転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
ついに月面で対峙する二人のドラゴン使い、決戦を制し…全能の力の「鍵」を手に入れるのは…!
それでは、最新話をどうぞ!
《機内気圧異常ナシ…月面まで1フォトンマイルでアリマス!》
「あれが…『
異次元でアリトやメラグが激闘を繰り広げているのと同じ時、アークライト兄弟の時間稼ぎによって地球から飛び出したカイトはギャラクシーアイズ誕生の地にして『ヌメロン・コード』の鍵が眠る場所…月へと辿り着こうとしていた。
キィン─!
「っ…!?ギャラクシーアイズ…!これは…!?」
月面まで残り僅かに迫った時、カイトの持つ『銀河眼の光子竜』が光を放つ…まるで、何かを伝えるかのように…。
ズン! ビビーッ!ビビーッ!
「な、なんだ!?」
《い、異常なエネルギー波を確認!?計器が─!?》
突然、カイトの乗るスペースシャトルが突然コントロールを失い暴走、月面へと引き寄せられるように墜落する!
ゴゴゴ…ズズーン!!
「なっ─!?」
さらに月面のクレーターから巨大な石版が出現…しかもその場所はスペースシャトルの墜落軌道にあり…!
ズドオォォン!!
スペースシャトルは石版に衝突し、爆発……宇宙の藻屑と消えた…。
《オービタル・
「間一髪か…!」
しかし、カイトは無事だった。
オービタルが宇宙服となる事で脱出していたのだ。
「何なんだ…これは…!?」
ジェットパックの推進によって月面を踏みしめるカイト…彼が目にしたのは、クレーターを囲むように出現した無数の石版だった。
そこにはドラゴンの絵や様々な紋様が描かれている…。
《ッ…カイト様!地球より高エネルギー物体を確認…!この場所へ向かって来ます!!》
キィン─!
オービタルの警告の直後、カイトの目の前に閃光が落下する!
「…来たか、ミザエル」
『ああ、聞こえたのさ…お前のギャラクシーアイズの咆哮が…!』
光の中から1人の青年が現れる…それは人間体のミザエルだった、バリアン世界の人間である彼は宇宙服を必要とせず、月面に立っていた。
『此処が…トロンの息子達の言っていた「ドラゴン伝説」の地か』
「…ⅤとⅢの事か?」
『誇り高き兄弟だった、奴らは貴様と遊馬が旅立つ時間を稼ぐ為…自ら犠牲となった』
「…そうか」
ミザエルはⅤとⅢの最期をカイトに伝える…希望を繋ぐ為に命を懸けた誇り高き最期を…。
…この戦いの中でもっとも成長したバリアンはミザエルだろう。
最初は人間を傲慢に見下し、その強さを認めようとしなかったミザエル…しかし、カイトやⅤ達との戦いの中で…彼は人間の強さを知り、敬意を表せるようになっていた…。
「……ミザエル、此処こそが『ヌメロン・コード』の
『「ヌメロンコード」の鍵…!』
ⅤとⅢの死を悼むように瞑目していたカイトがミザエルへと語りかける…『ヌメロン・コード』の
「神のカード『ヌメロンコード』はその
………
《カイト、やはり此処に辿り着いたか…》
「ジンロン…!」
そこはジンロンと戦った遺跡のほど近くの洞窟の中…ドラゴンの姿が記された石碑を見つけたカイトの前にナンバーズから飛び出したジンロンが現れた…!
《此処に描かれておるのはドラゴンによる『ヌメロンコード』誕生の秘密…ドラゴンとは、人間より遥かに長い寿命を持ち、万物の知恵を持った存在…それ故に、人間達はドラゴンを敬い…時には畏怖し、共に生きてきた…》
ジンロンは語り始める、この世界の…宇宙創世の神話を…。
──世界の始まりには1体のドラゴンがいた…しかし、自分しか存在しない孤独から、ドラゴンは全ての力を使い、この世界を創造した──
──しかし、力を使い果たしたドラゴンはその命を終えようとしていた…ドラゴンは自身の死を憂いた…自身が創り上げた世界の行く末を見守る事ができない事を…──
──そして、ドラゴンは最後の力を使い、一粒の『涙』を零した…ドラゴンの『想い』と『真実』が込められたその涙は、果てしない宇宙を彷徨い…やがてある星に辿り着いた、その星が「地球」…その衝突によって地球は水の星になり、衝撃で「月」が生まれた──
─そして『ヌメロンコード』は自身を地球に、そして『鍵』となる部分を月に置いた…さらに、今の危機を見越し、ドラゴンは『No.』の力を借り、その存在を秘めたるものにした…全ての過去・未来を変える力に『ドラゴンの呪い』をかけて…─
それは余りにも壮大な創世神話…世界の始まりの真実だった。
………
「『光と時の龍、生まれし地にて相見える刻…銀河の瞳、真に見開きて…新たな世界の扉を開く』…石碑にはそう書かれていた」
『光と時の龍…「
「その2体がこの場所で戦い、その勝利者こそが『ヌメロンコード』の呪いを解き…鍵を手に入れる事ができる」
『その伝説が真実だと言うのなら、2体のドラゴンはバリアンの力で創られたカード…!つまり、バリアンこそが『ヌメロンコード』の真の所有者だ!!』
『ヌメロンコード』の伝説を聞いたミザエルはカイトへ語勢を強める…。
カイトの使う「銀河眼の光子竜」やゴーシュやドロワも使った「フォトン」カードはDr.フェイカーがバリアンとの契約によって得た科学力によって作り出したカード…つまり、ミザエルの言葉は正論と言える…だが。
「…確かに、
『なに?どういう意味だ…?』
「(そうだ…石碑に示されていた
カイトは石碑に描かれていた絵を思い出す、石碑には『ヌメロンコード』を生み出した「ドラゴン」、そして「No.46神影龍ドラッグ・ルーオン」「No.107銀河眼の時空竜」に似た2体のドラゴン…そして「銀河眼の光子竜」に似た、
「ミザエル、それは戦ってみれば分かる事だ!!」
『面白い…!ならば、今こそどちらが「最強のドラゴン使い」なのか決める時だ…!バリアルフォーゼ!!』
「ああ…その通りだ!ミザエル!!フォトンチェンジ!!」
月面にて2人のドラゴン使いが対峙する、ドラゴン使いとしての誇り…そして『ヌメロンコード』の鍵を賭けた決闘が幕を開ける!
「『デュエル!!』」
デュエルダイジェスト カイト対ミザエル
「闇に輝く銀河よ!希望の光になりて…我が下僕に宿れ!光の化身、此処に降臨!!現れろ!『
『現れたな…!』
先攻を取ったカイトは速攻で光子竜を召喚する!
「オレはカードを1枚伏せ、ターンエンド!」
『天城カイト…この地にして、この宿敵…!相手にとって不足なし!ゆくぞ!!』
最大・最強の好敵手を前に…ミザエルは闘志を開放する!
107
『顕現せよ!「CNo.107」!我が魂に宿りし粒子…いま光を超えた力となりて、時を逆巻け!!「|超銀河眼の時空龍《ネオ・ギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴン》」─!!』
「いきなり『超時空龍』だと!?」
続くミザエルのターン、『RUM-七皇の剣』を引き当てたミザエルの場に黄金の巨龍が顕現する!
「(『超時空龍』…どんな効果があろうが、オレの伏せカードは速攻魔法『
『いくぞカイト!!「超時空龍」の効果発動!!カオスORUを1つ使い、フィールドに存在する自身以外のカード効果を無効にし、全てをこのターン最初の状態に戻す!!タイム・タイラント!!』
「っ!?」
超時空龍が咆哮を轟かせる…それと共にフィールドの時間が逆行…光子竜は輝きを失い、ミザエルの使った「七皇の剣」が手札に舞い戻る!
『そして…このターン、フィールド上で発動する効果は私が許可したモノ以外発動できない!!』
「くっ…あのモンスターは、フィールドの時空を支配すると言うのか…!?」
カイトは恐るべき効果を持つ超時空龍に戦慄する…!
『バトルだ!「超時空龍」で「光子竜」を攻撃!!』
《カイト様!!》
「分かっている!オレは手札の『
『こ、このタイミングでエクシーズ召喚だと!?』
「『超時空龍』の効果はオレの手札までは及ばぬはず!オレはレベル8の『光子竜』と2体分となった『銀河暴竜』でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
超時空龍の効果の僅かな隙を突いて現れた白き恐竜が光子竜と共にカイトの切り札を呼び覚ます!
「逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりて、その姿を現すがいい!!降臨せよ!我が魂!!『|超銀河眼の光子龍《ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン》』!!」
光の大爆発と共にカイトとハルトの魂の切り札、紅き巨龍が咆哮を轟かせる!
『現れたな…「超光子龍」…!』
「…オービタル、ここから先…このデュエルをアイツに見せるぞ!」
《か、カシコマリ!》
切り札を呼び出したカイト…彼はオービタルに命じて通信を開く、その相手は……。
Side遊馬
「……誰も、誰も救えないじゃねぇかよ…!せっかくあいつらと、仲間になれるって…信じてたのに…!!」
「遊馬…」
(………)
同じ頃、遊馬は次元の狭間で悲しみに暮れていた…アリトが命を懸けてギラグをドン・サウザンドの呪いから開放した矢先、ドルベとメラグを降し、その魂を吸収したベクターが遊馬達を急襲…ギラグが殺され、アリトの魂と共にベクターに取り込まれてしまったのだ…。
『デュエルをすればみんな仲間』と言う信条を持つ遊馬…目の前での仲間の死は、彼にとってあまりにも辛すぎた…。
「アリト…ギラグ…メラグ…ドルベ……誰も、誰も助けられなかった!!誰も!!うああ…ああ"あ"あ"あ"!!」
次元の狭間に遊馬の慟哭が木霊する、遊馬の心は折れかけていた…。
「もう、ダメだ……ちくしょう……!!遊海…父ちゃん…オレが戦う意味って……何だったんだよ…!!」
(遊馬……っ?これは…!遊馬、見るんだ…!)
「えっ…?」
友の命を救えず、泣き続ける遊馬…そんな時、アストラルがある異変に気付く…。
(君が諦めようとしているこの時、まだ…新たな光を探し求める者がいる!!)
「これ…月、か?あの光は…!」
遊馬達の前に一方的に映し出される映像、それは月を映した映像…その中で月面に強い光が輝いていた…!
(月面のあの光、ギャラクシーアイズ同士の光だ…!)
「カイト…!?」
少しずつズームしていく映像…そこに月面で繰り広げられている決戦の様子が映し出された…!
SideOut
「『銀河暴竜』の効果でエクシーズ召喚された『超光子龍』の効果はこのターンの間、無効になる…だが!バトルでは破壊されない!!さらに『超光子龍』と『超時空龍』の攻撃力は互角だ!!」
『笑わせるな!「超光子龍」など敵ではない!!「超時空龍」!アルティメット・タキオン・スパイラル!!』
「迎え撃て!アルティメット・フォトン・ストリーム!!」
互いのエースを呼び出したミザエルとカイト…2体のギャラクシーアイズの金色と真紅の光線が月面で衝突する!
『この瞬間!私は速攻魔法「
「なにっ!?ぐああああっ…!?」
それは奇しくもカイトが使おうとしたカードと同じもの…勢いを増した金色の光線によって超光子龍は粉砕される!!
『私はカードを1枚伏せ、ターンエンドだ!』
「ぐっ…うぅ…!?(視界、が…!)」
超時空龍に吹き飛ばされたカイトは何とか立ち上がる…しかし、その視界は僅かにブレ…焦点が合わなくなっていた…。
《……カイト様、大丈夫でアリマスカ?》
「何がだ…」
カイトのデータをモニターしているオービタル…彼はカイトの異変に気付き、話し掛ける。
《カイト様、覚えているでアリマスか?オイラとカイト様はもうかれこれ6年と151日5時間30秒の付き合いになるでアリマス…ハルト様の子守りロボットとして造られたオイラは…昼も夜も、一睡もする事なくハルト様の子守りを申し付けられ…壊れても壊れても、不死鳥の如く蘇り…そして挙げ句の果てには『ナンバーズハンター』仕様に改造されて……楽しくも苦しい事ばっかりでアリマシた!》
「……貴様、何が言いたい?こんな時に愚痴を溢すのか?!」
《あぁ、いや、そうではなく……》
それは一見すればオービタルからカイトへの愚痴だった…カイトに造られ、その姿を見続けたオービタル…彼だからこそ、解る事もある!
《オイラはカイト様とハルト様の事ならば、何でも分かるって事でアリマス!!…カイト様、オイラが
「っ…!?気付いていたのか…」
カイトはMr.ハートランドとのデュエルの際、「バリアンズフィールド」による過酷なデュエルを強いられた…その時に眼にダメージを受けていたのだ。
《白波様の治癒魔法で影響は少ないとはいえ…水臭いでアリマス!オイラはカイト様の相棒…少しは頼りにしてください!カイト様の為ならば…命は惜しくないでアリマス!!》
「……当たり前だ、オレとハルトの為ならば命を投げ出す…それがお前の『存在意義』だ」
《ヒドい〜!でも、それでこそカイト様!オイラも尽くし甲斐があるでアリマス!》
冷たく…しかし暖かい信頼の言葉をオービタルに伝えるカイト…オービタルは張り切ってその言葉に応える!
《ではでは…!小型モーメント全力稼動!アヤカ殿から頂いた「精霊使い」「イリアステル・ライフ・サポート・システム」のデータを擬似再現…魔法カード『治療の神 ディアン・ケト』の効果発動でアリマス!!》
キィン─!
「…これは…」
宇宙服の内部に癒やしの力が満ちていく…第3の遺跡捜索の際、異次元飛行船で待機していたオービタルとアヤカ…その際にオービタルはアヤカから人体回復システムの強化を受けていた…その効果によってカイトの身体が治癒…視界が回復する!
「よくやった…だが、これ以上の手出しは不要だ!」
《カシコマリでアリマス!カイト様…存分に戦って欲しいでアリマス!!》
「お前に言われずとも…わかっている!」
万全状態に戻ったカイトは今の状況を整理する…。
「(ミザエルが使った「銀河衝撃」…奴もオレと同じカードを…いいや、同じ『銀河眼』使いとしてオレと奴のデッキに入っている魔法・罠カードは
ギャラクシーアイズ使いとして使う魔法・罠カードが似通っていると予想するカイト…。
そして…この状況を打破するには石碑に刻まれた4体目のドラゴン…おそらく、新たな進化を遂げた『光子竜』を手に入れるしかないと直感する…!
「(オレの信じている事が本当なら、きっと……オレを信じて散っていったⅤ、そしてⅢ…そして、オレが未来を託した遊馬とアストラルの為に…!!)」
カイトは思い返す…倒れてしまった自分と遊馬を守る為に戦ったデュエリスト達の姿を…希望を託し、旅立つ時間を稼いだⅤとⅢを…そして七皇を救う為にバリアン世界へと向かった遊馬の姿を…。
希望を抱き戦い続けるデュエリスト達…その希望の力は奇跡を起こす!
「此処には必ず…オレ達の『希望』があるはず!!」
キィィン──!!
『な、なんだ?!』
それはカイトの魂の叫び、宇宙に響くその声に…希望を抱く『魂』に呼応するようにカイト達を囲む石碑が共鳴する、そして…。
キィィン!!
突き上げられたカイトの右腕に希望の光が宿った!
「オレのターン…!ドロー!!速攻魔法『
カイトの願いに応えるように光子竜が復活する!
『血迷ったか?攻撃力の下がった「光子竜」など敵ではない!!』
「まだだ!『銀河再誕』は『光子竜』と同じレベルのエクシーズ素材にする事ができる!!オレはレベル8の『銀河眼の光子竜』と『銀河再誕』でオーバーレイ!!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!」
光子竜がその身を光に変えて、希望の銀河へと飛び込む…そしてカイトの手元に青き聖剣が顕現する!
「これこそがオレの希望!これこそが…オレ達の最後の希望!!現われろ!!銀河究極竜!『No.62』─!!」
『な、ナンバーズだと!?!?』
カイトは無重力の中を跳躍…月面に聖剣を突き立て、そこから希望の光が溢れ出す!
62
『宇宙に彷徨う光と闇…その狭間に眠りし、哀しきドラゴン達よ!その力を集わせ、真実の扉を開け!!「|銀河眼の光子竜皇《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン》」!!』
希望の光に照らされた光子竜の身体が罅割れ、装甲が砕け散る…そして希望の光をその身に宿す青き竜が降臨する。
…その名は「銀河眼の光子竜皇」…カイトの希望の力により再誕した、伝説の『光の竜』である!
『な、なんだ!?このドラゴンは…!!』
「ナンバーズは人の希望を写す『鏡』…今ここに『銀河眼の光子竜』はオレの手によってアストラル世界の力を得た『No.』となって生まれ変わった!!」
『カイトのギャラクシーアイズが、ナンバーズだと!?』
「これが、オレのナンバーズ!!『|銀河眼の光子竜皇《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン》』だ!!」
新たなナンバーズの誕生に驚愕するミザエルに新たな希望を従えるカイト…二人は知らない事だが、バリアン世界とバリアンの神ドン・サウザンドは、大昔にアストラル世界から追放されたカオスから生まれた存在である…つまり、元を辿ればバリアンの力の『原点』はアストラル世界にある…。
ギャラクシーアイズが希望の力によって、バリアン世界の力からアストラル世界の力に覚醒するのは…自然な事だったのだ。
「ミザエル!ここでオレ達の因縁に決着をつける!!どちらが『最強のドラゴン使い』か……いくぞ!!『光子竜皇』の効果発動!1ターンに1度、フィールドに存在する全てのモンスターのランクを1つ上げる!」
『なんだと…!?「超時空龍」をランクアップさせてなんの意味が…!?』
光子竜皇から放たれた波動が自身と超時空龍をランクアップさせる…!
「バトルだ!!『光子竜皇』で『超時空龍』を攻撃!!」
『なっ!?攻撃力の高い「超時空龍」を!?』
光子龍皇の攻撃力は4000、超時空龍の4500には僅かに届かない…しかし、希望の竜にはさらなる効果があった!
「この瞬間、『光子竜皇』の効果発動!このカードがバトルする時!このカードの攻撃力はフィールドに存在するモンスターのランクの合計×200アップする!フィールド上のランクの合計は19…攻撃力は3800アップし、7800となる!!」
『なんだと!?』
「受けてみろ!エタニティ・フォトン・ストリィィム!!」
『ぐっ…!?うおおぁぁぁ!!』
それはまさに希望の一撃…光子竜皇のエネルギーコアがスパーク、青の閃光が絶望の巨龍を粉砕する!!
《やった…!やったでアリマスよ!カイト様!!オボミさん…!オイラ、月で立派に戦っているでアリマスよ─!!》
初めてミザエルに大ダメージを与えたカイト…その様子に感極まったオービタルは赤紫色に染まった地球で待つ、想い人の事を考えた…。
Side???
「あ〜もう!!どうしたらいいのよ!?ネットは繋がらないし!爆発音もするし!?世界で何が起こってるのよ─!?」
ハートランドシティの九十九家…そこで明里は砂嵐のモニターとコンソールの前で頭を抱えていた…。
人間界に残ったナンバーズクラブの子ども達から、遊馬が異次元に旅立った事を聞いた明里は少しでも情報を集めようとしていた…しかし、世界的なネット障害によって何も出来ずにいたのだった。
キュピーン♡
《ピピッ…ムクっ!!貴方の声、聞こえた!!》
「ちょっ!?オボミ!!いきなり何するのよぉ!?」
そんな中、明里が苛立ち紛れに蹴り飛ばしてシャットダウンしていた九十九家付きのオボット・オボミが再起動…コンソールを凄まじい勢いで叩き始めた!
《オボミ、感じた!》
「何を?」
《愛!!》
「はぁっ!?!?」
《彼、戦ってる!だから…見せてあげたい!!》
「ちょっ…彼って誰!?というかネットは繋がらないわよ─!?」
オボミはフェイスディスプレイの目をハートマークにしながら、ひたすらにコンソールを叩き続ける…忘れてはならないが、オボミは強盗団によって改造された事で凄まじいスペックを持つオボットである。
さらに遊海とオービタルの事件以降、自我を持つロボットであるオービタルと何回かデートしていたりする…そこに強い衝撃を受けた事で、彼女は今『自我』を獲得する奇跡を起こしたのだ!
《愛の力、偉大!!》
ピピッ…キィン!
「嘘ぉっ!?」
オボミは自身の製造元であるハートランドの工場から、その大元であるDr.フェイカーの管理する衛星にハッキング……システムを再起動する事に成功する、それはまさに『愛の奇跡』に他ならない…!
「えっ…!?何これ!?」
《貴方…♡》
そして明里のモニターに月面で戦うカイトとミザエルの姿を映し出された…!
「父さん!!兄さんが…兄さんが戦ってるの!?」
「ハルト…」
同じ頃、ハートランドシティ・ハートの塔のDr.フェイカーのラボ…そこにカイトが戦っている知らせを聞いたハルトが駆け込んでくる…。
「大丈夫だ、ハルト……きっと…!」
「兄さん…」
フェイカーとハルトは…遥かな場所で戦うカイトを祈る思いで見つめた…。
Side Out
『ぐっ…カイト…!確かに、お前は新たなナンバーズを呼び出したかも、しれんが…勝負はこれからだ!!』
カイトの希望の一撃によって残りライフ700まで追い詰められたミザエル…しかし、その闘志はまだ燃え尽きてはいなかった!
『罠カード「
「なんだと…!?『光子竜皇』─!!」
ミザエルのフィールドに次元の裂け目が発生…光子竜皇は次元の狭間に吸い込まれてしまった…。
「くっ…オレはカードを1枚伏せ、ターンエンドだ…!」
《カイト様…!貴方はなんとしてでも、お守りするでアリマス…!!》
希望のドラゴンを失ったカイト…再び、ミザエルの猛攻が迫る!
『私のターン!この瞬間、墓地の「時空混沌渦」のさらなる効果発動!自分のドローをスキップし、このカードを除外する事で墓地の「タキオン・ドラゴン」を特殊召喚できる!蘇れ!「超時空龍」!!』
「っ!!」
ミザエルは超時空龍を復活させる…カイトの残りライフは2500、この攻撃が通れば…カイトの敗北が決まってしまう!
『貴様のフィールドはガラ空き…これで勝負を決める!!「超時空龍」でダイレクトアタック!!アルティメット・タキオン・スパイラル!!』
《か、カイト様!!》
「狼狽えるなオービタル!!罠カード発動!『
それはカイトの起死回生の一手…その時、カイトの脳裏に声が響く!
《カイト、此処は儂に任せろ…奴にはどうしても伝えねばならぬ事がある!!》
「ジンロン…よかろう、お前を信じる!現れろ!『No.46』!『神影龍ドラッグ・ルーオン』!!」
46
『なっ…そのドラゴンは、私の遺跡の…!?』
脳裏に響くナンバーズの精霊・ジンロンの声…カイトはその言葉に従い、ミザエルの遺跡のナンバーズ…白き龍神を呼び出した!
《久しぶりじゃなぁ、ミザエル…儂はまだ、お主に
「『双龍降臨』のさらなる効果発動!このカードの効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効になり、バトルする相手モンスターと同じ攻撃力になる!!」
『なにぃ!?』
「迎え撃て!『ドラッグルーオン』!火炎神撃!!」
超時空龍と同等の力を得たドラッグルーオンの神炎と金色の破壊光線が衝突…そして互いに砕け散る…。
…「オーバーハンドレットナンバーズ」を「遺跡のナンバーズ」で破壊する事で、ドン・サウザンドの『呪い』は解ける…ナンバーズの共鳴によってカイトはミザエルの真実を垣間見る!
Sideミザエル
《あの時…天変地異に対する人々の恨みが「呪い」となってドラゴンに向いた時、お前は儂を守ろうとした…自分の命を懸けてまで……その気高い精神に、儂は咽び泣いた…!》
ミザエルの精神世界、そこにジンロンの語りが響く…。
ドラゴンと共に国を守り続けていた英雄ミザエル…しかしある時、国に天変地異が起き…その災いがドラゴンによるものと濡衣を着せられた。
ミザエルはドラゴンを守る為に人々を説得するが、人々は耳を貸さなかった…そしてミザエルは自分の命を賭けて人々の心に訴えようとした……だが、それは叶わなかった…噂を流したのは隣国のまわし者の祈祷師…その隙を突いた隣国がミザエルの国に攻め込み…国は滅び、ミザエル達も命を落としたのだ…。
《じゃが、お主の気高き最期は…あの恐ろしき者に穢されたのじゃ…!》
『恐ろしき、者…?』
………
『う、うぅ……』
【ふはははは…!】
矢の雨によって致命傷を受けたミザエルはドラゴンと共にその命を終えようとしていた…そのミザエルに近づく人影…それは赤い目をした祈祷師だった…!
『おまえ、は……』
【我が名は…ドン・サウザンド…!】
祈祷師は正体を明かす…それはドン・サウザンドの変装した姿だった!
【ミザエル、ドラゴンに魂を捧げし誇り高き戦士よ…お前の魂はアストラル世界に転生するだろう、だが…そうはさせん!貴様は我、ドン・サウザンド復活の糧になる為にバリアンとなって蘇るのだ!!】
『うっ!?ぐああああああ!??!』
正体を現したドン・サウザンドはミザエルに『No.107』を突き刺す…そして憎しみを植え付けられたミザエルはバリアンへと転生したのだ…。
………
《全てはドン・サウザンドの企み…奴の掛けた『呪い』じゃ…お前はドン・サウザンドに利用されたのじゃ!》
『なっ…』
《ミザエル、このデュエルで見つけるのじゃ…お前の進むべき道を…!》
それは共に歩んだ相棒からの最後のアドバイスだった…。
SideOut
『ぐっ…今のが、私の本当の記憶だと…言うのか…!?』
《心拍数上昇!身体ダメージ50%!》
「っ…今のが、ミザエルの…!」
超時空龍とドラッグルーオンの相討ちによって吹き飛ばされるカイト達…カイトは体に深いダメージを負い、ミザエルは人間体の状態で月面に倒れ込む…ドン・サウザンドの呪いは解けた…だが…!
『馬鹿な…!この私がドン・サウザンドに…!?ならば…私の信じてきた「時空竜」が、呪いのカードだというのか!?信じぬ……私は信じない!!「銀河眼の時空竜」が私を裏切るなど!!』
「ミザエル…!」
悲壮な叫びを上げながらミザエルは再びバリアン体に変身する…それはアリトのように生前の怒りを思い出したからではない。
ミザエルのドラゴン使いとしての『誇り』が…「時空竜」が呪縛だという事実を認められなかったのだ…!
『速攻魔法!「
ミザエルの叫びと共に黄金の巨龍が2度目の復活を遂げる!
「…それでいい…!それでこそ真の『ドラゴン使い』!お前はいつでもドラゴンを信じてきた…今度こそ、自分の運命を諦めるな!!」
『カイト…最強のドラゴン使いはこの私だぁぁ!!』
ミザエルにあえて激励を送るカイト…彼は知っている、ミザエルはドラゴンを愛し、信頼する『戦士』なのだと。
そしてミザエルは再び攻撃を仕掛ける!!
『受けてみろカイト!「超時空龍」でダイレクトアタック─!!』
《この攻撃は、マズイでアリマス!!バリアライト開放!!シールド展開─!!》
再び放たれる殲滅の息吹…その危険性に気付いたオービタルはバリアライトエネルギーによる障壁を展開する…!
《か、カイト様…!もしもオイラがスクラップに、なったら…オボミさんに、立派に戦ったと、伝えて欲しいでアリマス…!!》
「断る!!…そんな事、自分で伝えろ!!」
《カイト様…!》
歯を食い縛りながら息吹を耐え続けるカイトとオービタル…だが…!
ビシ…バリーン!!
「ぐああああっ!!」
バリアライトの盾が砕け散り…カイトは吹き飛ばされてしまった…。
『私は…これでターンエンドだ!…何とか耐えたようだな…!』
「ぐっ…」
《か、カイト様!大丈夫でアリマスか!?》
「あぁ…お前の、方は…!」
《損傷率50%…まだまだいけるで、アリマス…!》
何とか超時空龍の攻撃を耐えたカイト…残りライフは250、さらに宇宙服になっているオービタルは全身から火花を散らしていた…。
『カイト…!貴様のフィールドにはモンスターも無く、手札もゼロ…その状態でまだ戦うというのか?』
「これが…オレの、運命のドロー、だ…!ぐっ…!?」
《カイト様!?…微力ながらこのオービタルが力添えを!!》
絶望的な状況でもデュエルを続けようとするカイト…しかし、その体は痛みに蝕まれる…それを見たオービタルはパワードスーツ機能を使い、カイトをアシストする!
「これが、オレの…!」
《オイラの!!》
「《運命のドロー!!》」
力を合わせ、運命の一枚を引くカイトとオービタル…その結果は…。
「…来た…!これがあれば、戦える!オレはモンスターを裏守備表示で
『…ふん、苦し紛れに雑魚モンスターを伏せたか…だが、無駄だ!!』
壁となるモンスターを伏せ、凌ごうとするカイト…だが、ミザエルは追撃を仕掛ける!
『私のターン!ドロー!!私は魔法カード「銀河の施し」を発動!自分フィールドに「ギャラクシー」モンスターが存在する時、手札を1枚捨て2ドロー!…さらに速攻魔法「
「っ…フィールドから離す事で『銀河再誕』の効果を外したか!!」
再び攻撃力4500に戻る超時空龍…そしてミザエルは恐るべき一枚を発動する!
『そして私は装備魔法「
「なんだと!?」
超時空龍に巨大な電磁砲が装備される、この時点で超時空龍の攻撃力は4000…5回の連続攻撃がカイトに襲い掛かる!
『行け!「超時空龍」!奴の守備カードを攻撃!!』
「セットモンスターは…『
全てを殲滅するレーザーを鏡の杖を持つ魔導師が受け止める!
「『銀河魔鏡師』のリバース効果発動!オレのライフを800回復する!さらに破壊されたこのカードをもう1度セットする!…ただし、この効果で特殊召喚されたこのモンスターは、フィールドを離れた時除外される!」
攻撃を受け止めた魔導師は粉砕されるが、カイトのライフを回復し…再び壁となる!
『無駄な抵抗を…!「時空殲滅砲」の効果発動!「超時空龍」の攻撃力を半分にして再び攻撃!!』
「『銀河魔鏡師』の効果!800回復!!」
再び放たれる殲滅のレーザー…だが、魔導師が攻撃を受け止め、異次元に消え去る!
『だが、これでお前を守るものはない!!私は「時空殲滅砲」の効果発動!攻撃力を半分にして再びダイレクトアタック!!』
「ぐううっ…!!」
《カイト様は、オイラが…守る!!》
放たれる3度目の攻撃…オービタルはシールドを展開し、必死にカイトを守るが…。
『「時空殲滅砲」の効果発動!攻撃を半分にし、4回目の攻撃!!ダイレクトアタック!!』
「ぐああああっ!!」
無情に放たれる4度目の攻撃はシールドを粉砕し、カイトを吹き飛ばす…そして…!
『これで、最後だ…「時空殲滅砲」の効果発動!攻撃力を半分にしてダイレクトアタック!!』
「がああああっ…!!?」
放たれる最後の一撃…それはカイトに直撃、石碑にカイトの体を叩き付けた…。
『私はカードを一枚ふせ……ターンエンドだ』
《し、システム損傷率…90%…エネルギー残量、10%…か、イトさ、ま──》
ミザエルは静かにターンを終えるが、カイトは立つ事ができない…宇宙服のガラスは罅割れ、オービタルは生命維持に集中する為に沈黙した…。
ジジッ…ジジッ…
「カイト!!聞こえるか?!カイト!!」
「ゆう、ま…か」
「そうだ!オレだ!しっかりするんだ!!」
静寂が支配する月面にノイズ混じりの声が響く、それは次元の狭間から必死に叫ぶ遊馬の声…飛行船の能力をフルに使って月面に通信を届かせたのだ…カイトはその通信を月面に投影する。
『九十九遊馬か…!』
「ミザエル!聞いてくれ!!こんな戦いに意味は無いんだ!!」
「貴方も見たはずよ!自分の本当の記憶を!」
デュエルの一部始終を見ていた遊馬と小鳥は必死にミザエルに呼び掛ける…。
(君の高尚な魂はドン・サウザンドによって穢され、偽りの記憶と憎しみと悲しみを埋め込まれてバリアン世界に堕ちたのだ…!この戦いの全ての原因はドン・サウザンドにある!)
『違う…そんな事は関係ない!私はバリアンの為に戦う!バリアン七皇として!!』
(だが、ミザエル…君が守ろうとするモノはもうない…!)
『なんだと…?』
ミザエルはドン・サウザンドの呪いに関係なく、七皇の戦士として戦いを続けようとする…だが、衝撃の事実が伝えられる。
「ドン・サウザンドはベクターと組んでアリトもギラグも…それだけじゃねぇ…メラグもドルベも…みんな喰っちまった!!」
『ば、馬鹿な!?』
(本当だミザエル…君が守ろうとするバリアンは、もうナッシュしか残っていない…!君が『銀河眼の時空竜』を使い続ける限り、呪縛からは抜け出せない!!)
『そ、そんな…!?私の「超時空龍」が…本当に、呪いの…!?そんな、そんな馬鹿な!!』
衝撃の事実に動揺するミザエル…七皇は崩壊し、残るのはナッシュと裏切り者のベクターのみ…守るべき者を失ったミザエル…だが、戦いはまだ終わってはいない。
「アストラル…こいつを『超時空龍』から開放するのは、オレの役目だ…!!」
「カイト…!?」
動揺するミザエルを前に満身創痍…瀕死のカイトは立ち上がる、その眼に強い信念の炎を燃やして…!
「この戦いは、オレ達の未来を決める
「カイト…!でも、そんなボロボロの身体で…!!それ以上続けたら!!」
「……遊馬、覚えておけ…誰にでも、必ず別れは来る、いつか…突然に……それは、お前とアストラルにもだ…!だから……
『カイト…!!』
カイトは解っていた、もう自分は助からないと…それでもなお、カイトはその魂を燃やす…長き因縁に決着をつける為に…!
「これがおそらく、
『まだデュエルを続けるというのか!?「銀河眼」をもがれ、全ての力を失った貴様が!!』
「いいや…
ミザエルは死にかけのカイトの気迫に圧倒される、全ての力を失ったかに思われたカイト…だが、彼は既に繋げていたのだ…未来への『希望』を!!
62
「今こそ蘇れ!未来を操る光の化身!!『No.62』!『銀河眼の光子竜皇』─!!」
「『「(なっ!?)」』」
月面に光の柱が立ち上がる…その内より最後の希望、光子竜皇が復活する!!
『ば、馬鹿な!?何故この場に「光子竜皇」が!?』
「既に…『光子竜皇』の最後の効果が
『なっ…!?』
それは希望を未来へと運ぶ効果…カイトが死にものぐるいで1ターンを耐えた事で、希望が繋がったのだ!
(今の『超時空龍』の攻撃力は250…この攻撃で決着がつく!)
『これが「銀河眼の光子竜皇」の力…だが!最強のドラゴンは私の「超時空龍」!そして最強のドラゴン使いはこの私だ!!罠カード「オーバー・タキオン・ユニット」発動!フィールドにいる「超時空龍」のカオスORUを使って発動する効果を、私のライフ500を糧として発動する!!』
「なんだと!?」
それはミザエルのダメ押しの一手…ミザエルの魂を糧に、再び超時空龍は時空を掌握する!
『「超時空龍」の効果発動!フィールドに存在するこのカード以外のカード効果を無効にし、フィールドをこのターンの開始状態に戻す!タイム・タイラント!!消え去れ!「光子竜皇」─!!』
フィールドの時間が逆転する、それにより「時空殲滅砲」は力を失い…光子竜皇は闇に包まれる…だが。
《ギャオオオン─!!》
『なにっ!?』
光子竜皇が咆哮…それと共にタイム・タイラントの効果が振り払われる!!
「確かに『超時空龍』は全ての時を巻き戻した…だが、巻き戻せるのは
『なっ…!?「超時空龍」の効果を上回るというのか!?』
超時空龍は時間を巻き戻し、自分に有利な『現在』を掴み取る事ができる……だが、その効果が通用するのはフィールドのみ…除外ゾーンから発動された光子竜皇の『未来』へと繋ぐ効果を巻き戻す事はできなかったのだ…!
『だが、攻撃力は「超時空龍」が上、貴様は攻撃できまい!』
「それはどうかな…!『光子竜皇』で「超時空龍」を攻撃!エタニティ・フォトン・ストリーム!!」
『なっ…!?迎え撃て!「超時空龍」!アルティメット・タキオン・スパイラル─!!』
不敵な笑みを見せたカイトは攻撃を仕掛ける…再び月面で青と金の破壊光線が衝突する!!1350
「ミザエル!!何故、お前はドラゴン使いになった?」
『なに…?』
2体のドラゴンの光線が月面を照らす中、カイトはミザエルに問いかける。
「お前に何があったかは知らぬ…だが、お前は人を信じる事なく、ドラゴンを信じた…貴様のその荒涼とした『眼』…その眼は石碑に記されていた『伝説のドラゴン』の眼によく似ている」
『……私を哀れむのは、よせ…!!』
カイトの問いかけにミザエルは過去を思い出した。
幼少期に住んでいた村が戦火に飲まれ、両親を失った事。
戦火から逃れる為に一昼夜も砂漠を彷徨い、ついに力尽きた事…。
そして死の間際に手元にナンバーズが現れ、その精霊たるドラゴンに命を救われた事を…。
人間の醜さを知ってしまったミザエルは…ドラゴンだけを心の拠り所として生きてきたのだ…。
「ミザエル、オレは哀れんでなどいない……最強のドラゴン使いは…
『えっ…!?』
カイトの思わぬ言葉にミザエルは動揺する…。
「オレは弟と親父を救う為に、ドラゴンを利用しただけだ…ギャラクシーアイズの力を……だが、たった1枚のそのカードが、オレをここまで導き…強くしてくれた」
カイトの戦う理由…それは『家族を守る』事、彼はその為にギャラクシーアイズの力を使ってきただけ…その時点でカイトはミザエルに負けていた。
「オレはギャラクシーアイズに導かれ、遊馬やアストラルに出会い…凌牙や白波さん…たくさんの仲間に出会い…そしてお前に出会う事ができた…そいつらは孤独で誰も信じる事ができなかったこのオレに『人を信じる力』を教えてくれた…」
カイトは今までに出会ってきた仲間達の顔を思い返す…ハルトを救う為に仮面を被り、ナンバーズを狩り続けたカイト…しかし、遊馬と出会った事を契機にその仮面は崩れ去り、家族との絆を…人を信じる事を思い出していった…全てはギャラクシーアイズと出会ったおかげ…。
故にカイトはミザエルに語り掛ける…。
「なぁ、ミザエル…もし次に出会える事があったなら、お前に何があったのか…聞かせてくれないか?」
『…カイト…』
今までで一番の穏やかな表情でカイトはミザエルに話し掛ける…
「『銀河眼の光子竜皇』の最後の効果!このカードの効果で自身を特殊召喚したターン、バトルする時…その攻撃力は取り除かれたORUの数を掛けた数字になる…ORUの数は2つ!」
『攻撃力、8000だと!?』
「いけ!『光子竜皇』!絶望を…焼き尽くせ─!!」
それは全ての絶望を消し去る希望の一撃…威力を増したフォトン・ストリームが超時空龍を貫く。
そして…今度こそ、ミザエルの呪縛は完全に消え去った…。
ミザエルLP0
カイトWIN
キィン─!
キィン─!
キィン─!
「これは…」
長い戦いに終止符を打ったカイト…その直後、ミザエルの『銀河眼の時空竜』…そしてカイトの持つ『神影龍ドラッグ・ルーオン』『銀河眼の光子竜皇』がそれぞれの手を離れ、空に舞い上がる…。
キィィン─!
『いったい、何が…?』
変化は続く、『過去』『現在』『未来』を象徴する3体のドラゴンから光が放たれる…それは『ドラゴンの呪い』の楔である石碑を砕いていく…。
そして、3体のドラゴンから放たれた光は月面へと突き刺さり…封印されし『鍵』が目を覚ます!
100
《キュオオォォオオン─!!》
『あれが…ギャラクシーアイズの、真の姿…!』
「ヌメロン・ドラゴン…」
《カイト、様…!》
月面から現れた青緑色の角と金色の身体を持つドラゴンが咆哮する…『100』の数字を背負うそのドラゴンの名は「ヌメロン・ドラゴン」…遥かな昔、宇宙を創造したドラゴンの分け御霊である…!
《キュオオォォオオン─!!》
そして…カイトの勝利を祝福するように金色の光が舞い散る中、ヌメロン・ドラゴンはその身をカードとしてカイトの手に収まった…。
《やりマシたネ、カイト、サマ…》
「オービタル…お前も
《や、やっト…ホメられたデアリマ、ス…だいスキな…カイト……さ…ま……───》
カイトは限界まで稼働したオービタルを労う…その言葉と共にオービタルは機能を停止する、それは…──
「ありがとう、オー…ビタ、ル……」
『っ…!?カイト!!』
「カイト!!」
カイトの死を意味していた…。
「カイト!しっかりしろ!おい!?オレとまたデュエルするんだろ!!まだ決着はついてねぇ!!」
「そう、だったな…だが、それは…
カイトは
「ふざけんな…!起きろよ!オレと…オレとデュエル、しろよぉ!!」
「泣くな、遊馬…お前は…最後の希望だ…」
「か、カイッ────」
少しずつ、機能が停止していくシステム…遊馬との通信が途切れ、残ったのは……
「カイト…!死ぬな!死ぬんじゃない!!」
「とうさん…」
通信越しに聞こえるのは父であるDr.フェイカーの悲痛な声だった…。
「オレは、後悔なんてしてない……ハルト、ありがとう………父さんを、頼む…」
「兄さん!!兄さん─!!」
フェイカーとハルトの泣き声が聞こえる中…最後の力を使い、カイトは…ミザエルへと手を伸ばす。
「ミザエル…往け…」
『カイト…』
ミザエルは伸ばされた手を掴む…その手には『ヌメロンドラゴン』が握られていた…。
「いくんだ…お前の、信じる道を……────」
カイトはミザエルへと『希望』を託し、力尽きた…。
『ドン・サウザンドッ…キサマ…許さん!!!』
涙を流しながら…ミザエルは『最高のドラゴン使い』の死を悼み、バリアンの神への怒りを燃やした…!
Side遊馬
「カイト…そんな…!?」
砂嵐に変わってしまった通信画面を見つめたまま、遊馬は呆然とする…その脳裏に過ぎるのはカイトとの思い出。
敵同士として出会い、背負うモノを知り…ハルトの為に共闘し和解した…決して馴れ合う事はなく、自分の生き方を貫き通した孤高の男…その命は未来へと希望を託し、燃え尽きた…。
「カイト…カイトォォぉぉ!!」
遊馬の慟哭が次元の狭間に響き渡った…。
「っ……カイト…!オレは、もう泣かねぇ…!小鳥、アストラル…行こう…!!この戦いが終わるまで…オレは泣かねぇ!!それが…オレのかっとビングだ!!」
(遊馬…)
「遊馬…!」
遊馬は悲しみを振り切って立ち上がる、命を懸けて希望を繋いだカイト…その想いに応えなければならない…故に遊馬は立ち上がる!!
「いくぜベクター!!ドン・サウザンドォォ!!」
遊馬の決意の叫びが次元の狭間に轟いた…。