転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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第5部 ARC-V編 第1章 躍動決闘都市 スタンダード・舞網
Ep.1 記憶喪失の少年と少年道化師〜運命のペンデュラム〜


カン…カン…カンカンカンカン……カカン!!

 

 

「さぁ、時は満ちた…征くぞ!!」

 

 

そこは桜吹雪が舞い散る和風の都、その場所で白い学ランを纏い、鉄下駄を履いた益荒男がデュエルを行っていた!

 

「俺は『超重武者ワカ─02』と『超重武者ソード─999』をリリース!『超重武者ビック・ベン─K』をアドバンス召喚!!」

薙刀を構えた機械武者と青い鎧の機械武者がリリースされ…大薙刀を持つ機械僧兵が現れる!

 

 

「さぁ…()()よ!この男、権現坂と尋常に勝負しろ─!!」

学ランの男…否、少年である権現坂は名乗りを上げる…その正面には対戦相手はいない。

 

だが、その相手は巨大な門の上で、満月を背負い立っていた─!

 

 

 

 

 

 

「レディース&ジェントルメーン!!」

 

《ヒポ!》

 

 

 

………小柄なピンクのカバに跨り、風情も何もない名乗りを上げながら…。

 

 

「オレは速攻魔法『カバー・カーニバル』を発動!イッツ!ショータイム!!」

 

《ヒポ〜!ヒポヒポ〜!!》

 

「はっ─!?」

速攻魔法を発動した少年…榊遊矢の前にサンバの衣装を纏った雌カバ達が現れ、踊り始める…桜舞い散る古都に響くサンバと踊るカバ……なんともシュールな光景である。

 

「ば、馬鹿者!!俺をおちょくっているのか!?()()と違うではないか─!!」

踊るカバを見た権現坂は怒りと困惑の叫びを上げるが…彼以上に腹を立てている人物もいて──

 

 

 

 

「あの…馬鹿─!!」

モニターでデュエルを見守っていた赤毛の少女が怒りの声を上げる!

 

「遊勝塾の未来が懸かってるのに…!マジメにやりなさい遊矢─!!」

幼馴染の醜態に怒った少女はその手を叩き付ける……デュエルを制御するコンピューターのキーボードに。

 

 

ガン!!…ピシッ…バリバリ!!ドーン!!

 

 

「あっ…!?きゃあああ!?!?」

 

「柚子ちゃん!?どうしっ…うわ!リアルソリッドビジョン発生器が─!?」

エラーを起こしたシステムが暴走、スパークすると共に爆発…異常を感じてやって来た白髪の青年を吹き飛ばした!

 

 

 

「柚子!遊希!何をやって…!?うおぉい!?」

 

「ご、ごめんなさい!お父さん─!!」

続いてやって来た赤とオレンジ色のジャージを着た男、柊修造は暴走するシステムを見て頭を抱える…!

 

 

「こ、コイツが壊れちまったら…オレの熱血指導が!?ソリッドビジョンが消えちまうぞぉぉ!?」

修造の叫びも虚しく…投影機の出力が不安定となる、そして…。

 

 

 

 

 

「これが!遊勝塾が誇る、エンターテインメント・デュエルでございま──うわっ!?」

 

『あっ…』

 

ゴッチーン!!

 

カバ達と踊りながら、見学者の少年に説明していた遊矢は…ソリッドビジョンが消えてしまった事で呆気なく床に叩きつけられた…。

 

 

 

『だ、大丈夫、ですか…?』

 

「イタタ……へ、ヘヘっ…ダイジョウブだよ〜ん!」

叩きつけられた遊矢を心配する少年に遊矢はおどけるしかなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

此処は『舞網市』、デュエルモンスターズに関する技術が大きく進んだ街。

 

その特色は『質量』を持ち、触る事のできるソリッド・ヴィジョン…『リアル・ソリッド・ヴィジョン』を利用したモンスターとデュエリストが地を駆け、空を舞うデュエルの進化系…『アクション・デュエル』発祥の地である事。

 

世界を熱狂に包むアクション・デュエル…その世界へと新たなデュエリストが飛び込もうとしていた…!

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

カチャカチャカチャ…ピッピッピッ…

 

 

 

「ど、どうだ?遊希…?直りそうか…?」

 

「……き、厳しいですね…システムが古くてジャンクパーツでの修理も限界です…残念ながら、買い換えるしかないかと…」

 

「我が塾には…そんな予算はないぞぉ……」

機械室に修造の悲嘆の声が響く…その声に青いジャケットを着た白髪の青年、榊遊希は静かに頭を下げる…。

 

「すいません、修造さん…!僕に、もう少し技術があれば…!!」

 

「謝る事はないぞ…お前はよくやってくれた……はぁ…とにかく、見学者に謝罪しないとなぁ…」

遊希を労った修造はこれからの事を考えて頭を抱えてしまった…。

 

 

………

 

 

「うううっ…オレの熱血指導がぁぁ〜!!ソリッド・ヴィジョン・システムが壊れて入塾希望者も帰ってしまった!!これでは我が『遊勝塾』の経営が〜!!」

しばらく後、デュエル塾・遊勝塾の事務室に修造の嘆き声が響いていた…。

 

舞網市にはデュエルモンスターズの戦略や扱い方を習う塾…『デュエル塾』が無数に存在している、デュエリスト達は自分に合った塾を選び立派な『プロデュエリスト』を目指している。

 

また、それぞれの塾には特色があり…『女性モンスター専門塾』『スポーツデュエル塾』『デッキ破壊専門塾』などなど…様々なものがある、そしてこの『遊勝塾』の特色はアクションデュエルの中でも演劇やマジックショーのように『人を楽しませる』事に特化したデュエルスタイル…『エンターテインメント・デュエル』を教える塾なのである。

 

だが、その遊勝塾は…創立以来、最大の窮地に立たされていた…。

 

 

「あ〜あ!柚子が機械を壊さなかったら…もっと笑わせてやれたのにな〜!」

 

「もう!遊矢がふざけるからでしょ!?」

修造が悲嘆に暮れる中、今回の事態の原因①である遊矢はゴーグルをしながら機械を壊した柚子をなじる…だが、柚子もまた遊矢の態度に怒っていたが…。

 

 

「この馬鹿遊矢!って…目を見て話しなさい!!」

 

「うわっと!ってふげ!?」

ゴーグルをしてふざける遊矢に対して柚子の張り手が飛ぶ…それを間一髪で避けた遊矢だが、避けた拍子に顔をゴーグルごと何かに打ち付けて悶絶する。

 

 

「痛て〜…まだいたのかよ!権現坂…」

 

「………」

遊矢がぶつかったのは先程までデュエルしていた相手、怖い顔で仁王立ちしていた権現坂昇の厚い胸板だった…なお、権現坂は遊勝塾の所属ではなく…その名も『権現坂道場』という塾の跡取り息子である、入塾者不足にあえぐ遊勝塾の応援の為にやって来たのだが…彼もまた怒っていた。

 

 

「……遊矢、あの少年は…()()()()()()()()()()ぞ」

 

「えっ?いやいや…結構笑って──」

 

「っ〜!!『笑わせる』のと『笑われる』のとでは天と地程も違うと言っているのだ!!」

 

「っ…」

それは権現坂からの…友からの忠言、見学していた少年は笑っていた…が、それは遊矢のドタバタを見ての失笑や苦笑……心の底から『面白い』と思った笑顔ではなかったのだ。

 

「遊矢、お前の()…榊遊勝はデュエルでみんなを笑顔にしていた…!あの時の心の底からの笑顔を忘れたのか!?」

権現坂は事務室に貼られたポスターを指し示す、そこに写っていたのは赤いスーツに身を包み、シルクハットを被った紳士…遊矢の父であり、アクションデュエル()チャンピオン…榊遊勝だった。

 

 

「……ま、ウチの親父も最後はみんなに笑われたけどね〜?」

 

「「「遊矢!!」」」

おちゃらけた態度を取り続ける遊矢に柚子達の声が重なる…その時だった。

 

 

 

「遊矢、遊勝さんの事を悪く言うんじゃない……あの人がいなくなったのには、きっと理由があるんだ…」

 

「……遊希兄…」

 

「遊希さん…」

遊矢の肩に手を置いてそう語り掛けたのは先程までソリッドヴィジョンの修理をしていた遊希だった。

オイルで汚れた顔のまま、遊希は穏やかに語り掛ける。

 

「遊矢、今のお前は顔で笑って…()では泣いている…まるで道化師のようにな……そんなんじゃ遊勝さんが戻ってきた時に呆れられちゃうぞ?」

 

「えっ……そ、そんな事ないさ!オレは……」

 

()()()()()()……一流のエンターティナーを目指すなら、力を抜ける時は抜くといい…柚子も権現坂もお前を笑ったりはしないさ…な?」 

 

「遊矢…お前も、お前なりに考えていたのだな…すまん」

 

「権現坂…」

遊希の言葉で遊矢の思いを知った権現坂は謝罪する…それは柚子も修造も同じ気持ちだった。

 

 

………

 

 

「それはそれとして…壊れたソリッドヴィジョンシステムはどうしようか…?」

 

「レンタルデュエルスペースを使うのも費用がかかる…かと言って『アクション・フィールド』が無ければアクションデュエルの指導ができん!弱ったなぁ……」

遊希の言葉に修造は再び頭を抱える…。

 

 

『これはこれは…お困りのご様子ですねぇ…?』

 

「っ…あの、どちら様で…?」

そんな時、事務室に赤縁のサングラスを掛け、黄色と黒色のスーツを着た何処と無く胡散臭い男性が現れた!

 

 

『ああ!申し遅れました!私、アクションデュエルの現役日本チャンピオン・ストロング石島のマネージャー兼プロモーターをしておりますニコ・スマイリーと申します!』

 

「ストロング、石島…!?」

仰々しく礼をしたニコ・スマイリーは修造に名刺を手渡す…そして『ストロング石島』という名を聞いた遊矢は表情を強張らせた…。

 

 

ストロング石島…それは舞網市…否、()()()()の大企業『レオ・コーポレーション』が運営するデュエル塾『レオ・デュエル・スクール(LDS)』のイメージキャラクターを務める、現アクションデュエルのチャンピオンである。

 

 

『LDSのイメージキャラクターを務めるストロング石島…そのファン感謝デーイベントに、是非!榊遊矢をお招きしたいのです!!』

 

「そこで、オレが…ストロング石島とデュエルを…!?」

 

『そのとーりです!あの3()()()()()()が現実となるのです!!』

 

「………3年前、か…」

ニコが持ってきた企画…それは遊矢にとって待ち侘びた機会であり──辛い思い出を呼び起こすものだった。

 

 

………

 

 

 

三年前…当時、アクションデュエルチャンピオンだった榊遊勝…その彼に新進気鋭の挑戦者としてストロング石島が王座に挑む…はずだった。

 

だが、その会場に遊勝は()()()()()()

 

当然、会場は非難の嵐に包まれた…

 

『ストロング石島に負けるのが怖くて逃げ出した!』『榊遊勝は臆病者だ!』『卑怯者だ!』

 

謂れもない罵詈雑言が飛び交う……その日以来、遊勝は行方不明となった…大切な家族に何も告げぬままに…。

 

 

 

………

 

 

 

『ほら!この通り…宣伝チラシも用意して!準備は万端なのです!』

ニコはファン感謝デーの宣伝チラシを取り出す…それを見た遊矢は生唾を飲み込むが…。

 

 

「ダメだ!!遊矢を、そんな場所に行かせる訳にはいかない!」

 

『えっ…何故ですか!?あの榊遊勝の息子が登場するとなれば!会場はおおいに盛り上が──』

 

「黙れ!遊矢を…()()()にはできん!!」

 

「あっ……」

遊勝塾の塾長として…修造はニコにNOの言葉を叩き付ける…それは遊矢の心情を思っての言葉だった…。

 

 

「この三年間、遊矢や遊希がどんな思いで過ごしてきたか…!いいから、帰ってくれ!!」

毅然とした態度でニコを追い返そうとする修造…だが、ニコはさらなる一手を指す…。

 

『それは残念ですねぇ…ご承諾戴けたら、お礼としてレオ・コーポレーション製の最新型リアル・ソリッド・ビジョンシステムをお納めさせていただこうと思っていたのですが…?もちろん()()で!!』

 

「マジすか!?」

 

「お父さんの馬鹿!!」

 

「ぎゃふん!?」

ニコの提案…それは数百万円もするリアルソリッドビジョンシステムの無償提供…その言葉を聞いた修造は鼻息荒くなるが…娘である柚子が即座に大ハリセンで修造にツッコミを入れる!

 

 

「たった今!遊矢を見せ物にはしないって言ったばかりでしょ!?」

 

「うぐ…」

 

「塾も大事だけど…!」

 

「大事なのは遊矢の気持ちだ!って………ん?遊矢は…?」

遊矢の気持ちを最優先で考える柚子と権現坂…だが、いつの間にか遊矢は姿を消していた…。

 

 

 

 

Side遊矢

 

 

「…………」

 

遊勝塾から抜け出した遊矢…彼は舞網スタジアムが見える大橋の上で物思いに耽っていた、その手に父から送られた水色のペンデュラムの首飾りを見つめながら…。

 

 

 

「『大きく振れば、大きく戻る…怖がって縮こまっていたら何もできない、勝ちたいなら…前に出ろ!』……遊勝さんもそう言ってたな」

 

「あっ…遊希兄…どうして…」

 

「ははっ…()…かな?遊矢なら此処に来てそうな気がしたんだ」

いつの間にか遊希が遊矢の隣に腰掛けていた…その手に遊矢のものに似た赤いペンデュラムを手にしながら…。

 

 

「ペンデュラムは…『何か』を探し出す道具でもある……父さんのペンデュラムがオレの進むべき道を示してくれる……」

 

「……遊矢、お前はどうしたいんだ?」

 

「オレは……戦う!柚子達に止められようと……父さんのエンタメデュエルは強いんだって、証明するんだ!」

 

「そっか…僕は止めないよ、これは遊矢が乗り越えるべき事だから…」

 

「ああ、揺れろ…揺れろ!ペンデュラム!オレの進む道を示してくれ…!!」

遊矢はペンデュラムに誓う…父の雪辱を晴らし、前に進むのだと…。

 

 

 

 

 

 

 

Side遊希

 

 

 

「遊矢は…直接ニコさんの所へ行ったか…口止めもされちゃったし…柚子ちゃん達には内緒にしないとな」

 

 

僕の名前は榊遊希……と言っても、()()じゃない…僕は記憶喪失で倒れていた所を遊勝さんと遊矢に助けられた…居候だ。

 

それまでの僕が何処に住み、何をしていたのかはまったく覚えていない…覚えているのは基本的なデュエルの知識に機械整備の技術…そして少しだけ高い身体能力を持っている事だけだ。

 

 

「いい加減、何か思い出したいよ……もう5()()だぞ…」

遊矢と同じようにスタジアムを見つめながら、僕はため息をつく……記憶の手掛かりになりそうなのは主に3つ。

 

赤いペンデュラムのネックレス

 

錆びついた鉄の板のネックレス

 

金色の鍵のような首飾り

 

他には壊れたデュエルディスクと()()()()デッキケースしか持っていなかったらしい……そして、僕には人にはない()()()がある、それは──

 

 

 

『ようやく見つけたぜい!榊遊希!』

 

「あっ…モクバ君、どうしたんだい?」

僕が考えていると黒スーツの男2人を従えた黒い地縮れた長髪の小学生が現れた、彼の名前は海馬モクバ…こう見えて世界一の大企業・海馬コーポレーションの副社長である。

 

 

『兄様からの伝言だ!来週の日曜日、海馬コーポレーションのイベントでデュエルをしてもらう…ってさ!』

 

「えっ?来週の日曜って…遊矢が……いや、そもそも僕は……」

 

『これは兄様からの正式な依頼だ!「遊勝塾の窮状を見過ごす事はできん、お前が活躍し…新たな活路を開くのだ!」…だってさ!イベントが成功したら正式に遊勝塾のスポンサーになっても良いって言ってたぜ!』

 

「はぁ…社長も無茶苦茶言うなぁ……でも、これなら…遊勝さんや修造さんに少しでも恩を返せる……やるしか、ないか…!」

 

モクバの言葉に遊希は少し悩んだが…覚悟を決める、素性も分からない自分を育ててくれた遊勝や友人達の為に戦う事を…!

 

 

『話は決まったな!戦う相手はデュエルの()()()()()()()()だから…気を引き締めろよ!遊希!』

 

「えっ…!?それって──!?」

 

思わぬ対戦相手に遊希は驚くしかなかった…。

 

 

 

…………

 

 

 

パン!パンパーン!!

 

 

「はぁ、はぁ…おい、遊矢…嘘だろぉ…!?」

 

「遊矢…!!」

 

数日後の舞網スタジアム…そこへ修造・柚子・権現坂は息を切らせながらやって来ていた…遊矢が自分達には内緒でストロング石島と戦う事を知ったからである。

 

スタジアムは超満員…花火が鳴り響き、チアガール達が声援を響かせる…それは、1人の男に向けられていた…!

 

 

『さぁ…!いよいよ、本日のメインイベントのお時間です!チャンピオン・ストロング石島に挑戦しますのは!あの伝説のデュエル・スター!榊遊勝の1人息子…!榊遊矢君でありまーす!!』

司会を務めるニコのコールがスタジアムに響く…!

 

『今回のデュエルはアクションデュエルの公式ルールに則って行われます…では、フィールド魔法「辺境の牙王城」を発動─!』

ニコの宣言と共にリアルソリッドヴィジョンが展開…スタジアムの景色がRPGに出てきそうな城や森へと変化する!

 

 

『おーっと!あの城の上に現れたのが!この3年間、アクションデュエルの頂点に君臨し続ける最強王者!ストロング石島だ─!!』

 

【うおおおーっ!!】

そしてスタジアムに姿を現したのは重厚な鎧を纏い、何処か世紀末的な化粧をした大男…ストロング石島が雄叫びを上げる!

 

 

『そして対する挑戦者…若きチャレンジャー!榊遊矢!!………あれ?遊矢君??』

続いて遊矢を呼び出すニコ…だが、入場口から遊矢は現れない…会場は騒然となる…!

 

 

──なんだよ、逃げたのかよ?──

 

 

──三年前の遊勝と一緒じゃないか──

 

 

──親子揃って卑怯者だ!──

 

 

「ちょっと…!」

 

「やめろ、柚子!耐えるんだ…!」

口々に不満を口にする…その光景はまるで3年前のようだった…。

 

 

【息子を引っ張り出せば、遊勝も姿を現すかと思ったが……期待ハズレだったか…くそ!アイツを倒さねば、オレは最強王者を名乗れんのに…!!】

姿を見せない遊矢、そして遊勝に対して怒りを露わにする石島…だが、彼は気付いていなかった…背後でパントマイムを行う()()の存在に…!

 

 

─な、何あれ…?ピエロ??─

 

─チャンピオン!後ろ後ろ!!─

 

【ん?なんだぁ?】

 

「ベロベロぶー!!」

 

【どわぁっ!?!?】

観客達の声で異常に気付いた石島が後ろを振り向く…そこには仮面を被ったピエロ……仮装した遊矢が立っていた!

 

 

 

【お前、榊遊勝の倅か…!それがチャンピオンに対する態度か!?】

 

「おおっと!これは失礼を致しました!」

虚を突かれ、動揺する石島…だが、すぐに立て直し遊矢に詰め寄る……だが、遊矢は道化の仮面を外し、チャンピオンへと向かい合う!

 

「では改めまして…お願いいたします、どうか私めとデュエルして頂けますか?チャンピオン─!」

 

【フン…!良いだろう!!】

遊矢と石島はデュエルディスクを展開、デュエルの準備を整える!

 

「さぁ…チャンピオン様のお手並み拝見!!」

 

 

『おっと!いきなり意外な展開となりましたが…役者は揃いました!!さぁ、手札を5枚用意して頂いて…さぁ、いきますよ─!!』

ニコがアクションデュエルに欠かせぬ口上を叫ぶ!

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!これぞ…デュエルの最強進化系!アクショーン!!』

 

 

【『デュエル!!』】

2人の掛け声と共に無数のカードがフィールド内に散らばっていく…アクションデュエルがついに始まった!

 

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢対ストロング石島

 

 

 

【先攻はくれてやる…念の為に教えてやるが、先攻は最初のターンはドローはできないぜ】

 

 

「これはお気遣いどうも…!さて…レディース&ジェントルマン!これより皆様に、本家本元のアクションデュエルをご覧いただきます──!!」

 

【なにっ─!?】

先攻を譲られた遊矢は城のバルコニーから縄のリフトを使い、地上に飛び降りる─!

 

 

「最初の出し物は…『EMディスカバー・ヒッポ』を召喚!!」

 

《ヒッポ!!》

地上へ向かった遊矢はシルクハットを被ったピンク色のカバを呼び出し、騎乗…フィールドへと走り出す!

 

遊矢のデッキは『EM』(エンタメイト)…派手な衣装を纏った動物達が主体のテーマである。

 

 

「さぁ、捕まえてご覧なさいな─!」

 

【フン…!すぐにとっ捕まえてやる!!】

石島は王城から動かない…だが、チャンピオンの力を見せつける!

 

 

 

 

【俺は『バーバリアン1号』と『バーバリアン2号』をリリース!アドバンス召喚!密林の奥地から…古木を薙ぎ倒し、現れるがいい!異界の王国に君臨する蛮族の王!!『バーバリアン・キング』!!】

石島は自身の切り札…攻撃力3000を誇る蛮族王を呼び出す!!

 

「おっと!?」

 

【親父には逃げられたが…お前は逃さない!!『バーバリアンキング』で『ディスカバーヒッポ』を攻撃──!!】

巨大な棍棒が遊矢とヒッポに振り下ろされる…圧倒的ピンチ、だが…アクションデュエルではそれを覆す一手がある!

 

 

「おっ…ラッキー!()()()()()()()()ゲット!アクションマジック『回避』を発動!相手モンスターの攻撃を無効にする!ローリング・ヒッポだ!」

 

《ヒッポ─!!》

振り下ろされた棍棒…だが、ヒッポは見事な宙返りで回避する!

 

 

 

………

 

 

「見事…だが、逃げてばかりでは勝てないぞ、遊矢…!」

遊矢の逃げながらのデュエルを心配する権現坂…だが、それは違っていた…!

 

「ちゃ〜んと戦ってるよ、アイツは…!」

 

「洋子さん!」

権現坂達の背後から凛々しい金髪の女性が現れる、彼女は榊洋子…遊矢の母親である。

 

 

「遊矢はいま、戦いながら生まれ変わろうとしてるんだ…気張りなさい!遊矢!!」

彼女は信じていた…三年間、仮面をかぶり続けた息子の成長を…!

 

 

 

………

 

 

【避けられたか…だが…!プロはその先を往く!バーバリアンをリリースした『バーバリアンキング』は2回攻撃できる!!】

 

「えっ!?2度の攻撃!?」

再び振り下ろされる棍棒…フィールドが砂煙に覆われる、ヒッポの攻撃力は800…遊矢は大ダメージを…

 

 

「ま、間に合った〜!アクションマジック『奇跡』!モンスターの破壊を無効にして、ダメージを半分にしたのさ!」

ダメージを最小限に抑えた遊矢…そのハラハラドキドキのエンタメデュエルは少しずつ、観客達を引き込んでいく…!

 

 

 

………

 

 

「遊矢はこの三年、道化の仮面を被って生きてきた…逃げたチャンピオンの息子だと笑われる前に、自分で自分を()()()()()()()()…だけど、遊矢が本当になりたいのは…榊遊勝、幼い頃に夢見たデュエルスターになりたいのさ…!」

洋子は知っていた、遊矢の願いを…夢を…ならば彼女はその背中を押すだけだった…!

 

 

 

…………

 

 

「私のターン!ドロー!!…来たぁ!さぁ、皆様!いよいよクライマックスでございます!」

ドローカードを確認した遊矢は高台へと駆け上がる!

 

 

「『ディスカバーヒッポ』はアドバンス召喚の為にリリースされる時、2体分のリリース素材となる事ができます!私は『ディスカバーヒッポ』をリリース!アドバンス召喚!さぁ、拍手でお迎えください!本日の主役!世にも珍しい二色の眼を持つ竜!『オッドアイズ・ドラゴン』!!」

ついに現れたのは遊矢のエース、赤と緑の二色の眼を持つ赤いドラゴン…オッドアイズドラゴンだった!

 

「さぁ…お楽しみは、これからだ!!」

道化の服を脱ぎ捨てた遊矢は父と同じ決めゼリフを叫び、攻勢に出る!

 

 

【フン…!腰抜けの親父と同じ事を…!】

 

「父さんは腰抜けなんかじゃない!!父さんに習ったデュエルでアンタを超えて…父さんが誰よりも強いって証明してやる─!」

盛り上がる会場にイラつく石島に遊矢が通信越しに叫ぶ…!

 

 

【ふん、だが…出てきたドラゴンの攻撃力は2500…『バーバリアンキング』には及ばない!】

 

「それはどうかな…!永続魔法『ワンダー・バルーン』を発動!」

遊矢の場に?マークの付いた箱が現れる!

 

 

「そして…このカードは手札1枚を墓地に送って、バルーンカウンターを乗せる事ができる!いくぞ〜!!」

 

『おおっと!?遊矢君がフィールドに散らばったアクションカードを次々と墓地へ送っていくぞ〜!?』

アクションカードは手札に1枚しか加えられない…だが、それは墓地に送ってしまえば関係ない…!遊矢は次々に3枚のアクションカードを墓地におくる!

 

「飛べ!ワンダーバルーン!!」

遊矢の言葉共に箱から風船が飛び出し、バーバリアンキングに襲いかかる!

 

「『ワンダーバルーン』は手札のカードを墓地に送る事でバルーンを増やし、このカードを墓地に送る事でバルーンは破裂!バルーン1つにつき1000ポイント!相手モンスターの攻撃力をエンドフェイズまでダウンさせる!どかーん!!」

 

【なに!?】

バーバリアンキングにバルーンが炸裂…バーバリアンキングは風船に包まれ、身動きが封じられる!

 

【チッ…逃げているように見せて、アクションカードの位置を把握していたのか…!】

 

「ヘヘっ…昔から捜し物は得意なんでね!」

石島はようやく遊矢の戦い方の意図に気づいた…!

 

 

 

「いくぞオッドアイズ!この観客達をもっともっと沸かせるんだ!!」

父と同じ声援・拍手を背負い…遊矢は最後の効果を使う!

 

 

「『オッドアイズドラゴン』はレベル5以上のモンスターを破壊した時、その元々の攻撃力の半分のダメージを与える!これで…ワンショット・キルが成立する!!」

オッドアイズが胸の水晶に力を貯める!!

 

 

「バトルだ!『オッドアイズドラゴン』!『バーバリアンキング』を攻撃!スパイラル・フレイム!!」

灼熱の息吹が蛮族の王に襲いかかり…爆発に包まれる!

 

 

 

 

【はっ…はっ…甘かったな…!】

 

「なに…!?」

爆炎が晴れた先…そこではバーバリアンキングが忌々しげな咆哮を上げていた…! 

 

 

【アクションマジック『奇跡』を発動、させたのさ…!】

汗を流した石島の姿がモニターに映し出される…攻撃が直撃する寸前、アクションマジックによって難を逃れていたのだ…!

 

 

【所詮、榊遊勝のデュエルなぞ、この程度!次は俺の番だ!】

石島はついに牙城から飛び降りる─!

 

【永続罠『バーバリアン・レイジ』を発動!自分が戦闘ダメージを受けた時、バーバリアンの攻撃力を2000アップさせる!!】

 

「っ…!ターン、エンドだ…!」

遊矢がターンエンドを宣言、それと共にバーバリアンキングは風船から脱出…攻撃力が5000まで跳ね上がる!

 

 

【さぁ…引導を渡してやる…!!俺のターン!!】

 

「っ─!!」

石島のターンを前に遊矢は反転、アクションカードを取りに走る!!

 

 

【逃がすかァ!バトルだ!『バーバリアンキング』で『オッドアイズドラゴン』を攻撃!!】

 

「くっ…!?うわあああ!!」

だが、石島は遊矢を追撃…オッドアイズドラゴンを粉砕し遊矢に大ダメージを与える、遊矢の残りライフは400…!

 

【さらに!『バーバリアンレイジ』の効果により、破壊されたモンスターは相手の手札に戻る…さらに!速攻魔法『バーバリアンの奇術』を発動!相手モンスターが手札に戻った時、その攻撃力の半分のライフを回復させてもらう!!】

さらに石島が回復魔法を発動…ライフが4000まで回復する!

 

 

【……『バーバリアンキング』が連続攻撃できるのはモンスターにのみ、命拾いしたな…!俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド…さぁ、お前のターンだ!ドローしろ、それとも…サレンダーするか?親父のように尻尾を巻いてなぁ…!】

 

「っ…!!嫌だ!!オレは逃げない…!サレンダーなんて、してたまるか…!!」

追い詰められた遊矢はなんとか立ち上がり、手札を確認する…だが、手札にはモンスターカードのみ…逆転のカードはない…!

 

 

「(どうすればいい…!?どうすれば…!!やっぱり、無理だったのか…?オレに、父さんの代わりなんて───)」

 

 

──泣きたい時は笑え…振り子は大きく振れば、大きく戻る…怖がって縮こまっていては──何もできない──

 

 

「……勝ちたいなら、勇気をもって……前に、出ろ!!

諦めかけた遊矢の脳裏に父の言葉が甦る…勇気をもって前に出る、勝利の力は己の中に!!

 

 

 

「揺れろ!ペンデュラム!!大きく…!もっと大きく!!ドロォォー──!!」

それは遊矢渾身のデスティニードロー…勝利を目指す軌跡は光の翼を形取り、思わぬ奇跡を呼び起こす!

 

 

キィン─!!

 

 

「な、なんだ!?」

遊矢のペンデュラムが光を放つ、それは手札の…否、遊矢のデッキと共鳴し…カードを書き換える!!

 

 

「この、カードは……ペン、デュラム…?」

手札の『星読みの魔術師』『時読みの魔術師』『オッドアイズ・ドラゴン』が光を放ち、新たなカードに生まれ変わる。

 

2体の魔術師のカードは上半分が『モンスターカード』、下半分が『魔法カード』の意匠のペンデュラムカードに。

 

『オッドアイズ・ドラゴン』は新たなエース『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』へと生まれ変わった!!

 

 

「……これなら、いける…!」

使い方も分からない謎のカード…だが、遊矢は本能で理解した…このカードならば、勝利を掴む事ができると!!

 

 

 

「オレはスケール1の『星読みの魔術師』とスケール8の『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

 

PENDULUM!!

 

 

【な、なんだ!?】

遊矢の背後に光の柱が立ち上がる…その中に白衣の魔術師と黒衣の魔術師が浮かび上がり…それぞれに『1』と『8』の数字が浮かぶ!

 

「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!」

 

【な、何が起きている─!?】

異常事態に動揺する石島…だが、その様子を無視して…遊矢は言葉を紡ぐ!

 

 

「揺れろ!魂のペンデュラム!天空に描け…光のアーク!!ペンデュラム召喚!!いでよ!我が下僕のモンスター達よ!!」

 

遊矢の頭上でペンデュラムが軌跡を描く…そして開いた扉から3つの光が飛び出した! 

 

「現れろ!レベル4『EMヴィップ・ヴァイパー』!レベル2『EMソード・フィッシュ』!レベル7『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』─!!」

 

光の玉がそれぞれにモンスターへと変化する、1つはシルクハットを被った紫色の蛇に…1つはリーゼントの鋭い魚に、そして最後の光は先程よりもひと回り大きくなった、二色の眼を持つドラゴンへ……これが新たな召喚法──『ペンデュラム召喚』誕生の瞬間だった!

 

 

 

 

Side???

 

 

ビビーッ!ビビーッ!

 

『市内臨海地区にて高レベルの召喚反応を確認!!』

 

『解析を急げ─!!』

 

『解析結果……召喚形式、ペンデュラム…!?ペンデュラム召喚です!?』

 

『ペンデュラム、召喚…!?聞いた事がないぞ!?』

 

舞網市某所…舞網市全体をモニターする施設は混乱に包まれていた…突然の高レベルの召喚反応の検知、さらには未知の召喚法…それは彼らの想定外の事態だった。

 

 

…だが、混乱はまだ終わらない…!

 

 

ビビーッ!!ビビーッ!!

 

 

『今度はなんだ!?』

 

『し、市内海浜地区でさらなる高レベルの召喚反応を確認!!』

 

『まさか、そんな…!!』

 

『どうした!?』

 

 

『解析、結果───』

 

 

『なん、だと…!?この街で…世界で、何が起きようとしているのだ…!?』

 

管理者らしき初老の男は愕然とする…世界の歯車は少しずつ、動き出そうとしていた…!

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

【モンスターを同時に3体…!?しかも上級モンスターをリリース無しで召喚だと!?そんな事、できるはずがない!!】

 

『石島様!ですが、システム上は…エラーは出ていません!?』

 

【ならば…召喚は、有効という事か…!?】

 

石島は異常事態…融合・儀式・シンクロ・エクシーズ以外の未知なる召喚法に動揺する…!

 

 

 

「いくぞ!『ウィップヴァイパー』の効果発動!相手モンスター1体の攻撃力を入れ替える!」

 

【なにっ!?】

オッドアイズに跳び乗った遊矢は効果を発動、紫色の蛇が尾の先を催眠術の振り子のように揺らし…バーバリアンキングの攻守を逆転させる!

 

「さらに!『ソードフィッシュ』の効果発動!相手モンスターの攻撃力を600ダウンさせる!」

 

【っ…!?】

バーバリアンキングの周りに無数の剣が突き刺さり、身動きを封じる…攻撃力は500まで弱体化する!

 

 

「バトルだ!『オッドアイズペンデュラムドラゴン』で『バーバリアンキング』を攻撃!!今こそ、真の力を見せよ!!」

オッドアイズの身体の宝石が光輝き、凄まじい力を放つ!

 

【そうはさせん!!罠カード『バーバリアン・ハウリング』を発動!自分のモンスターが攻撃対象になった時、その攻撃モンスターを手札に戻し!その攻撃力分のダメージを与える!】

しかし、それを許す石島ではない…罠カードの効果を受けたバーバリアンキングが咆哮する!

 

 

「まだだ!時空を見定める『時読みの魔術師』よ!その精緻なる力で我を守護せよ!『時読みの魔術師』のペンデュラム効果、発動!1ターンに1度!ペンデュラムモンスターに対する罠カードの効果を無効にする!インバース・ギアウィス!!」

 

【なに!?】

黒衣の魔術師が時計のエフェクトと共に罠カードを封じる!

 

 

【ならばっ!!アクションマジック『回避』発動だ!!】

石島は即座にアクションマジックを手に取り、発動する!

 

「天空を見定める『星読みの魔術師』よ!その深淵なる力で仇成す敵を封じよ!!『星読みの魔術師』のペンデュラム効果発動!1ターンに1度、ペンデュラムモンスターの戦闘時に魔法カードの発動と効果を無効にする!ホロスコープ・ディビネィション!!」

 

【アクションマジックも無効だと!?】

星読みの魔術師の能力でアクションマジックも封じられた石島…そこへ逆転の一撃が迫る!

 

「今だ!オッドアイズよ!!その二色の眼で…捉えた全てを焼き払え!螺旋のストライク・バースト!!」

それは闇色の炎が混じった破壊の焔…バーバリアンキングは棍棒でその炎を受け止める!!

 

【くそ…!?だが、まだライフは残る…!!次のターンで!!】

 

「『オッドアイズペンデュラムドラゴン』の効果!レベル5以上のモンスターとバトルする時、戦闘ダメージを2倍にする!リアクション・フォース!!」

 

【に、2倍だと!?馬鹿な…バカなぁぁ!?】

勢いを増した螺旋の焔がバーバリアンキングを消し飛ばす…その一撃は容赦なく、石島を飲み込んだ…。

 

 

 

「これで…ジ・エンドだ」

 

 

 

ストロング石島LP0

 

 

遊矢WIN!

 

 

 

 

 

 

「「「…………────」」」

 

 

デュエルの決着がつき、リアルソリッドヴィジョンが解除される中…スタジアムは静まり返っていた。

未知の召喚法の登場、さらに現チャンピオンが少年に負けたという事実が…観客達の思考を停止させていたのだ。

 

 

 

「勝った、の?」

 

「あ、ああ…!遊矢が、石島に…!」

 

う…うおおっ!!やったぞ遊矢!!熱血だぁぁ〜!!

 

静まり返っていた会場に修造の叫びが木霊する!

 

 

ドクン…

 

 

「へっ……あ、あれ?オレは何を…!?」

その瞬間、遊矢は()()()()()……遊矢は途中から一種の高揚状態……トランス状態になり、自分が()()()()()のか覚えていなかったのだ。

 

 

「勝ったんだよ!アンタは!ストロング石島に勝った!父さんの代わりに!やったんだよアンタは──!!」

「母、さん……オレ、勝てたのか…!?」

困惑していた遊矢は母や柚子達の祝福で状況を理解する…自分は父の雪辱を晴らしたのだと…!

 

 

 

「「「「おおおおっ─!!」」」」

 

そしてスタジアムは割れんばかりの歓声と拍手に包まれた……「臆病者」と呼ばれ続けた榊遊勝の汚名はこれで雪がれたのだった…。

 

 

 

────

 

 

 

「これは大変な事になったぞ…!?」

 

『緊急速報だ!!』

 

「早く取材の用意だ─!」

 

戸惑う遊矢を余所に取材に訪れていた記者達は思わぬジャイアント・キリングに色めき立っていた…だが、その時…!

 

 

「お、おい!大変だ!別のスタジアムでも未知の召喚法を使う奴が現れたらしいぞ!?」

 

「『『「なんだって!?」』』」

 

 

世界は…確実に変わろうとしていた…!

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