転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
命を懸けてドン・サウザンドを倒した遊海……だが、その傷は思ったよりも深く…。
「みんな…本当にすまなかった……」
『気にすんなよナッシュ!』
『そうだぜ!悪いのは全部ドン・サウザンドの奴だ!』
『まさか、まだ奴が生きていたとはな…』
復活したドン・サウザンドが倒されて1週間…KC病院の個室で凌牙は見舞いに来たドルベ・真月・アリト・ギラグ・ミザエルに頭を下げていた…。
凌牙の中に潜み、復活の時を狙っていたドン・サウザンド…彼はアストラルのナンバーズを奪う為に、凌牙の体を操り七皇を襲撃した…襲撃を受けたアリト・ギラグ・ミザエルは襲撃者の正体が凌牙である事に動揺し、倒されてしまったのだ…。
そして『七皇が狙われている』と思わせ、遊海が遊馬に璃緒の護衛を頼むように仕向け…周りに人間が少なくなった瞬間を狙い、遊馬とアストラルに襲いかかり、ナンバーズを奪おうと考えたのだ。
この間、遊海に殴り飛ばされるまでの記憶は凌牙には残っておらず…ドン・サウザンドは暗躍し続けていたのだ。
そしてドン・サウザンドは遊海によって倒され、事件は収束したのだが…それで万事解決とはならなかった。
『それより…ナッシュ、怪我は大丈夫なのか?遊海に全力で殴り飛ばされたと聞いたが……』
「正直、全身痛てぇ…野郎め…最悪の置き土産、残していきやがって……ぐうっ…」
まずは凌牙、ドン・サウザンドに操られた状態で遊海の全力で殴り飛ばされた事で壁やガラスに叩きつけられ…さらに、ある程度の加減と遊海のコントロールがあったとはいえ、
『メラグ…璃緒は白波ントコか?』
「ああ……俺よりも、父さんの方が重傷だ…」
「遊海さん、頑張って…!!」
凌牙とは別の病室…そこでは翠が遊海に回復魔法を掛け続けていた。
遊海の放った大技『NEXUSダイナマイト』…遊海の全てを懸けた一撃により、ドン・サウザンドは倒された、しかし…その代償に遊海は生命力・精霊力が枯渇……昏睡状態で眠り続けていた…。
「お父さん……」
「璃緒ちゃん、大丈夫…!きっと目を覚ましてくれるわ…」
翠が回復魔法を行使する横で、璃緒は遊海の冷えきった手を握り続けていた…。
「母さん、私にもやらせて!やり方を習えば私だって…!」
「……私と同じ事はさせられないわ…!私はいま、自分の生命力も乗せて遊海さんに使っているの…同じ事を璃緒ちゃんがやったら、すぐに倒れちゃうわ…」
「そんな…!?」
遊海の容態は「ゼロ・リバース」の直後と同じレベルで悪かった…翠は少しでも遊海を回復させる為、『治療の神ディアン・ケト』や『ギフトカード』のような通常の回復手段だけではなく、その効果に自分の生命力・精霊力を上乗せして注ぎ込み続けていた…『不老不死』である翠だからできる無茶だが…当然…。
「っ…」
「母さん!!」
倒れかけた翠を璃緒が慌てて支える…不死とは言っても疲労は蓄積する、それも遊海と凌牙が倒れてから不眠不休で力を使い続ければ…限界を迎えるのは道理である。
「母さん!1回休もう!?」
「…ダメよ…!せめて…せめて遊海さんが目覚めるまでは…!」
璃緒の説得に首を振った翠は再び回復魔法を行使しようとする…その時だった。
「みど、り……りお……」
「遊海さん!!」
「お父さん!!」
か細い声が2人の耳を打つ…遊海がようやく意識を取り戻したのだ…。
「ああ……3日くらいは、経ったか…?」
「もう…!1週間経ちましたよ!!どんな無茶したらこうなるんですか!?」
「……無闇な、じばくはするもんじゃ…ないなぁ…───」
「お父さん!……また、眠っちゃった……」
僅かに目を覚ました遊海は再び眠りに落ちる…その表情は先程までと違い、穏やかだった…。
「母さん、お願いがあるの…!」
「璃緒ちゃん?どうしたの…?」
翌朝、遊海が目覚めた事を聞いた瀬人によって無理矢理家へ帰された翠と璃緒…普段より人数が少ない朝の食卓を囲む中で、璃緒が翠に話しかける。
「私を、鍛えてほしいの…!!」
「……今回の事件で何もできなかったから?」
「それだけじゃ、ないの……私は……いつも
璃緒は翠に自分を鍛えてほしいと頼む……自分の人生を振り返った時、璃緒は守られるばかりだった。
ベクターに拐われ、ナッシュと共に命を落とした時も…。
トーマスとのデュエルの後に昏睡する中でバリアンの刺客に襲われた時も…。
ネームレスに襲われた時も…。
ドルベと共にベクターと戦った時も…。
アストラル世界での決戦でトーマスと共闘した時も…。
璃緒は自分の身を守る事ができず、凌牙や遊海、翠、トーマス…ドルベ…家族や仲間達に迷惑をかけ続けた事を……自分の『弱さ』について悩んでいたのだ。
「無理に強くなる必要はないのよ?人には人の『役割』がある……自分のできる事を精一杯やる、それが一番大事な事よ?」
「でも…私は凌牙の…七皇の王の
「璃緒ちゃん…」
翠の言葉に璃緒はまっすぐ応える…忘れてはならないが…元々、璃緒はなかなかに負けん気が強い性格である。
養子である事で何かと辛い思いをしてきた神代兄妹…凌牙の為に、璃緒は少しでも強く在ろうと努力してきたのだ。
「わかったわ……それじゃあ…デュエルしかないわね!!強くなりたいなら、実戦が一番よ!」
翠は最も単純で簡単な方法を提案する、デュエリストにとって実戦は何よりの経験になる…かつて、アキを鍛えた時のように…翠は璃緒にデュエルを提案する!
「ありがとう母さん…受けて立つわ!!」
《フォウ、フォーウ!!》
《えっと…それじゃあ!翠と璃緒のデュエルを始めるよ!準備はいい?》
「「OKよ!!」」
朝食の片付けが終わった後、翠と璃緒は中庭で向かい合う…観客は家に残っているウィンダを始めとした精霊達である。
《それじゃあ…デュエル!スタート!!》
「『デュエル!!』」
翠LP4000
璃緒LP4000
「私のターン!ドロー!」
「私はフィールド魔法『
フィールドに青い炎が燃える魔法陣が展開する!
「そして『転生の陣』の効果発動!自分のフィールドにモンスターが存在しない時、手札を1枚墓地に送って効果を発動できる!私は手札の『逢魔ノ妖刀─不知火』を墓地に送って効果発動!墓地から守備力0のアンデット族モンスター『逢魔ノ妖刀─不知火』を特殊召喚!」
刃紋が黄色の輝きを放つ日本刀がフィールドに現れる! DEF0
「そして『不知火の
薙刀を構えた巫女の少女が現れる! ATK1500
「『物部』の効果発動!召喚に成功した時、デッキから『妖刀─不知火』を特殊召喚!」
蒼炎を纏い、刃紋が青く輝く妖刀が現れる! DEF800
「私はレベル4の『物部』にレベル3の『逢魔ノ妖刀』をチューニング!」
妖刀から蒼白い肌の青年の霊体が現われ、物部に憑依する!
4+3=7
「受け継がれし退魔の業よ…刀に宿りし神を目覚めさせよ!シンクロ召喚!『
薙刀を背負い、妖刀を手にした巫女が現れる! ATK2100
「私はカードを2枚伏せ、ターンエンドよ!」
翠LP4000
妖神 妖刀 転生の陣 伏せ2 手札1
『見た事のないデッキ…でも、この手札なら…!』
『私のターン!ドロー!』
『「ブリザード・ファルコン」を召喚!』
翼が凍りついたハヤブサが現れる! ATK1500
『さらに魔法カード「ブリザードジェット」を発動!「ブリザードファルコン」の攻撃力を1500アップさせる!さらに、「ブリザードファルコン」の効果発動!自身の攻撃力がアップした時、その数値分のダメージを相手に与えるわ!』
「っ…!流石ね!」
強力な吹雪が翠に襲いかかる!
ブリザードファルコンATK1500→3000
翠LP4000→2500
『まだよ!永続魔法『
フィールドに吹雪が吹き荒れ、幻影の『ブリザードファルコン』が現れる! ATK0
『私はレベル4の「ブリザードファルコン」と「幻影の吹雪」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!舞い降りろ!「零鳥獣シルフィーネ」!』
氷を纏う風の精霊が現れる! ATK2000
『「シルフィーネ」の効果発動!ORUを1つ使い、相手フィールドで表側表示のカード効果を全て無効にし、無効にしたカードの枚数1枚につき攻撃力を300アップする!パーフェクト・フリーズ!!』
フィールドに全てを凍らせる吹雪が吹き荒れ、翠のフィールドが凍りつく!
シルフィーネATK2000→2900
『バトルよ!『シルフィーネ』で『妖神─不知火』を攻撃!』
「っ─!!」
無数の氷の礫が薙刀の巫女を打ち据え、破壊する!
翠LP2500→1700
『よしっ…!私はカードを1枚伏せて、ターンエンド!』
璃緒LP4000
シルフィーネ 伏せ1 手札2
「良い攻撃ね!璃緒ちゃん!普通のデュエリストだったら、なかなか立て直しが効かないと思うわ!」
『ううん…凌牙はここから巻き返して来たわ、これくらいじゃダメなのよ!』
「う〜ん…もう少し、自分に自身を持って良いと思うけどなぁ…」
「私のターン!ドロー!」
「『不知火の
祭主装束を纏う神官が現れる! ATK1500
「『宮司』の効果発動!召喚に成功した時、墓地の不知火モンスター『妖神─不知火』を特殊召喚!」
再び妖刀の巫女が復活する! ATK2100
「そして私はレベル4の『宮司』とレベル2『妖刀─不知火』でチューニング!!」
4+2=6
「受け継がれし秘伝の技!今こそ現世へ蘇れ!シンクロ召喚!『
頑強なる武士が妖刀を構えて出陣する! ATK2500
『2体目のシンクロモンスター…!』
「私は『妖神─不知火』の効果発動!1ターンに1度、自分のフィールド・墓地のモンスター1体を除外し、その種類によって効果を使用できる!私は『刀神─不知火』を除外して、効果発動!シンクロモンスターを除外した事で1つ目の効果発動!相手フィールドのモンスター1体を破壊する!不知火流・電華一閃!」
『シルフィーネ!?』
仲間から力を得た巫女の抜刀術がシルフィーネを両断する!
「さらに炎属性モンスターをリリースした事で2つ目の効果!相手の魔法・罠カードを1枚破壊!不知火流・華災旋風!」
妖刀から薙刀に持ち換えた巫女が薙刀を高速回転、炎の竜巻が伏せられていた「
「そしてアンデット族モンスターをリリースした事でフィールドのモンスターの攻撃力を300アップする!不知火流・明鏡止水!」
巫女が心を研ぎ澄まし、集中する!
妖神 ATK2100→2400
「バトルよ!『妖神』で璃緒ちゃんにダイレクトアタック!不知火流・不知火の舞!」
「くううっ…!!」
その身に焔の神を降ろした巫女が激しい薙刀の演舞で璃緒のライフを削る!
璃緒LP4000→1600
「私はこれでターンエンド!」
翠LP1700
妖神 転生の陣(効果無効) 伏せ2 手札1
『やっぱり母さんはすごいわ…巻き返されちゃった…!でも…ここからよ!!』
『私のターン!ドロー!……来たわ!私がドローしたのは「RUM-
「っ…!でも、この瞬間『シルフィーネ』の効果が消えるわ!」
フィールドの氷が解け、再び焔の魔法陣が燃え盛る!
『そして私は「七皇の剣」の効果発動!エクストラデッキから「ANo.103神葬零嬢ラグナ・ゼロ」を特殊召喚し、さらにカオスナンバーズにランクアップさせる!カオスエクシーズチェンジ!』
103
『現れて!「ACNo.103」!時をも凍らせる無限の力!今こそ蘇る!「神葬零嬢ラグナ・インフィニティ」!!』
巨大な鎌を手にした神すら葬る黒衣の巫女が現れる!ATK2800
『まだよ!「オーロラ・ウィング」を召喚!』
煌めく翼を持つ鳥が現れる! ATK1400
『さらにフィールドに鳥獣族・魚族のモンスターが存在する時!手札から「霊水鳥シレーヌ・オルカ」は特殊召喚できる!』
半鳥人半魚の精霊が現れる! ATK2200
『「シレーヌオルカ」の効果発動!自身の効果で特殊召喚に成功した時、フィールドのモンスターのレベルを3〜5変更させる!私はレベル5を選択!』
オーロラウィング☆4→5
『私はレベル5の「シレーヌオルカ」と「オーロラウィング」でオーバーレイ!エクシーズ召喚!舞い踊れ!「零鳥姫リオート・ハルピュイア」!』
氷を司る鳥人の姫が現れる! ATK2500
『いくわよ!!「リオートハルピュイア」の効果発動!ORUを1つ使い!相手モンスターの攻撃力を0にする!「妖神─不知火」の攻撃力を0に!アームフリージング!!』
「この効果を受けたら『ラグナインフィニティ』の効果で私はダメージ受けて負けちゃう…でも、そうはいかないわ!罠カード発動!『不知火流
『なんですって!?』
巫女の身体から『炎の神』が分離…空を飛ぶツバメすら落とす必殺の太刀で黒衣の巫女と鳥人の姫を斬り裂いた!
「そして『宮司』の効果で特殊召喚された『妖神─不知火』は除外され、『燕の太刀』の効果でデッキから『不知火の武士』を除外するわ!」
『私だって!!墓地の「ラグナインフィニティ」の効果発動!ORUを持ったこのカードが破壊され、墓地に「ラグナゼロ」が存在する時、このモンスターを特殊召喚できる!リターン・フロム・コキュートス!』
氷の結晶が集い、黒衣の巫女が復活する! ATK2800
「なら、私は除外された『不知火の
『それでも、母さんのフィールドはガラ空きよ!「ラグナインフィニティ」でダイレクトアタック!』
「甘いわ!リバース罠『不知火流 才華の陣』を発動!手札から『不知火の
顎髭を生やした不知火流の師範が現れ、黒衣の巫女の一撃を受け止め、破壊される! DEF0
「『才華の陣』の効果で特殊召喚されたモンスターはフィールドを離れる時、除外されるわ」
『止められた…!!私はこれで、ターンエンド!』
璃緒LP1600
ラグナインフィニティ 手札0
『でも、これで母さんの手札は1枚…フィールドにカードはないわ…次のターンで…!』
「ふふっ…『墓地は第2の手札、除外は第2の墓地』…いくわよ!!」
翠を追い詰めたかに見えた璃緒…だが、翠は最後の攻撃を仕掛ける!
「私のターン!ドロー!」
「『逢魔ノ妖刀─不知火』を召喚!」
再び刃紋が輝く妖刀が現れる! ATK800
「『逢魔ノ妖刀』の効果発動!このターン、アンデット族モンスターしか特殊召喚できなくなる代わりに、除外された不知火モンスター2体を効果を無効にして、守備表示で特殊召喚できる!現れて!『不知火の武士』!『妖神─不知火』!」
不知火流の剣士、神を降ろした巫女が蘇る! DEF0
DEF0
「そして…私はレベル7の『妖神─不知火』にレベル3の『逢魔ノ妖刀』をチューニング!!」
7+3=10
「受け継がれし秘伝と退魔の御技、今こそ魔を断つ神を呼び覚ませ!シンクロ召喚!!出陣せよ!『
フィールドに冥界からの孔が開く…その孔の彼方から、炎を纏う馬を駆る炎の神が現れる! ATK3500
『レベル10、攻撃力3500のシンクロモンスター!?』
「バトルよ!『炎神─不知火』で璃緒ちゃんにダイレクトアタック!退魔の太刀・不知火!!」
『っ…!きゃあああ…!』
炎の神の退魔の一閃が璃緒のライフを削りきった…。
璃緒LP0
翠WIN!
「うぅ…あと少しだったのに〜!!」
「ふふっ…惜しかったわね、璃緒ちゃん!」
デュエルが決着し、悔しがる璃緒を翠が助け起こす。
「う〜ん…璃緒ちゃん、もう少しエクシーズモンスターを守るカードを入れたら良いんじゃないかしら?カウンター罠の『エクシーズ・リフレクト』とか『エクシーズ・ブロック』とか…あとは『ラグナインフィニティ』の効果を活かせて攻撃にも防御にも使える『収縮』とか『ハーフ・シャット』とかも良いかしら!」
「母さんって、意外に厳しい事言うよね…」
「あら?そう?」
翠のアドバイスに璃緒はげんなりとした表情になる…なかなかに実戦的なアドバイスだったからである。
「……璃緒ちゃん、知ってる?『氷』ってね、ゆっくり時間を掛けて作ると…透明で溶けにくくて…固い氷ができるの、それは私達も同じ!焦らず、ゆっくり自分のできる事を増やして…しっかり固めていけば、きっと強くなれる!100年色んなデュエリストを見てきた私が保証するわ!」
「焦らず、ゆっくり固めていく……うん!わかったわ!なんだか元気出た!」
「よかった!やっぱり璃緒ちゃんは笑顔が可愛いいもの!」
「むぅ!?母さんくすぐったいよ〜!」
デュエルで自分の「答え」を見つけ、笑顔を見せた璃緒を翠が抱きしめる…璃緒は少し恥しそうである。
ピロロン!ピロロン!
「あら?もしもし?」
『あっ!璃緒さん!こんにちは!鉄男です!!』
璃緒のDゲイザーが着信を知らせる…電話の相手はガチガチに緊張した鉄男だった。
『あの、その、遊海さんが、入院したって聞いて……お見舞いに、行きたいんです、けど…!』
「あら…ありがとう!きっと、お父さんも喜ぶと思うわ!KC病院の前で待ってて!」
『わ、わかりました!いつまでも待ってます!!』
鉄男は笑顔で通話を切った…。
「璃緒ちゃん?鉄男君とはどんな仲なのかしら〜?」
「えっ……!?そ、それは…普通の、お友達で……」
「ふ〜ん?鉄男君、前より少しカッコよくなったんじゃない?少し痩せたって聞いたわよ〜?」
「そうなの!お父さんから何か言われ……あ…」
「(≧▽≦)」
「で、出掛けてきまーす!!」
「璃緒ちゃん!誰にも言わないから〜!!」
「な、なんでも無いったら〜!?」
《フォウ…!?フォーウ!?(特別意訳:えっ!?もしかして本当に!?…うっそだぁ!?)》
穏やかな青空に母子の微笑ましいやり取りが融けていった…。
─────────────────────
「遊馬…凌牙…心配、掛けたな…」
「目が覚めてよかったぜ!」
「父さん…本当に良かった…!」
翠と璃緒が微笑ましいやり取りをしている頃、病室で遊海と凌牙が再会する…凌牙は車椅子に乗り、遊馬が押して来たのだ。
「…父さん、相談したい事があるんだ」
「どうした…?」
遊海に声を掛けた凌牙は手にしていたデッキケースから数枚のカードを取り出す、それは…。
「………
凌牙が手にしていたのは…バリアンとして使っていた「本物」の「オーバーハンドレットナンバーズ」…既に失われたはずのカード達だった。
「アリトやミザエルに話を聞いたら、俺が『彗星のカエストス』や『超銀河眼の時空龍』を使ってきたって言うんだ…それでデッキを見たら、入ってやがった…」
「……アストラル、そこにいるか?…今の俺じゃ、姿が見えないんだ…」
(……ああ、ここにいる)
凌牙の思い詰めた表情を見た遊海はアストラルを呼び出す。
「…お前の意見を聞きたい」
(私もそのナンバーズを見せてもらった…とりあえずはドン・サウザンドの意思や呪いは残っていない…以前の「No.96」のような事はないだろう)
「そうか……凌牙、お前はそのカードをどうしたい?手放したいか?それとも…破壊するか?」
アストラルの言葉を聞いた遊海は凌牙に問いかける…自分達を苦しめた「呪いのナンバーズ」をどうしたいのかを。
「これは俺達の……七皇の王でもある俺の『罪』の象徴だ……でも、俺は逃げない…俺はこのカードを使って…みんなを守りたい…!!」
「シャーク…」
凌牙はナンバーズを握り締める…ドン・サウザンドの呪いによって人間界の仲間を裏切り、戦いを繰り広げた凌牙…オーバーハンドレットナンバーズはその象徴と言ってもいい……だが、強力な力を持つ事もまた事実…凌牙はそのカードで贖罪をしたいと考えていたのだ。
「そうか……凌牙、カードを使うのは
「わかった…!俺は、このカードをみんなの希望を守る為に使う!!」
「呪いのカード」を正義と守護に使う…凌牙はそう心に決めたのだった。
「さて……アストラル、遊馬……次は俺から相談なんだが……」
「どうしたんだ?遊海が相談なんて…?」
遊海の珍しい言葉に遊馬は首を傾げる。
「……ぐうっ…!!この、カードの事、なんだが……」
ギィン!!
「へっ…!?」
「父さん!?そのカードは…!!」
(『CiNo.1000』…!!)
一瞬、苦しげな表情を浮かべた遊海の胸から禍々しい光と共に2枚のカードが飛び出す、それはドン・サウザンドの分身とも言える『混沌』のカード…『夢幻虚神ヌメロニアス』『夢幻虚光神ヌメロニアス・ヌメロニア』だった。
「………どうやら、ドン・サウザンドの置き土産らしい……」
「なんて事しやがったあの野郎!?あがっ…!?」
「シャーク!大丈夫か!?」
思わず叫んでしまう凌牙だが、それが傷に響き悶絶する…。
遊海に負けた後、自身の力と意思をカードに込めて遊海に取り憑こうとしたドン・サウザンド…だが、その足掻きも遊海の『NEXUSダイナマイト』によって失敗…邪神の意思は消滅したが……あろうことか、カードだけが残ってしまったのだ。
「さっきの言葉の手前、破壊するのはどうかと思うんだが…」
(「「いや!捨ててくれよ!?」」)
『オーバーハンドレットナンバーズ』以上の厄ネタに遊馬達の声が重なる…。
「…このカードは膨大な『カオス』を内包してる……これが一気に開放されたら、また問題が起きかねない……しばらくは俺が浄化しつつ、管理していくつもりなんだが…」
(………遊海、アヤカ曰く『ドン・サウザンドの意思は感じられず、当面の危険性はなさそう』との事だ……私としても、当面の管理をお願いしたい…アストラル世界もまだ不安定だ、そこに新たなカオスが流れ込んだら……本当に新たな戦いが起きてしまう)
「やっぱり、そうだよなぁ…」
精霊が見えない遊海に代わり、アストラルがアヤカの言葉を代弁…さらに、アストラルとしての依頼を伝える…遊海は仕方なく、その依頼を受け入れた。
「まぁ、俺1人の犠牲で世界が守れるなら……俺は喜んで人柱になるさ…」
「…そんな事言うんじゃねぇよ、父さん…父さんを1人にはしねぇよ!」
「そうだぜ!オレ達にも任せてくれよ!」
「──ああ、頼りにしてるぜ…遊馬、凌牙………ああ、ホッとしたら、また……ねむ、く……──」
「おやすみ、父さん……遊馬、頼む」
「ああ、静かにな…!」
悩み事が解決した遊海は再び眠りに落ちる…凌牙達はその様子に安心しながら病室を後にする…。
凌牙達と璃緒&鉄男がばったり出会うまで…あと1分。
遊海は『混沌の置き土産』を手に入れてしまった ▼
気まぐれアンケート! ゲストキャラクター『フォウくん』はどうだった?
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可愛かった!
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なんでいるの!?(驚き)
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なんでいるの…?(否定寄り)
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遊海のもう1匹のパートナー
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……ありがとう