転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
眠り続ける遊海…彼に最大の危機が襲い掛かる…!
翠は遊海を守り、悪を倒す事ができるのか!
それでは、最新話をどうぞ!
「今日はありがとう龍可ちゃん…家まで送っていこうか?」
「大丈夫、エンシェントフェアリーに送ってもらうわ…翠さんは遊海さんの側にいてあげて…」
遊馬達が遺跡を踏破した頃…一足先に夜の帳が落ちたハートランドシティのKC病院…その玄関に翠と龍可の姿があった…。
2人は1日掛かりで遊海を回復させる為に手を尽くしたが…その結果は思わしくなかった…。
「…でも、翠さんの毒を治した回復薬が効かないなんて…遊海さん…」
「KCでも急いで血清を作ってくれてるらしいわ…きっと、大丈夫…!」
「翠さん、無理はしないでね…!しっかり休まないと翠さんの体が壊れちゃう…!」
「ありがとう…無理はしないわ、やれる事をやるだけだから…!」
「翠さん…」
翠は未だに本調子ではない、顔にも疲労の色が見えるが…それでも翠は笑っていた…。
ピリリリ…ピリリリ…
「あっ…凌牙君から…もしもし!」
『母さん、俺だ…遊馬達と4つ目の遺跡のナンバーズを手に入れたぜ!』
「本当!?よかった〜!」
翠のDゲイザーが着信を知らせる、それは遺跡を突破した凌牙からの連絡だった。
『それで…手に入れたはいいんだが…遺跡の試練のせいで飛行船が整備中で…帰るのは明日の朝になりそうなんだ』
「そうなんだ…あっ、遊馬君は近くにいる?」
『ん?ああ…遊馬!母さんがお前に話があるってよ!』
凌牙は近くにいるらしい遊馬へと声をかける…。
『翠さん!どうしたんだ?』
「遊馬君…遺跡のナンバーズを探しに行くのに明里ちゃんに何も言わないで行ったでしょ?…すっごく怒ってたわよ〜!」
『げげっ!?』
翠の言葉を聞いた遊馬の顔色が青褪める…。
「一応フォローはしておいたから…帰ったらしっかり謝ってね!」
『わかったぜ…どう言い訳しようかなぁ…』
『……やっぱり、遊馬はドジな奴だぜ…』
「あはは…」
遊馬と通話を変わった凌牙はため息をついた…。
Side凌牙
「母さん…父さんの容態は…?」
遺跡のあった岩山の山頂で凌牙は翠に問い掛ける…麓にいる璃緒達と連絡は取れたものの、飛行船の整備に時間が掛かっているのだ。
『遊海さんの容態は安定してるわ…とりあえずは大丈夫そう』
「そうか……くそ、あのバリアンめ…!父さんの優しさを利用しやがって…!」
『…私は…アイツを絶対に許さない…!凌牙君、もしかしたらまた奇襲をかけてくるかもしれないわ…気を、付けて…ね…』
「今は大丈夫さ、標高数百メートルの山の上だし…それより母さん…母さん?」
『ザザッ…ザザッ…』
「シャーク?どうしたんだ?」
「いや…母さんとの連絡が途切れたんだ…電波が悪いのか…?」
突然砂嵐に変わってしまったDゲイザーの画面を見ながら…凌牙は一抹の不安を覚えた…。
Sideout
「凌牙君…?凌牙君!?」
「翠さん?どうしたの?」
「通話が切れちゃったの…Dゲイザーの電波は結構強いはずなんだけど…」
突然砂嵐に変わってしまったDゲイザーを見て不安げな表情を浮かべる翠…その時だった!
バチバチバチバチ…ギン!!
ズン─!!
「「っ─!?」」
それは突然の事だった、突然病院のあちこちから立ち昇った禍々しい赤雷…それが病院の真上へと集まり、そこから放たれた赤いオーラが病院を覆い尽くしてしまったのだ…!
「な、なに、これ…!?体が、重い…!」
「これっ…!生命力を…吸われてる…!?」
さらに翠と龍可に凄まじい重圧が襲いかかり、思わず膝をついてしまう…。
そして翠は気付いた…発生したフィールド…否、『結界』に自分達の生命力を吸い取られている事に…!
「あ、ぐっ…!!龍可、ちゃん…!『エンシェント・フェアリー・ドラゴン』の効果を…使って…!!」
「っ─!エンシェントフェアリー!!」
《我が力は…闇を祓う!プレイン・バック!!》
キィン─!!
紅く染まる世界に神聖なる光が満ちる…しかし、その光は押し返され…翠と龍可を中心とした僅かな範囲で止まってしまう…!
《くっ…!?結界の力が強い…!発生する基点が複数あるようです…!!》
「でも…これで少し、楽になったわ…ありがとう…!」
冷や汗を滲ませるエンシェントフェアリー…だが、彼女の庇護で翠と龍可は呼吸を整える事ができた…。
「いったい、何が…!」
「バリアンの襲撃…きっと…奴の仕業だわ…!このままじゃ…病院にいる人達が危ない…!!」
安全地帯から周囲の様子を確認する翠…見える範囲でも看護師や見舞いに来た人々が気を失って倒れてしまっている…!
《翠!貴女は遊海に預けられた赤き竜の痣を持っています…!痣の力があればこの結界の中でも動けるはず…私と龍可で結界の基点を壊します…貴女は元凶を頼みます…!!》
「龍可ちゃん…いける?」
「大丈夫…!私は元シグナーで…5D'sの一員だもの…!!」
翠の問い掛けに龍可は頷く…体は衰えたものの、その眼差しの強さは変わっていなかった。
「龍可ちゃん…任せた!!」
龍可に結界の破壊を託した翠は元凶を倒す為に駆け出した…!
「酷い…!どうして、どうしてこんな事ができるの…!?」
体にのしかかる倦怠感を無視しながら翠は病院内を駆け抜ける…直感に従い、もっとも力が集中している屋上を目指しているのだ。
…だが、廊下に倒れ込む人々や気を失ってしまった患者達を見てその怒りは膨れ上がっていく…!
「翠!無事か!?」
「瀬人さん!!」
屋上を目指す翠に声をかける男…それは瀬人だった。
アンドロイドである瀬人には生命力を奪う結界が効かなかったのだ…!
「遊海の事は心配するな!精霊達が遊海を必死に守っている!そして援軍は期待するな!病院外へは連絡できん!!」
「わかりました!!私はこのまま元凶を倒しに行きます!!」
手短に現状を伝える瀬人…それを聞いた翠は自身の目的を伝える…。
「わかった…!オレは他の重い患者対応をしてから向かう!……死ぬなよ…翠!!」
「わかってます…!元凶は必ず倒します!!」
瀬人の言葉を背中に受けながら…翠は階段を駆け上がった…。
バタン!!
「ネームレス!!」
屋上へと駆け上がった翠は扉を蹴り破る…そこには結界の中心である赤黒い球体…そしてボロボロのフードを纏った怪人の姿があった…!
『きたんだ…ベクターさまのじゃまをする女……』
「喋った…!?」
怪人…ネームレスが翠の方を見る、その姿は…雰囲気はガラリと変わっていた。
遺跡で出会ったネームレスが「獣」だとすれば…今の彼女は「人」に近づいているように見えた…。
『あなたもじゃまだけど…あの人の方がもっとじゃま…あなたを
そう言うと…ネームレスの腕に闇が集い、デュエルディスクを作り出す…!
「…遊海さんを倒す為に…病院のみんなを巻き込んだの…!?……貴女は許さない…!許さない!!!」
身勝手な理由で病院の人々を危険に曝すネームレス…その姿を見た翠の怒りは爆発した!
『あはは…許さないなら、どうするの?』
「貴女を…ぶっ飛ばす!!」
翠は邪悪を滅する為…その力を振るう!
「『デュエル!!』」
ネームレスLP4000
翠LP4000
『わたしのターン、ドロー』
『わたしはモンスターをセット、カードを1枚伏せてターンエンド』
ネームレスLP4000
伏せモンスター 伏せ1 手札4
「私のターン!ドロー!」
「魔法カード『テラフォーミング』発動!デッキからフィールド魔法『セフィラの神託』を手札に加え、発動!」
紅き世界に巨大な世界樹が現れる!
「『セフィラの神託』の効果処理としてデッキから『宝竜星─セフィラフウシ』を手札に加える!そして手札のスケール1の『竜星因士─セフィラツバーン』とスケール5の『智天の神星龍』をペンデュラムスケールにセッティング!」
翠の背後に光の柱と共に星の力を宿す戦士と炎を纏う龍人が現れる!
『………?』
「そしてペンデュラムスケールの『神星龍』の効果発動!デッキから『覚星因士─セフィラビュート』を表側表示で加え、そのペンデュラムスケールと同じスケールになる!」
神星龍 スケール5→7
「これで私はレベル2〜6のモンスターを同時に特殊召喚できる!神樹の加護よ!今こそ私に力を貸して!ペンデュラム召喚!手札から現れて!『宝竜星─セフィラフウシ』!『剣聖の影霊衣─セフィラセイバー』!『秘竜星─セフィラシウゴ』!!」
翠の頭上に異次元への扉が開き、青の核石を持つ中華風のドラゴン、白の核石を持つ剣聖、黒の核石を持つ龍が現れる! ATK1500 ATK1500 DEF2600
「ペンデュラム召喚に成功した『セフィラシウゴ』の効果発動!デッキから魔法カード『セフィラの神意』を手札に加える!さらに『セフィラフウシ』の効果発動!このターン終了時まで『セフィラセイバー』をチューナーとして扱い、この効果を発動した自身はフィールドから離れた時にデッキの1番下に戻る!…私はレベル3の『セフィラフウシ』にレベル4の『セフィラセイバー』をチューニング!」
3+4=7
「清廉なる花園に咲く孤高の花よ!月の雫を得て、咲き誇れ!!シンクロ召喚!『月華竜ブラックローズ』!」
花吹雪が舞い散り、聖なる光を纏う決闘竜の1体…薔薇のドラゴンが現れる! ATK2400
『シンクロ…』
「シンクロ召喚に成功した時!フィールド魔法『セフィラの神託』の効果発動!デッキの『影霊獣使い─セフィラウェンディ』をデッキトップへサーチする!…バトルよ!『月華竜』で伏せモンスターを攻撃!薔薇の鎮魂曲!」
聖なる炎がセットモンスターを焼き尽くす…そのモンスターは闇に染まった怪鳥だった。
『リバースした「ヴェルズ・フレイス」の効果はつどう…「月華竜」にはてふだに戻ってもらうわ』
「っ!?」
怪鳥の起こした闇の竜巻が月華竜を吹き飛ばしてしまう…!
「この前とデッキが違う…!?私はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
翠LP4000
セフィラシウゴ (Pスケール セフィラビュート セフィラツバーン)セフィラの神託 伏せ1 手札1
『あはは…面白いデッキ…!じゃあ、わたしの番…!』
翠を見つめながら…ネームレスは舌舐めずりする…!
『わたしのターン…ドロー!』
『自分フィールドのモンスターの数が相手のフィールドより少ないとき、手札の「ヴェルズ・マンドラゴ」を特殊しょーかん』
闇に侵された植物モンスターが現れる! ATK1550
『そして「ヴェルズ・カストル」をしょーかん』
闇に飲まれた双子座の片割れが現れる! ATK1750
『「カストル」の効果〜!手札から「ヴェルズ・サラマンドラ」をしょーかん』
闇に侵された恐竜が現れる ATK1850
『そしてわたしはレベル4の「カストル」と「マンドラゴ」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!闇に飲まれし神よ…生者を刈り取る魔神となれ!「ヴェルズ・タナトス」!』
ギリシャ神話の死神の名前を持つ、魔轟神の成れの果てが現れる ATK2350
『そしてわたしは装備魔法「不死殺しの鎌─ハルペー」をエクシーズモンスターの『タナトス』に装備!攻撃力は1000アップする!』
「その鎌は…!!」
タナトスの手に禍々しい光を纏う大鎌が装備される、それは遊海を切り裂いた鎌と同じモノだった…!
タナトス ATK2350→3350
『ふふふ…!バトル!「タナトス」で「セフィラシウゴ」を攻撃!』
大鎌によってシウゴの首が切り落とされる!
「くっ…!?破壊された『セフィラシウゴ』の効果発動!デッキから『セフィラの聖戦』を手札に加える!」
『あはは…!「サラマンドラ」でダイレクトアタック!』
「あぐっ…!!」
闇の恐竜の突進が翠を屋上のフェンスに叩き付ける!
翠LP4000→2150
『あはは!変な声〜!わたしはカードを1枚ふせてターンエンド!』
ネームレスLP4000
タナトス(ハルペー) サラマンドラ 伏せ2 手札0
「うっ…コホッ…!?力が、強くなってる…!」
《翠!大丈夫!?》
「なんとか…!」
フェンスに叩きつけられた翠は口元の血を拭いながら、ウィンダの肩を借りて立ち上がる…!
『ふふっ…あなたの血…おいしそう…!なめてもい〜い?』
「…良いわけ…ないでしょう…!!」
無邪気な笑みを浮かべるネームレス…翠は彼女への怒りを堪えながら睨みつける!
「私のターン!ドロー!」
「永続罠『錬成する振動』を発動!ペンデュラムスケールの『神星龍』を破壊して1ドロー!さらに魔法カード『セフィラの神意』発動!デッキから『オルシャドール─セフィラルーツ』を手札に加える!そしてペンデュラムスケールにスケール7の『セフィラルーツ』をセッティング!」
光の柱の中に光と闇を宿す、虹色の核石の戦士が現れる!
「神樹の加護よ!もう一度力を貸して!ペンデュラム召喚!エクストラデッキから現れて!『セフィラセイバー』!『セフィラシウゴ』!『セフィラビュート』!」
再び剣聖と黒龍、そして灰色の核石を持つ星の戦士が現れる! ATK1500 DEF2600 ATK1900
「ペンデュラム召喚に成功した時『セフィラシウゴ』の効果発動!デッキから『セフィラの神撃』を手札に加える!そして…私は3体の『セフィラ』モンスターをリリース!エクストラデッキから現れて!!聖選士の絆の結晶!『
《グオオオン!!》
セフィラデッキの切り札…光と闇を宿す希望の龍が咆哮する! ATK3450
「『神星龍』の効果発動!私はこのターン…もう一度ペンデュラム召喚できる!…ペンデュラム召喚!!現れて!手札から『イェシャドール─セフィラナーガ』!エクストラデッキから『セフィラビュート』!『セフィラセイバー』!『セフィラシウゴ』!」
翠のフィールドに大戦を生き抜いた紫の核石を持つ英雄、星の戦士、剣聖、黒龍が並び立つ! DEF100 ATK1900 1500 DEF2600
「そして、私はレベル4の『セフィラビュート』と『セイバー』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
∞
「現れて!『No.∞』!決闘者の未来を守る、希望の光!『
光の爆発と共に…遊海の魂の剣が翠を守るように現れる! ATK2500
『その剣は…』
「『決闘の守護者』の効果発動!エクシーズ召喚に成功した事で1ドロー!さらに『セフィラの神託』の効果発動!エクシーズ召喚に成功した事でデッキから1枚引いて、手札から1枚捨てる!」
捨てたカード
セフィラムピリカ
「バトルよ!『決闘の守護者』で『タナトス』を攻撃!その瞬間効果発動!ORUを1つ使い、自分の攻撃力に相手の攻撃力を加える!」
魂の聖剣が虹色の光を纏う!
決闘の守護者 ATK2500→5850
「受けてみなさい…!デュエル・カリバー!!」
剣を振り上げた翠が光の斬撃を放つ!
『その剣…痛いからヤダ…罠カード発動!「迷い風」!特殊召喚されたモンスターの効果を無効にして…元々の攻撃力を半分にする!』
「そんな…!!」
ネームレスの背後から放たれた風が魂の聖剣の光を奪い去る!
決闘の守護者 ATK5850→2500→1250
『これで返り討ちだ!斬っちゃえ!「タナトス」!』
ザン─!!
「あっ…ガッ!?あ"あ"あ"あ"あ"!!」
《翠!!》
タナトスが不死殺しの鎌を構えながら翠に接近…魂の大剣諸共翠の胸を斬り裂く…翠は激痛で絶叫する!!
翠LP2150→50
「がっ…あ、ぐっ…いた、い…!!」
《翠!気をしっかり持って!!デュエルは…デュエルはまだ終わってないよ!!》
胸を斬り裂かれた翠の身体から血が止めどなく溢れる…その傷は塞がる事なく、翠の身体を蝕んでいく…!
「(頭に、血が昇り過ぎた…伏せの警戒、忘れて…!)」
この時、翠は怒りのあまり、2つのプレイングミスを犯していた…1つは伏せカードの警戒を忘れた事…そしてもう1つはバトルフェイズ前に『神星龍』の効果を使い忘れ…新たなモンスターを召喚するのを忘れていたのだ。
そして『迷い風』は相手がエクストラデッキからモンスターを特殊召喚した時に再びセットされる…つまり、翠は少なくともこのターン、新たなエクストラデッキのモンスターを呼ぶ事はできない…!
「(今だけ…痛みは忘れて、私…!私はどうなってもいい…あの鎌を…あの鎌さえ、破壊できれば!!)」
翠は痛みで震える足を押さえながら、立ち上がる!
「『神星龍』で、『タナトス』を攻撃!!砕け散れ!!創星のビッグバン…バーストォォ!!」
『うわっ…!?』
神星龍の尾の10個のコアが輝き、エネルギーが収束…創星の息吹が不死殺しの鎌を持つ死神を消し飛ばす!
ネームレスLP4000→3900
「やった…!これで…!」
『ふふっ…ざんね〜ん!装備モンスターが破壊された事で墓地に送られた「ハルペー」の効果発動!このカードを手札に戻すよ!』
「そんな!?」
翠が安堵したのも束の間…墓地から飛び出した大鎌がネームレスの手に舞い戻る…。
「(あとは…賭けるしか、ない…!私がどうなっても……あの鎌だけは…絶対に!!)私は、『神星龍』の、効果発動…!『セフィラナーガ』をリリースして、デッキの2体目の『セフィラルーツ』を特殊召喚…!」
虹色の核石を持つ英雄が現れる DEF1950
「私は、カードを2枚伏せ、ターンエンド…!」
翠LP50
神星龍 セフィラシウゴ セフィラルーツ (Pスケール ツバーン ルーツ)セフィラの神託 錬成する振動 伏せ2 手札0
「あぅ…ゴホッ…ゴボッ…!!」
ターンを終えた翠は膝をつく…そして喉の奥から溢れた血を吐きながら蹲ってしまう…。
『わあ…美味しそう…!あなたの流した血が…私のご飯になるの…!』
ズズズ…
翠の流した血が蒸発…ネームレスの体に吸収される…!
「なんで…!?なんでこんな、酷い事ができるの…!?なんで罪もない…他の人達を巻き込むの!?」
ネームレスを睨みながら…翠は彼女へと叫ぶ、こうしている間にも病院の人々は生命力を奪われ続けている…翠はそれが許せなかった…!
『だって…
「は…?」
ネームレスの予想外の一言に翠はあ然とする…。
『わたしね…ずっと…ずーっと暗い所にいたの…なんでそんな所にいたのかわからないけど…それをベクターさまは助けてくれた!だからわたしはベクターさまにおんがえしするの!』
「そんな、そんな事の為に……!!」
『じゃあ…お話はおしまい!お姉さんは…わたしが綺麗に食べてあげる!わたしが強くなれば…ベクターさまは喜んでくれるから!』
笑みを浮かべながら…怪物は翠に最後の攻撃を仕掛ける…!
『わたしのターン!ドロー!』
『魔法カード「闇の誘惑」を発動!2枚ドローして…手札の闇属性モンスターを除外する!』
除外
ヴェルズ・コッペリアル
『「ヴェルズ・ヘリオロープ」を召喚!』
血色に染まったエメラルドの戦士が現れる ATK1850
『ふふふ…!わたしはレベル4の「サラマンドラ」と「ヘリオロープ」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!闇に堕ちし龍よ…今こそ生者を喰らえ!「ヴェルズ・バハムート」!』
闇に飲まれ、黒い鎧を纏った『氷結界の龍ブリューナク』の成れの果てが現れる…! ATK2350
『そしてもう一度装備魔法「不死殺しの鎌─ハルペー」を「バハムート」装─』
「私は…この
『ええー!?』
それは一か八かの賭け…翠は再び「不死殺しの鎌」が発動するタイミングを狙っていたのだ!
「遊海さんを…返して!!おりゃああああ─!!」
『「ハルペー」が!?』
パキン!
翠は手元に現れた『ドラグニティの神槍』を渾身の力で投げ放つ…その一撃は鎌に直撃、粉砕する!!
「これで…!遊海さんは、大丈夫…!!」
翠は自分の胸の痛みが軽くなった事で呪いを打ち消した事を確信する…翠の覚悟が…「愛」が遊海を救ったのだ…!
『お前…よくも…よくもやったな!!「バハムート」の効果発動!ORUを1つ使い!手札の「ヴェルズ・アザトース」を捨てる事でお前の「神星龍」のコントロールを奪う!!』
怒りの表情を浮かべたネームレスは翠に猛攻を仕掛ける!
「まだよ!罠カード『セフィラの星戦』を発動!ペンデュラムスケールの『セフィラルーツ』を破壊して、『バハムート』を破壊する!」
『っ!罠カード発動!「侵略の汎発感染」!これで「バハムート」は魔法・罠の効果で破壊されない!これで「神星龍」はわたしのものだ!!』
「っ─!!」
神星龍のコントロールがネームレスに移る…!
『バトルだ!「バハムート」で「セフィラルーツ」を!「神星龍」で「セフィラシウゴ」を攻撃!吹き飛んじゃえ!!』
「あああああ!!?」
ダメージはないが…2体のモンスターの攻撃で翠は重傷を負いながら吹き飛ばされる…。
「う…ぐ…『シウゴ』の、効果…『セフィラの神託』を手札に、加える…!」
『わたしはこれでターンエンド!!お前の…お前のせいで…ベクターさまに怒られちゃうじゃないか!!』
まるで子供の癇癪のような声を上げながら、ネームレスはターンを終えた…。
ネームレスLP3900
神星龍 バハムート 手札0
「(くらくら…する…前が…見えない……血を、流し過ぎた…)」
ネームレスに一矢報いた翠…だが、その体は限界だった…結界に生命力を奪われたうえに、あまりにも血を流し過ぎたのだ…。
「あの怪物は、ここで…倒さ、ないと…たおさ、なきゃ……」
《翠!!しっかりして!!》
なんとか立ち上がろうとした翠だったが…ついに気を失ってしまった…。
『よくも…よくもやったな!!このまま潰れちゃえ!!「バハムート」!!』
《ガアアアア!!》
失神してしまった翠…その姿を見たネームレスは翠にトドメを刺そうとバハムートに指示を出す…そして巨大な尾が翠に迫り……──!
キィン─!!
《ガアッ!?》
『なにっ!?』
翠の墓地から飛び出した
「………」
《翠…?大丈夫、なの…?》
赤い光が飛び込んだ翠はゆっくりと立ち上がる…しかし、ウィンダの問い掛けには応えなかった…。
「
《えっ…?》
「…手札のフィールド魔法『セフィラの神託』を発動、効果処理としてデッキから『影霊獣使い─セフィラウェンディ』を手札に加える、そしてさらに魔法カード『セフィラの神意』を発動…デッキから『セフィラビュート』を手札に加え、レフトペンデュラムスケールにセッティング」
光の柱の中に蝿の鎧を纏う星の戦士が現れる!
「ペンデュラム召喚…手札から『セフィラツバーン』エクストラデッキから『セフィラルーツ』2体を特殊召喚」
翠のフィールドに4体のモンスターが並び立つ! DEF 2100 1950 1950
「『セフィラツバーン』の効果、ペンデュラム召喚に成功した時、ペンデュラムスケールの『セフィラビュート』を破壊する事で…お前の場の『神星龍』を破壊する」
『なにっ!?』
星の戦士の拳が囚われた神星龍を打ち砕き、開放する!
「これで『神星龍』は俺の手に戻る…俺はフィールドの『ツバーン』『ルーツ』2体をリリース、再び顕現せよ…希望の龍『智天の神星龍』」
翠のフィールドに再び神星龍が現れる! ATK3450
「さらに俺は手札のスケール7の『セフィラウェンディ』をセッティング、俺は『神星龍』の効果でもう一度ペンデュラム召喚、現れろ2体の『セフィラルーツ』」
再び虹色の核石の英雄が現れる DEF1950 1950
「俺はレベル4の『ルーツ』2体でオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚…愚鈍なる力に抗う、反逆の牙…『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』」
黒き体を持つ反逆のドラゴンが現れる! ATK2500
「『ダークリベリオン』の効果発動、ORUを2つ使い『バハムート』の攻撃力を半分にし、その数値分攻撃力をアップする、トリーズン・ディスチャージ」
『なっ!?「バハムート」が!!』
紫電が堕ちた氷龍を拘束…その力を奪う!
バハムートATK2350→1175
ダークリベリオン ATK2500→3675
「バトル、『ダークリベリオン』で『バハムート』を攻撃、反逆のライトニング・ディスオベイ」
『ぐああああ!?』
反逆竜の鋭い顎の一撃が堕ちた龍を粉砕する!
ネームレスLP3900→1400
「『神星龍』で……怪物にダイレクトアタック、創星のビッグバンバースト」
『ぎ、ぎゃあああああ!?!!』
再び放たれる絆の一撃…それは悪しき怪人を吹き飛ばした。
ネームレスLP0
翠? WIN!
パキパキ…バキン!!
『いたいよぉ…ベクターさま…ごめん、なさい……』
「…………」
ネームレスの敗北と共に病院を覆っていた結界は崩壊…致命傷を負ったネームレスはワープゲートに消えていった…。
「翠!無事…翠!大丈夫なのか!?」
ネームレスが消えた直後…屋上に瀬人が駆け上がってくる…彼が見たのは…立ち尽くす、致命傷を負った翠の姿だった…。
「…
「翠!?」
瀬人に言葉を託した翠は崩れ落ちる…瀬人は慌ててその体を支えた…。
「おい!ウィンダ!お前は何が起きていたか、見ていたはずだ!何があった!?」
《わ、わからないの…翠がネームレスとデュエルを始めて、途中で気絶しちゃって…そしたらいきなり
瀬人の問い掛けにウィンダは慌てて答える…。
「人が変わった…?……このカードは…」
瀬人は翠が1枚のカードをしっかり握りしめている事に気付く…そのカードは『No.∞』だった…。
「馬鹿者が……無茶な事をしおって…」
そのカードを見た瀬人は…翠の行動の意味を悟った…。
「うっ…せと…さん…?デュエルは、ネームレス…は…?」
《翠!!》
翠を横抱きにした瀬人が処置室に向かう途中…気を失っていた翠が薄っすらと意識を取り戻す…。
「…心配するな、ネームレスは撃退した…翠の…いや、
「は…い……」
瀬人の言葉の意味を理解しないまま…翠は今度こそ意識を手放した…その胸に「No.∞」を抱きながら…。
オリジナルカード紹介
神殺しの鎌─ハルペー
黒い禍々しい大鎌
装備魔法
このカードはエクシーズモンスターにのみ装備できる。
①このカードを装備したモンスターの攻撃力は1000アップし、相手の「戦闘・効果で破壊されない」効果を無効にして相手モンスターを戦闘破壊できる。
②このカードが装備モンスターが破壊された事で墓地に送られた時に発動する、このカードを手札に戻す。
マテリアルの一部が開放されました。
ネームレス 怪人体(強化)
ベクターによってさらに力を分け与えられた事で言語能力と人格を取り戻したネームレス。
性格は見た目よりも幼い、子供のような性格…ただし、洗脳によって良心が無く…残酷な事も平気で行なってしまう。
また、洗脳の影響なのか…自身を開放したベクターを慕い、役に立とうとしている。
翠との激戦の末、致命傷を負いバリアン世界に撤退した。
鮮血神殿
強化された事でネームレスが取り戻した力の一部、一定の範囲に結界の基点を設置する事で赤黒い結界を生成…その中にいる生物から生命力・デュエルエナジーを強制的に吸い上げる…「怪物の狩場」
一般人ならば結界が発動した瞬間に失神…遊海や翠クラスの決闘者でも気絶こそしないが、生命力を奪われ…最終的には体を溶かされ、死に至る。
結界の基点は破壊する事はできない。