転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
遊馬達は次なる遺跡へと向かう…その先で目の当たりにする真実とは…?
それでは、最新話をどうぞ!
「ああ…遊海さん…!またひどい傷を…」
「龍可ちゃん…」
ハートランドシティの遊海の病室…そこには翠、そして龍可の姿があった。
遊星から遊海と翠の危機を聞いた龍可は精霊界のトルンカが作った回復薬を持ってハートランドに駆けつけたのだ…。
《なんと強い呪いでしょう…!遊海をここまで弱らせてしまうとは…》
《エンシェントフェアリーよ…これでも、だいぶ良くなったのだ…遊海を心配したトロン…いいや、バイロンという男のおかげでな》
「璃緒ちゃんから聞いたわ…紋章の力で遊海さんを必死に治療してくれたって…」
《本人は気休めにしかならないと言っていたがな…》
遊海の状態を説明したメガロックは視線を落とす…トロンの渾身の治療によって遊海の症状は僅かに和らぎ、穏やかに眠っている…。
「遊海さんを回復させるにはネームレスの持つ『鎌』を破壊しなきゃならない…次こそは、絶対に…!!」
「翠さん…」
遊海の為に強い決意を抱く翠…あまり見た事のない彼女の姿に龍可は事態の重大さを悟った…。
「(アリト…どうしてあんな戦い方を…なんで…!)
ゴーシュと別れた遊馬一行は次元トンネルを進み、中央アジアに位置する『第4の遺跡』へと向かっている…だが、操縦桿を握り締める遊馬は豹変してしまったアリトの事ばかり考えていた…。
「おい遊馬、ぼーっとしてんじゃねぇぞ…アリトって奴の事考えてやがったな?」
「シャーク…」
心ここにあらずといった感じの遊馬を見かねた凌牙が遊馬に声をかける。
「まったく…アリトはバリアンの
「本性って…!でもアリトはあんな奴じゃ…あんな奴じゃなかったんだ…!!」
「遊馬…」
アリトの変貌を「正体を現した」だけと割り切る凌牙…それを受け入れられない遊馬…2人の意見がぶつかるが…。
『遊馬、凌牙…間もなく「第4の遺跡」の座標に到着しますよ』
《着陸の準備をするでアリマス!》
「おっ…!次はどんな遺跡なんだろうな!」
アヤカとオービタルが遊馬達に声をかける、飛行船は中央アジアにある遺跡に到着しようとしていた。
「また…次の遺跡にも『伝説』があるのでしょうか…?」
「そういえば…今までの遺跡には必ず悲しい物語があったわ…」
「遺跡の伝説…か…」
璃緒と小鳥の言葉に遊馬は今までの旅を振り返る…。
「天馬の遺跡」に残された騎士の伝説
「悲鳴の迷宮」に残された残虐な王の伝説
「コロッセウム」に残された悲劇の拳闘士の伝説
…遊馬達を待ち受ける次なる伝説とは…。
キィン─…
「『銀河眼』が共鳴している…この先には、いったい何が待っている…?」
同じ頃…1人遊馬号の甲板に立つカイト、彼は感じていた…次の遺跡には自身に関わる
『…………』
『よーし…ようやく回復したらしいな、怪物…!』
バリアンの城…ベクターは自身の前に佇むローブの少女ネームレスを眺め、笑みを浮かべる…翠とのデュエルで受けた傷がようやく癒えたのだ。
『…6ut、req…』
『あん…?チッ…なかなかに使える奴だが…まったくもって言葉がわからねぇ、気持ち悪い喋り方しやがって…!』
『…h4h4…6utt@…uljdq…』
『だから…!わからねぇって言ってんだろぉ!?』
意味不明の言葉を呟くネームレス…その様子を見たベクターは苛立ちを募らせる…。
『チッ…しょうがねぇ…!もう少し、力を送り込んでやるか…そうすりゃ喋れるようにはなるだろ』
【加減を間違えるなよベクター、しくじれば…お前は
『はぁ…?いきなり何を言いやがる!?』
ネームレスにさらなる力を与えようとするベクター…だが、ドン・サウザンドが注意を促す。
【この怪物…もしも力を完全に取り戻せば……バリアン世界を崩壊させるレベルのエネルギーを持っているぞ】
『そんな事はわかってるさ…!コイツのせいでバリアン七皇全員が死にかけたんだからな…!いま思い出してもまさに「悪夢」だぜ…!』
ドン・サウザンドの言葉にベクターは忌々しげな表情を浮かべる…。
『だが…だからこそ、あの化け物を潰すにはもってこいなのさ…!さぁ…奴にトドメを刺してこい…!ネームレス!!』
ギィン─!
邪悪な光がネームレスを包み込んだ…。
………
ビビーッ!ビビーッ!
「っあああ!!いったいなんなんだぁぁぁ!?」
「遊馬!しっかり舵を取りやがれぇぇ!!」
《こ、コントロール不能!コントロール不能でアリマス─!!》
飛行船内にけたたましい警報音が鳴り響く…次元トンネルから遺跡の近くへと飛び出した飛行船…だが、突如としてコントロールを失い、墜落しかけていたのだ!
『これは…!エネルギー波の干渉を確認!飛行船の制御系統にエラーがっ…!!』
「オービタル!アヤカ!どこでもいい!飛行船を着陸させろ!!」
《かか、カシコマリ!!》
『くっ…!!メインシステムに、アクセス…!強制、制御!!』
カイトの怒号が飛ぶ…アヤカとオービタルは共に制御に全力を尽くした…。
「ひ、酷い目に遭ったぜ…」
「まったくだ…」
《ですが…間違いありません、飛行船が指し示したナンバーズの遺跡の座標は…この場所でアリマス…》
「おぉ〜…!それじゃあ、遺跡はこの
遺跡の近くに不時着した遊馬達はオービタルの指し示す方向を見る…そこには天高く聳え立つ、巨大な岩山があった…。
「どうやら…ここからは
「そのようだな…」
「「えぇ〜!?」」
凌牙が岩山を見つめながら呟く…聳え立つ岩山の頂上は雲に隠れて見えず、さらに飛行船は使用不可能…さらに…
《申し訳ありません、カイト様…カラダがまったく言うことを聞きません─!!ガクッ…》プシュー…
『こ、これが「体調不良」…初めての、感覚、です……全ての能力が、封じられて…うぅ…』
グライダーとなって空を飛べるオービタル、そして巨大な空中要塞となれるアヤカ…だが、謎のエネルギー波によって機械である2人は使い物になる状態ではなかった。
なお、オービタルは全身から煙が吹き出し…人間体のアヤカに至っては風邪をひいたように顔が真っ赤になっている…コア状態に戻ろうにもその力さえ封じられているのだ…。
「どうしよう、こんな所登れないよ〜…またお留守番かぁ…」
「……そうですわね、ここは女の子が登れる場所じゃないわ…今回は私も留守番ですね!オービタルやアヤカさんも調子が悪いみたいですし!」
「璃緒さん…!」
岩山を見てため息をつく小鳥…その様子を見た璃緒は今回の遺跡には行かない事を決めた…なお、コロッセウムで小鳥を一人ぼっちにさせてしまったお詫びも兼ねている。
「よ〜し!それじゃあ、行ってくるぜ!」
「気を付けてね!遊馬!」
「大丈夫だって!オレは冒険家の息子なんだ!サクッとナンバーズを回収して来るぜ!」
「もう…そうやって調子に乗らないの!」
小鳥と璃緒の見送りを受けた遊馬・凌牙・カイトの3人は岩山へのクライミングを始めた…。
「2人とも!山登りのコツは足場を確保する事と…腕をしっかり伸ばして…岩をしっかり掴むんだ!それから山は
「わーってる!父さんにも、教わって、るからな…!!」
「くっ…!!」
登り始めて数十分…危険なエリアに差し掛かった遊馬は凌牙とカイトに山登りのコツを伝える…なお、全員命綱など付けていない為…落ちたらお陀仏である。
「遊馬!山頂は、見えるか…!」
「まだまだだ!雲に隠れて、見えねぇ!」
カイトは先行している遊馬に声をかける…既に数十mは登ったが…未だに山頂は見えなかった…その時だった!
《キュオオォォオオン──…!》
「今の声は…!?」
岩山を登る遊馬達の遥か頭上…頂上付近から雄々しく威厳を感じさせる咆哮が轟く…!
(今の声…おそらく、
アストラルは咆哮の主の正体を予測する…。
キィン─!
「ギャラクシーアイズ…!?やはり、この遺跡には…っ!?」
さらに咆哮と共に共鳴するカイトの「銀河眼の光子竜」…その様子を見たカイトは何かを確信するが…彼に試練が襲いかかる!
ガラガラガラガラ!!
「ら、落石!?」
「しまっ…!!」
「危ねぇ!!」
銀河眼の共鳴に気を取られたカイトの頭上…そこへ大小様々の落石が襲いかかる…だが、間一髪の所で遊馬がカイトの腕を掴み、落下を回避した…!
「ヘヘッ…!言っただろ?山は助け合いだって!」
「…すまん…助かった」
不慣れとはいえ…13才に助けられる18才…思わずカイトはそっぽを向いてしまった…。
Side留守番組
「アヤカさん…大丈夫…?」
『大丈夫、です…少し、慣れてきました…』
一方、遊馬達を待つ小鳥・璃緒・オービタル・アヤカの待機組…オーバーフローを起こしているアヤカは濡れタオルを持った璃緒に看病されていた…。
「遊馬…」
《カイト様…》
『……小鳥、オービタル…心配する事は、ないですよ、遊馬達は…このペースなら、あと1時間も登れば、到着するはずです』
「大丈夫よ!あの3人なら…私達は信じて待ちましょう…オヤツ食べる?」
心配そうに岩山を見上げる小鳥とオービタル…アヤカは辛うじて機能するレーダーで3人の無事を確認し…璃緒は彼らの事を信じて待っていた…。
Sideout
「ぐっ…!つ、着いたぁ…!ここが山頂か…」
「ふっ…!霧が深くて、何も見えねぇ…」
休憩を挟みながら3時間近く登り続けた先…遊馬達は深い霧に覆われた山頂へと辿り着いた…。
「いや…前を見てみろ、何かあるぞ…!」
「えっ…?あっ─!?」
「おい…!こんなモン、どうやって建てたんだ…!?」
カイトが霧の先に何かを見つける…その先にあったのは古代中国風の赤い王宮のような建物だった。
ゴゴゴ…ガシャン!
「扉が…!」
「また、バリアンの奴らが何かを仕掛けてくるかもしれねぇ…用心して行くぞ…!」
王宮の門がひとりでに開く…遊馬達は警戒しながら足を踏み入れた…。
(ここが…我々の目指していた遺跡なのか…?)
「確かに…
王宮の中は素晴らしい造りだった…綺麗に整備された中庭…龍の装飾のオブジェ…どう見ても遺跡には見えない程、綺麗過ぎた…。
「クンクン…匂う…匂うぜ…!美味そうな料理の匂いがする〜!きっと誰か住んでるんだ!」
「あ、待て遊馬!!」
辺りを見回す遊馬…その時、空腹な遊馬の鼻が香しい料理の匂いを嗅ぎ取る…その匂いの先には美味しそうな鍋料理があった!
「う、美味そう〜!!食べたいけど……勝手に食べちゃ、ダメだよな〜…」
『フム…多少の礼節はわきまえておるようじゃの、若者よ…それは儂の昼飯じゃて』
「誰だ!!」
王宮に響く老人の声…それと共に王宮の中から金色の辮髪を結い、杖をついた小柄な老人が現れた。
『それはこちらのセリフじゃ…お主達は何者だ?』
「オレは九十九遊馬!それからシャーク、神代凌牙と…」
「カイトだ…オレ達は、遺跡のナンバーズを探しにきた!」
『ほう…ナンバーズをのぉ…!』
カイトの言葉を聞いた老人は妖しく目を輝かせる…その瞳にはカイトを守るように佇むギャラクシーアイズの姿が見えていた…!
『お主、ドラゴン使いじゃな?』
「ああ…そういう貴様もか、ただならぬ
『…いかにも』
ギィン─!
「っ!?なんだ…!?」
カイトが老人を睨み…それと共に強風が吹き荒れる、それはドラゴン同士の共鳴…老人の背後に東洋の龍を思わせる影が現れる…!
『我が名はジンロン!このナンバーズの遺跡を護る者…!お前はなかなか良い闘志を持っているなぁ…儂もお前のような決闘者を知っておる…遥か昔、この遺跡の伝説に残るドラゴンと戦った決闘者を…』
「決闘者だと…?」
自らの正体を明かした老人…ジンロンは昔を懐かしむように空を見上げる…。
(ご老人…そのデュエリストの名は…
「「「なんだって…!?」」」
『ほう…青き者よ、お前は遺跡の伝説を知っているのか?』
ジンロンへと問い掛けるアストラル…ジンロンはその問い掛けに頷いた…!
「ち、ちょっと待ってくれよアストラル!なんでミザエルの名前が!?奴はバリアンで………まさか…」
アストラルの言葉に驚いた遊馬は思い出した…遊海が戦ったバリアン・アゴール…彼も元々は
(遺跡で回収したナンバーズが私に伝えてくれた…我々が探している『7枚のナンバーズ』…そして遺跡に伝わる伝説…それはバリアン七皇が人間だった時の物語なのだと…!)
それはナンバーズに宿る記憶からアストラルが導き出した『真実』だった…。
「バリアンが、人間だった…!?そんな馬鹿な…!」
「…遊馬、シャーク…ここでのデュエル、オレに任せてもらうぞ…ここにオレがやって来た事…単なる偶然ではない、
「カイト…!」
思わぬ事実に動揺する遊馬と凌牙…カイトは自身の宿命を感じ、ジンロンの前に歩み出る!
『よかろう…儂に勝つ事ができたら「遺跡のナンバーズ」はお主に託そう…ただし!負けた時はお主のドラゴンを貰おうか…!』
「構わない…オレが負ける事はありえん!」
『カッカッカ…!その生意気な口がいつまで続くか…見物じゃな─!!』
ドラゴン使いの魂とナンバーズを賭けた決闘が…ついに始まる!
『「デュエル!!」』
デュエルダイジェスト カイト対ジンロン
46
『現われろ!「No.46」!雷鳴よ轟け…稲光よ煌めけ…!顕現せよ!我が金色の龍!「神影龍ドラッグ・ルーオン」─!!』
《キュオオォォオン!!》
「これが、遺跡のナンバーズ!」
先攻を取ったジンロン…彼は遺跡のナンバーズ、巨大な翼と神々しき角を持つ白龍を呼び出す!
「…それが貴様のドラゴンか」
『そうじゃ…!
ドラッグルーオンがORUを取り込み、鉄壁のドラゴンを呼び出す…だが、それだけではない…!
スウゥゥ─…
「なっ…!?『ドラッグルーオン』が消えた…!?」
カイトは目を見開く…プロテクトドラゴンが現れた途端、ドラッグルーオンが空気に融けるように消えてしまったのだ…。
『これぞ「ドラッグルーオン」のモンスター効果じゃ…!儂のフィールドにドラゴン族モンスターが存在する時、自身は攻撃及び効果の対象にならない!つまり…お前はナンバーズに指一本触れる事も叶わぬ!さらに装備魔法「ドラゴン・シールド」を「プロテクトドラゴン」に装備!』
ジンロンはさらに万全を期す為にプロテクトドラゴンに重厚な鎧を纏わせる!
『「ドラゴンシールド」を装備したドラゴンは戦闘・効果では破壊されず、儂が受ける戦闘ダメージも0になる!そして装備魔法を装備した「プロテクトドラゴン」の攻撃力は500アップし、自身が表側表示の限り装備魔法は効果では破壊されなくなる!さぁ…この「鉄壁の試練」を乗り越えてみせよ!!』
まさにナンバーズを護る鉄壁の盾となったプロテクトドラゴン…カイトの一手とは…!
「オレは攻撃力2000の『オーバーレイ・スナイパー』と『オーバーレイ・ブースター』をリリース!闇に輝く銀河よ!希望の光となりて、我が下僕に宿れ!光の化身ここに降臨!現われろ!『銀河眼の光子竜』!!」
《ギャオオン!!》
「ギャラクシーアイズ!!」
カイトは速攻で自身のエースにして魂のドラゴン…ギャラクシーアイズを呼び出す!
(そうか…「光子竜」の効果で「プロテクトドラゴン」を除外してしまえば鉄壁は破れる…流石はカイトだ)
アストラルはカイトの狙いを見抜く…だが、ジンロンは一筋縄ではいかない相手だった…。
『それがお前のドラゴンか…』
「そうだ!今度は貴様にオレのドラゴンの力を見せてやる!」
『カカッ…!それはどうかな?「ドラッグルーオン」のさらなる効果発動!相手フィールドのドラゴン族モンスターの効果を無効にする!』
「なにっ!?」
姿を現したドラッグルーオンが光線を放つ、それはギャラクシーアイズの足元に命中…展開された陰陽陣がギャラクシーアイズの能力を封印する!
『どうじゃ!これでお前のドラゴンは牙を抜かれたも同じ…さぁ、どうする!!』
「フッ…貴様は破壊不能の城壁を築き…その前で狼狽えるオレの姿が見たかったのだろうが…その鉄壁ごと、吹き飛ばす!!」
カイトを見定めるように睨むジンロン…カイトは鉄壁を攻略する為の一手を打つ!
「速攻魔法発動!『月の書』!その効果により『プロテクトドラゴン』を裏守備に変更する!それにより『ドラゴンシールド』は対象を失い、破壊される!」
『むっ…!』
(その手があったか!)
無敵に思えた「プロテクトドラゴン」と「ドラゴンシールド」のコンボはカイトの一手で崩れ…表側表示のドラゴンがいなくなった事でドラッグルーオンが姿を現す!
「再びナンバーズが姿を見せたか…待っていろ!鉄壁とやらを全て打ち壊し!お前のナンバーズをオレの手で狩ってやる!バトルだ!『光子竜』で裏守備の『プロテクトドラゴン』を攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!」
『ぐおっ…!?』
「よっしゃ!カイトの先制パンチが決まったぜ!」
銀河の息吹が1つ目の鉄壁を粉砕する!
「これが…オレのやり方だ!オレに壊せぬ壁は…ない!!」
『これは愉快じゃ…!決して破壊できぬ物を破壊する…見事じゃった!お前に及第点をやろう!』
プロテクトドラゴンの爆煙の奥からジンロンが笑いながら現れる…!
「…気に入らんな、貴様に点数を付けられる筋合いはない!」
『カッカッカッ!褒めているのじゃ!まったく…ドラゴン使いには偏屈な奴が多いのぅ…ミザエルもそうじゃったわ!お主に良く似ていた…あいつとの戦いもな…』
「ふざけるな!…オレは奴とは違う」
『そうか…お前とミザエルは違うか!これはまた愉快じゃ!カイト…お主のデュエルの真髄…見せてもらうぞ!お主が超えるべき鉄壁はまだまだあるからのう─!!』
カイトの姿にミザエルの面影を重ねるジンロン…彼はさらなる試練を課す…!
『「ドラッグルーオン」の効果発動!ORUを1つ使い、手札より現われよ!「魂喰神龍ドレイン・ドラゴン」!』
「攻撃力4000だと!?」
ジンロンの場に禍々しい黒い体と胸を凄まじいエネルギーで輝かせるドラゴンが現れる!
『ドラゴンが現れた事で「ドラッグルーオン」は再び消える…そして「ドレインドラゴン」の効果発動!このカードの攻撃力は相手のライフポイントを自身の元々の攻撃力に加えた数値となる!よって…攻撃力8000じゃ!』
「なんだと!?」
その体を巨大化させたドレインドラゴンがカイトをにらみつける!
『まだじゃ!「ドレインドラゴン」は破壊された時…その時点での攻撃力の半分のダメージを相手に与える!』
「「なんだって─!?」」
「くっ…!!」
(今の「ドレインドラゴン」の攻撃力は8000…効果破壊すれば4000のダメージがカイトに襲いかかる…だが、高い攻撃力を乗り越えるのは困難…これが新たな試練…!)
プロテクトドラゴンが護りの鉄壁ならば…ドレインドラゴンは攻めの鉄壁…カイトはこの試練を乗り越える事ができるのか…。
『さぁ、どうする…!』
「くっ…攻撃するなら…さっさとやれ…!」
攻撃力8000のドレインドラゴンを前に覚悟を決めるカイト…だが、その様子を見たジンロンは…。
『カッカッカ…安心せい「ドレインドラゴン」は召喚・特殊召喚したターンは攻撃できん!…儂はこれでターンエンドじゃ…命拾いしたなぁ』
「き、貴様…!ふざけているのか!?」
強力な効果を持つドレインドラゴンのデメリット、カイトはそれによって命拾いしたが…ジンロンに対して怒りを露わにする。
『勘違いするな!これはお前に与えられた
「ふざけるな…!オレに超えられない壁はない!」
カイトを試すジンロン…カイトはその試練を乗り越える道を見つけ出す!
「オレは魔法カード『デスパレード・スクレイブ』を発動!オレのライフを800払い!相手モンスターの元々の攻撃力を半分にする!!ぐぅぅっ!!」
カイトの魂を賭けた一手がドレインドラゴンに炸裂する!
「『ドレインドラゴン』の元々の攻撃力は4000、それが半分になり2000…!さらにオレのライフが減った事で攻撃は5200となる!」
『ほう…「肉を切らせて骨を断つ」か…!だが!まだ「光子竜」の攻撃力を上回っているぞ!』
「まだだ!さらに魔法カード『ドラゴニック・ディバイン』を発動!自分フィールドにレベル8以上のドラゴン族モンスターが存在する時!ライフを1000払い、このターン使用した墓地の一番上にある魔法カードを手札に戻す!そして回収した『デスパレード・スクレイブ』をもう一度発動!ライフを800払い!相手の元々の攻撃力をさらに半分にする!!」
さらにライフを削り、カイトはドレインドラゴンを弱体化させる!
「これで『ドレインドラゴン』の元々の攻撃力は1000…!そしてオレのライフは1400…よって『ドレインドラゴン』の攻撃力は2400だ!」
「『光子竜』の攻撃力が『ドレインドラゴン』を上回った!」
「いけ!『光子竜』!『ドレインドラゴン』を攻撃!破滅のフォトン・ストリーム!!」
『ぐぬっ…!!儂のライフを…!』
銀河の息吹がドレインドラゴンを粉砕…ジンロンのライフを削る!
『だが、この瞬間!「ドレインドラゴン」の効果発動!破壊された事で攻撃力の半分のダメージを相手に与える!「ドレインドラゴン」の攻撃力は2400…よって1200のダメージじゃ!!』
「ぐっ…!?ぐああああ!!」
「カイト!!」
ジンロンの墓地から飛び出した炎の幻影がカイトを吹き飛ばす、その残りライフは…僅か200…!
(…見事だ、カイト…僅かな時間でこんな打開策を思いつくとは…)
「攻撃力8000の『ドレインドラゴン』を倒すには…この方法しかなかっただろうからな…」
「な、なんだよ!?2人ともカイトの狙いがわかってたのかよ!」
カイトのデュエルを見守っていたアストラルと凌牙が呟く…2人はカイトがドレインドラゴンを攻略する方法を見抜いていたのだ…なお、遊馬が一人でハラハラしていたのは余談である。
「ちくしょう…なんだかオレだけレベルが違うみたいじゃねぇか…」
(気にする事はない…そんな事は百も承知だ)
「うっせぇな!?…でも、オレだってわかってる事があるぜ!!」
(それは?)
「カイトは絶対に勝つって事だ!!」
アストラルの言葉に憤慨する遊馬…だが、彼は信じていた…カイトが勝利を掴む事を…!
『よく2つ目の壁を乗り越えた…!ドラゴン族モンスターがいなくなった事で「ドラッグルーオン」は姿を現す!』
下僕のドラゴンが消えた事でドラッグルーオンが姿を現す…!
「とうとう来るか…!罠カード『キリング・リワード』を発動!相手モンスターを破壊した時、そのレベルによって効果を得る!『ドレインドラゴン』のレベルは8…よってカード2枚ドローする!…カードを2枚伏せ、ターンエンド!」
『さぁ…次が最後の試練じゃ…!お主はこの試練を乗り越えられるかな…!!』
ドレインドラゴンの試練を乗り越えたカイト…ジンロンは彼に最後の試練を課す…!
『儂は「ドラッグ・ルーオン」の最後の効果発動!自分のフィールドに自身以外のドラゴン族モンスターが存在せず、ORUを持っていない時!相手フィールドのドラゴン族モンスターのコントロールを奪う事ができる!お前の「魂」…「銀河眼の光子竜」を戴くぞ!』
「なっ…!?」
ドラッグルーオンが「最強のドラゴン」を名乗る所以…それはドラゴンを下僕とし、敵対するドラゴンさえも操る強力な効果を持っているが故だった…!
『ただし、この効果はお主がライフを半分払い…さらに「光子竜」を破壊する事で無効にできる!…さぁ、どうする…!』
それは二者択一の選択…自身を守る為にドラゴンを犠牲にするか…それともドラゴンを破壊せず、相手に譲り渡すか…それはカイトにとって苦渋の選択だった…。
『「光子竜」の力はお主自身が良く知っているはず…己の手で破壊するか?敵の手へ渡すぐらいなら己の手で破壊するか…?』
「……貴様にはわからないだろうな、オレと「銀河眼」の『絆の強さ』を…!オレなくして「銀河眼」は在らず…「銀河眼」なくしてオレも在らず!ましてや貴様に言われて
『ほう…』
それはカイトと『光子竜』の絆…ハルトを救う為にナンバーズを狩り続けたカイトの『魂のカード』…カイトはその
『ならば…その「魂」を我が手に戴くぞ!やれィ!「ドラッグルーオン」!!』
《キュオオォォン!!》
「っ…!『光子竜』がカイトの敵に回った!!」
ジンロンの言葉と共にドラッグルーオンが咆哮…全てのドラゴンを従える声がギャラクシーアイズのコントロールを奪い取る!
『せめてもの情けじゃ…お主のモンスターでトドメを刺してやろう!!行け!「光子竜」!カイトにダイレクトアタック!!』
「永続罠『デステニー・ブレイク』発動!!相手のモンスターがダイレクトアタックをしてきた時!カードを一枚ドローし、それがモンスターカードなら…その攻撃を無効にする!!オレが引いたのは…モンスターカード『銀河騎士』だ!!」
『なんと!?』
カイトの起死回生の一手…それはギャラクシーアイズの息吹を受け止める!
『くっ…デュエルを
「
『なんじゃと…?』
ジンロンの言葉をカイトは否定する…!
「最強のデュエリストは
「カイト…!」
それはカイトの変化の証…ナンバーズハンターであった頃のカイトは徹底したリアリストだった…だが、遊馬やアストラル…遊海などたくさんのデュエリストと出会う中でカイトもまた成長していたのだ!
『じゃが…儂には「ドラッグルーオン」の攻撃が残っている!「ドラッグルーオン」でダイレクトアタック!火炎神撃!』
カイトに向けて裁きの炎が迫る!
「オレはもう一度『デステニーブレイク』の効果発動!ドローしたのは…2枚目の『銀河騎士』だ!!」
『なにっ─!?』
カイトは再びモンスターカードを引き、攻撃を回避する!
「そして『デステニーブレイク』のさらなる効果発動!バトルが終了した時!このカードを破壊し、このカードの効果でドローしたモンスターを効果を無効にして特殊召喚する!現れろ!2体の『
そしてカイトの場にホバーボードに乗る2体の騎士が現れる!
『くっ…!?儂はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!』
「オレのターン!ドロー!!…いくぞ!魔法カード『デステニー・オーバーレイ』を発動!このカードの効果により、相手フィールドのモンスターと自分フィールドのモンスターでエクシーズ召喚を行なう!!」
『なに…!?相手の場のモンスターとエクシーズ召喚じゃと─!?』
それはギャラクシーアイズとカイトの絆が引き込んだ起死回生の一手だった!
「オレは貴様の場の『銀河眼の光子竜』とオレの場の『銀河騎士』2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
囚われたギャラクシーアイズと騎士が銀河へと飛び込み、カイトの切り札…絆のドラゴンを呼び覚ます!
「逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりて…その姿を現すがいい!!降臨せよ!我が魂!!『超銀河眼の光子龍』!!」
《グオオオン!!》
それはカイトとハルト…そしてギャラクシーアイズの絆の力、赤き銀河の龍が咆哮を轟かせる!
『「超銀河眼の光子龍」…自らのモンスターを奪い返し、さらに進化させるとは…だが、甘い!!「ドラッグルーオン」の効果によってお主のドラゴンの効果は封印される!!そしてナンバーズはナンバーズでなければ破壊できん!!儂に多少のダメージを与えようと…次のターンにはそのドラゴンは儂のモノになる!!』
「それはどうかな、既に…オレの勝利は決まっている!!」
『なに?』
最強のドラゴンを前にするカイト…しかし、既に彼の勝利の方程式は完成している!!
「オレは墓地の『オーバーレイスナイパー』の効果発動!自身を除外し、自分フィールドのエクシーズモンスターが持つORU1つにつき500ポイント…相手モンスターの攻撃力を下げる!『超光子龍』のORUは3つ!よって『ドラッグルーオン』の攻撃力は1500ダウンする!」
『なんじゃと!?』
超光子龍のORUから放たれたエネルギーがドラッグルーオンを弱体化させる!
「さらに!墓地の『オーバーレイブースター』の効果発動!自身を除外し、自分フィールドのエクシーズモンスターの攻撃力をそのORU1つにつき500アップさせる!『超光子龍』の攻撃力は6000となる!!」
「す、すげぇ!!すごいぜカイト─!!」
超光子龍はORUの力によってパワーアップ…その攻撃力はジンロンのライフを削り切る数値となる!!
「バトルだ!『超光子龍』で『ドラッグルーオン』を攻撃!」
『儂を見くびるな!!罠カード発動!「
「消えるのは…貴様だ!!カウンター罠発動!『
『ば、馬鹿な─!?』
ギャラクシーアイズの咆哮がジンロンの罠を粉砕する!
「オレはアンタを見くびってなどいない、ドラゴンを知り尽くし…オレをここまで苦しめた戦術は最高の物だった!だからこそ…敬意を評し、このカードを伏せておいた!」
『…見事じゃ』
それはダメ押しの一手…ジンロンを強者と認めたが故の尊敬の一手だった。
「受けよ…我らが一撃!アルティメット・フォトン・ストリィィム!!」
カイトの魂の一撃が神龍に炸裂…カイトはドラゴン使いの試練を乗り越えた…!
ジンロンLP0
カイト WIN!
『カッカッカッ…実に面白いデュエルじゃった!』
「貴様…何故、オレを試した?」
『それを話す前に…この遺跡に残る伝説を話すとしょうかの…』
「ミザエルの伝説か…」
デュエルが終わり、膝をついたジンロン…彼はカイト達に遺跡に伝わる伝説を語り始めた…。
…………
遥か昔、この地は1体のドラゴンによって護られていた…特に勇者ミザエルはドラゴンと心を通わせた良き相棒だった。
2人の活躍でこの地は平和な日々を送る事ができていた…。
しかしある年、この地を大雨の天変地異が襲い…たくさんの人々が亡くなった…そんな時、何処からかやって来た流れ者の祈祷師が民に根も葉もない事を触れ回った。
【この天変地異はドラゴンの仕業だ…ドラゴンをこの地から追い出すのだ、さすれば災いは消え去るだろう】
追い詰められた人々はその言葉に惑わされ、守り神であったドラゴンを忌み嫌うようになり…ついにはドラゴンを討伐しようとした…。
勇者ミザエルは人々を必死に説得したが…人々はその言葉を聞き入れない…それどころか『ミザエルが真の勇者ならばドラゴンを倒すべき』と言う言葉が飛び交った…。
そして…ミザエルは決心した。
『私の命をドラゴンの代わりに捧げよう…その代わり、我が言葉を信じて欲しい!!』
彼はドラゴンの前で自分に剣を突き立てながら人々に嘆願した…。
その時、数百…数千の矢の雨がミザエルとドラゴン、そして民に襲いかかった。
それは隣国からの軍勢の仕業…ミザエル達を追い詰めた祈祷師は隣国からの回し者だったのだ…。
そしてドラゴンとミザエルは力尽き、彼の護ってきた地は滅びたのだった。
………
『カイト…お前にはどんな窮地に立っても、己の運命を諦めない力がある…自らの命を諦めたミザエルと違ってな…』
「ジンロン…」
伝説を語り終えたジンロンは顔を伏せる…悲しみを抱えた彼にカイトが語りかけようとする…その時だった!
『黙れ!!』
『お、お前は…!?』
「ミザエル!!」
王宮に響く怒号…それは遺跡のナンバーズを手に入れる為にやって来たミザエルの声だった。
…遊馬達に遅れて遺跡のある岩山に来たものの、バリアンの力によるワープができず、岩山を駆け上がって来たのだった…。
『み、ミザエル…!?そんな馬鹿な…!貴方が生きているはずは……だが、貴方から儂の知る「ミザエル」の魂を感じる…!!』
『ふざけるなぁぁぁ!!』
『ぐわっ…!?』
「ジンロン!!」
ミザエルの姿を見て動揺するジンロン…ミザエルはその彼をバリアンの波動で吹き飛ばす!
『私が…下等な人間だっただと…!?デタラメを言うな!!』
「テメェ!!」
「…待て、遊馬…!」
自分が人間だった事を受け入れられず怒りを露わにするミザエル…ジンロンを吹き飛ばした彼に遊馬は叫ぶが…それを制止したのはカイトだった。
「ミザエル…貴様の相手は、オレではなかったのか!!」
『カイト…!面白い!ついに決着を着ける時がきたか…!!』
(まさか…ここで2人のデュエルが始まるのか…!)
遺跡の試練で消耗しているはずのカイトは超光子龍のオーラを纏いながらミザエルを挑発する…ミザエルはそれを見て超時空龍のオーラを纏い、2人の間に火花が散る…その時だった…!
ゴゴゴ…ゴゴゴゴゴゴ!!
「っ!?な、何だいったい!?」
(遺跡が…遺跡が崩れる!!)
突如として遺跡が鳴動…崩壊し始める!
『くっ…!?今日の所は引いてやる!だが…次は必ず…!』
「ミザエル…!!」
崩壊し始めた遺跡を見たミザエルは悔しげな表情で撤退する、そして残された遊馬達の周囲は深い霧に包まれ…。
「こ、ここは…!?
「ジンロンって奴もいないぞ…!?」
遊馬達が気付けばそこは細い岩山の山頂…そこに有ったはずの遺跡は夢幻の如く消え去り、周囲は岩山に囲まれた風景に変わっていた…。
「あっ…!?覇者のコイン…いったいどうなってるんだ?」
辺りを見回した遊馬は足元に一馬の残したコインを見つけた…その時だった。
《若きデュエリスト達よ、伝説には続きがある…ドラゴンの魂は『No.』に触れ、再び蘇った…そして今日まで護ってきたのじゃ…》
「ジンロン!?」
遊馬達の足元の雲海からジンロンの声が響く…そして雲海の中から白き龍「ドラッグ・ルーオン」が姿を現す。
…今までいた遺跡はドラゴンの神通力で作り出された夢幻の世界だったのだ。
《カイトよ、儂がお前を試したと言ったな…いかにもその通りじゃ…!》
「…ジンロン」
《遺跡のナンバーズを求める者が現れる時、世界は大きく動く…!若きドラゴン使いよ!世界を正しき道へと導くのじゃ…!!》
「正しき、道…」
ドラッグルーオンの願い…それは世界を正しく導く者に自身を託す事、それを見極める為にカイトに試練を課したのだ。
《儂は見たのじゃ…!遥か昔…天空の彼方で戦う、神々しき2つの光を!》
(っ─!?)
ジンロンの言葉を聞いた瞬間、アストラルの脳裏に新たな記憶が蘇る…!
《その戦いは数百日に及んだ…地上には火の雨が降り注ぎ、稲妻が大地を切り裂いた!やがて2つの光はぶつかり合い、消滅してしまったのじゃ!》
((これは、私の記憶…!?私はかつてバリアンと戦ったのか!?))
ドラッグルーオンの言葉と共にアストラルの脳裏に断片的に記憶が流れていく。
荒廃し火の海となっている人間界…自分と黒き魔神…2つの光が激しい戦いの末にぶつかり合い、互いに吹き飛んだ光景が…!
《カイトよ、お前にこのナンバーズを託す…愚かな戦いは世界を破滅に導く、決して繰り返してはならんぞ…》
「ジンロン…お前の願い、確かに受け取った…!」
夕日に照らされながらドラッグルーオンはカードとなり、カイトの手に収まる…カイトは彼の願いをしっかりと握りしめたのだった…。
「とりあえず…ナンバーズゲット、だな!」
「ああ…さて、降りるか…」
「………この山を…か…?」
「「あっ」」
ナンバーズは手に入れたものの…自分達がいる場所を思い出した遊馬達は頭を抱えたのだった…。
((ようやく思い出した…私の
騒ぐ遊馬達を見ながら…アストラルは瞳に暗い光を宿す、バリアン世界を滅ぼす…自身が最優先すべき使命を思い出したが故に…。
『むっ…?システムチェック…オール・グリーン!エネルギー波の消失を確認、通常稼働が可能になりました!』
「それじゃあ…!遊馬達がナンバーズを手に入れたのね!やった〜!」
「きっとそうですわ!きっと飛行船も動くはず…すぐに迎えに行きましょう!」
《了解でアリマス!すぐに出航準備を整えるでアリマス!》
岩山の麓で待機していたアヤカとオービタルが調子を取り戻す…それによってナンバーズの回収を確信した彼らは遊馬達を迎えに行く準備を始めた!
キン─
『っ…?今のは…』
《アヤカ殿〜!早くカイト様達を迎えに行くでアリマスよ〜!》
『ええ!わかっています!(…一瞬、時空の揺らぎを感じた…ような…?……気の所為だといいのですが…)』
アヤカは夜の帳が落ち始めた空を見上げる、その方向は…ハートランドシティの方向だった…。
『すべては…ばりあんの…ために…』