転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話   作:S,K

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こんにちは!S,Kです!

怒りと憎しみに呑まれた「災厄」に凌牙が立ち向かう…!彼は「英雄」を取り戻す事ができるのか…?

そして…戦いの果てに待つものは…?


それでは、最新話をどうぞ!!


Ep.27 闇を祓うは牙の勇士─途切れぬ絆─

「やめてくれ、父さん…!アンタに、その姿は似合わねぇ…!!」

 

『凌牙…!フォウ…!』

オベリスクフォースの蛮行によって怒りに呑まれた遊矢…逆鱗遊矢は新たな切り札、ペンデュラムエクシーズモンスター『覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』によってオベリスクフォースを粉砕した。

……だが、そこへ同じく怒りに呑まれた災害…『災厄』が乱入、逆鱗遊矢を打ち倒してしまった…。

 

憤怒と憎悪のままに意識を失った遊矢へとトドメを刺そうとする災厄……そこへ、ついに凌牙が駆け付けた…!!

 

 

 

 

「榊遊矢、ちょっと痛いけど…我慢しろよ!!オラァっ!!」

 

ぐおっ─!?

 

『ダーリン!!』

ミエルへの拳を受け止めた凌牙はその腕を掴み、遊矢ごと投げ飛ばす…それによって災厄は思わず、遊矢の首から手を離した…!

 

 

『遊矢!!ぬガッ……!?』

 

「ナイスキャッチだ、権現坂…!お前達はそのまま下がってろ…!フォウ、お前もだ」

 

《フォウ…キャウ!》

そして投げ出された遊矢を権現坂が身を呈してキャッチする…そしてフォウを離れさせた凌牙は起き上がろうとする災厄を見据える…!

 

 

『凌牙!その男は…その人は、遊希なのだろう!?何故、なんでそんな姿に…!?』

権現坂は凌牙に問いかける…闇に覆われた災厄、それは権現坂が知る遊希の状態ではなかった…。

 

 

「俺も、何が起きたのかは分からねぇ……でも、原因は……コレだ…!」

 

『城之内殿…それに舞網アドベンチャースクールの…!!まさか、人間が…カードに…!?』

 

『そんな…!?』

そんな権現坂に凌牙は懐から取り出したカードを見せる…それはカードにされてしまった城之内と聖目だった。

 

 

「あの人は奴ら…オベリスクフォースに…()()に対する怒りや憎しみに囚われてる…!いま、それを止められるのは…俺だけだ…!!」

 

『俺も、戦うぞ…!遊希は俺の掛け替えのない仲間だ…!それを放っておけるか!!』

 

「来るんじゃねぇ……()()()

 

『っ…!?』

凌牙と共に戦おうとする権現坂…だが、凌牙はそれを凄まじい気迫で制止する…!

 

 

 

「いまのあの人と、お前達じゃレベルが違いすぎる…!死にたくなきゃ……そこにいろ…!」

 

オオ……うおおオオオオッ!!!

災厄が凄まじい殺気と共に咆哮……その体を覆っていた闇が晴れていく……その姿は……もはや、怪物だった。

 

 

 

 

 

赤かった髪は黒く染まり、前髪には白いメッシュが入っている。

 

 

露わになった肌は黒く染まり、身体に刻まれた無数の傷跡が紅く痛々しい光を放っている。

 

 

背中からは悪魔を思わせる大小2対の黒い翼…そして金色の瞳に、朱く染まった白目…。

 

 

その姿を知る者ならば、こう呼ぶだろう───

 

 

 

 

『破壊の悪魔』と

 

 

 

 

 

 

「っ…十代さんに、聞いた事があるぜ……絆の光(NEXUS)を掴む前に…一度だけ、父さんが闇に堕ちた事があるって………その闇は……今度こそ、俺が祓う!!」

凄まじい殺気を前に凌牙はデュエルディスクを構える!!

 

 

『っ……凌牙、お主は何者なのだ…!?なぜ、この殺気の中で平然としていられる…!?』

ミエルは殺気に当てられて失神している…その中で大量の冷や汗を流しながら、権現坂は真正面から殺気を受け止める凌牙に問いかける…!

 

 

 

「俺は…凌牙、()()()()!世界を救った、英雄の()()だ!!」

 

ウオオ……オオオッ!!

災厄の悪魔を前に名乗りを上げる凌牙……英雄を闇から救う為のデュエルが始まる!!

 

 

 

 

 

 

【「デュエル!!」】

 

 

 

凌牙LP4000

災厄の悪魔LP4000

 

 

 

 

「俺のターン!」

「いくぜ…!俺は魔法カード『RUM-七皇の剣(ザ・セブンス・ワン)』を発動!!このカードはエクストラデッキ・墓地から効果を無効にして、オーバーハンドレット・ナンバーズを特殊召喚する!」

 

101

 

「現われろ!『No.101』!満たされぬ魂を乗せた方舟よ…光届かぬ深淵より、希望の世界へ浮上せよ!!『S・H・Ark Knight(サイレント・オナーズ・アークナイト)』!!」

 

『え、エクシーズモンスターを、エクシーズ召喚せずに特殊召喚だと!?』

光の銀河から赤いコアを持つ、巨大な白い方舟が現れる! ATK2100

 

 

「まだだ!さらに特殊召喚したオーバーハンドレットナンバーズをランクアップさせ、カオス化する!俺は『サイレント・オナーズ・アークナイト』でオーバーレイネットワークを再構築…カオスエクシーズチェンジ!!」

光の銀河に方舟が飛び込み、混沌の爆発と共に再誕する!!

 

101

 

「現われろ!『CNo.101』!満たされぬ魂の守護者よ…希望の騎士となって、闇を砕け!!『S・H・Dark Knight(サイレント・オナーズ・ダークナイト)』!!」

アークナイトのコアから人型が飛び出し、黒き鎧を纏い、朱き槍を握り締める…このモンスターこそ、凌牙のエース…黒き槍術士が現れる! ATK2800

 

『この、モンスターは…!!黒咲以上の…!』

権現坂は召喚された槍術士に圧倒される…その威圧感は以前見た黒咲のエクシーズモンスター以上だった…!

 

 

「まだだ!俺は『シャクトパス』を召喚!」

タコの足を持つ鮫が現れる! ATK1600

 

「さらに!自分フィールドに水属性モンスターが存在する時!『サイレント・アングラー』は特殊召喚できる!」

チョウチンアンコウ型のモンスターが現れる! ATK800

 

「俺はレベル4の『シャクトパス』と『サイレントアングラー』でオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!!」

 

103

 

「力を借りるぜ、璃緒!現われろ!『No.103』!『神葬零嬢ラグナ・ゼロ』!」

凌牙はさらに二振りの刀を持つ神をも凍らせる巫女を呼び出す! ATK2400

 

 

「俺はカードを1枚伏せ、ターンエンド!」

 

凌牙LP4000

ダークナイト ラグナゼロ 伏せ1 手札1

 

 

 

 

『エクシーズモンスターを一気に2体も…!これが、凌牙の本気か…!!』

フィールドに並ぶエクシーズモンスターを見た権現坂は冷や汗を拭う…凌牙のプレイングレベルは今の権現坂達を大きく上回る……だが、凌牙の表情は険しいままだった。

 

 

「(父さんは()()()()()()で来る…!?俺でも対応しきれるのか…!)」

 

《フォウ…!》

目の前の悪魔が「英雄」の全ての力を扱えるのかは分からない…だが、少しでも力を扱えるなら…並の決闘者を遥かに凌駕してしまう、それは凌牙本人が一番分かっていた…!

 

 

 

 

【オレのターン…暗き力はドローカードをも闇に染める…!ダークドロー!

 

「っ!?マジか!?」

暗き闇が悪魔の右腕に宿り、破滅の軌跡を刻む…!

 

 

【オレは魔法カード『エクシーズ・トレジャー』を発動…フィールドのエクシーズモンスター1体につき、1枚ドローする…!2枚ドロー!さらに手札の『紋章獣ツインヘッド・イーグル』を墓地に送り『紋章獣アンフィスバエナ』を特殊召喚!】

 

「おい…!?よりによってそれかよ…!!」

上下に2つの頭を持つドラゴンが現れる! ATK1800

 

 

【さらに『紋章獣レオ』を召喚!】

仮面を被った獅子が現れる! ATK2000

 

【さらに、フィールドに2体の紋章獣が存在する事で…手札から『紋章獣エアレー』を特殊召喚…!】

仮面を被った青い鹿のような獣が現れる! ATK1000

 

 

「レベル4のモンスターが、3体…!!」

 

【オレはレベル4の『アンフィスバエナ』『レオ』『エアレー』でオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!!】

3体のモンスターが光の銀河に飛び込み、光の爆発を起こす!!

 

69

 

「現われろ…『ANo.69』…!憎しみを、怒りを開放せよ…!!ランク4!『紋章神(ゴッド・メダリオン)コート・オブ・アームズ』!!」

現れるのはかつて、復讐に呑まれた男に取り憑いた魔物……巨大な角を持つ、異形の悪魔が現れる! ATK2600

 

 

 

「トロン…バイロンのナンバーズ…!!いきなりか…!!」

凌牙はその恐ろしさをよく知っている…その力が牙を剥く!

 

【『コートオブアームズ』の効果…このモンスターが特殊召喚された時、このカード以外のエクシーズモンスターの効果は無効になる…!ゴッド・メダリオン・ハンド!!】

 

「くっ…!?」

 

『なっ…!?エクシーズモンスターの効果が!!』

異形の悪魔から飛び出した紫色の光の腕が槍術士と巫女に突き刺さり、色を奪い去る…!

 

 

【さらに、1ターンに1度!相手エクシーズモンスターの効果を使う事ができる…!『ダークナイト』の効果発動…『ダークナイト』をこのモンスターのORUにする……ダーク・ソウル・ローバー…!!】

 

『なんだと!?』

光の腕が槍術士を悪魔へと引きずり込む……そして槍術士は貪り喰われ、悪魔の糧となってしまった…!

 

コートオブアームズORU3→4

 

 

【バトルだ…『コートオブアームズ』で『ラグナゼロ』を攻撃…!ゴッド・レイジ!!】

暗雲に覆われた空に向かって異形の悪魔が紫の閃光を放つ、それは雲の中で増幅され…黒い神の怒りとなって凌牙に襲いかかる!

 

「罠カード『ゼウス・ブレス』発動!相手モンスターの攻撃を、無効にする!!」

その瞬間、湧き出した津波が神の怒りを受け止める…本来ならフィールド上の魚・水・海竜族1体につき800ダメージを与える効果があるが…フィールドには戦士族の『ラグナゼロ』しか存在しない為、ダメージは与えられない…。

 

 

【オレは、カードを2枚伏せ…ターンエンド…!】

 

災厄の悪魔LP4000

コートオブアームズ 伏せ2 手札1

 

 

 

 

【うう…オオオッ──!!!

 

「相性最悪にもほどがある…!だが、負ける訳にはいかねぇ!!」

荒ぶる決闘者の衝動のままに咆哮する悪魔…だが、凌牙は怯まない…大切な人を救う為に…!

 

 

 

 

 

「俺のターン!ドロー!!」

「くっ…!!魔法カード『氷結の刃(ゼロ・ブレード)』を発動!このターン『ラグナゼロ』は2回攻撃ができ、さらに『コートオブアームズ』の攻撃力は1000ポイントダウンする!!」

 

『よし!上手いぞ!!』

氷結の巫女が氷の刃を投擲…異形の悪魔の体を凍らせる!

 

コートオブアームズ ATK2600→1600

 

 

「バトルだ!『ラグナゼロ』で『コートオブアームズ』を攻撃!!」

 

【速攻魔法『RUM-クイック・カオス』を発動!自分フィールドのエクシーズモンスター1体をランクアップし、カオス化させる…!オレは『コートオブアームズ』1体でオーバーレイネットワークを再構築…カオスエクシーズチェンジ!!】

 

「しまった!!」

 

《フォウ!?》

氷を砕いた悪魔が光の銀河へと飛び込み…闇の爆発が古代遺跡エリアを覆い尽くす!!

 

69

 

【現われろ…『A CNo.69』…!怒りを喰らう神よ…全ての世界を喰い尽くせ!ランク5!『紋章死神(デス・メダリオン)カオス・オブ・アームズ』!!】

闇の爆発の中から…カオスを宿せし、異形の死神が現れる! ATK4000

 

 

『こ、攻撃力4000だと!?』

 

「っ……攻撃は、中断だ…!カードを1枚伏せ……ターンエンド!!」

規格外の攻撃力を誇る死神を前に、凌牙はターンを終えるしかなかった…。

 

凌牙LP4000

ラグナゼロ 伏せ1 手札0

 

 

 

【オレのターン…ドロー…!】

【『カオスオブアームズ』の効果発動…カオスORUを1つ使い、『ラグナゼロ』の攻撃力を自身に加え…カード名、効果を得る…!カオス・メダリオン・ハンド!】

 

「っ…!!」

混沌の触手が巫女の力を奪い去る…!

 

カオスオブアームズ ATK4000→6400

 

 

【そしてエクシーズ素材から墓地に送られた『紋章獣レオ』の効果発動…デッキから『紋章獣バシリスク』を手札に加え、召喚…!】

蛇の尾を持つニワトリが現れる! ATK1000

 

【さらに手札から速攻魔法『サイクロン』を発動…!伏せカードを破壊する】

 

「っ…!!」

竜巻が凌牙の伏せカードを吹き飛ばす!

 

 

【バトル…『バシリスク』で『ラグナゼロ』を攻撃…!】

 

『っ!?何故、ダメージを受けてまで!?』

ニワトリが巫女に突撃…氷の刃で切り裂かれる…!

 

災厄の悪魔 LP4000→2600

 

 

【『バシリスク』の効果発動…バトルした相手モンスターを破壊する…!】

 

「っ…!!」

巫女がバジリスクの呪いで砕け散る…これで凌牙に抗う手段は…無くなった…。

 

 

 

『り、凌牙!!アクションカードを!!』

 

「っ……いや、このターンを耐えられても……俺じゃあ、あのモンスターは、倒せねぇ…!!」

徹底的に対抗手段を奪われた凌牙…しかも、周囲にはアクションカードが見当たらない……ナイト・オブ・デュエルズが黒咲への嫌がらせの為に使い切ってしまっていたのだ…!

 

 

「権現坂、榊遊矢を連れて逃げろ…!海馬コーポレーションに連絡して、保護して貰ってくれ…!!海馬さんと遊戯さんが……必ずあの人を止めてくれる…!!」

破滅を前に…凌牙は伝説の決闘者へと後を託す…!

 

 

 

【バトル…『カオスオブアームズ』でプレイヤーへダイレクトアタック…!!カオス・デス・ドゥーム!!】

 

『凌牙─!!』

カオスを宿した即死の光が…凌牙に迫る…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『すまねぇ……父さん………母さん………璃緒……!!』

 

 

 

 

 

 

そして、破滅の光が凌牙を飲み込んだ…。

 

 

 

 

 

 

《フォーウ───!!!》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ…?」

 

『これは…!?なにが、起きて…!?』

 

《フォウ…!》

古代遺跡エリアを穏やかな光が照らす……それは凌牙達を守るように破滅の光を完全に弾いている…!

 

「この、光……まさか……どうして…!?」

凌牙はその光が自身のエクストラデッキから放たれている事に気付く、そして飛び出したのは───

 

 

「……遊馬、アストラル……バカ野郎……このカードは、お前達が持ってなきゃ、ダメじゃねぇか……!」

凌牙はスタンダード次元に向かう前に、何枚かのナンバーズを託されていた……しかし、このカードを自分に託しているとは思っていなかったのだ。

 

 

 

 

 

──この程度で諦めるなんて、キミらしくないぞ?シャーク──

 

 

 

──ヘヘっ…!カットビングだ!シャーク!!──

 

 

 

──オレ達はお前達に全てを託している……さっさと解決してこい!凌牙!!──

 

 

 

 

「アストラル…遊馬…カイト………お前達の託してくれた力、無駄にはしねぇ!!」

それはナンバーズに宿る仲間達の思い……その声に答えるように、凌牙はその名を叫ぶ!!

 

 

 

 

「エクストラデッキの『No.100ヌメロン・ドラゴン』の効果、発動!自分フィールドにカードがなく、手札にカードが存在しない状態でダイレクトアタックを受けた時!このカードを守備表示で特殊召喚できる!」

 

なにっ…?

凌牙の背後から希望の光が溢れ出す!   

 

100

 

現われろ!『No.100』!!宇宙創造の鍵…今こそ!闇の扉を解き放ち、希望を!その咆哮と共に導け!!『ヌメロン・ドラゴン』!!

それはかつて、遊馬達の窮地を救いし『全知全能の鍵』…黄金の龍が咆哮と共に降臨する! DEF0

 

 

 

『……美しい……なんと、雄々しく美しいドラゴンなのだ…!』

 

 『うっ…あれ、私っ………って、何アレ─!?』

その現実離れした光景に権現坂は見惚れ、目を覚ましたミエルは驚愕している…。

 

 

【ううっ…オオオ!!『カオスオブアームズ』で『ヌメロンドラゴン』を攻撃!!】

 

「無駄だ!このモンスターがバトルする時、相手モンスターの攻撃力は0になる!!」

再び放たれる破滅の閃光…だが、それは全能の一端によって霧散する!

 

カオスオブアームズATK6400→0

 

 

【罠カード『リビングデッドの呼び声』発動…!墓地の『紋章獣バシリスク』を特殊召喚…!】

再びヘビの尾を持つニワトリが現れる! ATK1000

 

 

【バトル…!『バシリスク』で『ヌメロンドラゴン』を攻撃…!そしてバトルしたモンスターを破壊する!】

ヌメロンドラゴンに突貫するバシリスク…ダメージこそ発生しないが、自身の呪いで全能の鍵を無に還す…だが、奇跡の力は終わらない!

 

 

「今だ!!『ヌメロンドラゴン』のさらなる効果発動!このカードが破壊された時、フィールドのモンスター全てが破壊される!!」

 

!?

黄金の粒子が集結し、巨龍が復活…創世の火炎が全ての敵を焼き尽くす!

 

「そして、このターン中に破壊された魔法・罠カードを破壊される前の状態に戻す!!……助かったぜ、お前ら…!」

凌牙は希望を託してくれた仲間達に感謝を伝える…その言葉を聞いた3人の幻影達は頷いて消えていった。

 

 

オオオッ!!魔法カード『高等紋章術(ハイ・メダリオン・アーツ)』を発動!墓地から『紋章獣レオ』『紋章獣エアレー』を特殊召喚し、この2体でエクシーズ召喚を行なう!!】

 

『なっ…!?まだ、そんなカードを!!』

全てを失ったかに見えた悪魔…そのフィールドに2体のモンスターが復活し、銀河に飛び込む!!

 

むげん

 

【『No.むげん』『デュエルガアディアン』!!】

悪魔のフィールドに闇色に染まった水晶の大剣が突き刺さる! ATK2500

 

 

 

「そこだ!!リバース罠『スプラッシュ・キャプチャー』発動!!墓地の魚族モンスター『サイレントアングラー』と『シャクトパス』を除外する事でエクシーズ召喚に成功した、相手エクシーズモンスターのコントロールを得る!!」

 

【なにっ…!?】

大剣が突き刺さった道路から水が噴き出し、凌牙のフィールドに大剣を吹き飛ばす!

 

 

【ターン、エンド…!】

 

災厄の悪魔LP2600

手札0

 

 

 

 

「(次に引いたカードがモンスターでなきゃ、父さんにターンが回っちまう……そしてまだエクストラデッキには『No.8紋章王ゲノム・ヘリター』だってあるはず……このドローに、全てを賭ける…!)」

ライフ差は有利…しかし、実質のシャイニングドローである「ダークドロー」を使える災厄の悪魔を倒すには、このターンで決着をつけるしかない…!

 

 

「父さん…母さん……璃緒……みんな……俺にもう一度、力を貸してくれ─!!」

集中力を高める凌牙…その身に集うは「希望」……集いし希望は『奇跡』を起こす!!

 

 

 

キィン─!!

 

 

 

『こ、この光は…!?』

 

『彼に、光が集まって…!暖かい…希望の光……!』

集中力を高める凌牙が静かな水面のような穏やかな光を纏う……そして、姿が変わっていく。 

 

 

 

青色の瞳は瞳は赤と青のオッドアイに。

 

身体には紫紺のボディスーツを纏い、胸や手足には金色の具足が現れ…胸元にはバリアンの──誇り高き七皇の紋章が輝く。

 

そして背中には王の威厳を示す赤きマントがたなびく…。

 

 

 

バリアン七皇はドン・サウザンドによる介入が無ければ、アストラル世界へと生まれ変わっていた()()()()()()()()()……故に、遊馬や遊海のように……彼には()()姿()に覚醒できる可能性があったのだ。

 

 

 

 

いくぜ、俺のターン…!!全ての光よ、カオスよ!我が右腕に宿り、勝利の道筋を照らせ!!バリアンズ・シャイニングドロー!!

凌牙は自身の変化に気付かないまま、奇跡の力を振るう!

 

 

「来たぜ…!『セイバー・シャーク』を召喚!!」

希望の力が頭部が鋭い刀になった鮫を呼び出す! ATK1600

 

 

「バトルだ!『セイバーシャーク』で、ダイレクトアタック!!」

 

【ぐおおっ…!!】

セイバーシャークが体当たりを仕掛け、ライフを削る!

 

災厄の悪魔LP2600→1000

 

「そして…これが、闇を祓う…最後の攻撃だ!!」

凌牙は道路に突き刺さった大剣に手を掛ける…!

 

 

「目覚めろ…英雄の魂のナンバーズ!お前の銘は──『No.∞』!『決闘の守護者(デュエル・ガーディアン)』!!」

 

 

凌牙が大剣の名を叫ぶと同時に引き抜く…そして剣を覆っていた闇が浄化され、決闘盤をモチーフとした大剣が復活する!!

 

 

「これが、英雄の魂の咆哮…絆の光よ!英雄を蝕む闇を斬り祓え!!勝利を掴む勇気の剣(デュエルカリバー・ブレイブ)──!!」

 

オオッ…グオァァァ!!?

放たれた光の斬撃が災厄の悪魔を飲み込む……それは、凌牙が父の背中に少し近付いた瞬間だった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは…?」

気付いた時、凌牙は光の中にいた…そして、目の前に薄っすらと何者かが現れる…。

 

 

──……ごめんね、凌牙君……君の大切な人の……世界を救う為の力を、こんな事に使っちゃって………本当に、ごめん──

 

 

「榊、遊希……」

それは遊希だった…半透明の身体で、涙を溢しながら…凌牙へと頭を下げる…。

 

 

 

──……遊矢や権現坂君にも、謝らなきゃ……洋子さんや柚子ちゃん…修造塾長……海馬社長にも………でも、時間がないや……──

 

 

「………アンタの事は、海馬さんや遊戯さん……カードにされちまった城之内さんにも助けて、必ず伝える……だから、安心して眠ってくれ」

 

 

──……ありがとう、凌牙君……フォウくんを、よろしくね──

 

 

光の中に遊希は消えていく……スタンダード次元において、英雄を守り続けた『普通の少年』は……穏やかに、長い眠りに就いた…。

 

 

 

 

 

 

災厄の悪魔 榊遊希 LP0

 

 

凌牙WIN──

 

 

 

 

 

 

 

「っ……はぁ、はぁ…はぁ………体が、重い…」

 

『凌牙!大丈夫か!?』

デュエルが終わり、奇跡の姿が消えた凌牙は地面にへたりこむ…実質、ダメージは受けなかったとはいえ…一撃、一撃が命取りの決闘の緊張感は……確実に凌牙の体力を奪っていた…。

 

 

「あの人は、父さんは……!」

 

『遊希は…大丈夫だ、息はしている……しかも、傷が…!!』

 

『あんなにあった傷跡が、消えてる……嘘みたい…』

動けない凌牙に代わって権現坂達が倒れ込んだ遊希の様子を確かめる…今の決闘での傷は残っているが、その身を蝕んでいた無数の傷跡は綺麗に消え去っていた……それが意味するのは……。

 

 

「ああ…よかっ、た───」

 

『凌牙!?おい!しっかりしろ!!……なんとまぁ、穏やかな顔を……ミエル殿!ジャングルエリアに人がいる!呼んできてくれ!!』

 

『わ、わかったわ─!?』

スタンダード次元に来てからずっと気を張り続けていた凌牙は安堵感から気を失ってしまう…その様子に少し呆れながらも、権現坂達はジャングルエリアにいた大漁旗や茂古田達に手を借り、凌牙や遊矢…そして遊希を身を隠しやすいジャングルエリアへと運び込んだ…。

 

 

 

 

──────────────────────────

 

 

 

「うっ……寝ちまってた、のか……」

 

《フォウ!フォーウ…?》

 

『おお、凌牙!気が付いたようだな……あれだけのデュエルをしたのだ、無理もあるまい……』

 

「権現坂…フォウ……ぐっ……ここは……」

 

『ジャングルエリア…舞網公園の辺り、時間は…夜の9時を過ぎた所だ』

眠り続けていた凌牙が目を覚ます、そこは夜の帳が落ちたジャングルエリア…周囲を見渡すと焚き火の側で茂古田未知夫が料理を作り、大漁旗鉄平が釣り道具の手入れをしている。

少し離れた所ではミエルが遊矢に膝枕をし、その隣に遊希が寝かされていた…。

 

 

『あの仮面のデュエリスト……オベリスクフォースという者どもはこの辺りにはいないようだ、油断はできんがな…』

 

「こっちに来たのは…おそらく、12人前後…遊矢と父さんがそれぞれ3人ずつ倒したなら…残り3人くらいのはずだ……俺もユースの奴らと一緒に1チーム倒してきた……ぐっ…」

 

『無理するな…もう少し休んでいろ、何かあれば…俺が命を張る…!』

 

「……すまねぇ」

体を起こした凌牙だが、連戦の疲れに顔を歪める……ユースと共にオベリスクフォースと戦っていた凌牙だが、強力なオベリスクフォースによってチームは半壊……さらにフォウの知らせを受けた事で焦った凌牙は『時間を支配する龍王』を開放、残りのユースチームを逃し、災厄と化した英雄のもとへ駆け付けたのだ。

 

 

「……榊遊矢は?」

 

『まだ、あれから眠ったまま……いや、一度目を覚ましたのだが……また暴れ始めてな、すぐに気を失ったのだが……少し、気になってな……』

 

「何かあったのか?」

 

『ミエル殿の占いで遊矢の中には2つの心、そしてそれを飲み込むような恐ろしいモノがある……と、結果が出たのだ……それが、遊矢が豹変してしまった原因かもしれん』

 

「そうか…とにかく、敵に警戒しながら……目が覚めるのを待つしかねぇな…夜は下手に動くと何が起きるかわからねぇ」

 

『むぅ…凌牙はまるで戦場の将のようだな…周りが良く見えている』

 

「これでも…昔は王様やってたからな」

 

『えっ?』

 

「…冗談だ」

 

《フォ〜ウ〜?(それって冗談で通じるの?)》

冗談を言えるくらいの調子を取り戻した凌牙…そして、しばらくして遊矢も目を覚ますのだった。

 

 

 

………

 

 

 

「……遊希兄……オレが、そんな戦い方して…遊希兄と戦ったなんて……」

 

『遊矢…』

 

「ダーリン…」

目を覚ました遊矢は権現坂達から事情を聞かされる、いつもとは違う雰囲気でオベリスクフォースと戦っていた事…新たな『ドラゴン』をエクシーズ召喚して、オベリスクフォースを倒した事……そして、『災厄』と化した遊希によって気を失っていた事を…。

なお、遊矢本人の記憶はオベリスクフォースがナイト・オブ・デュエルズをカード化した辺りで途切れていた。

 

余談だが…食料調達等で遊矢達に恩を売り、ペンデュラムカードを要求した大漁旗には凌牙が数枚のペンデュラムカードを渡して黙らせている。

 

 

 

「榊遊矢……悪いが、次に目覚めた時……この人は『榊遊希』じゃなくなってるだろう……本来の『記憶』を取り戻してな」

 

「LDSの……エクシーズ次元の凌牙…!それって、どういう事だよ…!」

 

「言葉通りの意味だ……怒りに飲まれた榊遊希は俺が倒した、その衝撃で……今度こそ、記憶の()が外れたはずだ……その証拠に…傷が治ってるだろ?……目覚めたこの人がお前の事を覚えてるかは……俺にもわからねぇ」

 

「そんな…!」

そして凌牙は遊矢へと、残酷な真実を伝える……焚き火に照らされた遊希の姿は見慣れた傷だらけの姿ではなく、黒髪の青年──凌牙の知る白波遊海の姿になっていた…。

 

 

「それよりも、だ……お前はこれからどうしたい?何をしたい?」

 

「えっ…?」

 

「このバトルロイヤルにはいま、レオ・コーポレーション、エクシーズ次元、融合次元……様々な思惑が入り混じってる……その中で、お前は何を為す」

凌牙は鋭い目付きで遊矢を睨む……遊矢を確かめるように…。

 

 

「……オレは…素良と話がしたい」

 

『なに!?素良が帰ってきているのか!?』

 

「うん……融合次元の奴らと、一緒に……」

遊矢の思わぬ言葉に権現坂は驚く…彼は素良が帰ってきている事を知らなかったのだ。

 

 

「オレは……素良と話したい、なんでエクシーズ次元にあんな事をしたのか、直接確かめて…止めたいんだ!!」

 

「……そうか、ならお前のやりたいようにやってみろ……この人は俺が守る」

 

「凌牙…ありがとう…!!」

 

「(榊遊矢…ズァークの欠片……やっぱり、融合の欠片以外は良い奴なんだな……なぁ?ユート…)」

遊矢の真剣な眼差しを見た凌牙は…その姿にユートの姿を重ねていた…。

 

 

 

 

翌朝、遊矢・権現坂と未知夫・大漁旗の4人はバトルロイヤルに異変が起きている事を参加者達に伝える為に古代遺跡エリアを出発した…なお、ミエルは朝食後すぐにいなくなってしまった。(融合次元への妨害の為、レオ・コーポレーションが通信妨害をしている)

 

 

 

「……父さん、早く目を覚ましてくれ……俺1人じゃ、手が届かねぇ…!」

そんな中、まだ目覚めぬ遊海の横で凌牙は頭を抱えていた。

 

 

柊柚子とシンクロのズァーク…ユーゴの転移。

 

オベリスクフォースと参加者達の犠牲者を出しながらの戦い。

 

 

その2つを凌牙1人で解決するのは厳しいモノだった。

 

 

 

「柊柚子は無事だからまだ良いとして……やっぱり、同じ釜のメシを食った奴を見捨てるのは……男じゃねぇ…!」

 

《フォウ……フォウフォウ……》

 

「…ん?フォウ、何やってんだ?」

先の事を知っているが故に思い悩む凌牙…その横でフォウが木を登り始める…。

 

 

《フォウフォウ…フォウ!》

 

「……頭を下にして、身をよじって……って、おま──!?」

 

《フォウフォウフォーウ!サッサトオキルフォーウ!!》

 

「………!!?」

 

おわああ!?何やってんだフォウ──!?」

 

 

説明しよう、落ち込んでいる凌牙を見ていられなかったフォウが木によじ登り、高速回転しながら眠っている遊海の腹にダイレクトアタックをかましたのである。

 

突然の事に思わず変な声を出してしまう凌牙だったが……それは事態を()()させた。

 

 

 

「う……ぐぅ……りょう、が…?」

 

 

 

「っ!?父さん!!」

 

《フォウ!!》

フォウの与えた衝撃か…はたまた凌牙の声がきっかけか……眠り続けていた遊海が薄目を開けたのだ…!

 

 

「……お前…()()はどうした…?今日は……授業……」

 

「ああ…!!父さん…!父さん!!よかった…!よかった!!帰ってきた……!!」

 

「ん、あ……??」

だいぶ記憶の()()があるようだが……ついに、白波遊海が本当の意味で目を覚ました…!

 

 

 

 

 

 

Side遊海

 

 

 

「ここは…俺は……?」

俺は見慣れない景色の中で目を覚ました…そこはまるでジャングルのような場所…だが、遠くには遺跡に覆われたビル群のようなモノも見える……まるで、()()()()()()後の世界のように…。

 

 

「馬鹿…!馬鹿親父!!どんだけ寝坊すりゃ気が済むんだよ!?」 

 

《フォウ…フォウ!!》

 

「凌牙…フォウ………凌牙?」  

そして、俺の胸に顔を埋めて泣いている凌牙…その肩にはフォウが乗っているのだが……()()()がある………それは──

 

 

「凌牙…お前、なんで()()()なってんだ…?成人式祝いで、一緒に飲んだ、よな?」

 

「ああ、飲んだよ!父さん、普段飲まないのにジョッキでビール飲んだせいで一週間寝込んでたよな!?どんだけ弱いんだよ!」

 

「記憶が…こんがらがってる………俺は、なんで、こんな──」

 

 

ズキン!!

 

 

「………あっ────」

状況が理解できず、混乱する遊海……その時、鋭い頭痛が襲いかかる…!

 

 

 

 

 

 

 

■■■■■■───!!

 

咆哮する黒い影

 

 

 

 

「くっそぉ…!タフにも、程があるぜ…!」

 

「なんで、倒れない…!」

 

「まだだ…!これ以上、奴に…罪を重ねさせるな…!!」

 

傷付いた仲間達

 

 

 

 

「やだ…!待って!遊海さん!遊海さん─!!」

 

「みんなを頼む…奴を食い止めるのは……俺の役目だ…!!」

 

そして…涙を流す、翠の顔

 

 

 

 

 

 

「………まさか、ここは……?」

 

《フォウ!?》

 

「父さん!?」

 

記憶の混乱が解けた遊海は軋む体を無視して立ち上がり、視界が開けた場所へとふらふらと歩き出す…そして…。

 

 

 

「L…D…S……レオ、デュエル、スクール…?」

海際から見えたのは、街の中心部に聳え立つLDSのビル…そして凍りついた海浜地区と、遠くに見える火山…その瞬間、遊海は自分が()()()()()()()…理解してしまった。

 

 

 

 

「あ、ああ……!?うあああああああ──!?!?

 

 

「父さん!!」

遊海は()()した…自分が()()()()()()()()()のだと、理解してしまったのだ…。

 

 

 

 

「守れなかった…!守れなかった!!!遊戯に!克也に!海馬社長に、みんなに託された世界を守れなかった!!俺は…俺は…!!うああああああ!!!!」

 

「っ…父さん!!落ち着け!!落ち着いてくれ!!」

発狂し、慟哭の叫びを上げる遊海…その理由を察した凌牙は遊海の肩を掴み、呼び掛ける…。

 

 

 

 

「父さんは確かに世界を()()()()()んだ!!俺達の人間界は…父さん達が生きてきた世界は無事だ!!」

 

 

「えっ……?」

凌牙は青い瞳で遊海を見つめながら、遊海が使命を成し遂げた事を伝えた…。

 

 

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