転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

ふと小説情報を見ていたら本格投稿開始から丸三年以上経っていたり……思えば遠くまで来たなぁ…。

いつの間にかにお気に入りも600件を超えて…感想を頂いたり、評価をしてくれる方もいて……なんだかとても嬉しいです!ハーメルンの読者の皆様、本当にありがとうございます!


さて、初登場から約1年と少し…ついにあの人物の正体が明らかに…!
ZEXALの物語はここから加速していく…!


それでは…最新話をどうぞ!


封じられし「英雄」─旅路の果てに─

「アクルの仲間、五命星の最後の1人…シーカーって奴を開放して欲しいんだ!!」

 

【シーカーを…開放、か……】

バリアンの侵攻を悟り、人間界に戻る寸前…遊馬は囚われた「英雄」の開放をエリファスに願った…だが、エリファスは困惑した表情を見せる…。

 

 

【…遊馬、君はそれがどういう意味を持っているのか…理解しているのだな?】

 

「シーカーはオレよりも先にアストラル世界を救おうとしたすげぇ奴だってエナから聞いた…それに、アストラル世界が変わったなら…」

 

【シーカーは…()()()()()()()に匹敵するカオスを内包した異端の男だ】

 

「なんだって!?」

エリファスの言葉に遊馬は驚愕する…囚われたシーカーは七皇達と同等の力を宿していると言うのだ…!

 

 

 

【……あの日、シーカーを捕らえた私は…彼を消す事を躊躇した……彼を消せば、そのカオスはバリアン世界に流れ着き…バリアン世界の力を増してしまうと考えたからだ……故に、私はシーカーを幽閉し…アストラル世界の「盾」として使う事にした…】

 

「アストラル世界の…盾…?」

 

【バリアンからの攻撃に対し、シーカーのカオスを強制的に抽出し…盾として使ったのだ…膨大なカオスを持つシーカーを自然に消滅させる為に…!!】

 

「エリファス…!!」

それはあまりにも非人道的な拷問にして処刑法……真綿で首を締めるようにエリファスはシーカーを追い詰めていたのだ…。

 

 

【…非難は甘んじて受けよう…だが、私も恐ろしかったのだ…奴の宿す膨大なカオスの力が…遊馬、これを受け取れ…】

そう言うとエリファスは小さな鍵を遊馬に手渡す…。

 

【シーカーを幽閉した牢はこの王宮の一番上にある…もし、()()()()()()()()()()()()()…その鍵で彼を開放するといい……その後はすぐに人間界に戻るのだ、こちらと人間界には僅かに時差がある…急ぐのだ】

 

「…エリファス…色々、ありがとな!!」

 

(行くぞ、遊馬!)

 

キィン─!

 

エリファスに感謝を伝えた遊馬とアストラルはその身を光に変えて王宮の天辺へと登って行った…。

 

 

【世界を脅かす危機が訪れた時、それを救う英雄が現れる…それが『ZEXAL』…頼んだぞ、遊馬…アストラル…!】

2人の背中を見送ったエリファスの兜が割れる…エリファスは希望を託した新たな光を見送った…。

 

 

 

 

 

 

「…ここが、アストラル世界の牢…」

 

(間違いない、私の記憶にも残っている)

遊馬達は王宮の天辺へと到着する…そこはアストラル世界においてもっとも「純粋」な場所…カオスがまったく存在しない場所だった。

 

 

(時間がない…急ごう)

 

「おう!」

遊馬達はシーカーがいるという牢屋の扉を押し開いた…。

 

 

 

 

「そんな…()()()()()!?」

 

(……間に合わなかった、のか…)

牢屋の中は静寂が支配していた…人の気配も無い…。

 

 

「エナ達は…まだ生きてるって、信じてたのに…!こんなのってありかよ…!!」

 

(…彼は、長い間カオスを抜かれながら閉じ込められていた……無理もない…)

アストラルは静かに目を伏せる…エリファスによって復元された「アストラル世界の記憶」…その中にはシーカーと幾度か話した記憶も残されていた…。

 

 

 

─誰だ…こんな辺鄙な…場所に来る、物好きが…カズマ以外に、いるとはな…─

 

「えっ…」

静寂の世界に囁くような細い声が響く…それは牢屋の隅にある小さな鳥籠のような檻から発せられた声だった。

 

 

(シーカー…!私だ…アストラルだ!姿を見せてくれ!!)

 

─アストラル、か……姿をみせるも、何も…()()()に、いるだろう…?─

 

(シーカー…貴方は…!!)

 

「嘘、だろ…?」

アストラルは鳥籠を注視する…その中に、ホタルの光よりも幽かで朧げな小さな光が浮かんでいた…その光はカオス欠乏で苦しんでいたアストラル世界の人々よりも弱々しかった…。

 

 

 

─ああ…消える前に、もう一度…お前の顔を、見れて良かった…見違えたな…─

 

(シーカー…!私は貴方を助けに来た!エリファスが貴方を許したのだ…!)

 

─エリファスが……そうか、お前か…アストラル世界に新たな「光」を灯したのは…─

途切れ途切れの弱々しい声が遊馬に問いかける…。

 

 

「ああ…!オレは九十九遊馬!父ちゃんの…一馬の息子だ!!」

 

─…カズマの……そうか、奴め……根拠のない、嘘を吐いたと思ったが……よもや、にんげんが…このせかい、に、くる…とは……

 

「っ!?不味い!!」

遊馬は光の玉…シーカーの存在が薄れていくのを感じ、慌てて手にしていた鍵で鳥籠を開け放つ!

 

 

「シーカー!オレの手に触ってくれ!オレのカオスを…」

 

─もう、いいんだ……()()()には、もう逢えない……おれには…この旅は、長すぎた……─

 

「ふ、ふざけんじゃねぇぇっ!!」

静かに消えようとするシーカーに遊馬が叫ぶ…!

 

 

「どうして…どうして自分勝手に消えようとするんだよ!!エナも…アクルも!ガクルもパリダもデクルも!!ずっとお前の無事を祈ってたんだ!!あの人達を放っておいて…なんとも思わないのかよ─!!」

 

(遊馬…)

それは遊馬の魂の叫び…遊馬は知っている、アストラルを失った時の喪失感を……再び逢えた時の嬉しさを…!

 

「勝手に…自分の命を諦めるんじゃねぇぇ!!」

 

 

─アクル…エナ………そうか、オレの…帰る、場所は……すまなかった…─

そう言うとシーカーは遊馬の手に触れた…その時だった…!

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

「えっ…!?」

 

(遊馬!?)

シーカーが遊馬に触れた瞬間、真紅の閃光が牢屋を埋め尽くす…それと共に遊馬はストンと尻餅をついてしまった…。

 

 

「か、からだの…力が、抜けて……なんで…?」

 

 

『…すまない、オレという存在は…だいぶ()()()いたらしい…』

遊馬のカオスを根こそぎ吸収したシーカーは実体を取り戻す…その姿は白いロングコートを纏う、白い髪の若い青年だった。

 

 

 

『感謝する…ユウマ、カオスが消えかけた事で弱気になっていたらしい…』

 

「はは…元気になったなら、良かったぜ…(あれ…?何だか…懐かしいような…?なんだろう、この感じ…?)」

遊馬に感謝を伝えるシーカー…遊馬はその姿に奇妙な懐かしさを覚えていた。

 

 

(シーカー…とりあえず、貴方のカオスを少し遊馬に分けてほしい…我々はすぐに人間界へ戻らねばならないのだ)

 

『…バリアン達が動いたか…すまなかった、すぐに余剰エネルギーを………ユウマ、その()()()はなんだ?』

 

「えっ…?」

力を取り過ぎた事を自覚したシーカーは遊馬へと力を返そうとする…その時、彼の目は遊馬の下げていたカルトゥーシュへと止まった。

 

 

「これは…オレの師匠がお守りに持たせてくれたんだ!」

 

『……見せてくれ』

 

「あ、うん…大事なモノだから丁寧に頼むぜ…?」

遊馬は銀のカルトゥーシュをシーカーへと手渡した…その瞬間!

 

 

キィン─!!

 

 

ドクン!!

 

『ぐっ…!?』

 

「遊海のカルトゥーシュが!?」

 

(これは…()()している!?)

シーカーがカルトゥーシュを手にした瞬間、強い光が再び部屋を埋め尽くした…そしてシーカーは突然の頭痛に頭を押さえ…───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『友よ…貴方に『善知の悪魔(ラプラス)』の名を授けます…善を知り、善を為し…それでも…私の『使命()』に殉じてくれる貴方に……』

 

 

『ならば…オレはお前に「Z-ONE」の名を与えよう…純粋な「人間」として、この世界に生き残った最後の1人(Z)となったお前に…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【言ったであろう…「貴様の心が折れた時に世界を掌握する」と…さぁ我の手先となるがいい…】

 

『…断る、オレは…まだ折れてはいない…!』

 

【貴様…!】

 

『この時代は滅びた…しかし、過去を変えれば…未来は…ミドリは救われる可能性がある……そのためならオレは闇を受け入れよう、我が糧となれ!ダークネスゥゥゥ!!!』

 

【なにっ!?き、貴様な、何を…!?オ…オオオオ!!?】

 

 

ミドリ…お前の遺志は無駄にはしない…闇へ堕ち果てようと…この世界を救おう…!我が罪を償う為に…オレは全てを踏み躙ろう…!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ラプラス、今こそ…お前を開放してやる!!バトル!「SNo.0ホープ・ゼアル」で「創星神tierra」を攻撃!受けてみろ!未来を切り拓くのは縦横無尽なる希望の力!これが新たな未来の天地開闢!ホープ剣ZEXALスラッシュ─!!」

 

『あ、ああ…希望…全てを照らす…光…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぐっ、うう……ダークネスを、抑えきれない…このままじゃ…この世界、まで…………すまない、Z-ONE……オレを、殺してくれ…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『バトル…!「時械神サンダイオン」で「アポクリフォート・キラー」に攻撃!「サンダイオン」はバトル終了後に相手に4000ダメージを与えます…眠りなさい、ラプラス…救済の夢の中で…!!』

 

『…それでいい…お前の覚悟、見せて貰ったぞ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラプラス!だめよ!!しっかりして!!」

 

『…お前は……そうか、シェリー…シェリー・ルブランか…ようやく…思い出した、永く生きていると…忘れ、ぽく…なるな……』

 

「ラプラス!!ダメ!死んじゃだめ…!」

 

『…そういえば…馬鹿な約束をした事が、あったな…すまないが諦めて…くれ、俺には…待ってくれている…大切な人が…いるんだ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『……不動遊星、1つだけ…俺の問いに…答えてくれ…』

 

「っ…なんですか、ユウミさん…!」

 

『…オレは、未来を救う為にお前達にとっての「悪」を為した…しかし、それは未来にとっての…「善」となる…はずだった……遊星…オレのしてきた事は…なんだったんだろうなぁ…』

 

 

「……貴方は…未来を切り拓こうとしただけだ、貴方のした事は大きな罪だ…それでも貴方は…オレ達に希望を繋いでくれた…!決して無意味なんかじゃない!!」

 

 

『…ありがとう遊星、やはり…お前は変わらないな…遊星、未来を導くお前達に未来を…希望を託す…!世界を…未来を、救ってくれ…!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまない…我が友よ………先に、いく……やっと逢える…な──ミド、リ…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドクン!

 

 

 

 

 

 

『は、はは……はははは…はははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは─!!!!』

 

「な、なんだ!?」

 

(シーカー!?)

突然、シーカーは狂ったように笑い始める…だが、その目からは大粒の涙が溢れていた…。

 

 

 

『遊星!!遊海!!お前達はやり遂げたのだな!?破滅の未来を回避し…世界を正しく導いた!!ああ…こんなに嬉しい事はない…!見ていたか!Z-ONE!!オレ達の警鐘は…確かに未来を救ったんだ!!ははは…ははははは!!!』

 

「いっ、いったい何がどうしたんだ!?」

先程までの様子からガラリと変わったシーカーは叫ぶ…その叫びと共に膨大な「正しいカオス」の力がアストラル世界を覆い尽くしていく…!

 

 

(シーカー…まさか…貴方の、正体は…!?)

 

『……それ以上は言うな、アストラル…既にオレの「物語」は終わった……これから紡ぐべきなのはお前達の「物語」だ…』

シーカーは何かに気付いたアストラルの言葉を制す…そしてカルトゥーシュを遊馬へと手渡した…。

 

 

()()…ありがとう、お前のおかげでオレは大切なモノを取り戻す事が出来た…これはせめてもの礼だ』

 

キィン─

 

「あっ…傷が…!」

穏やかな表情に戻ったシーカーが遊馬へと光を放つ…それによって遊馬の傷は治り、体力も全快した…!

 

 

『余計な寄り道をさせてすまなかった…さぁ、人間界へと向かえ!最高の物語を紡ぐ勇者よ!!』

 

「な、なんだかわからねぇけど…ありがとうシーカー!エナ達によろしくな─!!」

 

(戦いが終わったら、また話を聞かせてくれ…世界を背負った「闇の英雄」よ!)

 

キィン─!

 

『フッ…「闇の英雄」、か…オレをそう呼んだのはお前か?遊星…』

赤と青の閃光となって人間界へと向かう遊馬とアストラル…シーカーはその背中を見送った…。

 

 

 

 

 

 

 

『そして…カルトゥーシュが教えてくれた…!ようやく、()()()()()…!なんで、お前がそっちにいるんだ…!?』

シーカーは静かにバリアンの赤い柱を睨んだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ…あっという間にこの世界を変えちまったな〜」

 

「あの子…大きくなったわ…!」 

 

「ああ…!遊馬はもっともっと大きくなるぞ!」

アストラル世界の空を翔ける2つの流星…それを見守るとある夫婦の姿があった…。

 

 

「一馬さん…あの子はもっと大きくなるわ…!」

 

「ああ、なんたって…()()()()俺達を選んでくれたんだからな…未来…!」

姿を見せる事なく、2人の背中を見送る2人の親…2人は優しく笑っていた…。

 

 

「さぁ…!行ってこい!遊馬!!」

一馬の激励が遊馬の背中を押すように、アストラル世界に響いた…。

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