転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

今日は大震災から10年目の節目の日…あの未曾有の大災害を忘れる事なく、少しでも伝えていきましょう…。


では…最新話をどうぞ


海底に眠る記憶〜試される『決断』そして…〜

「はぁ…はぁ…はぁ…っ!?」

璃緒は必死に走っていた…見慣れない水晶の大地で何者かから逃げる為に…だが、彼女は崖っぷちに追い込まれてしまう…!

 

【ククク…!】

 

「くっ…!?」

璃緒を追い詰めるのは邪な輝きの剣を持つ邪悪な何者か…璃緒は思わず後ずさり…。

 

ガラッ…!

 

「きゃあああ!?」

足を踏み外し、奈落の底へと落ちていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁっ…!?…あれ、私…?」

 

「璃緒ちゃん…大丈夫?酷く魘されてたわよ?」

 

「母さん…」

夢を見ていたらしい璃緒は飛び起きる…そこは遊海夫妻が入院するKC病院…お見舞いに来た璃緒はいつの間にか翠のベッドに突っ伏して眠っていたらしい…。

 

 

「大丈夫よ、母さん…(また、()()()()…)」

 

「そう…?ならいいんだけど…」

遊馬が決闘庵のナンバーズを見つけて3日…遊馬は怒り心頭の明里に3日間の自宅謹慎を言い渡されてしまってい、凌牙達は待機を余儀なくされていた…。

その頃からか…璃緒は何者かに追われ、落下する夢を度々見ていたのだ…。

 

 

 

「…明日、最後の遺跡のナンバーズを探しに行くのね?」

 

「うん…心配しないで!今度も無事に帰って来るから!」

ネームレスとの決闘で衰弱してしまっている翠に心配を掛けないよう、璃緒は明るく答える…。

 

「…璃緒ちゃん、どんなに離れていようと…私と遊海さんはみんなの無事を祈ってるからね」

 

「うん!母さん!じゃあ…明日の準備があるから帰るわ!」

璃緒はそう言って翠と遊海の手を握り、帰って行った…。

 

 

 

 

「………遊海さん、ついに…この時が来ちゃいました…」

 

《翠…》

璃緒が帰った後…翠はベッドからふらふらと起き上がり、眠り続ける遊海の手を握り締める…。

ネームレスによる「不死殺しの呪い」は消えたが、遊海は未だ強力な毒に侵されたまま…高熱に魘されながら眠り続けている…。

 

 

「遊海さん…早く、起きてよぉ…凌牙君も璃緒ちゃんも…遠くに行っちゃう…!私、どうしたらいいの…?」

ポロポロと涙を零しながら…翠は遊海に縋り付いた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

(ここが最後の遺跡…6枚目と7枚目のナンバーズが置かれている場所だ、そしてそれは…我々と出会っていない「バリアン七皇」の伝説が眠る遺跡でもある…)

 

「オレ達がまだ出会っていない七皇…」

翌日、遊海・アストラル・小鳥・凌牙・璃緒の5人は飛行船に集まっていた…インド洋に眠る、最後の遺跡へと向かう為に…。

 

 

「…ん?カイトの奴はどうした?」

 

「ああ…なんか調べ事があるんだって…」

 

「ミザエルの事か?」

 

「たぶんな…今回のメンバーはこれで決定だな!」

メンバーを見渡した凌牙はカイトとオービタル7の不在に気付く…今回、彼らは欠席である。

 

 

(地図を見てわかる通り、2つの遺跡は近い場所にある)

 

「もしかして…同じ場所にあるのかも?」

 

「とにかく…2枚のナンバーズをなんとしてでも手に入れるぜ!かっとび遊馬号、出発!!」

そしてついに、遊馬達は最後の遺跡へ向けて出発した…。

 

 

 

 

 

 

Sideバリアン

 

 

 

『それで、ジンロンというナンバーズの精霊は…お前が人間だったと言ったんだな?ミザエル』

 

『…そうだ…だが、私は信じない…!私は誇り高きバリアンの戦士…下世話な人間であるはずがない…!!』

遊馬達が出発した直後…ハートランドシティのビルの上で人間体のドルベとミザエルが話し合っていた…。

共に、自身の伝説のある遺跡に出会ったドルベ達…彼らはいまだに自身が人間であった事実を受け入れていなかった…。

 

 

『私も信じるつもりはない…だが、残った遺跡には興味がある…そこにあるのはナッシュとメラグの伝説のはずだ』

 

『…結局、お前は信じるという訳か?』

 

『そうではない、私は…2人の手掛かりを得たい…彼らがいれば…七皇の力は変わる!』

ミザエルの言葉にドルベは空を見上げる…ドルベにとって…そして七皇にとってもナッシュとメラグはいなくてはならない人物なのだ…。

 

 

『…必ず、残り2枚のナンバーズを手に入れる!!』

強い決意と共にドルベとミザエルは最後の遺跡を探しに向かった…。

 

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「なぁ、アストラル…バリアンの七皇…あいつらって…本当に人間だったんだよな…?」

 

(ナンバーズから得た記憶に間違いはない…急にどうした?)

最後の遺跡に向かう飛行船の甲板…遊馬はアストラルに問い掛けていた…。

 

 

「ようするに…バリアンって、お前みたいな存在なんだよな…?」

 

(アストラル世界とバリアン世界を同じとするなら…そういう事になる)

 

「…なんで、あいつらはバリアンになったんだろう…?」

 

(彼らの伝説に共通する『何か』が…彼らをバリアンに転生させた…のかもしれないな)

以前、遊馬はアストラル世界の事を訊ねた事があった…アストラル世界はランクアップを目指した魂が辿り着く世界…ならば、バリアン世界はどんな魂が辿り着く世界なのか…遊馬達は知らなかった…。 

 

 

 

「遊馬、奴らに深入りするのは…禁物だぜ」

 

「シャーク…」

 

「センチメンタルな感情を捨てなきゃ…奴らに足元を掬われるぞ」

バリアンの事を考える遊馬に声をかけたのは凌牙だった。

 

 

「…なぁ、シャーク…お前はどうして、バリアンと戦うんだ?」

 

「……決まってるだろ?バリアンは俺や璃緒を…父さんを利用した…!その償いをさせる為だ」

凌牙は拳を握りながら自身が戦う理由を語る、バリアンはトロンを介して璃緒をや遊海を傷付けた…その行いを償わせる為に凌牙は戦っているのだ…。

 

 

「でもさ…お前はトロンやフェイカーだって許したじゃねぇか…」

 

「父さん達は奴らを許したが…俺は赦した訳じゃない、アイツらから闘志が消えた…だから、俺も止めただけだ」

凌牙は遊海や翠ほど心が広くないと自覚している、トロンはⅣを使って璃緒を傷付け、遊海を死なせかけた…Dr.フェイカーも自分達を助けに来た遊海を傷付けた…凌牙はその事を許した訳ではなかった…。

 

 

(デュエルに感情は持ち込まない…それが君の哲学という訳か)

 

「…父さんには怒られるかもしれないが…闘うのは自分の為だけでいい…俺はそう思ってる」

 

「シャーク…」

それは凌牙の「信念」…遊馬は船内に戻る彼の背中を見送るしかなかった…。

 

 

 

 

 

ビビーッ!ビビーッ!

 

「おわあああ!?うげっ…!?」

 

「おい!璃緒!ここが本当に遺跡のある場所なのか─!?」

 

「ざ、座標は合ってるわ!!ここで間違いない─!」

 

(しかし、この荒れ様はいったい何なんだ…!)

次元航路を抜けた遊馬達は遺跡のあるポイントへ到着する…しかし、その場所はインド洋のど真ん中…しかも、まるで海の神の怒りに触れてしまったように強風・大雨・大波が吹き荒れている…!

 

 

 

─おいで…─

 

 

「っ!?」

 

「おい!璃緒…大丈夫か!?」

 

「あ、うん…」

座標をレーダーで確認する璃緒…その脳裏に声が響く…。

 

 

(っ…この荒れ方は異常だ、一度退避するぞ!)

 

「待ってアストラル!飛行船の動力が止まったみたい!!」

 

「「なんだって!?」」

 

(船は…ここを動くつもりはないという事か)

嵐を前に退避を決断するアストラル…だが、飛行船はその動きを止める…まるで「ここで合っている」と言うかのように…。

 

 

 

─おいで…おいで…!─

 

 

「っ─!?誰!?誰なの!!()()()()()()()!?」

 

「璃緒…!?いったいどうしたんだ!?」

突然叫び出す璃緒に遊馬達は驚く…彼女だけに聞こえる呼び声…璃緒はその声に怯えていた…その時だった…!

 

 

バチン!

 

 

「な、なんだ!?明かりが消えた!」

 

(非常電源を!)

突然、飛行船の照明が落ちる…すぐにアストラルの手で照明が戻るが…。

 

「璃緒…!?璃緒!何処に行った!?」

僅かな停電…その間に璃緒は姿を消してしまっていた…!

 

 

「シャーク!モニターだ!璃緒が外に─!」

 

「璃緒!?あの馬鹿!!」

辺りを見回した遊馬が声を上げる…外に広がる大荒れの海…璃緒はその中をふらふらと歩いていた…。

 

 

 

─おいで…おいで…!─

 

 

「………(体の自由が、効かない…引き込まれてしまう…)」

謎の声に洗脳されてしまった璃緒は正気を失い、飛行船の甲板から嵐の海を見下ろす…そして…。

 

 

─おいで…!─

 

 

「(凌牙…父さん…)」

 

「っ─!!璃緒─!!」

璃緒は声に誘われるまま、海へとその身を投げてしまう…それを目撃した凌牙は躊躇なく海へと飛び込んだ!

 

 

「シャーク!!っ─カッとビングだァァ!!!」

 

「遊馬─!?」

そして少し遅れて来た遊馬と小鳥…凌牙を助ける為に遊馬とアストラルも嵐の海へと飛び込んだ!

 

 

「遊馬!シャーク!璃緒さん─!!」

嵐の海に取り残された小鳥の叫びが響き渡った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

(遊馬…遊馬!!しっかりしろ!)

 

「遊馬!起きろ!!」

 

「う、うぅ…?ここは…」

 

(わからない…私も渦に巻かれて意識を失ってしまったのだ…)

海に飛び込み、海流に飲まれてしまった遊馬は凌牙とアストラルの声で目を覚ました…そこは見渡す限りの砂原だった…。

 

 

(だが、どうやら此処は…()()()()()らしい)

 

「んなっ!?空に海がある!?」

アストラルの言葉に遊馬は上を見上げる…そこには空ではなく、水面があった…!

 

「どうやら…璃緒も此処にいるらしい」

 

「っ…!追い掛けようぜ!」

凌牙は砂原を見つめる…そこには璃緒の靴跡が続いていた…。

 

 

 

 

「あれは…!?」

 

「遺跡、なのか?」

璃緒を追い、不思議な砂原をしばらく歩き…砂丘を越えた先、そこには巨大な古い建造物が佇んでいた…。

 

 

「なんだこりゃ…」

 

(これは…迷宮か…?)

遺跡に踏み込んだ遊馬達…そこに広がっていたのは霧に包まれた迷宮だった…。

 

 

《クァー!クァー!》

 

「ん…?鳥……あっ!」

迷宮に響く鳥の鳴き声に遊馬が目を向けると見慣れない二羽の鳥が柱に止まっている…そして遊馬はその柱の中程に輝く何かを見つけた!

 

「よっと…これは…!父ちゃんのコイン!ここにナンバーズがあるんだ!!」

輝いていたのは2枚の覇者のコイン…ナンバーズがある事を確信した遊馬達は迷宮に突入した…!

 

 

 

 

「璃緒には不思議な力がある…璃緒はここに来るまでずっと何かを感じていた…もしかしたら、その力に導かれたのかもしれねぇ…!」

 

「その力って…『遺跡のナンバーズ』なのか…?」

 

「たぶんな…」

遊馬達は璃緒がいなくなった理由を話し合う…遺跡のナンバーズに導かれてしまった璃緒…その行方は…。

 

 

 

 

─おいで…─

 

 

「っ!?今の声は…」

迷宮を進む凌牙の脳裏に低い男の声が響く…凌牙はその声に導かれるように脇道に入り、ある物を見つけた…!

 

「これは…璃緒のカード!」

脇道に落ちていたのは…璃緒の持つ魔法カード『絶対零度』だった。

 

「おい!遊─なにっ!?」

璃緒の手掛かりを見つけた凌牙は遊馬に声を掛けようとした…だが、振り返った時…突然現れた壁によって遊馬と分断されてしまった…!

 

 

「くっ…!?進むしか、ねぇか…!」

分断された凌牙は1人で迷宮を進み始めた…。

 

 

 

 

 

Side凌牙

 

 

 

「これは…!?」

謎の声に導かれるままに迷宮を進んだ凌牙はついに迷宮の中心に位置する石の祭壇へと辿り着いた…!

 

 

「ハァ…ハァ…!あれは!!」

 

『そなたを待っていました…神代凌牙』

 

「貴様…()()!!」

階段を駆け上がった先…そこには古代の巫女のような衣装を纏った璃緒が待っていた、だが…彼女は璃緒であり…璃緒ではなかった…!

 

 

『【我が名は…アビス】』

 

「ナンバーズの、精霊か!!」

青いオーラを纏う璃緒…その背後に戦士のような幻影が現れる…!

 

 

「貴様…!璃緒を操って、俺を誘き出したのか!!」

 

【我とそなたは戦うべき()()…目覚めよ、我が力を受け継ぎし者よ…!!】

 

「……?何が狙いかは知らねぇが…お前の相手は俺がしてやる!!璃緒を離せ!!」

 

【もちろん…デュエルで私を倒す事ができたならば…!】 

 

「いいだろう…!お前をぶちのめして、璃緒を取り戻す!!」

意味深な言葉を話すナンバーズの精霊・アビス…凌牙は璃緒を取り返す為、デュエルを挑む!!

 

 

 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

 

デュエルダイジェスト 凌牙対璃緒(アビス)

 

 

 

 

 

「現れろ!漆黒の闇からいでし、紅き槍!『ブラック・レイ・ランサー』!」

先攻を取った凌牙は対応力に優れる槍使いを呼び出す!

 

「俺はカードを伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

 

 

『見るがいい、我が力を!!エクシーズ召喚!現れろ!「ゴルゴニック・ガーディアン」!』

対する璃緒…否、アビスは赤と青の瞳を持つ、蛇の女怪を呼び出す!

 

『「ゴルゴニックガーディアン」の効果発動!ORUを1つ使い、フィールドのモンスター1体の効果を無効とし、攻撃力を0にする!』

 

「なにっ!?」

女怪の放った怪光線がブラックレイランサーを石化させる!

 

 

『まだだ!「ゴルゴニックガーディアン」のさらなる効果発動!このモンスターがフィールドに存在する時!攻撃力0のモンスターは破壊される!』

 

「なんだと!?ぐうっ!?」

瞳を輝かせた女怪の頭部から赤い蛇のようなエネルギーが放たれ、ブラックレイランサーを粉砕する!

 

『「ゴルゴニックガーディアン」!ダイレクトアタック!』

 

「があああっ!!」

守る壁の無くなった凌牙は巨大な蛇の尾によって叩き飛ばされた…。

 

『我はカードを1枚伏せて、ターンエンドだ…そんなザマで璃緒を取り戻せるのか?凌牙…!』

 

「くっ…!!」

倒れた凌牙を見下ろすアビス…その時だった。

 

 

キン─

 

 

「な、んだ…!?この、光は…」

 

アビスから放たれる不可思議な光…それを見た凌牙の意識は遠のいた…。

 

 

 

………

 

 

 

「な、に…?此処は、何処だ…?」

凌牙が気付いた時、そこは見知らぬ王宮だった…自身は玉座に座り、その周りには数人の兵士達が控えている…。

 

 

「この姿は…なにが、どうなってるんだ?」

凌牙は玉座の隣にある姿見鏡を見る…そこには紺色のマントを纏い、金色の鎧を着て首から()()()()()()()()()ネックレスを身に着けた自分の姿が写っていた。

 

 

『お兄様!そろそろお時間です、皆が待っていますわ!』

 

「璃緒!?…みんな…?」

入口から歩み寄る人影…それは巫女の衣装を纏った璃緒だった、そして凌牙は璃緒に導かれるまま部屋から歩み出した…。

 

 

 

 

 

「「「王様ー!王様万歳ー!!」」」

 

 

「「「国王さまー!!」」」

 

 

 

『見てください!お兄様!皆が偉大な王を讃えていますわ!』

 

「俺が…王…?(これは…この遺跡の『記憶』なのか…?)」

バルコニーへと出た凌牙と璃緒…その眼下では老若男女たくさんの人々が凌牙の事を「偉大な王」と讃えていた…。

状況がわからない凌牙はなんとなく『遺跡の記憶』を追体験させられているのだと理解した…。

 

 

「国王様!大変です!敵が攻めて来ました!!」

 

『なんだと!?』

そんな時、兵士の1人が危急の知らせ…敵襲を知らせた…!

 

 

 

 

 

 

 

「あれは…!!」

城から前線の砦へと急いだ凌牙…彼が目にしたのは海に浮かぶ無数の侵略船団の姿だった…!

 

 

「迎え撃て─!!」

 

「「「うおおっ!!」」」

槍や大砲、弓を手にする兵士達…その時!

 

 

《ギャオオ!!》

 

「「「うわああ!?」」」

 

「お前達─!!」

海中から姿を現した数体の「ゴルゴニックガーディアン」が怪光線を放つ…それは兵士達に命中、彼らを物言わぬ石像へと変えてしまった…。

 

そして…侵略船団を率いる首領が姿を現す…!

 

 

「あれは…ベクター!?」

 

「あれこそが諸国を侵略し、略奪と虐殺を繰り返す『狂気の王』…!!」

決闘者の超視力が一際巨大な旗艦…その玉座に座る男を捉える…それは邪悪な笑みを浮かべたベクターだった…!

 

 

「何故、ベクターが…っ──!?」

 

 

 

…………

 

 

 

 

「はっ…!?」

気付いた時、凌牙はアビスとのデュエルに戻っていた…。

 

「(俺は…幻覚を見せられていたのか…!いったい、何を企んでやがる…!?)」

アビスの真意が読めない凌牙…だが、彼は戦わねばならない…!

 

 

 

 

「(今の手札じゃ『ゴルゴニックガーディアン』には勝てない…だが、表側じゃ餌食になる…)俺はモンスターをセット!これでターンエンドだ!」

ゴルゴニックガーディアンの効果を避ける為、凌牙はモンスターを伏せる…。

 

「(伏せたのは守備力1600の『スカル・クラーケン』…これで、耐える!)」

 

 

 

『フッ…我のターン!我は魔法カード「ゴルゴン・チャーム」を発動!その効果により、伏せられたモンスターを表側守備表示にする!』

 

「なにっ!?」

アビスの発動した魔法により凌牙の『スカル・クラーケン』がその姿を曝してしまう!

 

『「ゴルゴニックガーディアン」の効果!ORUを1つ使い、相手モンスターの攻撃力を0にする!そして、攻撃力0のモンスターは破壊される!!』

 

「ぐっ!!」

再び放たれた怪光線がスカルクラーケンを石化させ…蛇のエネルギーが粉砕する!

 

 

『さらに!装備魔法「エクシーズ・ユニット」を「ゴルゴニックガーディアン」に装備!装備したモンスターの攻撃力はそのモンスターのランク×200アップする!よって攻撃力2200!「ゴルゴニックガーディアン」でダイレクトアタック!!』

 

「しまっ…!ぐあああ!!」

再び放たれた尾が凌牙を弾き飛ばす…残りライフは僅か200となってしまった…。

 

 

 

 

 

一方、その頃…

 

 

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

「だああああ!?いったいどうすればいいんだよ─!?」

 

(落ち着け遊馬、闇雲に動いても体力を使うだけだ…!)

凌牙とはぐれた遊馬とアストラルは迷宮を彷徨っていた…神出鬼没に生成される迷宮の壁によって方向感覚を失い、スタート地点にもゴールにも辿り着く事ができずにいたのだ…。

 

 

キン─バッシャアアア!!

 

 

「どわっ!?今度はなんだ!?」

迷宮を彷徨う遊馬…その時、頭上の水面に穴があき、大量の海水と共に何者かが遊馬達の前に現れた…!

 

 

『遊馬、アストラル…!』

 

「ドルベ!?」

現れた人影…それはドルベだった、飛行船に取り残された小鳥が口を滑らせた事で海中遺跡に勘付き、やって来たのだ…。

 

 

 

「どうしてお前がここに…!?」

 

『お前達を追って来たのだ…これ以上、ナンバーズを渡す訳にはいかない…!』

 

「…ここで、決着をつけようってのか…!」

 

『いずれ、お前は倒さなければならないと思っていた…それも悪くないな』

 

「っ…!!」

ドルベは静かにデュエルディスクを構える…。

 

 

「ドルベ…!どうしても、お前と戦わなきゃならないのか!」

 

『…何を今更…』

 

「だって…お前はオレ達を助けてくれた!あの時、あの『天馬の遺跡』でお前がいなかったら…オレ達はどうなったかわからねぇ…だから!!」

 

「それは…お前の思い込みだ、所詮…我らは戦わなければならない定めだ…」

遊馬はドルベとのデュエルを…戦いを躊躇する…だが、ドルベの意志は揺らがない…。

 

 

「なぁ、ドルベ…ナンバーズの遺跡にあった伝説は…お前達の伝説なんだろ!?お前達に何があったのかわからない…けど!お前達はオレ達と同じ、人間だったんだ!それなのに…どうしてアストラルやオレ達と戦わなきゃならないんだよ!!」

 

『ふざけるな!!我らが人間だったなどと…私は信じない!!』

遺跡を巡った遊馬はドルベに呼びかける、悲しき伝説と共に「英雄」と呼ばれたバリアン達…同じ人間だった彼らと争う事…遊馬にはその意味がわからなかった…。

 

 

『バリアン世界はアストラル世界と対になる世界…そして()()()()()()だと運命付けられている!』

 

「運命って、なんだよ…!?それってアストラルもお前も…()()()()()()()を知らないって事じゃないか…!そんな、くだらない事で戦ってるんじゃねぇぇ!!」

 

(遊馬…)

戦う事が()()()()()()というドルベ…しかし、遊馬はその言葉を否定する。

「そう決まっている」から敵対する……それはつまりバリアン達自身も戦う理由がわからないも同じ…遊馬から見れば、それは本当に「くだらない」と思う理由だった…。

 

 

 

『……お前がなんと言おうと…私達は共に生きる事はない、そうだな?アストラル!』

遊馬に正論を叩きつけられたドルベは冷たくアストラルを睨みつける…。

 

(…遊馬、私のもう1つの使命…それは、()()()()()()()()()()()だ…)

 

「アストラル…!?」

ドルベの視線に答えるようにアストラルは自身に課せられた使命を口にする…それは、遊馬の考えとは真逆の答えだった…。

 

 

 

『……問答はこれくらいにしよう…デュエルだ!!』

 

「くっ…!!」

もう語る事はないとばかりにドルベは闘志を纏う…!

 

 

(ドルベ!デュエルの前に1つ、聞きたい事がある!…バリアンの七皇の中に我々が出会っていない者が2人いる…この遺跡にはおそらく、その2人の伝説が眠っているはず…何故、その2人は姿を見せない?)

 

『……その2人とは我らバリアン七皇のリーダー「ナッシュ」そして「メラグ」…彼らは必ず生きている!そして戻ってくる!!』

 

(「っ…!?」)

ドルベの絞り出した言葉に遊馬とアストラルは察する、ナッシュとメラグなるバリアン…その2人は行方がわからないのだと…。

 

 

キィン…

 

 

「な、なんだ!?オーロラ…!?」

 

(あれは…シャーク!璃緒!既にデュエルが始まっているというのか!?)

遊馬とドルベの間で張り詰める空気…それを切り裂いたのは遺跡の中心部に現れたオーロラだった。

 

そのオーロラに映し出されていたのは古代の巫女のような衣装を纏った璃緒…そしてその璃緒とデュエルをしてボロボロになっている凌牙の姿だった!

 

 

『何故…奴らがこの遺跡でデュエルを…?お前達とのデュエルは後回しだ!』

 

ギィン─!

 

「あっ!?待ちやがれ!飛んでくなんて卑怯だぞ─!?」

その様子を見たドルベは光の玉となって遺跡の中心へと向かう…迷宮に取り残された遊馬は叫ぶしかなかった…。

 

 

 

Sideout

 

 

 

Side凌牙

 

 

 

 

「っ…!?また幻覚か…!!」

ゴルゴニックガーディアンに吹き飛ばされた凌牙…彼は再び幻覚世界に囚われていた、玉座に座る彼の前には傷付いた兵士達が跪いている…。

 

 

「国王陛下…ご報告いたします、各方面の戦況は我が軍の劣勢…!ベクター軍は『ゴルゴン』を使い、次々と我が軍の防衛線を突破…!我が国の城下に攻め入るのも時間の問題です…!アクナムカノン王への救援要請も間に合わず…このままでは!我が国はおろか、近隣諸国全ての民が皆殺しになってしまいます!!」

凌牙の治める国に攻め入るベクター軍…その恐ろしい力に軍は追い詰められていた…。

 

 

「くっ…!?俺に何をしろって言うんだ!!」

兵士からの報告を聞いた凌牙は戸惑う…凌牙は決闘者であっても戦士でもない…彼らに指示を出す事はできないと…。

 

『お兄様…皆が貴方の指示を待っています…!この国の国王であり、指導者でもあるお兄様の指示を…!』

 

「っ─!ふざけるな!!指導者だと?俺に貴様らの人生を押し付けるな!」

 

「国王様…!?」

璃緒に似た巫女の言葉に凌牙は怒りを叫ぶ…!

 

『どうしたの!?お兄様、貴方はこの()()()()()()()()()()を束ねて来た指導者じゃない!この世界の平和を、ずっと守ってきた!!』

 

「俺が…この俺が…!?」

巫女の言葉に凌牙は驚く…その言葉は()()()()に向けられた言葉だと理解してしまったのだ。

 

 

【乗り越えろ】

 

「っ!?」

その時、凌牙の脳裏に声が響く…それは姿見に写った凌牙…否、その姿を借りたアビスの言葉だった。

 

【試練を乗り越えよ…この世界の戦いも…デュエルにも勝つのだ…さすればお前は──】

 

「黙れえぇぇ!!」

 

バキッ…!!

 

凌牙は姿見に拳を打ち付ける…鏡は割れ、アビスの気配も消えたが…凌牙の脳裏に電流が走る!

 

「…俺の、試練…」

凌牙は直感した、アビスはこの「幻覚世界」を試練と言った…つまり「天馬の遺跡」や「龍の遺跡」のように、この幻覚の中にデュエルを攻略する為のヒントがあると…!

 

 

「…鏡…?そうか…!」

拳によって砕けた鏡を見て凌牙は思い出した、かつて遊海によって教えられたとある神話の物語…その中に登場した『怪物』を倒した武器は……。

 

 

 

「俺は…指導者じゃねぇ…だが、こんな世界でもデュエルでも…負けるのはイラッと来やがる!!兵士達に新たな武装をさせろ!!」

勝利を掴む為、凌牙は声を張り上げた…。

 

 

 

 

…………

 

 

 

「っ…!今の幻覚は…!少しは役に立ちそうだぜ…『ゴルゴン』は自らの力で滅ぶ…なら、今の俺にも…手段がある!!」

凌牙の意識は再び現実に戻る…そして幻覚世界の行動を道しるべに、反撃に転ずる!

 

 

 

 

 

「俺のターン!…来たぜ!速攻魔法『絶対零度』発動!!」

凌牙の引いたカード、それはおそらく璃緒…アビスが凌牙を試す為に置いたカード…凌牙はその力を発揮する!

 

 

「このカードはORUを持っていないエクシーズモンスターの攻撃力を0にする!」

 

『無駄だ、装備魔法「エクシーズ・ユニット」はORUを使う効果を発動する時、その代わりとなる!』

 

「残念だが…効果によってORUの代わりになっても、そのカードはORUではない!!凍りつけ!!」

フィールドに極寒の吹雪が吹き荒れ、ゴルゴニックガーディアンを凍らせる!

 

 

「そして『ゴルゴニックガーディアン』の効果発動がする!フィールドの攻撃力0のモンスターは破壊される!自らの力で滅びろ!!」

 

『くっ…』

ゴルゴニックガーディアンは自らの力によって粉砕される…それは幻覚世界でも…。

 

 

 

………

 

 

 

《ギャオオオ!!》

 

「今だ!『鏡の盾』を持て─!!」

ベクター軍への反撃の為に船に乗った凌牙軍…ゴルゴンが怪光線を放った瞬間、鏡の盾によって光線を反射…跳ね返った光線はゴルゴンや敵船に命中し、大ダメージを与えた!

 

 

 

…………

 

 

 

「何を試したいのかは知らねぇが…いくぜ!自分フィールドにモンスターがいない事で『デプス・シャーク』をリリース無しで召喚!!」

凌牙の場にアンコウのような大口を持つ鮫が現れる!

 

 

「そして『デプスシャーク』でダイレクトアタック!」

 

『くっ…!』

デプスシャークの攻撃によってアビスに大ダメージを与える!

 

「俺はカードを伏せ、ターンエンドだ!」

 

 

 

 

 

『我のターン!』

 

「この瞬間!『デプスシャーク』の効果発動!相手ターンのみ、攻撃力が倍になる!よって攻撃力は2800だ!とっととこのデュエルに決着をつけてやる!」

アビスのターン、凌牙は自身の効果でデプスシャークをパワーアップさせる!

 

 

『そう上手くいくかな?我は魔法カード「ゴルゴニック・リチューアル」を発動!墓地の「ゴルゴニックガーディアン」を除外し、墓地の「ゴルゴニック・ゴーレム」「ゴルゴニック・ガーゴイル」を守備表示で特殊召喚!』

アビスの場に石の蛇と蛇頭の悪魔が復活する!

 

『さらに魔法カード「ゴルゴニック・パイル」を発動!我のフィールドの「ゴルゴニック」モンスターのレベルをフィールドに存在する「ゴルゴニック」モンスターの数だけアップさせる!よって、2体のモンスターのレベルは5となる!』

 

「レベル5のモンスターが2体…!来るのか!!」

 

『凌牙…お前の記憶を呼び起こせ!!』

 

キィン─!

 

レベル5のモンスター2体を揃えたアビス…彼は再び凌牙を幻覚世界へ誘った…。

 

 

 

 

…………

 

 

 

「べ、ベクター様!『ゴルゴン』は敵の鏡の盾によって壊滅!奴らはその勢いに乗り、反撃を開始しました!このままでは『黙れ』」

 

ザン!

 

ベクターに劣勢の報告をする兵士…彼は無情にもベクターによって斬殺された…。

 

 

『その死体を海に投げいれろ!オレにはまだ「全能の神」が付いている…!さぁ…血の契約の代償と引き換えに!お前の力をオレに貸せぇぇ!!』

ベクターは狂喜の笑みを浮かべる…そしてベクターは最後の手札を切った…!

 

 

『姿を顕せ!「全能の神」よ!!』

 

 

《オオオオ─!!》

 

 

「なにっ!?」

凌牙達の前に巨大な水柱が上がる…その中から青い鎧を纏う「全能神」が現れた…!

 

 

 

 

……………

 

 

73

 

『見るがいい!凌牙!現われよ!「No.73」!カオスに落ちたる聖なる滴よ…その力を示し、混沌を浄化せよ!「激瀧神アビス・スプラッシュ」!』

アビスの場に水色の宝玉が現れ、変形…大海を司る偉大なる海神が現れた!

 

「これが、遺跡のナンバーズ…!」

ついに現れた遺跡のナンバーズ…その力によって凌牙、そしてとある者達が幻覚世界に招かれた…。

 

 

 

@幻覚世界

 

 

…………

 

 

(これは…!?)

凌牙達の戦うフィールドから放たれた光に飲まれたアストラル…その目の前には夕暮れの海、そして「激瀧神」が何者かと戦う姿があった…!

 

(これは…遺跡の記憶なのか!?)

 

 

 

『何故だ…!?何故、私が遺跡の記憶を……あれは!?』

同じく幻覚世界に招かれたドルベ…その眼下には鎧を纏った凌牙がいた…!

 

『あの首飾りは…!()()()()()()()!?』

凌牙の下げる首飾り…それはバリアンの紋章と全く同じものだった…。

 

 

 

 

《オオオオ!!》

 

「ぐあああっ…!?」

ベクターに操られた全能神…「激瀧神」がその力を振るう、瞬く間に凌牙軍の船は沈められていく…その時だった。

 

 

『お兄様!!』

 

「璃緒!?」

馬に乗った巫女が戦場へと現れた…!

 

 

 

 

……………

 

 

「っ!?璃緒!?」

 

【神代凌牙…これから、お前の本当の試練が始まる…!我が名はアビス…今こそお前の力が試される…!】

幻覚から開放された凌牙…彼が見たのは空中に囚われた璃緒、そして青い鎧を纏い、髭を蓄えたナンバーズの精霊・アビスの本体の姿だった。

 

 

『「アビススプラッシュ」の効果発動!ORUを1つ使い!バトルの間、自身の攻撃力を倍にする!』

 

「攻撃力4800だと!?」

 

【これで…お前は終わりだ、いけ!『アビススプラッシュ』!『デプスシャーク』を攻撃!ファイナル・フォール!】

激瀧神が神罰の光線を放つ!

 

 

「まだだ!罠発動!『ハイド・アンド・シャーク』!自分のライフが2000以下で相手モンスターが攻撃してきた時!フィールドの『シャーク』モンスターを除外し、バトルを終了させる!」

凌牙のデプスシャークが消滅…バトルが終了する!

 

「そして…その代償として、ライフを半分支払う!!ガアアッ─!!」

凌牙の足元が爆発…凌牙は地面に叩きつけられる…残りライフは…僅か100…!

 

 

 

【なんとか凌いだようだな!】

 

『ぐうっ…!「ハイドアンドシャーク」の、さらなる効果!バトル終了時、除外した「デプスシャーク」を復活させ、このカードの効果で払ったライフ分、攻撃力をアップする!』

 

【モンスターを復活させたか…我はこれでターンエンドだ、だが…その程度の力では我がナンバーズは倒せんぞ】

次のターンへの布石を繋いだ凌牙…そして再び、凌牙は幻覚を見る…。

 

 

 

 

…………

 

 

 

『ギャハハハハハ!!』

 

「璃緒…璃緒─!!」

ベクターの笑い声が戦場に響く…璃緒は「激瀧神」の手に囚われてしまったのだ…!

 

 

『我に降伏しろ!さもなくば…貴様の妹は海の泡と消えるだろう!』

 

「っ─!!」

璃緒を人質に降伏を迫るベクター…その時だった!

 

 

《ヒヒーン!!》

 

『ハアアアッ!!』

 

『なにっ!?』

 

「お前は…ドルベ!?」

戦場に響く馬の嘶き…それは空を駆ける天馬の声…その天馬を操る騎士…それは人間時代のドルベだった!

 

 

『我が友よ!何を驚く!私がお前の危機に駆けつけないと思ったか─!!』

 

「俺とお前が…友…!?」

ドルベの思わぬ言葉に凌牙は驚愕する…!

 

 

『な、何をしている!奴を射落とせ!!』

 

『くっ…!?』

璃緒を救う為に空を駆けるドルベ…だが矢の雨で近付く事ができない…!

 

 

『さぁ…!選べ!妹を救うか!国を救うか─!』

 

『…「邪の呪印」を解くには…聖なる代償で神を浄化するしかない…』

 

「璃緒!?」

凌牙に無情な二択を迫るベクター…その時、璃緒がふらふらと立ち上がる…。

 

 

『お兄様…()()()が「アビス」を浄化するわ…』

 

「やめろ…やめろぉぉ!!」

兄を…国を守る為、璃緒は神の手からその身を投げた…その体は母なる海へと捧げられ…──

 

 

「璃緒…璃緒ぉぉ─!!!」

 

 

キィン─!

 

 

「あれは…あのモンスターは…!」

 

 

神を浄化する霊界の巫女として生まれ変わった…!

 

 

 

 

 

 

(あれは…遺跡の新たなナンバーズ…!?まさか、シャークと璃緒は…!!)

 

『ナッシュと…メラグだというのか…!?』

 

 

新たなナンバーズが生まれる一部始終を見ていたアストラルとドルベの驚愕と共に…幻覚は消えた…。

 

 

 

 

………………

 

 

 

「そんな…今のは、()()()()…俺は璃緒を、救う事は、できなかった…のか…?!」

幻覚が消え、凌牙は膝をつく…幻覚…否、記憶の中の璃緒を救えなかった無力感が凌牙にのしかかる…!

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

 

「っ…!?」

 

【このフィールドは()()()()()()()()だ…お前は再び、この世界でも…妹を失うのだ…!お前の心の弱さが…大切なモノ全てを失わせる…】

凌牙の絶望と共に…璃緒の足元が崩れる、そこには全てを飲み込む渦潮が口を開けている…!

 

 

『………』ガクン

 

「や、やめろおぉおぉぉ!!」

アビスによる拘束を解かれた璃緒…その体は記憶の世界と同じく、海へと投げ出され…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン─!

 

 

 

 

 

 

 

 

《キュアアアア!!》

 

 

「カッとビングだあああああ!!」

 

 

「遊馬!!」

赤い炎と化した遊馬に見事に受け止められた…!

 

 

 

 

Side遊馬

 

 

 

「『針剣士』!頼むぞ!!」

 

《ハリ─!!》

遊馬は迷宮を駆ける…アストラルはドルベが遺跡に侵入する際に開けた穴から入る海水を見て、迷宮の攻略法を見つけた…。

それは水は「高い所から低い所」に流れる性質を利用し、水に流れに従い出口を目指す…というもの、遊馬は必死に針剣士を追いかけていた…。

 

 

「ま、まずい!シャークのライフが…!」

遺跡のナンバーズによって絶体絶命の凌牙…さらに璃緒の足元が崩れ始めている…!

 

「このままじゃ…!なんだかヤバい─!!」

嫌な予感を感じる遊馬…その時だった。

 

 

キィン─!

 

 

「うわっ!?」

遊馬のデッキケースが輝き、1枚のナンバーズが飛び出す、そのカードは…

 

「『No.93太陽皇ホープ・フェニックス』…!」

それは遊海の分身とも言える「絆のナンバーズ」…飛び出した「No.93」から炎が溢れ、火の鳥へと変化する!

 

 

「遊海…今だけでいい!力を貸してくれ!!」

 

《キュアアアアア!!》

 

 

Sideout

 

 

 

 

 

「シャーク!璃緒は助けたぜ!!心おきなく、そいつをぶっとばせ!!」

 

「遊馬…!」

かけがえのない友の手で璃緒は救われた…その時、凌牙の前に新たな遺跡のナンバーズが姿を現す!

 

 

「このカードは…璃緒の化身のナンバーズ…!」

 

【さぁ…凌牙!我を倒し、自分の記憶を取り戻し…王として世界を導くのだ…!】

 

「ふざけるな…!俺は誰でもねぇ…!俺は、『俺』だぁぁ!!」

凌牙に試練を課してきたアビス…彼への怒りを燃やし、凌牙は魂の咆哮を上げる!

 

 

 

 

「俺は罠カード『フル・アーマード・エクシーズ』を発動!このカードはまず、エクシーズ召喚を行い、召喚したエクシーズモンスターにフィールドのエクシーズモンスターを装備し、その攻撃力分装備モンスターの攻撃力をアップする!俺はレベル5の『デプスシャーク』と装備魔法『アクア・ミラージュ』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」

 

 

94

 

「現われろ!『No.94』!氷の心を纏いし、霊界の巫女!その聡明なる魂を顕せ!『極氷姫クリスタル・ゼロ』!」

凌牙の場に氷の結晶が現れ、変形…全てを凍らせ、浄化する巫女が現れる!

 

 

「そして俺は『フルアーマードエクシーズ』の効果でフィールドの『ブラックレイランサー』を『クリスタルゼロ』に装備!攻撃力を2100アップさせる!攻撃力4300だ!」

霊界の巫女が紅き槍を構えた戦士「クリスタル・ゼロ・ランサー」へと姿を変える!

 

【そうはいかん…!『アビススプラッシュ』の効果発動!ORUを1つ使い、自身の攻撃力を倍にする!】

 

「甘いぜ!『クリスタルゼロ』の効果発動!ORUを1つ使い、相手モンスターの攻撃力を半分にする!俺は…その効果を2回使い!『アビススプラッシュ』の攻撃力を1200まで下げる!!クリスタル・イレイザー!」

荒々しき海神は巫女の祈りによって弱体化する!

 

 

「『クリスタルゼロ』で『アビススプラッシュ』を攻撃!クリスタル・ジャベリン─!!」

 

【ぬっ…!ぐああああ…!!】

巫女の槍が海神の胸を貫く…その一撃によって試練の決闘は終わりを迎えた…!

 

 

 

 

アビスLP0

 

凌牙Win!

 

 

 

 

 

「…何故だ、何故…俺を試した…!」

凌牙は倒れたアビスに試練の目的を問いただす…!

 

【我はそなたの命令に従ったまで…そなたの「記憶を呼び覚ませ」という命令に…】

 

「俺の…命令だと…!?」

そう言うとアビスは霞と消え…凌牙の手に「No.73」が現れた…。

 

 

「これが、()()()()()()()…!?まさか、そんな…!!」

そして…凌牙達は霧に包まれ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

Side飛行船

 

 

「遊馬!アストラル!シャーク!璃緒さん─!」

時刻は夕暮れ…遊馬達が行方不明となり数時間、小鳥は叫び続けていた…。

 

 

キィン─!

 

 

「ここは…飛行船!?」

 

(戻って来た…のか)

 

「遊馬!アストラル!!」

飛行船の甲板に光が集う…そして遊馬達がワープしてきた!

 

 

「っ!璃緒!!…ああ、そんな!?」

再会を喜ぶ遊馬と小鳥…だが…1人だけ、無事ではない者がいた…。

 

 

「璃緒…璃緒ぉぉ!!」

 

 

甲板に倒れ込む璃緒…彼女は、再び深い眠りに落とされた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【遺跡のナンバーズがアストラル達の手に渡ったか…ベクター、ナンバーズ96を探せ…!奴がそろそろ動き出す…!】

 

『ドン・サウザンド…!テメェ、何を知ってやがる…?』

 

 

()()()…お前が人間だった事も、お前がバリアン世界に転生し…ナッシュとメラグを()()()()もなぁ…】

 

『っ─!?』

 

 

混沌が解き放たれるまで…あと僅か…──

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