転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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立ちはだかる強者 強襲の●●~遊海の遺志~

side闇遊戯

 

遊海の命懸けの行動により相棒、そして城之内君の魂を取り戻す事ができた。二人を運んでくれたアヤカはいまだ沈黙している、外を見ると竜巻による強風が吹き荒れている、アヤカはここを抜けたためにダメージを受けたのだろう。

今、俺達は空母を離れドーマの本拠地に向かっている。その周辺は侵入者を拒むように竜巻があったが今はおさまっている、まるで俺達を誘いこむように…。

 

 

しばらくして俺達は神殿の前に到着した。

「よし!遊戯!遊海や舞を助けてサクッと世界も救おうぜ!」

「ふん凡骨、せいぜい足手まといになるなよ!」

「うっせ~な、お前こそ足引っ張るなよ!?」

俺の横では海馬と復活した城之内君がいつも通りの掛け合いをしていた。

「遊戯!遊海と舞さんの事頼んだわよ!」

『ああ、必ず救い出す!!』

「もう一人の僕!行こう!」

『ああ!』

今の俺には相棒がついてる…いける筈だ!…と

「みんな…待ってたよ…」

神殿の入口、そこにはボロボロ遊海の姿があった

 

 

 

 

『遊海…お前どうして!』

「オレ達を救い出して、封印されたはずじゃ!?」

「余程悪運が強いらしいな、白波…」

「いや~危なかった!封印される!と思ったら魂が体から離れなくて…で結局精霊の力を根こそぎ盗られて追い出されたんだ!」

「お前心配かけんなよ…立てるか?」

「ああ、城之内すまん手を貸してくれ…」

 

「城之内様!!下がって!!」

 

「うわっ!?」

「がふっ!」

突如ヘリから飛び出したアヤカが遊海を弾き飛ばす!

 

『アヤカ!一体何を!』

「あいつはお前のマスターだろ!?どうしたんだ?」

「…彼はマスターではありません!…一体何者です!」

「どうしたんだアヤカ?(オレ)はお前のマスターじゃないか?」

「マスターは決して本人の前で城之内様を呼び捨てにはしません!それに彼から「オレイカルコス」の力を感じます!!」

『貴様…何者だ?』

 

「ハハハハハ!流石にバレるか!やはりアイツは人が良すぎるらしいな!!」

遊海?から闇のオーラが溢れ出す、それは普段の遊海からは考えられない事だった。

 

「我の名前は『ユウスケ』!白波 遊海の心に幽閉されし闇!ドーマの名の元に貴様らの魂を頂こう!」

遊海…いやユウスケはそう名乗りをあげたのだった。

 

遊戯side out

 

 

 

 

 

 

アヤカside

 

私はマスターの「強制脱出装置」によって神殿の外に排出された、その後遊戯様の魂を目印に海上を移動、何度も風に煽られ、雷を避けながら遊戯様達のいる空母にたどり着いた。

その後なんとか表遊戯様と城之内様の魂を渡した後システムがダウンした。

 

再起動するとそこは暗黒神殿だった、遊戯様は私も一緒に連れてきてくれたらしい、機体はボロボロだがマスターからエネルギーを貰えば回復できるだろう…と

『遊海…お前どうして!』

外から遊戯様の声が聞こえてきた…マスターがいる?

そんな馬鹿な事が…いた。

しかしそれはマスターでありマスターではない存在だった。魂の色が違う、口調が違う、他にもあるが何よりも「オレイカルコス」の力を感じる!アレはマスターじゃない!!

その時私の頭脳にマスターの言葉がよぎった。

 

「『もし俺が遊戯達の敵になったら』それを城之内さんに渡してくれ…!」

 

今、城之内様がアレに手を伸ばしている…マズイ!!

 

「城之内様!!下がって!!」

私はショートする機体を無視してマスターのようなモノに突進する、やはりマスターじゃない!

 

遊戯様や城之内様が何か言っているが関係ない、私は問いかける「お前は誰だ!」と遊戯様もようやく違和感に

気付いたようだ、そして…

 

「我の名前は『ユウスケ』!白波 遊海の心に幽閉されし闇!ドーマの名の元に貴様らの魂を頂こう!」

マスター…いやユウスケはそう名乗りをあげた、マスター…もしかして…

 

アヤカside out

 

 

 

 

 

 

 

 

『ユウスケだと?貴様!遊海をどうした!』 

遊戯は遊海…ユウスケに問う、その瞳は怒りに燃えている。

「ああ、アイツの魂は既にオレイカルコスの神の生け贄となった!」

「何!?」

「我はダーツにより掘り起こされた遊海の心の闇!さぁ俺の相手をしろ!」

『遊海にお前のような闇があるわけない!』

「…お前達は疑問に思わなかったのか?」

『なんだと…?』

「遊海はこの世界に来て何度も怪我をしているが…弱音を吐いたりした事はあるか?」

『…ほぼ無い…しかしそれは遊海が強いから…』

 

 

「違う!アイツの心はガラスくらいの強さしかない!

アイツの弱音や怒り、悲しみ…それを引き受けたのは全て我だ!ヤツの溜め込んだ『負』の感情が我を作り出したのだ!」

そう言うとユウスケの体から闇が溢れる…しかし

「ガボッ!!」

突然血を吐き出すユウスケ

「くっ!遊海め…ダーツに派手にやられやがって…!

さぁどうするこの体はとうに限界を越えて動いている!さっさと我を倒さないと体がぶっ壊れるぜ!!」

『ユウスケ!貴様…俺が…』

「…待ってくれ遊戯!…オレが相手をする、お前はダーツを頼む!」

『城之内君!何故!?』

「遊海が…俺に託したからだ…」

城之内はそう言うと1枚の手紙を見せる、そこには…

 

 

「城之内さんへ

 

城之内さんがこの手紙を見ている、という事は俺はおそらくドーマに一人で潜入し遊戯さんと城之内さんをドーマの封印から助け出し、俺は何らかの手段で遊戯さん達に敵対している筈です。それが洗脳か他の手段かわかりませんが。」

 

『なっ!?』

その手紙には今の状況がそのまま書かれていた。

 

「この手紙はアメリカに行く前に書いています、俺は千年玉の限定予知で未来を見ました。この流れはたぶん変えられません、なのでアヤカにこの手紙とデッキを1つ託します。

城之内さん、『ヘルモス』を遊戯さんに託しアヤカに渡してあるデッキで戦ってください。

敵対している俺が何のデッキを使うか分かりませんがそのデッキなら大丈夫…の筈です、デッキが決闘者の魂とわかっているうえでのお願いです。

あとは頼みます。

             白波 遊海より」

 

 

 

 

 

『遊海…お前はどこまで…』

「遊戯…オレは遊海から想いを…魂を託された…だからオレもお前にこれを託す!」

城之内が遊戯に渡したのは「ヘルモスの爪」だった。

『城之内君…』

「遊海…ユウスケはオレに任せろ!アイツは俺が助け出す!」

『…わかった!遊海を頼む!』

「ああ!ユウスケ!オレとデュエルだ!」

「やっと覚悟を決めたか…良いだろう受けてたつ!」

 

「行ってくれみんな!」

「凡骨!アイツは任せたぞ!」

『城之内君…頼む!』

「城之内!ユウスケを倒したらすぐに来なさいよ!」

遊戯達は城之内とアヤカを残して先に進む、ダーツを倒すために…

 

「さて邪魔者は居なくなったか…アイツが何を託したか知らないがお前を倒す!」

「遊海の想いは無駄にしねぇ!勝負だ!」

 

 

 

       「「デュエル!!」」

 

 

 

ユウスケLP 4000

城之内 LP 4000

 

 

 

「我のターン!ドロー!」

「早速か…闇の力よ我に天命の力を与えよ!『オレイカルコスの結界』!発動!」

ユウスケの足元から緑の結界が広がる

「我は魔法カード『トレード・イン』を発動!手札の星8『堕天使スペルビア』を墓地へ送り2ドロー!」

「堕天使デッキ…よりによって…」

「さらに手札の『堕天使イシュタム』の効果!手札の『堕天使マスティマ』と共に墓地へ送りさらに2ドロー!」

「さらに手札から『闇の誘惑』を発動!2ドローしその後手札の闇属性モンスターを除外する!俺は『堕天使テスカトリポカ』を除外!」

「なんていうドロー加速だ…」

 

「そして手札から魔法カード『堕天使の戒檀』を発動!墓地の『スペルビア』を守備表示で特殊召喚!」

大きな翼を持つ堕天使が現れる DEF 2400

「さらに『スペルビア』効果で墓地の『イシュタム』を特殊召喚!」

3対6枚の黒い翼を持つ女性が現れるATK 2500→3000

「いきなり攻撃力3000だと!?」

「先攻は攻撃ができない、カードを伏せてターンエンド!」

ユウスケLP 4000

スペ イシュ 伏せ1 オレイカルコス 手札3

 

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「(遊海…お前の魂…使わせてもらうぜ!)」

「オレは手札から『紅玉の宝札』を発動!手札の『真紅眼の黒竜』を墓地に送り2ドロー!さらにデッキから星7『真紅眼の黒炎竜』を墓地へ送る!」

「そして手札から『レッドアイズ・インサイト』を発動!デッキの『真紅眼の飛竜』を墓地へ送り『真紅眼融合』を手札に加える!」

 

「そして『真紅眼融合』を発動!デッキの『真紅眼の黒竜』と『真紅眼の凶星竜ーメテオドラゴン』を融合!宙に燃える凶星よ!黒き竜に力を与え…全てを燃やす竜となれ!『流星竜ーメテオ・ブラック・ドラゴン』!!」

全身に炎を纏った竜が現れるATK 3500

「何!?攻撃力が3500!?」

 

 

「『流星竜』の効果!デッキから『真紅眼の凶雷皇ーエビル・デーモン』を墓地に送り攻撃力の半分1250ダメージを与える!!『レッドアイズ・メテオ』!!」

「ぬぉぉ!」

ユウスケLP 4000→2750

「さらに手札の『黒鋼竜』を『流星竜』に装備し攻撃力を600アップする!」

ATK 3500→4100

 

「バトル!『流星竜』で『イシュタム』を攻撃!『ダークメテオ・ダイブ』!」

「ふっ甘いぞ!リバース罠!『背徳の堕天使』!手札の『堕天使ゼラート』を墓地に送り『流星竜』を破壊する!」

「なんだって!?」

流星竜がゼラートの幻影に切り裂かれる

「くっ!『黒鋼竜』の効果によりデッキから『真紅眼融合』を手札に加える!カードを三枚伏せてターンエンド…」

「エンドフェイズに『堕天使イシュタム』の効果!1000ライフを払い墓地の『堕天使の戒檀』を発動!『堕天使ゼラート』を特殊召喚!その後『戒檀』をデッキに戻す!」

「なんだと!?」

ユウスケLP 2750→1750

赤い翼の堕天使が現れるDEF 2300

「ターンエンド!!」

城之内LP 4000

モンスター0 伏せ3 手札2(1枚融合)

 

 

 

 

 

 

「我のターン!ドロー!」

「我は手札から『堕天使の追放』を発動!『堕天使イシュタム』を手札に加える!さらに『イシュタム』効果で『アムゥドゥシアス』と墓地に送り2ドロー!」

「そして場の『イシュタム』の効果!1000ライフを払い墓地の『追放』を発動!『戒檀』を手札に加えて発動!墓地の『堕天使アムゥドゥシアス』を特殊召喚!」

ユウスケLP 1750→750

馬のような堕天使が現れる DEF 2800

 

「そして『スペルビア』と『アムゥドゥシアス』をリリースし…現れろ!傲慢なる天使の長!『堕天使ルシフェル』!!」

4対八枚の翼を持つ堕天使の長が現れる ATK 3000→3500

 

「『ルシフェル』の効果!場の『堕天使』の分だけデッキからカードを墓地に送りその枚数✖500ライフを回復する!落ちたのは『戒檀』二枚と『終焉の炎』の三枚よって1000ライフを回復する!」

ユウスケLP 750→1750

 

「ゼラートを攻撃表示に変更!バトル!行け!『ゼラート』!」

ゼラートが城之内に斬りかかる!

「リバース罠!『聖なるバリアーミラーフォース』!これで返り討ちだ!ぶっ飛べ!!」

ミラーフォースがゼラートそしてユウスケの場を凪ぎ払う!!

「なんだと!?」

「よしっ!」

「やりました!!」

「おのれ…カードを伏せてターンエンド!」

ユウスケLP 1750

伏せ1 オレイカルコス 手札1

 

 

 

 

「オレのターン!ドロー!」

「(このカードは…遊海…今開放するぜ!)」

「オレは『真紅眼融合』を発動!手札の「デーモンの召喚」とデッキの『真紅眼の黒竜』を融合!竜と悪魔の絆が邪悪な闇を焼き払う!来い!『悪魔竜ブラック・デーモンズ・ドラゴン』!」

かつての遊戯と城之内の絆が進化して降臨するATK 3200

「くっ!攻撃力3200…(しかし我の伏せカードは『ミラーフォース』さっきのように返り討ちだ!)」

「『真紅眼融合』により『悪魔竜』は『真紅眼の黒竜』として扱う!よってこのカードを発動できる!

魔法カード『黒炎弾』!効果により『悪魔竜』の攻撃力分…3200のダメージを喰らえ!闇を燃やせ!『デビルメテオフレア』!!」

「そんな…バカなぁ!」

《城之内さん!助かった!》

「えっ!?」

黒炎弾がユウスケに当たる直前、遊海の声が聞こえた気がした…

ユウスケLP 750→0

 

城之内 WIN!

 

 

 

 

 

結界が収束しユウスケが呑み込まれる

「オノレェ!!遊海…余計なことを…ぐぁぁぁ!」

ユウスケの魂はオレイカルコスの結界に封印された、そして…城之内の持つ「悪魔竜」が光を放つ…そして小さな光の玉が遊海の肉体に入り込み、遊海が息を吹き返す。

 

「…城之内さん…ありがとうございます…予測どうりの動きでした…」

「お前…『遊海』なのか…?」

「はい…本体ではありませんが…遊海です…」

「マスター!」

アヤカが遊海にすり寄る…本物のようだ…

「お前…ダーツに封印されたはずじゃ…」

「はい…本体は封印されています、しかし俺はカードに宿った「遊海」の欠片のようなものです…心当たりありませんか?」

「…もしかしてバクラの『パラサイトマインド』か?」

 

パラサイトマインド…バクラの持つ「千年輪」の能力で人の心を物や人に宿らせる事ができる能力である。

遊戯達はそれによってバクラと対戦した事がある。

 

「はい、半分は合ってます。これは俺の持っている「千年玉」の能力で、いうなれば『偽パラサイトマインド』みたいな感じです。これは完全に無機物じゃないと魂を宿せなくて…しかも…」

「しかも?」

「超痛いんです…」

「あっ……」

アヤカは思い出す、確かマスターはデッキと手紙を託す時、脂汗をかいていた…あれは痛みを我慢していたからだったのかと。

 

 

「俺は未来を見た後、城之内さんの使えるデッキを作り、心をカードに込めてアヤカに託しました…まさか俺の闇を出して来るとは思いませんでしたが…」

「そうだったのか…」

「マスター!何か作戦があるなら私に話してくださいよ!私がどれだけ心配して…」

「ごめんなアヤカ…でもよく言うだろ『敵を欺くかなはまず味方から』って…ゴブッ!」

「遊海!?」

「まったく…ダーツめ俺の体を痛めつけてくれちゃって…城之内さん…行きましょう…」

「どこに?」

「決戦の場へ…!」

「いけるか?」

「ええ…行かなきゃ…遊戯さん達を見守らないと…!」

 

 

 

遊海は城之内の肩を借りて進む、ダーツと遊戯の戦場へ…

 

 

 


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