転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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Ep.7 LDS襲来!〜幻影と鮫牙〜

「さて…初めまして!僕は榊遊希、よろしくね!」

 

『俺は凌牙だ、悪いが…勝たせて貰うぜ』

 

遊勝塾を賭けたLDSとの4番勝負…権現坂の奮闘によって延長戦が発生する事が確定した4戦目、遊希は紺色のスーツを着た少年…凌牙と対峙する…!

 

 

「頑張れ〜!遊希兄ちゃーん!!」

 

「頑張って─!!」

 

「ああ!遊勝塾は…僕が守る!!」

見学室から応援する子供達に遊希は手を上げて応える!

 

 

『……ずいぶんと慕われてるんだな、アンタ…その傷なのに…』

 

「はは…最初は怖がられたんだけど、あの子達が慣れてくれたのさ!」

凌牙の言葉に遊希は笑って答える…その体に刻まれた無数の傷、それは遊希のハンデであり…トレードマークにもなっていた。

 

 

 

『赤馬理事長、彼…凌牙でしたか?私は彼の事をLDSで見かけた事がないのですが…?』

 

『それは当然です、彼は私がスカウトしてきた特待生なのですから』

 

『特待生?』

真澄に凌牙の事を問われた日美香は凌牙が『特待生』であると嘘をつく…。

 

『(…彼の瞳、深い輝きを持っていた……深い海のように、揺らがない信念を持ってる…)』

実家が宝石商である真澄は、その人物の瞳を見ればある程度の精神状態が分かる力を持っていた…彼女が彼から感じたのは……強い信念だった。

 

 

「さーて、今回のアクションフィールドは…凌牙と遊希……う〜ん………よし!アクションフィールド『海底王国』を発動!!遊希!お前のプレイングで相手を凌駕するんだ!!」

リアルソリッドビジョン投影機が虚構の世界を作り出す…そこは海底に沈んだ古の王国だった…!

 

 

 

『…これがアクションフィールドか…なるほど、本物の海底みたいだな…』

 

「(アクションフィールドを知らない…?だけど、動揺もしていない……油断しないようにしないと…!)」

海底の王国で遊希と凌牙のアクションデュエルが始まる!

 

 

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!モンスターと共に地を駆け!宙を舞い!フィールドを駆け巡る!」

 

「これがデュエルの最強進化系!アクショ〜ン!」

 

「デュエル!!」

 

『デュエル!!……なぁ、この口上は毎回なのか?』

 

「うん!お決まりだからね!」

 

 

 

 

凌牙LP4000

遊希LP4000

 

 

アクションデュエル 『海底王国』

 

・アクションカードは手札に1枚しか加えられない。

 

 

 

 

『俺のターン!ど……違った…「キラー・ラブカ」を召喚!』

深海に潜む細長い古代鮫が現れる! ATK700

 

『さらに!自分が魚・海竜・水族のモンスターの召喚に成功した時!手札の「シャーク・サッカー」は特殊召喚できる!』

ラブカに張り付くように小判鮫が現れる! DEF1000

 

 

 

「さ、鮫デッキだと〜!?また相手に有利なフィールドを選んでしまった〜!?」

 

「いや、名前に牙って入ってるし、服も青っぽいし…気付こうよ…」

鮫主体のモンスターを展開する凌牙を見た修造は再びの間違いに気付いたのだった。

 

 

『俺はレベル3の「キラーラブカ」と「シャークサッカー」でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!!現れろ!ランク3!「潜航母艦エアロ・シャーク」!!』

凌牙のフィールドで光の銀河が爆発…2匹の鮫が連結した潜水艦が現れる! ATK1900

 

 

「エクシーズ使い…!最近のLDSはエクシーズ推しなのか!?」

 

『「エアロシャーク」の効果発動!1ターンに1度、ORUを1つ使い!俺の手札1枚につき400ダメージを与える!俺の手札は3枚!1200のダメージだ!喰らえ!エアー・トルピード!!』

 

「なにっ…!?うわあああ!!」

 

「遊希さん!!」

潜水艦から放たれた魚雷が遊希を直撃、激しく吹き飛ばす!

 

遊希LP4000→2800

 

 

『俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!』

 

凌牙LP4000

エアロシャーク 伏せ2 手札1

 

 

 

「っ…いきなりの効果ダメージとは、やるね…!なら…次は僕の番だ!!」

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「僕は『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

髑髏のシルクハットを被ったタキシードの道化師が現れる! ATK1800

 

 

「『ドクロバットジョーカー』の効果発動!デッキからペンデュラムモンスター『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』を手札に加える!そして僕は僕はスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!これで僕はレベル2から7のモンスターを同時に召喚可能!」

 

 

PENDULUM!!

 

 

 

『来るか、もう1人のペンデュラム使い…!』

遊希の背後に光の柱が立ちあがる!

 

「揺れろ!希望のペンデュラム!全能の軌跡よ!歴史を刻め!ペンデュラム召喚!レベル4『EMシルバー・クロウ』!そしてレベル7!二色の眼を持つ幻影の竜!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!」

遊希の頭上で赤のペンデュラムが軌跡を描く、そして鋭い爪を持つ銀色の狼、そして幻影の名を持つドラゴンが現れる! ATK1800 2500

 

 

 

『っ…!?その、ペンデュラムは…!!』

 

「えっ…?」

その時、凌牙の態度が豹変する…ペンデュラム召喚時に現れた『赤のペンデュラム』…それを見て、遊希が首に掛けていた『赤水晶のペンデュラム』の存在に気付いたのだ。

 

 

『てめぇ…!そのペンデュラムを何処で手に入れた!!』

 

「い、いきなりどうし─『答えろ!!』…この首飾りは僕が最初から持っていた物だよ、僕は『記憶喪失』でね…いつから持っていたのかも、何処で手に入れたのかも覚えていないんだ!」

 

『っ…!!まさ、か…!』

遊希を問い詰める凌牙…その答えを聞いた時、凌牙の表情が…悲しみに歪んだように見えた…。

 

 

「もう良いかな…!僕は遊勝塾の為に、負けられない!『オッドアイズファントムドラゴン』で『エアロシャーク』を攻撃!夢幻のスパイラル・フレイム!」

 

『っ…!!墓地の「キラーラブカ」の効果発動!相手モンスターが自分の魚族モンスターを攻撃してきた時、その攻撃を無効にし!次の自分エンドフェイズまで攻撃力を500ダウンさせる!!』

 

「っ…!止められた…!」

攻撃を仕掛けたオッドアイズの前にラブカの幻影が現れ、オッドアイズを弱体化させる!

 

オッドアイズファントム ATK2500→2000

 

「でも、モンスターはまだ残ってる!『シルバークロウ』で『エアロシャーク』を攻撃!その瞬間、効果発動!攻撃宣言をした時、エンドフェイズまで自分の『EM』モンスターの攻撃力を300アップさせる!」

シルバークロウの遠吠えが仲間に力を与える!

 

シルバークロウATK1800→2100

 

ドクロバットジョーカー ATK1800→2100

 

 

『その瞬間!リバース罠発動!「ポセイドン・ウェーブ」!相手モンスター1体の攻撃を無効にし、自分フィールドの魚・海竜・水族モンスター1体につき800ダメージを相手に与える!』

 

「なにっ…うわああ!!」

飛び掛かったシルバークロウに強烈な水流が襲いかかり、遊希もろともに押し流された!

 

遊希LP2800→2000

 

 

「なら、『ドクロバットジョーカー』で『エアロシャーク』を攻撃!」

 

『くっ…!』

ドクロバットジョーカーの踵落としがエアロシャークを粉砕する!

 

凌牙LP4000→3800

 

 

『はぁ…はぁ…!僕はカードを1枚伏せ、ターンエンド!』

 

遊希LP2000

オッドアイズ ドクロバットジョーカー シルバークロウ (Pスケール ペルソナ ミラージュ) 伏せ1 手札1

 

 

 

「遊希兄のライフが…あっという間に半分に…!?」

 

「あの凌牙という男…戦い慣れしているな…!あのエリート達が模範的な戦い方だとすれば…まるで喧嘩殺法のようだ…!」

遊矢と権現坂がデュエルを見ながら呟く…凌牙のデュエルは明らかに他の3人とは違うと気付いたのだ…!

 

 

『……悪いな、零児…もう1つ、目的ができちまった……』

 

「零児、だと…!?」

凌牙の纏う雰囲気が変わる…明らかに纏う闘志の強さが膨れ上がる!

 

 

 

『俺のターン!ドロー!!』

『罠カード「エクシーズ・リバイブ・スプラッシュ」を発動!自分の墓地のランク4以下のエクシーズモンスター「エアロシャーク」を特殊召喚!』

凌牙のフィールドに水が噴き出し、エアロシャークが復活する! ATK1900

 

『さらに!手札から魔法カード「エクシーズの宝札」を発動!自分フィールドのランク4以下のエクシーズモンスターを選択し、そのランクと同じ枚数ドローする!「エアロシャーク」のランクは3!3枚ドロー!!』

 

「っ…!手札が増えた…!」

 

『さらに速攻魔法「プレート・サルベージ」を発動!相手ターンで数えて2ターンの間、フィールド魔法の効果を無効にする!!』

 

「なっ…!?アクションカードが!!」

凌牙が魔法を発動した瞬間、海底のアクションフィールドが海面へと急浮上…アクションカードが全て海の中へ流されてしまう!

 

『そして!相手フィールドにモンスターが2体以上存在する時!手札からレベル5の「イーグル・シャーク」はリリース無しで召喚できる!』

6枚の胸鰭と鷲のような嘴を持つ鮫が現れる! ATK1000

 

『さらに!フィールドに「イーグル・シャーク」が存在する時!手札からレベル5の「パンサー・シャーク」を特殊召喚!』

豹柄の模様を持つ鮫が現れる! DEF2000

 

 

「レベル5のモンスターが2体…!!」

 

『俺はレベル5の「パンサーシャーク」と「イーグルシャーク」でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!』

 

 

73

 

 

『現れろ…!「No.73」!!カオスに落ちた聖なる滴よ!その力を示し、混沌を浄化せよ!「激瀧神アビス・スプラッシュ」!!』

銀河の大爆発と共に凪いでいた海が荒れ狂う、そして海の中から現れた装甲に包まれた宝玉が変形…巨大な鉾を持つ海の神が現れる!! ATK2400

 

 

「な、なんだ…!あのモンスターは…!?」

 

「空気が、震えてる…!!」

 

『(この威圧感…!あのカードは、()()()()()()()()()()()()()()力だ…!!)』

見学室でデュエルを見守っていた全員の背筋が凍りつく…明らかに今までのモンスターとはレベルが違いすぎる!!

 

「さらに魔法カード『アクアジェット』を発動!『エアロシャーク』の攻撃力をエンドフェイズまで1000アップさせる!」

エアロシャークに強化推進装置が装備される! ATK1900→2900

 

 

『バトルだ!「アビススプラッシュ」で「オッドアイズファントムドラゴン」を攻撃!その瞬間、効果発動!ORUを1つ使い!自身の攻撃力をバトルフェイズの間、2倍にする!!』

 

「なっ…!?攻撃力4800だって!?」

海神の鉾に母なる海の力が集中する! ATK2400→4800

 

 

『受けてみろ…!ファイナル・フォール!!』

 

「遊希兄─!!」

 

「この攻撃を受けたら…!遊希さんの負けだわ!!」

海神の怒りの赤雷が遊希に襲いかかる!

 

 

「罠カード発動!『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にして、1枚ドローす……がああああっ!?」

 

「「「遊希!!」」」

間一髪でダメージを回避する遊希…だが、凄まじい攻撃の余波が彼を吹き飛ばし、海底王国の瓦礫に叩き付けた!

 

 

『攻撃は…まだ終わってねぇ!!「エアロシャーク」で「ドクロバットジョーカー」を攻撃!!ビック・イーター!!』

 

「っ…!?ガッ──!!」

 

ガン!!

 

「遊希兄!!」

エアロシャークの巨大な口が道化師を噛み砕き、粉砕…その爆発で遊希は岩の地面に強く頭を打ち付けた…!

 

遊希LP2000→900

 

 

『俺は…これでターンエンドだ…!』

 

凌牙LP3800

アビススプラッシュ エアロシャーク 手札0 (『プレートサルベージ』適用中)

 

 

 

「遊希兄…!遊希!しっかりしろ!!」

 

「ねぇ、今の頭の打ち方…ヤバいんじゃないの…!」

 

「遊希!立て!!遊勝塾の為に立つのだぁ!!」

頭を打ったまま起き上がらない遊希…その姿を見た遊矢達が必死に声を上げる…!

 

 

『(今、俺ができる限りの全力を叩き込んだ……どうだ…!?)』

凌牙も倒れた遊希を見つめる…もし、凌牙の推測が正しいのならば、遊希は───

 

 

 

 

Side???

 

 

 

頭が、いたい…目の前が暗くなる…

 

 

 

 

……守らなきゃ

 

 

 

 

みんなの居場所を……

 

 

 

 

遊勝さんの、帰ってくる場所を……

 

 

 

 

 

僕を、受け入れてくれたみんなを……

 

 

 

 

 

奪わせない(守らなきゃ)

 

 

 

 

 

許さない(守るんだ)!!

 

 

 

 

ドクン!!

 

 

 

 

 

 

「………!」

 

 

「遊希…!!」

遊希が静かに立ちあがる…そして……

 

 

 

【「オオ…うおおぁぁぁ!!!」】

 

 

「「『っ──!?』」」

空気が震える程の咆哮を轟かせた!!

 

 

 

 

 

【ドロォ!!】

 

【我が魂に宿る、大いなる力よ!再び運命の振り子を揺らせ!ペンデュラム召喚!!『ドクロバットジョーカー』!『オッドアイズファントムドラゴン』!!】

赤のペンデュラムが激しく揺れ動き、再び道化師と幻影竜が現れる! ATK1800 2500

 

 

【■はレベル4の『ドクロバットジョーカー』と『シルバークロウ』の2体でオーバーレイ!!】

 

「えっ…!?遊希兄が、エクシーズ召喚!?」

遊希の言葉とともに2体のモンスターが銀河に飛び込み…ビックバンを起こす!!

 

 

ムゲン

 

 

【現れろ…『No.ムゲン』!『デュエルガアディアン』!!】

 

『っ…!!』

その時、誰も召喚されたモンスターの名前を聞き取れなかった…そして銀河の中から巨大な水晶の斧剣が現れる! ATK2500

 

 

【バトル…!『オッドアイズファントムドラゴン』で『エアロシャーク』を攻撃!!夢幻のスパイラル・フレイム!!】

 

『くっ─!!』

螺旋の炎が鮫潜水艦を撃ち抜き、破壊する!

 

凌牙LP3800→3200

 

【『オッドアイズ』の効果発動!!ペンデュラム召喚されたこのモンスターが相手にダメージを与えた時、ペンデュラムゾーンの『オッドアイズ』1枚につき1200ダメージを与える!!幻視の力!アトミック・フォース!!】

 

『なにっ…!?があああっ…!!』

ペンデュラムゾーンからの援護射撃が凌牙のライフを大きく削り、吹き飛ばす!!

 

凌牙LP3200→800

 

 

「や、やったあ!大ダメージだ!!」

 

「ま、待って!?なんか変だよ!?」

遊希の反撃に歓声を上げる遊矢達…だが、アユが異変に気付く…アトミックフォースが直撃した地面に黒い穴が穿たれ…デュエルフィールドの床自体が砕けていたのだ…!

 

「待て…!いくら質量を持つリアルソリッドビジョンとはいえ、影響があるのはアクションフィールドにのみ……デュエルフィールドの地面が砕けるなど、聞いた事がないぞ!?」

 

『くっ…やり方を、間違えたか…!!』

権現坂の言葉を聞きながら、凌牙は頬の血を拭う…!

 

 

【バトル…!『デュエルガアディアン』で『アビス・スプラッシュ』を攻撃!!】

 

『っ…!「アビススプラッシュ」の効果発動!ORUを1つ使い、攻撃力を2倍にする!!』

 

【『デュエルガアディアン』の効果発動…!ORUを1つ使い、バトルする相手モンスターの攻撃力または守備力のどちらか高い数値分、自身の攻撃力をアップする─!!】

海神の鉾にエネルギーが集中する、さらに呼応するように水晶の剣に禍々しい光が集中する!!

 

アビススプラッシュ ATK2400→4800

 

デュエルガアディアン ATK2500→7300

 

 

『っ…マズい!!アビス!あの人を上にかち上げろ─!!』

 

《オオオッ!!》

嫌な予感を感じた凌牙は水晶の剣を手にした遊希を鉾で空中に弾き飛ばす!!

 

 

 

【カオススラッシュ!!】

 

 

『迎え撃て!!ファイナル・フォール!!

 

 

 

水晶の剣から放たれた混沌の斬撃と海神の怒りが衝突する、その瞬間…色彩が消え、音が消え、最後に凄まじい衝撃波が舞網市へと襲いかかった…。

 

 

 

 

 

──DUEL ERROR──

 

 

 

 

 

 

「何が、起きたんだ…?」

 

「いたた…デュエルは、どうなったの…?」

 

最初に正気に戻ったのは遊矢と柚子だった。衝突の瞬間、咄嗟に子供達を守った2人は周囲を見回す…。

 

辺りは照明が落ちたのか暗い…少し離れた所では尻もちをついていたLDSチームが辺りを見回している、そして見学室の窓は割れてこそいないが…大きな亀裂が入っている…。

 

 

 

『母さま、大丈夫ですか?』

 

『零児さん、来ていたのね…何が、起きたの…?』

 

『……超高エネルギーの衝突にデュエルシステムが耐えられず、システムエラーを起こしたようです…!』

零児は咄嗟に日美香を庇っていた…その視線の先では…。

 

 

『ぐっ…かはっ…流石に、やばかった、か……』

ソリッドビジョンが消えたデュエルフィールドの壁にクレーターを作ってめり込む凌牙…そして…デュエルフィールドの天井の金網には()()()()が空いていた…。

 

 

 

「む、う……遊希は…遊希は、どうなった…!?」

修造がデュエルフィールドの惨状を目の当たりにして、遊希の姿を探す──

 

 

 

ガッシャァァァン!!

 

 

 

「「『『!?』』」」

 

その時、遊勝塾の外で何かが壊れる音が響き渡った…。

 

 

 

 

 

「遊希!!遊希!!しっかりするのだ!!」

 

「海馬社ちっ…遊希ィィ!?」

 

「遊希兄─!!?」

 

「う…あ…」

 

外に飛び出した遊矢達が目にしたもの…それはKCの黒リムジンの上に落下した満身創痍の遊希の姿だった。

 

巨大な力の衝突によって遊希は吹き飛ばされ…建物から放り出されていたのだ…。

 

 

「な、なんで…!?なんでただのデュエルでこんな事になるんだよ!?遊希兄!!しっかり!!」

 

「……りょ……が………ご、め……──」

急いで遊希を助け出した遊矢が遊希に呼び掛ける…だが、遊希は言葉にならない何かを呟き…意識を失ってしまった…。

 

 

 

 

「………赤馬、貴様ら…我が友に何をしている…」

 

『これは…海馬社長、偶然ですわ──「貴様には話しておらん赤馬日美香!!顔を見せろ零児ィ!!」っ…!』

救急への通報を終えた海馬が憤怒の形相で遊勝塾の入口にいた男…赤馬零児へと吼える…! 

 

 

「我が庇護下にある遊勝塾に手を出したばかりか、我が友を傷付けるとは何事だァ!!」

 

『海馬、この事態は…流石に私の想定外だ』

 

「想定外で済むものか!!貴様…海馬コーポレーションを敵に回すか!!俺はそれでも構わんのだぞ!!」

怒り心頭で零児へと詰め寄る海馬…その時…。

 

 

『待って、くれ…!赤馬零児は悪くない…悪いのは、俺だ…!』

 

「貴様…?」

海馬へと声を掛けたのは…同じく満身創痍の凌牙だった…その様子に流石の海馬も冷静さを取り戻す…。

 

 

『…瀬人、さん…あの人を、治せるのは…俺だけ、だ……俺に、やらせて、くれ…』

 

「……フン…!何処の馬の骨とも判らぬ者に遊希を任せられるか!!まずはおのれの身体の心配をしろ!!」

 

『……俺は、あの人の……あのひと、の───』

 

『おい!!』

何かを言いかけた凌牙…だが、身体が保たず…そのまま気を失ってしまった…。

 

 

………

 

 

「赤馬理事長、今日はどうぞお引取りを…1勝1敗1分、無効試合1……引き分けにしませんか…!!」

 

『……いいえ、対決は続行します…!そちらにはまだ戦える者が──』

 

『そこまでにしましょう、母さま……決着は私がつけます』

遊希と凌牙の両名がそれぞれに病院に搬送され、海馬も遊希に付き添って去った…残された修造は日美香に引き分けを提案するが、彼女はそれを跳ね除ける。

 

だが…それに待ったを掛けたのは、他ならぬ零児だった。

 

 

  

『榊遊矢…君にデュエルを申し込む、私に勝つ事ができれば…遊勝塾からは手を引こう』

 

『……望む、ところだ!遊希兄があんなに頑張ったんだ…オレが、遊勝塾を守る!!』

遊矢は零児との決闘を受け入れる…遊勝塾を守る為の最後の戦いが始まろうとしていた…。

 

 

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