転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

321 / 540
Ep.4 亀の決闘塾〜かけがえのない友〜

──待って…!私も戦います!!──だけに任せられません!!──

 

 

──行ってくれ…!この先、どうなるかわからない…!──

 

 

──でも…!──

 

 

 

──…すまない、後で必ず償いはする─!──

 

 

 

──っ…!?──!!──!!?──

 

 

──……──、みんなを頼む…奴を食い止めるのは……俺の役目だ…!!──

 

 

──嫌だ!嫌だ!!───!!──

 

 

 

……誰かが、泣いていた…。

 

 

 

──…必ず、戻る……だから、待っていてくれ…!全ては『□□□□・□□□』に懸かってる…!もし、俺がしくじったら…後は、頼む…!!──

 

 

 

……誰かが、戦おうとしていた…。

 

 

 

 

■■■■■■─!!

 

 

 

……悪魔が、咆哮を轟かせる…。

 

 

 

 

──お前の好きにはさせない…!お前を───、新たな未来を切り拓く!!いくぞ、■■■■!お前の欲望が満たされるまで、とことんまで付き合ってやる──!!──

 

 

 

■■■■■■───!!

 

 

 

 

悪魔と戦士が激突する──そして……───

 

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

ジリリリリリリ!!

 

 

「っ…!!………夢、か……」

遊希は目覚まし時計の音で目を覚ました……どうやら、夢を見ていたようだ。

 

 

「寝汗がすごいな……着替えなきゃ…」

遊希は寝間着を脱ぐ、その体には痛ましい無数の傷痕が刻まれている…今でも、痛みで眠れない事もあるのだ…。

 

「記憶を失う前の僕………お前、何をやらかしたんだよ…?」

遊希は姿見に映った傷だらけの自身へと問いかけた…。

 

 

 

 

 

 

「おはようございます、洋子さ───どちら様?」

 

『あっ!()()のお兄さん!おはようございます!』

 

「おはよう遊希!この子、遊矢の()()らしいのさ!」

 

「ああ、昨日の……」

身支度を整えた遊希はダイニングへと向かう…そこでは朝食を作る洋子、そして見知らぬ水色の髪を束ねた少年がパンケーキを頬張っていた…。

 

 

「ふぁ〜…おはよう母さん、遊希に……って、お前〜!?」

 

『あ、師匠〜!おはようございまーす!』

 

「な、なんで、お前がいるんだよ〜!?」

続いてやって来た遊矢がパンケーキを食べる少年を見て驚く…どうやら、遊矢が連れてきたのではなさそうだ。

 

 

「えっと…素良くん…でいいのかな?」

 

『うん!ボクの名前は紫雲院素良!よろしく!』

少年…素良は無邪気な笑顔でそう答えた。

 

 

「母さん!なんでコイツが家に!?」

 

「いや〜!なんか、家の周りをウロウロしててね!お腹が減ってそうだから…連れて来ちゃった♡」

 

「ああ、洋子さんのセンサーに引っかかったのか…それじゃあしょうがないな…」

 

「いや、人を拾っちゃダメだって(汗)」

遊希は洋子の言葉を聞いて納得する、洋子は困っている人や動物が放っておけない性格で…時々迷い犬・猫などを保護してくるのだ…なお、人は初めてである。

 

 

「けどさ〜この子、アンタの()()なんだろ?」

 

「違うって!!」

 

『えぇ〜?』

 

「あはは…まぁ、助けられたのは事実なんだしさ」

弟子を名乗る素良と遊矢の出会いは前日まで遡る。

 

遊矢の通う中学に通うLDSの生徒、沢渡シンゴ…彼は遊矢を騙し、ペンデュラムカードを奪おうとした…しかも、柚子や遊勝塾のジュニアコースの子供達まで人質にして……しかし、遊矢は機転を生かして卑劣なデュエルに勝利して柚子達とペンデュラムカードを取り返した。

 

しかし、沢渡は汚かった…手下の学生達を使って無理矢理に遊矢からカードを奪おうとした…だが、そこへデュエルを見学していた素良が乱入、素早い身のこなしで年上の学生達を伸してしまったのだそうだ。

 

そして…面白いデュエルをする遊矢を気に入り、弟子入りを志願したらしい…。

 

 

『ねぇねぇ!お兄さんも師匠と同じ『ペンデュラム召喚』を使うんでしょ!?どんなアクションデュエルをするの?』

 

「ん?僕は…いたって普通のデュエリストさ、というより…普段は裏方でね、他の塾の助っ人以外はあんまりデュエルはしてないんだ」

 

『そうなんだ〜?』

素良は遊希に問いかける…おそらく、テレビか会場で活躍を見たのだろう。

 

『それより…お兄さん、なんでそんなに傷だらけなの?』

 

「ああ…昔、()()に遭ってね、怖い顔だろ?小さな子にはすぐに泣かれちゃうんだよ…あはは…はぁ……」

 

『へぇ〜…そんなに優しい目をしてるのに…』

 

「ははっ、ありがとうな!僕のパンケーキ食べるかい?」

 

『あ!ありがとう〜!』

 

「お〜い!遊希兄〜!?」

遊希は優しく素良の頭を撫でる…そんな遊希の優しさに遊矢は呆れていたのだった。

 

 

 

 

…………

 

 

 

『……で、遊矢はその素良って奴に付き纏われてんのか?』

 

「ああ、周りの人達も素良君に()()されちゃったみたいでね」

昼休み、高校の教室で遊希は友人…金髪の青年、城之内克也と共に昼食を摂っていた。

先程、遊矢から素良に付き纏われて困っていると連絡があったのだ…。

 

 

『ははっ…でも、中学生で師匠呼びはそりゃあ戸惑うよなぁ…』

 

「まぁ、遊矢の事だから…そのうち根負けして弟子入りを受け入れるか、デュエルで決めそうな気がするなぁ…」

 

『確かにな〜』

厄介事に巻き込まれる遊矢について話す2人…そんな時、城之内が思い出したように遊希に問いかける。

 

 

『そういや遊希、今日の()()は忘れてないだろうな〜?』

 

「もちろん!僕が休んでいる間のノートを取ってもらう代わりに、デュエルする…放課後に亀の決闘塾で良かった?」

 

『ああ!双六じいさんにもOKは貰ってるからな!……ペンデュラム召喚、たっぷり見せてもらうぜ!遊希!』

 

「もちろん!期待に応えられるように頑張るよ!」

遊希と城之内は楽しそうに笑いあった…。

 

 

 

 

 

カランカラン!

 

 

「こんにちは!双六さん!」

 

『おお!遊希君、よく来たのぉ!』

放課後、遊希は遊勝塾…ではなく、別の場所にいた…そこは舞網市のとある場所にある小さな塾…その名は『亀の決闘塾』、デュエル塾とデュエルモンスターズを含めたゲームを扱うゲーム屋でもある。

 

『ニュースで見たぞぉ?遊矢君と一緒ペンデュラム召喚という召喚法を編み出したんじゃろう?すごいのう!』

 

「いえいえ…自分でも、まだ使いこなせてなくて…まだ悩んでるんですよ…」

遊希に話しかけたのはこの塾の塾長兼店長、『双』の文字が刺繍されたバンダナが目印の老人・武藤双六さんである。

若い頃はトレジャーハンター兼デュエリストとして世界を飛び回っていたらしい…。

 

 

『あっ!遊希!久しぶり〜!』

 

『城之内とデュエルしに来たんだろ?俺達も楽しみにしてたんだぜ?』

 

「待たせてごめん!杏子!ヒロト!」

次に話しかけて来たのはピンクの童実野高校制服を着た少女・真崎杏子、そして角刈りの青年・本田ヒロトだった。

 

『城之内ったら、待ちきれなくてデュエルスペースに先に行っちゃったわよ?』

 

「あはは…本当に楽しみなんだなぁ…」

遊希は2人と共にデュエルスペースへと向かった…。

 

 

 

 

『おせ〜ぞ!遊希!』

 

『もう…遊希君も疲れてるんだから、急かしちゃダメだよ!城之内君!』

 

「ごめんごめんって…遊戯!?帰って来てたのか!」

 

『うん!たまにはみんなにも会いたかったしね!』

 

デュエルスペース…といっても、ストリートバスケのフィールドのように金網で仕切られた小さな青空デュエル場…そこで城之内、そして遊希と激戦を繰り広げた武藤遊戯が待っていた…遊戯はこの塾が実家であり、所属塾でもあるのだ。

 

 

『さぁ…!話題のペンデュラム召喚、見せてもらうぜ!!』

 

『うん!行くよ!!』

 

『それじゃあ…!アクションフィールド「フォレスト・エリア」発動!!』

杏子の声と共に旧型のリアルソリッドビジョンシステムが唸りを上げる…そして周囲の景色が森の中の広場へと変化した!

 

 

 

『戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!』

 

『モンスターと共に地を駆け、宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!』

 

『これがデュエルの最強進化系!』

 

『『『アクショ〜ン!!』』』

 

 

『「デュエル!!」』

 

遊戯達の口上と共に、城之内と遊希のデュエルが始まった!

 

  

 

 

城之内LP4000

遊希LP4000

 

 

 

アクションデュエル アクションフィールド発動中

 

・アクションカードは1枚しか手札に確保できない。

・フィールド魔法使用可能

 

 

 

 

 

『よーし!先攻は貰うぜ!オレのターン!』

『「ワイバーンの戦士」を召喚!』

緑の鱗を持つトカゲの戦士が現れる! ATK1500

 

『そしてカードを2枚伏せてターンエンド!』

 

城之内 LP4000

ワイバーンの戦士 伏せ2 手札3

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「この手札なら…行くよ!僕は手札のスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

『おおっ!?いきなりか!』

遊希の背後に光の柱が立ち上がり、赤と緑のドラゴンがその中に現れる!

 

PENDULUM!!

 

『これで僕はレベル2から7のモンスターを同時に召喚可能!揺れろ!希望のペンデュラム!全能の軌跡よ!歴史を刻め!ペンデュラム召喚!!レベル4「龍脈の魔術師」!レベル4!「EMラ・パンダ」!そしてレベル7!揺れ動く幻惑の魔術師「EMスライハンド・マジシャン」!』

赤のペンデュラムが軌跡を紡ぎ、その軌跡の中から見習いの少年魔術師、金管楽器を持ったパンダ、そして赤い道化魔術師が現れる! ATK1800 DEF800 ATK2500

 

 

「そして…アクションマジックゲット!!さらに『スライハンドマジシャン』の効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てる事でフィールドの表側表示のカードを破壊できる!手札のアクションマジック『オーバー・ソード』を墓地に送って『ワイバーンの戦士』を破壊!」

スライハンドマジシャンの放った水晶玉がワイバーンの戦士に向かう!

 

『させるかよ!どりゃぁ!!』

それを見た城之内はソリッドビジョンの木を蹴り付ける、その衝撃でアクションカードが落ちて来た!

 

『アクションマジック「透明」!このターン「ワイバーンの戦士」は相手の効果の対象にならず、効果では破壊されない!』

 

「おっと!?」

ワイバーンの戦士の鱗が変色、森の中に紛れる事で水晶玉を避ける!

 

 

「なら、バトル!『スライハンドマジシャン』で『ワイバーンの戦士』を攻撃!」

 

『もういっちょ!アクションマジック「回避」!攻撃を無効にするぜ!』

木のウロに手を突っ込んだ城之内がアクションマジックを獲得、攻撃を回避する!

 

「でも、まだモンスターは残ってる!『龍脈の魔術師』で『ワイバーンの戦士』を攻撃!」

 

『ぐぅ…!やるな!』

龍脈の魔術師が双刃の魔杖でワイバーンの戦士を切り裂く!

 

城之内LP4000→3700

 

 

「メイン2!僕は装備魔法『ワンダー・ワンド』を『龍脈の魔術師』に装備!攻撃力を500アップ!」

魔術師が緑の宝石の付いた杖を手にする! ATK1800→2300

 

 

「さらに装備魔法『ワンダー・ワンド』の効果発動!装備モンスターをリリースして2枚ドロー!…カードを2枚伏せて、ターンエンド!」

 

『その時、速攻魔法発動!「スケープ・ゴート」!「羊トークン」4体をオレのフィールドに特殊召喚だ!』

城之内のフィールドに可愛らしいピンク・青・オレンジ・黄色の羊達が現れる! DEF 0 0 0 0

 

遊希LP4000

スライハンドマジシャン ラ・パンダ (Pスケール ペルソナ ミラージュ) 伏せ2 手札1

 

 

 

『やるなぁ遊希!本当に一気にモンスターを呼び出しやがった!なら、オレもいくぜ!』

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『来い!「漆黒の豹戦士パンサー・ウォーリアー」』

黒紫の毛並みの剣を持つ豹戦士が現れる! ATK2000

 

『さらに装備魔法「一角獣のホーン」を装備!攻撃力700アップだ!』

 

「やべっ…!」

豹戦士の額から輝きを放つ角が生える! ATK2000→2700

 

 

『バトルだ!「パンサーウォリアー」の効果で『羊トークン』1体をリリース!そして「スライハンドマジシャン」を攻撃!』

 

「っ…とぉ!アクションマジック『ナナナ』!『スライハンドマジシャン』の攻撃力を700アップ!これで返り討ちだ!」

遊希は木の実に張り付いていたアクションマジックを発動、スライハンドマジシャンを強化する! ATK2500→3200

 

 

『そうくると思ったぜ!リバース罠発動!「悪魔のサイコロ」!サイコロを振って、その出目の数×100ポイント!相手の攻撃力を下げる!』

 

「克也お得意のギャンブルカード!!」

城之内のフィールドにサイコロを持った小悪魔が現れる!

 

『いくぜ〜!ダイスロール!!』

小悪魔がサイコロを放り投げる、出目は……6!

 

「まさかの大成功!?ぐあっ…!!」

豹戦士がスライハンドマジシャンを両断する!

 

スライハンドマジシャン ATK3200→2600

 

遊希LP4000→3900

 

 

『しっ!オレはカードを1枚伏せてターンエンド!』

 

城之内LP3700

パンサー 羊 羊 羊 伏せ1 手札1

 

 

 

「いたた…克也は本当にギャンブルカードが好きだよなぁ…地味に成功する事が多いし…」

 

『ヘヘっ!ギャンブルは男のロマン、ってな!』

ギャンブルカードを多彩に使う城之内…2人は本当に楽しそうにデュエルをしている…!

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「よし!来てくれ!『EMドクロバット・ジョーカー』!」

デフォルメされたドクロ型のシルクハットを被った黒いタキシードを着た道化師が現れる! ATK1800

 

「『ドクロバットジョーカー』の効果発動!召喚に成功した時、デッキから『EM』『オッドアイズ』『魔術師』のペンデュラムモンスター1体を手札に加えられる!僕が加えるのは…『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!」

 

『おっ…!来るのか!お前の新しいエース!』

 

「その通り!再び揺れろ…希望のペンデュラム!ペンデュラム召喚!手札から現れろ!二色の眼を持つ幻影の竜!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!さらにエクストラデッキからレベル4!『龍脈の魔術師』!」

赤のペンデュラムの軌跡から鎧を纏う幻影竜、そして少年魔術師が現れる! ATK2500 ATK1800

 

『んな!?モンスターが4体も…だけど、攻撃力は「パンサーウォリアー」が上回ってる!』

 

「それは…どうかな!リバースカードオープン!『スタンピング・クラッシュ』発動!自分の場にドラゴン族モンスターが存在する時、相手の場の魔法・罠カードを破壊して、500ダメージを与える!いっけぇ!『オッドアイズファントムドラゴン』!スタンピング・ファントム!」

 

『な、なにぃ!?』

跳躍した幻影竜の飛び蹴りがパンサーウォリアーに直撃…『一角獣のホーン』を蹴り壊し、風圧で城之内にダメージを与える!

 

城之内LP3700→3200

 

パンサーウォリアーATK2700→2000

 

 

『くっ…!破壊された『一角獣のホーン』はデッキの一番上に戻る…!』

 

「これで『オッドアイズファントムドラゴン』の攻撃が通る!『ラ・パンダ』を攻撃表示に変更!バトル!『オッドアイズファントムドラゴン』で『パンサーウォリアー』を攻撃!」

幻影竜がその身に力を溜める!!

 

ラ・パンダDEF800→ATK800

 

『諦めっかよ!!速攻魔法「天使のサイコロ」!サイコロを振って、出目×100ポイント!自分のモンスターの攻撃力・守備力がアップする!ダイスロール!!』

城之内の場に現れた小天使がサイコロを放り投げる、出目は……4!!

 

パンサーウォリアーATK2000→2400

 

羊トークンDEF 0→400

 

羊トークンDEF 0→400

 

羊トークンDEF 0→400

 

 

『これでダメージを減らせたぜ!!』

 

「まだだ!焼き尽くせ!夢幻のスパイラル・フレイム!」

 

『ぐうううっ!!』

幻影の息吹が豹戦士を吹き飛ばす!

 

城之内LP3200→3100

 

 

「この瞬間!『オッドアイズファントムドラゴン』の効果発動!ペンデュラム召喚されたこのモンスターが相手にダメージを与えた時!ペンデュラムゾーンの『オッドアイズ』の数×1200…つまり、2400ダメージを相手に与える!幻視の力─アトミック・フォース!!」

 

『なっ!?ウッソだろぉぉ!?』

ペンデュラムゾーンの『ペルソナドラゴン』『ミラージュドラゴン』のブレスが城之内に直撃、大ダメージを与える!

 

城之内LP3100→700

 

 

「そして!『ラ・パンダ』『ドクロバットジョーカー』『龍脈の魔術師』で『羊トークン』3体を攻撃!!」

 

『くっ─!!』

パンダの大演奏、ジョーカーの巨大クラッカー、少年魔術師の剣杖の一撃が羊達を粉砕する!

 

「僕はこれでターンエンド!」

 

遊希LP3900

ファントム ラ・パンダ ドクロバットジョーカー 龍脈 (ペルソナ ミラージュ) 伏せ1 手札1

 

 

 

「どうだ!克也!これが僕のペンデュラムだ!」

 

『ヘヘっ…すごいぜ遊希!本当にペンデュラム召喚を使いこなしてるじゃねぇか!』

一気に城之内を追い詰めた遊希…だが、城之内はまだ笑っていた!

 

『だけど…切り札は最後まで取っとくもんだ!いくぜ!!』

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『いくぜ!「時の魔術師」を召喚!!』

時計をそのまま擬人化したような魔術師が現れる! ATK500

 

 

「えっ…!?それって超レアカードじゃなかったっけ!?」

 

『そうさ!そしてこれは…オレと遊戯の友情のカード!コイツは2分の1の確率で効果が発動する!当たりなら相手フィールドのモンスターを全て破壊!ハズレなら…オレのフィールドのモンスターを破壊して、その攻撃力の合計分のダメージを自分が受ける!これがオレの奥の手だ!タイム・ルーレット!』

時の魔術師が時計型の杖を掲げる、そして針が高速回転…その結果は…!

 

 

『当たりだ!!受けてみろ!タイム・マジック!!』

 

《タ〜イム…マジック!!》

 

「なっ─!?」

その結果は当たり…!遊希のフィールドの時間が加速し、モンスター達が劣化…砕け散る!

 

 

『よっしゃあ!さらに装備魔法「一角獣のホーン」を「時の魔術師」に装備!』

魔術師の杖に白い角が加えられる! ATK500→1200

 

 

『バトル!「時の魔術師」で遊希にダイレクトアタック!』

 

「っ…ぐああああっ…!!」

時の魔術師が杖を投擲、遊希にダメージを与える!

 

遊希LP3900→2700

 

 

『どうだぁ!オレはこれでターンエンド!』

 

城之内LP700

時の魔術師(一角獣のホーン)手札0

 

 

 

「イテテ…モンスターが全滅…すごいや…!」

 

『これがオレの底力だ!お前がどんなに強くなろうが…必ず追いついてやるぜ!』

モンスターが全滅してしまった遊希に城之内が決意を示す…その時だった。

 

 

トクン…

 

 

 

──オレや遊戯は…今1番強い奴はお前だと思ってる、だからオレはお前がいるべきところを温めてるだけだ、だから…戻ってこいよ?──

 

 

 

「っ──?」

突然、遊希の胸に…心に小さな痛みが走る、まるで…何かを思い起こさせるように…。

 

 

『お、おい!?なんで泣いてんだよ遊希!?』

 

「えっ…?」

城之内の心配そうな声に遊希は目元に手を当てる…その左目から、一筋の涙が零れていた…。

 

 

「あっ…な、何でもないよ!目にゴミが入っただけだから…!」

 

『そ、そうかぁ…?なら、デュエルを続けようぜ!オレは最後まで諦めねぇ!!』

 

「僕だって!この軌跡がある限り…戦い続ける!」

涙を拭う遊希…その背後で光の柱が輝く!

 

 

「僕のターン、ドロー!」

「三度揺れろ!希望のペンデュラム!!ペンデュラム召喚!手札からレベル2『EMリターンタンタン』!そしてエクストラデッキから舞い戻れ!『オッドアイズファントムドラゴン』!『ドクロバットジョーカー』!」

三度揺れる赤き軌跡からコマを履いた逆立ちタヌキと幻影竜、タキシードの道化師が現れる! ATK400 2500 1800

 

 

『いいっ!?さっきも思ったけど、破壊されてももう一度出てくるのかよ!?』

 

「ペンデュラムモンスターは破壊されても表側表示でエクストラデッキに送られ、ペンデュラム召喚でフィールドに舞い戻る!バトル!『オッドアイズファントムドラゴン』で『時の魔術師』を攻撃!」

 

『させるか!アクションマジック「回避」だ!』

城之内は枝に引っかかっていたアクションカードを回収、攻撃を避ける!

 

 

「なら…『リターンタンタン』で『時の魔術師』を攻撃!」

 

『なっ!?攻撃力の低いモンスターで!?』

逆立ちタヌキが手足をコマに引っ込め、時の魔術師に回転体当たりを仕掛けるが…杖の一撃で跳ね返される!

 

遊希LP2700→1900

 

 

「この瞬間!『リターンタンタン』の効果発動!このカードが戦闘で破壊された時、フィールドのカード1枚を相手の手札に戻す!手札に戻れ!『時の魔術師』!!」

 

『し、しまった!!』

跳ね返されたリターンタンタンの独楽が高速回転…時の魔術師をふっ飛ばした!

 

「『ドクロバットジョーカー』でダイレクトアタック─!!」

 

『ち、ちくしょ─!?』

道化師の飛び蹴りが城之内のライフを削りきり、デュエルに決着となった!

 

 

城之内LP0

 

 

遊希WIN!

 

 

 

 

『いって〜…「骨を切らせて肉を断つ」だっけ?完敗だ!』

 

「いやいや…『肉を切らせて骨を断つ』だって…骨を切られたら意味ないよ…」

リアルソリッドビジョンが解除され…遊希は城之内を助け起こす、久々のデュエルに勝ち負けは関係なく…2人は笑っていた…。

 

 

 

『遊希君!さっきの涙……もしかして()()を思い出したのかい?』

 

『えっ…そうなのか!?』

 

「思い出した…っていうより……何か、何かが…今のデュエルに重なった気がしたんだ…具体的には言えないんだけど……」

遊戯の問いかけに遊希は胸に手を当てる…デュエル中に感じた『何か』…その正体は今の遊希にはわからなかった…。

 

 

『ねぇ!私、図書館の本で読んだんだけど…記憶喪失って、ちょっとした事がキッカケで記憶が戻る事があるんだって!頭を打ったり…歌を聞いたり、匂いを嗅いだり!失われた記憶がそれに反応する事があるんだって!』

 

『なら…遊希にとっての「キッカケ」は……デュエルって事か?』

 

「そう、なのかな…?」

杏子と本田の言葉を聞いた遊希はデッキから『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』を取り出す…。

 

 

「(今までは、こんな事は感じた事は無かった……ペンデュラム召喚……この召喚法は……僕に関係があるのか…?)」

失われた記憶、そして新たな召喚法…遊希はその繋がりを考える…だが、その答えが出る事はなかった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

『……ここが「スタンダード次元」か……他の2人とははぐれちまったみたいだな……まずはLDSの調査と……協力関係を結ぶ事、か……あんまり気難しい相手じゃなけりゃいいが……待ってろよ、みんな…!』

 

 

 

『瑠璃…!お前を、必ず見つけ出す!!』

 

 

 

『ここが、スタンダード……平和な世界、か……』

 

 

 

 

運命の歯車は静かに回り始めた────

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。