転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

バリアンの奇襲に倒れた遊海…しかし、時の流れは止まらない…。

新たな脅威が迫る中、遊馬達は新たな遺跡を目指す…!


それでは、最新話をどうぞ!


ベクターと『黒』〜試される『友情』〜

『………これは、困った事になった…遊海くんが倒れてしまうとは…』

夢幻の花園…その中心部の塔の中…花の魔術師・マーリンは頭を抱えていた…。

 

『ボクの「眼」でも彼女の正体はわからない…でも、彼を救う手伝いくらいは…許されるはずだ…いや、許してくれなきゃ困る!』

 

 

 

 

 

 

《翠…1度家に戻ってください…もう2日も休んでいないでしょう…?》

 

「…大丈夫、遊海さんが感じてる苦しみに比べれば…これくらい…」

遊海がバリアンの襲撃を受けて数日…翠は眠り続けている遊海に付き添い続けている…。

 

 

《なら、せめて睡眠を…もしもの時に判断が鈍ってしまいます……マスターは私達が見ていますから…》

 

「…ありがとう、アヤカちゃん…少しだけ、寝ちゃうわね…」

アヤカの言葉を聞いた翠は瀬人の用意した簡易ベッドに身を預けた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここは…どこ…?」

眠ったはずの翠は見慣れない場所に立っていた…そこは見渡す限りに桃色の花が咲く、穏やかな花園だった。

 

 

『驚かせてすまないね、貴女に会いたくて…夢に干渉させてもらったんだ』

 

「貴方は…マーリン!?なんでこの世界に!?」

花吹雪と共に人影が現れる…それは白いフワフワのローブを纏った魔術師・マーリンその人だった…。

マーリンは翠の元になった『間桐桜』にも関わる人物でもある…。

 

 

『君達が転生した世界にたまたま君達の知る「マーリン」に似た「ボク」という存在がいただけだよ、翠』

 

「私が転生者だって知ってる…!?貴方の目的は何なの…!」

思わぬ人物の登場に翠は身構える…!

 

 

『ああ!?誤解しないでほしい!ボクは君達の味方だよ!ワールド・デュエル・カーニバルの時に死にかけた遊海くんの魂を助けた…と言えば信じてもらえるかな…?』

 

「あっ…」

翠はWDCの時の遊海の復活を思い出す…その時に病室に吹き込んだ花吹雪…それは足元に咲いている花と同じものだった…。

 

 

『君達が知っての通り、基本的にボクは個人には執着しない…ボクは人類が描く「物語」が好きだからだ…でもね、ボクは遊海くんの()()()になってしまった!彼がいくつもの苦難に立ち向かい、戦う姿を好きになってしまったのさ…そしてボクは陰ながら君達を見守っていたんだ』

 

「…マーリンさん…」

翠は静かにマーリンの言葉を聞く…そして理解した、彼は本当に遊海を好いてくれているのだと…。

 

 

『納得してもらえたようだね、…時間は少ないから簡潔に用事を伝えるよ…このままでは遊海くんは()()()()()()

 

「っ…!?そんな…!!」

マーリンの無情な言葉に翠は絶句する…。

 

 

『君達が「決闘以外では死なない」というのはわかってる…たしかに肉体は死なない…でも、このままでは遊海くんの精神が保たない…痛みと苦しみに耐えられず、彼の精神が死んでしまう…!』

 

「そんな…!どうすれば、どうすれば遊海さんを助けられるんですか!?」

翠はマーリンに問い掛ける…。

 

『遊海くんを傷付けた鎌…あれは「不死殺し」に類する武器だ、その呪いで傷は治癒せず、解毒もできていない…鎌を破壊し、遊海くんの胸の傷を塞ぐんだ…そうすれば彼は持ち堪える事ができる…!』

 

「鎌を、壊す…!」

 

『…けれど、相手はまったくの「未知」…ボクの「千里眼」でも、その正体はわからない…危険を伴うだろう…それでも、やれるかい?』

 

「やります…!私は遊海さんの妻です!必ず…必ず遊海さんを助けます!!」

マーリンから示された解決策…それを聞いた翠は強く頷く…!

 

『…頼んだよ、ボクはいつも君達を応援しているから…!』

 

 

 

………

 

 

 

 

 

「ん…いま、のは…」

 

《おはよう、翠…よく寝てたよ?》

 

《マスターも安定しています…安心してください》

翠はウィンダとアヤカに見守られながら目を覚ました…時計は2時間ほど進み、遊海も静かに眠っている。

 

 

「(……遊海さん、待ってて…必ず、助けるから…!)」

翠は桃色の花弁を握り締めながら…遊海を助ける事を誓った…。

 

 

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

 

(異次元飛行船が第2のナンバーズがある場所を探知した…今回はそこへ向かうぞ)

 

「次の目的地は絶海の孤島か…今度は、何がいやがるのやら…」

 

「それに罠も…」

 

異次元飛行船の中…遊馬・アストラル・小鳥・凌牙・璃緒は新たなナンバーズの遺跡へと向かおうとしていた…。

 

 

「なあ、シャーク…遊海と一緒にいなくて大丈夫なのか…?」

 

「…心配するな、俺は大丈夫だ…父さんだったら『俺の事は気にせず、ドジな遊馬の力になれ』って言うさ」

 

「『ドジ』は余計だ〜!!」

 

「あはは…」

遊馬は遊海が倒れた事を気にして凌牙へと声をかけるが…凌牙は遊馬に冗談が言えるくらいの余裕はあった…。

 

 

「よし!なら…出発だ!『かっとび遊馬号』!!」

 

(遊馬号…?)

 

「いつそんな名前が付いたんだよ、この飛行船に…」

 

「ネーミングセンスゼロですね…(汗)」

若干スベった遊馬の号令と共に異次元飛行船改め、遊馬号は新たな遺跡へと向かった…。

 

 

 

 

 

「ここがナンバーズのある遺跡かぁ…?なんだかボロボロだぜ…」

不安定に荒れる異次元航路を抜けた先…遊馬達はナンバーズの眠る半壊した城の遺跡に辿り着いた…。

 

 

 

「っ…!?ここは…かなり、()()()ですね…できれば、入るのは止めた方がいいくらい…」

 

「や、やばいって…?」

遺跡の入口に踏み入った璃緒は恐ろしい気配を感じ、立ち竦む…。

 

(だが…地図が示したのはここだ…私達は進まねばならない)

 

「そう…ですね…」

だが…ナンバーズを入手する為には進まねばならない…璃緒は意を決して遺跡へと進んだ…。

 

 

 

「なんか…気味が悪い…」

 

「この壁は…」

 

「この遺跡の伝説か…」

ひんやり湿った階段を地下に降りていく遊馬達…その途中、壁に刻まれた壁画を見つける…それは人々が迫害され、嘆き悲しむ姿が描かれたものだった…。

 

 

「…嘆きあっている…過去の人々が…時を超えた生命の声が聞こえてくる…」

 

「璃緒…」

璃緒は感じ取った…この遺跡に眠る人々の叫びを…染み付いた嘆きの声を…。

 

 

「これは呪われし王宮の…残虐なる王子の伝説…」

 

 

………

 

 

 

かつて1人の王子がいた…幼い頃から人心を信じず、全ての人間に疑惑の目を向け…それを裁いた…。

 

 

そして全ての命を奪いし後、王子は1人残りて命を断つ…

 

 

 

…………

 

 

 

 

「それが、この遺跡の…っ」

 

「璃緒!」

トランス状態で遺跡の伝説を語った璃緒は倒れかけるが…凌牙がしっかりと受け止める…。

 

(島の命を全て奪った…呪われた王か…)

 

 

 

 

 

「分かれ道だわ…」

 

「どれに進めばいいんだ…?」

しばらく進んだ遊馬達は5本の道がある広間へと辿り着く…。

 

 

「…ん?あれは…目印だ!」

辺りを見回した遊馬は一番左の道の柱に☆マークを見つけた!

 

 

「きっと、父ちゃんが付けた目印だ!」

 

「ちょっ…!待て、罠かもしれねぇぞ!?」

 

「大丈夫!任せておけって!」

 

「「(大丈夫かなぁ…)」」

父を信じて前に進む遊馬に小鳥と璃緒はため息をついた…。

 

 

 

 

 

ドシン!ゴロゴロゴロゴロ

 

 

 

「わ、わあああ!?逃げろぉぉ!!!」

 

「「「やっぱりこうなったぁぁ!!!」」」

遊馬達が新たな道を進み始めた直後、彼らの背後から巨大な石の玉が迫ってきた!!

 

 

「ゆ、遊馬!なんとかしてぇぇ!!」

 

「あれは…!!逃げ道は…ここだあああ!!」

 

ガチャン!

 

石の玉から逃げる遊馬達…遊馬は再び目印を見つけ、柱を押し込む…すると壁が開き、待避所が現れた事で4人は九死に一生を得た…。

 

 

「は、はは…きっと、一番避けやすい罠に、目印を付けてくれたんだな…」

 

「絶対に、逆の意味だろ…!」

 

「ハハ…スリル、満点だったろ…」

息を切らせながら遊馬を叱る凌牙…その時だった。

 

 

カチッ!

 

 

「「「「あ…」」」」

ふらついた遊馬の手が壁に触れる…そこにはさらにスイッチがあった!

 

 

ガコン!!

 

 

「「なっ!?うわああああ!!」」

 

「「うそっ!?きゃああああ!?」」

 

そして足元が抜け落ち、遊馬達はバラバラに暗い滑り台へと落とされた…。

 

 

 

 

 

ドッシーン!!

 

 

「い、イッテぇぇ…!」

 

(遊馬!大丈夫か!?)

 

「ここは…牢屋…!?」

滑り台に落ちた遊馬は強かに腰を打ちながら何処かへと到着する…そこは古い牢屋だった…。

 

 

「遊馬…!そこにいるの!?」

 

「小鳥!みんな大丈夫か!?」

 

「ああ…なんとか無事だ…!」

 

「見事に罠に嵌まりましたね…」

仲間達の声に柵から辺りを見回す遊馬…彼らは分断され、別々の牢屋に囚われていた…。

 

 

 

『よぉ…!久しぶりじゃねぇか、遊馬クンよぉ…!』

 

「お前は…ベクター!!」

遺跡の中に響く声に遊馬は反応する…牢屋が面した広間の先、広間を見渡す玉座に遊馬達を騙し、卑怯な作戦で追い詰めた男…人間体のベクターが座っていた…!

 

 

『おやおや…もう真月とは呼んでくれないんだ…?寂しいなぁ…!』

 

「お前…!!」

真月の声色で牢に囚われた遊馬を嘲笑うベクター…彼はさらに皮肉げな笑みを浮かべる…!

 

 

『来て早々だけど…残念なお知らせだ…!遺跡のナンバーズは…既に頂戴した!』

 

「なにっ…!?」

ベクターの言葉に驚く遊馬…ベクターはとある人物と一足先に遺跡を攻略、ナンバーズを手に入れていたのだ…!

 

 

『でも〜!せっかく来たのに、このままでは味気ない…どうだ?ナンバーズを賭けたデュエルをしないかぁ?』

 

「上等だ!受けて立つ!!」

 

『ククッ…!では遊馬…お前には()()()に移って貰おうか!』

 

ガコン!

 

「うわっ!?」

ベクターの挑発に乗る遊馬…それと共にベクターの手元に何本もの鎖が下がってくる…ベクターがその内の1つを引いた途端、遊馬の牢が開き床が上昇…遊馬は投げ出され、広間にある足場の上に閉じ込められる!

 

 

 

『アハハハ…!そこは特別でなぁ…オレが装置を動かさないとお前は出られない…!オレはナンバーズからこの遺跡の()()()()の知識を手に入れているのさぁ…!』

 

「ふ、ふざけんな!こんな場所でデュエルできるかよ!?」

ベクターの言葉を聞いた遊馬は叫ぶ、遊馬の閉じ込められた足場は狭い…リアルダメージを受けるデュエルをすれば…待ち受けるのは転落死である…。

 

 

『慌てるなよ…!デュエルするのはお前じゃない、アストラルだ!』

 

(なんだと?)

 

「ベクター…あなた、良からぬ事を考えているわね…!?」

 

『おっと…それはオレの決め台詞だぜ?』

デュエルの相手にアストラルを指名したベクター…それを見た璃緒はベクターが再び卑怯な作戦を行おうとしている事に気付く…!

 

 

(いいだろう…!降りてこい、ベクター!)

デュエルを承諾したアストラルは広間の中心に降り立つ…だが、ベクターは動かない…。

 

 

『残念だが、相手はオレじゃない…!』

 

【俺だよ…アストラル…!】

 

「お前は…!『No.96』!!」

アストラルの目の前に闇が噴き出す…現れたのは漆黒の体を持つアストラル…アストラルの記憶のナンバーズの1枚にして裏切り者『No.96』だった。

皇の鍵の試練の後に開放された96…彼はとある議員の体を乗っ取り、人間界を観察していた…それをベクター(とドン・サウザンド)が見つけ出し仲間…否、一時的な協力関係を結んだのだ…!

 

 

【久しぶりだなアストラル…ここでなら、俺達でも存分にデュエルができる…ナンバーズは俺が持っているぞ…!】

 

(そのカードは…!まさか、バリアンと手を結んだのか!?)

 

【ベクターが俺が必要だと泣きついてきてなぁ…!その手を取っただけさ…!さぁ、いつか約束したなぁ?貴様の身体を貰うと…!そいつを実行させてもらうぞ!!】

 

(くっ…!遊馬…君のデッキを借りるぞ!デュエルディスク・セット!)

 

「おう!!負けるな!アストラル─!!」

アストラルを狙う96…アストラルは彼を倒す為、遊馬の魂と共にデュエルに挑む!!

 

 

 

 

「【デュエル!!】」

 

 

 

デュエルダイジェスト アストラル対No.96

 

 

 

 

96

 

 

【現われろ!我が分身「No.96」!漆黒の闇からの使者!「ブラック・ミスト」!】

先攻を取ったのは96…彼はレベル2モンスターの召喚に特化した『マリスボラス』デッキは使い、自身の分身たる「ブラックミスト」を呼び出す!

 

 

 

(私のターン!自分フィールドにモンスターがいない事で、手札の『トイナイト』を特殊召喚!さらに2体目の『トイナイト』を通常召喚!)

後攻となったアストラルは2体のおもちゃの兵隊を呼び出す…そのレベルは共に4…だが、アストラルはすぐには動かない…!

 

【わかっているぞ…!お前はこのまま攻撃して「ブラックミスト」のORUを使わせるつもりだなぁ?自分のダメージを最小限に抑える為によぉ…!】

ブラックミストはORUを使う事で必ず相手よりも強くなる戦闘では無敵の効果を持っている…アストラルは攻撃力200のトイナイトを使う事でブラックミストの力を浪費させようとした…だが、96はその考えを読んでいた…!

 

 

【永続罠「スモール・ストッパー」を発動!それによりフィールドの攻撃力1000以下のモンスターは攻撃できず、さらに!攻撃表示のモンスターが攻撃しなかった時!エンドフェイズに1000ダメージを与える!】

 

「『トイナイト』の攻撃が封じられた!!」

隙を埋める96のカードに叫ぶ遊馬…だが、アストラルは動じない!

 

 

39

 

 

(いでよ!「No.39」!「希望皇ホープ」!!)

 

【現れたか…!】

アストラルは自分の希望の化身を呼び出す!

 

 

「でも…『ホープ』じゃ『ブラックミスト』には勝てねぇ…どうするんだ!?」

 

(遊馬、私が無策で『ホープ』を召喚すると思うか?私は装備魔法『エクスチェンジ・ガード・ローブ』を『ホープ』に装備!その効果により『ホープ』の攻撃力は500アップする!)

アストラルを心配する遊馬…だが、アストラルは不敵に笑い、ホープに黄色に輝くマントを羽織らせる!

 

 

 

(バトルだ!『ホープ』で『ブラックミスト』を攻撃!)

 

【「ブラックミスト」の効果発動!ORUを1つ使い!相手モンスターの攻撃力を半分にし、その数値分自身の攻撃力をアップさせる!シャドー・ゲイン!】

攻撃を仕掛けるホープ…だが、ブラックミストが吐き出した闇がホープの力を奪い去る…しかし、それは…アストラルの想定内である!

 

 

 

(『エクスチェンジガードローブ』の効果発動!このカードの効果以外で装備モンスターの攻撃力が変動した時!その数値分のダメージを相手に与える事ができる!)

 

【なにっ!?ぐうぅぅ…!!?】

それはブラックミストの効果を逆手に取った効果…黄色のマントから雷撃が放たれ、96に大ダメージを与える!

 

(さらに!ORUを1つ使い「ホープ」の攻撃を無効にする!ムーンバリア!)

 

「よっしゃ!先制パンチが決まったぜ!!」

アストラルの見事なプレイングに歓声を上げる遊馬…だが、96とベクターは笑っていた…!

 

 

【やるなぁ…!だが、俺がタダでダメージを受けると思うかあ?】

 

(なに…?)

 

ガコン…ブォン!!

 

「なっ!?あっぶねぇ!!」

 

(遊馬!?)

96が不敵に笑った瞬間、遊馬の頭上を巨大な振り子刃が通り過ぎた!

 

 

『あぁ…言い忘れてた!96のライフが減るたびに…この「悲鳴の迷宮」の仕掛けが1つ作動する…!』

 

「なんだと!ってわわ!?」

ベクターが狂気の笑みを浮かべる…これがベクターと96の思惑だったのだ…!

 

 

「それじゃあ…!アストラルが攻撃できないじゃない!!」

 

「卑怯な真似を!!」

牢屋からデュエルを見守る凌牙達が声を上げる…悲鳴の迷宮には無数の仕掛けがある…今の遊馬は足場から動けない…つまり、アストラルは遊馬を守る為に実質的に攻撃を封じられてしまったのだ!

 

 

【俺の手札はデッキの中のカードだけじゃない…悲鳴の迷宮はお前の動きを封じる…いわば『永続罠』だったのさ…!さぁ、どうする?アストラルよぉ!!】

 

(…私はカードを伏せ、ターンエンドだ)

アストラルを嘲笑う96…アストラルはそのままターンを終えるしかなかった…。

 

 

 

 

65

 

 

【見せてやろう…!遺跡のナンバーズを!!現われろ!『No.65』!呪われし裁きの執行者…!『裁断魔人ジャッジ・バスター』!!】

96の場に現れたハサミ型のオブジェが変形…両腕が鋭い刃物となった魔人が現れる!

 

 

ドクン…!

 

『っ─!?なんだ、このナンバーズは…得体の知れない力を…!』

そして召喚されたナンバーズを見たベクターの心臓が跳ねる…ベクターはこの遺跡に来た時から「恐怖」に近い感情を抱き続けていた…。

 

 

 

【バトルだ!『ブラックミスト』で『希望皇ホープ』を攻撃!さらに効果発動!シャドー・ゲイン!】

 

(「ホープ」の効果発動!ムーンバリア!)

攻撃を仕掛ける96に対してアストラルはホープの効果を使う…だが…!

 

【その瞬間!『ジャッジバスター』の効果発動!ORUを1つ使い!フィールドで発動した「ホープ」の効果発動を無効にし、相手に500ダメージを与える!】

 

(なにっ!?ぐあっ…!!)

 

「アストラル!!」

ホープのバリアが斬り裂かれ、アストラルはダメージを受ける…本来ならアストラルは「エクスチェンジガードローブ」の効果で96にダメージを与えられたが…遊馬を守る為に…そして()()()()()()()その効果を使わなかった…だが、96は攻撃の手を緩めない!

 

 

【これで「ブラックミスト」は攻撃続行だ!「ホープ」を叩き潰せ!ブラック・ミラージュ・ウィップ!】

 

(うわああああ…!)

ホープが鞭状になったブラックミストの爪で切り裂かれ、爆発する!

 

【まだだ!『ジャッジバスター』でダイレクトアタック!】

 

(ぐああああ…!ガハッ…!?)

 

「アストラル─!!」

さらに追撃の攻撃がアストラルを容赦なく斬り裂いた…アストラルの残りライフは…僅か600…!

 

 

「くそ…!アストラル…!!」

 

『ククク…!遊馬ぁ…!お前が悔しがって叫ぶ姿を見るのは…いつ見ても快感だぜぇ…!アハハハ!!』

傷つくアストラルを見て何もできない悔しさを滲ませる遊馬…その様子をベクターは嘲笑う…!

 

 

 

 

(私の、ターン!魔法カード「エクシーズ・トレジャー」を発動して2ドロー!さらに『バク団』を召喚して効果発動!このカードを『ブラックミスト』の装備カードとする事で『ブラックミスト』がORUを全て失った時、『ブラックミスト』を破壊する!)

手札を補充したアストラルは尻尾が導火線となったバクを使い、ブラックミストの動きを制限しようとする…だが…。

 

【甘いんだよ!『ジャッジバスター』の効果発動!ORUを使って『バク団』の効果を無効に!さらに500ダメージだ!】

 

(ぐうっ…!)

96はジャッジバスターの効果を使い、導火線を切り落とす…!アストラルの残りライフは…100…!

 

 

【「バク団」の攻撃力は100…「スモールストッパー」の効果でお前は終わりだ!】

 

(それはどうかな…!『バク団』をリリースする事で永続魔法『リリース・チケット』を発動!このカードを2体分のリリースとする事で「護封剣の剣士」を守備表示で特殊召喚!)

追い詰められたアストラルは守備力2400を誇る鉄壁の剣士を呼び出す!

 

(『護封剣の剣士』は1度だけ相手の攻撃を無効にし、さらに1ターンに1度戦闘では破壊されない!)

最強の『盾』となるモンスターを呼び出したアストラル…しかし、96は余裕を崩さない…。

 

 

【フン…残りライフ100で何をする?人間って奴は安っぽい仲間意識から来る『信じる心』とやらに縋りながら…己の利益の為に平気で仲間を裏切る!…そのくせ仲間の絆とやらを捨てきれない生き物なのさぁ!】

 

「っ…」

それは96が人間世界を観察して得た結論…それを聞いた遊馬は拳を握りしめる…。

 

【アストラル!お前は九十九遊馬に…人間の『弱さ』に染まったんだよ!そんなお前に…本来の使命が果たせる訳がない!】

 

(どういう意味だ?)

 

【お前がカオスナンバーズを吸収出来ないのは…何故だと思う?それはなぁ…()()()()()()()()だ!!俺がいなければナンバーズを全て揃える事はできない…お前には『ヌメロンコード』をゲットする資格はないのさぁ!!】

アストラルは1度アリトのオーバーハンドレットナンバーズの回収を試みた事がある…しかし、それは失敗した…その理由が96にあるというのだ…!

 

 

「…だったら…だったら!今ここでお前が96に勝てばいい!アストラル…オレに構わず戦ってくれ!!」

 

(遊馬…まだ、その時ではないのだ…!)

アストラルの迷いを払う為に叫ぶ遊馬…だが、アストラルはまだ動かない…そしてアストラルにバリアンの力が襲いかかる!

 

 

 

 

65

 

 

【現われろ!『CNo.65』!数多の怨念を纏いし、裁きの魔王…!『裁断魔王ジャッジ・デビル』!!】

96はついにベクターに渡された「RUM-バリアンズ・フォース」を発動…断罪の魔王を呼び出す!

 

 

【『ジャッジデビル』がフィールドにいる限り相手フィールドのモンスター効果は無効となり!発動する事もできない!】

 

「『護封剣の剣士』の効果が封じられた!!」

 

【そして『ジャッジデビル』のさらなる効果発動!カオスORUを1つ使い!相手モンスターの攻撃力か守備力を1000ダウンさせる!そして『ブラックミスト』で『護封剣の剣士』を粉砕!『ジャッジデビル』でダイレクトアタック!これで終わりだぁ!!】

護封剣の剣士を粉砕した96がアストラルに刃を向ける!

 

(罠発動!『エクシーズ・リボーン』!墓地より甦れ!『希望皇ホープ』!!そして『エクシーズリボーン』は復活したエクシーズモンスターのORUとなる!)

 

【ッチ…!悪あがきを…!攻撃は中止だ…!】

ギリギリのところで復活したホープが96の追撃を防ぐ…だが…アストラルの窮地は変らない、次のターンでアストラルが攻撃できなければ…アストラルは敗北してしまうのだ…。

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

「くそ…!オレがアストラルの足を引っ張ってる…!どうする…どうすればいい…!?」

人質に取られている遊馬は必死に考える…遊馬のいる足場は高い場所にあり、自力で飛び移れる場所はない…だが、このままではアストラルは攻撃できず負けてしまう…思い詰める遊馬…その時、遊馬はあるモノを見つけた…!

 

 

「これ…『覇者のコイン』…!父ちゃん…!」

遊馬が立つ足場…その溝に金色のコインが挟まっているのを見つける…さらに…。

 

 

キィン─

 

「この光……『No.93』…そうだよな、アンタも戦ってる…オレよりも苦しい闘いを…!」

遊馬のエクストラに眠るカードが光を放つ…まるで、遊馬の背中を押すように…!

 

 

「勝利の鍵は…見えた!!」

遊馬はその瞳に強い決意を宿した…!

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

【貴様のライフは僅か100…これ以上何ができる!】

 

(デュエルはまだ…終わっていない)

 

【貴様…まだそんな目を…!!】

アストラルと向かい合う96…彼は気付いた、絶体絶命のはずのアストラル、その瞳はまったく動揺していない…揺らいでいない事に…その時だった!

 

 

 

「かっとビングだ!オレぇぇ─!!」

 

 

【『なにっ!?』】

 

「遊馬!?」

遺跡に響く遊馬の叫び…遊馬はなんと振り子刃の柄に飛び移り、足場を脱出したのだ!

 

 

「うおおぉぉ!!だっ!!」

 

『チッ…!逃がすかぁ!!』

 

「まだだあぁぁ!!」

振り子刃の柄から飛び降りた遊馬は別の柱に着地…ベクターが別の罠を作動させるが、それを身体能力で回避…アストラルと並び立った!

 

 

「いっけぇアストラル!あいつを思いっきりぶっ飛ばせぇ!!」

 

(遊馬…君なら気付いてくれると信じていた!これで…勝利の方程式は完成した!)

後顧の憂いがなくなったアストラルは反撃に出る!

 

 

 

 

39

 

 

(現われろ!『CNo.39』!混沌を希望に変える使者!『希望皇ホープレイ』!)

遊馬とアストラルの友情の戦士が現れる…さらにアストラルは勝利への道を突き進む!

 

(罠カード『スペリオール・オーバーレイ』発動!自分フィールドのORUの数が相手フィールドのエクシーズモンスターのORUの合計より多い時!相手のモンスター全てを破壊する!ただし、相手はORUを使う事でそのモンスターの破壊を無効にできる!)

 

【なっ!?くそがああああ!『ブラックミスト』のORUを使い破壊を回避する!!】

アストラルの罠によって遺跡のナンバーズを粉砕、さらにブラックミストのORUを全て使わせた!

 

 

【馬鹿な…!?お前は、この状況全てを想定していたというのか!!】

 

()()()()()

 

【なんっ!?】

96の言葉をアストラルは肯定する…アストラルはホープが破壊される事も、バク団の効果が無効にされる事も、護封剣の剣士のが破壊され、96がバリアンズフォースを使う事も…その全てを想定していた、その上で遊馬が自力で罠から脱出する事を信じて待っていたのだ!

 

 

(96、お前は『遊馬が人質に取られた私が攻撃できない』という策に溺れたのだ…)

それはまさに「策士、策に溺れる」…ベクターと96はそのことわざ通りになってしまった!

 

 

(『ホープレイ』の効果発動!ORUを1つ使い!自身の攻撃力を500アップし、相手の攻撃力を1000ダウンさせる!オーバーレイ・チャージ!)

ホープレイが希望の大剣を振り上げる!

 

 

(これで…お前の敗北は決まった!『ホープレイ』で『ブラックミスト』を攻撃!ホープ剣カオス・スラッシュ!)

 

【俺は…俺は貴様の思う通りになどならん!!ならんぞぉぉ!!!】

追い詰められた96、彼はアストラルを倒す為に…禁忌の力に手を伸ばす!

 

 

【罠カード発動!『カオス・リターン』!その効果により相手モンスターの攻撃を無効にする!】

 

(なに!?)

 

【さらに!手札の魔法カード『魔法石の採掘』を捨てる事で…墓地の魔法カード『RUM-バリアンズ・フォース』の効果を…発動する!!】

 

「「(『なんだって!?』)」」

96の選んだ最後の手段…それは自身をカオスナンバーズへと進化させる事だった!

 

 

96

 

 

【現われろ!『CNo.96』!混沌なる嵐を巻き起こし!今、ここに舞い降りよ!『ブラック・ストーム』!!】

96は自身の分身たるブラックミストをカオス化…邪悪なる炎を纏いし魔獣を呼び出す…さらに、その力は96自身にも還元され…!

 

ギィン─!

 

【うおおぉぉ…!うがあああああ!!これで、キサマは俺を吸収する事はできん─!!

 

『アイツ!自らカオス化しやがった!?』

バリアンの力は96へと逆流…アストラルに似た細身の身体は肥大化し、背中に悪魔のような翼…さらに腹部に第三の眼を持つ魔人…否、悪魔のような姿に変化する…!

あまりの変化に流石のベクターも目を丸くした…。

 

 

【『カオスリターン』のさらなる効果発動!このカードによって攻撃を無効にされたモンスターは…もう1度攻撃しなければならない!】

 

(なに!?)

闇の引力に引かれたホープレイが…再び攻撃を仕掛ける!

 

 

【『ブラックストーム』の効果発動!コイツがバトルで破壊された時!その時発生するバトルダメージは…お互いが受ける!!】

 

(なっ、しまった─!!)

ブラックストームに斬りかかるホープレイ…その剣は魔獣を両断する…だが、同時にブラックストームが爆発…アストラルと96のライフはお互いに0となり、引き分けとなった…!

 

 

アストラル LP0

 

No.96 LP0

 

 

Duel Draw…

 

 

 

 

 

(くっ…!No.96…!!)

 

【アストラルゥゥ…!!】

 

デュエルが相討ちで終わり…96とアストラルは睨み合う…!

 

 

 

 

 

 

『チッ…こうなれば…!消耗した奴らを叩き潰せ!名無しの怪物(ネームレス)!!』

 

■■■■──!

 

 

(なにっ!?)

 

「なんだ!?」

 

【この闇は…!?】

睨み合うアストラルと96の間に黒い粒子が集結する、その闇の中から現れたのは…遊海を襲い昏睡させた、鎌を構えた怪物だった…!

 

 

『コイツがオレの新しい手駒だ…!やれ!ネームレス!!』

 

『………!』

ベクターの指示を受けた怪物…ネームレスは不気味な笑みを浮かべた…!




〜次回予告〜



「アストラルとナンバーズ96のデュエルが終わった時…ベクターが遊海を襲った怪人を呼び出した!!」

(逃げるんだ遊馬!)

「遺跡が崩れる…やばい!このままじゃ!!」

(その時、怒りに燃えた彼女が私達を護る為に現れる!)

「次回!『転生して決闘の観測者になった話』!『ネームレス急襲!〜深まる謎〜』!」


「貴女は…絶対に許さない!!」
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