転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
【Aaaaa──AAAAAAaaaa───!!】
《フォッ…!?》
「嘘、だろ…」
「デカ過ぎる…!?あんなの、どうすればいいんだ…!?」
ナンバーズの大群を命を懸けて倒した遊海達…だが、遊海に倒されたはずのネームレスが凶悪な怪物となって復活した…!
『っ…!!呆けるなお前達!オレイカルコスの神に比べれば、子蛇のようなモノだ!!』
「瀬人、さん…!!」
瀬人の声が響く…その声で固まっていた者達は正気を取り戻す…。
『遊海!もう一度攻撃を仕掛ける!まだ、死ぬな!!』
「………わか、た…!」
「遊海さん…!!」
一瞬、瞳が揺れていた遊海…だが、瀬人の声で無理矢理に立ち上がる…!
「みんな、もう一度……力を、かして、くれ……!!」
《ユウミ…それが、貴方の選択ならば…!!》
《私達は…全力でそれに応えるまで…!!》
遊海の命を掛けた言葉にアヤカとフレアは最大限のエネルギーを集中させる…!
「お前達!!ここが正念場だ!もう一度行くぞ!!」
「オレ達の『絆』で…あの怪物を倒すんだ!!」
「『「「『おう!!』」」』」
遊星とジャックの叫びによって…デュエリストの魂は1つとなる!!
「いっけぇぇ!!シューティング・ミラージュ!」
「粉砕しろ!バーニング・ソウル!」
『ハルバード・スナイプ…ファイア─!!』
「シューティング・アクセル・ストライク!!」
「
「ブラック・ローズ・フレア!!」
「
「ライフ・イズ・ビューティー・ホール!!」
「エターナル・サンシャイン!!」
『ザ・キューブ・オブ・ディスペアー!!』
「ノーブル・ストリーム!!」
『パラダイム・ストリーム!!』
「レジェンダリー・ストライク!!」
『粉砕しろ!ハイパー・オルタナティブ・バースト!!』
「創星のビックバン・バースト!!」
「カタストロフ・イレイザー…ゴッド・ブレイズ・キャノン…!」
【AAAAA──!!!】
ドオオオン──!!!
シグナーのドラゴン達が…未来を守るロボットが…伝説の戦士が…生ける伝説が…希望の龍が…そして機械要塞と太陽神が再びの同時攻撃を仕掛ける…凄まじいエネルギーが再びネームレスを飲み込み、大爆発を起こした…!
「これで……な、に…!?」
『そんな、馬鹿な…!?』
「
【…………AAA……!】
渾身の一撃を放ち、肩で息をする決闘者達……それを嘲笑うかのように、怪物は
《ま、マスター…まさか…!?》
「アイツは………
「不死…!?」
ギリシャ神話において怪物
だが…それ以前にも英雄・勇者と呼ばれた強者が何人もゴルゴーンに挑み…敗れ、石像と化した……それ故にゴルゴーンの異名は畏怖を込めてこう呼ばれた……「英雄殺し」と…。
『っ…奴は「不死殺しの鎌」を持っていた…それを奪わなければ、奴は倒せんという事か!?』
「あ、あああああ…!?」
「翠さん…!?どうしたんだ…!?」
ゴルゴーンの神話を思い出した瀬人が対処法を思い付く…だが、その言葉を聞いた翠が顔を青褪めさせる…。
「『不死殺しの鎌』……何処かに吹き飛ばしちゃった…!!」
「『『「「なんだって!?」」』』」
ネームレスは当初「不死殺しの鎌」を構えて襲撃してきた…その脅威を知っていた遊海達は鎌を弾き飛ばしてしまっていたのだ…!
『何処に飛ばした!?』
「わ、分からない…!たぶんカードになってハートランドの何処かに…!?」
「っ…!探してる場合じゃない!!あいつが動く!!生き残る事だけ考えろ─!!」
「『っ!?』」
血を吐くような遊海の叫びに瀬人と翠がネームレスを見る…ネームレスは先程の攻撃で此方を『敵』と認識したのか、海から凄まじい速度で迫ってくる!!
【AAAAAaaaaAAAA──!!】
《シャアアアアア!!》
『髪が、蛇に!?』
接近したネームレスが凄まじい咆哮を上げる…それと共に長い髪の末端が大蛇となり、遊海達に向けて襲いかかる!
「くっ…!迎え撃て!『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!!」
「『ゴッド・ネオス』!!」
《ゴッド・ブレイズ・キャノン!!》
『ハイパー・アルティメット・バースト!!』
咄嗟に動いたのは場慣れしているジャック・十代・瀬人、そしてフレアだった…大蛇を千切り飛ばし、吹き飛ばし、燃やし尽くす…だが…。
ニュルン…!
《シャアアアアア!!》
「ちぃ…!再生するか!!」
吹き飛ばされ、燃やされた髪の断面が即座に再生…再び襲いかかる!!
ガシャン!!
【AAAAA──!?】
《くっ…!!このっ…大人しく、しなさい!!》
「アヤカ!!」
再び蛇が襲いかかる直前、アヤカがその巨体を使いネームレスを押さえ込む…!!
《わ、私が…時間を稼ぎます…!!早く、『鎌』を─!!》
「アヤカ…!
暴れるネームレスを押さえ込むアヤカに遊海が叫ぶ…その時だった…!
【Aaa…AAAAAAAAAA!!!】
─────!!
《なっ─!?》
それは一瞬の出来事だった、ネームレスの紅い瞳と大蛇の口に凄まじいエネルギーが集中……無数の赤黒い光線となってアヤカに直撃…その機体を貫いた…。
《そん、な……マス、ター………ごめ、な…さ……──》
ドオオオン!!
「彩華…アヤカァァァ!!!」
「そん、な…!?」
大破したアヤカは海へ墜落…遊海の叫びが響く中、爆発し…消え去った…。
《っ─!!!よくも、よくもアヤカを!!受けてみなさい!我が身は不死鳥となり、天を舞う!!ゴッド・フェニックス!!!》
【AAAA──!!】
アヤカが倒されたのを見たフレアは激昂…炎の不死鳥となりネームレスに突撃する─!!
《いくら
【AAAAA…AAAAA─!?!?!?】
フレアがネームレスに掴みかかり、身体が瞬く間に全てを灰と化す太陽の炎に包まれる…あまりの熱量に周囲の海が蒸発、近くの岩やアスファルトが溶解する…!!
「す、すごい…!!これが『ラーの翼神竜』の本気…!!」
「頑張って!フレア─!!」
太陽神の本気を目の当たりにした流星が声を震わせ、龍可が声援を送る…!
『お前達!フレアを援護するのだ!ありったけの攻撃を─!!』
「待て!様子が変だ!!」
フレアの奮戦に瀬人が攻撃の指示を出す…だが、遊星が様子の変化に気付いた…!
【Aaaaa…AAAAAAAAAA!!】
ガブリ…!
《な、に…!?》
突然、禍々しい叫びを上げたネームレスが
《こ、これは…力……吸わ、れ…!?》
「フレア!!」
身体を焼き焦がされながらネームレスはフレアのエネルギーを吸い尽くす…そして徐々に神炎は弱まっていき……。
《………ネームレス……きさまは……なに、もの────》
【AAAAA─!!】
「そ、んな……フレア…お前、まで……」
力を吸い尽くされたフレアは石と化す……ネームレスはその怪力で抜け殻となったフレアを投げ飛ばし、全てを照らす太陽は海に没した…。
「うそ、だろ…!?遊海の、最強の精霊が……!」
「あり得ない…!?三幻神は最上位の存在だ!それを、こんな一方的に…!」
瞬く間に倒されてしまったフレアとアヤカを見て龍亞は戦慄する…十代は目の前で起きた事を信じられずにいた…。
「あや、か……ふれあ……そん、な……」
「っ…!?遊海さん!?しっかりして!!」
《フォウ!?》
倒された相棒を…守護神を見て遊海が崩れ落ちる…遊海の精神は…既に限界を迎えていた…。
「俺の、せいか…?俺が…装置を、こわした、から……そのせいで、アヤカが……フレアが…!!」
「ダメ…!諦めないで!!まだ、まだネームレスを倒す手段が…方法があるはずです!!」
茫然自失となる遊海…心の支えである精霊達を失い、死に行く身体を前に…遊海は『絶望』した。
【ククク…ようやく、
「っ─!?この、声は!?」
ハートランドに不気味な声が響き渡る…その声に十代は耳を疑う…!
【かつての約定を果たす時だ…世界は水が高きから低きに流れるように……我と1つになるのだ…!】
バリアン世界との融合の影響で赤紫色に染まる曇り空…その中から
【我が名はダークネス…12次元の闇を統べる者…】
その名はダークネス…世界の裏側、闇であり『虚無』そのものである神がハートランドに現れた……。
「まさか…!?ダークネスが、復活した!?」
「ダーク、ネス…!?そんな、アーククレイドルの戦いで、倒した、はず…」
【倒した…?我は倒されてなどおらぬ……そうか…それは愚かな
「まさか、あのダークネスは…未来世界の…!?」
70年近く前に倒したはずのダークネスの出現に動揺する遊海…そして気付いた、遊海が倒したダークネスは『未来』のダークネスであり、『この時代』のダークネスは虎視眈々と機会を窺っていたのではと…!
「くそっ…!?前門の『ネームレス』に後門の『ダークネス』かよ!?ふざけんな─!!」
思わぬ敵の出現に十代は思わず悪態をつく…フレアのエネルギーを喰らったネームレスは火傷の再生を終えつつあった。
【Aaaa…?】
【名無し……フン、
【A…AAAaaaa…!?!?】
「ネームレスが!?」
「あんな、簡単に…!?」
自身を見つめる怪物に気付いたダークネスは漆黒の太陽をネームレスに撃ち当てる…漆黒の太陽はネームレスを侵食…その巨体を虚無世界に飲み込んだ…。
【これで邪魔者はいなくなった…あとは白波遊海、遊城十代…汝らを倒せば…後は容易い事だ…もっとも……汝はもう黄泉へと落ちるだろうがな…救えぬ「英雄」よ…もう、立ち上がる事もできまい】
「……俺は、もう、動けない……死の運命は、変わらない……それでも、俺が居なくても……この世界は、渡さない…!俺が、絶望しても…今を生きる…決闘者は…輝く『希望』を抱いてる…!」
遊海を見下すダークネス…遊海の心は…体はもう崩壊寸前だった…それでも、遊海は信じている…決闘者の『光』を…人が『光』になれるという事を…!
「むしろ…感謝するよ、ダークネス…一番厄介な『敵』を倒してくれてありがとよ…!あとは、お前をデュエルで倒せば…遊馬の帰ってくる場所を守れる…!!」
【貴様…!死にかけの身で…折れた心でまだ希望を語るか…!!】
「その通りだぜ、先生…!!言ったはずだ、ダークネス!オレ達デュエリストがいる限り…お前の出番はずっと先だってな!!」
「デュエルで倒せる相手なら…僕達の出番だ!!」
「爺ちゃんから聞いた事があるぜ?お前の弱点は『希望』なんだろ!だったら未来への希望をいっぱい持ってるアタシと流星の出番だ!!」
期せずして消え去ったネームレス…それによって希望が生まれた、遊海を守るように十代、そして流星と海亜が立ち上がる!!
【良いだろう…汝達を斃し、我は人間達を虚無の世界へ───】
ビキ…ビキ…ビキビキビキ!バキャン!!
【Aaaa…!AAAAAAAAA─!!】
【なにっ…!?ガアアアッ!?】
「なんだと!?」
『ネームレスの腕が…虚無世界から、飛び出して来た!?』
「そんな、馬鹿な…!?」
それは突然だった、漆黒の太陽に紫色の罅が入り…そこから巨大な腕が飛び出し、ダークネスを掴んだのだ…!
【馬鹿な…!
虚無世界から脱出しつつあるネームレス…ダークネスは波動を放つが…ネームレスは意に介していない、そして…。
グシャ…バリ…バリ…バリ…!!
【グオオオッ…!?貴様、貴様!!虚無の神たる我を!!】
「ネームレスが……ダークネスを……
おもむろに口を開いたネームレスは虚無の神に喰らいつき、砕いていく…。
【貴様、何処で…それほどの───】
バクン…!!
「………おい、そんなの…ありかよ…!?」
抵抗も虚しく…虚無の神はネームレスに完全に捕食された…。
ドクン…!!
【■■■■■■──!!!】
「おいおい…今度は、何だよ…!?いい加減にしてくれ!!」
禍々しい咆哮を轟かせたネームレスがその身を闇に包む…それはまるで繭のようで……。
「っ…!龍可!龍亞!!流星と夏菜、海亜を連れてこの場を離れろ!俺達が飛ばしてしまった『鎌』を探すんだ!!」
「遊海さん!?」
「なんでだよ!アタシと流星だって戦える!!」
「お前達が、
「っ…」
もはや『勝つ事はできない』と悟った遊海は未来への『希望』を繋ぐ為に流星達を逃がす決断をする…!
「悔しいが…もう俺達の力じゃ、ネームレスは倒せない…!!でも…諦めた訳じゃない…!!これが…最後の、手段だ!!」
ビキビキ…バキン!!
【■■■…■■■■■!!!】
遊海が最後の手段を使おうとした時、ついに怪物は…『破滅の魔獣』が羽化を遂げる…。
それはあまりにも…あまりにも巨大だった。
『女神』としての全てを捨てたその表情はもう、伺い知れない。
振り乱された髪の全てが本物の『蛇』と化し、蠢く蛇の隙間からは単眼となった『魔眼』が赤く輝いている。
名付けるとするならば…『虚無の魔獣神ゴルゴン』…カオスを手に、虚無を喰い尽くし…人類を破滅に導く『獣』である。
「……ハハッ…もう、笑うしかねぇ……本当に…こんなに絶望したのは、初めてだ…」
『遊海、笑っている場合ではないぞ……何を、するつもりだ』
覆しようのない絶望を前に思わず笑ってしまう遊海…瀬人はそんな遊海に『最後の手段』を問う…。
「…ダークネスのおかげで、気付いたんだ……奴には『魂』がある……なら、直接『魂』を壊すしかない……そうすれば倒せるかも、しれない……死にかけてる、俺のように」
そう言うと遊海はふらつきながら立ち上がり、千年アイテム・千年玉を呼び出す…玉は既に崩れる寸前だった…。
【■■■■■──!!】
もはや形容できない咆哮を上げる怪物…その魔眼に凄まじい魔力が集中する…!
「……翠、お前と出逢う事ができて…本当に良かった……例え、輪廻の輪から外れても…俺は……お前を………」
「遊海さん!嫌…!いやぁぁぁ!!!」
「ダメだ!翠さん!!」
「行ってはダメだ!!」
静かに怪物の前に立ち、穏やかに翠へと別れの言葉を告げる遊海…翠は駆け寄ろうとするが、十代と遊星の二人がかりで抑え込まれる…。
─俺は、お前を愛している─
───────!!!
放たれるのはアヤカを貫いたモノとは比べ物にならない『破滅の極光』…その光は呆気なく、遊海を飲み込んだ…。