転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
プロローグ〜眠る切望 目覚めし混沌〜
「やぁ…シーカー、久しぶりだな」
『…カズマ…か、何故この場所に来た…エリファスに、睨まれる…ぞ…』
青い光が満ちる高次世界『アストラル世界』…その中心の城の奥深く…そこに囚われる小さな光の玉に探検家のような服を着た男が声をかける…。
「心配する事はない、エリファスには許しを得てる…貴方に触れない事を条件にな…」
『…だろうな…オレを、疎ましく思うエリファスが…言いそうな事だ…』
「だが、生きているだけ儲けものさ…生きていればなんとかなるさ!」
『相変わらず、明るい男だ…オレはっ…ぐっ…!』
「シーカー!」
男と話していた光の玉が揺らぐ…まるで、苦しむように…。
『…囚われて60余年…我がカオスも、底をついた……あとは…死を待つのみ……だが、オレは……まだ消える訳には、いかない……
揺らめく光の玉は強い意志を宿した決意を語る…。
「シーカー…私も探してみたが…貴方の探す「あの子」を見つける事はできなかった…すまない」
『そうか…オレはただ…あの子に逢いたい…それだけ、なんだ……』
そう呟いた光の玉は…それを最後に沈黙してしまった…。
「シーカー…きっと、貴方の想いは届く…その時まで…どうか耐えてくれ…!」
眠りについた光の玉を哀しげに見つめたカズマは立ち上がる…。
「遊馬…お前はきっと、この世界に辿り着くだろう……待ってるぞ…!遊海…俺達の息子を頼む…!」
カズマは青い空を見上げ、家族と親友の身を案じた…。
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『許さねぇ…ゆるさ、ねぇ…!アストラル…遊馬ァ…!オレを、こんな目に遭わせやがって…!!』
赤紫の水晶が乱立する高次世界『バリアン世界』…その『悪意の海』と呼ばれる場所にベクターはいた。
遊馬との決闘に敗北し、致命的な傷を負い…さらに手駒を失ったベクターは…何を考えたのか海へと向かっていた…。
シュゥゥ…ジュウゥゥ…!
『ぐぅ…!!オレは、このままじゃ、終わらねぇ…!!うがあああああ!!』
ベクターは海へと足を踏み入れる…だが、『悪意の海』は海とは名ばかりの熱湯地獄…ベクターは痛みを押し殺しながら海底へと向かった…!
『伝説が本当なら…悪意の海の底…そこには、必ず…!』
『見つけた…!あれが、あれが!バリアンの神「ドン・サウザンド」の眠る場所!!』
海底へと潜り、海底火山のマグマを抜けた先にそれはあった…バリアン世界を支配する「神」…ドン・サウザンドの封じられた扉が…!
『ぬぅぅ…!がああああああ!!』
グチャ…!!
封印の扉を前にしたベクターは渾身の力で自身の心臓を穿つ…!
『ドン・サウザンドよ!!オレの命はくれてやる!だから…このオレに!力を寄越せぇぇ!!』
ギィン─!!
ベクターは胸を穿って取り出したカードを扉へと掲げる…すると扉に刻まれた『ドン・サウザンドの紋章』が邪悪な光を放ち…大地が…世界が鳴動する…。
その邪悪な波動はバリアン世界に留まらず人間界…アストラル世界をも揺るがし、広がり…そして…。
【我が名はドン・サウザンド…我に命を差し出す者よ…望みはなんだ…?】
それは巨大な黒き悪魔…そうとしか形容できない存在…数万年に及ぶ永き眠りから…混沌の神が解き放たれた瞬間だった…!
『ドン・サウザンド…!オレにはどうしてもブッ倒したい奴らがいる!!』
【…アストラルか】
『そう…!そして九十九遊馬に白波遊海だ!!だからドン・サウザンド!お前のその力を!!』
【ならば…地上にある『7枚のナンバーズ』…『封印のナンバーズ』を探すのだ…!】
『「封印のナンバーズ」…?』
【そうだ…!さすれば我が力は完全に復活する…】
『おもしれえ…!奴らをブッ倒せるなら…なんでもやってやる!だから…オレに力を!!』
【良かろう…!我が力は汝の心臓となり生きていく…!これより、汝と我は一身同体となる…!】
『ふはは…ハハハ…!ギャハハハハハ─!!!』
問答を終えたドン・サウザンドはベクターの体に入り込む…ここに、最凶最悪のコンビが誕生したのだった…!
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