転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!久しぶりの前書きです!


主人公・白波遊海が不在の中で始まった『ARC-V』の物語…。



遊海達に何が起きたのか?


翠は何処にいるのか?  


『運命の日』に何があったのか?


そして…遊海は戻って来るのか…?
 


全てはこの先の物語の中に…陰謀渦巻く第2章、開幕です!


第2章 強者選抜大会 舞網チャンピオンシップス
Ep.14 開幕!舞網チャンピオンシップ!


「遊矢!柚子!遊希!素良!タツヤ!アユ!フトシ!ついに……ついにこの日が来た!!我が遊勝塾生全員が舞網チャンピオンシップスに出場できるとは……俺は…俺は!!お前達を誇りに思うぞぉぉ!!!」

 

「お、お父さん…テンション高すぎよ…(汗)」

 

「まだ会場にも行ってないよ?」

 

「ああ…そうだった!感動しすぎて忘れてた!!」

 

《フォウ…フォウ?(特別意訳:天然なのかな?)》

その日、修造は男泣きに泣いていた…今日は待ちに待った『舞網チャンピオンシップス』の初日、遊勝塾生全員の出場が決まり感動を我慢できなかったのだ…。

 

なお、あまりのテンションに塾生は苦笑いである。

 

 

 

「……コホン、改めて説明しておくぞ!舞網チャンピオンシップスは小学生以上の『ジュニア』!中学生以上の『ジュニアユース』!そしてユース昇格者の『ユース』の3クラスに分けられた戦いだ!タツヤ・アユ・フトシは『ジュニア』、遊矢・遊希・柚子・素良はジュニアユースでの出場だ!そして舞網チャンピオンシップスには舞網市だけではなく、世界中から出場資格を得たデュエリスト達が集まってくる……我が遊勝塾の『エンタメデュエル』をアピールする為に!全員、優勝するつもりで頑張ってくれ!!」

 

「「「「「「はい!!」」」」」」

 

「良い返事だ!それじゃあマイクロバスに乗り込んで…出発だ!!」

修造によって説明を受けた遊矢達は士気を高める…舞網チャンピオンシップスにおいては全員が仲間であり、ライバルとなるのだ。

 

 

 

「(舞網チャンピオンシップス……ついに、この日が来たか……遊勝さんと修造さんへの恩返し……そして、()()()()を取り戻す為の戦いが……)」

マイクロバスへと乗り込んだ遊希は静かに集中する…その脳裏には数日前の海馬との会話が浮かんでいた…。

 

 

 

 

Side遊希

 

 

 

『心して聞け、お前の本当の名は────白波遊海だ』

 

「しらなみ、ゆうみ……」

デュエルディスクからサルベージされた持ち主の名前…つまり、遊希の()()()()()が海馬から告げられる…それは遊希が探し求めたはずの手がかり…だが…。

 

 

 

「ゆうみ……遊海……ああ、なんだか()()()()()()…まるでパズルのピースがはまったみたいに……」

 

『何か、思い出したか?』

 

「……()()…これで『一気に全部の記憶が戻った!』……って、なったなら、すごいドラマティックなんですけどね……」

 

『はぁ……そうか……』

海馬の問いに遊海は…()()は静かに首を横に振る、本当の名前を知っても記憶が戻る事は無かった…それを聞いた海馬は深い溜息をつく…。

 

 

 

『………()()()()()()……()()()()()()……()()()()()……このどれかに聞き覚えはあるか?』

 

「えっ…?ない、ですけど…?」

少しの間思案した海馬はとある「言葉」について遊希に訊ねる…だが、遊希はその言葉について覚えがなかった。

 

 

『デュエルアカデミア…三幻魔……ダークネス……これはどうだ?』

 

「ダークネス……たしか、爬虫類族で『ダークネスソウル』ってモンスターがいましたよね?」

 

『っ……ネオ童実野シティ、チーム5D's、WRGP…これはどうだ!!』

 

「ネオ、童実野?なんですか…?その未来都市みたいな───」

 

『っつ〜…!!いい加減にしろ!白波遊海!!お前は…お前はこの程度で記憶を失う男ではないだろう!!!』

 

「か、海馬社長!?」

遊希にいくつもの『言葉』……白波遊海に関わるキーワードを投げ掛けた海馬…だが、遊希にはなんの事だか理解できない……苛立った海馬は思わず遊希に掴みかかる…。

 

 

 

『……すまぬ、取り乱した……今日は帰れ………舞網チャンピオンシップスでの活躍に期待する、大会でのデュエルの中で記憶が戻るやもしれん……全力で戦え』

 

「あ……はい…!遊勝塾の為に、海馬社長の為に…全力で戦います…!」

冷静さを取り戻した海馬に追い出されるように…決意を伝えた遊希は社長室を後にした…。

 

 

 

 

Side海馬

 

 

 

『………これでも、ダメなのか…アテムは名前を思い出せば「記憶」も戻ったではないか…!!お前の受けた「傷」は…それほどに深いと言うのか!!』

遊希を追い出した後、海馬は頭を抱える……掛け替えのない『友』であり、世界を幾度となく守って来た『英雄』…その記憶も人格も…未だ、固く閉ざされたままだった…。

 

 

 

『前世からの友である遊戯や凡骨、孔雀舞とのデュエル…さらにはお前が使っていたデッキの使い手でも……お前の息子とのデュエルでも戻らないだと…!?これ以上どうすればいい!?翠をエクシーズ次元から呼べとでも言うのか!?』

苛立ち任せに机に拳を叩き付ける海馬、彼が遊希の記憶を目覚めさせる為にできる事は……。

 

 

 

『……いや、まだチャンスはある……だが、下手をすれば………()()()()()()()な……』

海馬は記憶の中の遊海の戦いを振り返り…一つの可能性に気付いた…。

だが…それは遊海にとっても…この『世界』にとっても『諸刃の剣』……海馬は頭を抱える…。

 

 

『……遊海、さっさと戻って来い…!この大馬鹿者!!』

何もできない歯痒さに苛立ちながら海馬は未だに戻らぬ友へと叫んだ…。

 

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

「………海馬社長、怒ってたな………本当に申し訳ない……」

マイクロバスから外を眺めていた遊希は小さく呟く…あの時、遊希に詰め寄った海馬は……まるで白波遊海について知っているようだった…。

 

 

「………あれ…?遊矢は?」

 

「「「えっ!?今気付いたの!?」」」

そんな時、遊希はマイクロバスに遊矢が乗っていない事に気付く…なお、柚子達はその事に気付いていて…先に会場に向かったのかも?という話を数分前にしていたのだった。

 

 

 

 

 

Side遊希

 

 

 

「……そうですか…ありがとうございます…」

 

「遊希兄ちゃん!遊矢兄ちゃんは!?」

 

「まだ受付してないみたいだ…一度、素良の所に戻ろう…」

 

「もう!遊矢兄ちゃんは何処行ったの〜!?」

会場となる舞網スタジアムに到着した遊勝塾一行だったが…遊矢は会場に来ていなかった。

遊希達は散開して遊矢を探したのだが…まだ受付もしていない、開会式まで残り30分程である。

 

「(洋子さんは心当たりがあるみたいだった…それに賭けるしか……)うん…?なんだか騒がしいな…?」

一緒に行動していたアユと集合場所に戻る遊希…だが、そこでは小さな騒ぎが起きていた…。

 

 

 

Side Out

 

 

 

「素良!遊矢は?!」

 

「ううん、まだ来てないよ?」

 

「遊希さんが家に掛けたけど戻ってないって言ってたし…遊矢ったら何処に行ったのよ…!」

遊矢を探していた柚子・タツヤ・フトシが素良の待つ集合場所に戻って来る…だが、遊矢はまだ来ていなかった。

 

 

 

『……なんですって?()()ダーリンが来てないって、本当なの?』

 

「あ、アンタは…方中ミエル!」

困り果てていた柚子達に声をかけたのは林檎型の水晶を持った、黒いリボンで髪を結んだ小柄な少女…遊矢が舞網チャンピオンシップス出場を賭けて戦った相手、方中ミエルだった。

儀式召喚の使い手であり、若いながらも高い『占い』の技術を持つミエルは遊矢を『運命の人』として…恋しているのである。

 

……なお、遊矢はあまりに熱烈なアプローチに苦笑いである。

 

 

 

「私の遊矢って…アンタねぇ…!!

 

「「わ〜っ!?柚子姉ちゃん!?」」

ミエルの『ダーリン』発言に嫉妬の炎を燃やす柚子…だが、ミエルはそんな柚子を無視して話を続ける。

 

 

『……もしかして…ダ〜リンったら、私のパパとママに挨拶に行ってたりして〜!いや〜ん♡』

 

はぁ"?そんな訳ないでしょう"…!!

 

「わ〜!?柚子姉ちゃん落ち着いて─!?」

甘い妄想を語るミエルに柚子は思わず大ハリセンを取り出すが、タツヤ達が慌てて制止する…そんな時…。

 

 

「みんな、どうしたんだ?」

 

「あっ!遊希兄ちゃん!!」

 

『あっ…ダーリンのお兄さ……きゃあっ!?』

 

「……まぁ、そうなるよね…(泣)」

 

「遊希兄ちゃん泣かないで〜…」

ミエルの背後から現れたのはアユと共に戻って来た遊希だった……ミエルは傷だらけ強面の遊希に驚いて、飛び退いてしまう……なお、遊希は涙目である。   

 

 

「遊矢から話は聞いてるよ、海野占い塾の方中ミエルさん…僕は……榊遊希、怖がらせてごめんね?」

 

『あ…こ、こちらこそ……いきなりだったからびっくりしちゃって、ごめんなさい…』

改めてミエルに名乗る遊希…その声色から穏やかな人物だと気付いたミエルは遊希に謝った。

 

 

「遊矢はまだ受付も通ってないみたいでね……よかったら、占ってみてくれないかな?」

 

『あっ…その手があったわ!任せてくださいな!私の手に掛かれば、すぐ分かっちゃうわ!』

遊希に「占い」を頼まれたミエルは水晶玉へと念を送り、その行方を占う…。

 

 

『ダーリンは……見えた!!あっち!!』

 

「あっちは…舞網大橋……そっか、まったく……行く場所が違うだろ?遊矢…」

ミエルは占いで舞網大橋の方角を指差す…そこは遊矢と遊勝の『思い出の場所』だった。

 

 

 

 

「ありがとうミエルさん、遊矢はすぐに来ると思うから…安心してくれ」

 

『お義兄さん…はい…!あっ、お義兄さんも占ってみますか?舞網チャンピオンシップスの事とか!』

 

「ん…?じゃあ、お願いしてみようかな?」

 

「(もう、ミエルったら…遊希さんに取り入って遊矢に近づくつもりね…!!)」

ミエルに家族としての()を伝える遊希…それを聞いて安心したミエルは遊希を占う事を申し出る、それは柚子が考えた通りの思惑もあった…。

 

 

『見える…見える…ミエルには見える……大いなる怒り……浄化の炎……黒い……なに、これ…?キャッ!?』

 

ピシッ…

 

「ミエルさん!?大丈夫!?」

 

『え、えぇ……水晶玉が…どうして…!?』

熱心に水晶玉を覗き込んでいたミエル…だが、突如として水晶玉に罅が入り、真っ二つに割れてしまった…!

 

 

『これ……遊希、さん……気をつけて…!貴方には…人生を左右する…とても大きな()()が迫っているわ…!』

 

「大きな、決断…?」

ミエルは怯えた表情で遊希に言葉を告げた…。

 

 

 

………

 

 

 

 

「あっ…いたいた!お〜い!!遅れてごめーん!!」

 

「「「遊矢兄ちゃん!!」」」

 

「遊矢!!こんなに心配させて…!何処をウロウロしてたのよ!?」

 

「ごめんごめん!ちょっと用事があってさ!」

 

開会式開始10分前、洋子の言葉に背中を押された遊矢がやって来る…が、速攻で柚子に叱られたのだった。

 

 

「まったく…心の整理はついたのか?」

 

「遊希兄……ああ、オレはオレらしく戦うだけさ!」

遊希の問いに遊矢は明るく答える…その眼にはもう迷いは無かった。

 

 

「そろそろ入場時間だろ?並びに行こうぜっ!?(ゴン!!)痛っ…!?」

 

「遊矢!?」

入場口に並びに行こうとした遊矢…だが、その先に立っていた人物にぶつかってしまう!

 

 

 

『ん……?ハッ!久しぶりだなぁ、弱虫…!』

 

「お前…!」

 

「お前は…!隣玉高校の暗黒寺…!」

遊矢がぶつかった人物を遊希は知っていた…その名は暗黒寺ゲン、札付きの不良であり…遊矢を侮辱した事で掟を破り、権現坂道場を破門になった男だった。

 

 

 

『へっ…てっきり、大事な大会だから逃げ出したと思ったぜ?お前の親父みたいによぉ…!』

 

「なにっ…!」

 

『お前みたいな奴がストロング石島を破ったなんて、俺は認めねぇ…なんなら、今ここで俺が叩き潰して──』

 

そこまでだ、暗黒寺ゲン!!

 

『っ…テメェ…!』

 

「権現坂!?」

遊矢に因縁をつける暗黒寺…それを止めたのは他ならぬ権現坂だった!

 

 

『兄弟子を呼び捨てかよ、偉くなったなぁ?権現坂…!』

 

「あんたはもう()()()ではない」

 

『ハッ…!テメェからぶっ飛ばされてぇか?』

火花を散らす権現坂と暗黒寺…一触即発の2人、その時──

 

 

『おいおい!年下相手にイキっても仕方ねぇだろ?アンコロ寺!見てて情けなくなってくるぜ?』

 

 

『っ…!城之内…!?』

 

「克也!!」

そんな2人に声を掛けたのは…呆れた様子の城之内だった。

 

 

『お前もデュエリスト名乗るなら、デュエルでハッキリさせろよ?ま、腕っぷしはオレの方が強いんだけどな!』

 

『……へっ…!権現坂!城之内!オレがぶっ潰すまでせいぜい頑張るこったな…!』

権現坂と城之内に挟まれた暗黒寺は捨て台詞と共に去って行った…。

 

 

「克也!舞網チャンピオンシップスに間に合ったんだ!?」

 

『へへっ!あたりまえだぜ!この城之内様を舐めるなってんだ!』

暗黒寺が去った後、遊希は城之内に話し掛ける…城之内は持ち前の運と実力で出場権を獲得していたのだ。

 

 

『遊希!オレは前までのオレじゃねぇ…決勝で待ってるぜ!』

 

「ああ…!望むところさ!」

遊希と城之内は拳を突き合わせ、再戦を誓った…!

 

 

 

 

 

 

【皆さま!大変長らくおまたせしました!!年に1度のデュエリストの祭典…舞網チャンピオンシップスの開幕です!!】

スタジアムに今年の司会に選ばれたニコ・スマイリーの声が響き渡り、会場は熱狂に包まれる!

 

 

【それでは選手の入場でーす!!】

ニコの紹介と共に選手達が入場し始める…最初に入場するのは当然、LDSの生徒達…その中には…彼らの姿もあった…。

 

 

 

『舞網チャンピオンシップス…か、デュエルカーニバルを思い出すな…』

 

『おい…俺達が出る必要はあるのか?』

 

『赤馬から説明は受けたはずだ隼…オレ達に赤馬零王と戦える者達を見極めて欲しいと…』

 

『そして…紛れ込んでいるアカデミアを炙り出す為にな』

 

『チッ…』

LDSの入場に紛れるのはエクシーズ次元・レジスタンスの凌牙・黒咲・ユートの3人……彼らは零児の要請で舞網チャンピオンシップスへと出場していた…。

 

 

 

『──続いてはエンタメデュエルで話題の遊勝塾!!この遊勝塾所属の榊遊矢くん、そして榊遊希くんは新たな召喚方ペンデュラム召喚で注目されています!─そして続くのは亀の決闘塾───』

 

「赤馬、零児…!」

 

『………』

入場アナウンスに従って入場する遊矢達…その時、遊矢は来賓席に座る零児と目が合った…。

 

 

 

キィン─!!

 

 

「あっ…ブレスレットが…?」

その時、柚子のブレスレットが淡い光を放った…。

 

 

 

………

 

 

 

【舞網市長、お祝いの言葉ありがとうございました!続いては選手宣誓です!】

式は厳かに進む…続くのは選手宣誓、それに選ばれたのは──

 

【選手代表…()()()君!お願い致します!】

 

 

「えっ…えぇっ!?オレぇぇ!?聞いてないよぉ!?

 

「……ニコさん、サプライズにしたって…(汗)」

ニコが指名したのはなんと遊矢…しかも、完全なるサプライズ……動揺する遊矢だったが、あれよあれよという間に壇上に上げられてしまった…。

 

 

 

【遊矢君、これもエンターティナーとしての一歩!さぁ、お願いします♪】

 

「む、無茶言うなぁ…」

ニコが小声で遊矢へと声を掛け…遊矢はガチガチに緊張した状態でマイクの前に立つ…!

 

 

「せ、せ……センセぇぇー!

 

 

「「『「「だあっ!?」」』」」

 

「だめだこりゃ」

 

「遊矢兄ちゃん、あがり過ぎ…(汗)」

遊矢は右手を挙げて宣誓しようとしたが、緊張から声が上ずり…選手達はズッコケてしまう…。

 

 

「え、あ、えっと〜!?!?」

 

「遊矢!しっかり!みんな見てるんだから〜!?」

 

「遊矢!焦るな!()()()()()やればいいんだ〜!!」

 

《フォーウ!》

 

「あっ…みんなが、見てる……みんなを、笑顔に…!」

緊張から頭が真っ白になる遊矢…だが、柚子と遊希の声で落ち着きを取り戻す…大観衆の前で思い出したのは──父の言葉だった。

 

 

 

「ふーー……レディース&ジェントルマン!先程は、大変失礼致しました!気を取り直して……これより選手宣誓をさせていただきます!……と、いきたいところですが…ちょっと、オレの話を聞いてください!」

息を整えた遊矢が声を張り上げる…だが、それはただの選手宣誓ではない……遊矢の目指すエンターティナーとしての決意表明だった。

 

 

 

「オレの父さんはデュエリストの榊遊勝です!世界最高のエンタメデュエリストです…でも、皆さんの知っての通り、三年前…デュエルが始まる前に突然、どこかに行っちゃいました!……みんなに『逃げたデュエリスト』と言われて、バカにされて…それでも、負けるもんかってエンタメデュエルを必死でやって……でも、どこかでデュエルから逃げていたんだと思います…」

 

「遊矢…」

それは遊矢の暗い時代…逃げて消えてしまった『臆病者』の息子と呼ばれた思い出……しかし、遊矢はもう臆病者ではない…何故ならば、彼は新たな力を手にしたからだ…。

 

 

 

「…けど、ペンデュラム召喚と出会って、すごく強いデュエリストと戦って、どんどんデュエルが楽しくなって…!もっとデュエルを好きになりたいと思いました!そしてオレは…榊遊勝みたいに誰かの誇りにされる、最高のプロデュエリストになりたいです!!自分も、みんなもデュエルが好きになる…そんなデュエリストになりたいです!!」

それは遊矢が踏み出したエンタメデュエリストとしての第一歩…ペンデュラム召喚と共に、遊勝のような最高のプロデュエリストを目指す──そんな遊矢の決意が込められた、心からの言葉だった。

 

 

パチパチパチパチ!!

 

 

「みんな…」

一瞬の静寂の後、スタジアムは拍手に包まれる…零児もLDSの生徒や他の塾の塾生達…そして観客達も遊矢へと拍手を送る。

 

そこには「臆病者の息子」と呼ばれた榊遊矢はいない…遊矢のエンタメデュエリストとしての戦いは此処から始まるのだ…!

 

 

「遊矢、お前は遊勝さんを()()()()()……あの人以上のデュエリストになれるよ…!」

拍手に包まれる会場の中で遊希は静かに呟いた…。

 

 

 

 

【エ〜クセレント!!榊遊矢君の選手宣誓、もとい!決意表明でした!!それでは……1回戦の組み合わせを発表したいと思います!】

拍手と歓声の中で遊矢が退壇し、ニコが1回戦の説明を始める!

 

 

【まずは選手の皆さん!受付で渡された『登録カード』をデュエルディスクにセットしてください!】

 

「これか…」

 

《フォウ?》

遊希はポケットから免許証にも見えるカードを取り出す…フォウは興味深げにその匂いを嗅いでいる。

 

 

【登録カードは大会運営からの特殊な電波を受信、()()()()にデュエリストを選んで対戦相手を決定します!また、2回戦以降も相手が更新されていくので…失くさないようにご注意ください!】

 

 

「よーし、オレの相手は……沢渡!?」

 

「私は……真澄!?」

遊矢と柚子が対戦相手を確認する…それは、お互いに因縁深い相手だった。

 

 

「俺は……明日、暗黒寺ゲン…これが、定めか…!」

 

「「えぇっ!?」」

さらに近くにいた権現坂もまた因縁深い相手……元兄弟子である暗黒寺が相手だった。

 

 

「素良と遊希兄は?」

 

「ん…ボクは…明日、LDSの……黒咲隼…?あの時の…!」

 

「えっ…!?」

遊矢が素良達の相手を訊ねる…素良の相手は柚子達の前に現れた不審者──黒咲だった。

 

 

「それで僕は……今日の午後最後……LDSの……ユート…?」

 

「えっ…その人は…!?」

 

《ドフォーウ!?》

 

「ん?知ってるのかい?柚子ちゃん」

 

「沢渡を倒した…エクシーズ使い、です」

 

「「えぇっ!?」」

遊希のデュエルディスクに映し出された相手、それは紫と黒の髪の少年…柚子を沢渡から守ったデュエリストだった…!

 

 

「コイツの顔…本当にオレにそっくりだ……」

 

「私、初めて会った時は本当に遊矢かと思った…」

 

「そうか?雰囲気は似てるけど…()()()()()()()と思うけどなぁ…?」

遊希のデュエルディスクを覗き込む遊矢と柚子、遊矢自身もユートに似ていると思ったが……遊希はあまり似てないと感じたのだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

『………オレの相手は…榊遊希、か……』

 

スタジアムから離れたビルの屋上…いつも通り()()()()()ユートは対戦相手を確認する。

 

 

『凌牙の言う「最後の希望」…その力をオレが見極める…のはいいが………デュエル中に飛ばされたら、どうすればいいんだ…?……凌牙に相談するか……』

遠くに見える舞網スタジアムを見ながら、ユートはそんな事を考えた…。

 

 

 

 

 

 

運命の歯車は……静かに回り始める…。

気まぐれアンケート いま、一番気になるのは?

  • 遊海の顛末
  • 凌牙の事
  • 翠の行方
  • 遊戯や海馬達の存在
  • 『悪魔が生まれた日』
  • それ以外
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