転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
約4ヶ月に渡り投稿する事ができず、申し訳ありませんでした!!
久々の大スランプに陥り、アイデアが頭の中には浮かぶものの、それを執筆する事ができませんでした…。
そして、書きたいけど書けない、もどかしい日々のなかで届いた…偉大なる高橋和希先生の訃報……それが、最新話を執筆するキッカケになりました。
先生が紡ぎ、世界へと広がっていった『遊戯王』……生と死、光と闇、そして勇気と友情の物語……その想いを糧に、少しずつでも執筆を続けていきたいと思っています。
まずはリハビリとして『幕間』を投稿します、もしかしたら前話以前と矛盾があったりするかもしれませんが…笑って流して貰えれば幸いです。
それでは…お待たせしました!最新話をどうぞ!
「……父さん……」
LDS内に設けられた宿泊室、そこで1人の少年がネオンに彩られた街を見つめながら考えに耽っていた…。
コンコン、コン
『凌牙、オレだ…入ってもいいか?』
「ユートか、構わないぜ」
『失礼する』
ノックと共に紫と黒色の髪に黒い服を着た少年が入ってくる、それは舞網チャンピオンシップスの戦いを終えたエクシーズ次元のレジスタンスのメンバー、ユートだった。
「どうだった?あの人とのデュエルは?」
『……使い始めて間もないはずのペンデュラム召喚を使い熟す応用力、攻撃に対する対策…窮地でも笑ってみせる胆力……そして、窮地での爆発力……凌牙が言っていた通り、彼は強い男だった』
凌牙に遊希について問われたユートはデュエルした感想を伝える。
「そうか……あれでも、あの人は全力じゃねぇんだぜ?……記憶と力が戻れば、あの数倍は強くなる……俺が手も足も出ないくらいにな?」
『それは、本当なのか?アカデミア兵を簡単にあしらった貴方が…!?』
「ああ、本当の事さ……俺はまだ、あの人の背中にも追いつけねぇ」
凌牙はユートに
『……前から聞きたいと思っていたが……凌牙、貴方と榊遊希はどんな関係なんだ?エクシーズ次元にやって来たのも、彼を探す為だったんだろう?』
「………そろそろ、お前には話してもいいか……そのうちに分かる事だしな」
ユートは凌牙に遊希との関係について訊ねる、彼が知っているのは凌牙達が遊希を探す為に
その問いを聞いた凌牙は少し考えて…ユートに新たな情報を教える事にした…。
「あの人は……榊遊希は、俺の…俺達兄妹の
『は…!?!?』
凌牙の言葉を聞いたユートは目に見えて動揺する…それは普段の冷静な彼を知る人物が見たら、笑ってしまう程だった。
『いやいや!?さすがにそれは嘘だろ?年齢も明らかに若すぎる、それに凌牙や璃緒とはまったく似てないじゃないか!?』
「フッ、そんなに動揺するなよ?父親って言っても育ての親だ……あの人は俺達を守る為に
『凌牙……』
ユートに遊希が育ての親である事を教えた凌牙…その悲しげな様子にユートはその話が事実なのだと悟った…。
「何がキッカケで、どうやったら記憶が戻るのかはわからねぇ……だけど、あの人が帰ってくればきっと
『……わかった、話してくれてありがとう凌牙……次のデュエル、頑張ってくれ』
「ああ、ありがとな……お前もゆっくり休めよ?というか……デュエルの後、どこまで飛ばされたんだ?」
『………舞網市の町外れの森まで……戻ってくるのに歩き通しでクタクタだ……』
「…お前も苦労してるなぁ……」
ユートに真実の
「さて……俺は明後日、浪速デュエルスクールのダイナソー竜崎って奴が相手だったな………そして明日は…黒咲と紫雲院素良のデュエル、そして………」
ユートが部屋へと戻った後、凌牙は自身の予定を確認する……明日には世界の「運命」の分かれ道が迫っていた…。
「……母さんは決して触れない方がいい『分岐』かあるって言ってた……俺は、どう動けばいい?」
凌牙はスタンダード次元に来る前に世界の概要を聞かされている……その中には、世界の運命を左右してしまう『分岐』についての情報も含まれていた…。
目前に迫る分岐を前に考える凌牙…そんな時…。
ピコーン!ピコーン!
「っ!?この音は!?」
部屋に通信を知らせる着信が鳴り響く、それはレジスタンスが使用するデュエルディスク越しの通信ではなく…上着の中にしまっていた小型端末──D・ゲイザーの着信を知らせるものだった。
『シャーク!聞こえるか!?』
「遊馬か!?次元間通信は厳しいんじゃなかったのか!?」
(一時的に時空嵐が治まったらしくてな、応急修理した飛行船でなんとか異空間に出てきたんだ…シャーク、無事そうで何よりだ)
小さな画面に映し出されたのは赤い前髪が跳ねているのが特徴の快活そうな少年、そして透き通るような青い体を持つ精霊だった。
(時空嵐がいつまた起きるかわからない…手短に話す、そちらの状況は?)
「LDSと協力関係を結ぶ事に成功した、いまは黒咲・ユートと一緒に対融合次元部隊…ランサーズに合流、舞網チャンピオンシップスって大会でさらなるメンバーを探してるところだ」
『おおっ!?やったじゃねぇか!流石シャークだぜ!』
凌牙の伝えた吉報に少年…遊馬は声を上げる。
(ズァークの欠片……ユートと榊遊矢の様子は?)
「今の所は問題ない、ただ……ズァークの欠片が2つ以上集まってる時に…
(翠の言っていた通りか…転移させる事で復活を妨害しているのだろうな……他には、何かあったか?)
「これが一番重要だ………父さんを、白波遊海を見つけた…!!」
(なに!?)
『ま、マジか!?遊海がスタンド次元に!?もう会えたのか!?』
凌牙の言葉に画面の向こうにいる2人が驚愕する…ついに、探し求めた英雄を見つける事ができたのだと…!
「
『っ…!?!?これが、遊海……なのか…?』
(………翠には、この写真は見せない方がいいな………ショックが大きすぎる…)
凌牙が記録した写真を遊馬達に見せる…そのあまりにも傷ついた姿に2人は言葉を失ってしまう…。
「…現状、父さんの記憶を戻す方法は分からねぇ…全力でデュエルもしたんだが……余計なダメージを父さんに与えただけだった…!!」
『シャーク……大丈夫だって!!遊海だったら笑って許してくれるさ!オレ達はやれる事をやって、遊海を助けるんだ!』
「……ああ、わかってる!落ち込んでる場合じゃねぇ…!」
遊海を傷付けてしまった事を未だに引きずっていた凌牙…だが、遊馬の励ましで自分を奮い立たせる…!
(融合次元は未だに戦力を送り込み続けている…この状況を打破するには榊遊矢…それか遊海の力が必要だ……こちらは我々で持ち堪える、遊海を頼んだぞ、シャーク)
「ああ、必ず…父さんを取り戻す…!!」
アストラルの言葉に凌牙は決意を新たにする…そして…。
ジジッ…ジジッ…
『くっそぉ!また嵐かよ!?これがなければすぐにでもスタミナ次元に行けるのに!!』
(仕方がない、これもズァークの齎した災厄の余波だ……シャーク、頑張っ───)
バチン
「ああ、待っててくれよ…みんな!!」
エクシーズ次元との通信が切れる…仲間達の声を受け、凌牙は夜空を見上げる。
「これ以上、融合次元や…『悪魔』の勝手にさせてたまるか…!!」
忍び寄る脅威…それはすぐそばまで迫っている…。