転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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Ep.10 美しきデュエル〜華麗なるハーピィ使い〜

「よーし、これで完ぺきだ…明日からの4連戦、このデッキで必ず勝ち抜く…!そして、プロへの第一歩を踏み出すんだ!」

 

とある夜、遊矢は自室でデッキ構築に勤しんでいた…元チャンピオン・ストロング石島の付き人ニコ・スマイリーのお膳立てで舞網チャンピオンシップスへの出場資格を得る為のデュエルを出来る事になった遊矢は万全の体制で戦いに備えていた…。

 

 

──私にも見えたぞ…!ペンデュラム召喚の新たな進化の可能性が…!!──

 

 

「……()()()にも、絶対負けない…!」

その時、遊矢が思い出したのは…三人目のペンデュラム使い、赤馬零児の顔…『ペンデュラム召喚の進化』……その意味はまだ分からないままだった…。

 

 

 

………

 

 

 

「ふぅ…スッキリした!しっかり寝れたから…次は腹ごしらえだな」

翌朝、しっかりと睡眠を取り、身支度を整えた遊矢はダイニングへと向かう、そこへ…。

 

 

《アン!アンアン!!》

 

《ブニャ〜》

 

「あ、おはようアン!コール!」

榊家のペット…コーギー犬のアン、少し太めな白猫のコールを始めとした彼らがやって来た。

 

「うんうんワットもキロも……あれっ?()()増えてる!?……母さん、また拾ってきたな…?(汗)」

マルチーズのワット、ブルドッグのキロ…さらに見慣れない三毛猫とチョビ髭の模様のあるブチ猫…そして白いふわふわとした毛並みの白い子猫がやって来る…その3匹は遊矢の知らない猫達だった。

 

 

「お前…なんだか珍しい毛並みだなぁ…?おいで!」

 

《………フォウ》プィッ

 

「あれれ?嫌われてるのかなぁ…オレ、動物には好かれる方なのに…」

ふわふわの子猫を抱き上げようとした遊矢だが…そっぽを向いた子猫はダイニングへと向かってしまった。

 

 

 

 

 

『あっ、おはよう遊矢!』

 

「おはよう素良…って、すっかりウチに馴染んでるな…」

 

『まぁまぁ、ボクと遊矢は友達なんだから〜』

ダイニングにやって来た遊矢を迎えたのは半分居候になっている素良だった、その横では…。

 

 

「おはよう遊矢!よく寝れたか?」

 

「おはよう遊希兄!ぐっすり眠れた!」

 

「よかった…その顔なら大丈夫そうだな」

 

《フォウ》

以前にも増して強面になり、黒いバンダナで左眼を隠した遊希が朝食の準備をしていた…その頭には先程の白い子猫が乗っている…。

 

 

 

「遊矢は4連戦で4連勝、素良君は6連勝…2人とも、厳しい戦いだけど頑張るんだぞ?」

 

『そんな心配しないでよ遊希!全然余裕だからさ!』

 

「えっと遊希兄は…勝ち負け関係なく2連戦で良いんだっけ?」

 

「ああ…ただ、対戦相手を用意してくれるのが海馬社長だから…どんな人と戦うのかなぁ?なっ?フォウくん」

 

《フォウ、フォ〜ウ!》

遊希は厳しい戦いを前にする遊矢と素良を激励するが…自分の相手に対しては少し不安なのか、子猫…フォウくんへと問い掛けている…。

 

 

「その猫、遊希兄には懐いてるんだ?」

 

『そうなんだよ!ボクも撫でようとしたら逃げ出すし…気難しい子みたいだよ?』

 

「う〜ん?洋子さんには懐くんだけどなぁ?」

 

《フォウ…フォウ、フォーウ……》

遊希や洋子にだけ懐くフォウくんに3人は首を傾げたのだった。

  

 

 

「それより…母さん!朝ごはんまだ〜?」

 

「ちょっと待って〜!いま、ミッチーのミルフィーユトンカツとスペシャルサラダを作ってるから〜!」

 

「うへっ…そんな手間の掛かる奴じゃなくて、いつものパンケーキが良いのに…」

 

「最近話題の少年シェフ、茂古田未知夫の新メニューなんだってさ…さっきから失敗ばっかりみたいで…」

 

「えぇ〜!?集合時間9時なのに〜!?」

 

『……ボクは練乳舐〜めよ』

少し慌ただしく…それでも平和な朝は穏やかに過ぎていった…。

 

 

 

………

 

 

 

「ふぅ、洋子さんのミルフィーユトンカツ美味しかった!遊矢も食べていけばよかったのに…」

少し後、遊希は海馬社長に指定された住所へと向かっていた。

結局、遊矢は朝ごはんを食べずに家を飛び出してしまい…洋子がちょい足しした「ミルフィーユトンカツのパンケーキサンド」を持って対戦相手のいる『霧隠料理スクール』へと向かっていった…。

 

 

 

 

「おう!待ってたぜ、遊希!」

 

「おはよう!モクバ君、海馬社長の代理かな?」

 

「その通り!兄さまは忙しいからな、オレが見届け人さ!」

しばらくして遊希は集合場所に到着…そこではモクバが見届け人として遊希を待っていた。

 

 

「それよりさ…なんで頭にネコ乗せてんだ?」

 

「えっ…フォウくん!?付いて来ちゃったの!?」

 

《フォウ!フォーウ!!》

モクバの指摘に遊希が頭に手を乗せる…そこには家に置いて来たはずのフォウが乗っていたのだ。

 

 

「やけにいつもより視線を感じると思ったら……まったく、迷惑かけちゃダメだぞ?」

 

《フォウ!》

遊希の言葉に元気よく鳴くフォウなのだった…。

 

 

 

「まぁ、最近はペットと一緒のアクションデュエルもあるって言うし…良いんじゃね?それより…今日の対戦相手は…この『美しきデュエル塾』の奴だぜぃ!」

 

「美しきデュエル塾…確か、女性モンスター主力のデュエリストが多いデュエル塾だったね」

モクバの指差す方向…そこには美容院にも見えるお洒落なデュエル塾があった。

 

「じゃあ…さっそく乗り込むぜ!」

 

「うん!よろしくね!」

モクバと共に遊希は塾へと乗り込んだ…!

 

 

 

 

 

『誰かと思えば…アンタがあたしの対戦相手かい?』

 

「あっ…孔雀先輩!?」

美容院のような内装の教室を抜けた先、そこで待っていたのは胸元の開いた紫の服を着たウェーブのかかった金髪の美人、孔雀舞だった…遊希達の2学年上の先輩である。

 

 

『アンタの話は城之内から聞いてる、傷だらけでも戦い続ける漢だってね……それより、その左眼はどうしたんだい?』

 

「ああ…ちょっとアクションデュエルの事故で……支障はほとんどないので気にしないでください…」

 

『アンタも難儀な運命だね……でも、手は抜かないよ!全力で挑んできな!』

 

「はい…!全力で戦います!!」

デュエルフィールドで2人は向かい合う!

 

 

『アクションフィールド「鳥人の狩場」発動!』

そしてリアルソリッドビジョンが起動…周囲の景色が青空の広がる山岳地帯へと変化する!

 

 

 

「戦いの殿堂に集いしデュエリスト達が!」

 

『モンスターと共に地を駆け、宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!』

 

「これぞ、デュエルの最強進化系!アクショーン!!」

 

 

「『デュエル!!』」

遊希と舞の言葉と共にアクションカードが散らばる…2人のデュエルが始まった!

 

 

 

 

遊希LP4000

舞LP4000

 

 

アクションデュエル アクションフィールド『鳥人の狩場』発動中

 

・アクションカードは1枚しか手札に加えられない。

 

 

 

 

「先攻は僕か…!僕のターン!」

「『EMユニ』を召喚!」

ウマの尻尾を持つ少女が現れる! ATK800

 

「そして『ユニ』の効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時、手札からレベル3以下の『EM』を攻撃表示で特殊召喚できる!来い!『EMコン』!」

青い髪のユニコーンの角を生やした少女が現れる! ATK600

 

 

「『コン』の効果発動!フィールドの攻撃力1000以下の『EM』と一緒に守備表示にする事でデッキから『オッドアイズ』モンスター…『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』を手札に加える!」

ユニとコンがしゃがみこみ、遊希の手札にカードを導く!

 

ユニATK800→DEF1500

 

コンATK600→DEF1000

 

 

「いくぞ…!手札からスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』でペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

 

PENDULUM!!

 

 

遊希の背後に光の柱が立ち上がり、その中に赤と緑のドラゴンが浮かび上がる!

 

 

「揺れろ…!希望のペンデュラム!全能の軌跡よ、歴史を刻め!ペンデュラム召喚!!二色の眼を持つ幻影のドラゴン!レベル7!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!」

赤のペンデュラムの軌跡の中から白い鎧を纏い、赤と青の眼を輝かせるドラゴンが現れる! ATK2500

 

 

『へぇ…!これがペンデュラム召喚って奴かい?なかなかに派手な召喚法じゃないか!』

 

「褒めてくれてありがとうございます!…先攻は攻撃できないので…カードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊希LP4000

ユニ コン ファントムドラゴン (Pスケール ペルソナ ミラージュ) 伏せ1 手札0

 

 

 

『最初から飛ばしてくるねぇ…でも、ここはあたしの得意なフィールド!さぁ、美しき狩りを見せてあげる!』

 

 

 

『あたしのターン、ドロー!』

『「ハーピィ・チャネラー」を召喚!』

猛禽類の鉤爪を手足に持ち、さらに黒い翼を腕から生やした羽の杖を持つオレンジ色の髪の女鳥人が現れる! ATK1400

 

 

「聞いた事がある…!孔雀先輩の『ハーピィ・レディ』デッキ…蝶のように舞い、隼のような速さで相手を圧倒するデッキ…!」

 

『その通り!今、あんたのモンスターはハーピィの獲物なのさ!『ハーピィ・チャネラー』の効果発動!手札の「ハーピィズ・ペット竜」を墓地に送り!デッキから「ハーピィ・レディ」を守備表示で特殊召喚!』

チャネラーが羽の杖を振るい、マゼンタ色の髪と緑の翼を持つ鳥人を呼び出した! DEF1400

 

『そして…美しく、恐ろしいハーレムを見せてあげる!魔法カード「万華鏡─華麗なる分身」を発動!自分のフィールドに「ハーピィ・レディ」が存在する時!デッキから「ハーピィ・レディ三姉妹」を特殊召喚!!』

はハーピィ・レディを挟むように合わせ鏡が現れ…その鏡像が鏡から飛び出し、三身一体の鳥人達が現れる! ATK1950

 

 

「一気にモンスターが3体も…でも、攻撃力は僕の『オッドアイズ』には及ばない!」

 

『ふふっ…美しい薔薇には棘がある、そして美しきハーピィ達にも武器があるのさ!魔法カード「トライアングル・X・スパーク」を発動!このターンの間、「ハーピィレディ三姉妹」の攻撃力は2700となり、相手は罠カードを発動できない!』

 

「なんだって!?」

ハーピィレディ三姉妹の腕にエネルギーが集中する! ATK1950→2700

 

『バトルだよ!「ハーピィレディ三姉妹」で「オッドアイズファントムドラゴン」を攻撃!トライアングル・エクスタシー・スパーク!!』

 

「くっ…!オッドアイズ─!!」

三姉妹が力を合わせ『X』を象った雷撃を放つ、その威力は凄まじく…オッドアイズは消し炭になってしまった…。

 

遊希LP4000→3800

 

 

『さらに「チャネラー」で「ユニ」を攻撃!』

 

「くっ…!?」

チャネラーが手にした杖から稲妻を放ち、ユニを撃ち抜いた!

 

『あたしはカードを1枚伏せ、ターンエンドだよ!』

 

舞LP4000

ハーピィレディ チャネラー 三姉妹 伏せ1 手札1

 

 

 

「これがハーピィレディデッキ…でも、負けられない!」

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「僕はスケール1の『ペルソナ』とスケール8の『ミラージュ』でもう一度ペンデュラムスケールをセッティング!再び揺れろ!希望のペンデュラム!ペンデュラム召喚!手札から『EMリザードロー』!そしてエクストラデッキから舞い戻れ!『オッドアイズファントムドラゴン』!」

再び赤のペンデュラムが軌跡を描く…そして襟巻き、付いたスーツを着たトカゲと二色の眼を持つドラゴンが現れる! DEF600 ATK2500

 

 

『なんだって…?そのドラゴンは破壊したはず!』

 

「『オッドアイズファントムドラゴン』はペンデュラムモンスター…ペンデュラムモンスターはフィールドから墓地に送られる代わりにエクストラデッキに表側で加えられ、ペンデュラム召喚によって舞い戻る!バトルだ!『オッドアイズ』で『ハーピィレディ三姉妹』を攻撃!夢幻のスパイラル・フレイム!」

 

『そうはいかないよ!ハーピィ!!』

 

《ヤァッ!!》

 

「飛んだ!?」

螺旋の炎が迫る中、舞は三姉妹の1人に捕まって空へと舞い上がる!

 

 

『アクションマジック「奇跡」!「三姉妹」はこのバトルでは破壊されず、あたしが受けるダメージも半分になる!』

舞は崖から飛び出した枯れ木に引っかかっていたアクションマジックを発動…螺旋の炎を回避する!

 

舞LP4000→3725

 

「まだだ!『オッドアイズ』の効果発動!ペンデュラム召喚されたこのモンスターが相手にダメージを与えた時、ペンデュラムゾーンの『オッドアイズ』カード1枚につき1200ダメージを与える!幻視の力─アトミック…」

 

『まだよ!手札から罠カード「ハーピィの羽根吹雪」を発動!自分の場に風属性・鳥獣族のモンスターが存在する時!このカードは手札から発動できる!相手が発動したモンスター効果はターン終了時まで無効になる!』

 

「っ!?手札から罠を!?」

ペンデュラムゾーンからの援護射撃が巻き上げられた羽根の嵐に防がれる!

 

「ダメージを抑えられたか…!僕はこれでターンエンド!」

 

遊希LP3800

コン リザードロー オッドアイズ (Pスケール ペルソナ ミラージュ) 伏せ1 手札0

 

 

 

『どんなに強力な攻撃も、効果も当たらなきゃ仕方ないのさ!さぁ、どんどんいくよ!』

 

「っ…!」

 

 

『あたしのターン!ドロー!』

『あはっ…!良いカードを引いたわ!魔法カード「ハーピィの羽根箒」を発動!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊するわ!』

 

「っ…!罠カード『ハーフ・アンブレイク』を発動!このターン、自分のモンスター1体はバトルで破壊されず、僕が受けるダメージも半分になる!僕は…『オッドアイズファントムドラゴン』を選択!!」

舞の場に巨大な羽根箒が出現…遊希の場の魔法・罠を全て吹き飛ばす!!

 

 

『なるほどね…ペンデュラムカードは魔法カードとしても扱うの…間一髪でモンスターを守ったつもりかもしれないケド…甘いわ!』

遊希のペンデュラムカードを一掃した舞は岩に張り付いていたアクションカードを手にする!

 

『アクションマジック「急降下」!このターン、自分フィールドの風属性モンスターの攻撃力は1000アップする!』

ハーピィ達が遊希の頭上高く舞い上がる!

 

ハーピィチャネラーATK1400→2400

 

三姉妹ATK1950→2950

 

 

『バトルよ!「三姉妹」で「オッドアイズファントムドラゴン」を攻撃!トリプル・スクラッチ・クラッシュ!!』

 

「『ハーフ・アンブレイク』の効果でダメージは半分になる!ぐうっ…!」

急降下した三姉妹が鋭い鉤爪で泡に守られたオッドアイズを切りつける!

 

遊希LP3800→3575

 

 

『さらに「チャネラー」で「コン」を攻撃!』

 

「っ…!!『リザードロー』の効果発動!自分のモンスターが相手との戦闘・効果で破壊された時!自分の場の『EM』1体につき1枚ドローできる!1ドロー!」

稲妻が少女を撃ち抜く…だが、リザードローが遊希の手札に新たなカードを導く!

 

 

『あたしはこれでターンエンド!』

 

舞LP3725

ハーピィレディ チャネラー 三姉妹 伏せ1 手札0

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

 

「(さっきの攻撃の時、先輩は伏せカードを使わなかった…つまり、あれは攻撃を防ぐカードじゃない…ここは攻める!!)バトルだ!『オッドアイズ』で『ハーピィチャネラー』を攻撃!夢幻のスパイラル・フレイム!」

 

『くっ…!』

螺旋の炎がハーピィの魔法使いを吹き飛ばす!

 

舞LP3725→2625

 

 

「僕は…これでターンエンド…!」

 

遊希LP3575

オッドアイズ リザードロー 手札1

 

 

 

『なかなか足掻くじゃないか…でも、アンタの得手は潰した!決めさせて貰うよ!!』

 

 

 

『あたしのターン!ドロー!』

『見せてあげるわ…ハーピィの本当の力を!リバース罠「華麗なるハーピィ・レディ」を発動!あたしのフィールドの「ハーピィレディ三姉妹」をデッキに戻す事でデッキ・手札・墓地から名前の違う「ハーピィ」モンスター3体を特殊召喚できる!手札から現れなさい!「ハーピィ・ハーピスト」!!』

緑の翼を持つハーピィの竪琴使いが現れる! ATK1700

 

『続いてデッキから「ハーピィ・レディ1」!』

「ハーピィレディ」に似たマゼンタの髪の鳥人が現れる! ATK1300

 

『そして墓地から…ハーピィレディ最強のしもべ!現れなさい!「ハーピィズ・ペット(ドラゴン)」!!』

そして墓地から鎖に繋がれた赤いドラゴンが現れる! ATK2000

 

 

「モンスターがまた…!」

 

『「ハーピィズペット竜」はあたしのフィールドの「ハーピィレディ」の数、1体につき攻撃力を300アップする!あたしのフィールドには「ハーピィレディ」とフィールド上で「ハーピィレディ」として扱う「ハーピィレディ1」と「ハーピスト」の合計3体!よって900ポイントアップ!さらに「ハーピィレディ1」がフィールドにいる時、自分フィールドの風属性モンスターの攻撃力は300アップする!』

 

「攻撃力…3200…!?」

ハーピィ達が風の力を纏い、強化される!

 

 

ハーピィペット竜 ATK2000→3200

 

ハーピィレディ ATK1300→1600

 

ハーピィレディ1 ATK1300→1600

 

ハーピスト ATK1700→2000

 

 

『「ハーピィレディ」を攻撃表示に変更!…まずはドラゴン対決といこうか!バトルよ「ハーピィズペット竜」で「オッドアイズファントムドラゴン」を攻撃!セイント・ファイヤー・ギガ!!』

 

「っ…!?があああっ…!!」

極大の火炎が幻影の竜を灼き尽くす!

 

遊希LP3575→2875

 

 

「っ…『リザードロー』の効果、1枚ドロー!」

 

『続いて「ハーピィレディ」で「リザードロー」を攻撃!爪牙砕断(スクラッチ・クロー)!!』

鋭い鉤爪がリザードローを斬り裂く!

 

『さらに「ハーピィレディ1」でダイレクトアタック!スクラッチ・クロー!!』

 

「があっ…!!」

急降下したハーピィが遊希を蹴り飛ばす!

 

遊希LP2875→1275

 

 

『これでトドメよ!「ハーピィハーピスト」でダイレクトアタック!!』

 

「まだ、だ!墓地の『EMユニ』の効果、発動!墓地の『EMコン』と共に除外する事て、1度だけ戦闘ダメージを0にする…!」

蹴り飛ばされた痛みを堪えながら遊希は効果を発動、ユニとコンの幻影がハーピストの攻撃から遊希を庇う!

 

『へぇ、そんな効果を隠してたのかい…あたしはこれでターンエンドさ』

 

舞LP2625

ハーピィレディ ハーピィ1 ハーピスト ペット竜 手札0

 

 

 

「ふぅ…ふぅ…はぁ…!」

 

『……アンタ、本調子じゃないね?息が上がってるじゃないか…それに、アクションカードを取りに行こうともしない…その傷、見た目だけじゃないね?』

 

「っ…」

舞の言葉に遊希の表情が曇る…海馬社長とのデュエルから1週間、自分なりに体力を上げる努力はしてきたが…未だに本調子には程遠いのだ…。

 

 

『遊希、サレンダーしな!今のアンタじゃあたしには勝てないよ!……アンタは負けても舞網チャンピオンシップスの出場権を得られる…本番の前に身体を壊してどうするんだい?』

 

「……確かに、このデュエルは負けても大丈夫かもしれない……それでも、僕はサレンダーはしない!ライフが残ってて、手札があるのなら…まだ!僕は戦える!!」

 

『そうかい…それがアンタの覚悟なら、かかってきな!すぐに終わらせてあげる!』

サレンダーを拒否した遊希を舞は睨み付ける…!

 

 

 

「(今の手札は『EMドクロバットジョーカー』、そして…『黒牙の魔術師』…次のターンでカードを引けなきゃ、僕の負けだ…!諦めるな……最後まで、諦めるな!!)」

手札のカードを確認し、デッキトップに手を掛ける遊希…その時…。

 

《フォウ…フォーウ》

 

「っ…フォウくん!ダメだよ、出てきたら…!」

遊希の胸ポケットに隠れていたフォウが姿を現し、遊希の肩に登る…そして遊希の頬を優しく舐める…。

 

 

「……落ち着いて…かな?……確かに、少し力が入りすぎ、かな…」

 

《フォウ!》

フォウの様子から遊希は彼の伝えたい事を察する…それは当たっていたらしく、フォウは頷く…。

 

 

「僕は全てを失った…なら、僕は…もう失うものはない!このドローが、僕を新たな未来に導く!!」

心を落ち着かせた遊希はデッキトップに手を掛ける!

 

 

 

「僕のターン…ドロー!」

「『EMドクロバット・ジョーカー』を召喚!」

シルクハットを被った道化師が現れる! ATK1800

 

「『ドクロバットジョーカー』の効果発動!召喚に成功した時、デッキから魔術師Pモンスター『紫毒の魔術師』を手札に加える!さらに魔法カード『ペンデュラム・ホルト』を発動!自分のエクストラデッキに表側表示のペンデュラムモンスターが存在する時!効果の発動後、デッキからカードを手札に加えられなくなる代わりに2ドローできる!これが、僕の希望だ─!!」

光の軌跡と共にカードがドローされる!

 

 

「来た……これで、勝利への方程式は全て揃った!」

 

『なに…?』

 

「僕はスケール1の『紫毒の魔術師』とスケール8の『黒牙の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」

光の柱の中に毒々しい紫のローブの魔術師と屈強な身体を持つ黒いローブの魔術師が浮かび上がる!

 

 

『再び揺れろ、希望のペンデュラム!勝利への軌跡を紡げ!ペンデュラム召喚!!手札から「降竜の魔術師」!エクストラデッキから「オッドアイズファントムドラゴン」!「オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン」!「オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン」!』

赤のペンデュラムの軌跡と共にドラゴンの意匠のローブを纏った女性魔術師と3体のオッドアイズが並び立つ! ATK2400 2500 DEF2400 ATK1200

 

 

『一気に5体のモンスターを並べるとはね…!でも、攻撃力が上回ってるのは「オッドアイズファントムドラゴン」「降竜の魔術師」「ドクロバットジョーカー」だけ、あたしの「ハーピィズペット竜」を上回ってるモンスターはいない!』

 

「まだだ!僕は…魔法カード『融合』を発動!!」

 

『「融合」だって!?』

遊希の発動した「融合」を見た舞は驚きを露わにする!

 

 

「(赤馬零児が示したペンデュラムの『進化』…その答えは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!!これが、僕の答えだ!!)」

赤馬零児が示した『進化の可能性』…その時、彼は()()()()()()()()()と言った…そこから遊希は答えを導き出したのだ!

 

 

「僕はフィールドの『オッドアイズファントムドラゴン』とペンデュラムモンスター『降竜の魔術師』を融合!!」

遊希の背後に現れた融合の渦に2体のモンスターが飛び込む!

 

「大いなる風の力よ!二色の眼持つ幻影に力を与え、嵐を巻き起こせ!!融合召喚!『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』!!」

 

『風が…!アイツに味方を…!!』

『鳥人の狩場』の風が遊希に向かって吹き込み、旋風を起こす…そして稲妻を纏いし二色の眼のドラゴンが現れる! ATK2500

 

 

「『ボルテックスドラゴン』の効果発動!特殊召喚に成功した時、相手フィールドの攻撃表示のモンスター1体を手札に戻す!僕が選ぶのは「ハーピィレディ1」!これによりハーピィ達の攻撃力は300、『ハーピィズペット竜』は600ダウンする!」

 

『なんだって!?』

ボルテックスドラゴンの起こした旋風がハーピィを吹き飛ばし、舞のモンスターを弱体化させる!

 

 

ハーピィペット竜 ATK3200→2600

 

ハーピィレディ ATK1600→1300

 

ハーピスト ATK2000→1700

 

 

「バトルだ!『ボルテックスドラゴン』で『ハーピィズペット竜』を攻撃!!」

 

『血迷ったのかい!?攻撃力はまだ「ハーピィズペット竜」の方が上よ!!』

 

「僕はフィールドから融合素材となった『降竜の魔術師』の効果発動!フィールドのこのカードを融合素材とした融合モンスターはドラゴン族モンスターとバトルするダメージステップに元々の攻撃力を2倍にする効果を得る!」

 

『なっ─!?』

紫電を纏ったボルテックスドラゴンがエネルギーを集中する!

 

ボルテックスドラゴン ATK2500→5000

 

 

『させないわ!アクションマジック「回避」!!攻撃を無効に─!』

 

「この瞬間、『ボルテックスドラゴン』の2つ目の効果発動!自身以外のモンスター効果・魔法・罠カードの効果が発動した時、エクストラデッキの表側表示のペンデュラムモンスター『リザードロー』をデッキに戻し、その発動を無効にし、破壊する!ボルテック・リフレクター!!」

 

『なんですって!?きゃあ!?』

舞の発動したアクションマジックが稲妻に撃ち抜かれる!

 

「『オッドアイズボルテックスドラゴン』の攻撃!!迅雷のスパイラル・バースト!!」

 

『っ…!!きゃああああ…!!』

螺旋を描いた炎と雷の息吹が赤きドラゴンを吹き飛ばす!

 

舞LP2625→225

 

 

「『ドクロバットジョーカー』で『ハーピィレディ』を…攻撃!!」

 

 

『ああ…良い覚悟を持ってるじゃないか…』

 

ハーピィレディの前に跳躍したドクロバットジョーカーがシルクハットから取り出した巨大クラッカーでハーピィレディを気絶させ…舞のライフを削り切った!

 

 

 

舞LP0

 

遊希 WIN!

 

 

 

 

 

《フォウ…フォーウ!!》

 

「ははっ…ありがとう、フォウくん!きみの応援のおかげで勝てたよ…本当にありがとう」

ソリッドビジョンが消えていくなか、フォウが嬉しそうに遊希の周りを跳ね回る…遊希はそんな彼を呼び寄せて優しく撫でた…。

 

 

『アンタもなかなか無茶苦茶なデュエルをするねぇ…城之内とデュエルしてるみたいだったよ!…次の試合も頑張りな!』

 

「はい!頑張ります!!」

舞が遊希へと激励を贈る…遊希はその言葉にまっすぐ応えた!

 

 

 

『それはそれとして……ちょっと来な!!』

 

「へっ─!?」

 

《フォーウ!?》

 

 

 

………

 

 

 

『……これでよし!傷を隠せば…なかなかのイケメンじゃないか!』

 

「うわ……これが、僕…?」

 

「へぇ…!化粧ってすごいんだなぁ!」

 

《フォーウ…》

デュエル直後、舞によって塾の実習室に連れ込まれた遊希は舞のメイクアップを受け…初めて、傷のない自身の顔を見ていた…あまりの変わり様にモクバも驚いている。

 

 

『でも、本当に惜しいねぇ…見た目はともかく、アンタほど優しい男はなかなかいないよ!少しはオンナに好かれてるとかはないのかい?』

 

「残念ながら!……柚子ちゃんとかジュニアコースのアユちゃんはよく声を掛けてくれるけど…学校では───っ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──す、少し恥ずかしいな……──

 

 

 

──そんな事言わないでくださいよ〜!私、こういう事するのが憧れだったんですから!はい、あ~ん!──

 

 

──あ、あーん……美味しい!──

 

 

 

──ヒューヒュー!ラブラブだねぇ!お二人さーん!!──

 

 

 

──本当にお似合いのカップルだね!──

 

 

 

──(ぽっ///)──

 

 

 

──ちょっと!?城之内さんも遊戯もからかわないでくれよ!?■の顔が真っ赤になって…──

 

 

 

──そういう■■も湯気が出てるわよ〜?──

 

 

 

──みゃっ…あ、杏子〜!!──

 

 

 

 

 

 

───あははははは!!──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『遊希…遊希!!大丈夫かい!?急に泣き出して…』

 

「えっ……あ……?」

舞の声に正気に戻った遊希は鏡を見る…そこには右目から大粒の涙を溢す自身が映っていた…。

 

 

『もしかして、何か思い出したのかい…!?』

 

「……大切な人が、いた気がするんです……僕の、命より、大切な人が……ああっ……あああっ…!!」

 

《フォウ…フォーウ…!》

それは記憶の断片…小さな小さな欠片、思い出せないその子の顔…その名前……その時、遊希はただ泣き崩れた……心を埋め尽くした喪失感のままに…。

 

 

 

「遊希…」

 

『今はいっぱい泣きな…大丈夫さ、アンタはきっと思い出せる……そうじゃなきゃ、あたしが神様を殴り飛ばしてやるよ』

遊希が落ち着くまで、舞はその背中を静かに擦り続けたのだった…。

 

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