転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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Ep.15 幻影と幻影〜反逆の牙と氷結の竜〜

Side???

 

 

『速攻魔法「禁じられた聖衣」…発動!』

 

キィン─!

 

『ぐっ…体が、少し重いな…!』

 

『我慢しろ…攻撃力を600下げる代わりに、対象を効果の対象・破壊から守る魔法カード…これでデュエルが終わるくらいまでは保つだろ』

 

『すまない、凌牙…感謝する』

 

『気にすんな、父さんや母さんなら……もう少し上手くやるだろうからな…』

 

デュエリスト達の激戦が繰り広げられている舞網スタジアム、そのLDS控え室…そこでは凌牙がユートに対して強制テレポートの対策を施していた…。

 

 

 

『ユート、あの人には手を抜かないで戦ってくれ……随分と弱ってるが……少しずつ()()()()()()

 

『いいのか?オレの相手……榊遊希は、お前の大切な人なんだろう?』

 

『……()()()()()()()だ……もしかしたら、お前とのデュエルで記憶が蘇るかもしれねぇ…』

 

『それは…どういう事だ?』

ユートが戦う相手は榊遊希…凌牙が『最後の希望』と呼ぶ少年……しかし、凌牙の言葉の意味が分からなかったユートは凌牙に真意を問う。

 

 

『……俺があの人と戦った時、俺は()()であの人と戦った……結局、あの人は暴走しちまったんだが………たぶん、()()()()()()()んだ……あの人の中に眠る「決闘者の魂」を目覚めさせるには……スタンダードのデュエリストじゃ()()()()……真の「決闘者」じゃねぇとな…』

 

「真の、決闘者…」

凌牙は遊希の中に眠る『英雄』を目覚めさせる方法を考えていた…そして行き着いたのが『強いデュエリストと戦う事で「決闘者の魂」を目覚めさせる』という方法だった。

 

『とにかく…お前はあの人と熱い戦いをしてくれればいいさ…少しの間でも、次元戦争の事は忘れてな…』

 

『……融合次元への怒りは忘れる事はできない…だが、できる限りやってみる……行ってくる…!』

 

『ああ、客席で見てるぜ』

黒いコートを羽織り、ユートはデュエルコートへと向かった…!

 

 

 

『………()()()()()()()……そのせいで父さんが暴走するような事があったら……その時は、俺が止める……!例え、俺の命に懸けても…!』

ユートの背中を見送った凌牙はデッキケースから1枚のカードを取り出し、決意を固めた…。

 

 

101

 

 

 

Side Out

 

 

 

Side遊希

 

 

 

「……なるほど、沢渡君の事件の時にそんな事が……だから上の空だったんだね」

 

「はい…あの時、遊矢を信じられなかった自分が情けなくて……それで強くなりたかったんです」

 

同じ頃、遊希は柚子から沢渡事件の真相を聞かされていた。

沢渡のアジトに突撃した柚子を守った、遊矢に似た少年…ユートの事を…。

 

 

「それより不思議なのは……柚子ちゃんのブレスレットが光るとユートが消えて、遊矢が現れる…か……」

 

「そうなんです…話してる途中に消えちゃったりして……」

 

「デュエル中に消えられちゃうと厄介だね…」

そして本題は対戦相手のユートが柚子のブレスレットの光と共に消えてしまうらしい事…実は事件の後、素良と共に特訓中に何度か、ユートが柚子の様子を見に来たのだが…ブレスレットの光と一緒に消えてしまうという事が多々あったらしいのだ。

 

 

「とりあえず、柚子ちゃんはスタジアム中心からなるべく離れた所にいて欲しいな…離れていれば効果が出ないかもしれないからね…あと、話したい事は?」

 

「……もう一つ、あるんですけど……それは大会が終わった後で!ユートから聞いたけど……本当かどうか分からないし……」

 

「分かった……さて、遊勝塾の最年長として、フトシや柚子ちゃんに続いて2回戦に行けるように頑張りますか!!」

 

「遊希さん!頑張って!」

 

《フォウ、フォーウ!》

柚子の話を聞いた遊希は左眼を覆うバンダナを締め直して立ち上がり、その肩にフォウが跳び乗る!

 

 

「あの…遊希さん?フォウ君預かってましょうか?」

 

「ああ、いや…大丈夫、ニコさんにも許可は取ったし……どちらにしても、いつの間にか肩に乗ってるんだもんなぁ……な、フォウ君?」

 

《フォウ!》

遊希は苦笑しながら肩のフォウを撫でる…その瞳には『遊希から離れない』という強い意志が宿っていた…。

 

 

 

Side Out

 

 

 

 

 

【レディース&ジェントルマン!!それではジュニアユース選手権1回戦!本日最後のデュエルとなりまーす!!】

 

「「「わあああ!!」」」

夕暮れの舞網スタジアムにニコの声と観客の声援が木霊する!

 

 

【それでは、対戦選手の紹介と行きましょう!!まずは1人目!今大会最多の出場選手を誇るLDSから!黒きエクシーズ使い!ユート選手!そして2人目は遊勝塾所属!榊遊矢に続く、もう一人のペンデュラム使い!数多の傷を背負いし、ミステリーボーイ!榊遊希選手!相棒の白猫・フォウさんと共に入場でーす!】

 

 

「君がユート君か、柚子ちゃんを助けてくれてありがとうね」

 

『…彼女がオレの知り合いに似ていたから……そんな理由だ、礼を言われる程の事じゃない』

 

「そうか…」

ニコの紹介と共に入場した2人が短く言葉を交わす。

 

 

【さぁ!アクションフィールドの選択です!今回のアクションフィールドは〜……アクションフィールド『レクイエム・キャッスル』!!鎮魂の城で熱いデュエルが繰り広げられる!!】

リアルソリッドビジョンが起動、周囲の景色が静かな西洋の城…その玉座の間に変化する!

 

 

『すまない、アクションデュエルの口上を覚えられていなくてな…頼んでもいいか?』

 

「そうなのか?じゃあ、僕が言わせてもらうよ!」

 

「デュエルの殿堂に集いしデュエリスト達が!モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い!フィールド内を駆け巡る!これぞ、デュエルの最強進化系!アクショ〜ン!!」 

 

 

「『デュエル!!』」

 

 

《フォーウ!!》

 

 

遊希の口上と共に、2人のデュエルが始まった!!

 

 

 

ユートLP4000

遊希LP4000

 

 

アクションフィールド『レクイエム・キャッスル』

 

・アクションカードは1枚しか手札に加えられない。

 

 

 

 

 

 

『先攻はオレか…オレのターン!』

『「幻影騎士団(ファントムナイツ)ダスティ・ローブ」を召喚!』

紫のローブを纏った人魂の戦士が現れる! ATK800

 

『さらに!自分の場に「幻影騎士団」モンスターが存在する時、手札の「幻影騎士団サイレント・ブーツ」は特殊召喚できる!』

茶色のローブを纏い、布靴を履いた人魂の戦士が現れる! ATK200

 

 

「オレはレベル3の『ダスティローブ』と『サイレントブーツ』の2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!!戦場に倒れし騎士たちの魂よ!今こそ蘇り、闇を切り裂く光となれ!エクシーズ召喚!現れろ!ランク3!「幻影騎士団ブレイクソード」!」

ユートのフィールドで光が弾ける…そして鎧を纏った馬に騎乗する首なし騎士が現れる! ATK2000

 

『オレはカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!』

 

ユートLP4000

ブレイクソード 伏せ2 手札1

 

 

 

 

「『幻影騎士団』…奇遇だね、僕も『幻影』のモンスターを使うんだ!じゃあ、いくよ!!」

 

 

 

「僕のターン!ドロー!」

「僕は手札からスケール1の『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』とスケール8の『龍穴の魔術師』でペンデュラムスケールをセッティング!!」

 

PENDULUM!!

 

遊希の背後に現れた光の柱の中に竜の魂を呼び起こす魔術師と仮面のような外殻を纏った赤いドラゴンが浮かび上がる…!

 

 

「いくぞ!揺れろ!希望のペンデュラム!全能の軌跡よ歴史を刻め!ペンデュラム召喚!手札からレベル4『虹彩の魔術師』!同じくレベル4『龍脈の魔術師』!そして二色の眼を持つ幻影のドラゴン!『オッドアイズ・ファントム・ドラゴン』!!」

赤いペンデュラムの軌跡と共に赤いローブを纏った魔術剣士、そして赤と青の瞳を持ち、白い外殻を纏ったドラゴンが現れる! ATK1500 2500

 

 

 

「うおぉ!あれがペンデュラム召喚か!!」

 

「綺麗!初めて見た!!」

 

「最後まで残っててよかった〜!!」

そしてペンデュラム召喚を見た観客達から歓声が上がる…現状、ペンデュラム召喚を扱えるのは零児を除けば遊矢と遊希のみ…観客達の多くはペンデュラム召喚目当てに最後まで残っていたのだ。

 

 

『それがペンデュラム召喚か…最大5体のモンスターの同時召喚、確かに()()になるな…』

 

「ああ、これが僕達が手にした力だ!僕はさらに装備魔法『ワンダー・ワンド』を『虹彩の魔術師』に装備!攻撃力が500アップ!」

虹彩の魔術師が緑の宝玉が輝く杖を手にする! ATK1500→2000

 

 

「バトルだ!『オッドアイズ』で『ブレイクソード』を攻撃!夢幻のスパイラル・フレイム!」

 

『くうっ…!』

螺旋の炎が首なし騎士を焼き尽くす!

 

ユートLP4000→3500

 

「さらに『オッドアイズ』の効果発動!ペンデュラム召喚されたこのモンスターが相手にバトルダメージを与えた時!ペンデュラムゾーンの『オッドアイズ』カード1枚につき1200ダメージを与える!幻視の力─アトミック・フォース!!」

 

『っう…!?(これが凌牙の言っていた、彼の力か…!!)』

ペンデュラムゾーンから放たれた援護射撃がユートを吹き飛ばす!

 

ユートLP3500→2300

 

『凄まじい連撃だな…!だが、ORUを持った状態で破壊された「ブレイクソード」の効果発動!ORUとなっていたモンスター2体をレベル4にして特殊召喚!!』

ユートの場に戦士達が蘇る! DEF1200 1000

 

ダスティローブ☆3→4

 

サイレントブーツ☆3→4

 

 

「なら、『虹彩の魔術師』で『ダスティローブ』を攻撃!」

魔法剣で紫のローブを斬り裂く!

 

「そして『ワンダーワンド』の効果発動!装備モンスターとこのカードを墓地に送って2ドロー!!……カードを2枚伏せ、ターンエンド!」

 

遊希LP4000

オッドアイズファントムドラゴン  (P ペルソナ 龍穴) 伏せ2 手札1

 

 

 

『…凌牙の言っていた通りだ、あなたは強いな…!だが、ここからだ!』

 

 

 

『オレのターン!ドロー!』

『罠カード「幻影騎士団シェード・ブリガンダイン」を発動!このカードを闇属性・戦士族レベル4の通常モンスターとして特殊召喚!』

重厚な鎧を纏った人魂が現れる! DEF300

 

「レベル4のモンスターが2体…!」

 

『オレはレベル4の「シェードブリガンダイン」と「サイレントブーツ」の2体でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!』

2体の戦士が銀河へと飛び込み大爆発が起きる!!

 

 

『愚鈍なる力に抗う、反逆の牙!!いま、降臨せよ!エクシーズ召喚!!ランク4「ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン」─!!』

爆発の中から紫電を纏う黒き反逆龍が現れる! ATK2500

 

 

「これが、彼のエースモンスター…っ…オッドアイズ…?」

 

《グルルル…!》

 

エクシーズの名を背負うドラゴンを警戒する遊希…だが、その隣でオッドアイズはダークリベリオンを見て唸り声を漏らしていた…。

 

 

()()()…なぜ、あの()()()()()()と同じ反応を……「ダークリベリオン」の効果発動!ORUを一つ使い!相手フィールドのレベル5以上のモンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値分自身の攻撃力をアップする!トリーズン・ディスチャージ!』

 

「オッドアイズ!!」

ダークリベリオンの翼から放たれた紫電がオッドアイズを拘束し、力を奪う!

 

 

オッドアイズファントム ATK2500→1250

 

ダークリベリオンATK2500→3750

 

 

『さらに!ORUを一つ使い「ダークリベリオン」の効果発動!さらに攻撃力を半分にし、その数値分の攻撃力を得る!トリーズン・ディスチャージ!!』

 

「っ…!!」

さらに放たれた紫電がオッドアイズを締め付ける!

 

 

オッドアイズファントムATK1250→625

 

ダークリベリオンATK3750→4375

 

 

『バトルだ!「ダークリベリオン」で「オッドアイズファントムドラゴン」を攻撃!!』

 

「っ!!罠カード「ハーフ・アンブレイク」を発動!!このターン「オッドアイズ」はバトルでは破壊されず、戦闘ダメージは半分になる!!」

飛翔する反逆のドラゴンを前に遊希は守りを固める…だが…!

 

 

『カウンター罠「闇の幻影」発動!闇属性モンスターを対象とするモンスター効果・魔法・罠の発動を無効にし、破壊する!よって闇属性の「オッドアイズファントムドラゴン」を対象とした「ハーフ・アンブレイク」は破壊される!受けてみろ!反逆のライトニング・ディスオベイ!!』

 

「なっ…!?ぐあああああ!!!…がはっ!?」

闇の瘴気が泡の守りを砕き、ダークリベリオンの鋭い一撃がオッドアイズを粉砕…吹き飛ばされた遊希は地面に叩きつけられる!

 

遊希LP4000→250

 

『オレはカードを1枚伏せ、ターンエンド!この瞬間、「ダークリベリオン」の攻撃力は元に戻る!』

 

ダークリベリオンATK4375→2500

 

ユートLP2300

ダークリベリオン 伏せ1 手札0

 

 

 

 

《フォウ!フォーウ!?》

 

「っ……大、丈夫……「ダークリベリオン」……すごい、モンスターだ…!」

フォウの心配そうな声を聞きながら遊希は立ち上がる…一撃でライフの9割を削られるダメージ…それは傷付いた遊希には重すぎる…!

 

 

『まだ、戦えるか?あなたの体は酷く傷付いている…サレンダーした方がいいんじゃないか?』

 

「ふふっ……そんな事したら、遊矢達に顔向けできないさ…それに、海馬社長に絶対怒られる…僕は絶対に諦めない!ライフが尽きるまで、僕は戦う!」

ユートにサレンダーを勧められた遊希は苦笑しながらそう答える…その瞳にはまだ光が宿っている!

 

「(この状況を打破できるのは……『オッドアイズ・ボルテックス・ドラゴン』の効果……『融合』が引けなきゃ、僕の負けだ…!)」

 

 

 

 

「僕のターン、ドロー!!……っ…」

光の軌跡と共にカードを引く遊希…だが、引いたのは望んだカードではなかった…!

 

「オレはスケール1の『オッドアイズペルソナドラゴン』とスケール8の『龍脈の魔術師』で再びペンデュラムスケールをセッティング!再び揺れろ!希望のペンデュラム!ペンデュラム召喚!手札からレベル7『法眼の魔術師』!レベル4『龍脈の魔術師』!エクストラデッキから『虹彩の魔術師』!『オッドアイズ・ファントムドラゴン』!!」

赤のペンデュラムが再び軌跡を描き、摩尼車を持つ魔術師、刃の付いた杖を構える少年魔術師、赤のローブの魔法剣士、幻影のドラゴンを呼び出す! ATK2000 DEF900 1000  ATK2500

 

 

 

『4体のモンスターの同時召喚…!』

 

「(状況を突破するには、『オッドアイズ』で相討ちに持ち込んで…『法眼』で追撃するしかない…だけど、あの伏せカードが攻撃力を上げるカードか……破壊系の罠だったら、僕の負けだ…!)」

モンスターを展開し、一か八かの攻撃を仕掛けようとする遊希…その時──

 

 

 

 

 

ドクン!!

 

 

「ぐうっ…!?」

 

《フォウ!?》

 

『おい、大丈夫か…?』

遊希の心臓が強く脈打つ…突然の痛みに遊希は思わず胸を押さえる…!

 

 

「(この、感じ…あの時の……ダメだ……呑まれちゃ、ダメだ…!)」

それは朧げに記憶に残る凌牙戦と同じ衝動…破壊衝動にも似た…勝利を欲する衝動に遊希は必死に抗う…!

 

「(あの時、遊矢達は()()()()()()()…僕は、それほど酷いデュエルをしてしまった…!僕は…僕は…!!)僕は…レベル7の『法眼の魔術師』と『オッドアイズファントムドラゴン』の2体で、オーバーレイ!!」

 

『なにっ!?』

衝動を振り切るように遊希は叫ぶ…ただの勝利ではなく、笑顔で…満足できる勝利を得る為に…!

 

 

「2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!絶対零度に眠りし龍よ…その静寂なる力を開放せよ!現われろ!ランク7!『オッドアイズ・アブソリュート・ドラゴン』!!」

光の銀河が爆発し、周囲に凍りついた風が吹き荒ぶ…その中から氷を纏いし二色の眼のドラゴンが現れる! ATK2800

 

 

『ここでエクシーズ召喚だと!?』

 

「はっ…はっ…バトルだ!『アブソリュートドラゴン』で『ダークリベリオン』を攻撃!氷結のアイス・スパイラル!!」

 

『っ…だが…!罠カード「幻影翼」発動!このターンの間「ダークリベリオン」は攻撃力が500アップし、戦闘・効果による破壊を1度だけ無効にする!』

ダークリベリオンの翼に幻影の炎が燃え上がる!

 

ダークリベリオン ATK2500→3000

 

 

「まだだ…!『アブソリュートドラゴン』の効果発動!ORUを1つ使い、モンスターの攻撃を無効にする!静寂のアイス・シールド!」

 

『なにっ!?』

アブソリュートが攻撃を放つ寸前、巨大な氷壁が2体のモンスターを分断する!

 

 

『待て…この状況は、まさか…!』

 

「この瞬間!リバースカード発動!速攻魔法『ダブル・アップ・チャンス』!!モンスター1体の攻撃が無効になった時、そのモンスターはもう一度攻撃できる!!」

 

『そのカードは─!!』

遊希の発動したカードを見たユートは目を見開く…その時、彼の目には…遊希に重なるようにエクシーズ次元を救う為に戦う『希望の勇士』の姿が見えていた…!

 

 

「もう一度『アブソリュートドラゴン』で『ダークリベリオン』を攻撃!さらに!『ダブルアップチャンス』の効果で…その攻撃力を2倍にする!!」

 

『攻撃力、5600だと!?』

遊希の闘志に応え、氷結の龍が光を纏う!

 

オッドアイズアブソリュート ATK2800→5600

 

 

 

「いけ…!氷結のスパイラル・ブリザード!!」

 

『っ…ぬああああ…!!』

氷結の龍が全てを凍てつかせる吹雪を巻き起こす、その嵐は反逆の龍を凍てつかせ…ユートのライフを削りきった…。

 

 

 

 

ユートLP0

 

 

遊希WIN!

 

 

 

 

【デュエルエ〜ンド!!荒ぶるドラゴン対決を制し、2回戦進出を決めたのは…遊勝塾!榊遊希選手だ〜!!】

ソリッドビジョンが消えていく中、ニコの勝利宣言が響き渡り、スタジアムは歓声に包まれる!

 

 

 

『ふぅ……遊希、先程は失礼な事を言って悪かった…あなたはすごいデュエリストだ…まさか、オレのダークリベリオンがパワー負けするとは……大丈夫か…?』

 

「ふぅ…ふぅ……大丈、夫…少し、息が…切れただけ…だから…」

起き上がったユートが遊希の勝利を讃える…だが、遊希は息を荒げ、苦しげな様子だった…。

 

 

『……退場口まで肩を貸そう、歩けるか?』

 

「ああ……ありがとう、ユート君……君が優しい人でよかった…」

 

【おお…!これぞ、デュエリスト同士の熱い友情!戦いの後には敵も味方もありません!!皆さま!熱い戦いを終えた2人に今一度、大きな拍手を──!!】

遊希に肩を貸し、共に退場口へと向かうユート…その2人を讃える拍手がスタジアムに響いた…。

 

 

 

 

「はぁ…はぁ……はぁ……」

 

『酷い顔色だ…早く休んだ方が──』

 

「遊希さん!!」

 

「遊希兄!!」

なんとか退場口まで引っ込んだ遊希だが、その顔色は悪かった…そんな彼を心配するユートのもとへ柚子、そして遊矢が駆け寄り──

 

 

 

キィン─!

 

 

『しまっ、時間ぎ───』

 

「あっ、ユート!」

 

「本当に、消えちまった…」

柚子のブレスレットの輝きと共にユートの姿は消えてしまった…。

 

 

「遊希兄!大丈夫か!?」

 

「遊矢……大丈夫…少し、疲れただけ、だから……次はお前の番だ…お前のエンタメデュエル、みんなに見せてやれ…!」

 

「ああ!って…それよりも早く帰ろうぜ!柚子!塾長に車を回してもらってよ!」

 

「わかったわ!」

疲労困憊ながら遊矢を激励した遊希…彼らの戦いはまだ始まったばかりだった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『さっきのデュエル…父さんは力を抑え込んでた……きっと、この前みたいに暴れるのを防ぎたかったんだな…』

観客席の通路…そこで凌牙は先程の遊希の異変について考えていた…。

 

 

『あの時、フィールドにはレベル4のモンスター2体がいた……つまり「No.∞」も出せる状況だった……もしかして、父さんは……()()()()()()…?』

凌牙は1つの可能性に気付く…かつての自分のように、宿した『力』を制御できず…力を開放する事を恐れているのではないかと…。

 

『………まだ、時間が掛かりそうだな……父さん…』

凌牙は夜の帳が落ち始めた空を見上げた…。

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