転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

274 / 540
決闘(デュエル)

『入院しているはずの神代璃緒と神代凌牙が揃って姿を消した……遊海、お前…オレに何か隠し事をしているのではあるまいな?』

 

「…すまない、今は…言えない」

 

『遊海!!』

日が落ちた白波家に瀬人の苛ついた声が響く…数時間前、璃緒の入院する病院から璃緒と凌牙が失踪したとの連絡が入ったのだ…。

 

 

『…お前が口を噤むとはな…!まぁいい…2人から連絡があったなら、必ずオレにも連絡を寄越せ!わかったな!?』

 

「わかった…必ず、連絡する」

遊海に念を押し、瀬人は通話を切った…。

 

 

 

「………!!」

 

《フォウ…フォーウ…?(ねぇ、遊海…凌牙は…璃緒は何処に行ったの…?)》

フォウがDゲイザーを握り締めたまま震える遊海に問いかける…遊海や翠の様子から尋常ではない事が起きている事を感じたのだ。

 

 

「…フォウ、ごめんな……凌牙も、璃緒も……しばらく帰ってこない……それが、あの子達の()()なんだ…!」

 

《キャウ…!(遊海…痛いよ…!なんで…なんでそんなに悲しそうなんだよ…!)》

 

「遊海さん…」

遊海はフォウを強く抱きしめる…涙を堪えた悲しい顔をしながら…。

 

 

 

 

《ユウミ…顔を上げなさい、今の貴方がするべき事は…泣く事では、ないはずです》

 

《…決戦はすぐそこに迫っています、今は…体力の回復を優先してください、マスター》

 

「そう、だな…何か異変が起きたら、教えてくれ」

しばらくの間ソファで項垂れ続けた遊海だったが…アヤカとフレアの厳しい言葉でようやく再起動した。

…アヤカとフレアも…他の精霊達も、遊海と翠の抱く悲しみは分かっていた…それでも、彼らは2人の為にあえて厳しい態度を取っているのだ…。

 

 

「…遊海さん、少し遅くなっちゃいましたけど…夕ご飯にしましょう?今日は〜カレーです!」

 

「…ああ、そうしよう…ありがとう、翠」

翠は遊海を励ます為に明るく声を掛ける…空元気なのは明らかだが、遊海はその言葉に頷いた。

 

 

 

「「いただきます」」

手を合わせた遊海と翠はカレーを食べ始める、普段ならばアヤカを除いた精霊達も一緒に食べるのだが…今日は静かに姿を消していた…。

 

 

「…うん、上手にできた!やっぱりカレーを食べると元気が出ますね!」

 

「そうだな…でも、今日は少し()()()()()な…」

 

「えっ…今日は……あっ……」

翠のカレーをしょっぱいと言う遊海…その目からは涙が零れていた…。

 

 

「思い出すよ…凌牙はうちに来たばっかりの頃、ピーマンと玉ねぎと…ニンジンも苦手で…璃緒に食べられないのを押し付けて、喧嘩してたよな…」

 

「そうでしたね…璃緒ちゃんはフォウくんから逃げ回って…それでもすぐに仲良くなって…」

 

「……ダメだなぁ…俺も、振り切らなきゃ…ならないのにさ……涙が、止まらないんだ…!」

 

「遊海さん…ぐすっ…」

カレーの味と共に蘇るのは穏やかで平和だった頃の白波家での記憶…子育て初心者の遊海達が幼い凌牙達と過ごした優しい記憶だった。

最初は我慢していた翠も…ついに涙を堪え切れなくなっていた…。

 

 

《マスター……っ?この、反応は…!?》

 

「えっ…?」

悲しみに暮れる遊海達…その時、アヤカが異変を感じ取った…!

 

 

 

 

 

 

バタン!!

 

 

 

 

『…そりゃ、バレるよな…アヤカのレーダーの範囲は広いから…』

 

 

「凌牙…璃緒…!!」

アヤカからの報告を聞いた遊海は玄関から飛び出した…そこには失踪したと思われた凌牙と璃緒がいたのだ…!

 

 

「…連絡もなしに、いなくなるんじゃない!この、馬鹿息子に馬鹿娘…!!」

 

『…お父さん…』

 

『ごめん、父さん…!』

遊海は帰ってきた凌牙と璃緒を強く…強く抱きしめた。

 

 

 

 

「「『『いただきます!』』」」

悲しみの食卓から一転…白波家の食卓は明るい雰囲気に包まれていた。

 

 

《フォウ…キャーウ!(璃緒!目が覚めてよかった!心配かけないでよ〜!)》

 

『ごめんねフォウくん…心配かけちゃったね…』

 

「そうよ…!病院からいなくなったって聞いて…私達がどれだけ心配したか…!」

 

『ごめん…2人で()()()()()()()()()()()があったんだ…』

 

「…そうか…まぁ、話は後でいい…お腹空いただろ?今日のカレーは美味しいぞ!」

 

『ありがとう、父さん…母さん』

璃緒に甘えるフォウ…いなくなった2人に怒る翠…謝る凌牙…その様子を見守る遊海…そこには普段通りの『日常』があった。

 

 

 

 

 

 

『…父さん、母さん…頼みが、あるんだ』

 

「ん…?どうしたんだ?」

食事を終え、穏やかな空気が流れるリビングで凌牙は遊海に声を掛ける。

 

 

『俺と璃緒と…決闘(デュエル)して欲しい』

 

「…それは…()()()()()()ダメなのか?」

 

『…ああ、()()()()()()ダメなんだ』

遊海達に対してデュエルを申し込む凌牙…その瞳には強い『覚悟』が宿っていた。

 

 

「…そうか、受けて立とう凌牙」

 

『…ありがとう、父さん……準備ができたらハートランドの海浜公園に来てくれ…行くぞ、璃緒』

 

『ええ…母さん、また後で…』

 

「璃緒ちゃん…凌牙君…」

ちょうど皿洗いの終わった璃緒は凌牙と共に家を出て行った…。

 

 

 

「遊海さん…」

 

「翠…これが…俺と凌牙達の()()だ…!」

 

《フォウ…!?》

 

 

 

 

 

 

 

 

「待たせたな凌牙、璃緒」

 

「遅くなってごめんね」

 

『そんなに待ってないよ父さん、母さん』

 

『私達の我儘に付き合ってくれてありがとう』

 

深夜…ハートランドの砂浜で遊海と翠、凌牙と璃緒が向かい合う…。

 

 

 

「ルールはタッグデュエル…全員、最初のターンは攻撃できない…で、いいな?」

 

『ああ、それでいい…いくぜ、父さん…!』

 

「かかってこい!凌牙、璃緒!」

 

 

「「『『デュエルディスク・セット!Dゲイザー…セット!!』』」」

4人は同時にデュエルの用意を整える!

 

 

【ARビジョン…リンク完了!!】

 

 

 

『『「「デュエル!!」」』』

 

 

遊海LP4000

翠LP4000

 

凌牙LP4000

璃緒LP4000

 

 

 

特殊ルール

 

・タッグデュエル

全員最初のターンは攻撃不可

 

 

ターン進行

凌牙→遊海→璃緒→翠→……

 

 

 

 

 

 

@凌牙

 

 

『俺のターン、ドロー!』

『「ビッグ・ジョーズ」を召喚!』

巨大な口を持つ鮫が現れる! ATK1800

 

『さらに!手札の「シャーク・サッカー」の効果発動!自分が魚族モンスターの召喚に成功した時!特殊召喚できる!』

コバンザメ型のモンスターが現れる! DEF1000

 

 

『俺はレベル3の「ビッグジョーズ」と「シャークサッカー」の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現われろ!「潜航母艦エアロ・シャーク」!』

2匹の鮫が連結した潜水艦が現れる! ATK19

00

 

『「エアロシャーク」の効果発動!ORUを1つ使い、俺の手札1枚につき400ダメージを相手に与える!俺の手札は4枚…1600ダメージだ!!エアー・トルピード!!』

 

「きゃあああ…!」

 

「お得意の速攻か…!」

放たれた無数の魚雷が遊海達のライフを削り取る!

 

遊海LP4000→2400

 

翠LP4000→2400

 

 

『俺は…カードを1枚伏せ、ターンエンド!』

 

凌牙LP4000

エアロシャーク 伏せ1 手札3

 

 

「ふっ…先攻での効果ダメージは最適解だな…次は俺の番だ!」

 

 

 

 

@遊海

 

 

「俺のターン!ドロー!」

「俺は永続魔法『黒の魔導陣』を発動!発動した時、自分のデッキの上から3枚を確認し、その中から『ブラック・マジシャン』または『ブラック・マジシャン』の名が記されたカード1枚を手札に加える!」

 

『ブラックマジシャン!?』

凌牙は遊海の宣言したモンスターの名に驚愕する…!

 

 

「俺は…『ブラックマジシャン』を手札に加え、残り2枚をデッキトップに戻す!そして『マジシャンズ・ロッド』を召喚!」

遊海のフィールドに神秘的なオーラを纏う杖が突き刺さる! ATK1600

 

 

「『マジシャンズロッド』の効果発動!デッキから『ブラックマジシャン』の名が記された魔法・罠カード…『マジシャンズ・ナビゲート』を手札に加える…カードを3枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊海LP2400

ロッド 黒の魔導陣 伏せ3 手札3

 

 

 

『デュエルモンスターズの…伝説のモンスター…!!』

 

「さぁ、かかってこい凌牙…『決闘王』の名を遊戯から受け継いだ俺に!!」

遊海は凌牙を睨み、闘志を高める!

 

 

『父さん!私を忘れては困るわ!!』

 

 

 

@璃緒

 

 

『私のターン!ドロー!』

『「ブリザード・ファルコン」を召喚!』

氷の翼を持つハヤブサが現れる! ATK1500

 

『そして、自分フィールドに鳥獣族モンスターが存在する時!手札の「霊水鳥シレーヌ・オルカ」は特殊召喚できる!』

艷やかな水の妖精が現れる! ATK2200

 

 

『「シレーヌオルカ」の効果発動!フィールドのモンスターのレベルを全て4に変更するわ!』

 

シレーヌオルカ☆5→4

 

 

『私はレベル4の「ブリザードファルコン」と「シレーヌオルカ」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れて!「零鳥獣シルフィーネ」!』

氷を纏う半人半鳥のモンスターが現れる! ATK2000

 

『私はカードを2枚伏せ…ターンエンド!』

 

璃緒LP4000

シルフィーネ 伏せ2 手札2

 

 

 

@翠

 

 

「私のターン…ドロー!」

「魔法カード『紅玉の宝札』を発動!手札の『真紅眼の黒竜(レッドアイズ・ブラック・ドラゴン)』を墓地に送って2ドロー!そしてデッキから『真紅眼の黒炎竜(レッドアイズ・ブラックフレア・ドラゴン)』を墓地に送る!」

 

 

『レッドアイズ…!?』

 

『この組み合わせは…まるで伝説の…!?』

翠が見せたカードを見た凌牙達は…遊海と翠の背後に2人の『伝説の決闘者』の姿を幻視する…!

 

 

「そして…『伝説の黒石(ブラック・オブ・レジェンド)』を召喚!」

赤い輝きを放つ黒石が現れる! ATK0

 

「『黒石』の効果発動!自身をリリース…そしてデッキから現れて!可能性を秘めし伝説の竜!『真紅眼の黒竜』!!」

黒石が罅割れ、砕け散る…そして舞い上がる黒炎の中から伝説の黒竜が現れる! ATK2400

 

 

『これが…伝説のドラゴン…!』

 

「まだよ…!魔法カード『思い出のブランコ』発動!墓地の通常モンスターを特殊召喚できる!私は墓地から『真紅眼の黒炎竜』を特殊召喚!」

フィールドに熱風が吹き付ける…そして紅き炎を纏うドラゴンが現れる! ATK2400

 

『レベル7のモンスターが2体…!来るのか…!?』

 

「私はレベル7の『真紅眼の黒竜』と『真紅眼の黒炎竜』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!永き時を超えし黒竜よ!全てを焦がす炎を纏え!『真紅眼の鋼炎竜(レッドアイズ・フレアメタル・ドラゴン)』!!」

銀河の爆発と共にフィールドを炎が支配する…そして鋼の身体を得た黒竜が現れる! ATK2800

 

 

『レッドアイズの…エクシーズモンスター…!』

 

「私は…カードを1枚伏せ、ターンエンド」

 

翠LP2400

鋼炎竜 伏せ1 手札3

 

 

 

「さぁ…モラトリアムは終わりだ、来い…凌牙!」

 

『いくぜ…父さん!!』

 

 

 

@凌牙

 

 

『俺のターン!ドロー!…このカードは…!』

凌牙はドローしたカードを見て、手を止める…。

 

『(このカードが…俺達の、()()()()()()…!)俺は「エアロシャーク」の効果発動!ORUを1つ使って──』

 

「通さない!速攻魔法『ディメンション・マジック』発動!俺の場の魔法使い族モンスター『マジシャンズロッド』をリリース!『幻想の見習い魔導師』を手札から特殊召喚!」

フィールドに現れた棺が杖を飲み込む、そしてその中から褐色の肌を持つ魔導師見習いの少女が飛び出した!ATK2000

 

「そして相手モンスターを1体破壊できる!『エアロシャーク』を破壊!」

 

『くっ…!?』

さらに棺から魔力弾が飛び出し、エアロシャークを粉砕した!

 

 

『なら…俺は「ダブルフィン・シャーク」を召喚!』

2対の胸ビレを持つ鮫が現れる! ATK1000

 

『そして手札の「サイレント・アングラー」の効果発動!自分フィールドに水属性モンスターがいる時、特殊召喚できる!』

巨大な口を持つチョウチンアンコウが現れる! ATK800

 

 

「ORUを持っている『鋼炎竜』の効果発動!相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した時!相手に500ダメージを与えるわ!鋼炎弾!」

 

『なにっ…!?ぐぅ…!!』

火球が凌牙に直撃…ライフを削る!

 

凌牙LP4000→3500

 

『「ダブルフィンシャーク」はエクシーズ召喚の時、2体分の素材になる!俺はレベル4の「サイレントアングラー」と「ダブルフィンシャーク」2体分でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!』

 

 

32

 

 

『現れろ!「No.32」!「海咬龍シャーク・ドレイク」!!』

エクシーズ召喚の銀河の中から凌牙のエース…最大最強の牙が現れる! ATK2800

 

 

 

「『シャークドレイク』を呼び出したか…さぁ、どうする?」

 

『(父さんは…()()は表情を変えない…伏せカードには攻撃を防ぐカードがあるはず…なら、()()()()()はしない…!)』

表情を変えない遊海を見た凌牙は…覚悟を決めた…!

 

 

 

『父さん……これが、俺の…俺達の決断だ!!発動しろ!「RUM-バリアンズ・フォース」!!』

 

『お兄様…!』

 

「っ…」

 

「…………そうか」

凌牙のフィールドでカオスの光が輝く…それは凌牙の……ナッシュの決意を示していた…!

 

 

『フィールドのエクシーズモンスター1体をカオス化させ、ランクアップさせる!!俺は「シャークドレイク」1体でオーバーレイネットワークを再構築…カオスエクシーズチェンジ!!』

シャークドレイクがニュートラル体となって赤い銀河へと飛び込む…そして暗黒の爆発と共に再誕する!

 

 

32

 

 

『現れろ!「CNo.32」!深淵に眠りし牙よ…カオスの力で全てを喰らえ!!『海咬牙龍シャーク・ドレイク・ヴィシャス』!!』

それは再誕せし新たな「牙」…漆黒の体に3対の巨大なヒレを持ち、額を中心とした各部位では赤紫のカオスの力が輝く『深淵の鮫龍』…それがナッシュの決断の証だった…! ATK2900

 

 

「…カオスエクシーズ……そう来たか、翠」

 

「はい…!『鋼炎竜』の効果発動!相手が魔法・罠モンスターの効果を発動した事で相手に500ダメージを与えるわ!鋼炎弾!」

 

『ぐうっ…!?』

再び火球がナッシュに直撃しライフを削る!

 

凌牙LP3500→3000

 

 

『ならば、「バリアンズフォース」のさらなる効果!「鋼炎竜」のORUを全て「ヴィシャス」に吸収し、奪ったORU1つにつき、攻撃力を300ダウンさせる!』

 

「させないわ!『鋼炎竜』の効果発動!ORUを1つ使い、墓地に眠る2体目の『真紅眼の黒竜』を特殊召喚!この効果は相手ターンでも使える!!」

翠の場に赤みが強いレッドアイズが現れる! ATK2400

 

 

真紅眼の鋼炎竜 ORU1→0 ATK2800→2500

 

シャークドレイクヴィシャス ORU3→4

 

 

 

『「シャークドレイクヴィシャス」の効果発動!1ターンに1度、ORUを1つ使い!相手フィールドの表側表示のモンスターを全て破壊し、その中で1番高い攻撃力の数値分のダメージを相手に与える!()のフィールドには攻撃力2500の「鋼炎竜」がいる!これで、終わりだ!カオス・アビス・バイト!!』

ヴィシャスが強烈な水流を吐き出す…それは無数の鮫のエネルギーとなり、遊海達に襲い掛かった…。

 

 

 

 

『はぁ…はぁ…!これで、どうだ…!』

 

『ナッシュ…』

自身の持てる渾身を叩き込んだナッシュ…その顔は…悲しみで歪んでいた…。

 

『命までは、奪わない……それが、俺の……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケジメのつけ方…か?」

 

 

『『っ…!?』』

遊海達のフィールドを覆っていた煙が晴れていく…そこにはダメージを受けていない遊海達の姿、そして…。

 

 

『「ブラック・マジシャン」に…「ブラック・マジシャン・ガール」…!?』

遊海のフィールドには最強の魔術師弟が降臨していた…! ATK2500  ATK2000

 

 

 

 

「…罠カード『マジシャンズ・ナビゲート』を発動していた、その効果で手札から『ブラック・マジシャン』を…デッキから『ブラック・マジシャン・ガール』を特殊召喚したのさ」

 

『っ…でも、「ブラックマジシャン」は通常モンスターだ!「ヴィシャス」の効果を避ける事はできない!!』

 

()()()()()()()()()()、フィールドをよく見ろ」

 

『っ…!?「ヴィシャス」が、いない!?』

 

『そんな…!?』

遊海の言葉に動揺したナッシュはフィールドを見回す…そこにいたはずの新たなカオスエクシーズはその姿を消していた…!

 

 

「永続魔法『黒の魔導陣』の効果だ…「ブラックマジシャン」が召喚・特殊召喚された場合、フィールドのモンスター1体を除外できる…お前の悪い癖だ、感情が昂ぶり過ぎると詰めが甘くなる…まぁ、俺もそうなんだけどな…どうする?」

 

『くっ…俺は、これでターンエンドだ…!』

凌牙LP3500

伏せ1 手札1

 

 

 

「凌牙、璃緒……それが、お前達の選んだ道なんだな?」

 

『…俺は…俺の本当の姿は「バリアンの王」だった…俺は…バリアンの仲間達を守らなきゃならない!!』

 

『私は…それが茨の道であっても…ナッシュについていく!!』

 

「璃緒、ちゃん…」

遊海の問いに…ナッシュ、そしてメラグは強い覚悟で答える…!

 

 

「そうか、ならば……叩き潰す

 

『『っ─!?』』

遊海は闘志を…殺気を開放する、病み上がりとは思えない程の強い力を…!

 

 

 

 

@遊海

 

 

「俺のターン、ドロー!!」

「リバース罠『永遠の魂』を発動!デッキから魔法カード『黒・魔・導』を手札に加える!そして、フィールドに『ブラック・マジシャン』がいる時!魔法カード『黒・魔・導(ブラック・マジック)』を発動!相手フィールドの魔法・罠を全て破壊する!吹き飛ばせ!!」

 

《ブラック・マジック!!》

 

『伏せカードが!?』

 

『全滅…だと!?』

放たれた魔力弾がナッシュ達のフィールドを蹂躪…伏せられていた『ゼウス・ブレス』『リビングデッドの呼び声』『アイス・チェーン』が破壊される!

 

 

「そして魔法カード『ティマイオスの眼』を発動!俺のフィールドの『ブラックマジシャンガール』と融合!精霊界を救いし名もなき竜よ…魔導師と共に出陣せよ!融合召喚!!『竜騎士ブラック・マジシャン・ガール』!」

名もなき竜に騎乗した魔導戦士が現れる! ATK2600

 

 

「翠…モンスターを借りるぞ」

 

「はい…!!」

遊海の言葉に翠は静かに頷く…。

 

 

「さらに魔法カード発動!『融合』!『ブラック・マジシャン』と『真紅眼の黒竜』を融合!!」

ブラックマジシャンとレッドアイズが融合の渦に飲み込まれる!

 

 

「伝説の魔導師よ!可能性を秘めし黒竜よ!今こそ交わりて…魔導の覇者となれ!!融合召喚!『超魔導竜騎士─ドラグーン・オブ・レッドアイズ』!!」

融合の渦から新たな伝説が現れる…漆黒の鎧に身を包み、黒き翼と竜の尾を持つ最強の魔導騎士が降臨した!

ATK3000

 

 

『攻撃力、3000…!?』

 

「『ドラグーンオブレッドアイズ』の効果発動!璃緒の場の『シルフィーネ』を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!黒・魔・炎・弾(ブラック・フレア・マジック)!」

 

『うああああ…!!』

 

『メラグ!!』

漆黒の魔力弾がシルフィーネを粉砕…メラグに大ダメージを与える!

 

璃緒LP4000→2000

 

 

「…バトルだ!『竜騎士マジシャンガール』で璃緒にダイレクトアタック!魔・導・裂・斬(マジック・バースト・スラッシュ)!」

 

『っ…!きゃあああ!!』

竜騎士の一閃がメラグのライフを斬り捨てた…。

 

璃緒LP2000→0

 

 

『メラグ!!』

 

「まずは…自分の心配をしろ!!『ドラグーンオブレッドアイズ』で凌牙にダイレクトアタック!超・魔・導・黒・炎・弾(ハイパー・ダークネス・マジック)!!」

 

『…やっぱり、アンタは強すぎるぜ……()()()

魔導の覇者が最大威力の魔力弾を放つ…そしてフィールドは大爆発に包まれた…。

 

 

凌牙LP0

 

 

 

遊海&翠 WIN!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐっ…うぅ…!!』

 

『がはっ…!』

 

「凌牙君…璃緒ちゃん…!」

 

「…行くな、翠」

デュエルが終わり、ナッシュとメラグは砂浜に倒れ伏していた…翠は思わず駆け寄ろうとするが…遊海がその手を掴んだ…。

 

 

 

「…いるのは分かってる、出てこい」

 

『………久しいな、白波遊海』

遊海は砂浜の暗闇に声をかける…その中から銀髪眼鏡の青年、人間体のドルベが現れた…!

 

 

「早く、2人をバリアン世界に連れて行け…傷は深くない」

 

『何故、見逃す…ナッシュとメラグは…今のお前達にとって、最大の敵のはずだ』

ドルベは背中を見せた遊海に問いかける…。

 

「ドルベ…お前には()()がある、それに免じて見逃してやる……だが、()()()()

 

『っ…!!』

ドルベは遊海の背中から強い殺気を感じ取る…!

 

 

「お前達が、人間界の敵として現れたなら…その時は容赦しない、俺の全身全霊でお前達を叩き潰す…覚悟しておけ……翠」

 

「ドルベ…コレを渡しておくわ!」

 

『これは…』

遊海に促された翠は小さなリュックを投げ渡す。

 

 

「デュエル飯…おむすびよ、体力を回復させるおまじないを掛けてある……後で2人に食べさせてあげて」

 

『……わかった、さらばだ…人間界最強のデュエリスト達よ…!』

リュックを拾ったドルベは次元の扉を開く…。

 

 

『ゆう、み…』

 

「さよならだ…()()()()()()()…背中には気を付けろ」

 

『えっ…?』

次元の扉に吸い込まれる直前、ナッシュは遊海からの最後のアドバイスを聞いた気がした…。

 

 

 

 

 

 

 

『っ…!遊海!翠!何があった!!バリアンは何処へ行った!!』

 

「先生!翠さん!!」

次元の扉が消えた直後、バリアンの出現を感じ取った瀬人と十代が駆け付ける……そこには遊海と翠が立ち尽くしていた…。

 

 

「…バリアン七皇の最後の2人が蘇った…戦いは、近い…!!」

 

『なんだと!?』

何かを押し殺したような遊海の呟きに瀬人は驚愕する…!

 

「凌牙くん…璃緒ちゃん…!」

 

『まさか…お前達……!お前達の息子達が、バリアンだったと言うのか!?何故…何故隠していた!!』

泣き崩れる翠を見た瀬人は全てを察する、最後のバリアンとは…遊海の息子達だったのだと…。

 

 

「俺達なりに、運命を変えようとしたんだ……でも、凌牙は…璃緒は……バリアンを選んだ…それだけだっ…!!」

 

「先生…!!」

十代は気付いた…遊海も…翠も…1人では抱えきれないほどの悲しみを押し殺している事に…。

 

 

 

「…すまん、少しだけ、翠と2人に、してくれ……もう、我慢できそうに、ないんだ……!!」

 

『…後で、事情は話してもらうぞ…友よ』

 

「…この近くには、人はいないぜ…誰も、近づけさせない」

遊海の様子を見た瀬人と十代は…静かにその場を離れた。

 

 

 

 

 

 

「…翠、おれは…間違った…のかな…」

 

「……間違っては、いないと思う……これが、運命だから…!」

 

「泣くのは…今だけだ……今だけは………ああ、ああああ…!凌牙…璃緒…ごめん…ごめんな…!!こんな親ですまなかった…!!」

 

「うぅ……うああああああああ─!!!」

 

 

月光が照らす砂浜に抱きあった2人の慟哭が響く…2人の泣き声は穏やかな潮騒の中に消えて行った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐっ…うぅ…これで、ケジメは……覚悟はできた…!おれは……俺は…バリアンの、ナッシュだ…!!』

 

『ナッシュ…よく、決断してくれた…』

 

『…ごめんなさい…父さん、母さん…!』

バリアン世界へ向かう異次元の中でナッシュとメラグは覚悟を決めた…その目から哀しみの涙を流しながら…。

 

 

 

『七皇達を…招集しろ…!』

 

『…まずは傷を癒やしてからだ、それからでも遅くない』

涙を拭ったナッシュはついに、アストラル世界との戦いへのカウントダウンを始めた…。




オリカ紹介


CNo.32海咬牙龍シャーク・ドレイク・ヴィシャス

水 海竜族 ランク5 ATK2900 DEF2100

レベル5✕4

このカードは「No.」と名のつくモンスター以外との戦闘では破壊されない。

①このカードが相手によって破壊された時、墓地のエクシーズモンスター1体をエクストラデッキに戻し、このカードを守備表示で特殊召喚する。

②このカードが「No.32海咬龍シャーク・ドレイク」をエクシーズ素材にしている時、以下の効果を得る。
●1ターンに1度エクシーズ素材を1つ取り除き発動できる。相手フィールドの表側表示のモンスター全てを破壊し、破壊したモンスターの中で1番攻撃力が高いモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与える。


見た目

漆黒の体 頭・両腕・背中の3対のヒレ先・両足にカオスの結晶がある。

「シャークドレイク」をさらに鋭く、凶悪にしたような姿
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。