転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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Ep.8 赤馬零児〜異次元の悪魔〜

Side???

 

 

 

「っ……ここは……病院か…」

凌牙が目を覚ますとそこは病院だった…窓の外では夜の帳が落ち始めている…。

 

 

「……ようやく、見つけられたのに…なんでだよ………()()()…!!」

意識を失う前の最後の記憶を思い出した凌牙は悔しげに拳を握りしめる…。

 

 

最初はあまりに傷だらけで…姿が変わり過ぎて気付けなかった…しかし、彼が持っていた『赤水晶のペンデュラム』…そして、世界で1枚しか存在しない『No.』を使った事で確信した…。

 

 

榊遊希と名乗った少年、その正体は……自分達を守り、1人で戦い続け──行方知れずとなった『英雄』の成れの果てなのだと…。

 

 

「あの様子じゃ、本当に全部忘れちまってる…それに力も……ちくしょう…!!」

凌牙の流した涙がシーツを濡らす…本来の彼なら、あの程度の怪我は問題にならないだろう……だが、力が…彼を『英雄』足らしめていた全てが失われているのなら……凌牙はさらに彼を追い詰めてしまったという事になるのだ…。

 

 

「待っててくれ…必ず、記憶を呼び覚ましてやるからな…父さん…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──『No.∞』の強制励起、並びに暴走を確認…『魂の回廊』接続開始……失敗──

 

 

 

 

──代替措置を適用…『カード庫』と『NEXUSホルダー』をリンク……失敗……再設定……──

 

 

 

 

──………マスター……早く…目を覚まして…!──

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

「うっ……ここは…?」

遊希は全身にのしかかる倦怠感と共に目を覚ました、少し辺りを見回して…どうやら病院らしいと理解した。

 

 

「……遊矢…」

 

「すぅ…すぅ…」

そうして、次に気付いたのは自分のベッドに突っ伏している遊矢の姿だった…なお、遊矢が落ち込んでいる事を示すゴーグルを掛けたままである。

 

 

「……僕は、なんで病院に……そうだ、LDSと遊勝塾を賭けたデュエルをして…」

無意識に遊矢の頭を撫でながら、遊希は記憶を呼び起こす……最後の記憶は凌牙という少年とのデュエルの中で頭を打った所までだった。

 

 

「遊矢!飲み物買っ……遊希さん!?目が覚めたのね!!良かった〜…」

 

「ふがっ…!?遊希兄!!し、心配掛けないでくれよぉ…丸1日、目を覚まさなかったんだぜ!?」

 

「柚子ちゃん…遊矢…心配させてごめんな…」

そんな時、遊矢の飲み物を買いに行っていた柚子が遊希の目覚めに気付き…遊矢も驚いて目を覚ましたのだった。

 

 

………

 

 

「えっ…それじゃあ、何も覚えてないの…?」

 

「……ああ、頭を打った後の事はまったく…僕が、そんな事を…?」

 

「うん…壊れたデュエルフィールドは海馬さん……海馬コーポレーションが直してくれるって…」

目を覚ました遊希は何が起きたのかを遊矢達に確かめる…そして、聞かされた出来事に動揺した…。

 

 

頭を打った後、まるで『獣』のように戦い始めた事。

 

自身が持っていないはずの『エクシーズモンスター』を召喚した事。

 

リアルソリッドビジョンでは考えられない程の威力で攻撃し、デュエルフィールドを破壊した事。

 

そして…自身を止めようとしてくれた凌牙との衝突でデュエルフィールドが半壊、さらに遊勝塾から吹き飛ばされて怪我を負った事……それは俄には信じられない出来事だった。

 

 

「……でも、こんな怪我をしてるって事は……本当なんだよな…」

遊希は改めて自分の身体を見る…全身に巻きつけられた包帯、思うように力が入らない右手……そして()()()()()()視界…

 

 

「……左目失明……アクションデュエリストとしては致命的、か……」

 

「遊希兄…」

柚子の手鏡に写った遊希の顔…以前にも増して傷だらけになった顔に加え、その左目は光を失ってしまっていた……フィールド内を駆け回り、アクションカードを探すアクションデュエリストにとって、それは致命傷だった。

 

 

 

「遊矢、そんな悲しそうな顔するなって…左目が見えなくたってデュエルはできる、デッキをアクションカードに頼らない構成に変えて…権現坂君の『不動のデュエル』に近い形にすればまだ戦えるさ!大丈夫!」

 

「遊希兄…なんで、そんな笑ってられるんだよ…」

遊矢の頭を撫でながら笑う遊希…その様子を見た遊矢は問いかける…。

 

 

「…遊矢、僕は全てを失った『0』の状態から始まった…なら、今さら何が起きたって『それ以下』にはならない…今の僕には遊矢が、柚子ちゃんが…みんながいて、ペンデュラム召喚っていう武器もある……()()()()()()で頑張って、できる事を精一杯すれば良いだけさ!」

 

「かっとビング…?なんですか?その言葉…?」

 

「………あれ?勢いで言ったんだけど……なんだろ?」

 

「「えぇ〜…?」」

柚子に『かっとビング』なる言葉の意味を問われた遊希は思わず首を傾げる…自分でも()()()()()()()()()()のだ。

 

 

「まぁ、僕の事は置いといて…そのあと、何が起きたのか教えてくれる?」

 

「ああ、遊希兄と相手の凌牙が病院に運ばれて……それでも、赤馬理事長は対決を続けようとしたんだ…そこで、アイツが出てきた…!」

 

「レオ・コーポレーションの社長、そしてプロデュエリストの…赤馬零児」

 

そして遊矢と柚子は語り始めた…遊勝塾を賭けた最後の戦い、遥か格上のプロデュエリスト…赤馬零児とのデュエルについて…。

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

「(赤馬零児…その名前、何処かで……あった!!最年少プロデュエリストになった、レオ・コーポレーションの社長…!彼が…!!)」

戦いを前に修造はタブレットで赤馬理事長の呟いた名前について検索する…その答えは遊勝塾にとって最悪の情報だった…!

 

「(遊矢は次の『アクションフィールド』も俺に任せると言ってくれた…だが、相手はプロデュエリスト……卑怯と言われようと…遊矢の得意なフィールドを!!)」

プロデュエリストに挑む遊矢の為…修造は初めて()()を加える事を決めた…!

 

 

 

 

 

「(負けられない…このデュエルだけは、絶対に…!)」

 

『………』

遊希と凌牙の激戦の応急処置が終わったデュエルフィールドで遊矢、そして赤いマフラーを靡かせた銀髪の眼鏡の青年…赤馬零児が対峙する。

 

零児は自然体で遊矢を見つめている…一方、遊矢はゴーグルを降ろし…そのゴーグル越しに零児を睨んでいた…。 

 

 

「(柚子も…権現坂も…遊希兄も全力で遊勝塾を守ろうと戦ってくれた…オレは、その思いを無駄にしちゃダメなんだ…!)」

その脳裏に浮かぶのは共に戦ってくれた仲間達、そして遊希の姿…だが、その強すぎる思いは遊矢を追い詰めていた…。

 

 

「っ…遊矢!!」

 

「柚子…?」

そんな遊矢に見学室の柚子が声をかける…!

 

 

「遊矢!()()()!!遊勝塾は明るく楽しい()()()()()()()()を教える塾よ!笑顔を…笑顔を忘れないで!!」

 

「柚子…そうか、そうだった…楽しくエンタメるのがオレのモットー!その笑顔を忘れちゃダメだった!」

柚子の言葉で遊矢の張り詰めていた気持ちが緩む、遊矢のモットーは人々を沸かせ、楽しませる『エンタメデュエル』…それにはまず、自分が笑顔でなければ意味はない…!

 

「よ〜し、見せてやる!最高の笑顔と最高のデュエルを!!」

ゴーグルを上げた遊矢は本来の調子を取り戻す!

 

 

「よ〜し!準備はできたな!では…アクションフィールドオン!!フィールド魔法『アスレチック・サーカス』発動!!」

 

『ほう…』

遊矢の様子を見た修造がアクションフィールドを展開する、そこは色とりどりのボールやブランコ、回し車などが散らばるサーカス劇場…遊矢が得意とするアクションフィールドだった!

 

 

「期待に応えるのがエンターティナー!さぁ、みんなに最高のデュエルを見せてやる!!」

 

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!」

 

「フィールド内を駆け巡る!」

 

「「「これぞ!デュエルの最強進化系!アクショーン!!」」」

 

 

『「デュエル!!」』

 

子供達の口上と共に…遊勝塾の運命を賭けたデュエルが始まった!

 

 

 

デュエルダイジェスト 遊矢対零児

 

 

 

 

「フィールドを選ばせてもらったお礼だ!先攻は譲るよ!」

 

『お礼……譲る、か…君はそういう思考をするのか』

 

「えっ…?」

先攻を譲ると言った遊矢に興味深いといった態度を取る零児…先攻はドローこそできないが、伏せカードなどの対処ができる重要な要素…合理的な考え方をする零児はその有利を手放す事を理解できなかったのだ。

 

 

『まぁいい…申し出は受け取っておこう、私のターン!私は3枚の魔法カードを発動する…まずは1枚目!永続魔法「地獄門の契約書」!このカードは自分スタンバイフェイズに()()()1()0()0()0()()()()()()()()()

 

「自分のターンに1000ダメージだと!?」

零児が発動したのは『契約書』と名のつく永続魔法…1000ダメージを受けるデメリットがあるが…強力な効果を秘めている…!

 

 

『「地獄門の契約書」の効果により1ターンに1度、私はデッキからレベル4以下の「DD」と名のつくモンスターを手札に加える事ができる…私は「DDケルベロス」を手札に加える』

 

「DD…?」

 

「なんて意味だろう?」

 

「たぶん…ディファレント・ディメンション…『異次元』って意味だと思うよ?」

フトシとアユの疑問に素良が答える…そして零児は文字通り『異次元』のプレイングを展開する!

 

 

『さらに2枚目、同じく永続魔法「地獄門の契約書」を発動!デッキから「DDリリス」を手札に加える…そして、3枚目…永続魔法「魔神王の契約書」を発動!このカードも自分スタンバイフェイズに自分が1000ダメージを受ける、そして1ターンに1度…自分の手札・フィールドから融合素材モンスターを墓地に送る事で「融合」無しで悪魔族の融合モンスターを融合召喚できる!』

 

「なっ…『融合』無しの融合召喚だって!?」

3000ダメージものリスクを背負った零児、その一手は融合召喚…!

 

 

『私は手札の「DDケルベロス」と「DDリリス」で融合!牙剥く地獄の番犬よ…闇より誘う妖婦よ!冥府に渦巻く光の中で…今ひとつとなりて新たな王を生み出さん!融合召喚!!生誕せよ!「DDD烈火王テムジン」!!』

3つの頭を持つ番犬と半人半蛇の悪魔が融合の渦に飛び込み…燃え盛る剣を持つ炎の王を喚び出す!

 

 

「ゆ、融合召喚だと!?赤馬零児が公式戦で融合召喚を使った記録は無い……融合召喚を使わずとも勝ち抜いて来た彼が…さらなる力を…!?」

修造は予想外の融合召喚に戦慄する…赤馬零児はその『全力』を人前で見せた事がないのだ…!

 

『私はカードを2枚伏せ、ターンエンド』

全ての手札を伏せた零児、だが…その表情はまったく変わっていなかった…ただ、その瞳だけは…遊矢を見定めるかのように鋭かった…。

 

 

「いきなり驚かされちゃったな…なら、今度はオレのエンタメデュエルで驚かせる番だ─!」

余裕を崩さない零児に対し、遊矢は果敢に挑みかかった…!

 

 

…だが、零児は強かった。

 

 

相手モンスターの攻守を入れ替える「EMウィップ・バイパー」で『テムジン』に挑む遊矢…だが、零児は永続罠『戦乙女の契約書』を発動、スタンバイフェイズに1000ダメージを受ける代わりに1ターンに1度、モンスターの攻撃力を1000アップする効果で迎え撃つ。

 

しかし、遊矢は攻撃力を1000アップするアクションマジック『ハイダイブ』で攻撃を続行…だが、零児は不利を悟ると新たな罠カード『契約洗浄』、さらにアクションマジック『回避』で遊矢の攻撃を避ける……そして、この時点で零児は計4000ダメージを受ける事が確定していたが…『契約洗浄』の効果で全ての『契約書』を墓地に送り、ダメージを4枚のドローへと変えて踏み倒してしまった…!

 

 

『遊矢、君はとても心根の優しい人間だ…だが、その優しさは戦いの場では通用しない!ターンを終えれば私に勝てる状況で…君はそれを躊躇した、その甘さがこの状況を生み出した…!』

 

「甘い…か、でも…もしそれで勝てたとしても!オレは嬉しくないな…みんなが期待するオレの『エンタメデュエル』の見せ場がなくなっちゃうから!…アンタから見れば、これも甘ったれた考えなんだろうけど…オレは!父さんから受け継いだエンタメデュエルで…勝ってみせる!!」

遊矢の甘さを指摘する零児…だが、遊矢はそれでいいと笑っていた…父から受け継いだデュエルで零児に勝ってみせると…。

 

 

 

『榊遊勝のデュエルで、か…』

 

「…父さんを、知ってるのか?」

遊矢の言葉を聞いた零児は眼鏡を直しながら遊勝の名前を口にする…その様子はまるで…遊勝に()()()()()()()ような様子だった。

 

 

「ははっ!そりゃ知ってるさ!お前の父ちゃんは逃げ出した『元チャンピオン』として──」

 

 

『黙れ!!』

 

 

「「っ─!?」」

遊勝の事を貶す刀堂刃と志島北斗…その言葉を聞いた零児の殺気の込められた一喝が炸裂する…!

 

 

 

「……アンタ…」

 

『失礼、もちろん…君の父上の事は存じ上げている……現在のアクションデュエルの隆盛を築き上げたパイオニアとして…()()()()()()()()()

遊勝に対して敬意を見せた零児は…初めて小さな笑みを見せる。

 

『今日は見せてもらうよ…君が父上から継承したデュエルを……であるなら、私も君に本気を見せねばなるまい…!』

 

「本気だって…!?」

エンタメデュエルを見せると言った遊矢を前に零児の闘志が膨れ上がる…先の凌牙の闘志が荒々しき荒海だとするのなら、零児の闘志は…全てを飲み込む業火の如く…!

 

 

 

 

『闇を切り裂く咆哮よ…疾風の速さを得て、新たな王の産声となれ!シンクロ召喚!生誕せよ!「DDD疾風王アレクサンダー」!!』

 

 

『私はレベル4の「DDリリス」と「DDケルベロス」でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!この世の全てを統べる為、今!世界の頂に降臨せよ!エクシーズ召喚!生誕せよ!「DDD怒濤王シーザー」!!』

本気を出すと宣言した零児…その場に緑のマントを翻し、大剣を構えるシンクロモンスター…さらに青いマントを翻し、棍棒を持つエクシーズモンスターが並び立つ!

 

 

『DDD…それはすなわち、ディファレント・ディメンション・デーモン…異次元を制する王の力…とくと味わうがいい!!』

3つの召喚法を操る零児…その攻勢が遊矢に迫る!

 

 

 

─────────────────────

 

 

「融合・シンクロ・エクシーズ…3つの召喚法を同時に…!?それが彼の本気か…」

 

「ああ…あの時はびっくりしたぜ…」

遊矢の話を聞いていた遊希が息を呑む…遊矢の言葉からも当時の驚きが分かるようだった。

 

 

「……僕とデュエルした時は…本当に様子見だった訳か…」

 

「オレも聞いたよ…遊希兄のデュエルは凄かったって…先に戦ってたんなら教えてくれたら良いのに…」

 

「ごめんごめん…それで、その先はどうなったんだ?聞いた限り、大ピンチだけど…?」

 

「まぁ、そこはなんとかしたのさ!」

遊矢はその先について語り始めた…。

 

 

──────────────────────

 

 

 

『バトルだ!「烈火王テムジン」で「ウィップバイパー」を攻撃!』

 

「させるか!速攻魔法『カバーカーニバル』発動!3体の『カバー・トークン』を守備表示で特殊召喚!」

斬りかかる炎の王…だが、その前にサンバ衣装を纏ったカバ達が現れる!

 

「その効果により、相手は『カバートークン』以外のモンスターを攻撃できない!」

 

『ならば…そのトークンから倒すまでだ!!』

炎の王、風の王、水の王がカバートークン達を粉砕する…ライフとモンスターを守る事には成功したかに思われたが…風の王『疾風王アレクサンダー』は2回攻撃の効果を持っていた為、『ウィップバイパー』は『怒濤王シーザー』に倒されてしまう…!

 

 

「すごいな…!これがアンタの本気か…!!3つの召喚法を操るなんて驚いたよ…!今度はオレのターンだ!オレは融合もシンクロも、エクシーズもできないけど…オレと遊希兄だけに与えられた力がある!!お楽しみはこれからだ─!」

零児のプレイングに圧倒される遊矢…だが、彼にも手にした『力』がある…!

 

 

PENDULUM!!

 

 

「オレはスケール1の『星読みの魔術師』とスケール8の『時読みの魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!ペンデュラム召喚!!手札から現れろ!『EMファイヤ・マフライオ』!『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』!!」

揺れ動くペンデュラムの軌跡…そ鬣が炎になったライオン、そして二色の眼の竜が現れる!

 

 

「さぁ、みなさまご注目!我が一座のスーパースター『オッドアイズペンデュラムドラゴン』による()()()()を御覧頂きます!!いくぞ、オッドアイズ!!」

遊矢はオッドアイズに跳び乗り、零児に突進する!

 

 

「バトルだ!『オッドアイズ』で『烈火王テムジン』を攻撃!螺旋のストライク・バースト!」

黒き螺旋の炎が炎の王に直撃する!

 

「さらに!レベル5以上のモンスターとバトルする時、与える戦闘ダメージを2倍にする!リアクション・フォース!!」

 

『ぬぅっ…!?』

勢いを増した螺旋の息吹が炎の王を粉砕…1000ダメージを与える!

 

「さらに!『マフライオ』の効果発動!相手モンスターを破壊したペンデュラムモンスターはバトル終了時まで攻撃力を200アップし、もう一度攻撃できる!火の輪を潜って攻撃だ!オッドアイズ!!」

その姿はまさにドラゴン使い…マフライオの火の輪を通り抜けたオッドアイズが再び攻撃を仕掛ける!

 

 

「『オッドアイズ』で『疾風王アレクサンダー』を攻撃!螺旋のストライクバースト!さらに戦闘ダメージは2倍になる!リアクション・フォース!」

螺旋の一撃が風の王を粉砕…さらにダメージを与える!

 

「そして…!アクションマジック『ワンダー・チャンス』を発動!モンスター1体の攻撃を一回増やす事ができる!!『オッドアイズ』で『怒濤王シーザー』を攻撃!!」

 

『……フッ…!』

それは驚きの3連撃、螺旋の息吹が水の王を粉砕する…大ダメージを受けた零児…だが、彼はまだ揺らがない…!

 

 

『「怒濤王シーザー」のモンスター効果発動、1ターンに1度!ORUを1つ使い、このターンバトルで破壊されたモンスターをバトルフェイズ終了時に特殊召喚する!甦れ!「烈火王テムジン」!「疾風王アレクサンダー」!「怒濤王シーザー」!』

 

「なにっ!?」

破壊されたはずの3体の王が墓地から蘇る!

 

 

『ただし、それ相応の()()()もある…私は次の自分のターンにこの効果で特殊召喚したモンスターがフィールドに存在する時、1体につき1000ダメージを受ける……だが、こうすれば関係ない!罠カード発動!「DDDの人事権」!自分フィールドの「DDD」モンスター3体をデッキに戻し…デッキから「DD」モンスター2体を手札に加える…私は「DD魔導賢者ガリレイ」「DD魔導賢者ケプラー」を手札に加える』

再びコストを踏み倒し、新たなモンスターを呼び込んだ零児…それは…彼の新たな力…!

 

 

 

「オレはカードを1枚伏せて、ターンエンド!!……アンタ、本当にすごいな!やる事為す事…全部、オレの想像を超えてる!この先…アンタがどうオレを驚かせてくれるのか楽しみだよ!」

 

『フッ…君こそ、見事だった!ペンデュラム召喚がどのようなものか、身をもって味あわせてもらったよ…』

お互いにプレイングを称え合う遊矢と零児、しかし…零児は鋭く遊矢を見据える…!

 

 

『次は…()()の番だ』

 

「えっ…?」

 

『榊遊矢…そして榊遊希…ペンデュラムが本当に()()2()()()()()()かどうか…その目で確かめるといい!!』

零児の言葉…その真意は──

 

 

 

 

 

『私はスケール1の「DD魔導賢者ガリレイ」とスケール10の「DD魔導賢者ケプラー」でペンデュラムスケールをセッティング!!』

 

 

PENDULUM!!

 

 

「「『『なんだって!?』』」」

その場にいた全員の声が重なる…遊矢と遊希しか持たぬはずの『ペンデュラム』…その力を零児は科学の力で手にしていた!!

 

 

『我が魂を揺らす大いなる力!この身に宿りて闇を切り裂く、新たな光となれ!!ペンデュラム召喚!!出現せよ!私のモンスター達!!全ての王をも統べる3体の超越神…「DDD死偉王ヘル・アーマゲドン」!』

光の中に現れた扉の中から闇の光が飛び出す…それは攻撃力3000を誇る零児の新たなエース、3体の王だった!

 

 

 

──────────────────────

 

 

「零児が、ペンデュラム召喚を…!?」

 

「うん…レオ・コーポレーションの力で作り上げた『プロトタイプ』のペンデュラムモンスターだって言ってた……本当にびっくりして、動揺したんだ…」

 

「……そうか…」

零児のペンデュラム召喚について聞いた遊希は遊矢を見る…その表情は何処か追い詰められたようだった。

 

 

「それで…どうなったんだ?」

 

「そこから零児が猛攻を仕掛けて来て…遊矢はアクションマジックを使ってなんとか凌いだんです…それで反撃しようとしたら…」

 

「『ヘル・アーマゲドン』は仲間が破壊されたら攻撃力が2倍になるって効果を持ってたんだ…それで、もうダメだ〜!って思ったら……」

そして柚子と遊矢はデュエルの顛末を語る…。

 

 

 

─────────────────────

 

 

 

 

『いくぞ…私のターン!ドロー!』

圧倒的な力で遊矢を追い詰めた零児がカードを引く、その時だった!

 

 

バリ…バリバリバリ…ドォォン!!

 

 

『な、なにっ─!?』

 

「な、なんだ!?」

突然、零児のペンデュラムスケールにノイズか走る…そして不規則に数字が流れ、「ガリレイ」のスケールが2に、「ケプラー」のスケールが5に変化した瞬間…フィールドに残っていた『ヘルアーマゲドン』2体が崩壊してしまったのだ…!

 

 

『所詮プロトタイプ…まだ安定しないか……だが、この状況は…そうか……はは、ははは…!!』

一転して追い詰められた零児…だが、自分のフィールドを確認し…何かに気づいたのか笑い始めた…!

 

 

『何故、今まで気付かなかったのだ…?ペンデュラムも()()()ではない…()()()()()()ように、まだ先がある!!私にも見えたぞ!ペンデュラム召喚のさらなる進化を!!いま、それを実証して見せよう─!!』

 

「なっ…!?」

ペンデュラムの新たな可能性に気付いたらしい零児…彼はその先を見せようとした…だが…!

 

 

 

『な、なんですって!?』

 

「マルコ先生が!?」

 

『「っ…!?」』

突然、LDSチームの様子が慌ただしくなる…何かトラブルが起きたらしい…!

 

 

『どうした?………なんだと?…榊遊矢、この勝負…()()()!!』

 

「お、おい!?」

秘書から何かを聞いた零児は足早にアクションフィールドから離れようとする!

 

 

「待て!…アンタ、名前は…!」

 

『赤馬零児だ…覚えておくといい』

 

「赤馬…零児…」

遊矢に改めて自分の名を告げた零児は遊勝塾を去って行った……波乱はあったものの、遊勝塾は守られたのだった…。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

「不慮のトラブルでLDSが撤退…か、確か…マルコという人は融合コースのカリスマ講師だったな…いったい何が…?」

 

「さっき、また沢渡に会ってさ…その人、誰かに襲われたらしいんだ、そのせいか分からないけど…LDSの大人がウロウロしてるし……」

 

「………」

 

「そうか…」

とりあえず、遊勝塾の無事を聞いて安堵する遊希…しかし、謎は深まるばかりだった…。

 

 

 

「とりあえず…目以外は軽症だから明日、明後日には退院させてくれるだろう…遊矢、洋子さんにも伝えておいてくれるか?」

 

「わかった!しっかり休んでくれよ遊希兄!」

遊勝塾の無事を伝えた遊矢は席を立つ…だが、その一方で柚子は少し表情が暗かった。

 

 

「……柚子ちゃん、1人で抱え込むのはきみの悪い癖だよ?……整理できたらいつでも話を聞いてあげるからね?」

 

「ありがとう、遊希さん……また来ます!」

遊希の言葉に笑って応えた柚子は遊矢と共に帰って行った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ちくしょう…人の事、気にしてる場合じゃ…ないよなぁ……」

遊矢達が帰った後…窓から見える夕陽を見ながら…遊希は泣いていた…。

 

 

「どうして…どうして、僕ばっかり…こんな目に遭うんだよ……僕が、何をしたっていうんだ…!!」

自身にばかり降り掛かる災厄に弱音を吐く遊希…その小さな嘆きは一人きりの病室に消えていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《フォーウ……》

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