転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
『劇場版』エピローグとなります!アストラル世界を救った遊馬と遊海…2人の迎える結末は…。
「う……ん……?ここは…?」
【目が覚めたようじゃの…】
「…かみさま……」
ぼんやりとした意識の中、遊海が目を覚ます…そこは見慣れた『白の世界』…神のいる空間だった…。
【神界でトラブルがあっての…ドン・サウザンドの城で意識を失ったお主と疲れで眠ってしまった翠の魂を此方に呼んだのじゃ、体はアストラル世界の王宮に寝かされておるから安心しなさい】
「……みどり……そうだ、遊馬と一緒に、e・ラーと戦って…」
「うう…ん…遊海、さん…?」
「みどり……」
【……意識がはっきりするまで、少し掛かりそうだの……】
遊海に続いて意識を取り戻した翠を見たデウス神は少し時間を置く事にした…。
………
【………と、言う事が神界で起きていたのじゃ】
「新人の神様のミスで『漫画ZEXAL』世界のe・ラーが俺達の世界に紛れ込むって………そんなのどーしろと……」
「あはは…ミスは誰にでもありますから……」
状況を把握した遊海と翠は一連の事件の原因を聞かされる…なお、遊海は頭を抱え、翠は苦笑している…。
【お主達の倒したe・ラーは元の世界に送還済みじゃ、お主達の世界で再び現れる事はないじゃろう】
「よかった…」
e・ラーはダークネスと同じく、時間を掛ければ復活する「不滅」の存在…それを知っていた遊海は胸を撫で下ろした…。
「……そういえば…神様、どんな『ミス』でこんな事に…?」
【それが、のう…】
「……?」
翠の問いにデウス神は口籠る…そして…。
【その、な……ゴニョゴニョ…じゃ…】
「へっ…?」
【はあ……世界の管理簿に…
「「ええぇぇ〜……」」
それはあまりにもしょうもない理由…それを聞いた遊海達も思わず呆れてしまう…。
【書類を手元に持っている時は飲食物には気を付けるようにと注意したんじゃが……新米神は見習いに降格して修行のし直しじゃて……本当にすまなかった!あの馬鹿に変わって謝罪する…】
「か、神様!大丈夫ですって…!なんとか事件は解決しましたし……」
【……お主が心の広い男でよかったわい…】
完全に神界側が原因で起きた事件だった事で遊海達に謝罪するデウス神だったが…遊海の言葉に安堵の溜息をつくのだった…。
【さて…謝罪と此度の問題を解決した礼として教えよう……ズァークは既に
「「っ!?」」
デウス神が謝罪の為に伝えた言葉に遊海と翠は息を呑む…。
「ズァーク」…それは『遊戯王ARC-V』の元凶、戦闘狂ならぬデュエル狂に堕ちた…哀しき怪物の名である。
【流石に何処に、いつ生まれたのかまでは教えられぬが……遊海、翠…ワシはそこまで心配はしておらぬのじゃ】
「と、言うと…?」
【お主達がDMの時代からZEXALの時代まで存在した事で…その存在が『抑止力』となり、お主達の世界の治安も、人々の民度も他の遊戯王世界よりも格段に良い世界となっている…決してお主達が知るような『破滅の未来』にはならぬはずじゃ!】
「神様…」
それはデウス神からの朗報…遊海が仲間達とともに『最善』を掴む為に歩んだ旅路、それは確かに実を結んでいたのだ。
【それに、しばらくは世界も平和じゃろう…凌牙と璃緒……いんや、子供達と共に穏やかに過ごしなさい……そろそろ時間じゃの…今回は本当にご苦労じゃった!】
「……ありがとうございます、神様!」
「手助けありがとうございました!」
【ほほっ…お主達の歩む旅路、これからも楽しみにしているぞ〜!】
遊海と翠の身体が金色の粒子となって融けていく…デウス神は柔らかな笑顔で2人を見送った…。
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「………あガッ…!?からだ、痛え…!!」
アストラル世界の王宮で遊海は目を覚ました…だが、その瞬間に遊海は激痛に顔を歪める。
……無理もない話だが、e・ラーに乗っ取られた状態で翠と凌牙の全力攻撃を喰らい、その直後に元凶であるe・ラーと戦い…さらにNEXUSへの変身……常人なら即入院コースの瀕死状態である。
「あっ…父さん!?」
「大丈夫か!?」
「凌牙…璃緖…ごめん、心配掛け……っ〜〜!?」
「「無理して起きるなって!/起きないで!!」」
遊海が意識を取り戻した事に気付いた凌牙と璃緖が遊海に呼びかける…そして起き上がろうとした遊海は激痛で悶絶し、無理矢理寝かされる…。
『馬鹿野郎が、不死身とはいえ無茶しやがって…』
「ラプラス…お前には言われたく、ごふっ!?」
『はいはい、回復してやっから大人しくしてろ…お前で最後だ、他の子供達は治したから安心しとけ』
「(……やっぱり兄弟みたい…)」
ラプラスに回復を受ける遊海…その様子を見た璃緒はそんな事を思った…。
………
【白波遊海、事件のあらましはアストラルと遊馬から聞いた……災難だったな】
「ええ、まさか子供達の敵になってしまうとは…恥ずかしい限りです…」
【いいや…仮にアストラルや遊馬が邪神に呑まれていれば、さらに事態は悪化していただろう…お前が身を挺して彼らを守ったからこそ、最悪の事態は避けられたのだ】
「そう言ってもらえるなら、幸いです…」
なんとか動けるまでに回復した遊海はアストラル、そしてエリファスと面会し、慰労を受ける…。
「バリアン大陸の様子は…?」
【うむ、融合反対派は邪神e・ラーに取り込まれていたようでな…邪神を倒した直後に開放されたようだ】
(そしてe・ラーの中で我々の戦いを見ていたらしい…我々を『命の恩人だ』と言って、アストラル世界との融合を受け入れてくれたんだ)
「そうか…良かった…」
七皇の王城に集まっていたアストラル世界との融合反対派はe・ラーによって取り込まれてしまっていた…しかし、e・ラーの中から奮闘する遊馬や遊海の姿を見た事で考えを改めてくれたらしい。
【これからバリアン大陸はアストラル大陸側と少しずつ近付き、共に平和を目指していく事になる…今回はお前達に助けられた…感謝する】
「頑張ったのは遊馬達さ、俺は……」
(貴方のアシストがなければ、我々はe・ラーを倒せなかった…それ以上自分を卑下するのはやめてくれ、遊海)
「ありがとう、アストラル」
【さて……これで、アストラル世界の危機は過ぎ去った…改めて感謝する、勇敢な人間の勇者達よ】
「へへっ…なんか照れるなぁ…」
エリファスは改めて遊馬と仲間達に感謝を伝える…。
【できるならば…我らが用意できるだけの褒賞を与えたいのだが…】
「七皇は特に褒美はいらねぇよ、俺達はバリアンの仲間達を守れた…それだけで充分さ」
エリファスの言葉に凌牙は首を振る…なお、真月は『勿体無い』と言いたげな表情である。
「ならば…オレ達は異世界に関する研究をしている、それにアストラル世界の知恵を貸して貰いたい」
【なるほど…ならば、アクル達五命星を頼ると良い…彼らは前世から科学者だと聞いている、お前達の力になってくれるだろう】
「感謝する」
カイトとアークライト一家はアストラル世界からの技術協力を受ける事になった。
「オレは…特にはいらねぇや!アストラルに会えて、もう一度一緒にデュエルできた!それがオレの1番のご褒美だぜ!」
(ふっ…遊馬、きみらしいな)
遊馬はエリファスにそう伝える…だが、アストラルは分かっていた…2人は再び別れる運命なのだと…。
【ふむ……アストラル、お前に新たなる『任務』を与える】
(任務…?)
遊馬とアストラルの表情を見たエリファスはアストラルに新しい『任務』を与える。
【任務内容は…ドン・サウザンド消滅による
(エリファス!?それは…!)
「それって…!!」
「ふっ…喜べ、遊馬…アストラルとまた一緒に過ごせるって事だぞ?」
「あ、アストラル…!!」
(…また世話になるぞ、遊馬)
「アストラルぅぅ〜!!」
それは遠回しなアストラルと遊馬への「褒美」…2人はまた一緒に過ごす事ができるのだ…!
『良いのか?エリファス』
【もちろん、何の制限も無くと言う訳にはいかない…『ヌメロン・コード』管理の為に数枚のナンバーズをアストラル世界へ残す事、それから月に1度の報告を義務付けます】
『実質無制限じゃないか?それ…』
思わぬ事に喜び合う遊馬とアストラルを前にラプラスがエリファスに話しかける…エリファスはほぼ無制限にアストラルが人間界に行く事を許したのだ。
『アンタも、ずいぶん融通が効くようになったなぁ…』
【私もまた成長したという事だ、シーカー】
『ははっ…違いない!』
(では…エリファス、人間界の調査に出発する!)
「エリファス!また何か手助けが必要だったら呼んでくれ!」
【うむ、頼りにしているぞ、遊馬!】
飛行船に乗り込んだ遊馬はエリファスへと大きく手を振る!
『遊海!翠!また遊びに来るといい!』
『いつでも歓迎するわ!』
「ああ!達者でなラプラス!エメル!」
「次はお土産持ってくるね〜!」
遊海と翠もラプラスとエメルに別れを告げる…再びの再会を約束して…。
「それじゃあ…帰ろうぜ、オレ達の世界に!!」
「『「『おう!』」』」
飛行船は人間界に向けて舵をきる…遊馬達のアストラル世界を守る大冒険は最高の結末を迎えたのだった…。
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『それでよお!そこでアリトのカウンターが決まったんだ!あれは凄かったぜ!』
「へぇ…オレの方は蒼炎の悪魔に追い詰められてなぁ…アストラルにナンバーズを預けられてなかったら、マジでやばかったぜ…」
『私もだ…ミハエルの機転とナンバーズがなければ、勝つ事はできなかっただろう…』
「ドルベが相手の防御策を使わせてくれたおかげさ!2人の勝利だよ!」
人間界に帰還する飛行船の中、七皇を始めとした仲間達はそれぞれのデュエルについて語り合っていた…。
『おい!ベクター、お前はどんな奴と戦ったんだ?階段で遊馬達を進ませる為に1人で戦ったんだろ?漢気あるじゃねぇか!』
「……悪いけど、オレのデュエルについては
『ベクター…まさか、また何かやらかしたのではないだろうな?』
「違げぇよ!!…一緒に戦った奴との『約束』なのさ」
『『??』』
アリトとドルベの問いに真月は答えない…話してはならない、となんとなく思った故だった。
『攻撃力∞…攻撃力10万ですらデュエルモンスターズで見ない数字だというのに…君達はよく勝つ事ができたね…』
「ああ、ミザエルがプレイヤーを倒す戦術に気付いてくれたおかげだ…」
『それも、遊海がこの「ANo.」を私に託してくれたおかげだ…流石は地上の英雄だな』
カイトとミザエルはトロンとクリスに規格外の相手とのデュエルについて語っていた…。
「遊馬によると「闇のデュエリスト」達は遊海さんの記憶から生み出されたらしいが……あの人はいったいどれだけの死線を潜ってきたのだろうか…」
『彼は100年以上の時を生きて来た…つまり、それだけの戦いがあったという事さ……彼が背負ってきたモノを理解できるのは……翠と彼の精霊達以外にはいないだろうね』
クリスの言葉にトロンが答える…英雄の背負ってきた重責の重さを…。
『そういえば…ナッシュとメラグ、遊馬達はどうした?飛行船が出てから姿を見ないが…?』
「そういえば……オービタル、遊馬達はどうした?」
《カイト様、それが……》
「……ああ、そういう事か」
ミザエルの言葉を聞いたカイトが操縦桿を握るオービタルに問い掛ける…そしてオービタルは少し困ったようにある場所に視線を向け…それだけでカイトは状況を理解した。
「すぅ…すぅ…」
「むにゃ…」
「………」
「くぅ…すぅ…」
《キュウ…キュウ…》
「かぁ〜……かぁ〜……」
「ふにゅ……」
(………)
飛行船内の隅…そこでは6人が寝息を立てていた。
壁に寄りかかって眠る遊海…その膝ではフォウが、右肩には翠が…左肩には凌牙が寄りかかり、凌牙の肩には璃緖が寄りかかって寝息を立てている。
そして…少し離れた場所で遊馬と小鳥が同じように壁に凭れ、寄り添いながら眠っている、近くにはアストラルが浮かんでいるが…遊馬達の邪魔をしないよう、静かに目を閉じていた…。
《起こしマスか?》
「いや、いいだろう……ギリギリまで寝かせておこう」
《カシコマリ!》
カイトはオービタルの問いに応えると騒いでいる仲間達のもとへ向かう…彼らの安息を邪魔しないように。
遊海も遊馬も…今までで1番幸せそうな顔で眠っていたのだった。
気まぐれアンケート! ZEXAL編で1番良かったのは?
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1章(序盤)
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2章(WDC)
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幕間
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3章(バリアン侵攻)
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4章(ナンバーズの遺跡)
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4.5章(アストラル消失)
-
5章(ナンバーズ大戦)
-
6章(アストラルとのラストデュエル)
-
『劇場版』
-
全部!