転生して決闘の観測者〈デュエル・ゲイザー〉になった話 作:S,K
「プロフェッサー…ご報告が……」
【どうした?】
融合次元・アカデミア…その総帥たるプロフェッサーは部下から報告を受けていた。
「オベリスクフォースが3名、スタンダード次元から強制送還されました」
【これで9人…次の部隊が送還され次第、作戦を一時停止する……零児、そこまで私の邪魔がしたいか…】
セレナを連れ戻す為に派遣した紫雲院素良とオベリスクフォース、そして柚子を確保する為に送り込んだユーリ…そのどちらとも成果は上がっていなかった…。
「それから……戻ってきたオベリスクフォース3名とも、瀕死の重傷を負っていました…1名は錯乱状態です」
【オベリスクフォースが重傷?】
プロフェッサーは続く報告に眉を顰める…オベリスクフォースはアカデミアの中でもエリート、生半可な事で怪我を負うことは少ないからだ…。
「その、錯乱している者によると……
【悪魔、だと……!?】
部下の言葉にプロフェッサーは…世界を滅ぼさんとした『悪魔』の姿を思い出す…!
【オベリスクフォースを追加で6人、派遣しろ】
「はっ…?」
【オベリスクフォースを出せと言っている!!】
「は、はい!!」
プロフェッサーの怒号と共に部下は部屋を飛び出して行った…。
【悪魔…ズァーク…!お前を復活させる訳にはいかんのだ…!!】
プロフェッサーは光を放つ装置を見つめながら、歯を食いしばった…。
─────────────────────────
「ひぃぃ…!?さっきの奴らが6人も!?」
「っ…アカデミアめ…!この次元まで火の海にするつもりか……ぐうっ…!?」
「まだ動くな!」
「(っ…セレナを連れて撤退すべきか…!?)」
増援として現れた6人のオベリスクフォース…それを見た大漁旗は気絶してしまった未知夫を庇いながら顔を青褪めさせ、黒咲は迎撃しようとして痛みに呻き、セレナがその身を支える…月影は撤退を視野に入れていたが…。
「奴らは俺が迎撃しよう…お前達は少し休んでいるといい」
「お前…!?状況が分かっているのか!?」
「分かってるさ……心配するな、セレナちゃん……デュエリストとしての誇りを持たない奴らなんて、敵じゃない」
「ちゃ…!?」
遊海だけは揺らがない…下卑た笑顔で沢渡を追い詰めるオベリスクフォースを迎撃する為に、前に出る!
「対多人数…モンスター召喚済、なら…デッキ換装!」
【ユウミ、アクセスグランテッド!】
遊海は迫りくるオベリスクフォースの姿を見てデッキケースに手を伸ばし、認証を行なう…それは遊希が開く事ができなかったデッキケース。
その名は【NEXUSコネクター】…『ZEXAL』の戦いの後、神様に与えられた新たなアイテム……それは遊海のカード庫に接続され、遊海の意思を読み取る事で最適のデッキを取り出す事ができるのである!
「た、助かった……って、アンタ……榊遊矢の兄貴か!?」
【なんだ?お前は…】
「沢渡君、彼ら相手によくここまで逃げきった……少し休んでいると良い」
這う這うの体で倒れ込む沢渡…彼を守るように遊海はオベリスクフォースと対峙する。
「よし…ここで一つ、質問だ…戦争を含めて、争いを速く終わらせる手段は?はい、セレナちゃん!」
オベリスクフォースを前に、穏やかな様子で遊海は後ろにいる子ども達に問いかける。
「はっ…!?こんな時に何を……一気に相手を攻める事だ!」
「うん、間違った方法じゃない…でもそれは相手と自分の戦力差が大きくないとできない事だ、今みたいな多数対一の時は?」
「……自分がどれほど
「──月影君、正解だ……さて、実戦でそれを示すとしよう!」
遊海は再びデュエルディスクを構える!
【はっ…!テメェ1人に何ができるんだ?赤帽子!テメェもカードにしてやるよ!!】
オベリスクフォースはカードになってしまった梁山泊塾の竹田・梅杉を見せつけながら、遊海に対して醜悪な笑みを浮かべる…。
「……なら、俺はお前達に教えてやるよ、自分達がどれほど愚かな事をしているのかを……
人を傷付けながら笑みを浮かべるオベリスクフォース達…その断罪のデュエルが始まる…!
【乱入ペナルティ!2000ポイント!】
乱入デュエル!
オベリスクフォース① LP4000 古代の機械双頭猟犬 伏せ1 手札3
オベリスクフォース② LP4000 古代の機械双頭猟犬 伏せ1 手札3
オベリスクフォース③ LP4000 古代の機械双頭猟犬 伏せ1
手札3
オベリスクフォース④ LP4000 古代の機械参頭猟犬 伏せ2
手札1
オベリスクフォース⑤ LP4000 古代の機械参頭猟犬 伏せ2
手札1
オベリスクフォース⑥ LP4000 古代の機械参頭猟犬 伏せ2
手札1
遊海LP4000→2000 手札5
沢渡LP400 魔界劇団─ビックスター (P デビルヒール ファンキーコメディアン) 手札3
「俺のターン!ドロー!」
《主、無事デナニヨリ…我ガ力デ、奴ラヲ薙ギ払オウ…!》
「頼むぜ、ラビエル!フィールド魔法『失楽園』を発動!」
《発動範囲を制限…監視カメラ遮断、疑似スフィアフィールド同時展開……思う存分やっちゃってください!マスター!》
「ありがとうアヤカ、これで…周りを気にする必要がなくなった…!」
遊海がフィールド魔法を発動した瞬間、周囲が世界から隔離される…火山は枯れ果て、ビルは消え…不毛の大地が広がっていく…!
【な、なんだ!?この場所は!?】
「お前達の罪を裁く…断罪の地だ!俺はさらに『混沌の召喚神』を召喚!」
下半身が蛇体になった異形の魔物が現れる! ATK0
【ははっ…!そんな低ステータスのモンスターで何ができる!!】
「はぁ…アカデミアでは『低ステータスのモンスターにこそ気を付けろ』とは習わないのか?『混沌の召喚神』の効果発動!自身をリリースする事で手札からこのモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!長き眠りから目覚め…俺に力を貸してくれ!『幻魔皇ラビエル』!!」
荒れ果てた大地に稲妻が降りそそぎ…大地を砕く、その大地の割れ目から巨大な手が飛び出す──そして巨大な青き体を持つ幻魔の皇、ラビエルが降臨する!! ATK4000
【な、な、なんだぁ!?攻撃力4000だと!?】
【ば、バケモノ…!!】
ビルに匹敵する巨体を誇るラビエルにオベリスクフォースは後退る。
「化け物とは酷い言い方だな…お前らに比べれば、こいつの方がずいぶんと優しいんだが……」
【ひ、怯むな!我らオベリスクフォースはアカデミアの精鋭なのだ!『古代の機械双頭猟犬』の効果発動!召喚・特殊召喚された相手モンスターにギア・アシッドカウンターを1つ乗せる!!】
双頭の猟犬から歯車がラビエルに向かって放たれる、だが……
《邪魔ダ》
【はっ…?】
歯車はラビエルの指によって明後日の方向へ弾き飛ばされる!
「フィールド魔法『失楽園』の効果により『ラビエル』は相手の効果対象にならず、効果では破壊されない…そして俺は手札から『幻魔皇ラビエル─天界蹂躙拳』を捨てて効果発動、このターン『ラビエル』の攻撃力は2倍になり、相手モンスター全てに攻撃できる」
【【【【【【はっ─?】】】】】】
呆けるオベリスクフォース達…そして破壊の力を拳に宿した魔皇が咆哮する!
ラビエルATK4000→8000
「教えてやろう…本当の蹂躙とはこういう事だ!バトル!『幻魔皇ラビエル』で全体攻撃!世界の平和を乱す愚か者に裁きの鉄鎚を振り下ろせ!!天界蹂躙拳!!」
《ウオオオ──!!》
【【【【【【ぎゃああああ!?!?】】】】】】
それは万物を破壊する『神』に比肩する、破壊の鉄鎚……それは大地を砕き、オベリスクフォース達を容赦なく粉砕した…。
オベリスクフォース①〜⑥ LP0
遊海WIN!
「お、オベリスクフォースが…あんなに呆気なく……」
「凄まじい…」
「……何者なんや、遊矢の兄ちゃん……」
「……モンスター以上にアンタの方がバケモンじゃんか……」
スフィアフィールドが解除され、周囲が火山へと戻っていく…その中で子ども達はオベリスクフォースを文字通り
《主ヨ…久シブリニ、良イカ…?》
「ん…?ああ、
【あ、ぐ……なんだ…!?】
デュエルが終わったフィールドに炎が逆巻き、再び稲妻が降りそそぐ…その中から赤き魔龍、そして稲妻を従える黄の悪魔が現れる…。
「お前達はエクシーズ次元の人々を奪い、今もなお苦しみを味合わせている……ならば俺は…お前達の
《アリガタイ、久々の食事ダ……イタダキマス》
遊海の言葉と共に幻魔達が吸息する…そして、変化はすぐに訪れた。
【ひっ…!?デッキが、オレのデッキがぁ!?】
【モンスターの絵が、カードが!?】
「な、何が起きてるんや!?」
『簡単な話だ……モンスターの力を
「凌牙…!?」
オベリスクフォースのデッキ…カードの絵柄の絵柄が崩れ、カードそのものが消えていく…突然の事に動揺するオベリスクフォース、子供達も驚いていたが…凌牙が状況を説明する。
『あの人が従える『三幻魔』…あのモンスター達はカードに宿る「精霊」の力を糧にしてる、本当なら世界全ての精霊の力を吸っちまうらしいんだが……幻魔達の努力と父さんのコントロールで、その力に
「三幻魔…?精霊?力を吸い取る??いったい、何を言ってんだ…!?」
『……まぁ、そんな反応になるよな』
凌牙の説明を聞いてもピンときていない様子の沢渡達…彼らにとって、目の前の出来事はまさに
「デッキは決闘者の魂…だが、お前達の魂は
【な、何なんだ…!お前は何者だぁ!!】
デッキが完全に消滅してしまったオベリスクフォースは恐怖に歪んだ表情で遊海に問いかける…!
「俺の名は遊海……白波遊海!お前達のボス、プロフェッサーとやらに伝えろ!二代目『決闘王』がお前の愚かで、救いのない計画を止めに行くと!!」
そして遊海は名乗りを上げる…世界を救い続けてきた『英雄』の1人として、アカデミアの計画を潰すのだと…。
《ゴチソウサマ………ソンナニ、オイシクナカッタ……》
《やはり、デュエルアカデミアの子供達や……主の力の方が美味しく感じる》
《少し物足りなかった…》
「ふぅ…ごめんな、変なモン食べさせて……あとでまた力を分けるから……」
《ワカッタ……マタ、アトデ》
強制送還されたオベリスクフォースが消えた後、久しぶりの食事を終えた幻魔達が愚痴を零す…そんな彼らに口直しを約束した遊海、そして──
バトルロイヤル終了を知らせるブザーが鳴り響いた…。
Side遊矢
「ユート…オレは、お前を信じる……『デュエルで笑顔を』と言ったお前を!!オレは…デュエルで素良の笑顔を取り戻す!オレはレベル7となった『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』と『オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』の2体でオーバーレイ!二色の眼の龍よ!その黒き逆鱗を震わせ、歯向かう敵を殲滅せよ!!怒りの眼輝けし『覇王黒竜』!『オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン』!!」
『ははは…!面白い…面白いよ!遊矢!エクシーズのペンデュラムモンスターなんて……遊矢のデュエルは、これだからいつもワクワクするんだ!!』
「そうだ…!デュエルは
同じ頃、素良と遊矢は火山エリアの一角でデュエルを繰り広げていた。
遊海に諭される形でアカデミアの戦士として戦う素良に『笑顔』を取り戻す為に戦いを挑んだ遊矢…だが、『本気』の素良は強く、次々と襲いかかる『デストーイ』モンスター達に追い詰められてしまう…。
そして遊矢は再び『暴走』する可能性を理解しながらも…素良を引き戻す為に『覇王黒竜』を呼び出した…!
「『オッドアイズリベリオン』の効果発動!エクシーズモンスターをエクシーズ素材にした時、相手フィールドのレベル7以下のモンスターを全て破壊し、その攻撃力分のダメージを与える!!」
『罠カード「フュージョン・フロント・ベース」を発動!自分フィールドに融合モンスターが存在する時!効果ダメージを無効にする!』
覇王黒竜の翼から紫電が奔り、素良の『デストーイ・シザー・ベアー』と『デストーイ・シザー・タイガー』を破壊…だが、効果ダメージは回避されてしまう…!
「『オッドアイズリベリオン』のさらなる効果発動!ORUを一つ使い、自身の効果で破壊された相手モンスターの数だけ攻撃できる!『デストーイ・サーベル・タイガー』を攻撃!反旗の逆鱗─ストライク・ディスオベイ!!」
『アクションマジック「フレイム・チェーン」!相手モンスターの攻撃力を400ダウンさせる!これで返り討ちだ!』
「アクションマジック『フレイム・パワー』!自分のモンスターの攻撃力を400アップさせる!!」
火山を削りながら攻撃を仕掛ける覇王黒竜…素良はアクションマジックによる弱体化を狙うが、遊矢は即座にカバー…そして2人は最後のアクションカードを狙う!
「『届け─!!』」
火山の天井に張り付いたアクションマジックを狙う2人…その時!
ビビーッ!!
『バトルロイヤル終了時刻でぇぇす!!』
「『なっ…』」
ニコの実況が舞網市に響き渡る…それと共にアクションフィールドを構成していたリアルソリッドビジョンが消滅……2人のデュエルは時間切れという結末を迎えたのだった…。
Side Out
「遊矢!!素良!!」
「権現坂…柚子!!」
リアルソリッドビジョンの消えた街に権現坂の声が響く…遊矢が頭上を見上げると凌牙に助けられた日影の介抱を終えた権現坂、そしてオベリスクフォースを撃退した月影・黒咲・沢渡…そして
「ん……ん!?柊柚子!!ダーリンに色目を使っていながら…別の男にも近づいてたわね!?」
『私は…柚子ではない…』
「「「えっ!?」」」
ここで目を覚ましたミエルが声を上げるが…セレナがそれを否定し、権現坂と遊矢、ミエルが驚愕する…全員がセレナを柚子と誤認していたからだ…。
なお、ミエルは氷山エリアで本物の柚子とシンクロ次元のユーゴが出会う所を見ていたのだが…氷のソリッドビジョンですっ転び、頭を打って失神していたのである。
「じ、じゃあ…柚子は!?」
「ごめん、遊矢…探したんだけど…気を失った彼女以外は見つからなかったんだ…」
「デニス…そんな…!まさか!!」
『っ…!』キィン!
「素良!!」
デニスの言葉に思わず素良へと振り返る遊矢…だが、素良はデュエルディスクを操作してアカデミアへと戻ってしまった…。
【君達のデュエル…しっかりと見せてもらった】
「っ…赤馬、零児!?」
そして…それと入れ替わりに赤いマフラーをたなびかせた赤馬零児が姿を現した…!
『げっ…赤馬社長……一応、言われた通りアカデミアの連中は追っ払ったけど…オレのランサーズ入りはどうなるんだ?』
「ランサーズ?なんだ、それは…?」
一瞬、気まずげな表情を見せた沢渡の言葉に権現坂が問いかける…『ランサーズ』とは何なのかと…。
『このバトルロイヤルは…デュエル戦士選抜の為の
「「試験…!?」」
【私は…融合次元の侵攻が起きる事を
「オレ達の力で…!?」
沢渡の言葉を引き継ぐ形で零児が説明する…バトルロイヤルそのものが、アカデミアに対する迎撃戦だったのだと。
「なんで、ユースやプロじゃなくて…オレ達ジュニアユースに…!?」
『ユースの奴らも戦ってたらしいぜ?……全滅した上に半数はカード化、残りの半分もリタイアしたってさ…だから、オレが投入されたのさ』
「ユースが、全滅!?」
沢渡の言葉に遊矢と権現坂は驚く…ユースクラスはジュニアユースクラスより強い…その彼らでも、オベリスクフォースには敵わなかったのだと…。
【そして…私の見込み通り……いや、
「っ…ふざけるな!!何がランサーズだ!!」
バトルロイヤルで生き残った遊矢達を讃える零児…だが、その言葉を聞いた遊矢は怒りを露わにする…!
「そんな事の為に、ナイト・オブ・デュエルズや城之内さん…他のみんなもカードにされたのか!?未知夫は怪我をしたのか!?柚子だって…カードに……!!」
「ダーリン…」
遊矢の脳裏に過ぎるのは恐怖の表情でカードにされてしまったナイト・オブ・デュエルズや凌牙に見せられたカード化された城之内…そして行方知れずとなってしまった柚子の事……それは遊矢にとって許せない事だった…。
「お前のせいで…柚子は……みんなは!!」
『そうだ、それは悪手だったぞ…赤馬零児、戦う意思のない…覚悟の無い者ほど弱いモノはない……せめて、最低限の事情は説明すべきだったな』
【…海馬瀬人…!】
「か、海馬社長…遊希兄…凌牙…!」
遊矢の嘆きを遮るように凛とした声が響く…現れたのはレオ・コーポレーションのライバルたる海馬コーポレーションの社長・海馬瀬人、そして遊海と凌牙だった。
『訓練も無しに民間人を戦場に放り出す馬鹿がいるか?そんなもの、体のいい「肉壁」ではないか……緊急事態なら緊急事態と俺に泣きついてこい、最低限の備えはしていたのだぞ』
【くっ…あっさりと協力してくれたのはそういう事か……全て見通していた、と…】
海馬の鋭い視線に零児は僅かに表情を崩す…記憶を取り戻していた海馬は私設部隊やスポンサーとなっているプロデュエリストに声をかけ、事態に備えていたのだ。
「遊希兄…なんか…背が、伸びた…?それに、左目が治って…!?」
「……お前が榊遊矢か……
「えっ…?」
「俺の名は白波遊海……
駆け寄ってきた遊矢に対し、遊海は改めて自己紹介する…それは…遊矢に残酷な真実を突きつけた。
「赤馬零児……お前のせいで、1人
【っ…】
遊海は自分の胸を指し示しながら零児を睨みつける…。
「ゆ、遊希…!死んだとは……まさか…!?」
「………俺にはこの次元で過ごし、榊遊矢と暮らした『記憶』は無い……それはお前達の知る『榊遊希』が死んだ……それと変わらないだろう」
「そんな…!そんな…!!」
遊海の言葉で権現坂達はそれを知る…榊遊希は…いなくなってしまったのだと…。
「赤馬零児、お前のやり方は間違ってる…情報を隠せば隠すほど、人は疑い…猜疑心を抱く………そのやり方は
【っ…!!】
遊海は零児に正論を叩きつける…侵略戦争を正当化するアカデミア、アカデミアの侵攻を隠して遊矢達を戦わせた零児……それは図らずとも、似た行ないだった。
『待ってくれ…全ては零児1人の責任ではない……柚子が倒されてしまったのも、オベリスクフォースが来たのも………私のせいだ…!』
「自分のせい、とは…どういう事だ?そもそも…お前は…?」
追い詰められる零児を庇うようにセレナが前に出る…彼女の事はこの場にいる半数は知らないのだ。
『私はセレナ…融合次元の、アカデミアのデュエリストだ…!』
「アカデミア!?敵じゃねぇか!?」
セレナの告白に沢渡が驚愕する…そして彼女は真実を語る。
アカデミアの悪行を知らず、デュエル戦士としての武勲を上げる為にスタンダードに来た事
付き人がセレナを連れ戻す為にアカデミアのエリートたるオベリスクフォースを呼び寄せてしまった事
…そして、バトルロイヤルの中で柚子からアカデミアの悪行を知り、その真実を確かめる為に服を交換し、囮になってもらった事を…。
『──柚子は…黒咲か凌牙という男にエクシーズ次元で起きた真実を聞けと……その為に、彼女は囮に…』
「そんな…!」
困った人がいたら見捨てられない…そんな柚子の事を知っている遊矢は拳を握り締める…。
「赤馬零児……お前が、お前がオレ達を戦わせなければ……!!みんなを…柚子を返せぇぇ!!」
【っ…】
バトルロイヤルの被害…悲劇を知った遊矢は拳を振り上げ、零児へと殴り掛かる……だが。
ガシッ
「榊遊矢…その手は、お前にとって
「遊希、兄…」
甘んじて拳を受けようとした零児……だが、その直前に割り込んだ遊海がその拳を受け止めた…。
「確かに、アカデミア侵攻、バトルロイヤルという突然の争いを招いたのは零児とセレナだ……だが、柊柚子を守れなかったのは───お前の
「っ…」
「赤馬零児も手段は間違ったとはいえ、この世界を守る為に戦った……お前に世界を守れ、とは言わない……だが、その手は…なんの為にある?」
「オレの手は……」
遊海に離された手を遊矢は見つめる…。
「オレは…デュエリストだ……だから…零児!お前にデュエルを申し込む!!柚子やカードにされたみんなの分まで…お前をぶっ倒す!!」
【……わかった……それで君の気が済むのなら…受けて立とう…!】
遊矢は怒りの籠もった眼差しで零児を睨む…そして動揺していた零児も、その提案を受け入れた…。
ARC-V編、シンクロ次元以降のデュエルで『乱入ペナルティ』は…?
-
いる!
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いらない!
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おまかせ!