける、そこには遊馬とアストラルに相対するベクター、凌牙と向かい合うドルベ、カイトと火花を散らすミザエルの姿があった…!

 

 

「(遊馬君…どうか、闇に…狂気に負けないで…!遊海さん…どうか無事でいて…!)」

 

《フォウ…》

翠はその様子を祈る思いで見つめるしかなかった…。

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

 

(遊馬…しっかりしろ…!目を覚ませ!)

 

「うっ…アスト、ラル……ここは…!?」

気を失っていた遊馬はアストラルの呼び掛けで目を覚ました、周囲を見回せば…そこは「船の墓場」のような異世界だった…。

 

 

(ここが何処なのかはわからない…だが、バリアン世界ではないのは確かだろう…!だが、この場所は何か()()()を感じる…!)

未知の世界に警戒を強めるアストラル…そこへ…ついに、悪魔が現れる…!

 

【待っていたよ、九十九遊馬…!よぉうこそ!「サルガッソ」へ!お出迎えは楽しんでもらえたかなぁ…?】

 

「お前は…ベクター!!」

遊馬の立つ空母の反対側…そこに、紫のローブのバリアン・ベクターが現れる!

 

 

【ここは異世界の墓地・サルガッソ…我々の戦いの舞台…そして貴様達が最期に見る場所さぁ…!】

 

「っ…!ベクター!真月は…真月は何処にいる!!」

『墓地』という言葉にたじろいだ遊馬だったが…ベクターに真月の行方を問いただす…。

 

【クフッ…フフフッ!そんなに会いたいかぁ?なら、会わせてやるよぉ…!大事なオトモダチになぁ…!】

 

「っ─!?真月!!」

ベクターは笑いながら指を鳴らす…するとベクターの足元に粒子が集い、倒れ伏した真月が現れたのだ…。

 

 

「真月!しっかりしろ!返事をしてくれ!!」

真月へと叫ぶ遊馬…だが、真月はピクリとも動かない。

 

「ベクター…てめぇ…真月に何しやがったぁ!!」

 

【ヒヒヒ…!お前のオトモダチは…もう2度と!目を覚まさねぇよ…!残念だったなぁ!ギャハハハハハ!】

 

「嘘だ…ウソだ…うそだぁぁ!!!!」

それはベクターの残酷な宣告…その言葉を聞いた遊馬の中で…()()()()()()

 

「真月…しんげつぅぅ─!!」

過ぎるのは真月とのたくさんの思い出…遊馬の悲しみの絶叫がサルガッソに響き渡った…。

 

 

 

Side out

 

 

 

 

「遊馬…」

遊馬から少し離れた廃墟の上…ベクターと遊馬のやり取りを見ていた凌牙は拳を握り締める…だが、その凌牙の前に現れる者がいた…!

 

 

『お前が…神代凌牙か?』

 

「なんだ、てめぇは…?」

凌牙の前に現れたのは白いローブのバリアン・ドルベだった。

 

 

『我が名はドルベ…お前をデュエルで倒す者だ…』

 

「…お前か、父さんを不意討ちしやがったバリアンは…!」

 

『…そうか、お前が白波遊海の息子か…彼は息災か?』

 

「父さんと俺達を分断しておきながら…!てめぇは絶対、ブッ倒す!!」

遊海の仇ともいえるバリアンを前に…凌牙は鋭い目付きでドルベを睨みつけた…。

 

 

 

 

『久しぶりだな、カイト…!』

 

「…ミザエルか」

同じく、廃墟の上で遊馬の様子を見つめていたカイトの前にミザエルが現れる…!

 

 

『今日こそ…真のギャラクシーアイズ使いを決める時だ!』

 

「望むところだ…!」

2体のギャラクシーアイズを操る2人…その因縁がついに衝突する…!

 

 

 

「許さねぇ…絶対に、許さねぇぇ!!ベクタァァァッ!!!お前を必ず、叩き潰してやる!!」

 

【やってみろよぉ…!ギャハハハハハ!!】

真月を失い、今までにない激情を見せる遊馬…ついに、ベクターとの決戦の時…!

 

 

 

 

「「「【『『デュエル!!』』】」」」

 

 

 

デュエルダイジェスト

 

 

遊馬対ベクター

凌牙対ドルベ

カイト対ミザエル

 

 

 

 

39

 

32

 

 

「来い!『No.39希望皇ホープ』!」

 

「吠えろ!『No.32海咬龍シャーク・ドレイク』!」

 

「現れろ!『輝光帝ギャラクシオン』!」

同時並行で始まった三勇士とバリアンのデュエル…遊馬達はそれぞれにエースモンスターや布石の為の『エクシーズモンスター』を召喚する…だが、それは…─。

 

 

【ククク…!馬鹿な奴らめ…!フィールド魔法『異次元の古戦場サルガッソ』の効果発動!エクシーズモンスターを特殊召喚したプレイヤーに500ダメージを与える!!】

 

ビリビリ…ピシャアアン!!

 

「「「ぐああああ!?」」」

 

(遊馬─!?)

 

「凌牙!!」

 

《カイト様!!》

エクシーズモンスターを召喚した遊馬達に雷が降りそそぐ…遊馬達は既に、ベクターの罠に落ちていたのだ…。

 

 

 

【ククク…この場所には既にフィールド魔法『異次元の古戦場サルガッソ』が発動していたのさぁ…!】

 

(卑怯な真似を…!)

遊馬達の戦う舞台「サルガッソ」、そこはまさにエクシーズ封じのフィールド…エクシーズモンスターを特殊召喚する度に500ダメージ、さらにエンドフェイズにエクシーズモンスターがいれば…さらに500ダメージを受けてしまうのだ…!

 

 

「なるほどな…常にダメージのリスクを伴うデュエルか…」

 

「面白れぇ事…するじゃねぇか…!」

 

「ふざけやがって…!どんな罠があろうが…オレは必ずお前をブッ倒す!!」

冷静に「サルガッソ」の攻略を見据えるカイトと凌牙…だが、遊馬だけは…真月を失った事で冷静さを欠いていた…。

 

【ヒヒヒ…そいつァ楽しみだぁ…なぁ?お前も応援してやれよぉ、し・ん・げ・つくんよぉ!!】グリグリ

 

「てめぇ!!やめろぉぉ!!!」

 

(ッ─!落ち着け、遊馬!)

遊馬の心を逆撫でるようにベクターは真月の頭を踏みにじる…思わず飛び出そうとした遊馬だったが…アストラルが必死にそれを押し留めた…。

 

(怒りに身を任せれば…奴の思うツボだ…!)

 

「くっ…そぉ!!カードを伏せてターンエンドだぁ!!」

 

「カードを伏せ…ターンエンド…!」

怒りを押さえ込みながらターンを終えた遊馬と凌牙…だが…

 

ビリビリ…ピシャアアン!!

 

 

「「っあ"あ"あ"あ"…!!」」

エクシーズモンスターを主軸とする2人は「サルガッソ」の効果でダメージを受けてしまう…だが、この男だけは…一味違う!

 

「闇に輝く銀河よ!希望の光となりて我が下僕に宿れ!光の化身…ここに降臨!現われろ!『銀河眼の光子竜』!!」

カイトは「ギャラクシオン」の効果により、自身のエースである「光子竜」を呼び出す…ダメージこそ受けてしまうが…後の布石を繋いだ…!

 

 

 

【クヒッ…!仲良く同じダメージとはなぁ…!次は俺様のターンだぁ!】

 

 

 

  104

102  107

 

 

 

【いでよ!『No.104』!その眩き聖なる光で愚かな虫ケラ共を跪かせよ!『仮面舞踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング』!】

 

『来い!「No.102光天使(ホーリー・ライトニング)グローリアス・ヘイロー」!!』

 

『宇宙を貫く雄叫びよ…遥かなる時を遡り、銀河の源より蘇れ!!顕現せよ!そして我を勝利へと導け!!「No.107」!!「銀河眼の時空竜」!!』

 

続いて現れるのはバリアンの切り札・オーバー・ハンドレット・ナンバーズ達…黒き時空の竜王…天使の騎士…そして仮面を着けた舞踏士を呼び出す…そして「サルガッソ」の効果が炸裂する刹那…!

 

 

【俺は速攻魔法『サルガッソの灯台』の効果発動!効果ダメージを無効にし、墓地にある限り「サルガッソ」の効果によるダメージを受けなくなるぅ!!】

 

(くっ…!やはり防衛策を…!)

ベクターとドルベは「サルガッソ」のダメージを防ぐカードを用意していた…なお、ミザエルだけはカイトと対等に戦う為に「サルガッソの灯台」を使用していない…。

 

 

【バトルだぁ!「シャイニング」で「希望皇ホープ」を攻撃!】

 

「『ホープ』の効果発動!ムーンバリア!!」

攻撃を仕掛けるベクターに対し、遊馬は無敵の盾を発動する…だが…!

 

 

【馬鹿め!「シャイニング」の効果発動!ORUを1つ使い!バトル中に発動した効果を無効にするぅ!】

 

「なにっ─!?」

シャイニングが手にしていたリングを投擲…ホープの守りを弾き飛ばす!

 

【さらにさらにィ!豪華特典として800ダメージをプレゼントだぁ!】

 

「っぐああああ!!」

さらにリングは遊馬に直撃…体を弾き飛ばす!

 

 

【まだだぁ!「ホープ」の効果は無効となったぁ!「シャイニング」の攻撃は続行だぁ!】

 

「罠発動!『ハーフ・アンブレイク』!戦闘破壊を無効にし、受けるダメージを半分にする─!!」

ダメージを受ける刹那、泡のバリアが遊馬のダメージを半減させる!

 

【おやおや…しぶといなぁ…!まぁ…()()()()()()()()()()()()()()()がなぁ…!カードを伏せて…ターンエンドォ!】

ダメージを最小限に抑えた遊馬…だが、遊馬は気付いていない…既にベクターの作戦に乗せられている事を…。

 

 

 

「っ…見てろぉ!必ずお前を、この前と同じように叩き潰してやる─!!」

 

(遊馬!落ち着け!冷静になるんだ!)

 

「オレは、オレは絶対に勝つ!勝って真月の仇を…!!」

 

(怒りに飲まれるな!遊馬─!!)

 

パシン!!

 

「っあ…!?」

真月を守れなかった罪悪感…そしてベクターへの怒りに飲まれる遊馬にアストラルの張り手が炸裂する…!

 

 

(…遊馬、君は1人ではない…!私がいる、シャークもカイトも…仲間達がいる!全てを1人で抱え込むな!)

 

「アストラル……ごめん、熱く、なり過ぎた…」

 

【チィ…!】

アストラルの張り手と言葉で遊馬は一時的に落ち着きを取り戻す…その様子を見たベクターは忌々しげな表情を浮かべ…遊馬を潰す為の一手を打つ…!

 

 

【チッ…白波遊海のせいで心が強くなってやがったか…だがよぉ…これを見て、耐えられるかなぁ…?】

 

キィン─!

 

(なっ─!?)

 

「ゆ、遊海─!」

 

「父さん!!」

ベクターが指を鳴らし、その背後にモニターが現れる…そこに映し出されていたのは…別の場所で骸骨の怪人と戦う遊海の姿だった…。

だが…その遊海は傷だらけ倒れ伏し、苦しげな表情を浮かべていた…!

 

【ギャハハハ…!アゴールの奴も上手くやってるなぁ…!何が最強の男だ?あんなボロボロになってよぉ…情けないなぁ!ギャハハハハハ!!】

遊馬達は知らない、遊海もまた罠に嵌められ、劣勢を強いられている事を……過去からの復讐鬼を相手に必死に戦っている事を…それを嘲笑うベクターを見た時…。

 

 

──プツン──

 

 

ベクタァァァ!!

遊馬の中で張り詰めていた糸が一気に引き千切れた…!

 

 

 

 

39

 

 

 

「今こそ現われろ!『CNo.39』!『希望皇ホープレイV』!!」

遊馬が引き当てたのは真月の形見『リミテッド・バリアンズ・フォース』…遊馬は激情のままに『ホープレイV』を呼び出す!

…だが、アストラルは気付いていた…ベクターが()()を狙っている事を…だが、怒りに飲まれた遊馬は聞く耳を持たない─!

 

【現れたなぁ!『ホープレイV』…!だが、『サルガッソ』の効果で500ダメージだ!】

 

ビシャーン!!

 

「っぐ─!!『ホープレイV』の効果発動─!」

サルガッソの雷を受けてしまう遊馬…だが、その痛みを無視し、ホープレイVの効果を発動させる!

 

 

「カオスORUを1つ使い!フィールド上のモンスター1体を破壊し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!!『シャイニング』をぶった斬れ!ホープ剣Vブレード・シュート!!」

 

【ぐおっ…ぐあああぁぁぁ!?】

シャイニングが効果を無効にできるのはバトルフェイズのみ…それをわかっていた遊馬は全身全霊…初めて他人を害するつもりで「精霊の力」を使い、ベクターを斬り飛ばした…!

 

 

 

 

Side翠

 

 

 

「やっ、やったウラ!『ホープレイV』の効果が決まったウラー!!」

 

「トドのつまり!これでダイレクトアタックを決めれば遊馬君の勝ちです!!」

飛行船からデュエルを見守る徳之助と等々力が歓声を上げる…だが…。

 

 

《いけません…!遊馬は完全に怒りに飲まれています…この揺り戻しが来たら…!》

 

「ダメ…!ベクターの思うツボになっちゃう…!!」

状況をみていたフレア…そして遊海の痛ましい姿を見て心を痛めていた翠が遊馬を見つめる…画面の中ではベクターが消え去ってしまい、困惑する遊馬とアストラルの姿があった…。

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「どういう事だ…!?ベクターが、消えちまった…!?」

 

(まさか、今の一撃でベクターを消し飛ばしてしまったのか…!?)

 

「そんな…じゃあ、このデュエルは……」

ホープレイVの効果による煙が晴れた先…そこにベクターは()()()()()…精霊の力を込めた一撃で不安定だった「サルガッソ」が揺らぎ、ベクターを飛ばしてしまった…とアストラルは分析した。

 

 

「…ベクターを倒しても、真月は帰ってこねぇ…帰ってこねぇんだ…!!チクショオオオ!!」

仇敵・ベクターを倒した遊馬の心を支配したのは『虚しさ』だった…ベクターを倒しても、真月は帰って来ない…それをわかっているからこそ、遊馬は叫ぶしかなかった…。

 

 

 

 

 

『…ありがとう、遊馬クン…』

 

 

 

「えっ…まさか…!?」

遊馬の叫びが響くサルガッソ…そこに、小さな声が静かに響く…それは、死んでしまったと思われた真月の声だった…!

 

「真月…!生きてたのか!!良かった…よかったぁぁ!!」

真月はゆっくりと起きあがる…涙ながらに喜んだ遊馬は

真月に駆け寄ろうとする…だが、それは…。

 

 

『くくく…!なぁぁんちゃってぇ…!

 

 

「えっ…!?」

起きあがった真月…だが、その様子は遊馬達が知るものと違っていた…彼らの知る真月は…こんなに邪な笑顔をする者ではなかった…!

  

 

『あ〜…可笑しくって腹が痛いわ〜!オモシロイ奴だなぁ、お前…ほんと〜に()()の事を…トモダチだと思ってたなんてなぁ!!』

 

「し、真月…!何を言ってるんだよ…!?」

態度が豹変した真月…その姿を見て困惑する遊馬…そして、ついに()()が姿を現す!

 

 

『なら、見せてやるよぉ…!もっとオモシロイモノをよぉ!!バリアルフォーゼェ!!

 

「「「なっ…!?」」」

赤紫のエネルギーを纏った真月が力を開放し、姿が変わる…背中にはシャツを突き破り紫の翼が、そしてその姿も悪魔のような黒き異形へと変わっていく…その姿は先程まで戦っていたベクターそのものの姿だった…!

 

 

 

「べ、ベクター!?き、貴様…真月に化けてたのか!?本物の真月はどこだぁ!!」

 

【真月ぅ…?ホンモノォ…?誰それ?オレ、ベクタァ…!鈍いなぁ…九十九遊馬…!】

姿を現したベクターを問い詰める遊馬…だが、その答えは残酷なものだった…。

 

 

()()()()()だったんだよぉ…!】

 

「なっ!?でも、さっきまでベクターはオレと戦って…!?あの時も真月とお前は…同じ場所にいた!!」

 

【まだわからないのかぁ?この前デュエルした『俺』と今までデュエルしてた『俺』は…オレが生み出した()()だったんだよぉ!!本物のオレはお前の親友『真月零』に化けていたのさぁ!ギャハハハハハ!!】

それが真月…否、ベクターの真実…真月零はベクターの人間体であり…遊馬を油断させる為に、ずっと人間界に潜伏していたのだ…。

 

 

【じゃんじゃじゃーん!今明かされる衝撃の真実ぅぅ!いや〜…本当に苦労したぜぇ…マヌケな転校生を演じて…白波遊海に正体を見破られないように、街で騒ぎを起こして撹乱して…お前につまらねぇ協力までしてさぁ!!】

ベクターは自身の悪行を笑いながら暴露する…それを聞いた遊馬達は…。

 

 

 

(……遊馬、()()()()()()()()()…前もって聞かされていなければ…私は、君を信じられなくなっていただろう…!)

 

「…ごめん、アストラル…!オレ…騙されてたなんて…!!」

 

【ん〜?おやおやぁ?アストラルに真月の事話したなぁ〜?ひどいなぁ遊馬クン…!ボクとの約束破るなんてぇ〜!!】

アストラルと遊馬の反応を見たベクターは真月の声色で遊馬を嘲る…。

 

実は遊馬、遊海に真実を話した後にアストラルにも真実を話していたのだ…無論、真月がバリアン警察である事や「RUM」を渡されたのも真月からである事も…それ故にアストラルは遊馬が騙されていた事を信じる事ができたのだ…。

 

 

【半分は失敗かぁ…?でも、楽しかったぜぇ!お前との友情ごっこォ!ヒャハハハハハハ!!】

 

「でも、嘘だ…!お前が真月な訳ねぇ…!!アイツは人を騙すような奴じゃねぇぇ!!」

遊馬を嘲笑うベクター…だが、真実を聞かされてなお、遊馬は()()を信じていた…彼と過ごした数ヶ月…遊馬は心から真月を信頼していた。

 

…その真実が判明するのはまだまだ先の事…この場にいるベクターは「邪悪」そのものである…!

 

 

「ベクター…お前は、許さねぇ!!『ホープレイV』でダイレクトアタック!!」

怒りに震える遊馬はベクターに斬りかかる…だが…!

 

【本当にヤサシイなぁ遊馬ぁ…優しいからこそ、立派なカモになるんだよォ!!永続罠『Vain-裏切りの嘲笑』を発動!『V』と名のつくモンスターが攻撃してきた時!その攻撃と効果を無効にする!さらにさらに!相手のデッキにある『V』カードを全て墓地に送り!さらに墓地に送られた『V』カード1枚につきオレのライフを500開放するぅぅ!!】

 

(なっ…!?遊馬!『V』カードは抜いておいた方が良いと言ったはず!)

 

「ご、ごめん─!!」

攻撃を仕掛けた遊馬のデッキから5枚のカードが飛び出し、墓地に送られる…遊馬から真月の真実を聞かされたアストラルは遊馬のデッキを検めた…その中には強力な『V』のカードがあった…。

嫌な予感を感じたアストラルは遊馬にカードを抜くように指示していたが…真月との友情を信じていた遊馬は…カードを抜く事ができなかったのだ…。

 

 

【さらにさらにィ!墓地に送られたVカード1枚につき、相手のデッキのカードを5枚…つまり25枚墓地に送る!!そして墓地に送られたVカードを含めればぁ…30枚だぁ!!】

 

「オレのデッキが─!!」

 

(デッキ破壊─!!)

遊馬のデッキが墓地に送られていく…残りのデッキ枚数は…僅か3枚となってしまった…!

 

 

 

【人思いにはやらねぇ…ジワジワとお前は苦しむんだよぉ!!】

 

(ドローできなくなった時…それは、デュエリストの敗北を意味する…!わざわざ自分の分身を用意してまでデュエルしていたのは…この為だったのか…!)

 

【その通り…!お優しい遊馬の事だから…『友情のカード』は必ずデッキに入れると思ったぁ…そして真月がオレに殺られたと見せかければ、頭に血が昇って…一気に『ホープレイV』を出してくると思ったのよぉ!ギャハハハハハ!!】

ベクターの回りくどく、悪質な作戦にアストラルは拳を握り締める…遊馬の心を玩び、裏切る…なんと卑劣な作戦だろうか…!

 

 

【さぁ…!残り3枚のデッキで足掻いてみせろよ!どのみち、お前達は生きて戻る事はできねぇ!全てお前が招いた結果だ!遊馬ァ!!】

 

「オレが…オレがみんなを巻き込んだせいで…!」

傷付いた遊馬の心をさらに追い詰めるベクター…遊馬の心は壊れてしまう寸前だった…。

 

 

 

 

そしてベクターは遊馬を執拗に追い詰める…ベクターは「仮面舞踏士シャイニング」を復活させ、その効果で遊馬のデッキを削り、残り2枚…残りライフは僅か1100…どちらにしても残り3ターンで遊馬は敗北する事になる…。

 

さらにそれぞれに戦う凌牙とカイトもドルベとミザエルに追い詰められていた…!

 

 

 

Side凌牙

 

 

32

 

 

『現われろ!「CNo.32」!暗黒の淵より目覚めし最強の牙よ!「海咬龍シャーク・ドレイク・バイス」!』

ドルベと戦う凌牙はついに自身の切り札…『シャークドレイクバイス』を呼び出す!

 

 

「まずい!また『サルガッソ』の効果でダメージが!!」

 

「いいえ…これが凌牙の狙いよ!」

璃緒と共に凌牙のデュエルを見守っていた鉄男が声を上げる…だが、ダメージを受ける前提で凌牙は動いていた…!

 

 

ビシャーン!!

 

「っぐ…!!『シャークドレイクバイス』は、俺のライフが1000以上の時に破壊される…!だが、これで俺のライフは900だ…!」

それは『ホープレイ』と『シャークドレイクバイス』に共通するデメリット効果…凌牙は『サルガッソ』の効果を逆手に取り、切り札を呼び出したのだ…!

 

 

『命を削っての特殊召喚…見事だ、私はお前のような男を2()()知っている…1人は敗北を前に私を相討ちに持ち込んだお前の父親・白波遊海…そしてお前は…()()()を思い起こさせる…!その荒ぶる言動の裏に、まっすぐな魂を感じる…!願わくば…お前とは真っ当なデュエルで戦いたかった…!』

見事なプレイングを見せる凌牙をドルベは称賛する…。

 

「寝言は寝て言え…!俺は…お前らを許さない!!」

凌牙は鋭くドルベを睨んだ…。

 

 

 

 

 

Sideカイト

 

 

 

 

「逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりてその姿を現すがいい!降臨せよ…!我が魂!!『超銀河眼の光子龍』!」

 

 

『現れたな…!「超光子龍」!私は罠カード「ニュートリノ・ダウジング」を発動!「時空竜」のORUを1つ墓地に送り、さらに手札の「RUM-バリアンズ・フォース」を墓地に送り!その効果を発動する!!』

 

「なっ…!?オレのターンにランクアップだと!?」

超光子龍を呼び出したカイトを前に…ミザエルも時空の竜王を呼び出す!

 

 

107

 

 

『逆巻く銀河を貫いて…時の生ずる前より蘇れ!永遠を超える竜の星!顕現せよ!「CNo.107」!「超銀河眼の時空龍」!!』

闇色の爆発と共に…ミザエルの切り札、黄金に輝く3つの首を持つ巨竜が現われる…それこそが「超時空龍」の本当の姿だった…!

 

 

「これが、奴のカオスナンバーズ…!あの時、相まみえる事なく終わった…もう1体のギャラクシーアイズ…!」

 

『さぁ…!今こそ、雌雄を決する時だ!』

火花を散らすカイトとミザエル…だが、さらなる危機が迫っていた…!

 

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

ビビーッ!ビビーッ!!

 

ゴゴゴ…ゴゴゴゴゴゴ!!

 

 

「きゃあああ!?」

 

「な、何事ウラか─!?」

飛行船で遊馬達を見守っていた仲間達…だが突然、飛行船を大きな揺れが襲う!!

 

 

「み、見てください!飛行船が…飛行船が吸い込まれてます─!!」

 

「っ…!ブラックホールよ!私達をここに連れてきたように…ブラックホールが飛行船を吸い込んでる!!」

翠が叫ぶ…突然発生したブラックホールが飛行船を飲み込もうとしていたのだ!

 

 

 

「飛行船が!!」

 

【ああ…時々あるんだよなぁ!サルガッソのアチコチにブラックホールが発生して、何もかも吸い込んじまうんだ!サルガッソが生け贄を欲しがってるのかもなぁ!ギャハハハ!】

 

「小鳥!みんな─!!」

ベクターが笑う中…遊馬は叫ぶ事しかできない…だが、ベクターは遊馬に悪魔の取引を持ちかける…!

 

 

【あの穴…塞いでやろうかぁ?】

 

「なにっ…!?」

 

【オレ様が持ってる「サルガッソの灯台」…その力を増幅してブラックホールを塞いでやるよぉ…その代わり!代価はお前のナンバーズ全てだ!】

 

「そんな事…そんな事できるかよ…!」

ベクターの提案…それは到底受け入れる事などできない事だった…!

 

 

【そうだよなぁ…!アストラルが大変な事になっちまうもんなぁ…!じゃあ飛行船のお仲間を諦めるか?それもできないよなぁ!】

 

「やめろ…!小鳥達は関係ないだろぉが!!」

 

【その関係ない奴らを巻き込んだのはお前だぁ!ギャハハハハハ!!さぁ、選べ!仲間か、アストラルか!2つに1つだぁ─!!】

揺れ動く遊馬の心を嘲笑うベクター…遊馬は為す術もない…だが、それは…

 

 

 

「何を迷ってるの遊馬!アストラルとデュエルを続けて!!」

 

 

 

「っ…!小鳥!?」

頼れる仲間達と…特級のイレギュラーがいなければの話である!

 

 

 

 

 

Side翠

 

 

 

「どうしよう…!このままじゃ…!!」

ブラックホールに引き込まれる飛行船の中で震える子供達…だが、希望は失われていない…!

 

 

「立って!諦めるのはまだ早いわ!」

 

「翠さん…!」

 

「あなた達はなんの為に遊馬君と一緒に来たの?遊馬…君と一緒に戦う為に来たはずよ!遊馬君の足を引っ張る為じゃないはずよ!!」

 

「そうウラ…!オイラ達は遊馬を助ける為に来たウラ!」

 

「トドのつまり…僕達が諦めたらダメなんです!」

翠の言葉に等々力と徳之助が奮起する…!

 

 

「翠さん…!私達はどうしたらいいですか!」

 

「…私が…遊海さんと遊馬君の代わりにみんなを守る…だから、手伝って!!」

 

 

Sideout

 

 

 

「遊馬!私達は大丈夫!私達は遊馬の足を引っ張りに来たんじゃない!貴方の使命は…アストラルとナンバーズを守る事…そう誓ったはずよ!」

 

「小鳥…!」

通信越しに響く小鳥の声…それは遊馬に力を与える…!

 

「私達の事はなんとかする!だから…勝って!人を信じる事や、友達や絆を大切に思う事が間違ってないって事を!貴方が間違ってないって事を…証明して!」

 

「小鳥…わかった!オレは必ず…勝つ!!」

小鳥の激励を聞いた遊馬の魂に炎が灯る…仲間達の願いを背負い、遊馬は前を向く!

 

「心配しないで…私達には、伝説のデュエリストがついてるんだから!…かっとビングよ!遊馬!」

小鳥は通信を終える…それは希望の合図だった…!

 

 

 

「…我が身に宿すは創星の女神…命を生み出した原初の母…!遥かなる眠りから目覚め、私に力を与え給え!」

 

キィン─!

 

「あの光は…!」

吹き荒れるブラックホール…その中で神秘の光が輝く、それはSopiaの力を纏った翠が発した光だった…!

 

 

「フレアさん…私に力を貸して!」

 

《我が身は全てを照らす光…虚無の穴など、何するものぞ!!》

さらに、翠を守るようにフレアが…ラーの翼神竜が飛翔する!

 

 

「創星神権能開放…創造の前に破壊あり…破壊の後に希望あり!」

 

《遊海…私に力を…我が全力で虚無を吹き飛ばす!》

力を集中した翠とフレア…その力をブラックホールに解き放つ!

 

 

《ゴッド・ブレイズ・キャノン!!》

 

「疑似宝具…展開!クリエイト・エクスプロージョン!!」

 

キィン─! ドオオン!!

 

太陽神の炎と創星の息吹…2つの神の力は混ざり合い…ブラックホールを消し飛ばした…!

 

 

 

「や、やった!助かったウラ─!!」

 

「ま、間に合ってよかった…!」

 

《フォウ!》

それと同時に吸い込まれかけた飛行船が子供達の手で再起動…危険な領域を脱出した!

 

 

 

【チィ…!なんだあの化け物女は…!ブラックホールを打ち消しやがった!】

 

「よっしゃあ!流石だぜ!小鳥!翠さん!みんな─!!」

仲間達の全力の脱出劇…それは遊馬に笑顔を取り戻す!

 

 

「今度は遊馬達の番よ!」

 

「キャットビングよ!」

 

「頑張るウラ!!」

 

「最後まで…諦めないで!!」

 

「みんな…オレのせいで危険な目に遭わせてゴメン…!」

仲間達の激励に涙を浮かべる遊馬…彼は1人ではない、掛け替えのない仲間と共に遊馬は強くなっていく!

 

 

「勘違いすんなよ遊馬!俺は自分の意思で戦いに来た!」

 

「オレもだ、バリアンには借りがある…お前が止めようとオレも自分の意思で来た!」

 

「シャーク…カイト…!」

 

「くだらない感傷に浸ってないで…とっととベクターをブッ倒せ!父さんに叱られるぞ!」

 

「おう…任せろ!!」

共に戦う凌牙とカイトの言葉…それに頷いた遊馬はアストラルに向き直る…。

 

 

「アストラル…本当にごめん…!もっとお前と話せばよかった…!お前を信じればよかった…!!」

 

(何も言うな遊馬…勝つぞ、このデュエル!!)

 

「おう!!」

遊馬はアストラルへと謝罪する…そして2人は最強の力を開放する!

 

(いくぞ…ZEXALだ!!)

 

「かっとビングだ!!」

 

オレと私でオーバーレイ!!

 

 

それは約束された勝利を掴む奇跡…だが、それは…

 

 

 

 

【総仕上げといくかぁ…!アストラル…お前は…遊馬を()()()()()()()()()()ぁ!!】

 

(っ─!?)

ZEXALへと融合する刹那…ベクターが声を張り上げる…ベクターの計画は…全て、この瞬間の為に…!

 

 

【お前は今、心の底から遊馬を信じているのかぁ?疑ってるんじゃあないのか〜?お前に嘘をついていた遊馬の事を…?自分の心の奥底までよーく覗いてみろよぉ…!お前の心の奥底には小さな小〜さな染みが付いている筈だぁ…!】

 

(っ…!)

 

「アストラル!?」

ベクターの言葉でアストラルは自覚した…自身の心の奥底に、針の穴のような小さな黒い染みがある事を…。

 

それはアストラルが感じた「負の感情」…遊馬への「怒り」…真月への「嫉妬」…遊馬への「猜疑心」…それがアストラルの心に染みを作っていたのだ…!

 

 

【そいつを素直に認めるんだなぁ…今まで執拗に遊馬を責めて追い詰めてきたのはなぁ……アストラル、その裏でお前の心に自分を裏切った相手への疑いの根を張らせ、怒りという芽を出させる為だったんだよぉ!貴様は純潔で疑う事を知らない…そして、裏切られる事に免疫がない…!だから僅かな黒い小さな染みで十分……それだけで命取りだ!!今、その小さな染みを無限の絶望の闇に広げてやるよ…!】

 

「ふざけんな!アストラルは…そんなモンには負けねぇ!!」

アストラルとの絆を信じる遊馬はZEXALとなる…だが…!

 

 

【忘れたのかぁ…?「ホープレイV」はバリアンの力だぁ!!】

 

ギィン─!!

 

「なっ!?うわあああ─!?」

ベクターはバリアンの力に冒されたナンバーズを介してZEXALに干渉…融合を失敗させる、そして…

 

 

(ぐっ…!?ぐあ"あ"あ"あ"─!?)

 

「アストラル─!!」

アストラルの胸…心から闇が吹き出す…そしてアストラルは…

 

 

ドクン…ドクン!!

 

ハアア…!

 

「アスト、ラル…!?」

 

【ヒャハハハハハハ…!暴走しやがった!】

黒き影を纏い、闇へと…堕ちてしまった…!

 

 

ゼアル…ZEXAL…ぜある…!!

 

「アストラル!どうしちまったんだよ!?ぐあっ─!?」

闇に飲まれたアストラルは遊馬へと掴みかかり…闇色の渦へと飛び込む!

 

 

闇に飲まれし魂が交わる時…全てを破壊する力が現れる

 

「やめろ…やめろ!!うわあああぁぁぁ!?」

アストラルは遊馬の意思を無視して融合してしまう!

 

 

『エクシーズチェンジ…ZEXAL

闇の中から現れたのは…浅黒い肌に全身が赤黒く染まったZEXAL…否、暗黒の戦士…ダークZEXALだった…!

 

 

【これがZEXAL…?すっかり悪意に飲み込まれたようだなぁ…!】

闇に飲まれたZEXALを見てベクターは笑みを浮かべた…。

 

 

 

 

『暗き力はドローカードをも闇に染める…ダーク・ドロー…』

ダークZEXALの右腕に闇が集中…破滅の力が創造される!

 

【ヒャハハハハハハ…!ダークドローと来たか…!面白い!】

 

『「DZW-魔装鵺妖衣(キメラ・クロス)」を召喚』

ダークZEXALの場に日本に伝わる妖怪『鵺』を模したモンスターが現われる…!

 

 

『「キメラクロス」の効果発動…相手の魔法・罠1枚を破壊する』

 

【なに!?】

鵺の吐き出した蒼炎がベクターの「Vain-裏切りの嘲笑」を灰に変える!

 

『そして、カードを破壊した事で『キメラクロス』を『ホープレイV』に装備…それにより『ホープレイV』はモンスター効果を失い、バトルでは破壊されない…』

ホープレイVが闇の衣を纏い、巨大な鎌を構える…その姿はまるで魔王のような姿だった!

 

 

『バトル、『ホープレイV』で『シャイニング』を攻撃』

 

【馬鹿め…!攻撃力は「シャイニング」が上だ!】

ホープレイVの大鎌はシャイニングに弾かれ、ダークZEXALのライフを削る!

 

 

『「キメラクロス」の効果発動…これを装備したモンスターの戦闘でダメージを受けた時、攻撃力を2倍にして、もう1度攻撃できる…ダークチャージ…!』

ホープレイVがさらなる闇を纏い、再びシャイニングに斬りかかる!

 

【チィ…!罠カード『ハンドレット・オーバー』を発動!自分のエクシーズモンスターの戦闘破壊を無効にする!ぐおおっ!?】

流石に不味いと感じたベクターは罠を発動…ホープレイVの攻撃を受け止める!

 

 

【その代わり…攻撃してきた相手モンスターはもう一度攻撃できる!】

 

『『ホープレイV』で『シャイニング』を攻撃!』

 

【その瞬間!『ハンドレットオーバー』のさらなる効果発動!この効果の対象になったモンスターが攻撃された時!そのモンスターの攻撃力は相手の攻撃力に100を足した攻撃力になる!!】

力を倍化させたシャイニングはホープレイVの攻撃を跳ね返す…本来なら、ここでバトルは終わる…だが、ダークZEXALは…!

 

『『キメラクロス』の効果発動!ダークチャージィ…!再び『シャイニング』を攻撃!!』

再び無謀な攻撃を仕掛けた!

 

 

 

 

Side飛行船

 

 

 

《いかん…!あの黒いZEXAL…頭に血が昇り過ぎて暴走しておる!!》

 

「えっ…!?」

メガロックの呟きに小鳥が後ろを振り返る…!

 

《アストラルが闇に飲まれた事で…今のZEXALは「攻撃力を上げ続ける」事に集中していて周りが見えておらん!このままでは自滅してしまうぞ!!》

 

「そ、そんな─!!」

遊馬のライフは残り900…ライフが600を下回った時点で「サルガッソ」のダメージを耐えられず、遊馬達の敗北は決まってしまう! 

 

 

「遊馬!お願い!止まって!!正気を取り戻して…!!遊馬あああ!!」

小鳥の悲痛な叫びがサルガッソに響いた…。

 

 

 

 

ダーク…チャァァジィィ!!

ホープレイVの攻撃力はついに83200までアップした…だが、そのライフは既にデッドゾーンに踏み込んでしまっている!

 

【そうだ…!攻撃してこい!それが貴様の最後だぁ!】

 

ドクン─!

 

『っ─ぐぅぅ…!?』

 

【なに…?】

それは奇跡か偶然か…ダークZEXALが攻撃宣言をする直前、強い鼓動の音がサルガッソに響く、それは次元を超えた場所で燃え盛る、絆の鼓動…それを感じたダークZEXALは動きを止め…。

 

ギィン!

 

キィン─!

 

キィン─!

 

「ぐあっ…!?」

 

(ぐっ…)

 

「遊馬!アストラル!!」

間一髪のところでアストラルと遊馬が分離した…!

 

 

 

 

 

 

 

Side遊馬@アストラルの精神世界

 

 

 

 

「うっ…ここは…オレ…アストラルと…」

遊馬が目覚めると…そこは暗雲に覆われた紫の砂漠だった…そこには…

 

「アストラルの、石像…塔…?」

砂漠の真ん中にアストラルの姿を模した50mほどの塔が屹立していた…その胸の辺りには仄かな光が瞬いている…。

 

 

「まさか…ここはアストラルの心の中なのか…?…なら、謝らないと…オレが悪かったって…!待っててくれ!アストラル!!」

遊馬は走り出した…アストラルに謝罪する為に…!

 

 

 

 

 

 

「アストラル!!」

 

(来たのか、遊馬…いまさらなにをしにきた?)

無限に続く階段…数々の罠…番犬の群れを越えた先、遊馬はステンドグラスに照らされたアストラルのいる部屋へと辿り着く…そこには無表情のアストラルが佇んでいた…。

 

 

「アストラル…オレ…!お前に謝ろうと思って……!」

 

(確かに、君は私を裏切った…そして……私は君を信じる気持ちを失った……だが、その代わり…私は新たな力を手に入れた……『悪』だよ…遊馬…!知らなかったよ…!悪が…憎悪が!ここまで強い力になるとは!!

 

「アストラル!!」

影を纏ったアストラルは狂気の笑みを浮かべる…それはあまりにも強すぎる「カオスの力」…それがアストラルを蝕み、正気を失わせていたのだ…!

…かつてアストラルは復讐に狂うトロンの心情を理解できなかった、それを理解してしまったのが…今のアストラルだった…!

 

 

 

わかる…解るゾ!力が満ちてくルのが…!もっとダ!もっと憎悪ヲ!もっと怒リを!疑イを!それガ私を満たすときィ…!私は更にツヨくなるゥゥ!

 

「アストラル…オレのせいだ…!オレのせいで!!」

正気を失ったアストラルはさらなる力を…さらなる闇を求め、その体を混沌に包む…!

 

 

遊馬ァ…キミには感謝してイルぞ!この力を齎してくれたのはキミだァ!全身を満たす憎悪が!全てを壊す力を与えてくれる!!黒く…黒黒黒クゥゥ!染メルンダ!ワタシのスベテォォ!!

 

「や、やめろぉぉ!!!」

 

『ぎゃは…ギャハハハハハァ!!』

暴走するアストラルを止める為、遊馬はアストラルに突撃すると…だが、アストラルの全身から影の触手が遊馬へと襲いかかり…!

 

 

ドクン─!

 

 

なん、ダ…!コノ力は…熱、イ!!

 

「うおおぉぉ!!アストラルぅぅ!!」

 

ビキ…バリーン!!

 

それは異次元で戦う遊海が覚醒した余波…それがアストラルの隙を作り…遊馬はアストラルと共にステンドグラスを割りながら、外へと飛び出した!

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「うっ…アストラル!!」

 

「遊馬!!『ホープレイV』を止めろぉ!!」

 

「そうしなければ貴様の負けだ!!」

 

「っ!?オレはこれでターンエンドだ!!」

正気を取り戻した遊馬に凌牙とカイトが叫ぶ…遊馬はライフポイントと見た事のない鎌を振りかぶるホープレイVを見て、慌ててターンを終えた…。

 

 

【チッ…まぁ、『サルガッソ』のダメージは受けてもらうぜ!!】

 

ビシャーン!!

 

「ぐあああああ……アスト、ラル…」

降りそそぐサルガッソの雷に倒れ込む遊馬…そのライフは…僅か100となった…。

 

【お前のライフは残り100!そしてデッキは残り1枚!!おまけに頼みの相棒もそのザマだぁ!もう諦めろよぉ!!ギャハハハハハ!!】

 

「オレは、絶対諦めねぇ!アストラルを…みんなを!オレの大事なものを!これ以上絶対傷つけさせねえ─!!」

満身創痍の遊馬とアストラルを嘲笑うベクター…だが、遊馬の魂の炎は…まだ燃え尽きてはいない!

 

 

 

104

 

 

【現われろ!「CNo.104」!混沌より生まれしバリアンの力が光を覆うとき!大いなる闇が舞い上がる!「仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)アンブラル」!!】

業を煮やしたベクターは自身の切り札、オーバーハンドレットナンバーズである仮面の魔人を呼び出す!

 

 

 

 

「アンブラル」の効果は強力だった…その効果により装備カードとなっていた「魔装鵺妖衣」を破壊…さらにORUを使う効果で遊馬の残り手札2枚を捨てさせ、ライフを半分の半分…25にまで追い詰め、ダイレクトアタックを仕掛ける…。

 

だが…遊馬は渾身の罠カード「エクシーズ・リベンジ・シャッフル」で「希望皇ホープ」を復活させ、墓地に送られていた「ブリペントマト」でダメージを防ぎ…さらなる攻撃を墓地の「マジック・リサイクラー」の効果で墓地の()()()使()()()()()()()()をデッキに戻す代わりに墓地に送った「エクシーズ・エージェント」の効果で「希望皇ホープ」のORUを復活させる事で回避した…!

 

 

【攻撃を防がれたか…だが!お前の残りライフは25、デッキは残り1枚!手札は0!伏せカードも0!…ここまで追い詰められた気持ちはどうだぁ…?ヒャハハハハ!!オレはカードを伏せてターンエンドォ!】

 

 

【ヒヒヒ…!どうしたぁ?その様子じゃ、ドローするのもキツイんだろぉ?相棒との絆を無残に放り棄てられても…まだ戦うつもりかぁ?】

 

「…ベクター…!たしかに、オレとアストラルの絆はお前に葬られちまった…けど、わかったんだよ!例え、どんな卑怯な手で墓地に送られても!積み重ねた想いの力を信じている限り…!『希望』という名のカードは…オレを助けてくれるんだってな!!」

 

【ハァ…!知ったような事言うじゃねぇか!けどよ…お前のデッキに残った『希望』…最後のカードは()()()()()なんだぜぇ?お前と真月の友情の証のなぁ!!】

ベクターは遊馬を嘲笑う…遊馬のデッキに残る「マジックリサイクラー」で戻された魔法カード…それは「リミテッドバリアンズフォース」だった…!

 

「たしかに、そうだ…でも…オレは引くしかねぇ…希望を信じて引くしかねぇんだ!!」

遊馬はデッキトップに手をかける、「リミテッドバリアンズフォース」で再び「ホープレイV」を呼び出せば、遊馬は勝利できる…。

だが、遊馬は知らなかった…ベクターの伏せカードは「バリアン・ボム」…手札の「バリアン」カードを破壊し、1000ダメージを与えるカードだったのだ…!

 

 

 

 

「オレのターン…ドロー!……ちく、しょう…」

 

「遊馬!!」

「リミテッドバリアンズフォース」をドローした遊馬だったが…限界を迎えて地面に倒れ込む…もう、遊馬には為す術はない……。

 

 

 

 

 

(…ゆう、ま)

 

「アストラル…」

倒れてしまった遊馬へとアストラルが語りかける…。

 

 

(私は、もうこれまでの様にキミを信じる事は出来ない…だが、どんな窮地に陥っても、希望を信じて戦う君を私は信じたい……!)

アストラルは見ていた…窮地を前に、アストラルを守る為に必死に戦う遊馬の姿を…。

 

 

(遊馬…)

 

「アストラル…」

 

「(オレ達2人で…かっとビングだ…!)」

 

キィン─!

 

引き裂かれた2人の心がいま再び、重なり合い…希望の光が溢れ出す!

 

 

「…希望に輝く心と心…2つを結ぶ強い絆が奇跡を起こす…!」

サルガッソを照らす希望の光…璃緒の紡ぐ言葉と共に、遊馬とアストラルは立ち上がる!

 

 

【貴様ら…!】

 

いくぞ…遊馬!

 

おう…!オレはオレ自身と!

 

私で!

 

オーバーレイ!!

 

赤と青の光に変わった遊馬とアストラルがサルガッソを駆け巡る!

 

 

 

オレ達2人でオーバーレイ・ネットワークを構築!

 

真の絆で結ばれし2人の心が重なりし時!語り継ぐべき奇跡が現われる!

 

エクシーズチェンジ!ZEXAL!

 

光の爆発と共に新たな奇跡が現われる…重厚さを増した赤と白のアーマーに盾を思わせるデュエルディスク…逆立った赤とオレンジの髪…その戦士の名は『ZEXALⅡ』!真の絆で生まれた奇跡の決闘者である!

 

 

 

【新たなZEXALだと!?だが、もう遅いんだよぉ!!罠カードはつ─!】

 

『それはどうかな!重なった熱き思いが重なりし時!希望の未来を再構築する!リ・コントラクト・ユニバース!!』

 

キィン─キィン!!

 

【な、なにぃぃ!?カードを書き換えただとぉ!?】

ベクターが「バリアンボム」を発動しようとした刹那、ZEXALが覚醒した新たな奇跡が絶望を塗り替える。

その名は「リ・コントラクト・ユニバース」…偽りの絆を真の絆によって希望に書き換えたのだ!

 

 

(奇跡の光が闇を祓い…『リミテッドバリアンズフォース』の真の姿を呼び覚ました!)

 

『オレは「RUM-ヌメロン・フォース」を発動!このカードは自分のエクシーズモンスターをランクアップさせ、カオスエクシーズを特殊召喚する!オレはランク4の「希望ホープ」でオーバーレイネットワークを再構築!カオスエクシーズチェンジ!!』

新たなランクアップマジックの発動と共にホープが銀河に飛び込み、希望の光が爆発する!

 

 

39

 

 

『現われろ!「CNo.39」!未来に輝く勝利を掴む!重なる思い、繋がる絆が未来を変える!「希望皇ホープレイ・ヴィクトリー」!!』

それはホープの新たな姿…ヒロイックな鎧を纏いし「勝利の皇帝」…その名は『ホープレイ・ヴィクトリー』!

 

 

【『ホープレイヴィクトリー』だとぉ!?だが、『サルガッソ』の効果で貴様は終わりだあああ!!】

 

『「ヌメロン・フォース」が発動された事でフィールドで表側表示のカードの効果は無効となっている!』

 

【なぁにィィ!?】

遊馬達を何度も苦しめた雷はその力を失った!

 

 

『バトルだ!「ホープレイヴィクトリー」で「アンブラル」を攻撃!その瞬間!「ホープレイヴィクトリー」のモンスター効果発動!ORUを1つ使い、バトルする相手モンスターの攻撃力を自身の攻撃力に加える!ビクトリー・チャージ!!』

 

【攻撃力、5800だとぉ!?】

それは勝利を掴む希望の力…格納された新たな腕が現れ、四刀流となったホープレイヴィクトリーが邪悪な魂に斬りかかる!

 

 

『これがオレ達の絆の力だ!いっけぇ!「ホープレイヴィクトリー」!「アンブラル」を…ベクターをぶった斬れ!ホープ剣!ダブル・ビクトリー・スラッシュ!!』

 

【ガッ…ぎぃやああああああ!?!?】

4本のホープ剣がアンブラルを両断…ベクターは無様に大地を転がり、新たな戦士が勝利を掴み取った!

 

ベクター LP0

 

ZEXALⅡ WIN!

 

 

 

 

 

 

 

「やった…!ZEXALが…遊馬が勝ったぁ!!」

 

「「「「よっしゃあああ!!」」」」

遊馬達の奇跡の大逆転勝利に仲間達は喜びを分かちあう…だが、新たな光は…さらなる事態を引き起こす…!

 

 

ゴゴゴ…ゴゴゴゴゴゴ!!

 

「ッ…!?なんだ!?」

 

『マズイ…!サルガッソが…!新たなZEXALの光のエネルギーがサルガッソのバランスを崩したか…!!』

膨大な光のエネルギーの発露…それによりサルガッソ全体が鳴動…崩れ始めたのだ!

 

 

『逃げるぞ!ミザエル!』

 

『だが…!我らの戦いが!』

 

『そんな事を言っている場合か!?異次元の藻屑になりたいのか!!』

 

『くっ…そぉぉ!!』

崩壊し始めたサルガッソ…ドルベとミザエルは撤退するしかなかった…。

 

凌牙対ドルベ

カイト対ミザエル

 

サルガッソ崩壊により中断…

 

 

 

 

 

貴様ら…これで、勝ったと思うなよ…!

 

『……!』

ホープに吹き飛ばされ、致命傷を負ったベクターはフラフラと立ち上がる…だが、その目はギラギラと遊馬とアストラルを睨んでいた…!

 

アストラルの心を穢した、悪意の染みは決して消せはしねぇ…!穢されたという思いは永遠に残り…!お前達の絆を蝕んでいくぅ…!ははは…ハハハハハハハハ!!!

そう言い捨てたベクターはワープホールへと姿を消した…。

 

そして遊馬達も飛行船に回収され、崩壊し始めたサルガッソから脱出したのだった…。

 

 

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