転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
ファラオと共にクル・エルナ村へ向かった遊海はついに目的の場所に到着した…しかし…
「なんだこりゃ!?死霊しかいないじゃないか!?」
そう、村の中は無数の死霊達に占拠されていたのだ…
『これは…一体』
「ファラオよここは私達が食い止めます!お早く!
行け!双頭のジャッカル戦士!!」
「なら俺も!来てくれ!神官文字の白竜!」
「(御意!)」
『二人共!頼んだぞ!』
「「はっ!」」
ファラオはマナと一緒にクル・エルナ村の奥へと進む、俺とシャダさん、そして兵士達は死霊をどんどん倒していく!
「やるな!シュウ!さすがはマハードの直属部隊長だ!」
「褒めて頂き光栄ですシャダ様!しかしそろそろきつくなってきました!!」
「確かにそうだが弱音は厳禁だ!我らがファラオをお守りするのだ!」
確かにさっきから死霊を倒し続けているが一向に減らない!バクラの千年輪の邪念に引き寄せられてるのか!?
シャダ 魂70/100
遊海 魂80/100
「ならやるしかない!現れろ神官文字の青竜!」
シユウドラゴンが現れる
「2体の精霊よ千年玉の元で星を重ねよ!」
トフェニとシユウが千年玉に飛び込む!
「(2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!)いでよ!神官文字の龍王よ!」
「魔物融合か!!」
聖刻龍王ーアトゥムスが現れる
「龍王よ!全てを浄化せよ!」
アトゥムスが広範囲魔法陣を展開し死霊を一ヵ所に集める
「龍王抹殺陣!!」
魔法陣が輝き中の死霊が消滅する!
「流石だシュウ!」
遊海 魂65/100
「シャダ!無事か!!」
そして王宮の神官団、セト、カリム、アイシス、シモン、アクナディンが現れる
「シャダ!ファラオはどこじゃ?」
「村の奥!冥界の石板に!」
「わかった!急いで向かうぞ!」
そして神官と俺達も奥に向かう…
そしてファラオに追い付くとそこではバクラのディアバウンドと精霊となったマハードとマナが激戦を繰り広げていた、マハードが魔力弾を放つがディアバウンドもバクラも歯牙にもかけていない。
「ファラオ!」
『シモン!神官達!』
「これはこれは…神官団ご一行様…ヘヘヘヘヘヘ…!」
「貴様!何がおかしい!」
「フフフフ、わざわざ千年アイテムをぶら下げてオレ様の元に来るとは…こっちから出向く手間が省けたってもんだぜ!かかってこいや神官ども!!ディアバウンド、奴らをまとめて蹴散らせ!」
「なめるな!盗賊王!!」
そして神官団はそれぞれの精霊・魔物を展開しバクラに攻撃を仕掛ける!
セトとシャダはデュオスと双頭のジャッカル戦士で斬りかかる
アイシスはホーリーエルフを召喚し、ファラオと神官の魂を回復させる。
アクナディンやシモンも他の神官達をサポートし、さらにマハード・マナの魔術師師弟が魔力弾を打ち出す。
「龍王よ更なる進化を遂げよ!(ランク6のアトゥムスでオーバーレイネットワークを再構築!ランクアップエクシーズチェンジ!)現れろ!迅雷の竜騎士!」
アトゥムスがランクアップしガイアドラグーンが現れる
「放て!螺旋竜突槍!!」
ガイアドラグーンが貫通攻撃を放つ…しかし
「雑魚が何匹増えようが死霊の盾に守られたディアバウンドに攻撃は通用しねえんだよ!」
ディアバウンドの周囲にはクル・エルナに巣食う死霊達が渦巻き、盾となっていた…
「くっ…攻めきれない!!」
「来ないなら俺からいくぜ!ディアバウンド!毒牙連撃波!」
ディアバウンドの放つ攻撃が魔物を破壊していく…
「ならば…セト!魔物融合だ!」
「わかった!やれカリム!」
「千年秤よ!2体の魔物を束ねよ!魔物融合!デュオスドラゴン!」
しかし、それでも届かない…バクラはサンダーフォースと魔導波の合体技を放ちデュオスを退ける!
「…遊戯!いいな?」
『…やれ!遊海!!』
「来い!デュエルディスク!」
「なんだと!?」
遊海の腕に決闘盤が現れる、アヤカに呪縛を解かれた事により召喚できるようになったのだ
「シュウ!?そのディアディアンクは!?」
「みんな!魔物を下げて!俺よりも後ろに!」
「キサマ!何をするつもりだ!」
「こうするのさ!現れろ!安寧の闇よ!『戒めの龍』!」
黒き神々しい龍が現れる!
「なっ!?あの龍…なんて威圧感だ!?」
「悲しき死霊よ…我が魂によりて黄泉路を開く!浄化せよ!『戒めの波動』!」
遊海 魂50/100
黒き龍から波動が広がり天井に空間が開く…そして…
《息子よ…私が因縁を全て冥界につれて行こう…》
『父上!』
アクナムカノン王の幻影が現れ、死霊達を冥界に導く…
「アクナムカノン…だと!?馬鹿な、何が起こってやがる!?ディアバウンド!」
死霊達は次々と冥界へと向かっていく…
「てめえら、こいつらへの恨みを忘れたのか!八つ裂きにするんじゃねえのかよ!おい!」
死霊の力を失ったディアバウンドの覇気が小さくなっていく…
『今だ!マハード!』
《この日を待ちわびたぞ、バクラ!魔導波ぁ!!》
『千年の闇に眠れ…バクラ!!』
「うわぁぁあああああああっ!!!」
遊海の黒き龍、そしてマハードの連係によりついにバクラを撃破した。
「ぐあ…っ…遊戯、てめえ…待ってろ、今貴様らの息の根を止め、 全ての千年アイテムを奪い、闇の力を手に入れてみせる!あぁ…がっはぁ…くそぉ…」
満身創痍のバクラはなおもファラオに向かおうとする、しかしディアバウンドを失い、魂も尽きたバクラは長くないだろう…
『無駄だぜ、バクラ…残りの千年アイテムが俺達の手にある限り、ゾークの封印が解き放たれることは無い…諦めろ、バクラ!』
ファラオがバクラを諭す、すると
「ぐおああっ!…こ、ここはどこだ、オレはいったい何を…な、何だ?うあああ!」
バクラの様子が変わり徐々に体が崩れ砂になっていく…
何かがおかしい…あのバクラはまさか!?
《ご苦労だったな。お前はもう用済みだ》
『この声は!?』
「うあああっ!?どうなってんだ!た、助けて!たす…」
盗賊王バクラは消え去った…しかし
《フハハハハハ・・・必要なくなった駒は消えるのがルールなんだよ、遊戯ぃ》
なおも空間にバクラの声が響く…!
『駒…だと?』
ファラオが呟く…すると
『これは…体が動かない!?』
「なんだ…これ!!」
《お師匠様!体が…動きません!?》
《何が起きている!?》
神官達は混乱する…ただ一人を除いて…
「フフフ…!時は来た!」
「アクナディン殿!?何を!」
突如アクナディンから闇のオーラが放たれる…
「はははは!ぬははは!時の支配者、大邪神ゾーク様のお力により時は止められた!今この時、行動が許されているのはこの私だけなのだよ!」
そう言うとアクナディンは神官達から千年アイテムを回収する。
「しまった!アクナディンは既に邪念に堕ちていたのか!」
そしてアクナディンは冥界の石板に千年アイテムを嵌める…そして
「これで…最後だ!ぬうぅええい!」
アクナディンは自分の千年眼を抉り出す。
『(なぜだ、なぜバクラを倒したのにオレの勝ちじゃない?なぜ時が止まる…!いったいいつまで続くんだこの闇のゲームは…ゲーム?…まさか!?)』
そして闇遊戯の意識は暗転し…
『ん…ここは?』
「よぉ!遊戯!やっとゲームマスターとして目覚めたか!」
目覚めた遊戯の前にはバクラがいた…二人の間にはエジプトを模したゲーム盤が広がっている。
そしてバクラより語られる究極の闇のゲームの正体、それはファラオの記憶を再現した闇のRPGだった。
勝利条件は
・遊戯 ファラオの真名の解放
大邪神ゾーク・ネクロファデスの打倒
・バクラ ファラオ・神官団の打倒
そして遊戯が負ければ、記憶の世界にいる表遊戯達、現代組の魂も消滅する…
敗北条件はそれぞれにある、魂が無くなる事、そして現在バクラ側はMAXなのに対して遊戯側消耗している、そしてバクラは3つの「マスターアイテム」を持っていた。
時を巻き戻す「逆刻の砂時計」
時を停止する「定刻の砂時計」
そして大邪神の復活を示す「降邪の砂時計」…この砂時計が落ちきった時…ゾークは復活する
しかしそれをただ見ている遊戯ではない。ゲーム世界でのピンチをマスターアイテム、王の守護者・ハサンで回避する、そして…
『さらにマスターアイテム、「転生者の助力」を発動!頼んだぞ!遊海!翠!』
突如闇の大神官となったアクナディン、そして突然現れたハサンにより時が動きだし危機は免れた、しかしそこでアクナディンから自身がアクナムカノンの弟であること、セトが息子でありファラオの資格があると告げられる。
セトはその言葉により揺れ動き、その隙を突かれアクナディンに連れ去られてしまう。
さらに盗賊王バクラや死霊達が復活しファラオ達に襲いかかる!
「さあディアバウンド!パワーアップしたお前の力で神官どもをぶち殺せ!」
「させるか!!降臨せよ!『裁きの龍』!」
「何!?」
「盗賊王よ無に帰れ!俺の魂をもって邪悪を滅する!『カタストロフ・レイ』!!」
遊海 魂20/100
神すら滅する裁きの光がバクラを消し飛ばす!
「おのれぇ…ぐぎゃあああああ!?」
「…ファラオ…セトとキサラを頼みます…ここは俺が食い止める!」
『遊海…頼んだぞ!』
その後ファラオはセトと対面する、しかし既にセトは闇の大神官の邪念に犯されていた。
激突するマハードと白き龍。やはり白き龍は強くマハードを倒してしまう…しかし
《セト様…あなたの心は、闇に囚われてはなりません!》
キサラの光によりアクナディンの邪念は消滅しセトは解放された、そしてセトは白き龍の前で慟哭する。
「キサラ…オレは…!」
しかし…そこに空より1滴の雨が降る…そして
「…セト…様?」
「キサラ!」
既に魂を抜かれたキサラが目を覚ましたのだ、そしてその身が雨に打たれるたびに傷が治っていく…
「間に合った…!」
『遊海!お前…何を!?』
「…罠カード『恵みの雨』…ギリギリで間に合った…」
遊海は死霊達と戦いつつ広範囲に回復効果のある恵みの雨でキサラを救ったのだ、そこに…
「遊戯!白波!ここはなんだ!」
『海馬!?なんでここに!?』
なんとここにいない筈の海馬が現れたのだ、海馬は現実世界でバクラに千年眼を渡され、エジプトに導かれたのだと言う。
「遊戯、現実世界でのお前達は気絶していたが、一つ妙な事が起きていたぞ?」
『何?』
「寝かされていた白波と春風の顔色が死人のように白かった、大丈夫なのか?」
「なんだって!?」
もしかして…翠に何かが…!?
その頃、現代組と翠は王墓に到着していた。
本来であればバボサの力を借りなければたどり着けないが半分NPCになっている翠がミドラーシュ、ウェンディゴと共に王墓を発見したのだ。
そして遊戯達は様々な罠を抜けてついに最奥にあるファラオの名前のある部屋に到着した…しかし
「遊戯ィ!残念だが貴様はここまでだ!」
「君はバクラ君!?」
「さあ死霊共!雑魚どもを抹殺しな!」
バクラの声と共に死霊達が現れ遊戯の後ろの城之内達に攻撃を仕掛けはじめる
「させません!千年指輪よ我らを守れ!ウェン!ウィンダ!御願い!」
「了解です!」
「翠!ナイス!」
「翠ちゃん!」
翠がバリアを張り、城之内達を守る。そしてウィンダ達で攻撃を仕掛けるが数が多く、キリが無い…
翠 魂40/100
「杏子!城之内君!翠さん!」
「遊戯さん!こちらはなんとかします!早く本田さんをバクラから解放してください!!」
「…わかった!」
「さあ遊戯!決着を着けようぜ!!」
バクラは腕にデュエルディスクを出現させる
「僕は負けない!絶対に名前を見つけてみせる!」
「「デュエル!!」」
「チッ!遊海め余計な事を…!やはり完全にNPCにしちまえばよかったぜ…!」
『バクラ!闇の大神官は倒れ、バクラも消え去った!あとは名前を見つければ俺の勝ちだ!』
遊戯はバクラを追い詰める…しかし
「ああ、確かにオレはピンチだ…でも一足遅かったみたいだぜ!見ろ!砂時計の砂は落ちきった!!ゾークの復活だ!」
『なんだって!?』
空が暗雲に包まれる…そして…
【我はすべてを無に帰すため長き眠りより目覚めた!
もはや何者も我を止める事は出来ぬ!
生きとし生けるものはみな、地獄の業火に焼かれるがよい!】
黒い巨体で腰に竜を巻いた邪神…ゾークが復活した!
登場人物 魂残量/100
ファラオ60
セト40
アイシス60
カリム50
シャダ70
シモン80
遊海40
キサラ10
※上記のメンバーは恵みの雨で回復中
翠40