転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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旅路の終わり

ドオオオオン!!

 

 

『『『ぐあああっ─!?』』』

 

「「「うわああああ!?」」」

 

「遊海さん…遊海さぁぁん─!!」

 

『ぬぅ…!!遊海…お前は…!!』

 

ハートランドの海辺が爆風に吹き飛ばされ、翠の絶叫が木霊する、仲間達を…人間界を守る為、遊海は魔獣神の極光に飲み込まれた…。

 

 

「…どうなった、んだ…!遊海さんは…怪物は…!!」

爆煙に埋め尽くされた中で遊星は煙の奥を睨む…そして…。

 

 

「─────」

 

「あ、ああ……そんな…そんなぁ…!!」

 

「遊海……遊海ィィ!!」

 

「嫌…いやあああ!!」

 

最初に見えたのは…物言わぬ『石像』と化した遊海の背中だった…その手に握られていた『千年玉』は壊れ、地面へと散らばっている…その姿を見た翠やジャック…夏菜の叫びが響く…。

 

 

 

『っ…!!お前達!悲しむのは…泣き叫ぶのは後だ!!まだ怪物が残っている!!』

 

「っ…!」

瀬人が叫ぶ中…煙が完全に晴れていく…そして…。

 

 

【……………】

 

「怪物が……止まった…!?」

 

「先生…アンタ、命を捨てて…!」

煙が晴れた先でネームレスは沈黙していた…髪の蛇も全て垂れ下がり、瞳も輝きを失っている…。

そして十代は確信した…自分の命を犠牲に遊海はネームレスを倒したのだと…!

 

 

 

『遊海…よく、やった…!!お前達!最後の攻撃だ!怪物の肉体を消し──なにっ…!?』

 

 

ドクン…! ギィン─!!

 

瀬人が悲しみを堪え、ネームレスに攻撃を仕掛けようとした瞬間、その魔眼に光が戻る…!!

 

 

 

AAA…■■■■■■─!!

 

 

 

「嘘…!?」

 

《…不味い、力が増してる…!遊海の奴……()()()()みたいだ…!!》

 

「ユベル、そんな…!?」

再び禍々しい咆哮を上げるネームレス……ユベルは気付いた、精神世界に飛び込んだ遊海は目的を果たす事なく…逆に状況を悪化させたのだと…。

 

 

彼らは知らない…遊海は命を賭けて怪物の精神体を倒す為に戦った事を。

戦いの果てに…この世の『理』を超越していたBBに喰われ、失意の中で死んだ事を…。

 

 

 

そして…遊海は知らない、自身が現実世界で稼いだ時間が……たった1()0()()だった事を…。

 

 

 

 

「龍亞!龍可!流星!夏菜!海亜!!逃げろ!!遊海さんの死を……覚悟を無駄にするな─!!」

 

「じいちゃん!じいちゃん達は!?」

動き出した怪物を見た遊星が流星達に叫ぶ!

 

 

「オレ達の事はいい…!お前達さえ、生き残ってくれれば…未来への『希望』が繋がれば……オレ達は命を懸けられる!!」

 

「その通りだ、遊星…老兵はただ去るのみ……その去り際に、未来を守れれば…これ程嬉しい事はない!!」

 

「ヘッ…生き急ぐなよ…!そういうのは『鉄砲玉』のクロウの仕事だぜ…!!」

未来への希望を繋ぐ為、遊星・ジャック・クロウが並び立つ…!

 

 

 

■■■■■■──!!

 

「っ…!また光線が来る!!」

 

『させるか…!!人間達が命を懸けるなら……まずは我らを乗り越えて行け!!アルティメット・バースト!!』

 

「瀬人さん!!」

再び光線を放とうとするネームレス…その射線に「青眼の究極竜」を従えた瀬人が割り込む!!

 

 

─────!!!

 

《ギュアアア…アアン…!!》

 

 

『くっ……すまぬ、究極竜…最後の戦いが、負けに終わる、とは──』

 

 

ドゴン!!

 

 

『『『瀬人!!』』』

 

アルティメット・バーストと光線は僅かに拮抗した後、アルティメットバーストが押し負け…究極竜は石化…瀬人は余波で彼方まで吹き飛ばされた…!!

 

 

 

『くっ…!遊城十代!我らが殿(しんがり)を引き受ける!!翠を連れて退け!!』

 

『彼の1番大事にしていた彼女を守るんだ!!』

 

『我らは…この時の為に、生き延びていたのだ!!』

 

「ブルーノ!!」

 

「アポリア!パラドックス!!」

 

「あ、ああ……」

 

アポリア達イリアステルがそれぞれのエースと共に怪物に立ち塞がり、十代へと叫ぶ…翠は既に正気を失っていた…。

 

 

 

■■■■……■■■■■■──!!

 

「なっ──!?」

 

 

──────!!!

 

 

咆哮を上げた怪物は単眼……そして無数の蛇から破滅の極光を放つ……そして全員の視界が黒い光に塗り潰された…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ、う……なにが、どうなって……?」

最初に意識を取り戻したのは十代だった、周囲は乱射された光線によって荒れ地と化している…。

 

 

《じゅう、だい…無事で…良かった…》

 

「っ…ユベル!!」

倒れ込んだ十代の正面にはユベルがいた…しかし、その体は半ば石へと変わっている…。

 

《咄嗟に跳ね返そうと、したけど……無理だった……すま、ない…》

 

「ユベル…ユベル─!!」

十代へと言葉を残し…ユベルは完全に石像へと変わってしまった…。

 

 

 

 

「ブルーノ…!しっかりしろ!ブルーノ!!」

 

「私達を、庇って…!!」

 

『遊星…アキ……2人が、無事で…よかった…』

遊星とアキは大破したブルーノを抱きしめていた…機械の体だった事で石化する事はなかったが…その体は甚大なダメージを受けていた…。

 

 

 

「爺ちゃん…!!爺ちゃん!!」

 

「ジャックさん!!」

 

「ジャックおじさん!!」

 

 

「アポリア…!そんな!!」

 

「アポリア!しっかりしてくれ!」

 

『龍亞…龍可…キボウを…繋ぐ、のだ…!』

 

悲痛な叫びが響く…流星・夏菜・海亜を庇ったジャックが石化……さらに龍亞と龍可を庇ったアポリアが致命的なダメージを負っていた…。

 

 

 

「くそ…守るつもりが、守られちまうなんて…!」

 

「パラドックス…さ、ん…」

 

『これは、私の「償い」だ……私が、犯した「罪」の……!』

 

《フォウ…》

翠を抱きしめたクロウ…それを庇ったのはパラドックスだった…彼も深いダメージを負っていた…。

 

 

 

AAAAAA…■■■■■■──!!

 

 

「もう、ここまで…なのか…?」

凄惨な状況の中で嗤うような咆哮をあげる怪物……その魔眼に再び絶望の光が灯る…。

 

 

「……ごめん、なさい…遊海さん…!希望を……守れなかった…!!」

絶望の中、翠は涙を溢す…そして再び、絶望の光が放たれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…?」

絶望の光に身構える翠…しかし、その身は痛みを感じる事も…石に変わる事もなかった…その『理由』は…。

 

 

 

 

 

「なんなんだ、この『樹』は…!?」

 

「で、デカい…!?」

 

■■■■……?

流星と海亜が声を上げ、怪物が怪訝そうに唸る…彼らを守るように巨大な『光の樹』が聳え立っていたのだ…!

 

 

「これは……この樹は、まさか!!」

そして…遊星はこの樹に見覚えがあった、かつてネオ童実野シティを守る為に戦った時…遊星は…『5D's』はその『樹』を見ている!

 

 

 

 

 

『どうにか、間に合ったようですね…いや…遅かったと、いうべきか…』

 

『まだ、大丈夫だ……あと1()0()()遅かったら…全てが終わっていた…!!』

 

 

 

 

 

『この、声は…!?』

そして…彼らの前に新たな人影…否、人型の『光』が現れる…ブルーノはその声をよく覚えていた…!

 

 

 

『…アポリア…アンチノミー…パラドックス……よく、遊星達を守ってくれました……そのおかげで()()は今度こそ、間に合いました……!』

人影の1人が振り返る…それはモノクルを掛けた青年だった…そして、会った事もないはずの青年にイリアステル滅四星は掛け替えのない『友』の姿を幻視する…!

 

 

『Z-ONE…!?我が友よ…!!お前、なのか!?』

 

『アポリア…あの時はすまなかった…私も、貴方達と共に…遊星達の導く未来を…見届けたかった…!』

 

『『Z-ONE!!』』

モノクルの青年…それはアストラル世界人アクル…その正体は滅四星の1人…『無限界帝』Z-ONEの転生した姿だった…!

 

 

そして…もう1人が座り込む翠へと歩み寄る…。

 

 

 

『…オレが来るまで、よく耐えてくれた……あとは、任せてくれ』

 

「ラプラス…貴方、なの……?」

 

『ああ…まさか、アストラル世界に転生するなんて…自分でも思っていなかった……許してくれ、とは言わない……だが、ケジメはオレがつける…!』

 

もう1人の男が翠へと語りかける…その名はアストラル世界人シーカー……否、もう1人の『転生者』…ラプラスの再転生した姿だった…!

 

 

『……遊海、ありがとう……お前のおかげで、俺は記憶を……「あの子」の事を思い出す事ができた…!お前が守り…繋いでくれた「未来への希望」…無駄にはしない!!』

石像となってしまった遊海に感謝を伝えるラプラス…彼は怪物へと向かい合う!!

 

 

 

「っ…!!Z-ONE!!ラプラス!!ネームレスは『不死身』だ!!『不死殺しの鎌』というカードがないと、倒せない!!」

遊星は言いたい事を飲み込み、怪物を打倒する為の情報を叫ぶ!

 

 

『遊星……不死、か……すまない、すまなかった…!お前を、もう…1人にはしない!!』

 

【■■■■■■■■■──!!】

遊星の言葉を聞いたラプラスは拳を握り締める…そしてラプラスを視認した怪物は禍々しい叫びを上げる!!

 

 

『行きましょう、ラプラス…!私達が、彼女を救い…止めるのです!!』

 

『ああ……付き合ってくれるか?ゾーン』

 

『もちろん…それが()というものでしょう?』

お互いに頷いたゾーンとラプラスが怪物に立ち向かう!!

 

 

『無は無限となり…無限の光から究極の『時械神』が降臨する!現れろ!「究極時械神セフィロン」─!!』

ハートランドに現れた『樹』…『生命の樹』が強い光を放つ、神々しい光の中から…鏡を依り代とした『神』…セフィロンが現れる!!

 

 

『我がカオスの源よ……かつて、星を破壊せし「神」よ…!今こそ、未来を救う為にその力を振るえ!!「創星神tierra」─!!』

ラプラスの体が闇に…強いカオスに包まれる、そしてその中より…遊海を追い詰めた『破壊神』tierraが降臨する!!

 

 

「セフィロンに…創星神tierra…!?」

 

「マジかよ…!?」

ハートランドの海で睨み合う3体の巨大モンスターに翠達は目を奪われる…ついに、最終決戦が始まった…!

 

 

 

 

 

 

【■■■■■───!!】

 

 

『「セフィロン」!アカシック・ストーム!!』

 

【破壊の力よ!!】

最初に仕掛けたのは怪物…再び放たれた赤黒い破滅の光をセフィロンの光とtierraの『破壊の力』が相殺する!!

 

 

 

【今度は…オレの番だ!破壊の力…WorldEND!!】

 

【■■■■─!?!?】

tierraが破壊の力を宿した拳を怪物に叩き込む…その拳は蛇髪の一部を消し飛ばす!

 

 

『「セフィロン」!「tierra」を…ラプラスを援護するのです!!』

ゾーンの声に応えたセフィロンが無数の光弾を怪物に撃ち放つ!!

 

 

■■■■……AAAAAA!!

 

ゴボゴボ…ボコン!!

 

セフィロンとtierraの攻撃で体を抉られる怪物…しかし、その傷を即座に再生…さらに胎から無数の『偽ナンバーズの大群』を生み出す!!

 

【創造の力よ…!現われろ!我が下僕たる『ANo.』!!】

それを見たラプラスは『創造の力』を発動…怪物が生み出した偽ナンバーズの本物の『写し身』を大量に呼び出し、衝突させ…相殺する!!

 

 

AAAAAA……■■■■■──!!

 

【マズイっ!?】

それに業を煮やした怪物は再び四方八方へと石化光線を放った!!

 

 

 

 

 

 

Side翠

 

 

「これが、『神々の戦い』…!生きている間に、まさかもう一度起きるなんて…!!」

 

「ラプラス達が時間を稼いでくれている間に、鎌を探さないと!!」

海でぶつかりあう神々…それを前に遊星達は思わず足を止めてしまう…その時だった…!

 

 

 

■■■■■──!!

 

─────!!!

 

 

「やばい!流れ弾が─!!」

その時、破滅の極光の流れ弾が翠達に迫り──!

 

 

 

 

 

 

 

『星の内海(うちうみ)、物見の(うてな)…楽園の端から君達に聞かせよう…君達の物語は祝福に満ちていると!─罪無き者のみ通るがいい!「永久に閉ざされた理想郷」(ガーデン・オブ・アヴァロン)──!』

 

 

 

「えっ…!?」

 

 

《フォッ─!?》

翠達に迫った破滅の光は無数の()()()に変わる…それだけでなく、翠達の足元に無数のピンクの花が咲き誇る…!

 

 

『…間に合っては…ないね、ごめん…遊海君…君の物語…見届ける事ができなかった…!』

 

「ま、マーリン!どうして!?」

 

「「「誰!?」」」

 

《ドフォーウ!?》

息を切らせて現れたのは白いローブを纏う、大きな杖を構えた青年…マーリンだった、翠はその登場に…流星達は会った事のない人物の登場に驚く…。

 

 

「マーリン…貴方は『理想郷』から出られないはずじゃ…!?」

 

『うん、道理を曲げて飛び出してきてしまったんだ……まぁ、人間世界は「バリアン世界」と融合している…つまり此処はバリアン世界…つまり「ボクは存在していない」…「つまり死んでいる」と世界を騙して走ってきた!細かい事は気にしないでおくれ!!それより…これを!』

 

「これ…『不死殺しの鎌─ハルペー』のカード!?」

 

『走ってくる途中に拾っておいた!それが無ければ、()()は救えない…!』

マーリンは翠へと『不死殺しの鎌』を託す…!

 

 

『翠…君が、この悲しい戦いを終わらせるんだ…!その為に、ボクは飛び出して来たのだから!』

 

キィン─!!

 

「これは…!?」

マーリンが杖を振るう…そしてマーリンの持つ魔術『夢幻のカリスマ』『英雄作成』が発動…翠の姿が戦闘衣装・Sophiaに変化する…その手には漆黒から薄紫色の刃に変わった『不死殺しの鎌』が握られていた…。

 

 

 

キィン─!

 

 

「痛っ…!?この、光は…!」

 

「赤き竜の…痣…!?」

 

「赤き竜…遊海さん…オレ達に、力を貸してくれるのか…!」

さらに、翠の力に呼応するように石となった遊海の腕から「ドラゴン・フレイム」の痣が分離…流星と海亜の右腕に宿る…!

 

 

『どうやら…この星の「意思」が君達に力を貸してくれるようだ…さぁ、カードを引くんだ!それが君達の「希望」となる!!』

 

 

「なんだか分からないけど…ジャックじいちゃん…アタシに、力を貸してくれ…希望を守る為の…真っ赤に燃え盛る魂を!!

海亜の胸から荒ぶる魂…『バーニング・ソウル』が溢れ出す!!

 

 

 

王を迎えるのは三賢人!紅き星は滅びず、ただ愚者を滅するのみ!荒ぶる魂よ!天地開闢の時を刻め!シンクロ召喚!現れろ『スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン』!!

 

《ゴオオオァァァッ!!》

 

海亜の叫びに応え現れるのは『紅蓮の龍神』…この一時だけ、海亜は偉大な祖父に並び立つ!!

 

 

 

「おじいちゃん…おばあちゃん…」

 

「頑張れ、流星…お前なら…『赤き竜』が応えてくれる…!」

 

「力を恐れないで…貴方の心なら、その力を正しく使えるわ!」

 

「頑張って!お兄ちゃん!!」

 

「夏菜…うん…!!」

初めての力に戸惑う流星…遊星達は静かにその背中を押した…!

 

 

「僕のターン!ドロー!!」

「来い…!『救世竜─セイヴァー・ドラゴン』!!」

光の軌跡と共に桃色の小さなドラゴンが飛翔する!

 

「僕…オレ!はレベル10の『シューティング・スター・ドラゴン』に、レベル1『救世竜─セイヴァードラゴン』をチューニング!!」

 

「なっ…!?」

それは遊星と流星の『進化の結晶』…そして赤き竜の『奇跡』の融合…全てを救う『光』が現れる!

 

 

「集いし想いが輝く奇跡を呼び起こす!希望を示す道となれ!!シンクロ召喚!光来せよ!『シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン』!!」

 

《キィィィッ─!!》

顕れたのは『シューティングスタードラゴン』と『セイヴァー・スター・ドラゴン』が合わさった新たな赤き竜の『化身』…希望の龍が咆哮する!

 

 

「……いこう、流星君…海亜ちゃん……私達が、最後の希望よ!!」

 

「「はい!!」」

 

 

 

 

Side out

 

 

 

 

 

 

 

 

【今の、光は…!】

戦いの最中、ラプラスはハートランドで新たな『希望』が誕生した事を感じ取る…!

 

 

「ラプラス!!ゾーン!」

 

【翠…その姿は『創星神Sophia』の力…そのドラゴン達は…『スターダスト・ドラゴン』と『レッド・デーモンズ・ドラゴン』の進化体か…!】

そして魔獣神と睨み合うラプラス達の元へ飛来する『希望』…ラプラスはその正体を感じ取る…。

 

 

「『不死殺しの鎌』を手に入れたの!私がこれでネームレスの不死性を無効化する!だから…貴方がトドメを!!」

 

【……感謝する、お前の道はオレ達が切り拓こう!!】

翠の掲げる鎌を見たラプラスは静かに頷いた…!

 

 

■■■…!?■■■■■■■──!!

 

『ゴルゴンが動きます!!翠、貴女はただ真っ直ぐ進みなさい!!』

 

「はい!!」

不死殺しの鎌を見た魔獣神は明らかに動揺…無数の蛇を差し向ける…しかし、その蛇をセフィロンの光弾が撃ち落とす!

 

 

■■■■■■───!!

 

『『『ウオオオ─!!』』』

 

【創造の力よ!!】

続いて放たれる無数の『偽りのナンバーズ』…しかし、ラプラスの創造の力により生み出された『写し身』がそれを撃ち落とす!!

 

 

「ネームレス──!!!」

 

■■■■────!!?

 

──────!!

 

空中を駆け、眼前に迫る翠…ネームレスは再び石化光線を放つ!!

 

 

「させるかぁ!!『スカーレッド・スーパーノヴァ・ドラゴン』!!道を切り拓け!バーニング・ビックバン!!

 

《ゴオオオァァッ─!!》

 

■■■■──!!?!

 

しかし、翠は光線に飲まれる事は無い…紅蓮の隕石と化した『スーパーノヴァドラゴン』が光線を引き裂きながらネームレスに肉薄…魔眼を一時的に失明させる!!

 

 

「いっけぇぇ!翠さん──!」

 

「ありがとう海亜ちゃん…!!これで、終わりよ…!『不死殺しの』──!!」

 

AAAA──!!

 

 

ガブッ!!

 

 

「がッ─!?あ"あ"あ"あ"あ"─!?!?」

 

【翠っ!!】

 

「翠さん─!!?」

 

ついにネームレスの胸元に飛び込んだ翠…しかし、死角から飛び出した大蛇が翠へと喰らい付き、その体を巨大な牙で貫いた…。

 

 

「(まだ…まだ、終われない…!遊海さんも、最期まで…たたかっ──)」

激痛と失血で意識を手放しかける翠……その時!

 

 

「翠さんを…離せぇぇっ!!『シューティング・セイヴァー・スター・ドラゴン』─!!」

 

《キィィィィッ─!!》

 

「ごふっ…流星…くん…!」

渾身の叫びと共に「シューティング・セイヴァー」が大蛇の首を千切り飛ばし、翠を救出する!!

 

 

「流星君…力を、貸して…!!」

 

「っ…!!『シューティングセイヴァースタードラゴン』!!絶望を、貫け!!セイヴァー・ミラージュ!!」

 

《キィィィッ─!!》

シューティングセイヴァーが3体に分身…ネームレスへと突撃する!!

 

 

■■■■■──!!

 

シューティングセイヴァーを撃ち落とす為に蛇から光線を乱射するネームレス…その光線は2体の分身を撃ち落とすが、本体が翠と共にネームレスの胸元に飛び込む!!

 

 

「…これで、終わりよ…!()()()()()()!!『不死殺しの鎌(ハルペー)』!!」

 

AAAAA──!?!?

 

シューティングセイヴァーから飛び降りた翠が『不死殺しの鎌』をネームレスの首元に突き刺す…その時、翠は気付いていた…悲しき『怪物』の正体に……。

 

 

 

あ、ああ…アアアアアアアアア!!!

 

「終わらせて…彼女を、止めてあげて!!ラプラス─!!

不死殺しの鎌により『不死性』が剥奪され、体が罅割れていくネームレス…全ての力を使いきった翠は墜落しながら最後の力を振り絞り、声を張り上げた…!

 

 

 

【……ありがとう、そして…すまなかった……これが、オレの()()()()……オレ()の物語の…最後だ…!!】

ラプラスは両手に持った『創造の力』と『破壊の力』の宝玉を輝かせる…!

 

 

【創造の後に破壊があり……破壊の後に創造がある……その先に…『希望』は輝く!!……共に逝こう…()()()…】

ラプラス(tierra)は苦しみ暴れるネームレス…ミドリを優しく抱きしめる。

 

 

 

 

 

【──創壊の輪廻──】

 

 

 

静かな呟きと共に周囲は眩い光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side???

 

 

 

【アナタは誰…?私を殺しに来たの?それとも……さっきのユウミさんみたいに食べられに来たの?】

 

『………ミドリ…』

 

気付いた時、ラプラスは崩壊寸前の黒い城の中にいた…その場所には段差に座ったネームレスの精神体、そしてボロボロになった赤い帽子が落ちていた…。

 

 

 

【私を殺しても無駄よ…私はバケモノ…肉体が死んでも、必ず蘇る……アナタもおやつにしてあげる】

 

グサッ…グサグサ!!

 

『うぐっ…!?』

瞬く間にラプラスの体は無数の『影』によって串刺しになる…。

 

 

【私は許さない…私を裏切った世界を……私を捨てた人を…何度生まれ変わっても…私は復讐してみせる…】

 

 

『……ミドリ…オレは、お前を…捨ててなんか、ない…!』

 

 

【っ…!?】

ラプラスは体に突き刺さった影を引き千切り、ゆっくりとミドリに歩み寄る…。

 

 

 

『オレ達は…()()()()()()……進む道を、間違えたんだ……あの時、オレがマリクに負けて、いなければ……もっと、オレが…強かったら……オレ達の未来は…きっと、変わっていた…!!』

ラプラスは遊馬に渡された『遊海のカルトゥーシュ』を通して、遊海の歩んだ道を垣間見た…自分とは違う『未来』へと進んだ遊海…その道は希望に満ち溢れていた…。

 

 

【来るな…来るな!!】

 

『ぐっ…!?……ミドリ…オレは、あの時…死ぬべき、だった……そうすれば、お前は…怪物になんて、ならなかった…!』

 

【来るな!!】

ミドリはラプラスを拒絶…無数の影の刃を放ち、ラプラスを斬り裂くが…彼はそのままミドリに歩み寄る…。

 

 

 

『……遅くなって、ごめんなぁ…ミドリ……遠い…遠いまわり道をしちゃったんだ……お前を、迎えに来た…』

 

【あ……】

ラプラスは優しく…強く、死人のように冷えたミドリの体を抱きしめる…。

 

 

 

『いっしょに、帰ろう……()()の、いるべき場所に…』

 

【……遅い…おそすぎるよ…ばか…!!遊海さんの、ばか…!!】

 

『あぁ、俺は…大バカ野郎だ…』

ラプラス…ユウミの抱擁と涙が…狂気に堕ちたミドリの『魂』を浄化する…ミドリは細い腕でユウミの胸を叩く…。

 

 

 

 

『ミドリ…もう、お前を1人にしない……ずっと…ずっと一緒だ…』

 

 

【うん…もう、離さない……ずっと、一緒だよ……】

 

 

 

 

 

 

 

 

それは長い永い旅路の終わり……悲劇ですれ違い続けた2人はようやく安息を得る…そして全ては光に包まれた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、れ……わた、し……」

 

『おっと…目が覚めたかい?動かない方がいい…体に大穴が開いているからね…不死とはいえ、体に障るよ』

 

「マー、リン…さ…」

翠は静かに目を覚ました…その近くには肩にフォウを乗せたマーリンが座り込んでいた……その右頬には肉球の形に痣がついており、フォウは左頬をテシテシと叩き続けている。

 

 

 

『君が知りたい事を順番に話そう……まずはネームレス、彼女は完全に消滅した…ラプラス……もう1人の遊海君と共に、光の中に消えていった…』

そう言ってマーリンはハートランドの海を示す…海は赤紫色だが…普段通りの様相を取り戻していた。

 

 

『次に…海に落下した君は……復活した「ラーの翼神竜」…フレア、だったかな?に助けられた…いまはもう消えてしまったけど…大破してしまったアヤカも生きてはいる、安心してほしい…それから、被害の状況だ』

そこでマーリンは一端、言葉を切る…。

 

 

『石化してしまった精霊のユベルとジャック・アトラスはネームレスが消えた後に息を吹き返した…まだ、気を失っているけどね…イリアステルの3人と瀬人は遊星とアストラル世界から来た…ゾーンが応急修理中だ、そして…遊海君なんだけど………すまない、もう…』

 

「っ…遊海、さん…」

翠はかろうじて動く首を動かす…彼女の隣に未だ石像となったままの遊海が寝かされていた…。

 

 

 

『もう、手の施しようがない……「奇跡」でも起きない限り……彼は……』

 

「……()()なら、起きますよ……遊馬くんが、アストラルが……きっ、と……」

 

『翠…』

翠は涙を流しながら石となった遊海の顔に優しく触れる…。

 

 

「いっぱい…疲れたよね?遊海さん……私も、疲れちゃった……だから、すこし…休みましょう…?……おやすみ、なさい……ゆうみ、さ──」

 

 

キィン─……

 

 

《フォッ…!?フォウ─!?》

優しく遊海を労う翠…その身体は()()()()となって、空気に融けた…。

 

 

 

『…………おやすみ、翠……せめて、良い夢を……』

翠の消滅を見届けたマーリンは静かに立ち上がる…。

 

 

 

 

 

 

 

『……とある勇士達の話をしよう、彼らの名は九十九遊馬…アストラル…ナッシュ(神代凌牙)…天城カイト……彼らは「希望」を抱いて、大いなる「混沌」へと挑む……その先に彼らが手にするのは「希望」か…それとも「絶望」か──』

 

《……フォウ……》

 

 

 

フォウと自身、そして機能を停止したデュエルロイド達以外が消え去った…()()()()が咲き乱れるハートランドにマーリンの語りが消えていった…。

 

 




オリキャラマテリアル


●シーカー(探索者)

数十年前にアストラル世界へと流れ着いた魂、仲間にアクル・ガクル・パリダ・デクルからなる「アストラル世界の五命星」がいる。

記憶を失った状態でアストラル世界に流れ着き、エナに介抱される…その後、アストラル世界の人々を苦しめているエリファスの事を知り、集めた仲間達と共にエリファスに挑むが…返り討ちになってしまった。


その後、エリファスに拘束され数十年の月日を牢獄の中で過ごしていた。

何故、カオスを持つ彼をエリファスは追放しなかったかと言うと、シーカーはその身に大量のカオスを内包しており、下手に追放・消滅させればドン・サウザンドの二の舞となる可能性があった為、それを恐れたエリファスによって徐々にカオスを強制放出させられ、自然消滅するのを待っていたから。
それにより遊馬が来た時には消滅寸前だった。


ZEXALⅡ終盤、アストラルを取り戻す為にアストラル世界を訪れた遊馬がエリファス戦後にエリファスに頼み、開放される。




正体
イリアステル滅四星としてネオドミノシティを破壊し、遊海を抹殺しようとしたラプラス…平行未来世界の「シラナミ ユウミ」

ゾーンに敗れ死亡し…ダークネスから開放された後に、なんの因果かアストラル世界に流れ着いた…知らない内に魂のランクアップを果たしていたようだ(本人は冥界・地獄に落ちると思っていた)

その身に内包する強大なカオスの源は「妻に会いたい」…ただその想いだけである。
例え記憶を失い、顔を忘れても…彼女がいた事は忘れない、それが彼の存在意義である。




●アストラル世界人 アクル/ガクル/パリダ/デクル

アストラル世界におけるシーカーの同志達、アストラル世界の人々からは「アストラル世界の五命星」と呼ばれている。


その正体はかつて「破滅の未来」において死亡したイリアステルの「滅四星」Z-ONE・アポリア・アンチノミー・パラドックスの魂がアストラル世界に転生した存在。
生前の記憶は失われていたが…彼らはすぐに仲良くなったらしい。

アストラル世界の戦い後、記憶を取り戻したラプラスが彼らの正体に気付き、それに連鎖するように生前の記憶を取り戻した。




●名無しの怪物ネームレス


ZEXAL本編開始数十年前(ナッシュ&メラグ再転生前)にバリアン世界に迷い込んだ謎の怪物。
七皇が協力しても倒す事ができず、ナッシュが七皇の力の結晶『冀望皇バリアン』と自身全てのデュエルエナジーを使い、ようやくバリアン世界の辺境「失意の山」へと封印した規格外の存在。
 
ZEXALⅡ中盤、遊海を目障りに思っていたベクターによりドン・サウザンドの力を注ぎ込まれ復活、ドン・サウザンドの作った呪具と洗脳によりベクターの部下として使役される事になる。




人間態 

容姿 幼女、白の長髪で瞳は赤、服装はゴシックドレス 言語は話せない(ラフム語)
 
復活直後の姿、七皇の王・ナッシュによる封印によって弱体化した姿。
人間界に放たれる前にベクターによる隠匿の術が使われており、遊海やフレアでも正体を見抜けなかった。

相手を容姿で油断させ吸血・デュエルエナジーを吸い取る。
また、牙に蛇毒に似た劇毒を持つ。



怪人体

容姿 赤紫のロングヘアー 襤褸の黒いローブ 紅い瞳 

人間体で遊海のエナジーを吸収し、ある程度の力を取り戻した姿。
手にしている不死殺しの鎌「ハルペー」によって遊海を傷付け、昏倒させた。

最初は言葉を喋る事はなかったが…ベクターによってさらに力を与えられた事で理性が戻り、喋れるようになった。

モデルは『Fate』のランサー・メドゥーサ・オルタ
魔眼を持ち、見つめた相手を呪い、動きを封じる事ができる。





遊海に倒されたネームレスが『偽ナンバーズ製造機』に取り込まれた状態。
ネームレスのカオスを利用して「偽ナンバーズ」の大群を発生させる。




怪物態 『魔獣女神ゴルゴーン』

大きさ 全長200m以上、体長50m

姿 頭部 赤紫色のロングヘアー、髪の末端は十数匹の蛇に変化し、獲物に襲いかかる。

体 背中に黒い翼 豊満な女体に黒の軽鎧
下半身は禍々しい金色の鱗を持つ蛇体に変わっている。モデルは『Fate』のアヴェンジャー・ゴルゴーン


ネームレスの真の姿…バリアン七皇侵攻時に『繭』を破壊しようとした遊海を含む決闘者達のエナジーを吸収する事でバリアン世界を滅ぼしかけた怪物としての力を取り戻し、ベクターの想定外の復活を遂げた。
もはや決闘を介する事なく、人々を蹂躪せんとする『モンスター』に成り果てた。

石化光線やその巨体を活かし、蹂躪する。




魔獣体 『虚無の魔獣神ゴルゴン』

大きさ 測定不能 少なくとも『光の巨人』の数倍

容姿 無数の蛇の集合体のような姿、蛇の隙間からは赤き魔眼となっている単眼が覗いている。


人間界で発生した負の心に引き寄せられた虚無の神・ダークネスを捕食した事で『人』を捨て、正真正銘『魔獣神』と化した怪物。

全てを石化させる赤い単眼を持ち、体は無数の蛇が絡みあったまさに「怪獣」…光の巨人呼んでこい。



精神体 BB
白いロングヘアー 赤い瞳 影を纏ったような黒いドレス 赤黒い血管の見える病的に白い肌


ネームレスの精神世界へと飛び込んだ遊海が出会った妖艶な少女。
気怠げだが…人間・世界に対して強い復讐心を抱いている。
また、強い狂気に汚染されていて話が通じるようで、通じていない。





正体

イリアステル滅四星となったラプラスことシラナミユウミの妻…つまり平行世界の「シラナミ ミドリ」の成れの果て

世界破滅の際のエラーで身体を再生する事ができず『ユウミを残して死んでしまった無念』と『なんでユウミも死んでくれなかったのか?』という恨みによりその魂は次元・時代を超えてバリアン世界に流れ着いていた。

バリアン世界に流れついたミドリの魂は強すぎるカオスとミドリの元となった『間桐桜』のもつ怪物性で変性…記憶に残っていたギリシャ神話の怪物『ゴルゴーン』をベースとした全てを破壊し喰らう怪物に変化してしまう。
その身に溢れる憎しみと悲しみのままにバリアン七皇を相手に圧倒したが七皇の死力により封印されていた。


長い間封印された後、ベクターとドン・サウザンドに開放されたが、ナッシュのかけた『弱体化の呪い』により幼い姿で復活する。

その後、遊海を襲い怪人体へと変化、遊海を瀕死に追い込み、翠と幾度となくデュエル・リアルファイトを繰り広げた。

最終決戦時、決闘者のデュエルエナジーを取り込む事で怪物体へと変化…遊海や翠、決闘者達を相手に決戦を繰り広げ…さらに同タイミングで復活した虚無の神・ダークネスを捕食し魔神へと変化…遊海を殺害した。 


と思われたが…遊海は魂のみで精神世界へ侵入…翠と世界を守る為にネームレスの精神体・BBとデュエルを繰り広げる…。

しかし、ダークネスを喰らい『神の領域』に踏み込んでいたネームレスはデュエルに敗北するも『不死身』の魂で復活…消滅寸前の遊海の魂をも喰らった。


最終的にアストラル世界から駆け付けたZ-ONEとラプラス、さらに『理想郷』から走ってきたマーリンの助力を得た翠と流星・海亜の奮闘で不死性を剥奪され、精神世界内でラプラスと再会……正気を取り戻し、彼と共に悲劇の幕を降ろした…。

その身に内包するカオスは「悲哀と愛憎」
カオスの量のみで言えばドン・サウザンドを遥かに凌駕する。
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