転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
そして本編の前に…1つ宣伝をさせて頂きます!
古参の読者の方ならご存知かもしれませんが…なんと!拙作『決闘の観測者』とのコラボ小説を書いてくださった方がいらっしゃいます!
その物語の題名は『時空大戦 札の章 断章』…pixivにてユーザーネーム『十六夜月』さんが執筆してくださった、前・中・後編の3部構成の作品です!
時空大戦 札の章 断章(前編)
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=9976606
中編
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10075449
後編
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=10124104
長編作品ですが…読み進めると本編に繋がる要素があったりして?というより、遊海のもう一人の相棒である『メガロック』は十六夜月さんのアイデアから誕生したキャラクターだったり!あとは…他のハーメルン作品の決闘者が出演していたりもします!
そして、なんと!再び遊海が十六夜月さんの作品世界に登場します!
時空大戦 歴史の章 第3.5話A セブンスターズ編
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16492870
こちらは『断章』の事件の後、遊海が別世界への救援の為にゲスト参戦!本編とは違う、もう1つの遊海の物語をお楽しみください!
それでは改めて…久々の本編をどうぞ!
「ふぁぁ…平和だなぁ…」
《フォーウ…》
《ZZZ…》
日常を取り戻したハートランドにて…遊海はフォウやメガロックと共に日光浴をしながら微睡んでいた。
ドン・サウザンドとの戦いの傷も癒え、ユウスケが不良・悪党を牽制したおかげでハートランドも平和になり…遊海達は穏やかに過ごす事ができている。
ピロロン!ピロロン!
「んむ…?はい、もしもし?」
『白波さん、お久しぶりです』
「おお、カイト!どうしたんだ?」
遊海のDゲイザーが着信を知らせる、連絡の相手はカイトだった。
『頼みたい事があって…お会いできませんか?』
「頼み事…?分かった!少し待っててくれ!」
『ありがとうございます』
カイトからの頼み事…それを確かめる為に身支度を整えた遊海はハートの塔へと向かった…。
………
「海馬コーポレーションに技術協力を頼みたい?」
「ええ…その為に白波さんの力を借りたいんです」
Dr.フェイカーの研究所、遊海はそこでしばらく振りにカイトやトロンと再会…頼み事の内容を聞かされていた。
『今、僕達はアストラル世界の協力を得て異次元の研究をしている…それは知っているよね?』
「ああ、ゾーンやラプラス…アストラル世界の五命星が中心だったよな?」
『そこで…1つの壁に突き当たってしまってね…』
「壁?」
トロンの言葉に遊海は問い返す。
「素材を調達できないんです…」
「素材…」
カイト曰く、次元を行き来する為のゲート(遊馬をアストラル世界に送り出した奴の改良版)と荷物を運ぶ為の『船』を造りたいらしいのだが…次元の行き来を何回もできるような頑丈な素材が足りないらしいのだ。
『現状ではアストラルと遊馬の飛行船を借りて、少しのアストライトやバリアライトを運んで来るしかなくてね……でも、将来的にはアストラル世界に頼らない、人間世界の素材で強靭な『船』を造る素材とノウハウがほしいのさ』
「確かに…それなら海馬コーポレーションに頼るのは道理だな…」
世界一の大企業となった海馬コーポレーション、その主力商品はデュエルモンスターズ系の商品…そして、永久機関『モーメント』の製造である。
凄まじいエネルギーを発するモーメント…かつての大事故【ゼロ・リバース】を再び起こさないようにKCは遊星・イリアステルの協力を得てモーメントの強化・改修を続け…今では文字通り『永久』に動き、暴走しないモーメントの開発に成功しているのである。
『それに…過去の文献の中に「次元領域エミュレーター」なる次元を移動する装置を開発したという記述を見つけてね…遊海は知ってるんじゃないか?』
「ああ…あれか〜…」
トロンの言葉に遊海は遥か昔…GXの物語の前の事を思い出す。
藍神ことディーヴァとトラゴエディアの事件からしばらく…海馬社長が『千年キューブ』を解析し、造ったのが『次元領域エミュレーター』…劇場版遊戯王のラストに登場したアレである。
海馬社長は理論上、その装置でアテムのいる『冥界』に行ける事に気付き、自身で実験を強行……結果は一応成功した…だが海馬社長自身がその実験を凍結し、そのノウハウはGXの物語で精霊界と人間界を繋いだゲートに生かされたらしい。
なお、凍結の真実としては海馬社長に無闇に冥界への干渉をしないように頼んだのだと、アテムから聞かされている。
「海馬瀬人……今は瀬人さんか、彼を通じて協力を依頼したい…遊海さん、頼めますか…?」
「う〜ん……瀬人なら受けてくれるとは思うけど…」
瀬人…それは、今は亡き海馬社長の記憶と精神を受け継ぐデュエルロイド…表だってはその存在は秘匿されている。(カイバーマンとしては例外)
だが、その影響力は未だ絶大…現社長も相談役として瀬人を頼りにしているのだ。
【フン…話は聞かせてもらったぞ、遊海、天城カイト、バイロン・アークライト!】
『「っつ!?」』
「瀬人!?」
突然、研究所のモニターに瀬人の姿が映し出される!
《イイっ!?ハッキングされたでアリマス!?》
【ふん、セキュリティが脆弱過ぎる!オレのハッキングを防ぎたくば…これの3倍強固な防壁を作るのだな!!】
「瀬人…電子生命体のお前のハッキングを防ぐのは無理だって(汗)」
こともなげにハッキングを成功させた瀬人…彼はデュエルロイドであり、ネットワーク上に本体が存在する生きたAI…電子生命体でもある、どんな防壁であろうと…ネットワーク世界に召喚された『青眼の白龍』の攻撃を受けたらひとたまりもないだろう。
【ハートランド…Dr.フェイカーとの技術協力、オレとしても吝かでない…だが、条件がある!】
『条件…?』
【天城カイト…オレと
「おーい!?」
「瀬人さん…伝説のドラゴン使いと…デュエル!?」
瀬人の思わぬ条件に遊海を含めた全員が唖然となる…。
【天城カイト…お前は
「あっ…」
「(ああ、完全に闘志に火がついてらっしゃる…)」
それは月面でのミザエルとの戦いの記録…その中でカイトはミザエルを『最強のドラゴン使い』と表した、だが…デュエルに勝利したのはカイトである、瀬人は『最強のドラゴン』という言葉に反応したのだ。
【戦いは明日!ハートランドスタジアムで待つ!全力でオレに挑んでくるがいい!!ふはははははは!!】
高笑いと共に瀬人は研究所のネットワークから去っていった…。
《か、カイト様…!》
「あ〜……ドンマイだ、カイト…知っての通り、瀬人は言い出したら聞かない・止まらないから……付き合ってやってくれ」
「光栄な事だが……とんでもない事になってしまったな…」
『遊海、よく彼の友人でいられたね…?』
「あれでも…だいぶ丸くなったんだぞ?ちゃんと猶予もくれてるし……」
思わぬ事で瀬人とデュエルする事になってしまったカイト…彼は急いで準備を始めたのだった。
『よく来たな、天城カイト!こうして会うのはお前達を海馬ランドに招待して以来か?』
「ええ、まさか…貴方とこんな形でデュエルする事になるとは…!」
翌日、正午…貸し切られたハートランドスタジアムで瀬人とカイトが対峙する…なお、遊海とオービタル7が見届け役として付いて来ている。
『フン…オレに対して敬語は不要だ、貴様のデュエリストとして…そしてドラゴン使いとしてのプライドを懸け、オレに挑んで来るがいい!!』
「そうですか……なら!オレの魂!ギャラクシーアイズと共に…全力で貴方を乗り越える!!」
『フッ、良い顔だ…!』
瀬人の言葉に応え、カイトは闘志を開放…伝説へと挑む!
『遊海!デュエル開始の合図をしろぉ!』
「りょ〜かい…!デュエル、開始ィィ!!」
「『デュエル!!』」
瀬人LP4000
カイトLP4000
『俺のターン!ドロー!』
『俺は手札の「
「いきなりか…!!」
瀬人のフィールドに光が集い、伝説の白き龍が現れる! ATK3000
『さらに俺は「青き眼の乙女」を召喚!』
美しい白い髪と青い瞳を持つ美しい少女が現れる! ATK0
『そして永続魔法「青き眼の幻出」の2つ目の効果発動!自分フィールドのモンスターを対象として、手札に戻す!俺は「青き眼の乙女」を選択、そして効果発動!「青き眼の乙女」が効果の対象になった時!デッキ・手札・墓地から新たなモンスターを特殊召喚できる!デッキより現われよ!2体目の「青眼の白龍」!』
乙女の祈りによって2体目の白龍が現れる! ATK3000
『さらに「青き眼の幻出」の効果!自分のモンスターを手札に戻す事により!手札から「ブルーアイズ」モンスターを特殊召喚する!手札から現われろ!「
4枚の翼を持つ神々しい白龍が現れる! DEF2500
『「深淵の青眼龍」の効果発動!特殊召喚に成功した時、デッキから儀式魔法「カオス・フォーム」を手札に加える!そしてカードを1枚伏せ、ターンエンド!さらに「深淵の青眼龍」のもう一つの効果発動!自分エンドフェイズにデッキからレベル8のドラゴン族モンスター「ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン」を手札に加える!』
瀬人LP4000
青眼の白龍 青眼の白龍 深淵の青眼龍 青き眼の幻出 伏せ1 手札3→4
「これが、『伝説のドラゴン使い』の実力か…!!」
「(うへ…容赦なさ過ぎだって…)」
《カイト様…!!》
フィールドに並び立つ伝説のドラゴン達にカイトは一瞬たじろぐ…だが、自身の魂たるギャラクシーアイズと共に…伝説に立ち向かう!
「オレのターン!ドロー!」
「オレは魔法カード『逆境の宝札』を発動!自分フィールドにモンスターが存在せず、相手フィールドに特殊召喚されたモンスターが存在する時、カードを2枚ドローする!そして、手札の『
巨大な大剣を構えた剣士が現れる! ATK0 ☆8→8
「さらに『
小さな銀河を巣にした可愛らしいドラゴンが現れる! ATK300
「『雲篭』の効果発動!このカードをリリースする事で…オレのエースモンスターを手札から呼び出す!闇に輝く銀河よ!希望の光となりて我が下僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!現れろ!!『銀河眼の光子竜』!!」
カイトが手にした槍を雲篭に投擲…宇宙の力を得た小竜は成長し、瞳に銀河を宿すドラゴンが現れる! ATK3000
『ほぅ…!これが「ギャラクシーアイズ」か…間近で見るのは初めてだが……ふつくしい輝きだ…!』
「ふっ…美しさだけじゃない…オレ達の持つ希望の強さを見せてやる!!オレはレベル8の『銀河剣聖』と『銀河眼の光子竜』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!」
カイトは手にした希望の聖剣を地面へと突き立てる!!
「現れろ!銀河究極竜『No.62』!!」
62
「宇宙に彷徨う光と闇…その狭間に眠りし哀しきドラゴン達よ!その力を集わせ、真実の扉を開け!!|『銀河眼の光子竜皇』《ギャラクシーアイズ・プライム・フォトン・ドラゴン》!!」
光子竜が光に包まれ、カイトの希望を示す姿へと進化を遂げる…この姿こそ、伝説の『光のドラゴン』…希望を繋ぎしドラゴンの真の姿である! ATK4000
『早速現れたか!希望のドラゴンよ!!』
「これがオレの希望の化身!『光子竜皇』がフィールドに存在する限り、フィールドのランクを持たないモンスターに、そのレベルと同じランクを与える!」
青眼の白龍★8
青眼の白龍★8
深淵の青眼龍★8
「いくぞ…!瀬人!!『光子竜皇』の効果発動!フィールドのモンスターの全てのランクを1つ上げる!!」
『なんだと?』
光子竜皇の咆哮がフィールドのモンスターをランクアップさせる!
光子竜皇★8→9
青眼の白龍★8→9
青眼の白龍★8→9
深淵の青眼龍★8→9
「そして『光子竜皇』はさらなる効果を持っている!このモンスターの攻撃力は相手とバトルする時、フィールドのランクの合計×200アップする!現在のフィールドのランクの合計は36…よって7200アップする!!」
『ククク…確かに希望の化身と名乗るだけはある…!その一撃を受ければ俺の敗北……ならば、見せてやろう!原初の「究極」を!!速攻魔法発動!「
「なにっ!?このタイミングで融合だと!?」
瀬人の背後に現れた光の渦に3体のブルーアイズが飛び込む!!
『これが原初の究極…史上最強のドラゴン!現れろ!!
「っ─!!」
それは原初の究極…3つの首を持つ、最強の兵器…海馬瀬人の誇りを示すドラゴンが現れる! ATK4500
「これが伝説のドラゴンか…!!」
カイトは降臨した究極竜に目を奪われる、それは神とも違う神々しさ…そしてギャラクシーアイズとは違う美しさを放っていた…!
『「究極融合」のさらなる効果発動!融合召喚に成功した時、融合素材としたモンスターの数まで相手の表側表示のカードを破壊する!砕けるがいい!「光子竜皇」!アルティメット・フュージョン・バースト!!』
「『光子竜皇』…!!」
《か、カイト様─!!》
究極竜から放たれた破壊の極光が希望のドラゴンを粉砕する!!
『どうだ?カイト!これが我がブルーアイズの力だ!!』
「っ…だが、まだだ!装備魔法『
再び光のドラゴンが復活する! ATK3000
「カードを1枚伏せ、ターンエンド!」
カイトLP4000
光子竜(銀河零式) 伏せ1 手札2
《これが伝説のデュエリストの手腕…!恐ろしく強いでアリマス…!》
「だが、カイトはまだ諦めてはなさそうだ…瀬人の攻撃を耐えられるか…?」
切り札を破壊されたカイト…だが、その闘志はまだ揺らいではいない…!
『俺のターン!ドロー!!』
『ふぅん……儀式魔法「カオス・フォーム」を発動!フィールドの「深淵の青眼龍」をリリース!光と闇の支配する混沌の青き宇宙より…光来せよ!儀式召喚!「ブルーアイズ・カオス・MAX・ドラゴン」!!』
異次元ゲートから混沌の力を宿せしブルーアイズが顕現する! ATK4000
「このモンスターは…!!」
『ゆくぞ!「カオスMAX」で「光子竜」を攻撃!混沌のマキシマム・バースト!!』
「この瞬間!手札の『
白い装甲を纏う機械の恐竜が現れる! DEF0
『俺のターンにエクシーズ召喚だと!?』
「いくぞ!!オレはレベル8の『銀河眼の光子竜』と2体分となった『銀河暴竜』でオーバーレイ!!」
モンスターが銀河に飲まれ、赤い光を纏うカイトの手に紅き槍が現れる!
「逆巻く銀河よ!今こそ怒涛の光となりて、その姿を現すがいい!!降臨せよ!我が魂!!|『超銀河眼の光子龍』《ネオ・ギャラクシーアイズ・フォトン・ドラゴン》!!」
カイトが紅き槍を銀河へと投擲…光の大爆発中から赤い光を纏う3つ首のドラゴン、カイトとハルトの絆の化身が現れる! ATK4500
『赤き龍か…!攻撃を中断!だが、攻撃力は「究極竜」と互角だ…!受けるがいい!!アルティメット・バースト!!』
「まだだ!速攻魔法『
『なにっ…!!ぬぅぅ!!』
破壊の極光と紅き螺旋の光が衝突…だが、勢いを増した紅き光が究極竜を飲み込み、粉砕する!!
超光子竜ATK4500→6000
瀬人LP4000→2500
《流石でアリマス!カイト様─!!》
『「究極竜」を乗り越えたか…だが、これで俺は…『海馬瀬人』の魂のカードを呼び出す事ができる…!!手札から「ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン」の効果発動!自分のブルーアイズが破壊された時、このモンスターを特殊召喚できる!!』
「破壊をトリガーにしたモンスター効果…!!」
『無窮の時…その始原に秘められし白き力よ!鳴り交わす魂の響きに震う羽を広げ…蒼の深淵より出でよ!『ディープアイズ・ホワイト・ドラゴン』!!』
神に近しい力を得て覚醒した、光輪を背負うブルーアイズが現れる! ATK0
「すごい…!!」
現れたのは瀬人の…海馬瀬人の切り札、究極竜とは違う、静かな闘気にカイトは圧倒される…!
『「ディープアイズ」の効果発動!このカードが特殊召喚に成功した時、相手に墓地のドラゴン族1種類につき600ダメージを与える!墓地のドラゴン族は2体!墓地のドラゴンの怒りを受けよ!リベンジ・ドラゴニック・フォース!!』
「ぐうううっ!!」
瀬人の背後に現れた『究極竜』と『青眼龍』の幻影がカイトを吹き飛ばす!
カイトLP4000→2800
『さらに「ディープアイズ」は墓地のドラゴン族モンスターの力を受け継ぎ、その攻撃力を得る!俺は墓地の「究極竜」を選択!攻撃力は4500となる!』
ディープアイズATK0→4500
『俺はこれでターンエンドだ』
瀬人LP2500
ディープアイズ カオスMAX 幻出 手札1
「強い…!!」
『フハハ!思ったよりも強いな!カイトよ!久しぶりに血が騒ぐぞ…比喩的にだがな!』
「パワー対パワー…どんな決着になるか…!」
瀬人はカイトとのデュエルの中で初めて笑みを見せる、機械の体であろうとも…その身に宿る「海馬瀬人」の精神が強力なドラゴンを前に昂ぶっている…!
「オレのターン!ドロー!!」
「よし…!魔法カード『銀河の施し』を発動!自分フィールドにギャラクシーエクシーズモンスターが存在する時、手札の『光子竜降臨』を捨て、2枚ドローする!そして…魔法カード『地砕き』を発動!相手フィールドの守備力が一番高いモンスターを破壊する!!」
『フン…!「カオスMAX」と「ディープアイズ」の守備力は共にゼロだ!さぁ…どちらを選ぶ?』
「オレが選ぶのは…『ディープアイズ』だ!!」
カイトの宣言と共に地面が隆起、ディープアイズに牙を剥く!
『ふっ…手を誤ったな…!「ディープアイズ」の最後の効果発動!このモンスターがカード効果で破壊される時、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!!お前も道連れだ!「超銀河眼の光子龍」─!!』
「なにっ─!?」
隆起した地面がディープアイズに突き刺さる…だが、ディープアイズが最後に放った光線が超光子龍を貫き、粉砕する!!
「くっ…!オレはモンスターをセットし、ターンエンド!!」
カイトLP2800
セットモンスター 手札0
「カイトが追い詰められたか…!」
《カイト様…!》
カイトの場には伏せモンスターが1体、そして手札は0…絶体絶命である…!
『カイト、お前はよく戦った…ドラゴン使いの先達として…お前に敬意を表し、全身全霊でお前にトドメを刺す!』
「っ…!!」
『オレのターン!ドロー!!』
『「青き眼の乙女」を召喚!』
再び白い髪の少女が現れる! ATK0
『そして永続魔法「青き眼の幻出」の効果発動!「青き眼の乙女」を手札に戻す…が、この瞬間!「青き眼の乙女」の効果発動!デッキから再び現れろ!「青眼の白龍」!!』
乙女の祈りにより再び伝説の龍が降臨する! ATK3000
『「青き眼の幻出」の効果!手札より現れろ!2体目の「青眼の白龍」!!』
フィールドに2体目の白龍が並び立つ! ATK3000
『そして…!フィールドの「青眼の白龍」2体を墓地に送る事で…このモンスターをエクストラデッキから特殊召喚する!!現れろ…!
フィールドの白龍が閃光に包まれる…そして双頭の白龍が降臨する! ATK3000
「っ…!『融合』を使わずに融合モンスターを…!」
『フン…!「双爆裂龍」は戦闘では破壊されず、モンスターに2回攻撃できる!バトルだ!「双爆裂龍」でセットモンスターを攻撃!ツイン・バースト・ストリーム!!』
破壊の極光がセットモンスターに迫る!!
「セットモンスターは『
鏡を持つ魔道師が極光を受け止め、砕け散る! DEF800
カイトLP2800→3600
「さらに、戦闘破壊された『魔鏡師』は再びフィールドにセットされる!…ただし、この効果で特殊召喚されたこのモンスターはフィールドを離れた時、除外される!」
『ならばもう一度だ!「双爆裂龍」でセットされた「銀河魔鏡師」を粉砕!!』
「ライフを800回復する!ぐううっ…!!」
再び現れた魔道師が極光を受け止め、破壊される!
カイトLP3600→4400
『ライフを回復し耐えるつもりか…ならば、受けてみよ!「カオスMAX」でダイレクトアタック!混沌のマキシマム・バースト!!』
「ぐうっ…!!がああああっ!!?」
《か、カイト様─!!》
全てを灰燼に帰す混沌の極光がカイトを吹き飛ばす─!
カイトLP4400→400
『俺はこれでターンエンドだ!』
瀬人LP2500
カオスMAX 双爆裂龍 幻出 手札1
「ぐうっ…!」
『カイト、貴様に問う…お前達は何故、異世界を目指す?』
瀬人は倒れ込んだカイトに問いかける。
『確かに、異世界の技術は人類に新たな可能性をもたらすだろう…だが、それにより新たな争いが生まれるかもしれん、もしくは…この世界を破滅に導く可能性もある…それはお前もよく分かっているはずだ』
「………」
瀬人の言葉にカイトは思い返す…まだハルトの為に『ナンバーズハンター』として戦っていた時、強すぎる異世界の力に体が耐え切れず、カイトは満身創痍となっていた…。
それは今の『異世界研究』にも言える事…この研究がもたらすのは…人類への利益だけとは限らないのだ。
『故に問う、お前達は何を求める?』
「…
『ほう…?』
《カイト様…》
瀬人はカイトの答えに眉を上げる。
「アストラル世界も、バリアン世界も…オレ達人類にとってはまったくの『未知』の世界だ……だから、その力がオレ達に何をもたらすのか…オレはそれが知りたい!その結果で争いが起きるなら…オレ達がそれを止める!!」
『フッ…未知故に調べる、か…未知を探求するのは人類の性…良いだろう、及第点をくれてやる!だが、デュエルは別だ!』
「ああ…!そうだな瀬人…オレは…オレの勝利への方程式は、既に出来ている!!」
『ほう…ならば、見せてみろ!貴様の勝利への1手を!!』
「いくぞ!!これが、オレの全力だ─!!」
問答を終えたカイトは最後の攻撃を仕掛ける!
「オレのターン!ドロー!!」
「この瞬間!墓地の『銀河眼の光子竜皇』の効果起動!!今こそ舞い戻れ!未来を操る光の化身よ─!!」
62
『なにっ─!?』
フィールドを閃光が埋め尽くす…そして光の彼方から、希望の光が舞い戻る! ATK4000
『何故、「光子竜皇」が…!』
「『光子竜皇』が破壊された時、既に最後の効果が発動していた…!ORUを持つこのカードがフィールドを離れた時、そのORUの数のターンのスタンバイフェイズにオレのフィールドに特殊召喚される…破壊された時のORUは2つ、よって2ターン後の今、その姿を現した!!」
『なるほど…!お前は既に希望を未来へと託していたという事か…見事だ!さぁ、お前の希望の一撃を見せてみろ─!』
「ああ!!『光子竜皇』が自身の効果で特殊召喚されたターン、相手モンスターとバトルする時!その攻撃力はフィールドを離れた時のORUの数を掛けた数値になる!ORUの数は2つ、つまり攻撃力は2倍になる!『光子竜皇』で『ブルーアイズカオスMAXドラゴン』を攻撃─!!」
光子竜皇に希望の光が集う! ATK4000→8000
「さらに!『光子竜皇』の攻撃力はフィールドのモンスターのランクの合計×200アップする!ランクの合計は26!よって攻撃力は…!」
『13200…凄まじいものだ──』
光子竜皇ATK8000→13200
「これが、オレの全力!!エタニティ・フォトン・ストリィィィム!!」
光子竜皇の希望の閃光が混沌の龍を飲み込む…世紀のドラゴン対決はカイトの勝利で幕を下ろした…!
瀬人LP0
カイトWIN!
《カイト様!大丈夫でアリマスカ!?》
「問題ない…久々の実戦で少し疲れただけ、だ」
「無理すんなって…回復してやるから座ってろ…」
「…すいません、白波さん…」
デュエルが終わり、全力を使い果たしたカイトは座り込んでしまうが…遊海がすぐさま回復魔法で回復させた。
『カイトよ、見事だった!技術協力の件は俺から社長に話を通してやる!』
「瀬人さん…!感謝します!」
軽く埃を払った瀬人はカイトに技術協力の承諾を伝える。
『そして…遊海!お前を目付役とする!もし、バイロンやフェイカーが再び道を誤りそうになった時には……お前が疾く止めろ…わかったな?』
「了解!…と、言っても…正直、科学系の知識は専門外なんだが……まぁ、なんとかするさ!」
さらに瀬人は遊海をカイト達の監視役に(強制的に)任命したのだった。
『フン…そして、今回のデュエルは俺の負けだが……次はこうはいかん!また相手をしてもらうぞ?希望のドラゴン使いよ!!』
「望む所です…!また戦いましょう、瀬人さん!」
伝説と希望…2人のドラゴン使いは固く握手を交わしたのだった。